JP5464911B2 - 防振装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内部に封入した非圧縮性の液体の流動に基いて、すぐれた振動減衰機能を発揮させることができる防振装置、なかでも、液入り防振装置に関するものであり、たとえば、エンジンマウントとして適用して、アイドリング振動およびエンジンシェイク振動のそれぞれを有効に減衰および防振することに加え、50〜150Hzの高周波小振幅振動になる、車室こもり音振動、ロックアップ時振動等に対する動的ばね定数の増加(高動ばね化)を、アイドリング振動の減衰等に影響をおよぼすことなく効果的に防止する技術を提案するものである。
エンジンマウントとして適用され、負圧アクチュエータの作用下で、封入液体の流動通路を切り換える従来の液入り防振装置としては特許文献1に開示されたものがある。
これは、図5に、中心軸線を含む縦断面図で示すように、振動発生側部材、たとえばエンジンに連結されるコア部材111の外周面と、振動伝達側部材、たとえば車体に連結される筒状部材112の内周面とを、ゴム等の弾性部材113によって液密に連結するとともに、その筒状部材112の開口端をダイアフラム114によって液密に封入し、このダイアフラム114と、弾性部材113と、筒状部材112、より正確には、筒状部材112への弾性部材ライニング部分とで囲繞されるスペースを、非圧縮性の液体を封入した流体室115とし、この流体室115を、仕切部材116によって、弾性部材113側に位置する主液室117と、ダイアフラム114側に位置する副液室118とに区画し、そして、それらの両液室117,118を、20〜40Hzの中周波中振幅振動であるアイドリング振動に対する防振機能をもたらす窓穴119と、5〜20Hzの低周波大振幅振動であるエンジンシェイク振動に対し、振動減衰機能を発揮するオリフィス通路120とのそれぞれで、相互に独立させて連通させ、また、ダイアフラム114に対して主液室117とは反対側に配設した負圧アクチュエータ121の出力部材122によって、ダイアフラム114の中央部分123を仕切部材116の窓穴119の開口周縁部に押し付けてその窓穴119を閉塞状態に保持せしめるようにし、さらに、出力部材122の先端面に、大気に連通する凹所124を形成して、ダイアフラム114の凹所124内への弾性変形を許容し、かつ、ダイアフラム114の凹所124底面への当接によってダイアフラム114の弾性変形量を制限するものであり、負圧アクチュエータ121の作動に基いて、窓穴119を開閉するものである。
この液入り防振装置は、それをエンジンマウントとして適用した場合にあって、コア部材111をエンジンに、そして筒状部材112を車体にそれぞれ連結した状態で、そこに、エンジンからのアイドリング振動、すなわち、中周波中振幅振動が入力されたときは、負圧アクチュエータ121の作動によって出力部材122を図の下方側へ変位させることにより、ダイアフラム114の中央部分123が仕切部材116の窓穴119の周縁部から離隔されて、主液室117と副液室118とが窓穴119を介して連通される。
そして、この連通状態の下では、主液室117と副液室118との仕切りが解除されて、それらの両液室117、118が実質的に一つの流体室115となり、弾性部材113の弾性変形に基く、その流体室115の圧力変動が、ダイアフラム114の弾性変形によって吸収されることになるので、アイドリング振動に対して有効な防振効果(低動ばね特性に基づく振動絶縁効果)が発揮され得る、とする。
この一方で、車両の走行時の、低周波大振幅振動であるエンジンシェイク振動の入力に対しては、負圧アクチュエータ121内に大気圧を導入することによって、図5示すように、ダイアフラム114の中央部分123を、内蔵スプリングの作用下で、窓穴119の開口周縁部に押し付けて窓穴119を閉塞状態とすることで、エンジンシェイク振動の入力に当り、それぞれの液室117,118内の液体は、オリフィス通路120を経て流動することになり、この場合は、オリフィス通路120を流動する液体の共振作用、流動抵抗等に基いてすぐれた振動減衰効果が発揮される、とする。
そしてさらに、車両の走行時の、車室こもり音振動、ロックアップ時振動等の高周波小振幅振動の入力時には、上述したように、ダイアフラム114の中央部分123で、窓穴119を閉塞状態としたままで、主液室115の小さな圧力変動の下で、ダイアフラム114の中央部分123を、大気に連通する凹所124内で、その凹所124の底面に当接させることなく弾性変形させることで、ダイアフラム114に、主液室115内の圧力変動を吸収させ、これによって、高周波小振幅振動に対する良好な防振効果(低動ばね特性に基づく振動絶縁効果)を発揮させるとする。
特開2008−121811号公報
しかるに、上記の開示技術では、薄肉の円板状部材からなる仕切部材116の中央部に、貫通穴としての窓穴119を形成することとしていて、窓穴119それ自体が、実質的な液体収納容積を有しておらず、アイドリング振動のような中周波中振幅振動入力によって窓穴119を流動する封入液体に、固有の液柱共振等の作用を行わせることができず、その上、封入液体に、ほぼ位相差のない一体的な圧力変動が惹起されることから、中周波中振幅振動に対する、すぐれた振動減衰機能を発揮させることができないのみならず、動的ばね定数の増加が否めないという問題があった。
この発明は、上記開示技術が抱えるこのような問題点を解決することを目的とするものであり、それの目的とするところは、アイドリング振動およびエンジンシェイク振動のいずれに対しても、封入液体の液柱共振等に基く、すぐれた振動減衰機能を発揮させるとともに、十分な低動ばね化をもたらすことができ、また、車両の走行時の車室こもり音振動、ロックアップ時振動等のような、50〜250Hzの高周波の小振幅(0.005〜0.2mm)振動入力に対する動的ばね定数の増加を効果的に防止できる防振装置を提供するにある。
この発明の防振装置は、振動発生側部材、たとえばエンジン側部材または、振動伝達側部材、たとえば車体側部材のいずれか一方側に連結されるコア部材および、他方側に連結される筒状部材のそれぞれを設け、コア部材の外周面と、筒状部材の一方の端部分内周面とを、ゴムその他からなる弾性部材によって、全周にわたって液密に連結するとともに、筒状部材の他端をダイアフラムおよび、その筒状部材の他端側に配設される負圧アクチュエータの開閉弁体によって液密に封止し、少なくとも、ダイアフラムと、その開閉弁体と、弾性部材と、筒状部材、ときには、筒状部材の内周面にライニングされる、弾性部材の被覆層とで囲繞されるスペース、場合によっては、これらに加えて、弾性部材から露出することもあるコア部材とで囲繞されるスペースを、液体を封入した流体室とし、そして、この流体室を、切切部材によって、弾性部材側に位置する主液室と、ダイアフラム側に位置する副液室とに区画し、それらの両液室を、仕切部材に形成されて、または、仕切部材とは別個に設けられて、アイドリング振動の減衰をもたらす第1の制限通路および、エンジンシェイク振動の減衰をもたらす第2の制限通路のそれぞれで、相互に独立させて連通させ、さらに、筒状部材の他端側に、前記開閉弁体を、第1の制限通路の、副液室側の開口を閉止する位置と、第1の制限通路のその開口から離隔する位置との間にわたって変位させる負圧アクチュエータを配設してなるものであって、
前記開閉弁体に、第1の制限通路内に延在して伸退変位される連結ロッドを設けるとともに、この連結ロッドの先端に、第1の制限通路の、主液室側の開口を狭める絞り位置と、第1の制限通路のその開口を完全に開放する開放位置との間で変位される絞り弁体を設け、
そしてまた、前記開閉弁体内に、第1の制限通路の内圧変化に基いて、前記液体内で変位ないしは変形する薄膜部材、および、薄膜部材のこの変位ないしは変形に伴う圧力変化を受けて変形する可撓膜体を、たとえば、外面を大気に臨ませて、または臨ませることなく配設してなり、
前記薄膜部材を、開閉弁体内で多孔質板に挟まれて液体内に配置されるがたメンブランとし、
前記開閉弁体は、軸方向一方側が前記多孔質板によって前記主液室または前記副液室と連通し、他方側が前記可撓膜体によって閉塞されるものである。
ここで、第1の制限通路は、仕切部材に設けることが、その制限通路、仕切部材等の構造を簡単なものとする上で好ましい。
なお、第2の制限通路は、仕切部材とは別個に形成することが、その制限通路の構成の自由度を高める上で好適であるが、第2の制限通路のための特別な構造が不要であるときは、この第2の制限通路をもまた、第1の制限通路とともに仕切部材に設けることが、装置の全体構造を簡単なものとし、それぞれの装置構成部材の組付け等を容易にする上で好ましい。
ところで、第1の制限通路の主液室側の開口面および、絞り弁体の周面の形状は、中心軸線を含む断面で見て、一段もしくは複数段の段付き形状、肩部付き形状その他の所要形状とできることはもちろんであるが、その開口面および、絞り弁体の周面のそれぞれは、中心軸線に対する傾斜角度がともに等して、主液室側に向けて寸法が漸増する、截頭円錐面、截頭角錐面等とすることができる截頭錐面とすることが、通路断面積の連続的な変化を容易にするとともに、その制限通路内の液体の、共振周波数等のチューニングを容易にする上で好ましい。
そしてまた、薄膜部材は、開閉弁体内で変位量を限定されるがたメンブランとすることが、こもり音等の高周波小振幅振動に対する動的ばね定数の増加を十分に防止してなお、エンジンシェイク振動の入力に対する薄膜部材の余剰の変位、いいかえれば、液室内圧の意図しない低下を防止できる利点がある。
この発明の防振装置では、それをエンジンマウントとして適用して、たとえば、コア部
材をエンジン側の部材に、そして、筒状部材を車体側の部材にそれぞれ連結した状態で、
車両の停止時のアイドリング振動(中周波(20〜40Hz)中振幅(0.05〜0.2
mm)の振動)の入力に対しては、負圧アクチュエータを作動させて、開閉弁体を第1の制限通路の、副液室側の開口から離隔させ、これにより、開閉弁体に連結ロッドを介して連結した絞り弁体を、第1の制限通路の、主液室側の開口を狭める、所定の絞り位置、いいかえれば、その制限通路内の液体を、所期した通りの周波数で共振させることのできる絞り位置にもたらして、主液室内および副液室内のそれぞれの液体を、十分な容積をもつ第1の制限通路を経てダイアフラムの自由な変形下で流動させることにより、第1の制限通路のチューニング周波数での、その通路内の液体の液柱共振および、通路内の液体が受ける流動抵抗等に基き、アイドリング振動を有効に減衰することができる。
しかも、このアイドリング振動は、主には、ダイアフラム全体の共振に基き、少なくと
もその共振周波数および、その近傍の周波数で、車体側部材に対して効果的に低動ばね
化することができる。
この一方で、車両の走行時の、5〜20Hzのエンジンシェイク振動(低周波大振幅(0.5〜1mm)の振動)の入力に対しては、負圧アクチュエータ内に大気圧を導入することで、内蔵ばね手段の作用下で、負圧アクチュエータの開閉弁体で、第1の制限通路の、副液室側の開口の周りを全周にわたって緊密に押圧してその開口を実質的に密閉して第1の制限通路を通る液体の流動を阻止するとともに、両液室内の液体をそれらの液圧変化の下で、第2の制限通路を経て、これもまたダイアフラムの、開閉弁体囲繞域の外側部分の自由な変形下で流動させることにより、この第2の制限通路のチューニング周波数での、その通路内の液体の液柱共振等に基いて、エンジンシェイク振動を効果的に減衰するとともに、低動ばね化することができる。
なお、この第2の制限通路は、アイドリング振動のような、より高い周波数(20〜40Hz)の振動に対しては、いわゆる目詰り状態となって、それぞれの液室内の液体の流動を許容し得ない状態となる。
そしてまたこの防振装置では、車両の走行時の車室こもり音振動、ロックアップ時振動等の高周波(50〜250Hz)小振幅(0.005〜0.2mm)の振動入力に対しては、車両の走行時のエンジンシェイク振動の入力の場合と同様に、開閉弁体をもって第1の制限通路の開口端を密閉することで、その開閉弁体に連結ロッドを介して連結した絞り弁体を、第1の制限通路の主液室側の開口を完全に開放した姿勢として、十分大きな横断面積を有する、その第1の制限通路をも含む主液室側部分の液圧変化を、高周波小振幅振動に対してすぐれた感度をもつ円滑なものとし、そして、この第1の制限通路内の液圧変化に伴って、開閉弁体に配設した薄膜部材を、高圧側から低圧側へ、可撓膜体の変形に基いて変位ないしは変形させることで、小振幅振動を有効に吸収させて、車室こもり音振動、ロックアップ時振動等に対する動的ばね定数の増加を有効に防止することができる。
ここで、開閉弁体内の薄膜部材を、その弁体内で変位量を限定されるガタメンブランとしたときは、高周波小振幅振動に敏感に応答させて、車室こもり音振動、ロックアップ時振動等に対する動的ばね定数の増加をより効果的に防止することができる。
しかもこの場合は、エンジンシェイク振動の入力に対して、薄膜部材の余剰の変位を防止して、高圧側の液室内圧の不測の低下を有効に防止できるので、エンジンシェイク振動の入力による、封入液体の、第2の制限通路を通る流動量を十分に確保して、すぐれた振動減衰機能の発揮を担保することができる。
またここで、第1の制限通路を仕切部材に設けた場合は、その制限通路、仕切部材および負圧アクチュエータの構造を簡単なものとすることができる。
そして、第1の制限通路に加え、第2の制限通路ともまた仕切部材に設ける場合には、装置の全体構造を簡単なものとすることができるとともに、装置の部品点数を少なくして、装置の取付け工数等を有効に低減できる利点がある。
ところで、第1の制限通路の主液室側の開口面および、絞り弁体の周面のそれぞれを、中心軸線に対する傾斜角度がともに等しく、主液室側に向けて寸法が漸増する、截頭円錐面、截頭角錐面等とすることができる截頭錐面とするときは、連結ロッドの長さの選択によって、制限通路断面積を連続的に変化させて、その制限通路内の液体の、共振周波数のチューニングを容易にすることができる。
この発明の実施形態を示す、中心軸線を含む縦断面図である。 図1に示す装置を、エンジンシェイク振動を減衰し、車室こもり音振動等の動的ばね定数を低動ばね化する姿勢で示す縦断面図である。 こもり音振動に対する低動ばね化効果を模式的に例示するグラフである。 第1の制限通路の開口面形状および、絞り弁体の形状の変更例を示す要部縦断面図である。 従来技術を示す、図1と同様の縦断面図である。
この発明の防振装置の実施形態では、図1に縦断面図で示すように、エンジンその他の振動発生側部材もしくは、自動車車体等の振動伝達側部材のいずれか一方側に連結されるコア部材1および、他方側に連結される筒状部材2のそれぞれを設け、これらのコア部材1の外周面と、筒状部材2の一方の端部分の内周面、図では、倒立円錐台形状もしくは、倒立角錐台形状をなす内周面とを、ゴム、エラストマ、プラスチック等とすることができる弾性部材3によって全周にわたって液密に連結するとともに、筒状部材2の他端をダイアフラム4および、このダイアフラム4の中央部分に位置する、後述する負圧アクチュエータの開閉弁体5によって液密に封止する。
なお、図に示すところでは、、筒状部材2の等径部分2aの下端縁までを弾性部材3によってライニングすることで、その等径部分2aの内周面に弾性部材3の被覆層3aを設けることとしているが、弾性部材3のこの被覆層3aは必須のものではない。
ここでは、少なくとも、ダイアフラム4および開閉弁体5と、弾性部材3の被覆層3aをも含む筒状部材2および弾性部材3とで囲繞されるスペース、ときには、それらに加えて、弾性部材3から露出することもあるコア部材1とで囲繞されるスペースを、非圧縮性の所要の液体を封入した流体室6とし、そして、この流体室6を、筒状部材2に固定ないしは固着した仕切部材7によって、弾性部材3側に位置する主液室8と、ダイアフラム4側に位置する副液室9とに区画するとともに、それらの両液室8,9を、図では仕切部材7に設けられて、アイドル振動の減衰をもたらす第1の制限通路10および、エンジンシェイク振動の減衰をもたらす、通常は、前記制限通路10より横断面積が小さく長さが長い第2の制限通路11のそれぞれで、相互に独立させて連通させる。
ここで、第2の制限通路11は、一端に設けた図示しない切欠き等を経て主液室8に開口する一方で、他端に設けた図示しない切欠き等を経て副液室9に開口する。
そしてまた、筒状部材2の他端側に、ハウジング12内に収納されて、ダイアフラム4と一体をなす開閉弁体5を、第1の制限通路10の、副液室9側の開口10aを閉止する位置と、図示のように、その開口10aから離隔する位置との間にわたって変位させる負圧アクチュエータ13を設ける。
なお、図1,2に示すところでは、筒状部材2の下端部分に、仕切部材7の下端フランジ部7aと、ダイアフラム4の周辺部分と、負圧アクチュエータハウジング12の上端フランジ部12aとのそれぞれを一体的にかしめ固定しているが、このことは、この発明に必須の構成ではない。
またここでは、剛性材料にて一体化させて構成した、開閉弁体5の周囲に気密に連結した、弾性膜体とすることもできる可撓膜体14を、アクチュエータハウジング12の内周面に加硫その他によって気密に固着させているも、このこともまた、この発明に必須の構成ではない。
この一方で、アクチュエータハウジング12の内側で、ダイアフラム4および可撓膜体14と、開閉弁体5とで区画されるスペースは大気に開口させることが、ダイアフラム4の可撓性を高め、また、負圧アクチュエータ13の、円滑して迅速な作動を担保する上で好適である。
ところで、負圧アクチュエータ13は、その内部の負圧室15を、図示しないバルブを介して負圧供給源に接続するものとし、また、負圧室15の内部には、ハウジング12の底部および、開閉弁体5のそれぞれに着座させた、たとえばコイルばねとすることができるばね手段16を配設し、負圧室15内に大気圧を導入した場合、リターンスプリングとしてのこのばね手段16のばね力により、図2に示すように、開閉弁体5を仕切部材7に押圧して、第1の制限通路10の開口10aの密閉を可能ならしめる。
従ってこの装置では、開閉弁体5は、負圧室15内への所定の負圧の供給下では、図1に示すように、ばね手段16のばね力に抗して、第1の制限通路10の開口10aから十分離隔変位して、主副両液室8,9の連通をもたらす一方、負圧室15内への大気圧の導入下では、ばね手段16のばね力によって前記開口10aを密閉して、第1の制限通路10による、両液室8,9の連通を完全に遮断することになる。
そして、図示の装置ではまた、このように変位される開閉弁体5に、第1の制限通路10内に延在して、その弁体5とともに進退変位される連結ロッド17を設けるとともに、この連結ロッド17の先端に、第1の制限通路10の、主液室8側の開口10bを、図1に示すように、所要の位置まで狭める絞り位置と、その開口10bを、図2に示すように完全に開放する開放位置との間で変位される絞り弁体18を設け、好ましくは、第1の制限通路10の開口面、すなわち、開口形成面、および、絞り弁体18の周面のそれぞれを、それらの各個の中心軸線、より好ましくは、両者に共通の中心軸線に対する傾斜角度がともに等しく、主液室8側に向けて寸法が漸増する、截頭円錐面もしくは截頭角錐面形状とすることができる截頭錐面として、第1の制限通路10内の液体の、共振周波数数等のチューニングを十分容易ならしめる。
ところでこの場合、開口形成面および、絞り弁体周面のそれぞれの、図示の断面内での延在形態は、相互に平行な直線状延在形態とすることの他、互いの間隔が狭まらない、幾分の凸もしくは凹曲線形態とすることもできる。
さらにこの装置では、ダイアフラム4および可撓膜体14のそれぞれの中央部に液密および気密に連結される開閉弁体5内に、第1の制限通路10の内圧変化に基いて、液体内で変位ないしは変形する薄膜部材19を設けるとともに、薄膜部材19のこの変位ないしは変形に伴う液圧変化を受けて変形する他の可撓膜体20を、開閉弁体5の内周面に液密に、かつ気密に連結して設ける。
ここで、図示の薄膜部材19は、多孔質板に挟まれて液体内に配置され、また、可撓膜体20の、薄膜部材19とは、反対側の外面は、開閉弁体5内の気体に接することになる。
この場合、可撓膜体20の、気体に接触する外面側は密閉空間とすることの他、大気連通空間とすることもでき、前者によれば、可撓膜体20の共振周波数を高い周波数域に設定することで、その共振周波数帯域での動的ばね定数の一層の低減をもたらすこともできる。
なお、図に示すところでは、薄膜部材19を、開閉弁体5内で変位量を限定されるがたメンブランとしているも、その薄膜部材19を、開閉弁体5の内周面に液密に連結されて、第1の制限通路1の内圧変化に基いて、変形量の限定なしに比較的大きく変形できるメンブランとすることもできる。
以上のように構成してなる防振装置において、車両の停止時のアイドリング振動の入力に対しては、図1に示すように、負圧アクチュエータ13を作動させて、開閉弁体5を、ばね手段16のばね力に抗して、制限通路10の開口10aから十分に離隔変位させ、これに伴って、絞り弁体18を第1の制限通路10の開口10b内へ所要量進入させて、その第1の制限通路10内の液体の共振周波数を所要の周波数に調整することにより、主副両液室8,9内の液体は、液圧変化の下に、ダイアフラム4の変形に基いて、第1の制限通路10を経て円滑に流動することができ、そして、予め調整された共振周波数での、通路内液体の液柱共振、制限通路10内の液体がその通路から受ける流動抵抗等に基いて、アイドリング振動の減衰および、動的ばね定数の低減が効果的に行われることになる。
この一方で、車両の走行中の、低周波大振幅(5〜20Hz:0.5〜1mm)振動になるエンジンシェイクの振動に対しては、負圧アクチュエータ13内に大気圧を導入して、開閉弁体5を、ばね手段16のばね力に基いて、第1の制限通路10の開口10aの密閉位置にもたらして、第1の制限通路10を通る液体の流動を阻止する。
しかるに、このエンジンシェイク振動の入力時の、主副液室8,9内の液圧変化に対しては、それらの液室内の液体は、第2の制限通路11を経て、これもまたダイアフラム4の変形下で、一方から他方へ円滑に流動することができる。
そして、制限通路11を通る液体のこの流動に当っても、予め選択された共振周波数での、通路11内の液体の液柱共振、通路11内の液体が、その通路から受ける流動抵抗等に基いて振動が減衰されることになり、また、動的ばね定数の増加が抑制されることになる。
ところで、このようなシェイク振動の入力に当っては、主液室8、ひいては、第1の制限通路10内の液圧変動に伴って、開閉弁体5内に収納した薄膜部材19に変位が生じることになるも、その薄膜部材19を図示のようながたメンブランとしたときは、薄膜部材19の変位量が、それを挟む多孔質板によって限定されることになるので、主液室内圧が、薄膜部材19の変位に費されることに起因する圧力損失を有効に防止して、液室内の液体の、第2の制限通路11への、円滑にして多量の流動を担保することができる。
なお、先に述べた中周波(20〜40Hz)中振幅(0.05〜0.2mm)のアイドリング振動等のより高い周波数の振動入力に対しては、この第2の制限通路11は、封入液体による目詰り状態となって、実質的に閉塞されるので、第2の制限通路が、アイドリング振動の減衰等や、後述する車室こもり音振動その他に対する低動ばね化を妨げることはない。
そしてさらに、車両の走行中の、開閉弁体5の、図2に示すような閉止状態の下で、車室こもり音振動、ロックアップ時振動等の高周波(50〜250Hz)小振幅(0.005〜0.2mm)振動が装置に入力された場合は、弾性部材3の変形下で、主液室8内の液体に圧力変動が生じることになるも、この圧力変動は、絞り弁体18の大きな開放下で、第1の制限通路10内へ円滑かつ迅速に伝達されて、開閉弁体5内に収納配置した、多孔質板間の薄膜部材19の、入力振動の振幅に応じた振動をもたらし、薄膜部材19のこの振動によって主液室8内の圧力変動が有効に吸収されることになるので、高周波小振幅振動の入力に対する、装置の動的ばね定数の増加は効果的に防止されることになって、車室こもり音振動、ロックアップ時振動等の発生に対する、車室への乗心地の低下を有利に防止することができる。
図3はこのことを示すグラフであり、これによれば、100〜250Hzの範囲の高周波小振幅振動に対し、薄膜部材19の振動に基いて、動的ばね定数を十分低い一定値に抑え得ることが解かる。
図4は、第1の制限通路10の、主液室8側の開口形成面および絞り弁体18の周面の形態の変更例を示す図であり、図4(a)に示すものは、開口形成面を、縦断面内で、主液室8側に向けて通路寸法を広げる向きに、一段分直角に折曲させて形成するとともに、絞り弁体18を、図の実線位置と仮想線位置との間で変位される、方形縦断面形状を有するものとした場合を示し、図4(b)に示すものは、開口形成面を、主液室8側に向けて通路寸法を広げる向きに、二段階にわたって直角に折曲させて形成し、そして、図4(c)に示すものは、開口形成面を、図4(a)に示すものと同様に形成する一方で、絞り弁体18を、主液室8側へ凸となる錐形縦断面形状を有するものとした場合を示す。
これらのいずれの場合にあっても、第1の制限通路10の開口10bを、所要に応じて絞り、そして開放することができる。
1 コア部材
2 筒状部材
2a 等径部分
3 弾性部材
3a 被覆層
4 ダイアフラム
5 開閉弁体
6 流体室
7 仕切部材
7a 下端フランジ部
8 主液室
9 副液室
10 第1の制限通路
10a 副液室側の開口
10b 主液室側の開口
11 第2の制限通路
12 ハウジング
12a 上端フランジ部
13 負圧アクチュエータ
14 可撓膜体
15 負圧室
16 ばね手段
17 連結ロッド
18 絞り弁体
19 薄膜部材
20 可撓膜体

Claims (5)

  1. 振動発生側部材もしくは振動伝達側部材のいずれか一方側に連結されるコア部材および、他方側に連結される筒状部材のそれぞれを設け、コア部材の外周面と、筒状部材の一方の端部分内周面とを、弾性部材により全周にわたって液密に連結するとともに、筒状部材の他端を、ダイアフラムおよび、負圧アクチュエータの開閉弁体によって液密に封止し、少なくとも、ダイアフラムおよび開閉弁体と、筒状部材と、弾性部材とで囲繞されるスペースを、液体を封入した流体室とし、この流体室を、仕切部材をもって、弾性部材側に位置する主液室と、ダイアフラム側に位置する副液室とに区画し、それらの両液室を、アイドリング振動の減衰をもたらす第1の制限通路および、エンジンシェイク振動の減衰をもたらす第2の制限通路のそれぞれで、相互に独立させて連通させ、筒状部材の他端側に、前記開閉弁体を、第1の制限通路の、副液室側の開口を閉止する位置と、第1の制限通路のその開口から離隔する位置との間にわたって変位させる負圧アクチュエータを配設してなり、
    前記開閉弁体に、第1の制限通路内に延在して進退変位される連結ロッドを設けるとともに、この連結ロッドの先端に、第1の制限通路の、主液室側の開口を狭める絞り位置と、第1の制限通路のその開口を完全に開放する開放位置との間で変位される絞り弁体を設け、
    前記開閉弁体内に、第1の制限通路の内圧変化に基いて、前記液体内で変位ないしは変形する薄膜部材、および、薄膜部材のこの変位ないしは変形に伴う液圧変化を受けて変形する可撓膜体を配設し
    前記薄膜部材を、開閉弁体内で多孔質板に挟まれて液体内に配置されるがたメンブランとし、
    前記開閉弁体は、軸方向一方側が前記多孔質板によって前記主液室または前記副液室と連通し、他方側が前記可撓膜体によって閉塞される防振装置。
  2. 第1の制限通路を仕切部材に設けてなる請求項1に記載の防振装置。
  3. 第1の制限通路および第2の制限通路のそれぞれをともに仕切部材に設けてなる請求項1もしくは2に記載の防振装置。
  4. 第1の制限通路の主液室側の開口面および、絞り弁体の周面のそれぞれを、中心軸線に対する傾斜角度がともに等しく、主液室側に向けて寸法が漸増する截頭錐面としてなる請求項1〜3のいずれかに記載の防振装置。
  5. 薄膜部材を、開閉弁体内で変位量を限定されるがたメンブランとしてなる請求項1〜4のいずれかに記載の防振装置。
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