JPH08210705A - 暖房機の対流ファン構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 暖房機の枠体内に設けた温風流路へ送風する
対流ファンにフィルターを取付け、フィルターの掃除を
行いやすくする。 【構成】 枠体１の背面の空気取入口２と前面の温風吹
出口３との間に温風流路４を設け、空気取入口２付近に
対流ファン５を取付け、室内空気を空気取入口２から温
風流路４へ送り、温風に変えて温風吹出口３から吹出す
暖房機において、対流ファン５の背部にフィルター６を
取付け、かつ、フィルター６と密着して可動するブラシ
７を設け、前記対流ファン５を逆転させながらブラシ７
を可動することによって、フィルター６に付着したほこ
りをブラシ７によって取り除き、対流ファン５の風で吹
き飛ばしてフィルター６の清掃を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は枠体内にガス・石油等を
燃料とするバーナを備え、対流ファンによる温風で暖房
する暖房機において、枠体内にホコリの侵入を防ぐ対流
ファン構造に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】暖房機の枠体の背面に空気取入口、前面
に温風吹出口、枠体の内部に温風流路を備え、空気取入
口付近に取付けた対流ファンの風を温風流路に吹き込
み、温風吹出口から対流ファンの風を吹出すと共に、枠
体内に設けたバーナから発生する熱量で温風流路を通過
する室内空気の温度を高め、高温風を前面の温風吹出口
から吹出す暖房機が知られている。

【０００３】そして、対流ファンは室内に浮遊するホコ
リも空気と一緒に温風流路に吹き込むものであり、バー
ナ付近にワタホコリが付着すると、このホコリに引火燃
焼する恐れがある。この為、対流ファンの吸い込み側に
はフィルターを取付け、ホコリの侵入を防いでいるが、
網目の細かいフィルターにホコリが付着すると通過空気
量が減少し、枠体内が異常高温になるトラブルが発生
し、現在では取扱説明書で１週間に一度はフィルターに
付着したホコリを清掃するように指示している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】取扱者にとって暖房機
の対流ファンのフィルターの清掃はかなり面倒である。
また、危険防止のため枠体内が異常高温になると安全装
置が働いて燃焼を停止する機構が取付けられているが、
この安全装置がバーナの故障でなくて単なるフィルター
の目づまりによって作動する場合があり、アフターサー
ビスの要請を減らすためにサービス業者からフィルター
の網目を粗くする要望がある。この為、フィルターの選
定は結局中途半端に終わっており、特に排気筒をもった
固定式の暖房機において大きな問題点となっている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は上記課題を解
決するためにフィルターの清掃を自動化するもので、枠
体１の背面に室内空気取入口２を設け、かつ、枠体１の
前面には温風吹出口３を設け、空気取入口２から温風吹
出口３に至る温風流路４を枠体１内に設け、枠体１の背
面には温風流路４内へ送風する対流ファン５を取付け、
対流ファン５の背部に位置して空気取入口２へ流入する
空気が通過するフィルター６を設けた暖房機において、
フィルター６の外側に密着して可動するブラシ７を取付
け、該ブラシ７には駆動部材８を取付け、フィルター６
の清掃時に駆動部材８によってブラシ７を可動し、前記
対流ファン５を逆転してホコリを吹き飛ばすものであ
る。

【０００６】また、清掃作業を自動化するために、ブラ
シ７の駆動部材８を対流ファン５の回転軸５ａと連動し
て取付け、該駆動部材８は減速ギア９と、逆転時に接続
するクラッチ１０とを設け対流ファン５の逆転操作だけ
でフィルターの清掃を可能としている。

【０００７】また、ブラシ７の駆動部材８の他の実施例
として、フィルター６の外周にリング状の固定枠１１を
取付け、かつ、固定枠１１によって回動自在に保持され
る回転リング１２を設け、前記ブラシ７は回転リング１
２の内側に取付け、かつ、回転リング１２に駆動ギア１
２ａを設けると共に、ブラシ７の駆動部材８は固定枠１
１に取付けた電動モータ１３と、回転リング１２の駆動
ギア１２ａと噛合するウォームギア１４とで構成するこ
とにより、コンパクトな構造で対流ファン５と電動モー
タ１３との駆動タイミングの微調節が簡単に行えるよう
になった。

【０００８】

【作用】フィルター６の外側に取付けたブラシ７は駆動
部材８によって可動でき、フィルター６の外側に付着し
たホコリを清掃することができる。この時駆動部材８と
連動して対流ファン５を逆転させたので、送風方向が逆
のため送風量は落ちるが温風流路４からフィルター６の
外方へ向う空気流を作ることができ、ブラシ７によって
取り払われたホコリは暖房機の後方へ吹き飛ばされ、フ
ィルター６の清掃が暖房機の付属構造によって行うこと
ができた。

【０００９】

【実施例】次に図に示す実施例によってこの発明の構成
を説明すると、１は内部にバーナ１５を収納する暖房機
の枠体、２は暖房機の背面などに設けた室内空気取入
口、３は暖房機の前面に設けた温風吹出口であり、該空
気取入口２と温風吹出口３との間は枠体１内に設けた温
風流路４によって連通している。５は空気取入口２付近
に取付けられた対流ファンであり、該対流ファン５は枠
体１の背面の室内空気を温風流路４に吹き込み、この空
気は枠体前面の温風吹出口３から吹出すものである。

【００１０】該温風流路４にはバーナ１５で発生した燃
焼熱を室内空気に伝達する熱交換器１６を備えており、
温風流路４を通過する室内空気は熱交換器１６によって
加熱され、温風となって温風吹出口３から吹出すもので
ある。また、熱交換器１６に代わってバーナ１５の排気
ガスを温風流路４に吐出して、温風流路４を流れる室内
空気と混合して温風吹出口３から吹出すことも行われて
いる。

【００１１】５ｂは対流ファン５を駆動するファンモー
タ、１７は対流ファン５を空気取入口２付近にファンモ
ータ５ｂを介して取付けするための取付枠、６は対流フ
ァン５の背部である室外側に位置する取付枠１７の外方
に装着したフィルターであり、該フィルター６は対流フ
ァン５によって温風流路４へ吹込まれる空気と一緒に吸
込まれるホコリを捕集し、温風流路４へホコリが入らな
いようにしている。

【００１２】１８は枠体１内に取付けた高温検出スイッ
チであり、バーナ１５の異常燃焼や、対流ファン５のフ
ァンモータ５ｂの故障や、ホコリによるフィルター６の
目づまりなどによって、枠体１内が異常高温となった時
を検出してバーナ１５の消火などを含む安全機構を作動
する。

【００１３】上記の暖房機のフィルター６の目づまり
は、取扱者が電気掃除機などを使って清掃する約束にな
っているが、なかなか実行されず、つい高温検出スイッ
チ１８が作動するまで使い続け、サービス業者による安
全機構のリセットや、フィルター６や枠体１内に貯まっ
たホコリの清掃が行われる状況にある。

【００１４】この発明は簡単な操作でフィルター６の目
づまりを解消するもので、７はフィルター６の外側に密
着して取付けられるブラシ、８はブラシ７の駆動部材、
１９は対流ファン５の逆転スイッチであり、実施例のブ
ラシ７は空気流の障害にならないように棹状の保持体７
ａと、保持体７ａに植毛されたハケ７ｂとで構成してい
る。

【００１５】フィルター７の清掃を行う時は逆転スイッ
チ１９によって対流ファン５のファンモータ５ｂを逆転
すると共に、固定しているブラシ７を駆動部材８によっ
て可動すると、フィルター７に付着していたホコリはブ
ラシ７のハケ７ｂによって取り除かれ、対流ファン５の
風によって枠体１の背部へ吹飛ばされ、フィルター６の
目づまりが解消できるものである。

【００１６】ブラシ７の駆動部材８は手動によって操作
することができるが、フィルター６の清掃を自動化する
ためには電動方式とし、対流ファン５の逆転スイッチ１
９と連動させることが望ましい。図２に示す実施例は対
流ファン５の回転力を利用してブラシ７を駆動するもの
で、９は対流ファン５の回転軸５ａであるファンモータ
５ｂの回転軸に取付けた減速ギア、７ｃはブラシ７の回
転軸、１０は減速ギア９とブラシ７の回転軸７ｃとの間
に取付けた回転軸５ａが逆転する時に接続するクラッチ
であり、この実施例では減速ギア９とクラッチ１０とで
駆動部材８を構成している。

【００１７】クラッチ１０は一般的にはソレノイドによ
ってクラッチ板を動かし、一方の軸の回転を他方の軸に
伝達する構造が一般的であるが、図２の実施例は機械式
のもので、ブラシ７の回転軸７ｃと一体となった筒状ケ
ーシングと、ケーシング内に設けた駆動シャフトと、駆
動シャフトに一端を取付けたコイルスプリングとで構成
しており、ファンモータ５ｂが正回転する時はコイルス
プリングが駆動シャフトに巻付けられる方向に回転する
から、コイルスプリングと筒状ケーシングとの摩擦力が
減少して筒状ケーシングは回転しない。一方、ファンモ
ータ５ｂが逆回転するときはコイルスプリングが駆動シ
ャフトから離れるように径を拡大するから、コイルスプ
リングと筒状ケーシングとの摩擦力が大となり、筒状ケ
ーシングが回転するものである。

【００１８】従って、対流ファン５の逆転スイッチ１９
を切換えると、ファンモータ５ｂが逆回転して対流ファ
ン５は風を温風流路４から枠体１の背部へ吹出し、ま
た、対流ファン５の回転は減速ギア９によって落され、
クラッチ１０が接続するもので、ブラシ７は回転軸７ｃ
を中心にゆっくり回転して、フィルター６の清掃を行う
ものである。

【００１９】ブラシ７が回転軸７ｃを中心に回転する構
造は回転軸７ｃに棹状の保持体７ａが取付けられる簡単
な構造であるが、片持ち支持の為に保持体７ａを細くす
ることができず、空気の流れの障害になりやすい。図３
の実施例は細い保持体７ａによってブラシ７を構成する
もので、１１は対流ファン５の主たる空気流路の外側に
位置し、フィルター６の外周に取付けたリング状の固定
枠、１２は固定枠１１によって回動自在に保持された回
転リングであり、該回転リング１２の内側にブラシ７の
保持体７ａが取付けられている。この為、保持体７ａは
両者で回転リング１２によって支えられるから、細い材
料で製作でき、空気流の障害になりにくいものである。

【００２０】１２ａは回転リング１２の全周に取付けた
駆動ギア、１３は固定枠１１の一部に取付けた電動モー
タ、１４は回転リング１２の駆動ギア１２ａと噛合する
ウォームギアであり、対流ファン５の逆転スイッチ１９
を切換えると、ファンモータ５ｂは逆転して温風流路４
内の空気を枠体の背部へ吹出し、かつ、電動モータ１３
はウォームギア１４を回転して駆動ギア１２ａが取付け
られた回転リング１２を回し、ブラシ７によってフィル
ター６の清掃を行うものである。

【００２１】尚、対流ファン５の逆回転とブラシ７の駆
動開始は、上記の説明では逆転スイッチ１９の切換に連
動して、同時に開始するる構成であるが、対流ファン５
と電動モータ１３とは同時に運転開始せず、例えば対流
ファン５の逆回転による風量が安定してからブラシ７が
駆動開始してもよく、２個のモータを使用する時は駆動
タイミングの微調節が簡単に設定できるものである。

【発明の効果】以上のようにこの発明は対流フアン５を
逆転して温風流路４内の空気を枠体１の背部へ吹出しな
がら、駆動部材８によってフィルター６の外側に設けた
ブラシ７を駆動したから、フィルター６に付着したホコ
リが取り除かれると共に、吹出す風によって吹き飛ばさ
れるものであり、従来のように家庭用の電気掃除機を持
出して清掃しなくともよくなり、使い勝手が非常によく
なった。

【００２２】また、駆動部材８を電気駆動にすることに
よって、対流ファン５の逆転操作に連動してブラシ７を
動かすことができ、暖房機の操作板の操作でフィルター
６の清掃ができるから、網目の細かいフィルター６を使
って頻繁に清掃ができ、更に使い勝手がよくなるもので
ある。また、風量とか温度といった変化量を測定するこ
とによって、フィルター６の目づまりが検出されるが、
これらの検出回路と連動して自動的にフィルター６の清
掃運転が可能となるものである。

【００２３】また、電気駆動でフィルター６のブラシ７
を動かす時、対流ファン５が逆転時にクラッチ１０が接
続する構成とすれば、対流ファン５を逆転するだけでフ
ィルター６の清掃運転に入り、構造が非常に簡単になる
ものである。

【００２４】また、フィルター６のブラシ７の駆動にお
いて、空気流の妨げになりにくいフィルター６の外周に
リング状の固定枠１１を取付け、固定枠１１で保持され
る回転リング１２にブラシ７を取付けることによって、
細いブラシ７が使用でき、ブラシ７の存在による空気抵
抗が少なくなり、温風流路４に多量の空気を供給するこ
とができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を使用する暖房機の断面図であ
る。

【図２】本発明の実施例であるブラシの駆動部材を示す
断面図である。

【図３】本発明の実施例であるブラシの駆動部材を示す
一部切欠き断面図である。

【符号の説明】

１ 枠体 ２ 空気取入口 ３ 温風吹出口 ４ 温風流路 ５ 対流ファン ５ａ 回転軸 ６ フィルター ７ ブラシ ８ 駆動部材 ９ 減速ギア １０ クラッチ １１ 固定枠 １２ 回転リング １２ａ 駆動ギア １３ 電動モータ １４ ウォームギア

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 枠体１の背面に室内空気取入口２を設
   け、かつ、枠体１の前面には温風吹出口３を設け、空気
   取入口２から温風吹出口３に至る温風流路４を枠体１内
   に設け、枠体１の背面には温風流路４内へ送風する対流
   ファン５を取付け、対流ファン５の背部に位置して空気
   取入口２へ流入する空気が通過するフィルター６を設け
   た暖房機において、 フィルター６の外側に密着して可動するブラシ７を取付
   け、該ブラシ７には駆動部材８を取付け、フィルター６
   の清掃時に駆動部材８によってブラシ７を可動し、前記
   対流ファン５を逆転することを特徴とする暖房機の対流
   ファン構造。
2. 【請求項２】 ブラシ７の駆動部材８を対流ファン５の
   回転軸５ａと連動して取付け、該駆動部材８は減速ギア
   ９と、逆転時に接続するクラッチ１０とを設けた請求項
   １記載の暖房機の対流ファン構造。
3. 【請求項３】 フィルター６の外周にリング状の固定枠
   １１を取付け、かつ、固定枠１１によって回動自在に保
   持される回転リング１２を設け、前記ブラシ７は回転リ
   ング１２の内側に取付け、かつ、回転リング１２に駆動
   ギア１２ａを設けると共に、ブラシ７の駆動部材８は固
   定枠１１に取付けた電動モータ１３と、回転リング１２
   の駆動ギア１２ａと噛合するウォームギア１４とで構成
   した請求項１記載の暖房機の対流フアン構造。