JPH08213539A - 半導体装置及びそれを用いた電子装置 - Google Patents

半導体装置及びそれを用いた電子装置

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JPH08213539A
JPH08213539A JP7017660A JP1766095A JPH08213539A JP H08213539 A JPH08213539 A JP H08213539A JP 7017660 A JP7017660 A JP 7017660A JP 1766095 A JP1766095 A JP 1766095A JP H08213539 A JPH08213539 A JP H08213539A
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semiconductor device
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Takashi Hosokawa
隆 細川
Yasutoshi Kurihara
保敏 栗原
Mamoru Sawahata
守 沢畠
Shigeru Takahashi
茂 高橋
Takashi Fukumaki
孝 服巻
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Hitachi Ltd
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    • H01L2924/13055Insulated gate bipolar transistor [IGBT]

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Abstract

(57)【要約】 【構成】セラミックス板と金属板が接合され、前記金属
板によって回路が形成され、前記回路上に半導体基体が
搭載された金属接合回路基板と、前記金属接合回路基板
の前記半導体基体が搭載されていない面にろう材により
接合されたMoもしくはWを主成分とする金属支持部材
からなることを特徴とする半導体装置。 【効果】製造時あるいは運転時に生じる熱歪を低減し、
各部材の変形,変性、あるいは破壊の恐れがなく、熱放
散性に優れた絶縁型の半導体装置を提供することがで
き、運転時の性能が優れ、消費電力の少ない電子装置を
提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置及びそれを
用いた電子装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体素子基体を支持する部材は
非絶縁型半導体装置の一電極を兼ねる場合が多かった。
例えば、パワートランジスタチップを銅べース上にPb
−Snはんだ材により一体化搭載したパワートランジス
タ装置では、銅ベース(金属支持部材)はトランジスタ
のコレクタ電極と支持部材を兼ねる。このような半導体
装置では、数アンペア以上のコレクタ電流が流れるが、
この際トランジスタチップはその内部で発内する。この
発熱に起因する特性の不安定性や寿命の劣化を避けるた
め、銅ベースは熱放散のための部材を兼ねる。また、高
耐圧化及び高周波化され、大電流を流すことの可能なI
GBT(Insurated Gate Bipolar Transistor)
チップを上記銅ベースに直接はんだ付け搭載した場合
は、熱放散中継部材としての銅ベースの役割を一層重要
となる。
【0003】また、半導体装置の全ての電極を金属支持
部材から電気的に絶縁し、もって半導体装置の回路適用
上の自由度を増すことのできる構造が出現している。こ
のような絶縁型半導体装置において、すべての電極は絶
縁部材により金属支持部材を含む全てのパッケージ部材
から絶縁されて外部へ引き出される。そのために、一対
の主電極が回路上の接地電位から浮いている使用例であ
っても、電極電位とは無関係にパッケージを接地電位部
に固定できるので、半導体装置の実装が容易になる。
【0004】絶縁型半導体装置でも、半導体素子を安全
かつ安定に動作させるためには、半導体装置の動作時に
発生する熱をパッケージの外へ効率良く放散させる必要
がある。この熱放散は通常、発熱源である半導体基体か
らこれと接着された各部材を通じて気中へ熱伝達させる
ことで達成される。絶縁型半導体装置では、この熱伝達
経路中に絶縁体及び絶縁体と半導体基体を接着する部分
等に用いられた接着材層を含む。
【0005】また、半導体装置を含む回路の扱う電力が
高くなるほど、あるいは要求される信頼性(経時的安定
性,耐湿性,耐熱性等)が高くなるほど、完全な絶縁性
が要求される。ここで言う耐熱性には、半導体装置の周
囲温度が外因により上昇した場合のほか、半導体装置の
扱う電力が大きく、半導体基体で発生する熱が大きくな
った場合の耐熱性も含む。
【0006】一方、混成集積回路装置あるいは半導体モ
ジュール装置では、一般に半導体素子を含むあるまとま
った電気回路が組み込まれるため、その回路の少なくと
も一部とこれらの装置の支持部材あるいは放熱部材等の
金属部とを電気的に絶縁する必要がある。例えば、杉浦
康之ほか2名による“半導体・通信用DBC基板”(電
子材料,1989年5月号,65〜69頁)には、Si
チップを両面に銅板が接合されたAlNセラミックス基
板(以下、銅張りAlN基板と言う)に搭載したアッセ
ンブリを、銅支持部材にはんだ付け一体化したパワーモ
ジュール装置が示されている。
【0007】先行技術例で、銅張りAlN基板はAlN
の持つ高熱伝導性(190W/m・K),低熱膨張率
(4.3×10-6/℃),高絶縁性(1015Ω・cm)等の
特長と、銅の持つ高熱伝導性(403W/m・K),高
電気伝導性(1.7×10-6Ω・cm)等の特長とを組み合
わせたもので、電流密度が高く、発熱の著しい電力用半
導体素子基体(Si:3.5×10-6/℃)を直接はんだ
付け搭載し、優れた放熱性と信頼性を備えたモジュール
装置を得るのに有効な部品である。
【0008】一般に、銅張りAlN基板は、これにはん
だ付け搭載された半導体素子基体、又はこれに形成され
た電気回路を銅支持部材から電気的に絶縁するととも
に、半導体基体から冷却フィンに至る熱流路を形成し、
その放熱効果を高める役割を担う。また、前記銅張りA
lN基板は、熱膨張率の小さい半導体基体を特別な熱膨
張緩和材(例えば、MoやW板)を用いずに直接搭載で
きるため、パワーモジュール装置の部品点数や組み込み
工数を削減できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】半導体装置における発
熱量が少なく、要求される信頼性がさほど高くない場合
には、装置を構成する部材としてどのような材料を用い
ても問題はない。しかし、発熱量が大きく、高い信頼性
が要求される場合には、適用されるべき部材は選択され
ねばならない。
【0010】一般に、絶縁型半導体装置では先行技術例
のように、Siチップを銅張りAlN基板に搭載したアッ
センブリを、ろう付けないしはんだ付けにより銅支持部
材と一体化している。ここで、熱伝導率の高い銅板が支
持部材として用いられる理由は、銅張りAlN基板から
伝達される熱流を広げて放熱効果を高める役割を持たせ
るためである。
【0011】この場合、銅支持部材と銅張りAlN基板
の間の熱膨張率差が大きいことに起因して、はんだ層の
破壊,熱流路の遮断,絶縁板の破壊に基づく信頼性低下
を生じやすい。すなわち、 (1)銅張りAlN基板と銅支持部材の熱膨張率が互い
に異なるため、これらの一体化物には残留熱応力ないし
熱歪が発生する。即ち、銅張りAlN基板と銅支持部材
はPb−60wt%Snはんだ材によりろう付けされ、
ろう材の融点以上に加熱した後、室温まで冷却する熱処
理を受ける。この場合、各部材がろう材の凝固点で互い
に固定され、その後は固定されたまま各部材固有の熱膨
張率に従って収縮し、接着部に熱応力ないし熱歪が残留
するとともに変形を生じる。一般に、電力用半導体基体
はサイズが大きく、また、パワーモジュール装置では複
数の半導体基体や他の素子も搭載されるので、絶縁基板
の面積やろう付け面積も大きくなる。このため、残留熱
応力ないし歪が大きく、各部材の変形も促進されやす
い。モジュール装置に稼働時の熱ストレスが繰返し与え
られ、残留応力ないし歪に重畳されると、はんだ層の疲
労破壊による熱流路の遮断と機械的に脆い性質を持つ絶
縁基板の破壊を生じる。このような事柄は、モジュール
装置の正常な動作を阻害するだけでなく、特に絶縁基板
の破損は安全上の問題にもつながる。
【0012】(2)銅張りAlN基板と銅支持部材の熱
膨張率が互いに異なるため、これらの一体化物には反り
が生じる。モジュール装置に反りが生じると、これを冷
却フィンに取付ける際熱伝導グリースの装填が均一にな
されない。この結果、銅支持部材と冷却フィン間の熱的
接合が完全にはなされず、この経路の放熱性が損なわ
れ、モジュール装置の正常な電気的動作を困難にする。
また、モジュール装置を冷却フィン上に強制的にねじ締
め搭載した場合には、新たな外力の印加により絶縁基板
の破損が促進される。
【0013】本発明の目的は、製造時あるいは運転時に
生じる熱応力ないし熱歪を軽減し、各部材の変形,変
性、あるいは破壊の恐れがなく、信頼性の高い半導体装
置及びこれを用いた電子装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置は、
セラミックスと金属板が接合され、前記金属板によって
回路が形成され、前記回路上に半導体基体が搭載された
金属接合回路基板と、前記金属接合回路基板の前記半導
体基体が搭載されていない面にろう材により接合された
MoもしくはWを主成分とする金属支持部材からなるこ
とを特徴とする。
【0015】本発明の電子装置は、セラミックスと金属
板が接合され、前記金属板によって回路が形成され、前
記回路上に半導体基体が搭載された金属接合回路基板
と、前記金属接合回路基板の前記半導体基体が搭載され
ていない面にろう材により接合されたMoもしくはWを
主成分とする金属支持部材からなる半導体装置が、負荷
に給電する電気回路に組み込まれたことを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明半導体装置の支持部材の主成分は、熱伝
導率が高く、熱膨張率が小さい点から選択される。具体
的には、Mo(熱膨張率:5.3×10-6/℃,熱伝導
率:136W/m・K),W(熱膨張率:4.5×10-6
/℃,熱伝導率:177W/m・K)から選択された第
一金属を主成分とするものが好ましい材料として挙げら
れる。
【0017】一方、支持部材の第一金属とともに用いら
れる金属は、熱伝導度が高い点から選択される。具体的
には、Al(熱伝導率:240W/m・K),Cu(熱
伝導率:403W/m・K),Ag(熱伝導率:428
W/m・K),Ni(熱伝導率:94W/m・K)のな
かから選択された少なくとも1種を含む第二金属が好ま
しい材料として挙げられる。以上の素材を複合させた支
持部材は、それぞれの素材の持つ欠点を互いに補完し合
う。例えば、本発明の一例である金属支持部材125
は、図1に示す断面図のように、第一金属125Aと第
二金属125Bからなる粉末の焼結体で構成される。こ
の場合、金属支持部材125の物性値(熱膨張率及び熱
伝導率)は、図2及び図3に示すように、第一金属と第
二金属の中間の値を有している。例えば、これらの図を
参照すると、Mo125AとCu125Bからなる支持
部材125の場合(Cuの添加量:65wt%)は、熱
伝導率:270W/m・K と優れた熱伝導性を維持し
ながら、熱膨張率:10.5×10-6/℃と半導体基体
や絶縁部材のそれに近似させることができる。このよう
な金属支持部材125は複合材でありながら、その物性
に方向性を持たない。これは、第一金属125Aと第二
金属125Bが互いに均一に分散された状態を呈してい
ることに基づく。
【0018】第一金属125A及び第二金属125Bの
粒径は可及的に小さいことが望ましい。これは、粒径が
小さいほど各粉末の分散が均一になされ、金属支持部材
125の物性値を制御しやすいためである。しかし、過度
に細かくすると、粉末どうしの2次凝集を生じて分散性
を逆に阻害する。このような作業性との関連を考慮する
と、最も好ましい粒径の範囲は3〜300μmである。
【0019】第一金属と第二金属の複合材からなる金属
支持部材125を先行技術例における銅支持部材の代替
として適用した場合は、次のような特長が得られる。
【0020】その第一は、金属支持部材125の熱膨張
率が小さく、絶縁部材(AlN,BeO,アルミナ)の
それと近似するため、金属支持部材125と絶縁部材の
間のはんだ層に熱応力ないし熱歪が残留しない点であ
る。ここで、上述した熱膨張率が近似するということ
は、絶縁部材と支持部材の間の熱膨張率の差が7×10
-6/℃以下であることを意味する。これにより、金属支
持部材125と絶縁部材間の一体化物は反り等の変形を
生じない。一体化物には残留応力や熱歪がないため、半
導体装置稼働時に生じる熱ストレスの重畳を受けても、
金属支持部材125と絶縁部材間のはんだ層の疲労破壊
による熱流路の遮断や絶縁部材の材械的破壊を生じにく
い。このことは、半導体装置の正常動作の維持と安全性
の確保に寄与する。絶縁部材とは、セラミックスと金属
板が接合されて複合化された金属接合回路基板のことを
言う。
【0021】その第二は、一体化物には反りを生じない
ため、熱伝導グリースの充填が均一かつ確実になされ、
モジュール装置から冷却フィンに至る経路の熱伝達が確
実に行われる点である。また、モジュール装置を冷却フ
ィン上にねじ締め搭載することによる、絶縁部材の破壊
も生じない。このことも、半導体装置の正常動作と安全
性の維持に寄与する。
【0022】その第三は、金属支持部材125には高い
熱伝導性が付与されているため、発熱の著しい半導体基
体から絶縁部材や支持部材を経て冷却フィンに至る熱流
路にあって、金属支持部材125に熱流を拡散させて広
げる役割を担わせることが可能な点である。このこと
は、半導体装置及びこれを用いた電子装置の放熱性と信
頼性を高めるのに寄与する。
【0023】以上のように、本発明半導体装置は、製造
時あるいは運転時に生じる熱応力を軽減し、各部材の変
形,変性、あるいは破壊の恐れがなく信頼性の高いもの
となる。したがって、このような半導体装置を適用した
電子装置も信頼性の高いものとなる。
【0024】
【実施例】本発明を実施例により詳細に説明する。
【0025】〔実施例1〕本実施例では、非酸化物系セ
ラミックス(AlN)と金属板とを接合して一体化した
金属接合回路基板と、第一金属で構成された支持部材と
をろう材により接合した半導体装置及びこれを電子装置
に応用した例について説明する。
【0026】金属支持部材125は、40mm×95mm
×3mmの寸法を有する、厚さ5μmのNiめっきを施し
たMo又はWからなる。Moからなる支持部材は、熱膨
張率:5.3×10-6/℃ ,熱伝導率:136W/m・
Kなる物性値を有している。また、Wからなる支持部材
は、熱膨張率:4.5×10-6/℃ ,熱伝導率:177
W/m・Kからなる物性値を有している。これらの物性
値は方向性を持っていない。
【0027】以上の手順を経て得られた金属支持部材1
25には、−55〜150℃の温度サイクル試験が施さ
れた。この試験を1000回与えた後の物性値は、初期
値とほとんど同じであり、方向性もないことが確認され
た。また、金属支持部材125の寸法変化や変形は全く観
測されなかった。
【0028】以上に述べた金属接合支持部材125は、
図4に示す金属接合回路基板122と組み合わされ、I
GBT素子を搭載した2000V,75A級の半導体装
置900に適用された。金属回路基板122は、寸法3
1mm×60mm×0.63mmを有するAlN焼結体12の
両面に、厚さ300μmの銅板13a(コレクタ電極を
兼ねる),13b(エミッタ電極を兼ねる),13c(ゲ
ート電極を兼ねる)と、厚さ150μmの銅板13d
を、活性金属としてのTiを2wt%添加したAg−2
8wt%Cuろう材130a,130b,130c及び
130dにより接合されたものである。銅板13a,1
3b,13c及び13dの表面には、無電解めっきによ
り厚さ4μmのNi層が形成されている(図示を省略)。
活性金属としてのTiの代替物として、Cr,Zr,Hf
等が挙げられる。これらの活性金属は、AlN焼結体1
2と反応して窒化物を形成し、ろう材130a,130
b,130c及び130dとAlN焼結体12の間の接
合媒体の役割を演じる。活性金属はTi,Cr,Zr,
Hfの群から選択された少なくとも1種を含んでいれば
よい。AlN焼結体12は、Al23の還元窒化法によ
り製作されたAlN粉末を、助材としてのY23(添加
量:5wt%)とともに、窒素雰囲気中で1700℃で
常圧焼結して得た。Y23は焼結助材として焼結体の緻
密化する役割を担うとともに、高熱伝導性を付与する役
割を担う。Y23以外にCaOを焼結助材として用いる
ことも可能である。AlN焼結体12の素材となるAl
N粉末は、金属Al粉末を直接窒化法により得られる粉
末であってもよい。このようにして得られた金属接合回
路基板の見かけの熱膨張率は、約5.2×10-6/℃で
ある。
【0029】図5は半導体装置900の要部の斜視図で
ある。図で、金属支持部材125上に金属接合回路基板
122がPb−50wt%Snはんだ材124(図示を
省略、厚さ:200μm)により接着され、金属接合回
路基板122の銅板13a上にはIGBT素子(13mm
×13mm×0.3mm)101がダイオード素子(10mm
×10mm×0.3mm)101′とともにSn−5wt%
Sb−0.6wt%Ni−0.05wt%Pはんだ材11
3(図示を省略、厚さ:200μm)により接着されて
いる。各半導体基体101,101′にはAl線(直
径:550μm)117によるワイヤボンディングが施
され、エミッタ電極13b,ゲート電極13cに接続さ
れている。
【0030】コレクタ電極13a,エミッタ電極13
b,ゲート電極13cには、それぞれ外部端子116,
116′,116″が設けられ、更に各半導体基体10
1,101′,金属接合回路基板122等が外気から完
全に遮断されるように、エポキシ系樹脂製ケース(図示
を省略)を設けるとともに同ケース内にシリコーンゲル
やエポキシ系樹脂を充填,硬化させて半導体装置900
を得た。この半導体装置900は、図6に示す回路を構
成している。なお、本実施例では比較用として、先行技
術例と同様の部材構成をとる半導体装置(本実施例と同
寸法の金属接合回路基板122及び銅支持部材を組み合
わせた)も作製した。半導体装置900は最終的に、図
7に示す電動機950の回転数制御用インバータ装置に
組み込まれた。
【0031】半導体装置900の素子101−金属支持
部材125間の熱抵抗は、Mo支持部材を用いた場合の
0.39℃/W,W支持部材を用いた場合の0.35℃/
Wであった。この値は比較試料の熱抵抗0.24℃/W
より高いが、目標仕様の0.45℃/W以下は満たして
いる。目標仕様を満たす熱抵抗が得られたのは、熱流路
を金属接合回路基板122や金属支持部材125等の高
熱伝導性部材で構成したこと、及び、Mo板のような半
導体基体101,101′直下に配置する熱膨張率緩和
部材を省略して簡素な積層構造をとり得たことが第1の
要因である。
【0032】また、金属接合回路基板122と熱伝導率
の整合した金属支持部材125を適用したため、はんだ
材124における気泡等の欠陥が低減されたことも第二
の要因として挙げられる。気泡等の欠陥が低減されたの
は、金属支持部材125の熱伝導率がCu支持板のそれ
より低い点に起因する。はんだ材124を介在させて金
属接合回路基板122と金属支持部材125を積層した
構造体をはんだ付け熱処理をした場合、金属接合回路基
板122と金属支持部材125の昇温はほぼ同等に進
み、はんだ材124は金属接合回路基板122と金属支
持部材125の両者にほぼ均等にぬれる。この際、溶融
はんだ材124の系外への流出はほとんど生じないた
め、金属接合回路基板122と金属支持部材125間の
空間ははんだ材124によって確実に満たされる。一
方、Cu支持板を用いた場合は、熱伝導率が高いため、
Cu支持板の昇温が金属接合回路基板に先行する。この
際、はんだ材は銅支持部材側にぬれ、金属接合回路基板
側へのぬれを生じる前に系外へ流出する。流出の結果、
銅支持部材と金属接合回路基板間の空間を確実に埋める
のに必要なはんだ材の量が確保されなくなるため、はん
だ層内に気泡が生じる。このような気泡は、熱流の円滑
な伝達に対する阻害要因となる。
【0033】〔半導体基体101,101′〕−〔金属
接合回路基板122〕−〔金属支持部材125〕の積層
一体化物を形成した段階での反り量(腹の高さ)は、M
o支持部材及びW支持部材の場合とも最大20μmであ
った。これは、比較試料の半導体基体−金属接合回路基
板−銅支持部材の積層一体化物の場合の300μmより
大幅に小さい値である。このことも、金属支持部材12
5の熱膨張率が金属接合回路基板122のそれと整合し
ていることに基づく。
【0034】また、半導体装置900に間欠通電し、金
属支持部材125の温度を30〜100℃間で繰返し変
化させる試験を施した。図8は間欠通電試験による熱抵
抗の推移を示す。本実施例半導体装置の熱抵抗Aは五万
回まではほとんど変動を示さず、六万回に至って0.4
3W/℃(Mo支持部材),0.38W/℃(W支持部
材)とわずかに上昇している。しかし、この熱抵抗上昇
は上記の目標仕様を下回る値であり、半導体装置900
の機能に支障を及ぼすものではない。これに対し、比較
試料の熱抵抗Bは初期値こそ本実施例の試料より低いも
のの、試験回数を増すにつれ著しく上昇し、一万五千回
では初期値の2倍以上に達している。このように、本実
施例半導体装置900は、比較試料より格段に安定して
優れた放熱性が維持されている。比較試料が早期に放熱
性の低下を生じた原因は、主として金属接合回路基板1
22と銅支持部材の間におけるはんだ層の熱疲労破壊で
あった。これは、銅支持部材と金属接合回路基板122
の熱膨張率が大幅に異なること、及び、熱膨張率差が大
きいことに起因してはんだ付け部に残留する応力ないし
歪が極めて大きいことによる。本実施例半導体装置90
0が優れた信頼性を示した理由は、金属接合回路基板1
22と半導体基体101,101′間の熱膨張率の差が
ほとんどないため、はんだ材113に過大な熱応力や熱
歪が作用せず、同はんだの熱疲労破壊が避けられたこと
の他に、金属接合回路基板122と金属支持部材125
の熱膨張率が近似しているため、はんだ材124に作用
する熱応力や熱歪が軽減され、その熱疲労破壊が抑制さ
れたことによる。
【0035】間欠通電試験では、電極13a,13b,
13cから金属支持部材125に至る積層構造の絶縁耐
力も追跡した。図9はその結果で、間欠通電試験による
電極−支持部材間のコロナ放電開始電圧の推移を示す。
コロナ放電開始電圧は電荷量100pCにおける値であ
る。本実施例試料Aは初期値約8kVに対し、四万回後
でも約8kVと、ほとんど変化していない。これに対
し、比較試料Bの放電開始電圧は本実施例試料と同等の
初期値を示しているが、試験回数を増すにつれて逐次低
下し、一万五千回以降は約1kVとほぼ一定の値を示し
ている。以上から、本実施例試料は比較試料に比べて、
安定的に優れた絶縁性が維持されていることが確認され
る。比較試料の絶縁性が劣化した主たる理由は、金属接
合回路基板122における絶縁体としてのAlN焼結体
12が電極13a,13b,13cに対応する部分で機
械的に破壊したためである。絶縁物が機械的に破壊する
と、その破壊部分で電界が極度に大きくなる結果、放電
を生じる。焼結体の機械的破損は、銅支持部材と金属接
合回路基板122の熱膨張率差に起因する過度な応力な
いし歪が作用する結果として生じる。これに対し、本実
施例試料の金属支持部材125と金属接合回路基板12
2の一体化部にはAlN焼結体を破壊するほどの過度な
応力ないし歪が作用しないため、機械的破損を生じな
い。したがって、絶縁体内部で電界が不連続的に大きい
値を示すこともない。本実施例試料が安定的に優れた絶
縁性を示したのは、以上の理由に基づく。
【0036】本実施例によれば、放熱性の目標仕様を満
たしながら、信頼性を向上させることができた。この効
果は、金属接合回路基板122の面積、したがってはん
だ材124の面積が大きくなるほど顕著である。その一
例を図10により説明する。この図は本実施例と同様の
部材構成を有する半導体装置Aの金属接合回路基板12
2−金属支持部材125間の接着面積〔比較試料Bで
は、金属接合回路基板122−支持部材間の接着面積〕
と温度サイクル印加後の故障発生率の関係を示すグラフ
である。温度サイクルは−55〜150℃のもとで一千
回与えた。図によれば、接着面積が約500mm2 まで
は、A,Bともに故障発生率は0%である。500mm2
を越えると、Bでは加速的に故障発生率が増加するのに
対し、Aでは7000mm2 までは0%が維持されてい
る。また、Aでは2000mm2 の場合に故障発生率約5
%(Mo支持部材),約2%(W支持部材)を記録して
いるが、このことは接着面積2000mm2 の場合に半導
体装置900の稼働が不可能であることを意味するもの
ではない。換言すると、接着面積2000mm2 の場合で
も、信頼性の水準を少し低く設定すれば、半導体装置9
00の実稼働は可能である。なお、ここで言う故障と
は、主としてはんだ材124に生じたクラック、あるい
は金属接合回路基板122の機械的破損のことである。
このように、温度サイクル数が一千回と多いにもかかわ
らず、本実施例構造の試料では大面積の領域まで故障を
生じていない。これは、金属接合回路基板122から金
属支持部材125に至る積層構造体の熱膨張率が整合し
ていることによる。
【0037】本実施例の半導体装置900を組み込んだ
図7のインバータ装置を用いて、電動機950の回転数
制御を試みた。図11はスイッチング周波数とIGBT
半導体基体101の発熱温度の関係を示す。スイッチン
グ損失は周波数を増すにつれて増えるが、商用電源の5
0Hzから30kHzまでの間では、半導体基体101が
安定して動作し得る温度である125℃を越えることは
なかった。この間、電動機950は特別な異常を伴わず
に作動した。
【0038】また、インバータ装置及び電動機は、電気
自動車にその動力源として組み込まれた。この自動車で
は、動力源から車輪に至る駆動機構を簡素化できたた
め、ギアの噛み込み比率の違いにより変速していた従来
の自動車に比べ、変速時のショックが軽減された。更
に、この自動車は、0〜250km/hの範囲でスムーズ
な走行が可能であったほか、動力源から発生する振動や
騒音の面でも従来の気筒型エンジンを搭載した自動車の
約1/2に軽減することができた。
【0039】更に、本実施例の半導体装置900は、イ
ンバータ装置,ブラシレス直流電動機とともに冷暖房機
(冷房時の消費電力:5kW,暖房時の消費電力:3k
W,電源電圧200V)に組み込まれた。図12はこの
際の電動機の効率Aを示すグラフである。従来の交流電
動機を用いた場合、Bと比較して示す。本実施例の場合
は、比較した全回転数範囲で、従来の場合より10%以
上高い効率を示している。この点は、冷暖房機使用時の
電力消費を低減するのに役立つ。また、室内の温度が運
転開始から設定温度に到達するまでの時間は、本実施例
の場合は従来の交流電動機を用いた場合より約1/2に
短縮された。
【0040】本実施例と同様の効果は、半導体装置90
0が他の流体を撹拌又は流動させる装置、例えば洗濯
機,流体循環装置等に組み込まれた場合でも享受でき
る。
【0041】〔実施例2〕本実施例では、金属接合回路
基板上に多数個の半導体基体が密集して搭載され、これ
らが第一金属と第二金属の複合体からなる支持部材上に
搭載された半導体装置と、これを用いた電子装置につい
て説明する。
【0042】本実施例における金属接合回路基板(68
mm×86mm×0.63mm)122の電極領域13aには、
Sn−5wt%Sb−0.6wt%Ni−0.05wt%
Pはんだ(厚さ:200μm)113により、IGBT素
子(13mm×13mm×0.3mm,6個)101と、ダイオ
ード素子(13mm×13mm×0.3mm,2個)101′
が接着された。引続き実施例1と同様に、半導体基体1
01,101′と電極13b,13c間のワイヤボンデ
ィング117,外部端子116,116′,116″の
取付けを行った後、金属接合回路基板122を支持部材
(95mm×110mm×5mm)125にPb−60wt%
Snはんだ材(厚さ:200μm)124により接着し
た。
【0043】金属接合回路基板122におけるAlN焼
結体12の一方の面には電極領域13a,13b,13
cが形成され、他方の面には銅板13dが形成されてい
る。これらの電極及び金属板は銅からなり、実施例1と
同様の手法によりろう付けされている。
【0044】本実施例における代表的な金属支持部材1
25は、Mo125AとCu125Bからなる複合体で構
成されており、熱膨張率:9.5×10-6/℃ ,熱伝導
率:260W/m・Kなる物性値(Cuの添加量:60
wt%)を有している。これらの物性値は方向性を持っ
ていない。
【0045】また、本実施例では、Mo125AとA
l,Ag,Ni125Bを組み合わせ金属支持部材12
5や、W125AとCu,Al,Ag,Ni125Bを
組み合わせた金属支持部材125も上記と同様にして金
属接合回路基板122とろう付けした。
【0046】以上の手順を経て得られた金属支持部材1
25には、−55〜150℃の温度サイクル試験が施さ
れた。この試験を一千回与えた後物性を測定したが、熱
膨張率:9.5×10-6/℃ ,熱伝導率:260W/m
・Kと、初期値とほとんど同じであり、方向性もないこ
とが確認された。また、金属支持部材125の寸法変化
や変形は全く観測されなかった。他の金属を組み合わせ
た支持部材も同様の結果を示した。
【0047】以下実施例1と同様のパッケージを施し、
半導体装置900を得た。この半導体装置900は、搭
載された全ての素子が並列に接続され、等価的に図13
に示す回路を構成している。また、本実施例と同寸法の
金属接合回路基板122を銅支持部材に搭載した比較用
試料も製作した。半導体装置900は最終的に、図7に
示した電動機950の回転数制御用インバータ装置に組
み込まれた。
【0048】大容量電力を取り扱う半導体装置では、そ
の信頼性をより高める目的のもとでは、金属支持部材1
25の熱膨張率は接着される相手部材(金属接合回路基
板122)のそれより大きい方が好ましい。この理由
は、熱膨張率が相手部材より過度に小さいと、ろう付け
された一体化物が室温に戻る際に金属接合回路基板12
2に引張り応力が作用する。この際、AlN焼結体12
の引張り応力に対する耐破壊強度は金属ほどには大きく
ないため、破損を生じやすいからである。金属接合回路
基板122になり得るセラミックスAlN焼結体12の
熱膨張率はAlN:4.3×10-6/℃,BeO:7.5
×10-6/℃ ,アルミナ:6.3×10-6/℃である。
金属支持部材125の熱膨張率は、これらAlN焼結体
12に銅張りを施した金属接合回路基板122の熱膨張
率を越えるように調整することが望ましい。金属接合回
路基板122の熱膨張率はAlN:5.2×10-6
℃,BeO:8.4×10-6/℃,アルミナ:7.2×1
-6/℃である。
【0049】図14は支持部材と金属接合回路基板間の
熱膨張率差と熱抵抗変化率の関係を示す。ここで得たデ
ータは、試料に上述と同様の間欠通電試験を三万回施
し、試験の前後における熱抵抗変化率を示している。ま
た、AlN焼結体12と同じ寸法のBeO焼結体及びア
ルミナ焼結体を用いた金属接合回路基板122の場合も
同時に示す。熱抵抗の変化は、用いた金属接合回路基板
の種類や構成には関係なく、金属支持部材125との間
の熱膨張率差が7×10-6/℃を越えた場合に顕著に生
じている。この際の熱抵抗上昇の主因は、はんだ材12
4の熱疲労破壊によるものである。このことは、はんだ
材124の高信頼化のためには、熱膨張率差を7×10
-6/℃以下に調整する必要があることを示唆している。
【0050】本実施例における金属支持部材125から
半導体基体101,101′に至る部材構成では、半導
体基体(3.5×10-6/℃)−金属接合回路基板(銅板
とAlN焼結体の複合体,5.2×10-6/℃)−支持
部材(9.5×10-6/℃)と、熱膨張率が近似されて
いる。このため、接着面積が4960mm2 と大きいにも
かかわらず、一体化物の反り量は15μmに過ぎず、各
接着部に残留する熱応力も少ないことを裏付けている。
これは、半導体装置900を冷却フィンに取付ける際に
熱伝導路が遮断されるのを防止するのに役立つととも
に、取付けの際のねじ締めによる半導体装置900の構
成部品の破損防止に寄与する。
【0051】以上により得られた半導体装置900の半
導体基体101−金属支持部材125間の熱抵抗は、0.0
35℃/W と極めて小さい値であった。このように低
い値が得られたのは、実施例1の場合と同様の理由の他
に、多数の半導体基体101,101′が有効な熱伝導
路内に搭載されているため、実施例1の場合より実効的
な放熱性が向上していることによる。即ち、半導体基体
101,101′が金属接合回路基板122の面積に占
める割合は27.3% に及んでいる。このように、本実
施例構造の放熱機能は、特に発熱素子の占有面積が大き
くなる場合に有効に発揮される。図15は金属接合回路
基板の面積に対する半導体基体の占有面積と熱抵抗の関
係を示す。占有面積が50%になるまでの範囲では、金
属接合回路基板の熱流拡大の機能が有効に作用するた
め、熱抵抗は逐次減少する。しかし、50%を越えると
熱流拡大の機能が反映されなくなるため、熱抵抗は上昇
に転ずる。したがって、本実施例構成の半導体装置は、
占有面積50%までは放熱機能を向上させることが可能
である。
【0052】半導体装置900には、−55〜150℃
の温度サイクルが三千回印加された。これによる半導体
基体101−金属支持部材125間の熱抵抗は0.04
2℃/Wとわずかに変化したものの、この変化量は半導
体装置900の使用上は全く問題ない範囲である。熱抵
抗変化を生じなかった最大の理由は、〔半導体基体10
1,101′〕−〔金属接合回路基板122〕−〔金属
支持部材125〕積層構造全体の熱膨張率が整合されて
いるため、はんだ材113,124の熱疲労破壊が抑制
されたことによる。
【0053】また、半導体装置900に間欠通電試験を
施し、金属支持部材125の温度を30〜100℃の間
で繰返し変化させた。図16は間欠通電試験による熱抵
抗の推移を示す。熱抵抗は五万回まではほとんど変化を
示さず、六万回に至ってわずかに上昇し始めているのみ
である。このように安定した放熱性が維持されたのは、
上記した温度サイクル試験の場合と同様の理由に基づ
く。
【0054】次いで、24個の本実施例半導体装置90
0が、図7と同様のインバータ回路に組み込まれた。こ
こでは、1相分として8個の半導体装置900が割り当
てられている。これにより得られたインバータ装置(電
源電圧:2500V,ピーク出力電流:650A,平均
周波数:2kHz)は、電車用の主電動機(190k
W)の速度制御に供された。この結果、走行開始(加
速)時に電動機が発する騒音は平均周波数1.5kHz
の場合より1/3低く、そして、短い駅間距離(1.2k
m)を想定した走行試験でも表定速度40km/hと優れ
た運行性能が得られた。これは、高周波化されて発熱の
著しい半導体基体101を効率的に冷却できるため、同
基体が安定的に動作するためである。
【0055】本実施例の半導体装置900は、電動機の
回転速度や移動装置の走行速度を制御するのに有用であ
る。本実施例と同様の半導体装置がエレベータ,エスカ
レータ,ベルトコンベヤ等の物体を運搬する装置やその
装置に組み込まれた場合でも、電車に組み込まれた場合
と同様の効果が得られる。
【0056】なお、本実胞例で、金属支持部材125に
は第一金属に複数の種類の第二金属が添加されていて
も、その効果は変わらない。
【0057】
【表1】
【0058】表1は金属支持部材125の組成とその物
性値を示す。ここで、第一金属125AにはMo,Wの
中から選択された金属が用いられ、第二金属125Bに
はCu,Al,Ag,Niの群から選択された粉末が用い
られ、第二金属125Bは第一金属125A中に50体
積%添加されている。ここに示すいずれの金属支持部材
125も、金属接合回路基板122とはんだ付けされ、
電気的不活性領域かつ熱伝導路にあって熱中継もしくは
熱流拡大の機能と、金属接合回路基板122との間の熱応
力ないし熱歪を緩和する機能を兼備するに十分な性能を
有している。この結果表1に示したいずれの支持部材を
用いた場合も、Mo−Cu系複合材からなる金属支持部
材125を用いた場合と同等の放熱性及び信頼性が得ら
れた。
【0059】本発明で、金属支持部材125上に設けら
れるめっき層はNiに限定すべきものではない。はんだ
材やろう材に対するぬれ性を向上させるためには、表面
にCu,Ni,Ag,Au,Pt,Pd,Sn,Sb,
Al,Zn、もしくは、これらの合金を被覆することは
好ましいことである。この際、めっき法に限らず、蒸着
法あるいはスパッタリング法等によってもよい。
【0060】本発明で、はんだ材113,124等は実
施例に開示した材料のみには限定されない。半導体装置
が製作されるプロセス,半導体装置に要求される特性、
特に耐熱疲労信頼性に応じて、種々の成分及び組成のも
のを選択し得る。例えば、Pb−5wt%Sb,Pb−
52wt%Sn−8wt%Bi,Au−12wt%G
e,Au−6wt%Si,Au−20wt%Si,Al
−11.7wt%Si,Ag−4.5wt%Si ,Au−
85wt%Pb,Au−26wt%Sb,Cu−69.
3wt%Mg ,Cu−35wt%Mn,Cu−36w
t%Pb,Cu−76.5wt%Sb,Cu−16.5w
t%Si,Cu−28wt%Ti,Cu−10wt%Z
r、又は、これらを任意に組み合わせたろう材を適用で
きる。
【0061】本発明で、半導体装置は負荷に給電する電
気回路に組み込まれて使用される。この際、(1)半導
体装置が、回転装置に給電する電気回路に組み込まれて
回転装置の回転速度を制御するか、もしくは、それ自体
が移動する装置に回転装置とともに組み込まれて移動装
置の移動速度を制御する場合、(2)回転装置に給電す
る電気回路がインバータ回路である場合、(3)半導体
装置が流体を撹拌又は流動させる装置に組み込まれて、
被撹拌物又は被流動物の移動速度を制御する場合、
(4)半導体装置が物体を加工する装置に組み込まれ
て、被加工物の研削速度を制御する場合、(5)半導体
装置が発光体に組み込まれて、発光体の放出光量を制御
する場合、そして、(6)半導体装置が50Hzないし
30kHzの周波数のもとで作動する場合にも、実施例
の場合と同様の効果,利点を享受できる。
【0062】本発明で、金属接合回路基板122に搭載
される半導体基体になり得る素材は、Si:4.2×1
-6/℃,Ge:5.8×10-6/℃ ,GaAs:6.
5×10-6/℃,GaP:5.3×10-6/℃,Si
C:3.5×10-6/℃等である。これらの素材からな
る半導体素子を搭載することに、何らの制約もない。こ
の際、半導体基体はサイリスタ,トランジスタ等、実施
例に記載されていない電気的機能を有していてもよい。
また、金属接合回路基板122に搭載される素子は半導
体基体に限定されず、例えば、コンデンサ,抵抗体,コ
イル等の受動素子であってもよい。
【0063】本発明で、半導体装置の電気回路は、図6
及び図13に示したものに限定されない、例えば、図1
7に示すように、半導体装置の内部で種々の電気回路が
設けられていることは、これを電子装置に用いる上で支
障になるものではない。この際、半導体装置の内部の電
気回路に受動素子が組み込まれていることも、好ましい
ことである。
【0064】本発明で、金属支持部材125の厚さには
適当な範囲が存在する。この点を次に説明する。図18
は金属支持部材125の厚さと半導体装置900の反り
量及び熱抵抗の関係を示す。ここで、半導体装置900
は、本実施例の2の場合と同様の寸法及び形態を有する
もので、金属支持部材125にはMoを適用している。
反り量は支持部材が薄い側で大きく、厚くなるにつれて
逐次少なくなっている。この半導体装置900の場合
は、金属支持部材125から冷却フィンに至る間の熱的
接合を確実に行い、金属接合回路基板122の破壊を防
止する観点から反り量50μmまでは許容される。この
点から選択される適正厚さは1mm以上である。一方、熱
抵抗は金属支持部材125が薄い側で低く、厚い側で高
い値を示している。厚さ10mm程度までは熱の横方向の
拡散効果があるため、厚さをましても見かけの熱抵抗は
ほんど変化しない。しかし、10mm程度を越えると縦方
向(厚さ方向)の熱抵抗が増すため、見かけの熱抵抗は増
加する。半導体装置900に許容される熱抵抗値は0.
045℃/W であり、これを満たす範囲は厚さ10mm
以下の場合である。以上、反り量及び熱抵抗の観点から
選択される適正な支持部材の厚さは、1mm以上10mm以
下の範囲である。このような傾向は、金属支持部材12
5がWの場合、第一金属と第二金属が複合された金属支
持部材125の場合、そして、AlN焼結体12がAl
N,BeO,アルミナのいずれかの場合にも同様であ
る。また、適正厚さ範囲にある金属支持部材125が許
容熱抵抗0.045℃/W を満たすためには、熱伝導率
90W/m・K以上が必要である。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、製造時あるいは運転時
に生じる熱歪を低減し、各部材の変形,変性、あるいは
破壊の恐れがなく、熱放散性に優れた絶縁型の半導体装
置を提供することができ、運転時の性能が優れ、消費電
力の少ない電子装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】支持部材の断面図。
【図2】支持部材の熱膨張率を示す特性図。
【図3】支持部材の熱膨張率を示す特性図。
【図4】金属接合回路基板の断面図。
【図5】一実施例の半導体装置の要部の斜視図。
【図6】半導体装置の回路図。
【図7】半導体装置が組み込まれたインバータ装置の回
路図。
【図8】間欠通電試験による熱抵抗の推移を示す特性
図。
【図9】間欠通電試験による電極−支持部材間のコロナ
放電開始電圧の推移を示す特性図。
【図10】金属接合回路基板−支持部材間の接着面積と
温度サイクル印加後の故障発生率の関係を示す特性図。
【図11】スイッチング周波数と半導体素子の発熱温度
との関係を示す特性図。
【図12】半導体装置の等価回路を示す特性図。
【図13】電動機の効率を示す特性図。
【図14】支持部材と金属接合回路基板の間の熱膨張率
差と熱抵抗変化率の関係を示す特性図。
【図15】金属接合回路基板の面積に対する半導体基体
の占有面積と熱抵抗の関係を示す特性図。
【図16】間欠通電試験による熱抵抗の推移を示す特性
図。
【図17】半導体装置に内蔵された他の電気回路図。
【図18】支持部材の厚さと半導体装置の反り量及び熱
抵抗の関係を示す特性図。
【符号の説明】
12…AlN焼結体、13a,13b,13c,13d…
銅板、101,101′…半導体基体、122…金属接
合回路基板、125…金属支持部材、125A…第一金
属、125B…第二金属、113,124…はんだ、1
16,116′,116″…外部端子、130a,13
0b,130c,130d…ろう材、900…半導体装
置、950…電動機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 茂 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 服巻 孝 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミックス板と金属板が接合され、前記
    金属板によって回路が形成され、前記回路上に半導体基
    体が搭載された金属接合回路基板と、前記金属接合回路
    基板の前記半導体基体が搭載されていない面にろう材に
    より接合されたMoもしくはWを主成分とする金属支持
    部材からなることを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記金属支持部材にA
    l,Cu,Ag,Niの群から選択された少なくとも1
    種が含まれる半導体装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、前記金属支持
    部材の表面がNi,Ag,Au,Pt,Sn,Sb,C
    u,Zn,Pdの中から選択された少なくとも1種の金
    属、又は、Ni,Ag,Au,Pt,Sn,Sb,C
    u,Zn,Pdの中から選択された少なくとも2種の金
    属を含む合金によって被覆されている半導体装置。
  4. 【請求項4】請求項1,2または3において、前記該金
    属支持部材の熱伝導率が90W/m・K以上である半導
    体装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記セラミックス板
    が、AlN,BeO,アルミナのいずれかから成る半導
    体装置。
  6. 【請求項6】請求項1または5において、前記金属接合
    回路基板の前記セラミックス板と前記金属板の接合に、
    Ti,Zr,Hf,Crの中から選択された少なくとも
    1種の活性金属を含むろう材を使用する半導体装置。
  7. 【請求項7】請求項1,2,3または4において、前記
    金属支持部材の厚さが、1mm以上10mm以下である半導
    体装置。
  8. 【請求項8】請求項1,5または6において、前記金属
    接合回路基板の熱膨張係数が、前記金属支持部材の熱膨
    張係数より小さい半導体装置。
  9. 【請求項9】請求項1,5,6または8において、前記
    セラミックス板と前記金属支持部材の熱膨張係数の差が
    7×10-6/℃以下である半導体装置。
  10. 【請求項10】請求項1において、前記金属接合回路基
    板上に1以上の前記半導体基体を搭載する半導体装置。
  11. 【請求項11】請求項1または10において、前記金属
    接合回路基板の面積に対する前記半導体基体の占有面積
    が50%以下である半導体装置。
  12. 【請求項12】請求項1,10または11において、前
    記半導体基体が、IGBT素子,サイリスタ素子,トラ
    ンジスタ素子,ダイオード素子の群の中から選択された
    少なくとも1種ある半導体装置。
  13. 【請求項13】請求項1ないし9において、前記金属接
    合回路基板と前記金属支持部材が接合された領域の面積
    が、500mm2以上,7000mm2以下となる半導体装
    置。
  14. 【請求項14】請求項1ないし13において、前記半導
    体装置が、50Hz以上30kHz以下の周波数のもと
    で動作する半導体装置。
  15. 【請求項15】セラミックス板と金属板が接合され、前
    記金属板によって回路が形成され、前記回路上に半導体
    基体が搭載された金属接合回路基板と、前記金属接合回
    路基板の前記半導体基体が搭載されていない面にろう材
    により接合されたMoもしくはWを主成分とする金属支
    持部材からなる半導体装置が、負荷に給電する電気回路
    に組み込まれたことを特徴とする電子装置。
  16. 【請求項16】請求項15において、前記半導体装置が
    回転装置に給電する電気回路に組み込まれて前記回転装
    置の回転速度を制御するか、もしくは、それ自体が移動
    する装置に前記回転装置とともに組み込まれて前記移動
    装置の移動速度を制御する電子装置。
  17. 【請求項17】請求項15または16において、前記回
    転装置に給電する電気回路がインバータ回路である電子
    装置。
  18. 【請求項18】請求項15において、前記半導体装置が
    流体を撹拌又は流動させる装置に組み込まれて、被撹拌
    物又は被流動物の移動速度を制御する電子装置。
  19. 【請求項19】請求項15において、前記半導体装置が
    物体を加工する装置に組み込まれて、被加工物の加工速
    度を制御する電子装置。
  20. 【請求項20】請求項15において、前記半導体装置が
    発光体に給電する電気回路に組み込まれて、前記発光体
    の放出光量を制御する電子装置。
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