JPH0821365A - 冷凍回路 - Google Patents

冷凍回路

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JPH0821365A
JPH0821365A JP6151261A JP15126194A JPH0821365A JP H0821365 A JPH0821365 A JP H0821365A JP 6151261 A JP6151261 A JP 6151261A JP 15126194 A JP15126194 A JP 15126194A JP H0821365 A JPH0821365 A JP H0821365A
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chamber
compressor
pressure
valve
refrigeration circuit
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Masaki Ota
太田  雅樹
Sokichi Hibino
惣吉 日比野
Hisakazu Kobayashi
久和 小林
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】冷凍回路において、熱負荷が大きいときに圧縮
機の駆動軸が高速で回転されるとしても、圧縮機の騒音
を防止できるようにするとともに高い耐久性を維持でき
るようにする。 【構成・作用】吐出室15と凝縮器51との間に調整弁
30を設け、駆動軸6が高速で継続して回転される際の
流量増加により上下流の圧力差が設定圧より大きくなれ
ば、弁体22が抽気調整通路21を開いてクランク室5
内の圧力を確実に高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として車両空調用に
供して好適な冷凍回路に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭62−87680号公報に一般的
な斜板式圧縮機が開示されている。この圧縮機では、ハ
ウジングに吸入室、吐出室及びクランク室が形成されて
いるとともにボアが形成され、ボア内にはピストンが往
復動可能に収容され、ピストンの端面とボアとで圧縮室
が形成されている。ハウジングには回転可能に駆動軸が
支承されており、この駆動軸にはクランク室内において
同期回転可能にロータが支持されている。クランク室内
において、ロータにはヒンジ機構を介して同期回転かつ
傾角変位可能に回転斜板が係留され、回転斜板には回転
が阻止された状態で揺動斜板が係留されている。そし
て、クランク室では揺動斜板がピストンとロッドにより
係留されている。また、ハウジングには、クランク室と
吸入室とを連通する抽気通路と、吸入圧力を検知するこ
とによりクランク室内の圧力を調整する容量制御弁とが
設けられている。
【0003】図8に示すように、かかる圧縮機80は、
車両空調用に供される場合は、通常電磁クラッチが装備
され、最小限、凝縮器81、膨脹弁84及び蒸発器85
とともに一般的な冷凍回路を構成する。すなわち、圧縮
機80の吐出室には凝縮器81が接続され、凝縮器81
には膨脹弁84が接続され、膨脹弁84には蒸発器85
が接続され、蒸発器85は再び圧縮機80の吸入室に接
続される。なお、凝縮器81と膨脹弁84との間には受
液器82が接続されることがあり、膨脹弁84は蒸発器
85と圧縮機80との間に設けた感温筒84aにより制
御されることがある。
【0004】この冷凍回路では、駆動源としてのエンジ
ンの回転が電磁クラッチを介して圧縮機80の駆動軸に
伝達される。圧縮機80では、かかる駆動軸の回転によ
り回転斜板が所定の傾角の下で回転され、揺動斜板には
回転斜板の揺動運動のみが伝達される。このため、揺動
斜板の揺動運動によりピストンがロッドを介してボア内
を往復動し、これにより圧縮室内において吸入室内の冷
媒を圧縮した後、吐出室に吐出する。
【0005】そして、吐出室より吐出された高温・高圧
の冷媒は凝縮器81により凝縮されて液化され、液化さ
れた冷媒は膨脹弁84により減圧されて低温・低圧の霧
状にされる。霧状にされた冷媒は蒸発器85により蒸発
される。このとき、気化熱により周囲の空気を冷却する
ため、車室内等が冷房される。この後、冷媒は圧縮機8
0の吸入室に再び吸入される。
【0006】この間、圧縮機80では、熱負荷の減少に
伴って吸入圧力Psが設定圧より降下すれば、容量制御
弁がクランク室内への吐出圧力Pdの冷媒の供給を始め
ることにより、抽気通路によるクランク室から吸入室へ
の冷媒の導出にかかわらず、クランク室内の圧力Pcを
高めるため、圧縮室による吐出容量が縮小される。逆
に、圧縮機80では、熱負荷の増加に伴って吸入圧力P
sが設定圧より上昇すれば、容量制御弁がクランク室内
への吐出圧力Pdの冷媒の供給を停止することにより、
抽気通路によるクランク室から吸入室への冷媒の導出で
クランク室内の圧力Pcを低めるため、圧縮室による吐
出容量が増大される。
【0007】こうして、圧縮機では、熱負荷の変化に応
じて吐出容量が変化するようになされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般的な冷凍
回路では、容量制御弁によってのみ圧縮機80の吐出容
量の調整を行っていたため、熱負荷が大きいときに例え
ばエンジンの高速運転によって圧縮機80の駆動軸が高
速で回転されているならば、圧縮機80が騒音を生じた
り、耐久性を損なわれたりする場合があった。
【0009】すなわち、圧縮機では、駆動軸がエンジン
の運転状況によって変動しうる回転数で駆動されるた
め、図9に示すように、熱負荷と吐出容量との関係が駆
動軸の回転数(N)の変化によって変化される。このと
き、エンジンの通常運転によって圧縮機80の駆動軸が
通常程度の回転数で回転されている状態では、熱負荷が
大きければ圧縮機80の容量制御弁の検知する吸入圧力
Psが高くされているため、容量制御弁の閉弁によりク
ランク室内の圧力Pcが低くなり、圧縮機80は、回転
斜板及び揺動斜板が最大傾角、つまり最大吐出容量で運
転されようとする。
【0010】ところが、エンジンが高速運転されること
によって圧縮機80の駆動軸が高速で回転されれば、圧
縮室は短時間で吸入室内の冷媒を吸入する。このため、
圧縮機80の吸入室、ひいては蒸発器85に至るまでの
管路内の吸入圧力Psは低下される。こうなると、圧縮
機80の容量制御弁の検知する吸入圧力Psが低くなる
ため、容量制御弁の開弁によりクランク室内の圧力Pc
が高くなり、圧縮機80は、回転斜板及び揺動斜板が傾
角を縮小し、つまり縮小された吐出容量で運転されよう
とする。
【0011】他方、ピストンは短時間でボア内を往復動
しようとするため慣性力によってストロークを延長しよ
うとし、圧縮機80は、回転斜板及び揺動斜板が傾角を
増加させ、つまり吐出容量が増大される。こうして、圧
縮機80は、通常運転状態では、時間(T)と吐出容量
とが図10の曲線Aの関係を示すのに対し、熱負荷が大
きいときに駆動軸が高速で回転されている状態では、図
10の曲線Bの関係を示す。つまり、ピストンの慣性力
の増大する図9の右上の領域では、圧縮機は、吐出容量
が周期的に変化され、不安定な状態となる。このとき、
圧縮機80では、回転斜板及び揺動斜板等が傾角を変動
させ、ヒンジ機構等が摺接を繰り返すこととなる。この
ため、圧縮機80は、騒音を生じたり、ヒンジ機構等の
摩耗や金属疲労から耐久性を損なわれたりする。
【0012】本発明は、冷凍回路において、熱負荷が大
きいときに圧縮機の駆動軸が高速で回転されるとして
も、圧縮機の騒音を防止できるようにするとともに高い
耐久性を維持できるようにすることを解決すべき課題と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の冷凍回路
は、上記課題を解決するため、駆動源により変動しうる
回転数で駆動される駆動軸と、シリンダブロックに形成
されたボア内を往復動し、吸入室から吸入した冷媒を圧
縮して吐出室に吐出するピストンと、クランク室内で該
駆動軸と共に回転し、かつ該クランク室内の圧力上昇に
基づいて該ピストンのストロークを縮小させる傾角変位
可能な斜板要素と、該クランク室と該吸入室とを連通す
る抽気通路とを備えた圧縮機を含み、該圧縮機から送出
された冷媒を凝縮器、膨脹弁及び蒸発器を経由して循環
させる冷凍回路において、前記吐出室と前記凝縮器との
間には、上下流の圧力差が設定圧より大きくなれば、前
記クランク室内の圧力を高める調整弁が設けられている
ことを特徴とする。
【0014】請求項2記載の冷凍回路は、上記課題を解
決するため、駆動源により変動しうる回転数で駆動され
る駆動軸と、シリンダブロックに形成されたボア内を往
復動し、吸入室から吸入した冷媒を圧縮して吐出室に吐
出するピストンと、クランク室内で該駆動軸と共に回転
し、かつ該クランク室内の圧力上昇に基づいて該ピスト
ンのストロークを縮小させる傾角変位可能な斜板要素
と、該クランク室と該吸入室とを連通する抽気通路とを
備えた圧縮機を含み、該圧縮機から送出された冷媒を凝
縮器、膨脹弁及び蒸発器を経由して循環させる冷凍回路
において、前記蒸発器と前記吸入室との間には、上下流
の圧力差が設定圧より大きくなれば、前記クランク室内
の圧力を高める調整弁が設けられていることを特徴とす
る。
【0015】請求項3記載の冷凍回路は、請求項1又は
2記載の冷凍回路において、調整弁は、上下流の圧力差
が設定圧より大きくなれば、吐出冷媒をクランク室に導
入すべく構成されていることを特徴とする。請求項4記
載の冷凍回路は、請求項1又は2記載の冷凍回路におい
て、調整弁は、上下流の圧力差が設定圧より大きくなれ
ば、抽気通路の開度を縮小すべく構成されていることを
特徴とする。
【0016】請求項5記載の冷凍回路は、請求項1、
2、3又は4記載の冷凍回路において、圧縮機には、吸
入圧力を検知することによりクランク室内の圧力を調整
する容量制御弁が設けられていることを特徴とする。請
求項6記載の冷凍回路は、請求項1、2、3、4又は5
記載の冷凍回路において、圧縮機の駆動軸は駆動プーリ
により駆動源と直結されていることを特徴とする。
【0017】請求項7記載の冷凍回路は、請求項1、
2、3、4、5又は6記載の冷凍回路において、調整弁
は、圧縮機に内蔵されていることを特徴とする。
【0018】
【作用】請求項1記載の冷凍回路では、圧縮機の吐出室
と凝縮器との間に調整弁が設けられている。ここで、熱
負荷が大きいときに圧縮機の駆動軸が高速で回転されて
いる状態であれば、圧縮機の吐出室と凝縮器との間で
は、冷媒の流量が多いことにより、上下流の圧力差が設
定圧より大きくなる。
【0019】このため、調整弁はクランク室内の圧力を
高める。ここで、請求項3記載の冷凍回路では、調整弁
が吐出室内の冷媒をクランク室に導入し、クランク室内
の圧力を高める。また、請求項4記載の冷凍回路では、
調整弁が抽気通路の開度を縮小し、クランク室内の圧力
を高める。こうして、圧縮機は、斜板要素が傾角を縮小
し、ピストンのストロークが縮小され、吐出容量が縮小
される。
【0020】ここで、請求項5記載の冷凍回路では、圧
縮機に容量制御弁が設けられているため、容量制御弁は
吸入圧力の低下によりクランク室内の圧力を高めること
は可能である。このとき、調整弁は、容量制御弁とは独
立してクランク室内の圧力を高める。つまり、請求項3
記載の冷凍回路では、調整弁は、容量制御弁とは独立し
た通路により吐出室内の冷媒をクランク室に導入する。
このため、容量制御弁が閉弁していても、調整弁がクラ
ンク室内の圧力を確実に高める。また、容量制御弁が開
弁していても、調整弁は、容量制御弁のみでクランク室
内の圧力を高める場合よりも大量の冷媒をクランク室内
に導入し、クランク室内の圧力を容量制御弁のみで高め
る場合よりも確実に高める。
【0021】また、請求項4記載の冷凍回路では、調整
弁は、抽気通路の開度を縮小する。このため、容量制御
弁の閉弁・開弁にかかわらず、調整弁はクランク室内の
圧力を容量制御弁のみで高める場合よりも一層高める。
こうして、確実に高められたクランク室内の圧力がピス
トンの慣性力にも対抗し、吐出容量が確実に縮小され
る。
【0022】これにより、圧縮機は、熱負荷が大きいと
きに駆動軸が高速で回転されている状態であれば、吐出
容量が周期的に変化されることはない。請求項2記載の
冷凍回路では、蒸発器と圧縮機の吸入室との間に調整弁
が設けられている。ここで、熱負荷が大きいときに圧縮
機の駆動軸が高速で回転されている状態であれば、蒸発
器と圧縮機の吸入室との間においても、冷媒の流量が多
いことにより、上下流の圧力差が設定圧より大きくな
る。このため、上記と同様に、調整弁はクランク室内の
圧力を確実に高め、圧縮機は、熱負荷が大きいときに圧
縮機の駆動軸が高速で回転されている状態であれば、吐
出容量が周期的に変化されることはない。
【0023】請求項6記載の冷凍回路では、圧縮機の駆
動軸が駆動プーリにより駆動源と直結されているため、
駆動軸は駆動源が運転されている限り駆動されることと
なる。このとき、この冷凍回路では、熱負荷が大きいと
きに圧縮機の駆動軸が高速で回転されている状態であれ
ば、請求項1〜5に係る調整弁によって圧縮機は吐出容
量が確実に縮小されるため、冷房過剰等が防止される。
また、こうして、従来の電磁クラッチを省略することが
できるため、電磁クラッチの断接時における例えば車両
の運転フィーリングの悪化を防止できるとともに、重量
減、消費電力減少、燃費良化等が得られる。
【0024】請求項7記載の冷凍回路では、調整弁が圧
縮機に内蔵されており、調整弁のためのスペースを例え
ば車両に確保したり、取付部材を別に用意したりする必
要がない。なお、熱負荷がさほど大きくないとき又は圧
縮機の駆動軸がさほど高速で回転されているわけではな
い状態であれば、圧縮機の吐出室と凝縮器との間又は蒸
発器と圧縮機の吸入室との間では、冷媒の流量がさほど
多くないことにより、上下流の圧力差が設定圧より小さ
くなる。このため、このときには、調整弁によるクラン
ク室内の圧力調整はほとんど又は完全に行われない。
【0025】また、凝縮器と膨脹弁との間や膨脹弁と蒸
発器との間に調整弁を設けることも考えられるが、凝縮
器と膨脹弁との間や膨脹弁と蒸発器との間では冷媒が液
状であるため、冷媒の流量に起因する上下流の圧力差を
調整弁で検知することが困難であると考えられる。
【0026】
【実施例】以下、各請求項記載の発明を具体化した実施
例1〜6を図面を参照しつつ説明する。 (実施例1)実施例1の冷凍回路は請求項1、3、5、
7を具体化したものである。
【0027】この冷凍回路は、車両空調用に供するもの
で、図1に示すように、電磁クラッチ40及び容量制御
弁18が装備された圧縮機50と、この圧縮機50の吐
出室15に管路50aにより接続された凝縮器51と、
この凝縮器51に管路50bにより接続された受液器5
2と、この受液器52に管路50cにより接続された膨
脹弁53と、この膨脹弁53に管路50dにより接続さ
れ、下流側が管路50eにより再び圧縮機50の吸入室
16に接続された蒸発器54と、蒸発器54と圧縮機5
0との間に設けられ、膨脹弁53を制御する感温筒53
aとからなる。
【0028】圧縮機50では、シリンダブロック1の前
端側にフロントハウジング2が接合され、シリンダブロ
ック1の後端側に弁板4等を挟持してリアハウジング3
が接合されている。フロントハウジング2とシリンダブ
ロック1とによって形成されるクランク室5内には、一
端がフロントハウジング2から延出されて電磁クラッチ
40のアーマチュアに固定された駆動軸6が収容され、
駆動軸6はフロントハウジング2及びシリンダブロック
1との間に設けられた軸封装置及びラジアル軸受によっ
て回転可能に支持されている。なお、駆動軸6の他端と
弁板4等との間にはスラスト軸受及び板ばねが介在され
ている。また、シリンダブロック1には駆動軸6を取り
囲む位置に複数個のボア1aが穿設されており、各ボア
1aにはピストン7がそれぞれ収容されている。
【0029】クランク室5内において、駆動軸6にはロ
ータ8がフロントハウジング2との間にスラスト軸受を
介して駆動軸6と同期回転可能に固着され、ロータ8の
後方にはヒンジ機構9により回転斜板10がロータ8と
同期回転可能に係留されている。また、クランク室5内
おける駆動軸6の周面にはスリーブ11が摺動可能に設
けられており、スリーブ11に突設された枢軸11aに
回転斜板10が揺動可能に係留されている。この回転斜
板10にはスラスト軸受等を介して揺動斜板12が係留
されており、揺動斜板12にはフロントハウジング2の
回り止め溝2a内を軸方向にのみ摺動可能な回り止めピ
ン12aが固着されている。揺動斜板12と各ピストン
7との間にはロッド14が係留されており、これにより
各ピストン7は各ボア1a内を揺動斜板12の傾角に応
じて往復動可能になされている。
【0030】スリーブ11とシリンダブロック1側の駆
動軸6に固定されたサークリップとの間には押圧ばね1
3が装備されている。そして、この押圧ばね13により
回転斜板10はロータ8と当接可能になされ、これによ
り揺動斜板12は起動時等には最大傾角に維持されてい
る。また、押圧ばね13が最も縮小された状態で揺動斜
板12は最小傾角に維持可能になされている。
【0031】また、リアハウジング3内では、中央側に
吐出室15が形成され、この吐出室15の外側に吸入室
16が形成されている。各ピストン7の端面が各ボア1
aとの間で形成する各圧縮室と吐出室15とは、弁板4
に形成された各吐出ポート15aにより連通されてお
り、各吐出ポート15aは吐出室15側においてリテー
ナ15bによって開度が規制される図示しない吐出弁に
よって開閉可能になされている。また、各圧縮室と吸入
室16とは、弁板4に形成された各吸入ポート16aに
より連通されており、各吸入ポート16aは各圧縮室側
において図示しない吸入弁によって開閉可能になされて
いる。
【0032】さらに、リアハウジング3、弁板4及びシ
リンダブロック1等には、クランク室5と吸入室16と
を連通する抽気通路17aが形成されているとともに、
吐出室15とクランク室5とを連通する給気通路17b
が形成されており、リアハウジング3内には給気通路1
7bの途中に容量制御弁18が装備されている。この容
量制御弁18は、吸入室16と連通する検知通路18a
によりダイアフラム18bが上下に変位可能になされて
おり、ダイアフラム18bの変位によりボール18cが
給気通路17bの開度を調整可能になされている。
【0033】この圧縮機50の特徴的な構成は以下の調
整弁30にある。すなわち、リアハウジング3には吐出
室15と開口19により連通する調整室20が形成され
ている。調整室20は円柱状空間に形成されており、開
口19側の底面には給気通路17bと連通する給気調整
通路21が貫設されている。調整室20内には給気調整
通路21側において弁体22が収容され、この弁体22
は押圧ばね23によって給気調整通路21側に付勢され
ている。弁体22は、給気調整通路21側の先端が細い
断面略V字形状に形成され、先端側の傾斜面に調整室2
0と管路50aとを連通させる絞り22aが形成されて
いる。こうして、吐出室15と凝縮器51との間には、
弁体22により給気調整通路21の開度を調整可能な調
整弁30が設けられている。
【0034】凝縮器51、受液器52、膨脹弁53、蒸
発器54、感温筒53a及び各管路50a〜50eは市
販のものを採用している。以上のように構成された冷凍
回路では、駆動源としての図示しないエンジンの回転が
電磁クラッチ40により圧縮機50の駆動軸6に伝達さ
れる。圧縮機50では、かかる駆動軸6の回転によりロ
ータ8と同期して回転斜板10が所定の傾角の下で回転
され、揺動斜板12には回転斜板10の揺動運動のみが
伝達される。このため、揺動斜板12の揺動運動により
ピストン7がロッド14を介してシリンダ1a内を往復
動する。これにより圧縮室内において吸入室16内の冷
媒を圧縮した後、吐出室15に吐出する。吐出室15に
吐出された冷媒は、開口19、調整室20及び絞り22
aを経て管路50aにより凝縮器51に吐出される。
【0035】高温・高圧の冷媒は凝縮器51により凝縮
されて液化され、液化された冷媒は管路50bにより受
液器52に一定量保持される。受液器52から管路50
cにより膨脹弁53に供給される冷媒は、感温筒53a
の制御の下、膨脹弁53により減圧されて低温・低圧の
霧状にされる。そして、霧状にされた冷媒は管路50d
により蒸発器54に供給され、蒸発器54により蒸発さ
れる。このとき、気化熱により周囲の空気を冷却するた
め、車室内が冷房される。この後、冷媒は管路50eに
より圧縮機50の吸入室16に再び吸入される。
【0036】この間、圧縮機50では、熱負荷の減少に
伴って吸入室16内の吸入圧力Psが降下すれば、容量
制御弁18のダイアフラム18bが上面を弧とする変位
を生じ、ボール18cが給気通路17bを開弁する。こ
のため、クランク室5内への吐出室15内における吐出
圧力Pdの冷媒の供給が始まり、クランク室5内の圧力
Pcが高まる。このため、ピストン7に作用する背圧が
大きくなって回転斜板10及び揺動斜板12の傾角が縮
小され、ピストン7のストロークが縮小されて吐出容量
が縮小される。
【0037】逆に、圧縮機50では、熱負荷の増加に伴
って吸入室16内の吸入圧力Psが上昇すれば、容量制
御弁18のダイアフラム18bが下面を弧とする変位を
生じ、ボール18cが給気通路17bを閉弁する。この
ため、クランク室5内への吐出室15内における吐出圧
力Pdの冷媒の供給が停止され、クランク室5内の圧力
Pcは低められる。このため、ピストン7に作用する背
圧が小さくなって回転斜板10及び揺動斜板12の傾角
が増加され、ピストン7のストロークが増大されて吐出
容量が増大される。
【0038】ここで、熱負荷が大きいときにエンジンの
高速運転によって圧縮機50の駆動軸6が高速で回転さ
れている状態であれば、調整弁30の調整室20内にお
ける弁体22の給気調整通路21側と管路50a側との
間では、冷媒の流量が多くかつ絞り22aがあることに
より、設定圧より大きな圧力差が生じる。つまり、弁体
22の管路50a側は低圧の吐出圧力Pd(L)であ
り、弁体22の給気調整通路21側は高圧の吐出圧力P
d(H)である。
【0039】このため、調整弁30の弁体22は押圧ば
ね23に打ち勝って給気調整通路21を開弁する。これ
により、吐出室15内の冷媒は、調整室20、給気調整
通路21を経て容量制御弁18内の給気通路17bを通
り、クランク室5に供給される。このため、クランク室
5内の圧力Pcが高められ、圧縮機50は吐出容量が縮
小される。
【0040】このとき、圧縮機50には容量制御弁18
が設けられているため、容量制御弁18は吸入圧力Ps
の低下によりクランク室5内の圧力Pcを高めることは
可能である。このとき、調整弁30は、容量制御弁18
とは独立してクランク室5内の圧力Pcを高める。つま
り、調整弁18は、容量制御弁18とは独立した給気調
整通路21により吐出室15内の冷媒をクランク室5に
導入する。このため、容量制御弁18が閉弁していて
も、調整弁30がクランク室5内の圧力Pcを確実に高
める。また、容量制御弁18が開弁していても、調整弁
30は、容量制御弁18のみでクランク室5内の圧力P
cを高める場合よりも大量の冷媒をクランク室5内に導
入し、クランク室5内の圧力Pcを容量制御弁18のみ
で高める場合よりも確実に高める。
【0041】こうして、一層高められたクランク室5内
の圧力Pcがピストン7の慣性力にも対抗し、吐出容量
が確実に縮小される。他方、熱負荷がさほど大きくない
とき又は圧縮機50の駆動軸6がさほど高速で回転され
ているわけではない状態であれば、冷媒の流量が少なく
調整弁30の調整室20内における弁体22の給気調整
通路21側と管路50a側との間には、設定圧より小さ
い圧力差しか生じない。このため、調整弁30の弁体2
2は押圧ばね23に打ち負けて給気調整通路21を閉弁
する。こうして調整弁30がクランク室5内の圧力Pc
を高めることはなく、上記のように容量制御弁18によ
る通常の容量制御がなされる。
【0042】こうして、圧縮機では、駆動軸の回転数
(N)と吐出容量とが図2の関係を示す。つまり、圧縮
機50は、熱負荷が大きいときに駆動軸6が高速で回転
されている状態であれば、吐出容量が確実に縮小される
ため、吐出容量が周期的に変化されることはない。した
がって、圧縮機50では、回転斜板10、揺動斜板1
2、スリーブ11及びヒンジ機構9等が安定する。この
ため、この冷凍回路では、熱負荷が大きくかつ圧縮機5
0の駆動軸6が高速で回転されるとしても、圧縮機50
の騒音を防止できるとともに高い耐久性を維持できる。
【0043】また、この冷凍回路では、調整弁30が圧
縮機50に内蔵されており、調整弁30のためのスペー
スを車両に確保したり、取付部材を別に用意したりする
必要がないため、車両への搭載性に優れるとともに比較
的安価である。 (実施例2)実施例2の冷凍回路は請求項1、3、6を
具体化したものである。
【0044】この冷凍回路では、図3に示すように、圧
縮機60の駆動軸6が駆動プーリ41によりエンジンと
直結され、圧縮機60には、実施例1の容量制御弁18
が装備されておらず、給気通路17bも設けられていな
い。そして、この冷凍回路では、圧縮機60の吐出室1
5と凝縮器51とを接続する管路50aの途中に調整弁
31が設けられている。
【0045】すなわち、調整弁31では、一端に圧縮機
60のクランク室5に連通される調整管路61が接続さ
れ、他端に管路50aと凝縮器51近傍で連通されるパ
イロット管路62が接続された調整室31aが形成さ
れ、この調整室31aの給気調整管路61側には管路5
0aと吐出室15近傍で連通されるパイロット管路63
が接続されている。この調整室31a内には給気調整管
路61の開度を調整可能な弁体31bが摺動可能に設け
られており、この弁体31bは押圧ばね31cにより開
度を縮小する方向に付勢されている。
【0046】他の構成は実施例1と同一であるため、同
一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省
略する。以上のように構成された冷凍回路では、圧縮機
60の駆動軸6が駆動プーリ41によりエンジンと直結
されているため、駆動軸6はエンジンが運転されている
限り駆動されることとなる。
【0047】ここで、熱負荷が大きいときにエンジンの
高速運転によって圧縮機60の駆動軸6が高速で回転さ
れている状態であれば、調整弁31の調整室31a内に
おけるパイロット管路63側とパイロット管路62との
間では、管路50a内の冷媒の流量が多いことによる流
路抵抗により、設定圧より大きな圧力差が生じる。つま
り、調整室31aのパイロット管路62側は低圧の吐出
圧力Pd(L)であり、調整室31aのパイロット管路
63側は高圧の吐出圧力Pd(H)である。
【0048】このため、調整弁31の弁体31bは押圧
ばね31cに打ち勝って給気調整管路61を開弁する。
これにより、吐出室15内の冷媒は、管路50a、パイ
ロット管路63、調整室31a、給気調整管路61を経
てクランク室5に供給される。このため、クランク室5
内の圧力Pcが確実に高められ、圧縮機60は吐出容量
が確実に縮小される。
【0049】したがって、圧縮機60は、熱負荷が大き
いときに圧縮機60の駆動軸6が高速で回転されている
状態であれば、吐出容量が確実に縮小されて周期的に変
化されることはない。このため、この冷凍回路において
も、圧縮機60の騒音を防止できるとともに高い耐久性
を維持できる。また、この冷凍回路では、熱負荷が大き
いときに圧縮機60の駆動軸6が高速で回転されている
状態であれば、調整弁31によって圧縮機60は吐出容
量が縮小されるため、冷房過剰等が防止される。
【0050】なお、熱負荷がさほど大きくないとき又は
圧縮機60の駆動軸6がさほど高速で回転されているわ
けではない状態であれば、管路50aを流れる冷媒の流
量が少なく、調整弁31の調整室31a内におけるパイ
ロット管路63側とパイロット管路62との間には、設
定圧より小さい圧力差しか生じない。このため、調整弁
31の弁体31bは押圧ばね31cに打ち負けて給気調
整管路61の開度を閉じる。このとき、吐出室15内の
冷媒は管路50aを通常のように流れる。こうして調整
弁31がクランク室5内の圧力Pcを高めることはな
く、圧縮機60は押圧ばね13の付勢力により揺動斜板
12が最大傾角を維持して最大吐出容量で運転される。
【0051】こうして、従来の電磁クラッチを省略する
ことができるため、電磁クラッチの断接時における車両
の運転フィーリングの悪化を防止できるとともに、重量
減、消費電力減少、燃費良化等が得られる。 (実施例3)実施例3の冷凍回路は請求項1、3、5を
具体化したものである。
【0052】この冷凍回路では、図4に示すように、実
施例1の圧縮機50に電磁クラッチ40及び容量制御弁
18が装備されており、圧縮機50の吐出室15と凝縮
器51とを接続する管路50aの途中に調整弁32が設
けられている。すなわち、調整弁32では、第1調整室
32aと第2調整室32bとが間に弁座32cを有して
連通されている。第1調整室32aの弁座32cと反対
側には圧縮機50のクランク室5に連通される第1給気
調整管路61aが接続されている。第2調整室32bの
弁座32cと反対側には管路50aと吐出室15近傍で
連通されるパイロット管路63が接続され、第2調整室
32bの弁座32c側には管路50aと凝縮器51近傍
で連通される第2給気調整管路61bが接続されてい
る。第1調整室32a内には押圧ばね32dによって付
勢されたボール32eが弁座32cを閉塞すべく設けら
れている。第2調整室32b内にはボール32eと当接
して弁座32cを開弁可能な弁体32fが摺動可能に設
けられており、この弁体32fは押圧ばね32gにより
ボール32eから離れる方向に付勢されている。
【0053】他の構成は実施例1と同一であるため、同
一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省
略する。以上のように構成された冷凍回路では、熱負荷
が大きいときにエンジンの高速運転によって圧縮機50
の駆動軸6が高速で回転されている状態であれば、調整
弁32の第2調整室32b内におけるパイロット管路6
3側と第2給気調整管路61bとの間では、管路50a
内の冷媒の流量が多いことによる流路抵抗により、設定
圧より大きな圧力差が生じる。つまり、第2調整室32
bの第2給気調整管路61b側は低圧の吐出圧力Pd
(L)であり、第2調整室32bのパイロット管路63
側は高圧の吐出圧力Pd(H)である。
【0054】このため、調整弁32の弁体32fは押圧
ばね32gに打ち勝ってボール32eと当接し、ボール
32eが押圧ばね32dに打ち勝って弁座32cを開弁
する。これにより、吐出室15内の冷媒は、管路50
a、第2給気調整管路61b、第2調整室32b、弁座
32c、第1調整室32a及び第1給気調整管路61a
を経てクランク室5に供給される。このため、クランク
室5内の圧力Pcが確実に高められ、圧縮機50は吐出
容量が確実に縮小される。
【0055】したがって、この冷凍回路においても、実
施例1と同様の作用及び効果が得られる。また、この冷
凍回路では、熱負荷が大きいときにエンジンの通常運転
によって圧縮機50の駆動軸6が通常程度で回転されて
いる状態であれば、管路50a内の冷媒の流量がさほど
多くないことにより、第2調整室32bの第2給気調整
管路61b側と第2調整室32bのパイロット管路63
側とで設定圧より小さな圧力差しか生じない。
【0056】そして、熱負荷が大きいことにより容量制
御弁18が吸入圧力Psの上昇で給気通路17bの開度
を縮小するため、抽気通路17aによってクランク室5
内の圧力は低められようとする。このとき、第2調整室
32bの第2給気調整管路61b側が比較的高圧の吐出
圧力Pd(L)でありさえすれば、調整弁32のボール
32eが押圧ばね32dに打ち勝って弁座32cを開弁
する。これにより、クランク室5内の圧力Pcが確実に
高められるため、大きな熱負荷で吸入圧力Psが高いこ
とによりピストン7に作用する前圧が大きいときでも、
ピストン7に作用する背圧を十分に大きくすることがで
きるため、回転斜板10及び揺動斜板12の傾角は確実
に縮小され、ピストン7のストロークの縮小で吐出容量
が確実に縮小される。このため、冷媒の流量が少なくて
も、吐出圧力が高く、圧縮機の耐久性を低下させるよう
な状況のもとでの大容量運転を回避することができる。 (実施例4)実施例4の冷凍回路は請求項1、4、5を
具体化したものである。
【0057】この冷凍回路では、図5に示すように、実
施例1の圧縮機50に電磁クラッチ40及び容量制御弁
18が装備されており、圧縮機50の吐出室15と凝縮
器51とを接続する管路50aの途中に調整弁33が設
けられ、調整弁33に第1、2抽気調整管路64a、6
4bが連通されている。すなわち、調整弁33では、第
1調整室33aと第2調整室33bとが間に案内孔33
cを有して連通されている。第1調整室33aの案内孔
33cと反対側には圧縮機50のクランク室5に連通さ
れる第1抽気調整管路64aが接続され、第1調整室3
3aの案内孔33c側には管路50eに連通される第2
抽気調整管路64bが接続されている。第2調整室33
bの案内孔33cと反対側には管路50aと吐出室15
近傍で連通されるパイロット管路63が接続され、第2
調整室33bの案内孔33c側には管路50aと凝縮器
51近傍で連通されるパイロット管路62が接続されて
いる。第2調整室33b内には案内孔33cを摺動して
第1、2抽気調整管路64a、64bを閉塞可能な弁体
33dが摺動可能に設けられており、この弁体33dは
押圧ばね33eにより第1、2抽気調整管路64、64
bの開度を拡大する方向に付勢されている。
【0058】他の構成は実施例1と同一であるため、同
一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省
略する。以上のように構成された冷凍回路では、熱負荷
が大きいときにエンジンの高速運転によって圧縮機50
の駆動軸6が高速で回転されている状態であれば、調整
弁33の第2調整室33b内におけるパイロット管路6
3側とパイロット管路62との間では、管路50a内の
冷媒の流量が多いことによる流路抵抗により、設定圧よ
り大きな圧力差が生じる。つまり、第2調整室33bの
パイロット管路62側は低圧の吐出圧力Pd(L)であ
り、第2調整室33bのパイロット管路63側は高圧の
吐出圧力Pd(H)である。
【0059】このため、調整弁33の弁体33dは押圧
ばね33eに打ち勝って第1、2抽気調整管路64a、
64bを閉弁する。これにより、クランク室5内におい
てブローバイにより蓄積される冷媒は、第1抽気調整管
路64a、第1調整室33a、第2抽気調整管路64b
及び管路50eを経て吸入室16に導出されないように
なる。このため、クランク室5内の圧力Pcが確実に高
められ、圧縮機50は吐出容量が確実に縮小される。
【0060】したがって、この冷凍回路においても、実
施例1と同様の作用及び効果が得られる。 (実施例5)実施例5の冷凍回路は請求項2、4、5を
具体化したものである。この冷凍回路では、図6に示す
ように、実施例1の圧縮機50に電磁クラッチ40及び
容量制御弁18が装備されており、蒸発器54と圧縮機
50の吸入室16とを接続する管路50eの途中に調整
弁34が設けられ、調整弁34に第1、2抽気調整管路
66a、66bが連通されている。
【0061】すなわち、調整弁34では、一端に圧縮機
50のクランク室5に連通される第1抽気調整管路66
aが接続され、他端に管路50eと蒸発器54近傍で連
通されるパイロット管路65が接続された調整室34a
が形成され、この調整室34aの第1抽気調整管路66
a側には管路50eと吸入室16近傍で連通される第2
抽気調整管路66bが接続されている。この調整室34
a内には第1、2抽気調整管路66a、66bの開度を
調整可能な弁体34bが摺動可能に設けられており、こ
の弁体34bは押圧ばね34cにより開度を拡大する方
向に付勢されている。
【0062】他の構成は実施例1と同一であるため、同
一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省
略する。以上のように構成された冷凍回路では、熱負荷
が大きいときにエンジンの高速運転によって圧縮機50
の駆動軸6が高速で回転されている状態であれば、調整
弁34の調整室34a内における第2抽気調整管路66
b側とパイロット管路65との間では、管路50e内の
冷媒の流量が多いことによる流路抵抗により、設定圧よ
り大きな圧力差が生じる。つまり、調整室34aの第2
抽気調整管路66b側は低圧の吸入圧力Ps(L)であ
り、調整室34aのパイロット管路65側は高圧の吸入
圧力Ps(H)である。
【0063】このため、調整弁34の弁体34bは押圧
ばね34cに打ち勝って第1、2抽気調整管路66a、
66bを閉弁する。これにより、クランク室5内におい
てブローバイにより蓄積される冷媒は、第1抽気調整管
路66a、調整室34a、第2抽気調整管路66b及び
管路50eを経て吸入室16に導出されないようにな
る。このため、クランク室5内の圧力Pcが確実に高め
られ、圧縮機50は吐出容量が確実に縮小される。
【0064】したがって、この冷凍回路においても、実
施例1と同様の作用及び効果が得られる。 (実施例6)実施例6の冷凍回路は請求項2、3、5を
具体化したものである。この冷凍回路では、図7に示す
ように、実施例1の圧縮機50に電磁クラッチ40及び
容量制御弁18が装備されており、蒸発器54と圧縮機
50の吸入室16とを接続する管路50eの途中に調整
弁35が設けられ、調整弁35に第1、2給気調整管路
67、68が連通されている。
【0065】すなわち、調整弁35では、第1調整室3
5aと第2調整室35bとが第1調整室35a側に弁座
35cを有し、弁座35cから第2調整室35bまでの
間に案内孔35dを有して連通されている。第1調整室
35aの弁座35cと反対側には管路50aと連通され
る第1給気調整管路67が接続されている。案内孔35
dには弁座35c側に圧縮機50のクランク室5に連通
される第2給気調整管路68が接続されている。また、
第2調整室35bの案内孔35dと反対側には管路50
eと蒸発器54近傍で連通されるパイロット管路65が
接続され、第2調整室35bの案内孔35d側には管路
50eと吸入室16近傍で連通されるパイロット管路6
6が接続されている。第1調整室35a内には押圧ばね
35eによって付勢されたボール35fが弁座35cを
閉弁すべく設けられている。第2調整室35b内にはボ
ール35fと当接して弁座35cを開弁し、第1、2給
気調整管路67、68を連通可能な弁体35gが摺動可
能に設けられており、この弁体35gは押圧ばね35h
によりボール35fから離れる方向に付勢されている。
【0066】他の構成は実施例1と同一であるため、同
一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明は省
略する。以上のように構成された冷凍回路では、熱負荷
が大きいときにエンジンの高速運転によって圧縮機50
の駆動軸6が高速で回転されている状態であれば、調整
弁35の第2調整室35b内におけるパイロット管路6
6側とパイロット管路65との間では、管路50e内の
冷媒の流量が多いことによる流路抵抗により、設定圧よ
り大きな圧力差が生じる。つまり、第2調整室35bの
パイロット管路66側は低圧の吸入圧力Ps(L)であ
り、第2調整室35bのパイロット管路65側は高圧の
吸入圧力Ps(H)である。
【0067】このため、調整弁35の弁体35gは押圧
ばね35hに打ち勝ってボール35fと当接し、ボール
35fは弁座35cを開弁して第1、2給気調整管路6
7、68を連通させる。これにより、管路50a内の冷
媒は、第1給気調整管路67、第1調整室35a及び第
2給気調整管路68を経てクランク室5に供給される。
このため、クランク室5内の圧力Pcが確実に高めら
れ、圧縮機50は吐出容量が確実に縮小される。
【0068】したがって、この冷凍回路においても、実
施例1と同様の作用及び効果が得られる。なお、上記各
調整弁30〜35において、圧力差が極端に小さいとき
には、各弁体22等の受圧面積を大きくするか、又は押
圧ばね23等のばね定数を小さくすれば、上記作用及び
効果が得られる。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように、この冷凍回路で
は、各請求項記載の構成を採用しているため、熱負荷が
大きくかつ圧縮機の駆動軸が高速で回転されるとして
も、圧縮機の騒音を防止できるとともに高い耐久性を維
持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の冷凍回路を示し、圧縮機等について
は断面の全体構成図である。
【図2】実施例1の冷凍回路に係る駆動軸の回転数と吐
出容量との関係を示すグラフである。
【図3】実施例2の冷凍回路を示し、圧縮機等について
は断面の全体構成図である。
【図4】実施例3の冷凍回路を示し、調整弁については
模式断面の全体構成図である。
【図5】実施例4の冷凍回路を示し、調整弁については
模式断面の全体構成図である。
【図6】実施例5の冷凍回路を示し、調整弁については
模式断面の全体構成図である。
【図7】実施例6の冷凍回路を示し、調整弁については
模式断面の全体構成図である。
【図8】従来の冷凍回路を示す全体構成図である。
【図9】従来の冷凍回路に係る駆動軸の回転数と吐出容
量との関係を示すグラフである。
【図10】従来の冷凍回路に係る時間と吐出容量との関
係を示すグラフである。
【符号の説明】
50、60…圧縮機 6…駆動軸 1…シ
リンダブロック 1a…ボア 16…吸入室 15…
吐出室 7…ピストン 5…クランク室 10…
回転斜板 12…揺動斜板 17a…抽気通路 17b
…給気通路 18…容量制御弁 51…凝縮器 53…
膨脹弁 54…蒸発器 30、31、32、33、3
4、35…調整弁 21…給気調整通路 61、61a、61b、67、
68…給気調整管路 64a、64b、66a、66b…第1、2抽気調整管
路 41…駆動プーリ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動源により変動しうる回転数で駆動され
    る駆動軸と、シリンダブロックに形成されたボア内を往
    復動し、吸入室から吸入した冷媒を圧縮して吐出室に吐
    出するピストンと、クランク室内で該駆動軸と共に回転
    し、かつ該クランク室内の圧力上昇に基づいて該ピスト
    ンのストロークを縮小させる傾角変位可能な斜板要素
    と、該クランク室と該吸入室とを連通する抽気通路とを
    備えた圧縮機を含み、該圧縮機から送出された冷媒を凝
    縮器、膨脹弁及び蒸発器を経由して循環させる冷凍回路
    において、 前記吐出室と前記凝縮器との間には、上下流の圧力差が
    設定圧より大きくなれば、前記クランク室内の圧力を高
    める調整弁が設けられていることを特徴とする冷凍回
    路。
  2. 【請求項2】駆動源により変動しうる回転数で駆動され
    る駆動軸と、シリンダブロックに形成されたボア内を往
    復動し、吸入室から吸入した冷媒を圧縮して吐出室に吐
    出するピストンと、クランク室内で該駆動軸と共に回転
    し、かつ該クランク室内の圧力上昇に基づいて該ピスト
    ンのストロークを縮小させる傾角変位可能な斜板要素
    と、該クランク室と該吸入室とを連通する抽気通路とを
    備えた圧縮機を含み、該圧縮機から送出された冷媒を凝
    縮器、膨脹弁及び蒸発器を経由して循環させる冷凍回路
    において、 前記蒸発器と前記吸入室との間には、上下流の圧力差が
    設定圧より大きくなれば、前記クランク室内の圧力を高
    める調整弁が設けられていることを特徴とする冷凍回
    路。
  3. 【請求項3】調整弁は、上下流の圧力差が設定圧より大
    きくなれば、吐出冷媒をクランク室に導入すべく構成さ
    れていることを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍回
    路。
  4. 【請求項4】調整弁は、上下流の圧力差が設定圧より大
    きくなれば、抽気通路の開度を縮小すべく構成されてい
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍回路。
  5. 【請求項5】圧縮機には、吸入圧力を検知することによ
    りクランク室内の圧力を調整する容量制御弁が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の
    冷凍回路。
  6. 【請求項6】圧縮機の駆動軸は駆動プーリにより駆動源
    と直結されていることを特徴とする請求項1、2、3、
    4又は5記載の冷凍回路。
  7. 【請求項7】調整弁は、圧縮機に内蔵されていることを
    特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の冷凍
    回路。
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