JPH0821434B2 - 密閉形鉛蓄電池の劣化状態検知方法 - Google Patents

密閉形鉛蓄電池の劣化状態検知方法

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JPH0821434B2
JPH0821434B2 JP1320921A JP32092189A JPH0821434B2 JP H0821434 B2 JPH0821434 B2 JP H0821434B2 JP 1320921 A JP1320921 A JP 1320921A JP 32092189 A JP32092189 A JP 32092189A JP H0821434 B2 JPH0821434 B2 JP H0821434B2
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    • G01R31/392Determining battery ageing or deterioration, e.g. state of health

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、陰極でガス吸引が行われる密閉形鉛蓄電池
の劣化状態を検知するための方法に関するものである。
[従来の技術] 近年、密閉形鉛蓄電池は種々の用途で使用されるよう
になってきている。例えば無停電電源装置の非常用電源
としても用いられている。しかしながら密閉形鉛蓄電池
は、密閉形であるために、一般的な鉛蓄電池のように液
口栓を開けて電池内部を見ることができない。そのため
電解液の比重を測定して電池の劣化状態(寿命)を検知
することができず、また密閉形鉛蓄電池の劣化の原因と
なる透湿による電解液の減少や陽極格子体の伸び・腐食
又は膨張の程度を簡単に知ることができない。そこで従
来から密閉形鉛蓄電池の劣化状態を検出するために種々
の方法が提案されている。
透湿による電解液の減少は、電池の内部抵抗をmΩ計
等によって測定することにより検出することができる。
これは電解液の減少により極板とセパレータとの密着性
が悪化して内部抵抗が増加するためである。また陽極格
子体の伸びは、磁性体を極板に固定しておき、電槽の外
部から磁性体の位置を検出する技術等を用いて検出する
ことができる。
しかしながら電池の内部抵抗をmΩ計等で測定する場
合、内部抵抗の変化量はわずかであり、測定精度は必ず
しも高くない。また磁性体等を用いて陽極格子体の伸び
を検出することは、特別な極板や磁気検出素子等を必要
とし、電池の価格が高くなる。
そこで本願発明者は、電池の内部抵抗を大きな値とし
て検出することができ、しかも陽極格子体の伸び・腐食
を電池の内部抵抗の変化から判定することにより、密閉
形鉛蓄電池の劣化状態を高い精度で検出できる方法を提
案した(特願昭63−79586号)。この方法では、電解液
が減少している場合に交流電流成分の周波数を100Hz以
上にすると内部抵抗(内部インピーダンス)に大きな増
加が見られ、陽極格子体の伸び・腐食が進んでいる場合
に交流電流成分の周波数を100Hz末端にすると内部抵抗
に大きな変化が見られることに基いて劣化状態を検出す
る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら発明者等が先に提案した方法では、陽極
格子体の腐食による劣化状態の検出精度が必ずしも高い
とは言えなかった。第7図及び第8図は、定格容量が1.
2Ahで、定格電圧が2Vの密閉形鉛蓄電池を用いて高温状
態での加速寿命試験を行い、先に提案した方法で測定し
た結果を示している。第7図は、補水を行わずに意図的
に電解液を減少させた場合における放電容量と内部イン
ピーダンスの変化の一例を示している。この例では交流
電流を陽極と陰極との間に通電しており、周波数は1KHz
であった。また第8図は、一定期間におき補水を行い、
意図的に陽極格子体の伸び・腐食を生じさせた場合にお
ける放電容量と内部インピーダンスの変化の例を示して
いる。この例では交流電流の周波数を10Hzとした。なお
第7図及び第8図においては、内部インピーダンスは、
測定の初期値を1として表示してある。
第7図から判るように、電解液の減少に基く劣化によ
り容量が定格容量の50%になったときの内部インピーダ
ンスが、初期の内部インピーダンスの4倍近くまで増大
するのに対して、第8図から判るように陽極格子体の伸
び・腐食に基く劣化により容量が50%になったときの内
部インピーダンスは初期の内部インピーダンスに2倍程
度しか増大しない。このため先に提案した方法では、電
解液の減少に基く劣化の検出精度と比べて陽極格子体の
伸び・腐食に基く劣化の検出精度が悪いという問題があ
った。
本発明の目的は、陽極格子体の伸び・腐食に基く劣化
の検出精度を高めることができる密閉形鉛蓄電池の劣化
状態検知方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、陽極格子体の伸び・腐食に基く
劣化の検出精度を高めることができ、しかも同時に電解
液の減少に基く劣化を検出することができる密閉形鉛蓄
電池の劣化状態検知方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本願発明は、陽極と陰極との間に交流電流成分を含ん
だ電流を通電し、所定の電極間の交流電圧成分からイン
ピーダンスを測定することにより密閉形鉛蓄電池の劣化
状態を検知する方法を対象とする。
各請求項に記載の発明では、電解液と接触し且つ陽極
及び陰極と接触しないようにして劣化検出用電極を配置
する。
請求項1の発明では、陽極と陰極との間に充放電反応
を生じさせる周波数の交流電流成分を含んだ電流を通電
して陽極と劣化検出用電極との間のインピーダンスを測
定し、該インピーダンスの変化から陽極の劣化状態を検
知する。
請求項2の発明では、陽極の劣化状態の検出精度を高
めて、しかも電解液の減少による劣化をも検出するため
に、陽極と陰極との間に実質的に充放電反応を生じさせ
ることのない第1の周波数の交流電流成分を含んだ電流
を通電して陽極と陰極との間及び陽極と劣化検出用電極
との間のインピーダンスを測定し、また陽極と陰極との
間に充放電反応を生じさせる第2の周波数の交流電流成
分を含んだ電流を通電して陽極と劣化検出用電極との間
のインピーダンスを測定する。そして陽極と陰極との間
のインピーダンスの変化に基づいて電解液の減少による
電池の劣化を検知する。また第1の周波数の交流電流成
分を含んだ電流を通電したときの陽極と劣化検出用電極
との間のインピーダンスと第2の周波数の交流電流成分
を含んだ電流を通電したときの陽極と劣化検出用電極と
の間のインピーダンスとの差の変化に基づいて陽極の劣
化状態を検知する。
劣化検出用電極は、陽極と陰極との間に交流電流成分
を含んだ電流を通電したときの、電解液の陽極または陰
極に対する電位に含まれる交流電圧成分を検出するもの
である。密閉形鉛蓄電池では、電解液は電解液保持体に
保持されているため、劣化検出用電極を電解液保持体に
添わせることにより劣化検出用電極を電解液に接触させ
ることができる。極板群の下部又は側部は電解液保持体
を介して劣化検出用電極を配置すれば、劣化検出用電極
と陽極または陰極との短絡を確実に防止できる。なお劣
化検出用電極は、耐酸性を有するものであればよい。
陽極と陰極に通電する交流電流成分を含んだ電流は、
交流電流だけでもよいが、充電用直流電流に交流を重畳
したものでもよい。
[作 用] 鉛蓄電池は陽極−電解液−陰極という構成要素を持っ
ており、陽極−陰極間のインピーダンスには陽極活物質
−電解液界面の界面インピーダンスと、陰極活物質−電
解液界面の界面インピーダンスと、電解液それ自体の抵
抗(電解液抵抗)と各極板の抵抗分とが含まれる。界面
インピーダンスは電極間に通電される交流電流成分の周
波数によって変化し、鉛蓄電池の場合は一般的に、周波
数が低いほど界面インピーダンスが大となる。これは交
流電流成分の周波数が高い場合には、活物質と電解液の
充放電反応が追いつかずに、実質的に充放電反応が生じ
ないのに対して、周波数が低い場合には充放電反応が起
こり、充放電反応に起因するインピーダンスが増加する
ためである。
劣化していない極板と劣化した極板の界面インピーダ
ンスを、実質的に充放電反応が起こる周波数の交流電流
成分を含んだ電流を通電して測定した場合、劣化した極
板の方が劣化していない極板よりも界面インピーダンス
が大きくなると考えられる。これは、劣化した極板では
充放電反応に有効に関与する活物質量が少なく、反応面
積も少ないためである。従って、極板単体の劣化を検出
するためには、劣化する極板の界面インピーダンスを測
定すればよい。前述の通り、先願の発明では、交流電流
成分の周波数を充放電反応が生じる周波数として陽極−
陰極間のインピーダンスの変化から、陽極格子体の腐食
・伸びに起因する陽極の劣化を検知しているが、このと
きの陽極−陰極間のインピーダンスの増加率は必ずしも
大きくなく、検出精度が悪かった。これは、前述のよう
に、劣化した陽極の陽極−電解液間の界面インピーダン
スは増加しても、陽極−陰極間のインピーダンスに含ま
れる陽極−電解液間の界面インピーダンスの割合が少な
いために、陽極−陰極間のインピーダンスの増加率がほ
とんど大きくならないためである。
そこで本願発明では、陽極の劣化状態を検出するため
に、劣化検出用電極を電解液と接触し且つ陽極及び陰極
と接触しないように配置し、陽極と陰極との間に充放電
反応を生じさせる周波数の交流電流成分を含んだ電流を
通電することにより、陽極活物質−電解液間の界面イン
ピーダンスの変化を直接的に検出するようにした。その
結果本発明では、陽極格子体の伸び・腐食により劣化し
た陽極の劣化状態を精度良く検出することができるよう
になった。
また電解液(劣化検出用電極)と陽極間のインピーダ
ンスと、電解液−陽極活物質間の界面インピーダンスと
は同一ではない。即ち、陽極−陰極間に交流電流成分を
含んだ電流を通電して測定した、陽極と劣化検出用電極
との間のインピーダンス測定値には、劣化検出用電極と
陽極との間の電解液抵抗と陽極自体の抵抗分も含まれて
いる。よってこれらのインピーダンスを測定値から除け
ば、より高い精度で陽極活物質−電解液間の界面インピ
ーダンスの変化を測定できる。
そこで請求項2の発明では、実質的に充放電反応を生
じさせることのない周波数の交流電流成分を含む電流を
陽極と陰極との間に通電した場合における陽極と劣化検
出用電極との間のインピーダンス(以下このインピーダ
ンスを非界面インピーダンスと云う)を測定し、この非
界面インピーダンスと充放電反応を生じさせる周波数の
交流電流成分を含む電流を陽極と陰極との間に通電した
場合における陽極と劣化検出用電極との間のインピーダ
ンスとの差を取り、このインピーダンスの差に基いて陽
極の劣化を検知する。したがって請求項2の発明によれ
ば、実質的に充放電反応に起因する界面インピーダンス
の増加分を検出することができるので、陽極の劣化の検
出精度を更に高めることができる。
また充放電反応を実質的に生じさせない周波数の交流
電流成分を含んだ電流を陽極と陰極との間に通電した場
合には、陽極活物質−電解液界面と陰極活物質−電解液
界面の両界面における充放電反応に起因する界面インピ
ーダンスは小さいため、陽極と陰極間のインピーダンス
は電解液抵抗を含む前述の非界面インピーダンスに支配
される。特に電解液抵抗は、電解液の増減に応じて変わ
るため、陽極と陰極間のインピーダンスは電解液抵抗に
大きく支配される。したがって、陽極と陰極間で測定し
たインピーダンス値を電解液の減少による劣化度合の評
価とすることができる。なおこの点は先願の発明と同じ
である。
[実施例] 以下本発明の一実施例を図面を用いて説明する。第1
図は、本発明の方法の一実施例で用いる密閉形鉛蓄電池
の概略構成を示している。同図において、1は電槽、2
は陽極板3と陰極板4とを電解液保持体5を介して積層
してなる極板群である。極板群2の下部と電槽1の内壁
面との間には、劣化検出用電極7が電解液保持体8を介
して配置してある。この例では、極板群2の下部に劣化
検出用電極7を配置しているが、極板群の側方と電槽の
内壁面との間に電極を配置してもよい。劣化検出用電極
7としては、耐酸性を有する電極であればよいが、本実
施例では小形の密閉形鉛蓄電池用陽極板を切断したもの
を劣化検出用電極7として用いている。なお第1図にお
いては、電極7と電槽1の内壁面との間に間隔を開けて
いるが、実際には電極7と電解液保持体8中の電解液と
を充分に接触させるために、両者を密接させる。当然極
板群2と電槽1の内壁面との間にも、実際には間隔はな
い。第1図において、Taは陰極端子、Tbは陽極端子、Tc
は劣化検出用電極端子である。
試験で用いた電池は、上記構成で定格電圧2V,定格容
量1.2Ahの密閉形鉛蓄電池であり、高温で加速寿命試験
で評価を行った。
第2図は、本発明の方法を実施するために用いるイン
ピーダンス測定装置の一例の概略構成を示している。こ
の測定装置は、通電する電流の交流電流成分の周波数
が、1KHz及び1Hzの場合における電池10の各端子間のイ
ンピーダンスを測定するものである。そこで周波数1KHz
の信号電圧を発生する第1の発振器11と周波数1Hzの信
号電圧を発生する第2の発振器12とを備えている。なお
可変周波数の発振器1台で周波数を変えるようにしても
よいのは勿論である。第1及び第2の発振器11及び12の
出力は、切り替えスイッチ13を介して電圧−電流変換部
14に入力される。電圧−電流変換部14は、発振器11及び
12から出力された信号電圧を同じ周波数の交流電流に変
換する。電圧−電流変換部14から出力された交流電流
は,被測定電池10の陽極端子Taと陰極端子Tbとの間に通
電される。
第2図は陽極端子Tbと検出用電極端子Tcとの間のイン
ピーダンスを測定する場合の結線状態を示しており、差
動増幅器15の+入力端子は陽極端子Tbに接続され、他方
の−入力端子は検出用電極端子Tcに接続されている。差
動増幅器15は、陽極端子Tbと検出用電極端子Tcとの間に
発生する交流電圧成分を検出して、交流電圧増幅器16に
出力する。交流電圧増幅器16は、検出した交流電圧成分
を所定の増幅率で増幅して交流電圧検出部17に出力す
る。交流電圧検出部17は、増幅器16から出力された交流
電圧の振幅のピークからピーク迄の値に比例した直流電
圧を出力する。交流電圧検出部17は、例えば市販のピー
クtoピーク測定モジュールを用いて構成することができ
る。交流電圧検出部17から出力された直流電圧は、デジ
タル電圧計18に表示される。電圧−電流変換部14から出
力される交流電流の実効値及び増幅器16の増幅率は予め
判っているため、デジタル電圧計18の出力をこれらの値
で割ることによって陽極−劣化検出用電極間のインピー
ダンスの絶対値が得られる。
また、陽極−陰極間のインピーダンスの測定を行う場
合には、差動増幅器11の±入力端子を被測定電池10の陽
極端子Tbと陰極端子Taとに接続すればよい。
なお各端子間のインピーダンスの測定法は、上記装置
を用いる場合に限られず、公知のインピーダンスの測定
法を用いることができる。
上述の密閉形鉛蓄電池とインピーダンス測定装置とを
用いて、陽極−陰極間インピーダンスと陽極−検出用電
極間インピーダンスとを測定した結果を第3図及び第4
図に示す。第3図は高温の加速寿命試験において、交流
電流成分の周波数を1KHzとして補水を行わずに電解液の
減少によって電池10を寿命に導いた場合の、陽極−陰極
間インピーダンス(内部インピーダンス)と放電容量と
の関係を示している。第3図に示されるように、定格容
量の50%まで容量が低下した時点では、内部インピーダ
ンスは初期の約4倍まで増加した。
第4図は高温の加速寿命試験において、周波数1Hzと
して定期的に補水を行い陽極格子体の腐食・伸びで電池
を寿命に導いた場合の、陽極−電解液間の界面インピー
ダンスと放電容量との関係を示す特性線図である。ここ
で、陽極−電解液間の界面インピーダンスとは、周波数
1Hzにおける陽極−検出用電極間のインピーダンスから
周波数1KHzにおける陽極−陰極間のインピーダンスを減
じた値である。第4図に示されるように、定格容量の50
%まで容量が低下した時点では、界面インピーダンスが
初期の約4倍まで増加している。以上のように、本実施
例によれば、電解液の減少で寿命となった場合でも、陽
極格子体の腐食・伸びで寿命となった場合でも、インピ
ーダンスの増加率は約4倍の変化となり電池の劣化を精
度良く検出できた。
また第5図は、高温の加速寿命試験において、交流電
流成分の周波数が1Hzとして定期的に補水を行い陽極格
子体の腐食・伸びで電池を寿命に導いた場合の、陽極−
検出用電極間のインピーダンスと放電容量との関係を示
している。第5図に示されるように、定格容量の50%ま
で容量が低下した時点では、インピーダンスが初期の約
3倍まで増加している。第4図に示した界面インピーダ
ンスの増加率と比べて、インピーダンスの増加率は小さ
いが、第8図に示した従来の測定法で示した結果と比べ
れば、インピーダンスの増加率は大きく、陽極の劣化の
検出精度を高めることができる。
第6図は、高温の加速寿命試験で陽極格子体の腐食・
伸びにより寿命となった密閉形鉛蓄電池Bの陽極−電解
液間の界面インピーダンスの周波数依存性と、新品の密
閉形鉛蓄電池Aの陽極−電解液間の界面インピーダンス
の周波数依存性とを示している。データを得るために用
いた電池は、第1図に示した構造と同様の構造を有する
ものであり、1.2Ahの定格容量、2Vの定格電圧のもので
あった。なお劣化検出用電極としては、カドミ線(カド
ミウムを線状に成形したもの)を用い、このカドミ線を
電解液保持体に接触させて測定を行った。第6図は交流
電流成分の周波数と界面インピーダンスとの関係を示し
ている。界面インピーダンスの測定は、周波数1KHzでの
インピーダンスを各周波数の測定インピーダンスから減
じた値である。第6図に示すように、寿命に至った電池
Bと新品の電池Aとでは、約100Hz以下の周波数から界
面インピーダンスの差が大きくなっており、1Hzの周波
数では約4倍の差が認められた。
上記実施例は陽極と陰極との間に交流電流を流して測
定したものであるが、陽極と陰極間に交流電流成分を含
む電流を通電しても測定は行える。従って、トリクル或
いはフロート充電中であっても陽極陰極間に交流電流が
通電できれば、本発明による測定が可能である。第9図
は、充電電流に交流電流成分を重畳することができる充
電器の構成の一例を示している。同図において20は直流
電源、21はトランジスタ、22は電流検出用抵抗、23は誤
差増幅器、24は加算器、25は基準電源、26及び27は第1
及び第2の発振器、28は切替用スイッチ、29はアース端
子である。第1の発振器26は1KHzの周波数の正弦波信号
を発生する発振器であり、第2の発振器27は1Hzの周波
数の正弦波信号を発生する発振器である。加算器24は、
切替用スイッチ28を通して入力される電圧信号を基準電
圧25の電圧に加算するものであり、誤差増幅器23はトラ
ンジスタ21のベース電流を制御することにより出力をフ
ィードバック制御するものである。
通常の充電を行う場合には、切替スイッチ28をアース
端子29に接続して、加算器24から基準電源25の基準電圧
を誤差増幅器23に入力する。誤差増幅器23は、基準電源
25の基準電圧に基いてトランジスタ21を制御し、定電圧
制御を行う。インピーダンスを測定するために、交流電
流成分を含んだ電流を通電する場合には、切替スイッチ
28を第1または第2の発振器26または27に接続する。加
算器24は、基準電源25の基準電圧に発振器26または27の
出力電圧を加算して誤差増幅器23に出力する。誤差増幅
器23は、発振器26または27の出力の周波数及び振幅の変
化に応じてトランジスタ21のベース電流を可変すること
により、充電電流に交流電流成分を重畳する。
[発明の効果] 請求項1項の発明によれば、陽極の劣化状態を検出す
るために、劣化検出用電極を電解液と接触し且つ陽極及
び陰極と接触しないように配置し、陽極と陰極との間に
充放電反応を生じさせる周波数の交流電流成分を含んだ
電流を通電することにより、陽極活物質−電解液間の界
面インピーダンスの変化を直接的に検出するようにした
ので、陽極格子体の伸び・腐食により劣化した陽極の劣
化状態を精度良く検出することができる。
また請求項2の発明によれば、実質的に充放電反応を
生じさせることのない周波数の交流電流成分を含む電流
を陽極と陰極との間に通電した場合における陽極と劣化
検出用電極との間のインピーダンスを測定し、このイン
ピーダンスと充放電反応を生じさせる周波数の交流電流
成分を含む電流を陽極と陰極との間に通電した場合にお
ける陽極と劣化検出用電極との間のインピーダンスとの
差を取り、このインピーダンスの差に基いて陽極の劣化
を検知するようにしたので、実質的に充放電反応に起因
する界面インピーダンスの増加分を検出することができ
るので、陽極の劣化の検出精度を更に高めることができ
る。また電解液の減少による電池の劣化も併せて高い精
度で検出することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法を実施するための電池の一例の概
略構成を示す図、第2図は本発明の方法を実施する際に
用いるインピーダンス測定装置の一例を示すブロック
図、第3図は補水を行わずに電解液を減少させて電池を
寿命に導いた場合の交流電流成分の周波数が1KHzにおけ
る陽極−陰極間インピーダンスと放電容量と関係を示す
特性図、第4図は定期的に補水を行い陽極格子体の腐食
・伸びで電池を寿命に導いた場合の周波数1Hzにおける
陽極−電解液間の界面インピーダンスと放電容量との関
係を示す特性線図、第5図は定期的に補水を行い陽極格
子体の腐食・伸びで電池を寿命に導いた場合の周波数1H
zにおける陽極−劣化検出用電極間のインピーダンスと
放電容量の関係を示す特性線図、第6図は高温の加速寿
命試験で陽極格子体の腐食・伸びにより寿命となった密
閉形鉛蓄電池の陽極−電解液間の界面インピーダンスの
周波数依存性と新品の密閉形鉛蓄電池の陽極−電解液間
の界面インピーダンスの周波数依存性とを示す特性図、
第7図は従来の方法で測定した周波数が1KHzにおける陽
極−陰極間のインピーダンスと放電容量の関係を示す特
性線図、第8図は従来の方法で測定した周波数が10Hzに
おける陽極−陰極間のインピーダンスと放電容量との関
係を示す特性線図、第9図は充電電流に交流電流成分を
重畳する充電装置の一例を示すブロック図である。 1……電槽、2……極板群、3……陰極板、4……陽極
板、5,8……電解液保持体、7……劣化検出用電極、10
……被測定用電池、11,12……発振器、13……切替スイ
ッチ、14……電圧−電流変換部、15……差動増幅器、16
……交流電圧増幅器、17……交流電圧検出部、18……デ
ジタル電圧計、20……直流電源、21……トランジスタ、
22……抵抗、23……誤差増幅器、24……加算器、25……
基準電圧、26,27……発振器、28……切替スイッチ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と陰極との間に交流電流成分を含んだ
    電流を通電し、所定の電極間の交流電圧成分からインピ
    ーダンスを測定することにより密閉形鉛蓄電池の劣化状
    態を検知する方法において、 電解液と接触し且つ前記陽極及び陰極と接触しないよう
    にして劣化検出用電極を配置し、 前記陽極と陰極との間に充放電反応を生じさせる周波数
    の交流電流成分を含んだ電流を通電して前記陽極と前記
    劣化検出用電極との間のインピーダンスを測定し、該イ
    ンピーダンスの変化に基づいて前記陽極の劣化状態を検
    知することを特徴とする密閉形鉛蓄電池の劣化状態検知
    方法。
  2. 【請求項2】陽極と陰極との間に交流電流成分を含んだ
    電流を通電し、所定の電極間の交流電圧成分からインピ
    ーダンスを測定することにより密閉形鉛蓄電池の劣化状
    態を検知する方法において、 電解液と接触し且つ前記陽極及び陰極と接触しないよう
    にして劣化検出用電極を配置し、 前記陽極と陰極との間に実質的に充放電反応を生じさせ
    ることのない第1の周波数の交流電流成分を含んだ電流
    を通電して前記陽極と陰極との間のインピーダンス及び
    前記陽極と前記劣化検出用電極との間のインピーダンス
    を測定し、 前記陽極と陰極との間に充放電反応を生じさせる第2の
    周波数の交流電流成分を含んだ電流を通電して前記陽極
    と前記劣化検出用電極との間のインピーダンスを測定
    し、 前記陽極と陰極との間のインピーダンスの変化に基づい
    て前記電解液の減少による電池の劣化を検知し、 前記第1の周波数の交流電流成分を含んだ電流を通電し
    たときの前記陽極と劣化検出用電極との間のインピーダ
    ンスと前記第2の周波数の交流電流成分を含んだ電流を
    通電したときの前記陽極と劣化検出用電極との間のイン
    ピーダンスとの差の変化に基づいて前記陽極と劣化状態
    を検知することを特徴とする密閉形鉛蓄電池の劣化状態
    検知方法。
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