JPH0821479A - 液体封入式エンジンマウント - Google Patents
液体封入式エンジンマウントInfo
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- JPH0821479A JPH0821479A JP15556894A JP15556894A JPH0821479A JP H0821479 A JPH0821479 A JP H0821479A JP 15556894 A JP15556894 A JP 15556894A JP 15556894 A JP15556894 A JP 15556894A JP H0821479 A JPH0821479 A JP H0821479A
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- Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 騒音,異音等の発生を防止しつつ、低周波域
および高周波域に対する防振性能を十分に両立させる。 【構成】 振動入力方向に互いに離れた第1取付部材1
と、第2取付部材2とをゴム弾性体3で互いに連結し、
ゴム弾性体とダイヤフラム6とで液体Lを封入した液室
4を形成する。液室を仕切体5で下側の受圧室4aと、
上側の平衡室4bとに仕切りオリフィス10で連通させ
る。仕切体に、受圧室に対しゴム膜11を介して接触す
る密閉室16を画成し、密閉室を貫通孔17a付きの隔
壁部材17で上室16aと下室16bとに仕切る。下室
のゴム膜11側に液体層M、その上側に空気層Gで充満
し、上室にも空気層Gを充満する。高周波側振動入力時
には下室側の空気層の空気ばねの作用によりゴム膜を撓
み易くし、低周波側振動入力時にには空気層圧縮後の液
体層の非圧縮性に基づきゴム膜を撓み難くする。
および高周波域に対する防振性能を十分に両立させる。 【構成】 振動入力方向に互いに離れた第1取付部材1
と、第2取付部材2とをゴム弾性体3で互いに連結し、
ゴム弾性体とダイヤフラム6とで液体Lを封入した液室
4を形成する。液室を仕切体5で下側の受圧室4aと、
上側の平衡室4bとに仕切りオリフィス10で連通させ
る。仕切体に、受圧室に対しゴム膜11を介して接触す
る密閉室16を画成し、密閉室を貫通孔17a付きの隔
壁部材17で上室16aと下室16bとに仕切る。下室
のゴム膜11側に液体層M、その上側に空気層Gで充満
し、上室にも空気層Gを充満する。高周波側振動入力時
には下室側の空気層の空気ばねの作用によりゴム膜を撓
み易くし、低周波側振動入力時にには空気層圧縮後の液
体層の非圧縮性に基づきゴム膜を撓み難くする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として自動車のエン
ジンを車体に対して支持するための液体封入式エンジン
マウントに係り、詳しくは、低周波域の振動減衰用のオ
リフィスに加え、高周波域の振動に対する振動絶縁機構
が設けられた、いわゆる第2世代の液体封入式エンジン
マウントに関する。
ジンを車体に対して支持するための液体封入式エンジン
マウントに係り、詳しくは、低周波域の振動減衰用のオ
リフィスに加え、高周波域の振動に対する振動絶縁機構
が設けられた、いわゆる第2世代の液体封入式エンジン
マウントに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の液体封入式エンジン
マウントとして、オリフィスにより互いに連通された受
圧室と平衡室とに仕切る仕切体に、それぞれ弾性膜を介
して両室に臨ませた密閉室を形成し、この密閉室内に空
気を充満させたものが知られている(例えば、特開昭6
0−18633号公報参照)。また、同様構造の密閉室
内に液体を充満させたものも知られている(例えば、特
開昭62−113933号公報参照)。これらのもの
は、共に、受圧室側および平衡室側の両弾性膜間に位置
するよう連通孔付きの隔壁を設け、受圧室等からの液圧
を受けて変形する各弾性膜がこの隔壁に当接することに
より低周波域の振動入力時の上記各弾性膜の大変位を規
制するようにしている。
マウントとして、オリフィスにより互いに連通された受
圧室と平衡室とに仕切る仕切体に、それぞれ弾性膜を介
して両室に臨ませた密閉室を形成し、この密閉室内に空
気を充満させたものが知られている(例えば、特開昭6
0−18633号公報参照)。また、同様構造の密閉室
内に液体を充満させたものも知られている(例えば、特
開昭62−113933号公報参照)。これらのもの
は、共に、受圧室側および平衡室側の両弾性膜間に位置
するよう連通孔付きの隔壁を設け、受圧室等からの液圧
を受けて変形する各弾性膜がこの隔壁に当接することに
より低周波域の振動入力時の上記各弾性膜の大変位を規
制するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高周波域の
振動に対する振動絶縁機構には、上記オリフィスが目詰
まり状態になるような高周波域の振動が入力した場合
に、受圧室の液圧変動を吸収するために弾性膜が積極的
に変位して受圧室内の体積補償を行うことにより受圧室
内の液圧の急上昇を抑制するようなものであることが要
求される。その一方、低周波域の振動入力時には、オリ
フィスを介してより多くの量の液体を流動させてオリフ
ィスによる減衰機能を十分に発揮させるために、受圧室
内の液圧が上昇しても上記の弾性膜が可及的に変形しな
いものであることが要求される。すなわち、上記振動絶
縁機構においては、受圧室の液圧上昇を受けた場合、高
周波微小振幅の入力振動に対しては十分に変位する一
方、低周波大振幅の入力振動に対してはなるべく変位し
ないようにする、という相反する2つの要求の両立が要
求されている。
振動に対する振動絶縁機構には、上記オリフィスが目詰
まり状態になるような高周波域の振動が入力した場合
に、受圧室の液圧変動を吸収するために弾性膜が積極的
に変位して受圧室内の体積補償を行うことにより受圧室
内の液圧の急上昇を抑制するようなものであることが要
求される。その一方、低周波域の振動入力時には、オリ
フィスを介してより多くの量の液体を流動させてオリフ
ィスによる減衰機能を十分に発揮させるために、受圧室
内の液圧が上昇しても上記の弾性膜が可及的に変形しな
いものであることが要求される。すなわち、上記振動絶
縁機構においては、受圧室の液圧上昇を受けた場合、高
周波微小振幅の入力振動に対しては十分に変位する一
方、低周波大振幅の入力振動に対してはなるべく変位し
ないようにする、という相反する2つの要求の両立が要
求されている。
【0004】このため、上記の従来の技術では、受圧室
側および平衡室側との境界を弾性膜で仕切った密閉室内
に空気もしくは液体の一方を封入し、かつ、両弾性膜間
の中間位置に上記隔壁を介装することにより、低周波域
および高周波域の両入力振動に対して各弾性膜と隔壁と
の間隔の範囲内での変位を許容しつつ、低周波域の入力
振動に対しては各弾性膜が隔壁に当接することによりそ
れ以上の変位を規制するようにしている。
側および平衡室側との境界を弾性膜で仕切った密閉室内
に空気もしくは液体の一方を封入し、かつ、両弾性膜間
の中間位置に上記隔壁を介装することにより、低周波域
および高周波域の両入力振動に対して各弾性膜と隔壁と
の間隔の範囲内での変位を許容しつつ、低周波域の入力
振動に対しては各弾性膜が隔壁に当接することによりそ
れ以上の変位を規制するようにしている。
【0005】ところが、上記密閉室内に空気もしくは液
体のいずれを充満させたものでも、共に、低周波域の振
動入力時に各弾性膜が隔壁に当接する際に接触音が発生
し、騒音,異音発生の原因になる。特に、上記密閉室に
空気を充満させたものは、液体を充満させたものと比
べ、受圧室からの液圧を受けて空気が圧縮され易いた
め、上記の騒音等が発生し易い傾向にある。この不都合
を解消するために内部に空気を充満させるものの弾性膜
をより硬くして撓み難くすることも考えられるが、そう
すると、逆に、高周波域の振動入力時に液圧吸収性能が
低下して動ばね定数の上昇を招くことになる。
体のいずれを充満させたものでも、共に、低周波域の振
動入力時に各弾性膜が隔壁に当接する際に接触音が発生
し、騒音,異音発生の原因になる。特に、上記密閉室に
空気を充満させたものは、液体を充満させたものと比
べ、受圧室からの液圧を受けて空気が圧縮され易いた
め、上記の騒音等が発生し易い傾向にある。この不都合
を解消するために内部に空気を充満させるものの弾性膜
をより硬くして撓み難くすることも考えられるが、そう
すると、逆に、高周波域の振動入力時に液圧吸収性能が
低下して動ばね定数の上昇を招くことになる。
【0006】また、上記密閉室に液体を充満させたもの
の場合、その液体は、液体自体の有する非圧縮性に基き
両弾性膜間の圧力伝達媒体として機能するに過ぎないた
め、受圧室内の液圧上昇に対する液圧吸収性能は受圧室
側および平衡室側の両弾性膜自体の撓み性能に依存する
ことになる。このため、低周波域振動に対する撓み難さ
を重視すると、高周波域の振動入力時に液圧の上昇によ
り動ばね定数の上昇を招き、逆に、高周波域振動に対す
る撓み易さを重視すると、低周波域の振動入力時に液圧
上昇をより吸収する結果、オリフィスを通る液体の流動
量低下を招き、これに伴い、振動減衰機能の低下を招く
ことになる。このため、上記の低周波域および高周波域
の各入力振動に対する相反する2つの要求の両立を十分
に図ることができない。
の場合、その液体は、液体自体の有する非圧縮性に基き
両弾性膜間の圧力伝達媒体として機能するに過ぎないた
め、受圧室内の液圧上昇に対する液圧吸収性能は受圧室
側および平衡室側の両弾性膜自体の撓み性能に依存する
ことになる。このため、低周波域振動に対する撓み難さ
を重視すると、高周波域の振動入力時に液圧の上昇によ
り動ばね定数の上昇を招き、逆に、高周波域振動に対す
る撓み易さを重視すると、低周波域の振動入力時に液圧
上昇をより吸収する結果、オリフィスを通る液体の流動
量低下を招き、これに伴い、振動減衰機能の低下を招く
ことになる。このため、上記の低周波域および高周波域
の各入力振動に対する相反する2つの要求の両立を十分
に図ることができない。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、騒音,異音等
の発生を防止しつつ、低周波域および高周波域に対する
防振性能を十分に両立させることにある。
たものであり、その目的とするところは、騒音,異音等
の発生を防止しつつ、低周波域および高周波域に対する
防振性能を十分に両立させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、振動入力方向一側に配設さ
れる第1取付部材と、振動入力方向他側に配設される第
2取付部材と、これら第1と第2との両取付部材間を互
いに連結する弾性支承体と、この弾性支承体により画成
され液体が封入されて弾性支承体の変形により圧力を受
ける受圧室と、弾性薄膜部材により拡縮可能に画成され
液体が封入された平衡室と、この平衡室と上記受圧室と
を互いに連結するオリフィスとを備えたものを前提とす
る。このものにおいて、上記受圧室の上側位置に密閉状
態に画成された密閉室を備える。そして、上記密閉室の
下面を上記受圧室内の液圧を受けるよう弾性膜により画
成し、上記密閉室の内部に液体と気体とを封入して、互
いの比重差に基づき上記密閉室の下側に位置付けられた
液体によって弾性膜に接触する液体層を形成する一方、
上記気体によってこの液体層の上側部分に充満する気体
層を形成する構成とするものである。
に、請求項1記載の発明は、振動入力方向一側に配設さ
れる第1取付部材と、振動入力方向他側に配設される第
2取付部材と、これら第1と第2との両取付部材間を互
いに連結する弾性支承体と、この弾性支承体により画成
され液体が封入されて弾性支承体の変形により圧力を受
ける受圧室と、弾性薄膜部材により拡縮可能に画成され
液体が封入された平衡室と、この平衡室と上記受圧室と
を互いに連結するオリフィスとを備えたものを前提とす
る。このものにおいて、上記受圧室の上側位置に密閉状
態に画成された密閉室を備える。そして、上記密閉室の
下面を上記受圧室内の液圧を受けるよう弾性膜により画
成し、上記密閉室の内部に液体と気体とを封入して、互
いの比重差に基づき上記密閉室の下側に位置付けられた
液体によって弾性膜に接触する液体層を形成する一方、
上記気体によってこの液体層の上側部分に充満する気体
層を形成する構成とするものである。
【0009】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明において、液室を仕切体により仕切り、受圧室
をその仕切体の下側に、平衡室を上側にそれぞれ画成す
る。そして、上記仕切体に密閉室を一体形成する構成と
するものである。
載の発明において、液室を仕切体により仕切り、受圧室
をその仕切体の下側に、平衡室を上側にそれぞれ画成す
る。そして、上記仕切体に密閉室を一体形成する構成と
するものである。
【0010】さらに、請求項3記載の発明は、請求項1
記載の発明において、密閉室の内部を隔壁により上室
と、下面が弾性膜により画成された下室とに仕切る。そ
して、上記上室と下室とを上記隔壁を貫通する絞り孔を
介して互いに連通し、液体を上記下室の下側部分に封入
して弾性膜に接触する液体層を形成する一方、気体を上
記下室の液体層の上側部分と上記上室とに充満させる構
成とするものである。
記載の発明において、密閉室の内部を隔壁により上室
と、下面が弾性膜により画成された下室とに仕切る。そ
して、上記上室と下室とを上記隔壁を貫通する絞り孔を
介して互いに連通し、液体を上記下室の下側部分に封入
して弾性膜に接触する液体層を形成する一方、気体を上
記下室の液体層の上側部分と上記上室とに充満させる構
成とするものである。
【0011】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
下面が弾性膜により画成されこの弾性膜を隔てて受圧室
と隣接する密閉室内に、液体層が上記弾性膜に接触して
密閉室の下側部分に位置付けられ、気体層がその液体層
の上側部分に位置付けられるよう封入されているため、
受圧室側から液圧を受けた弾性膜は、密閉室内に封入さ
れた気体層の圧縮性に基づく空気ばねにより比較的軟ら
かく支持されて変位する一方、その気体層が圧縮される
段階まで弾性膜が変位した後は液体の非圧縮性に基き比
較的硬く支持されて弾性膜の変位が抑制される。すなわ
ち、受圧室からの液圧を受けた場合の弾性膜の撓み特性
が、初期においては気体の圧縮性に基き比較的軟らかく
撓み易いものとなる一方、上記空気の圧縮性に基く分だ
け撓んだ後は液体の非圧縮性に基き比較的硬く撓み難い
ものとなる、というように液圧−変位関係が気体層の圧
縮後は屈曲するような非線形の関係となる。このため、
高周波域の振動入力に対して上記気体の圧縮性に基き弾
性膜が撓むことにより受圧室内の液圧変動の吸収が十分
に行われる一方、低周波域の振動入力に対して上記液体
の非圧縮性に基き弾性膜の撓みが抑制されてオリフィス
への液体流動量の確保が図られる。この場合、密閉室に
封入する空気量を相対的に少なくすれば高周波域振動入
力時の液圧吸収を図りつつ低周波域振動入力時のオリフ
ィスへの液体流動量の確保を十分に図ることができ、逆
に、上記空気量を相対的に多くすれば、低周波域振動入
力時のオリフィスへの液体流動量の確保を図りつつ高周
波域振動入力時の液圧吸収を十分に図ることができ、入
力する高周波振動の領域に応じて封入する液体と気体と
の相対量を調整することにより、低周波域および高周波
域の各入力振動に対する防振性能の確保が十分に図るこ
とが可能になる。
下面が弾性膜により画成されこの弾性膜を隔てて受圧室
と隣接する密閉室内に、液体層が上記弾性膜に接触して
密閉室の下側部分に位置付けられ、気体層がその液体層
の上側部分に位置付けられるよう封入されているため、
受圧室側から液圧を受けた弾性膜は、密閉室内に封入さ
れた気体層の圧縮性に基づく空気ばねにより比較的軟ら
かく支持されて変位する一方、その気体層が圧縮される
段階まで弾性膜が変位した後は液体の非圧縮性に基き比
較的硬く支持されて弾性膜の変位が抑制される。すなわ
ち、受圧室からの液圧を受けた場合の弾性膜の撓み特性
が、初期においては気体の圧縮性に基き比較的軟らかく
撓み易いものとなる一方、上記空気の圧縮性に基く分だ
け撓んだ後は液体の非圧縮性に基き比較的硬く撓み難い
ものとなる、というように液圧−変位関係が気体層の圧
縮後は屈曲するような非線形の関係となる。このため、
高周波域の振動入力に対して上記気体の圧縮性に基き弾
性膜が撓むことにより受圧室内の液圧変動の吸収が十分
に行われる一方、低周波域の振動入力に対して上記液体
の非圧縮性に基き弾性膜の撓みが抑制されてオリフィス
への液体流動量の確保が図られる。この場合、密閉室に
封入する空気量を相対的に少なくすれば高周波域振動入
力時の液圧吸収を図りつつ低周波域振動入力時のオリフ
ィスへの液体流動量の確保を十分に図ることができ、逆
に、上記空気量を相対的に多くすれば、低周波域振動入
力時のオリフィスへの液体流動量の確保を図りつつ高周
波域振動入力時の液圧吸収を十分に図ることができ、入
力する高周波振動の領域に応じて封入する液体と気体と
の相対量を調整することにより、低周波域および高周波
域の各入力振動に対する防振性能の確保が十分に図るこ
とが可能になる。
【0012】しかも、上記の如く、低周波振動の入力時
の弾性膜の変位規制が液体層の非圧縮性に基づき行われ
るため、弾性膜が変位しても接触音等の発生するおそれ
はない。
の弾性膜の変位規制が液体層の非圧縮性に基づき行われ
るため、弾性膜が変位しても接触音等の発生するおそれ
はない。
【0013】請求項2記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、液室が仕切体によって2
つに仕切られて、受圧室が仕切体の下側に配置される。
そして、上記仕切体に密閉室が形成されているため、そ
の密閉室の弾性膜が受圧室の上面に位置付けられて請求
項1記載の発明による作用が確実に得られる上、上記密
閉室の形成の容易化、および、その密閉室への液体,気
体の封入作業の容易化が図られる。
載の発明による作用に加えて、液室が仕切体によって2
つに仕切られて、受圧室が仕切体の下側に配置される。
そして、上記仕切体に密閉室が形成されているため、そ
の密閉室の弾性膜が受圧室の上面に位置付けられて請求
項1記載の発明による作用が確実に得られる上、上記密
閉室の形成の容易化、および、その密閉室への液体,気
体の封入作業の容易化が図られる。
【0014】請求項3記載の発明では、上記請求項1記
載の発明による作用に加えて、受圧室内の液圧変動が弾
性膜から隔壁により仕切られた下室の液体層に作用し、
この液体層を介して下室の上側に位置付けられた気体層
に伝達され、これにより、その気体層が圧縮される。こ
のため、高周波域の振動入力に対しては、この気体層の
圧縮性により上記弾性膜が十分に軟らかく撓み易く支持
される。一方、低周波域の振動入力に対しては、圧縮さ
れた下室内の気体層の気体が絞り孔を介して上室側に流
動しようとする際に抵抗を受けて下室内の気体層の圧縮
以上の圧縮が制限され、それ以上の下室の体積の縮小が
制限される。これにより、上記弾性膜が下室の液体層の
非圧縮性に基き撓み難く支持される。さらに、過大な衝
撃力の入力により下室内の気体層が大きく圧縮されて上
室側に流動しても下室内の気体より粘度の高い液体が絞
り孔を介して上室側に流動しようとする際の抵抗によ
り、それ以上の下室の縮小が制限される。これらの結
果、上記低周波域の振動や大振幅の衝撃力の入力時に受
圧室からオリフィスへの液体の流動量が十分に確保され
て、その減衰が図られる上、上記の衝撃力の入力の際に
も弾性膜の隔壁への接触が上記下室内の液体の非圧縮性
に基き阻止される。
載の発明による作用に加えて、受圧室内の液圧変動が弾
性膜から隔壁により仕切られた下室の液体層に作用し、
この液体層を介して下室の上側に位置付けられた気体層
に伝達され、これにより、その気体層が圧縮される。こ
のため、高周波域の振動入力に対しては、この気体層の
圧縮性により上記弾性膜が十分に軟らかく撓み易く支持
される。一方、低周波域の振動入力に対しては、圧縮さ
れた下室内の気体層の気体が絞り孔を介して上室側に流
動しようとする際に抵抗を受けて下室内の気体層の圧縮
以上の圧縮が制限され、それ以上の下室の体積の縮小が
制限される。これにより、上記弾性膜が下室の液体層の
非圧縮性に基き撓み難く支持される。さらに、過大な衝
撃力の入力により下室内の気体層が大きく圧縮されて上
室側に流動しても下室内の気体より粘度の高い液体が絞
り孔を介して上室側に流動しようとする際の抵抗によ
り、それ以上の下室の縮小が制限される。これらの結
果、上記低周波域の振動や大振幅の衝撃力の入力時に受
圧室からオリフィスへの液体の流動量が十分に確保され
て、その減衰が図られる上、上記の衝撃力の入力の際に
も弾性膜の隔壁への接触が上記下室内の液体の非圧縮性
に基き阻止される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0016】<第1実施例>図1は、本発明の第1実施
例に係る液体封入式エンジンマウントを示し、1は振動
入力方向(図1の上下方向;以下、単に上下方向とい
う)の下側に配置された比較的厚肉のプレート状の第1
取付部材、2はその上側に配置された有底筒状の第2取
付部材、3はこれら第1および第2取付部材1,2を互
いに液密に連結する弾性支承体としてのゴム弾性体、4
は液室、5は仕切体、6は弾性薄膜部材としてのゴム薄
膜製のダイヤフラム、7は密閉室である。
例に係る液体封入式エンジンマウントを示し、1は振動
入力方向(図1の上下方向;以下、単に上下方向とい
う)の下側に配置された比較的厚肉のプレート状の第1
取付部材、2はその上側に配置された有底筒状の第2取
付部材、3はこれら第1および第2取付部材1,2を互
いに液密に連結する弾性支承体としてのゴム弾性体、4
は液室、5は仕切体、6は弾性薄膜部材としてのゴム薄
膜製のダイヤフラム、7は密閉室である。
【0017】以下、上記の各構成部材の構成および相互
関係について説明する。
関係について説明する。
【0018】上記第1取付部材1には取付ボルト1aが
下向きに突出して固定されており、この取付ボルト1a
によって例えば自動車の車体側に取付けられている。
下向きに突出して固定されており、この取付ボルト1a
によって例えば自動車の車体側に取付けられている。
【0019】上記第2取付部材2は、筒部材8と、上向
きに突出する取付ボルト2aが固定された皿状部材9と
がかしめ部2bでかしめられて一体化されたものであ
り、上記かしめ部2bで上記仕切体5の後述の外周フラ
ンジ部5cおよびダイヤフラム6の外周縁が上記筒部材
8の凹段部8aと皿状部材9との間にシールされた状態
で挟み込まれて固定されている。そして、上記第2取付
部材2は、取付ボルト2aによって例えばエンジン側に
取付けられている。
きに突出する取付ボルト2aが固定された皿状部材9と
がかしめ部2bでかしめられて一体化されたものであ
り、上記かしめ部2bで上記仕切体5の後述の外周フラ
ンジ部5cおよびダイヤフラム6の外周縁が上記筒部材
8の凹段部8aと皿状部材9との間にシールされた状態
で挟み込まれて固定されている。そして、上記第2取付
部材2は、取付ボルト2aによって例えばエンジン側に
取付けられている。
【0020】上記ゴム弾性体3は、上記第1取付部材1
と第2取付部材2と共に一体加硫成形されて、上下を逆
転した中空略円錐状に形成されている。そして、このゴ
ム弾性体3と、上記第2取付部材2の筒部材8と、ダイ
ヤフラム6とによって内部に密閉空間が画成され、この
密閉空間に液体Lが封入されて上記液室4が形成されて
いる。
と第2取付部材2と共に一体加硫成形されて、上下を逆
転した中空略円錐状に形成されている。そして、このゴ
ム弾性体3と、上記第2取付部材2の筒部材8と、ダイ
ヤフラム6とによって内部に密閉空間が画成され、この
密閉空間に液体Lが封入されて上記液室4が形成されて
いる。
【0021】上記仕切体5は、上記液室4を上下に仕切
るように上記ゴム弾性体3とダイヤフラム6との間に配
設されており、この仕切体5の下側にゴム弾性体3の変
形により拡縮されて液圧が変動する受圧室4aと、上記
仕切体5の上側にダイヤフラム6の変形により拡縮され
て上記液圧変動を吸収する平衡室4bとが形成されてい
る。上記仕切体5は基板部5aと、この基板部5aから
立ち上がる周壁部5bと、この周壁部5bの外周面から
外周側に突出する上下2段の外周フランジ部5c,5d
とが合成樹脂による一体成形により形成されたものであ
り、上記両外周フランジ部5c,5dと筒部材8の内周
面とにより画成されて上記仕切体5の外周側に環状のオ
リフィス10が形成されている。このオリフィス10は
その一端10aが上記受圧室4aに開口される一方、他
端10bが上記平衡室4bに開口されて受圧室4aおよ
び平衡室4bを互いに連通しており、所定の低周波振動
に対して受圧室4aと平衡室4bとの間で液柱共振を生
じるように長さおよび断面積が設定されている。
るように上記ゴム弾性体3とダイヤフラム6との間に配
設されており、この仕切体5の下側にゴム弾性体3の変
形により拡縮されて液圧が変動する受圧室4aと、上記
仕切体5の上側にダイヤフラム6の変形により拡縮され
て上記液圧変動を吸収する平衡室4bとが形成されてい
る。上記仕切体5は基板部5aと、この基板部5aから
立ち上がる周壁部5bと、この周壁部5bの外周面から
外周側に突出する上下2段の外周フランジ部5c,5d
とが合成樹脂による一体成形により形成されたものであ
り、上記両外周フランジ部5c,5dと筒部材8の内周
面とにより画成されて上記仕切体5の外周側に環状のオ
リフィス10が形成されている。このオリフィス10は
その一端10aが上記受圧室4aに開口される一方、他
端10bが上記平衡室4bに開口されて受圧室4aおよ
び平衡室4bを互いに連通しており、所定の低周波振動
に対して受圧室4aと平衡室4bとの間で液柱共振を生
じるように長さおよび断面積が設定されている。
【0022】上記密閉室7は、図2に詳細を示すよう
に、上記仕切体5の基板部5aが上方に突出されて下方
に開口する円形の凹部5eと、この凹部5eの下端開口
を液密に覆う弾性膜であるゴム膜11とにより画成され
たものである。すなわち、上記密閉室7は、受圧室4a
内の液体Lに接触する下面のみが撓み性のある上記ゴム
膜11により画成され、他の上面および内側面が相対的
に剛な壁体である上記基板部5aにより画成されたもの
である。そして、上記密閉室7内には、所定量の液体M
が上記ゴム膜11に接触するように下側部分に、気体と
して空気Gが残りの上側部分にそれぞれ充満するよう封
入されている。上記空気Gの量は本エンジンマウントに
入力すると予定される高周波域の微小振幅の振動に対し
て容易に圧縮されて受圧室4aの液圧変動を吸収し得る
比較的小さい上下方向厚みδ1 の空気層(以下、符号G
を付す)が形成されるように定められ、上記液体Mの量
は本エンジンマウントに入力すると予定される低周波域
の大振幅の振動が入力してもゴム膜11の上記基板部5
aへの接触を阻止し得る所定の上下方向厚みδ2 の液体
層(以下、符号Mを付す)が形成されるように定められ
ている。つまり、上記ゴム膜11が、液体層Mを間に介
して上記空気層Gの空気の圧縮ばねを利用した空気ばね
により支持されるようになっている。
に、上記仕切体5の基板部5aが上方に突出されて下方
に開口する円形の凹部5eと、この凹部5eの下端開口
を液密に覆う弾性膜であるゴム膜11とにより画成され
たものである。すなわち、上記密閉室7は、受圧室4a
内の液体Lに接触する下面のみが撓み性のある上記ゴム
膜11により画成され、他の上面および内側面が相対的
に剛な壁体である上記基板部5aにより画成されたもの
である。そして、上記密閉室7内には、所定量の液体M
が上記ゴム膜11に接触するように下側部分に、気体と
して空気Gが残りの上側部分にそれぞれ充満するよう封
入されている。上記空気Gの量は本エンジンマウントに
入力すると予定される高周波域の微小振幅の振動に対し
て容易に圧縮されて受圧室4aの液圧変動を吸収し得る
比較的小さい上下方向厚みδ1 の空気層(以下、符号G
を付す)が形成されるように定められ、上記液体Mの量
は本エンジンマウントに入力すると予定される低周波域
の大振幅の振動が入力してもゴム膜11の上記基板部5
aへの接触を阻止し得る所定の上下方向厚みδ2 の液体
層(以下、符号Mを付す)が形成されるように定められ
ている。つまり、上記ゴム膜11が、液体層Mを間に介
して上記空気層Gの空気の圧縮ばねを利用した空気ばね
により支持されるようになっている。
【0023】つぎに、上記第1実施例の作用・効果を説
明する。
明する。
【0024】第1取付部材1もしくは第2取付部材2か
ら上下方向に低周波域の大振幅の振動が入力すると、そ
の外力によってゴム弾性体3が上下方向に撓み受圧室4
aが拡縮するに伴い受圧室4a内の液体Lがオリフィス
10を通して平衡室4bとの間で流動する。この流動の
結果、上記オリフィス10を介した液柱共振により振動
の減衰を図ることができる。
ら上下方向に低周波域の大振幅の振動が入力すると、そ
の外力によってゴム弾性体3が上下方向に撓み受圧室4
aが拡縮するに伴い受圧室4a内の液体Lがオリフィス
10を通して平衡室4bとの間で流動する。この流動の
結果、上記オリフィス10を介した液柱共振により振動
の減衰を図ることができる。
【0025】この際、上記受圧室4a内の液圧変動、例
えば上昇した液圧がゴム膜11に対して密閉室7の縮小
方向(上向き)に作用すると、内部の液体層Mが非圧縮
性、空気層Gが圧縮性を有するため、図3に示すように
その空気層Gが外力と釣り合うまで圧縮される。ところ
が、上記ゴム膜11は空気層Gの最大圧縮状態でも当初
の上下方向厚みδ1 より小さい変位量でそれ以上の上方
への変位が制限され、上記ゴム膜11がそれ以上撓まな
いように比較的硬く支持される。これにより、振動入力
時の受圧室4a内の液圧上昇分が減殺されるのを防止す
ることができ、上記液圧上昇分にほぼ相当する量の液体
Lのオリフィス10を介した流動を確保することができ
る。この結果、オリフィス10による上記低周波域の振
動減衰機能を十分に発揮させることができる。
えば上昇した液圧がゴム膜11に対して密閉室7の縮小
方向(上向き)に作用すると、内部の液体層Mが非圧縮
性、空気層Gが圧縮性を有するため、図3に示すように
その空気層Gが外力と釣り合うまで圧縮される。ところ
が、上記ゴム膜11は空気層Gの最大圧縮状態でも当初
の上下方向厚みδ1 より小さい変位量でそれ以上の上方
への変位が制限され、上記ゴム膜11がそれ以上撓まな
いように比較的硬く支持される。これにより、振動入力
時の受圧室4a内の液圧上昇分が減殺されるのを防止す
ることができ、上記液圧上昇分にほぼ相当する量の液体
Lのオリフィス10を介した流動を確保することができ
る。この結果、オリフィス10による上記低周波域の振
動減衰機能を十分に発揮させることができる。
【0026】また、この際、上記ゴム膜11は液体層M
を介して空気層Gにより支持されているため、上記空気
層Gが最大圧縮状態になったとしても、上記ゴム膜11
が基板部5aに接触することはない。従って、低周波域
振動の入力に伴う接触音等の騒音,異音等の発生のおそ
れを回避することができる。
を介して空気層Gにより支持されているため、上記空気
層Gが最大圧縮状態になったとしても、上記ゴム膜11
が基板部5aに接触することはない。従って、低周波域
振動の入力に伴う接触音等の騒音,異音等の発生のおそ
れを回避することができる。
【0027】一方、上記オリフィス10を目詰まり状態
に、従って、オリフィス10を介した液体Lの流動が生
じないような状態にする高周波域の微小振幅の振動が入
力した場合、受圧室4aの液圧変動、例えば液圧上昇が
ゴム膜11および液体層Mを介して空気層Gに伝達され
る。そして、この空気層Gによる空気ばね作用に基づき
上記ゴム膜11が上向きに撓み、その分受圧室4aが拡
大されて受圧室4a内の液圧上昇が吸収される。このよ
うな空気ばねによる受圧室4aの液圧変動の吸収によっ
て、上記の高周波域の振動入力時の動ばね定数の上昇抑
制が図られ、エンジンと車体との間の振動伝達率の低減
化を図ることができる。
に、従って、オリフィス10を介した液体Lの流動が生
じないような状態にする高周波域の微小振幅の振動が入
力した場合、受圧室4aの液圧変動、例えば液圧上昇が
ゴム膜11および液体層Mを介して空気層Gに伝達され
る。そして、この空気層Gによる空気ばね作用に基づき
上記ゴム膜11が上向きに撓み、その分受圧室4aが拡
大されて受圧室4a内の液圧上昇が吸収される。このよ
うな空気ばねによる受圧室4aの液圧変動の吸収によっ
て、上記の高周波域の振動入力時の動ばね定数の上昇抑
制が図られ、エンジンと車体との間の振動伝達率の低減
化を図ることができる。
【0028】このように、受圧室4aに面するゴム膜1
1の撓み特性(外力に対する変位量の関係)を、空気層
Gの空気ばね特性に基づき、図3に示すように、初期に
おいては比較的軟らかく撓み易いものにする一方、上記
空気層Gが圧縮された後は液体層Mの非圧縮性に基き比
較的硬く撓み難いものにすることができる、という非線
形の関係にすることができる。このため、高周波域の微
小振幅の振動入力に対してはゴム膜11を撓み易くして
受圧室4a内の液圧変動の吸収を十分に行うことができ
る一方、低周波域の振動入力に対しては上記ゴム膜11
を撓み難くしてオリフィス10への液体Lの流動量を十
分に確保することができる。これにより、上記ゴム膜1
1の撓みによる騒音,異音等の発生を確実に回避した状
態で、低周波域と高周波域とに対する防振性能の両立を
より確実に図ることができる。また、上記の空気層Gと
液体層Mとをその比重差により確実に上下に分離した状
態にすることができ、上記の効果を確実に維持すること
ができる。
1の撓み特性(外力に対する変位量の関係)を、空気層
Gの空気ばね特性に基づき、図3に示すように、初期に
おいては比較的軟らかく撓み易いものにする一方、上記
空気層Gが圧縮された後は液体層Mの非圧縮性に基き比
較的硬く撓み難いものにすることができる、という非線
形の関係にすることができる。このため、高周波域の微
小振幅の振動入力に対してはゴム膜11を撓み易くして
受圧室4a内の液圧変動の吸収を十分に行うことができ
る一方、低周波域の振動入力に対しては上記ゴム膜11
を撓み難くしてオリフィス10への液体Lの流動量を十
分に確保することができる。これにより、上記ゴム膜1
1の撓みによる騒音,異音等の発生を確実に回避した状
態で、低周波域と高周波域とに対する防振性能の両立を
より確実に図ることができる。また、上記の空気層Gと
液体層Mとをその比重差により確実に上下に分離した状
態にすることができ、上記の効果を確実に維持すること
ができる。
【0029】さらに、このような作用、効果が得られる
密閉室7を仕切体5に形成しているため、仕切体5自体
の形成と同時に密閉室7の形成を行うことができる上、
空気Gおよび液体Mの上記密閉室7への封入作業を液室
4への液体Lの封入作業とは別個に行うことができ、こ
れらの形成および封入作業の容易化を図ることができ
る。
密閉室7を仕切体5に形成しているため、仕切体5自体
の形成と同時に密閉室7の形成を行うことができる上、
空気Gおよび液体Mの上記密閉室7への封入作業を液室
4への液体Lの封入作業とは別個に行うことができ、こ
れらの形成および封入作業の容易化を図ることができ
る。
【0030】<第2実施例>図4は、本発明の第2実施
例に係る液体封入式エンジンマウントを示し、15は液
室4を下側の受圧室と上側の平衡室4bと仕切る仕切
体、16はこの仕切体15に形成された密閉室、17は
この密閉室16を上下2つの室に仕切る隔壁部である。
例に係る液体封入式エンジンマウントを示し、15は液
室4を下側の受圧室と上側の平衡室4bと仕切る仕切
体、16はこの仕切体15に形成された密閉室、17は
この密閉室16を上下2つの室に仕切る隔壁部である。
【0031】上記仕切体15は、図5に詳細を示すよう
に、基板部15aと、この基板部15aの周囲から立ち
上がる周壁部15bと、この周壁部15bの外周面から
外周側に突出する上下2段の外周フランジ部15c,1
5dとから基本構成されている。そして、上記両外周フ
ランジ部15c,15dと筒部材8の内周面とにより仕
切体15の外周側にオリフィス10が画成されている。
に、基板部15aと、この基板部15aの周囲から立ち
上がる周壁部15bと、この周壁部15bの外周面から
外周側に突出する上下2段の外周フランジ部15c,1
5dとから基本構成されている。そして、上記両外周フ
ランジ部15c,15dと筒部材8の内周面とにより仕
切体15の外周側にオリフィス10が画成されている。
【0032】上記密閉室16は、上記基板部15aが上
方に突出されて下方に開口する凹部15eと、この凹部
15eの周囲の基板部15aから下方に延びる周壁部1
5fと、この周壁部15fの下端開口を液密に覆うゴム
膜11とによって画成されている。すなわち、上記密閉
室16は、第1実施例と同様に、受圧室4a内の液体L
に接触する下面のみが撓み性のある上記ゴム膜11によ
り画成され、他が相対的に剛な壁体である上記基板部1
5a,周壁部15fにより画成されたものである。
方に突出されて下方に開口する凹部15eと、この凹部
15eの周囲の基板部15aから下方に延びる周壁部1
5fと、この周壁部15fの下端開口を液密に覆うゴム
膜11とによって画成されている。すなわち、上記密閉
室16は、第1実施例と同様に、受圧室4a内の液体L
に接触する下面のみが撓み性のある上記ゴム膜11によ
り画成され、他が相対的に剛な壁体である上記基板部1
5a,周壁部15fにより画成されたものである。
【0033】また、上記密閉室16には隔壁部となる貫
通孔17a付きの隔壁部材17が下から内嵌,固着され
ており、この隔壁部材17によって上記密閉室16が絞
り孔としての上記貫通孔17aを介して互いに連通され
た上室16aと下室16bとに仕切られている。そし
て、上記下室16b内の下側部分には所定量の液体Mが
上記ゴム膜11に接触するよう封入され、上記下室16
bの残りの上側部分に気体として空気Gが充満するよう
封入されている。加えて、上記上室16a内にも空気G
が充満するように封入されて上記貫通孔17aによって
下室16bの空気Gと連続している。この場合の下室1
6b内の空気Gと液体Mの各量は、第1実施例と同様の
基準により定められて空気層Gと液体層Mとが形成され
ており、上室16aの空気層Gの厚み、すなわち、上室
16aの上下間隔は密閉室16に封入する空気Gと液体
Mとの封入作業の都合に応じて適宜定めればよい。つま
り、本第2実施例は、第1実施例より封入する空気Gが
増量可能となるようになっている。
通孔17a付きの隔壁部材17が下から内嵌,固着され
ており、この隔壁部材17によって上記密閉室16が絞
り孔としての上記貫通孔17aを介して互いに連通され
た上室16aと下室16bとに仕切られている。そし
て、上記下室16b内の下側部分には所定量の液体Mが
上記ゴム膜11に接触するよう封入され、上記下室16
bの残りの上側部分に気体として空気Gが充満するよう
封入されている。加えて、上記上室16a内にも空気G
が充満するように封入されて上記貫通孔17aによって
下室16bの空気Gと連続している。この場合の下室1
6b内の空気Gと液体Mの各量は、第1実施例と同様の
基準により定められて空気層Gと液体層Mとが形成され
ており、上室16aの空気層Gの厚み、すなわち、上室
16aの上下間隔は密閉室16に封入する空気Gと液体
Mとの封入作業の都合に応じて適宜定めればよい。つま
り、本第2実施例は、第1実施例より封入する空気Gが
増量可能となるようになっている。
【0034】なお、上記のエンジンマウントのその他の
構成は第1実施例のものと同様であるために、同一部材
には同一符号を付して、その説明は省略する。
構成は第1実施例のものと同様であるために、同一部材
には同一符号を付して、その説明は省略する。
【0035】そして、上記第2実施例の場合、第1取付
部材1もしくは第2取付部材2から上下方向に低周波域
の大振幅の振動が入力して、上記受圧室4a内の上昇し
た液圧がゴム膜11に対して下室16bを縮小する方向
に作用すると、圧縮された下室16b側の空気層Gが貫
通孔17aを介して上室16a側の空気層G側に流動し
ようとする際に抵抗を受けて上記下室16b側の空気層
Gの圧縮以上の下室16bの縮小変動が制限される。こ
れにより、上記ゴム膜11が下室16bの液体層Mの非
圧縮性に基き撓み難く支持される。なお、この場合、さ
らに過大な衝撃力の入力により下室16b内の空気層G
が大きく圧縮されて上室16a側に流動しても下室16
b内の空気Gよりも高粘度の液体層Mが貫通孔17aを
介して上室16a側に流動しようとする際の抵抗によ
り、それ以上の下室16bの縮小が制限されて、上記ゴ
ム膜11が撓み難く支持される。これにより、第2実施
例においても、低周波域の振動入力時の受圧室4a内の
液圧上昇分が減殺されるのを防止することができ、上記
液圧上昇分にほぼ相当する量の液体Lのオリフィス10
を介した流動を確保して、オリフィス10による上記低
周波域の振動減衰機能を十分に発揮させることができ
る。加えて、この場合においても、上記ゴム膜11は下
室16bの液体層Mを介して支持されるため、上記ゴム
膜11が隔壁部材17に接触することはなく、低周波域
振動の入力に伴う接触音等の騒音,異音等の発生のおそ
れを回避することができる。
部材1もしくは第2取付部材2から上下方向に低周波域
の大振幅の振動が入力して、上記受圧室4a内の上昇し
た液圧がゴム膜11に対して下室16bを縮小する方向
に作用すると、圧縮された下室16b側の空気層Gが貫
通孔17aを介して上室16a側の空気層G側に流動し
ようとする際に抵抗を受けて上記下室16b側の空気層
Gの圧縮以上の下室16bの縮小変動が制限される。こ
れにより、上記ゴム膜11が下室16bの液体層Mの非
圧縮性に基き撓み難く支持される。なお、この場合、さ
らに過大な衝撃力の入力により下室16b内の空気層G
が大きく圧縮されて上室16a側に流動しても下室16
b内の空気Gよりも高粘度の液体層Mが貫通孔17aを
介して上室16a側に流動しようとする際の抵抗によ
り、それ以上の下室16bの縮小が制限されて、上記ゴ
ム膜11が撓み難く支持される。これにより、第2実施
例においても、低周波域の振動入力時の受圧室4a内の
液圧上昇分が減殺されるのを防止することができ、上記
液圧上昇分にほぼ相当する量の液体Lのオリフィス10
を介した流動を確保して、オリフィス10による上記低
周波域の振動減衰機能を十分に発揮させることができ
る。加えて、この場合においても、上記ゴム膜11は下
室16bの液体層Mを介して支持されるため、上記ゴム
膜11が隔壁部材17に接触することはなく、低周波域
振動の入力に伴う接触音等の騒音,異音等の発生のおそ
れを回避することができる。
【0036】一方、上記オリフィス10を目詰まり状態
にするような高周波域の微小振幅の振動が入力した場
合、受圧室4aの液圧上昇がゴム膜11および液体層M
を介して下室16b内の空気層Gに伝達される。そし
て、この空気層Gによる空気ばね作用に基づき、第1実
施例と同様に、上記ゴム膜11が上向きに撓み、その分
受圧室4aが拡大されて受圧室4a内の液圧上昇が吸収
され、上記の高周波域の振動入力時の動ばね定数の上昇
抑制が図られ、エンジンと車体との間の振動伝達率の低
減化を図ることができる。
にするような高周波域の微小振幅の振動が入力した場
合、受圧室4aの液圧上昇がゴム膜11および液体層M
を介して下室16b内の空気層Gに伝達される。そし
て、この空気層Gによる空気ばね作用に基づき、第1実
施例と同様に、上記ゴム膜11が上向きに撓み、その分
受圧室4aが拡大されて受圧室4a内の液圧上昇が吸収
され、上記の高周波域の振動入力時の動ばね定数の上昇
抑制が図られ、エンジンと車体との間の振動伝達率の低
減化を図ることができる。
【0037】さらに、この第2実施例の密閉室16の場
合、第1実施例の密閉室7(図1参照)に相当する下室
16bに加えて、貫通孔17aを介して空気層Gが連通
する上室16aをも形成しているため、封入する空気量
を増大させることができ、第1実施例を採用すると封入
する空気層Gの厚みが極めて小さいものとなって正確な
封入作業が困難となる場合であっても、その封入作業を
容易に行うことができる上、所定の設定封入量のものを
正確に封入することができる。
合、第1実施例の密閉室7(図1参照)に相当する下室
16bに加えて、貫通孔17aを介して空気層Gが連通
する上室16aをも形成しているため、封入する空気量
を増大させることができ、第1実施例を採用すると封入
する空気層Gの厚みが極めて小さいものとなって正確な
封入作業が困難となる場合であっても、その封入作業を
容易に行うことができる上、所定の設定封入量のものを
正確に封入することができる。
【0038】<試験例>第2実施例の構造のものの密閉
室16を基板部15a側も受圧室4a側のゴム膜11と
同様のゴム膜で覆って形成し内部に粘度が200センチ
ストークス(cst)のシリコンオイルと空気とを封入
したもの(以下、本願構成例という)と、同様構造の密
閉室内に空気のみを封入したもの(以下、比較構成例1
という)とについて、振幅を±0.2mmと±0.05
mmとに制御した振動を入力させて、動ばね定数Kdと
減衰係数(tanδ)とについて調べた。その結果とし
て、振幅±0.2mmの場合を図6に、振幅±0.05
mmの場合を図7にそれぞれ示す。なお、上記本願構成
例および比較構成例1において、ゴム膜11を直径25
mm、貫通孔17aを直径2mmで長さ2mmにそれぞ
れ設定した。
室16を基板部15a側も受圧室4a側のゴム膜11と
同様のゴム膜で覆って形成し内部に粘度が200センチ
ストークス(cst)のシリコンオイルと空気とを封入
したもの(以下、本願構成例という)と、同様構造の密
閉室内に空気のみを封入したもの(以下、比較構成例1
という)とについて、振幅を±0.2mmと±0.05
mmとに制御した振動を入力させて、動ばね定数Kdと
減衰係数(tanδ)とについて調べた。その結果とし
て、振幅±0.2mmの場合を図6に、振幅±0.05
mmの場合を図7にそれぞれ示す。なお、上記本願構成
例および比較構成例1において、ゴム膜11を直径25
mm、貫通孔17aを直径2mmで長さ2mmにそれぞ
れ設定した。
【0039】この結果、図6および図7より、本願構成
例の動ばね定数K,K′は、比較構成例1の動ばね定数
Ka,Ka′と比べほぼ同等もしくは低くなるととも
に、本願構成例の減衰係数Tは、比較構成例1の減衰係
数Taと比べ大幅に高いものになっており、本願構成例
におけるオリフィス10への液体流動量の確保により減
衰性能が向上したものと考えられる。なお、比較構成例
1において、ゴム膜自体のばね定数を上げて硬くするこ
とにより上記の液体流動を確保して減衰性能を向上させ
ることも考えられるが、そうすると液圧吸収性能が低下
して動ばね定数の増大を招くことになり、本願構成例の
如き動ばね定数の上昇抑制と減衰性能の向上との両立を
図り得ないものとなる。
例の動ばね定数K,K′は、比較構成例1の動ばね定数
Ka,Ka′と比べほぼ同等もしくは低くなるととも
に、本願構成例の減衰係数Tは、比較構成例1の減衰係
数Taと比べ大幅に高いものになっており、本願構成例
におけるオリフィス10への液体流動量の確保により減
衰性能が向上したものと考えられる。なお、比較構成例
1において、ゴム膜自体のばね定数を上げて硬くするこ
とにより上記の液体流動を確保して減衰性能を向上させ
ることも考えられるが、そうすると液圧吸収性能が低下
して動ばね定数の増大を招くことになり、本願構成例の
如き動ばね定数の上昇抑制と減衰性能の向上との両立を
図り得ないものとなる。
【0040】なお、確認のために、上記の本願構成例と
同様構造の密閉室に200cstと50cstとに粘度
を変えたシリコンオイルを個別に充満させた2種類の比
較構成例2と比較構成例3とについて、振幅を±0.2
mmと±0.05mmとに制御した振動を入力させて、
動ばね定数Kdと減衰係数(tanδ)とについて調べ
た。その結果として、比較構成例2の場合を図8に、比
較構成例3の場合を図9にそれぞれ示す。なお、上記比
較構成例2,3における、ゴム膜11および貫通孔17
a等の設定は上記の本願構成例と同じである。
同様構造の密閉室に200cstと50cstとに粘度
を変えたシリコンオイルを個別に充満させた2種類の比
較構成例2と比較構成例3とについて、振幅を±0.2
mmと±0.05mmとに制御した振動を入力させて、
動ばね定数Kdと減衰係数(tanδ)とについて調べ
た。その結果として、比較構成例2の場合を図8に、比
較構成例3の場合を図9にそれぞれ示す。なお、上記比
較構成例2,3における、ゴム膜11および貫通孔17
a等の設定は上記の本願構成例と同じである。
【0041】この結果、図8より、比較構成例2の振幅
±0.2mmの時の動ばね定数Kbおよび減衰係数Tb
と、微小振幅±0.05mmの時の動ばね定数Kb′お
よび減衰係数Tb′とは、本願構成例のそれらK,
K′、T,T′と比べ、共に極めて大きい値となった。
そして、粘度を50cstに下げた比較構成例3の場合
でも、図9に示す如く、振幅±0.2mmの時の動ばね
定数Kcおよび減衰係数Tcと、微小振幅±0.05m
mの時の動ばね定数Kc′および減衰係数Tc′とは、
粘度を下げた分、減衰係数が比較構成例2の場合よりも
下がるものの、微小振幅±0.05mmの動ばね定数K
c′であっても本願構成例のそれK′と比べ極めて高い
値となっている。
±0.2mmの時の動ばね定数Kbおよび減衰係数Tb
と、微小振幅±0.05mmの時の動ばね定数Kb′お
よび減衰係数Tb′とは、本願構成例のそれらK,
K′、T,T′と比べ、共に極めて大きい値となった。
そして、粘度を50cstに下げた比較構成例3の場合
でも、図9に示す如く、振幅±0.2mmの時の動ばね
定数Kcおよび減衰係数Tcと、微小振幅±0.05m
mの時の動ばね定数Kc′および減衰係数Tc′とは、
粘度を下げた分、減衰係数が比較構成例2の場合よりも
下がるものの、微小振幅±0.05mmの動ばね定数K
c′であっても本願構成例のそれK′と比べ極めて高い
値となっている。
【0042】従って、空気のみを充満させた比較構成例
1、および、液体のみを充満させた比較構成例2,3に
よっては、ゴム膜や液体の粘度等のチューニングをいか
ようにしても、本願構成例と同等の特性を得ることはで
きない。
1、および、液体のみを充満させた比較構成例2,3に
よっては、ゴム膜や液体の粘度等のチューニングをいか
ようにしても、本願構成例と同等の特性を得ることはで
きない。
【0043】<他の態様>なお、本発明は上記第1,第
2実施例もしくは試験例の本願構成例に限定されるもの
ではなく、その他種々の変形例を包含するものである。
すなわち、上記実施例等では、密閉室7,16を仕切体
5,15に一体形成しているが、これに限らず、密閉室
が受圧室の上側位置であって、かつ、その受圧室の上面
で弾性膜により仕切られていれば、受圧室を構成するい
ずれの部位に形成してもよい。
2実施例もしくは試験例の本願構成例に限定されるもの
ではなく、その他種々の変形例を包含するものである。
すなわち、上記実施例等では、密閉室7,16を仕切体
5,15に一体形成しているが、これに限らず、密閉室
が受圧室の上側位置であって、かつ、その受圧室の上面
で弾性膜により仕切られていれば、受圧室を構成するい
ずれの部位に形成してもよい。
【0044】また、上記実施例等では、弾性膜としてゴ
ム膜11を用いているが、これに限らず、例えば合成樹
脂膜を用いてもよい。
ム膜11を用いているが、これに限らず、例えば合成樹
脂膜を用いてもよい。
【0045】さらに、上記実施例では、気体として空気
Gを封入しているが、他の気体を封入してもよい。
Gを封入しているが、他の気体を封入してもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における液体封入式エンジンマウントによれば、密閉
室に封入した気体の圧縮性に基づく気体ばね作用によ
り、受圧室からの液圧が作用する初期段階で弾性膜の撓
み特性を撓み易くすることができ、これにより、高周波
域の微小振幅の振動入力時の受圧室内の液圧吸収を行っ
て動ばね定数の上昇抑制を十分に行うことができる。一
方、上記封入気体が圧縮された後は封入液体の非圧縮性
に基づき上記弾性膜の撓み特性を撓み難くすることがで
き、低周波域の大振幅の振動入力時の受圧室内の液圧上
昇分のオリフィスへの液体流動量を確保してその減衰機
能を十分に発揮させることができる。しかも、この際、
上記弾性膜は上記封入液体によりそれ以上の撓みが規制
された状態に支持されるため、上記弾性膜が撓んで他の
壁面に接触することによる接触音の発生のおそれを解消
することができる。
明における液体封入式エンジンマウントによれば、密閉
室に封入した気体の圧縮性に基づく気体ばね作用によ
り、受圧室からの液圧が作用する初期段階で弾性膜の撓
み特性を撓み易くすることができ、これにより、高周波
域の微小振幅の振動入力時の受圧室内の液圧吸収を行っ
て動ばね定数の上昇抑制を十分に行うことができる。一
方、上記封入気体が圧縮された後は封入液体の非圧縮性
に基づき上記弾性膜の撓み特性を撓み難くすることがで
き、低周波域の大振幅の振動入力時の受圧室内の液圧上
昇分のオリフィスへの液体流動量を確保してその減衰機
能を十分に発揮させることができる。しかも、この際、
上記弾性膜は上記封入液体によりそれ以上の撓みが規制
された状態に支持されるため、上記弾性膜が撓んで他の
壁面に接触することによる接触音の発生のおそれを解消
することができる。
【0047】従って、騒音,異音等の発生を確実に防止
しつつ、低周波域振動に対する減衰向上と、高周波域振
動に対する動ばね定数上昇抑制との2つの防振性能を十
分に両立させることができる。
しつつ、低周波域振動に対する減衰向上と、高周波域振
動に対する動ばね定数上昇抑制との2つの防振性能を十
分に両立させることができる。
【0048】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、液室を仕切体によっ
て2つに仕切り、この仕切体に密閉室を形成しているた
め、密閉室の形成の容易化、および、その密閉室への液
体および気体の封入作業の容易化を図ることができる。
1記載の発明による効果に加えて、液室を仕切体によっ
て2つに仕切り、この仕切体に密閉室を形成しているた
め、密閉室の形成の容易化、および、その密閉室への液
体および気体の封入作業の容易化を図ることができる。
【0049】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、下室の上側部分に封
入した気体と絞り孔を介して連通するように上室にも気
体を封入しているため、密閉室全体の気体封入量の増大
化を図ることができ、上記下室でのみ密閉室を構成する
と気体の封入量設定が極めて少ない量になって正確な封
入作業に手間がかかることになるような場合であって
も、上記の増大化によりその封入作業の容易化、封入量
の正確化を図ることができる。
1記載の発明による効果に加えて、下室の上側部分に封
入した気体と絞り孔を介して連通するように上室にも気
体を封入しているため、密閉室全体の気体封入量の増大
化を図ることができ、上記下室でのみ密閉室を構成する
と気体の封入量設定が極めて少ない量になって正確な封
入作業に手間がかかることになるような場合であって
も、上記の増大化によりその封入作業の容易化、封入量
の正確化を図ることができる。
【0050】しかも、上記上室と下室とが絞り孔を介し
て互いに連通されていても、弾性膜から受圧室内の液圧
変動を受けて圧縮された下室内の気体が上記絞り孔を通
して上室に流動しようとする際の抵抗により、もしく
は、その気体より粘度の高い液体が上記絞り孔を通して
上室側に流動しようとする際の抵抗により、弾性膜のそ
れ以上の撓みを規制することができ、下室内の封入液体
の非圧縮性に基づき低周波域の振動入力時の接触音の発
生を確実に防止することができる。
て互いに連通されていても、弾性膜から受圧室内の液圧
変動を受けて圧縮された下室内の気体が上記絞り孔を通
して上室に流動しようとする際の抵抗により、もしく
は、その気体より粘度の高い液体が上記絞り孔を通して
上室側に流動しようとする際の抵抗により、弾性膜のそ
れ以上の撓みを規制することができ、下室内の封入液体
の非圧縮性に基づき低周波域の振動入力時の接触音の発
生を確実に防止することができる。
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の仕切体の拡大図である。
【図3】外力と変位量との関係図である。
【図4】第2実施例を示す図1相当図である。
【図5】図4の仕切体の拡大図である。
【図6】本願構成例と比較構成例1とについての振幅±
0.2mmとした場合の周波数に対する動ばね定数およ
び減衰係数との関係図である。
0.2mmとした場合の周波数に対する動ばね定数およ
び減衰係数との関係図である。
【図7】本願構成例と比較構成例1とについての振幅±
0.05mmとした場合の周波数に対する動ばね定数お
よび減衰係数との関係図である。
0.05mmとした場合の周波数に対する動ばね定数お
よび減衰係数との関係図である。
【図8】比較構成例2についての周波数に対する動ばね
定数および減衰係数との関係図である。
定数および減衰係数との関係図である。
【図9】比較構成例3についての周波数に対する動ばね
定数および減衰係数との関係図である。
定数および減衰係数との関係図である。
1 第1取付部材 2 第2取付部材 3 ゴム弾性体(弾性支承体) 4 液室 4a 受圧室 4b 平衡室 5,15 仕切体 6 ダイヤフラム(弾性薄膜部材) 7,16 密閉室 10 オリフィス 11 ゴム膜(弾性膜) 17 隔壁部材(隔壁) 17a 貫通孔(絞り孔) L,M 液体、液体層 G 空気(気体)、空気層(気体層)
Claims (3)
- 【請求項1】 振動入力方向一側に配設される第1取付
部材と、振動入力方向他側に配設される第2取付部材
と、これら第1と第2との両取付部材間を互いに連結す
る弾性支承体と、この弾性支承体により画成され液体が
封入されて弾性支承体の変形により圧力を受ける受圧室
と、弾性薄膜部材により拡縮可能に画成され液体が封入
された平衡室と、この平衡室と上記受圧室とを互いに連
結するオリフィスとを備えた液体封入式エンジンマウン
トにおいて、 上記受圧室の上側位置に密閉状態に画成された密閉室を
備えており、 上記密閉室の下面は上記受圧室内の液圧を受けるよう弾
性膜により画成され、上記密閉室の内部には液体と気体
とが封入されて、互いの比重差に基づき上記密閉室の下
側に位置付けられた液体によって弾性膜に接触する液体
層が形成される一方、上記気体によってこの液体層の上
側部分に充満する気体層が形成されていることを特徴と
する液体封入式エンジンマウント。 - 【請求項2】 請求項1において、 液室が仕切体により仕切られて、受圧室がその仕切体の
下側に、平衡室が上側にそれぞれ画成されており、 上記仕切体に密閉室が一体形成されている液体封入式エ
ンジンマウント。 - 【請求項3】 請求項1において、 密閉室の内部が隔壁により上室と、下面が弾性膜により
画成された下室とに仕切られており、 上記上室と下室とが上記隔壁を貫通する絞り孔を介して
互いに連通され、液体が上記下室の下側部分に封入され
て弾性膜に接触する液体層が形成される一方、気体が上
記下室の液体層の上側部分と上記上室とに充満されてい
る液体封入式エンジンマウント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15556894A JPH0821479A (ja) | 1994-07-07 | 1994-07-07 | 液体封入式エンジンマウント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15556894A JPH0821479A (ja) | 1994-07-07 | 1994-07-07 | 液体封入式エンジンマウント |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0821479A true JPH0821479A (ja) | 1996-01-23 |
Family
ID=15608892
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15556894A Withdrawn JPH0821479A (ja) | 1994-07-07 | 1994-07-07 | 液体封入式エンジンマウント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0821479A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007064300A (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-15 | Tokai Rubber Ind Ltd | 流体封入式防振マウント及びその製造方法 |
JP2010203547A (ja) * | 2009-03-04 | 2010-09-16 | Kurashiki Kako Co Ltd | 液体封入式防振装置 |
-
1994
- 1994-07-07 JP JP15556894A patent/JPH0821479A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007064300A (ja) * | 2005-08-30 | 2007-03-15 | Tokai Rubber Ind Ltd | 流体封入式防振マウント及びその製造方法 |
JP4552808B2 (ja) * | 2005-08-30 | 2010-09-29 | 東海ゴム工業株式会社 | 流体封入式防振マウント及びその製造方法 |
JP2010203547A (ja) * | 2009-03-04 | 2010-09-16 | Kurashiki Kako Co Ltd | 液体封入式防振装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20011002 |