JPH08210278A - スクロール式機械 - Google Patents

スクロール式機械

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JPH08210278A
JPH08210278A JP32654495A JP32654495A JPH08210278A JP H08210278 A JPH08210278 A JP H08210278A JP 32654495 A JP32654495 A JP 32654495A JP 32654495 A JP32654495 A JP 32654495A JP H08210278 A JPH08210278 A JP H08210278A
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valve
scroll
compressor
pressure
fluid
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Application number
JP32654495A
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English (en)
Inventor
Frank S Wallis
シュウ ワリス フランク
Jean-Luc Caillat
キャルラト ジーン−ルック
Francis M Simpson
マリオン シムプソン フランシス
Gary J Anderson
ジュスチン アンダーソン ガリー
Donald W Rode
ウェーン ロード ドナルド
Norman G Beck
グレン ベック ノーマン
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Copeland Corp LLC
Original Assignee
Copeland Corp LLC
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2270/00Control; Monitoring or safety arrangements
    • F04C2270/70Safety, emergency conditions or requirements
    • F04C2270/72Safety, emergency conditions or requirements preventing reverse rotation

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクロール式機械の停止時における機械逆
転、及び過大中間圧力によるスラッジングを、既存の機
械構造を利用したバルブ機構によって解消する。 【解決手段】 スクロール翼60,72間の中間圧力の
流体ポケットに連通させてあるチャンバ84から吸入圧
力領域に流体を逃がすための電磁弁98、又はそれに代
わる機械式の弁を設けて、中間圧力の排除により吐出圧
力領域から吸入圧力領域への流体漏れ径路を開放する。
弁を、過大中間圧力に応動して該圧力を吸入圧力領域へ
と逃がす圧力逃がしバルブに構成するか、上記チャンバ
を吸入圧力領域及び吐出圧力領域に対し遮断するシール
86に、過大中間圧力を何れかの圧力領域に逃がす同様
のバルブ機能を持たせた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はスクロール式機械、特
に冷凍、空気調和及びヒートポンプ系統の冷媒を圧縮す
るのに用いられるようなスクロール式機械において逆転
の問題及び高中間圧力に基づくスラッジングの問題を解
消する機構に、関するものである。
【0002】
【発明の背景】スクロール式機械は冷凍用及び空気調和
とヒートポンプ用のものとして、高効率で稼働する能力
を有する点を主な理由としてますます多く使用されるよ
うになって来ている。これらの機械は一般に互に噛合さ
れた1対の螺旋翼を有し、そのうちの一方の螺旋翼は他
方の螺旋翼に対し相対的に、外側の吸入ポートから中心
の吐出ポートにかけて移動する間に次第に容積を減少し
て行く可動の流体ポケットを形成するように旋回せしめ
られる。モータ回転子に取付けられている適当した駆動
軸を介し旋回スクロール部材を駆動する電動モータが設
けられている。
【0003】スクロール式圧縮機は圧縮用の順次的な流
体ポケットを形成する1対の螺旋翼の相対向する翼側面
間で流体密封を得るものであることからして、一般に吸
入弁及び吐出弁を必要としない。しかしながら指令によ
って意図的に、或は電力の供給が断たれて非意図的に圧
縮機の運転が中断されたとき、加圧された流体ポケット
により、また吐出チャンバーからの圧縮ガスの逆流によ
り、旋回スクロール部材の逆旋回及び駆動軸の逆回転が
生ぜしめられる可能性が大である。このような逆転によ
っては不愉快な騒音が発生することが多い。また単相の
駆動モータを用いる機械では、瞬時的な電力供給の遮断
が起きると圧縮機が逆方向に回転し始める可能性があ
る。この逆転によって圧縮機の過熱、もしくは装置の損
傷が起りうる。さらに凝縮器のファンが遮蔽されたよう
な場合には吐出圧力が、駆動モータを失速させるか逆回
転させる程度にまで高まることがある。その場合、旋回
スクロールが逆旋回するにつれて吐出圧力が減少して行
き、モータが再び圧力頭に打克ってスクロール部材を
「正」転方向に旋回駆動する状態が得られる。しかし吐
出圧力は再び、駆動モータを失速させ正逆転サイクルを
繰返させるような圧力点まで上昇する。このような正逆
転サイクルは、圧縮機の種々の構成要素に過剰な負担を
強いる点で望ましくない。これらの望ましくない正逆転
サイクルに起因する過剰な負担に耐えることとするため
には、機械構成要素の寸法或は複雑さを増さねばならな
いことになる。
【0004】スクロール式圧縮機に付随する他の問題
は、両スクロール翼間の流体圧縮ポケットに液状冷媒が
導入された場合に起きる「スラッジング(sluggi
ng)」である。このスラッジング(強打現象)は、圧
縮機のフラッディング(溢液)起動条件下とか他の種々
の稼働条件中に起こり得る。圧縮機の「スラッジング」
現象は流体圧縮ポケット中に極めて高い圧力を生じさ
せ、両スクロール翼の一方又は両方に損傷を引起こすこ
とさえある。
【0005】この発明は上述した問題を、単純な構造で
足りるバルブ機構によって解消しようとするものであ
る。
【0006】
【発明の要約】この発明に従ったバルブ機構は電磁弁に
構成でき、この電磁弁は通常のスクロール式圧縮機に、
圧縮機の全体としての設計を実質的に修正することなく
容易に組込める極く単純で独特のものであり、圧縮機の
停止時に中間圧力の領域から吸入圧力の領域へのガス流
れを生じさせるように働く。中間圧力と吸入圧力が等し
くされて行くにつれて、圧縮機の吐出側から圧縮機の吸
入側への漏れが生じる。この漏れによって吐出ガスが吸
入ガスと平衡化され、それによって吐出ガスが圧縮機を
逆方向に駆動することが阻止されて、逆転に伴う通例の
騒音が無くされる。
【0007】この発明に従ったバルブ機構はまた、機械
的に作動せしめられる弁に構成することもでき、この弁
も通常のスクロール式圧縮機に、圧縮機の全体としての
設計を実質的に修正することなく容易に組込める極く単
純で独特のものであり、圧縮機の停止時に中間圧力の領
域から吸入圧力の領域へのガス流れを生じさせるように
働く。中間圧力と吸入圧力が等しくされて行くにつれ
て、圧縮機の吐出側から圧縮機の吸入側への漏れが生じ
る。この漏れによって吐出ガスが吸入ガスと平衡化さ
れ、これによって逆転とそれに付随する騒音の発生が阻
止される。
【0008】上記した弁は何れも、中間圧力の領域と吸
入圧力の領域との間に配置された極く単純な弁である。
すなわちソレノイドで作動される弁も機械的手段で作動
される弁も、中間圧力領域のガスを吸入圧力領域へと逃
がすように配置される。この発明はまた後述するよう
に、低起動トルクのモータを備えた圧縮機に特に有用で
ある圧縮機起動方式に係る。
【0009】またこの発明は、圧縮機の停止時に中間圧
力の領域から吸入圧力の領域へ流体を逃がす割合を制御
可能とし、もって吐出圧力の領域から吸入圧力の領域へ
の流体漏れ割合を制御可能とすることとする付勢手段を
設ける。この付勢手段はコイルスプリングを備えたもの
に構成するのが望ましく、該付勢手段の付勢力を適当に
設定することにより圧縮機停止時に、流体漏れが過度に
急速に行われて圧縮機が慣性回転し騒音を発生するこ
と、そして流体漏れが過度に遅くされて圧縮機の逆転が
過剰となることを、それぞれ回避できることになる。
【0010】前述したスラッジングの問題を解決するた
めには上述のバルブ機構に、中間圧力が過大になった場
合にその高中間圧力に応動して該圧力を圧縮機の吸入圧
力領域に逃がす高圧力逃がし弁機能を持たせる。また中
間圧力領域を吸入圧力領域(又は吐出圧力領域)から距
てるシール手段に同様の高圧力逃がし弁機能を持たせ
て、スラッジングの問題を解消することもできる。
【0011】この発明の他の特徴と長所は、添付図面を
参照して行う以下の説明から明瞭に理解できる。
【0012】
【実施例】この発明は数多くの異なった型式のスクロー
ル式機械において実施できるが、例示上の目的からして
図1に一般構造を示すような冷凍用のスクロール式圧縮
機において実施した例について述べる。図1に示す圧縮
機10はほぼ円筒状の密閉外殻12を有し、この外殻1
2の上端にはキャップ14を溶着固定してある。キャッ
プ14には通例の吐出弁(図示せず)を内部に有してい
てもよい冷媒吐出管接手18を設けてある。外殻12に
取付けられている他の主な構成要素としては入口管接手
20、キャップ14と同一の点で外殻12に外周端を溶
着してある横向きの仕切り壁22、2分割構造の主軸受
箱24、及び放射方向の外向きに張出す複数の脚部のそ
れぞれを外殻12に対し適宜の方法で固定してある下部
軸受箱26がある。下部軸受箱26は外殻12の内部
で、2分割構造の主軸受箱24とモータ固定子30を含
むモータ28とを、位置決めし支持している。上端に偏
心するクランクピン34を有する駆動軸ないしクランク
軸32を、主軸受箱24中の軸受36及び下部軸受箱2
6中の第2の軸受38に回転可能に支承させてある。ク
ランク軸32はその下端部中に比較的大径の同心の穴4
0を有し、この穴40は、放射方向の外向きに傾斜させ
てクランク軸32の上端にまでかけて穿設されているよ
り小径の穴42に対し連通させてある。穴40内には攪
拌器44を配設してある。外殻12内の下部は、潤滑油
を満たしてある油溜まり46に形成されている。穴40
は、クランク軸32内で穴42中へ潤滑油を汲上げ最終
的には潤滑を必要とする圧縮機の種々の部分の全てに潤
滑油を供給することとするポンプとして働く。
【0013】クランク軸32はモータ固定子30、該固
定子30を貫通している巻線48、及びクランク軸32
上に圧嵌めされていると共に上下の釣合い重り52,5
4を有するモータ回転子50を含む電動モータ28によ
って、回転駆動される。
【0014】2分割構造の主軸受箱24の上面には平坦
なスラスト受け面56を形成してあり、このスラスト受
け面56上に、上面側に通常の螺旋翼60を有する旋回
スクロール部材58が配置されている。このスクロール
部材58の下面から平軸受62を内部に有する円筒状の
ハブを下方向きに突出させてあり、このハブ中に穴66
を有する駆動ブッシュ64を回転可能に配設して、穴6
6中にクランクピン34を嵌合してある。クランクピン
34は穴66の内周面の一部に形成してある平坦面と係
合する平坦面(以上、図示せず)を外面上に有し、これ
によって本願出願人の所有に係る米国特許No.4,8
77,382に示されているような放射方向で融通性を
有する駆動機構が提供されている。オルダム接手68
も、旋回スクロール部材58の回転運動を阻止するため
に該スクロール部材58と非旋回スクロール部材70と
にキー係合させて、設けられている。オルダム接手68
は、本願出願人の出願に係る特開平4−234502号
公報に開示されているタイプのものであるのが好まし
い。
【0015】螺旋翼72を有する非旋回スクロール部材
70を、翼72を旋回スクロール部材58の翼60と噛
合せるように配置して設けてある。この非旋回スクロー
ル部材70は中心に配置の吐出通路74を有し、この吐
出通路74は上端開放の凹溝76と連通させてあって、
凹溝76が仕切り壁22中の開口78を介し、キャップ
14と仕切り壁22とにより区画形成された吐出消音室
80と連通している。開口78の入口は、それを取り巻
く環状のシート部82を有する。非旋回スクロール部材
70はその上面に、互いに平行する内外の周壁面を持つ
環状チャンバないし環状凹溝84を有し、この環状凹溝
84内には環状の浮動シール86を、軸線方向での移動
可能に配設してある。この浮動シール86は図3に示す
ように凹溝84の底部を、外周側のシール部90で吸入
圧力のガスから隔離し内周側のシール部88で吐出圧力
のガスから隔離して、該底部を図1に示す通路92によ
って中間圧力の流体源、つまり両螺旋翼60,72間に
形成され吸入圧力と吐出圧力間の中間の圧力にまで圧縮
されたガスを含む流体ポケット(図示せず)に、連通さ
せ得ることとする。これによって非旋回スクロール部材
70は旋回スクロール部材58に向けて軸線方向で、非
旋回スクロール部材70の中心部に加わる吐出圧力に起
因する力と凹溝84の内底面に加わる中間流体圧力に起
因する力とによって移動付勢を受ける。非旋回スクロー
ル部材70中心部の凹溝76及び開口78内の吐出ガス
は外殻12内の吸入圧力のガスに対し、シート部82に
密封係合するシール86によって密封され隔離される。
軸線方向での圧力付勢及び浮動シール86の機能は、本
願出願人の米国特許No.5,156,539に詳細に
述べられている。非旋回スクロール部材70は軸受箱2
4に、該スクロール部材70の制限された軸線方向変位
が可能であるように(そして回転変位は不能に)支持さ
せてある。この非旋回スクロール部材70は前述の米国
特許No.4,877,382又は米国特許No.5,
102,316に記載された方式で、支持できる。
【0016】図示の圧縮機は入口管接手20を介して導
入される吸入ガスの一部を外殻12内に逃がすこととし
該ガスによってモータ28の冷却を援けさせることとす
る「側部低圧(low side)」型式のものであ
る。戻り吸入ガスの適切な流れがある限り、モータは所
期の温度限界内に留められる。しかし同流れが中断する
と、冷却が中止されることによってモータ保護器94が
作動され機械が停止されうように、図られている。
【0017】以上に説明して来たスクロール式圧縮機の
構造は既に公知であるか、或は本願出願人の係属中の特
許出願の主題とされているものである。
【0018】前述したようにこの発明は電磁的又は機械
的に作動される極く単純な弁を利用するものであり、こ
の弁は圧縮機の停止時に中間圧力の領域から吸入圧力の
領域へのガス流れを生じさせる。この発明に従った弁は
中間圧力のガスが吸入圧力の領域中に流入することと
し、それによって吐出圧力を吸入圧力へと下げる。弁を
直接に吐出温度のガスによって働かせるのでなく中間圧
力のガスで働かせることにより弁の寸法、複雑さ及びコ
ストを大きく減らすことができる。ソレノイドにより作
動される弁を用いる一連の数実施例と、機械的機構によ
り作動される弁を用いる他の一連の数実施例とについ
て、述べて行く。これらの実施例は全て、どのような型
式のスクロール式圧縮機にも適用できると信じられる。
【0019】図1−3が第1の実施例を示している。こ
の第1の実施例は吐出ガス圧力を吸入ガス圧力から距て
る浮動シール86を備えた、非旋回スクロール部材70
の軸線方向付勢機構を圧力平衡化のために利用してい
る。
【0020】図1に示すように電磁弁98が設けられ、
この電磁弁98は図2に示すようにソレノイド100と
バルブ102を備える。電磁弁98は図1に示す前記モ
ータ28に対し、ソレノイド100がモータ28と共に
励解磁されるように並列又は直列に接続してもよいし、
電磁弁98についてモータ28とは独立に配線を行って
もよい。電磁弁98に対する電気配線をモータ28とは
独立したものとする場合は弁98を、圧縮機10の容量
を調整するようにパルス的に或はパルス幅を調整しつ
つ、作動させることができる。ソレノイド100は、非
旋回スクロール部材70内に配置の通路104に対し連
通させてあるバルブ102を開閉するように働く。通路
104は圧縮機の稼働中に中間圧力をとる前記凹溝84
から、吸入ガス圧力の吸入ガスを含む圧縮機領域へと延
びている。
【0021】図2に示すようにソレノイド100は、通
常の態様でプランジャ108を取巻いている筒状のコイ
ル106を含む。ソレノイド100は周知の方法でバル
ブ102に接続されている。バルブ102は弁体110
を有し、この弁体110は非旋回スクロール部材70中
の通路112を含んでいる。弁体110は非旋回スクロ
ール部材70に対し、適宜の方法で取付けてある。通路
112内にはボール114を配置してあり、このボール
114はプランジャ108の運動によって開放位置と閉
鎖位置間で動かされる。ボール114が開放位置にある
時は通路104から流体が、通路112を通して流動可
能である。ボール114が閉鎖位置にある時は、通路1
12内に配置の弁座116に対しプランジャ108によ
り押付けられる該ボール114によって、通路104,
112を通しての流体流れが阻止される。
【0022】圧縮機の起動時にソレノイド100が励磁
され、通路104を通しての流体流れを阻止するように
バルブ102が閉鎖される。この方法で圧縮機10は通
常の起動を行う。或る種の設計の圧縮機では起動時に、
スクロール内部での圧縮が急速に生じる。この圧力の成
立は実際、とても急速であってモータ・トルクが不十分
なため圧縮機が失速する事態が生じることがある。一般
にこのことは単相モータを使用した場合だけの問題であ
る。この圧力の成立時にはモータが失速しモータ保護器
94(図1)が作動を繰返して、圧縮機が再び起動に苦
しむことになる。それに対処する1つの選択として起動
時に通路104の閉鎖を阻止する遅延時間をソレノイド
100の励磁機構に組入れ、中間圧力の成立を阻止する
ようにできる。中間圧力が存在しないことによっては両
スクロールが軸線方向で互いから分離し、十分なモータ
・トルクが生ぜしめられるまで圧縮が遅延される。
【0023】モータ28への給電が断たれる圧縮機の停
止時には、ソレノイド100が同時に解磁される。ソレ
ノイド100の解磁によってバルブ102が開放され、
凹溝84の底部から流体が通路104,112を通し圧
縮機10の吸入側へと流れる。中間圧力と吸入圧力とが
等しくされて行くにつれ、浮動シール86は吐出圧力に
基づく下方向きの力によって凹溝84内で下降し、これ
により吐出ガスが環状シート部82で、浮動シール86
の上端を横切って吸入ガス中に漏れることになる。通路
104及び/又は通路112の寸法を調節することによ
って逆転を、許される回転数のものまで減らすか或は完
全に無くすことができる。
【0024】電磁弁98はモータ28の型式とは無関係
にAC(交流)又はDC(直流)ソレノイド式のものと
できる。DCソレノイドをACモータと組合せて使用す
るときは、AC電源とDCソレノイド間に整流器を接続
する必要がある。
【0025】図4はこの発明の他の実施例を示してい
る。図4において、図1−3に示したのと同じ構成要素
には同一の符号を付してある。図1−3の実施例では非
旋回スクロール部材70を支える、凹溝84内の中間圧
力を排除して浮動シール86を下降させることとした。
図4の実施例は中間圧力を、旋回スクロール部材58を
上方向きに移動付勢するために利用した圧縮機に、バル
ブ機構を組込んだ例に係る。図4の実施例では、旋回ス
クロール部材58を上方向きに付勢して支える中間圧力
を排除することにより両スクロール翼60,72間に十
分な翼先空隙を生じさせ、互いに噛合されたスクロール
翼が高圧の吐出ガスをスクロール58,70を介して、
過剰の逆転現象が起きる以前に吸入側に漏れさせること
としている。
【0026】図4は圧縮機130の上方側の部分を示し
ている。圧縮機130は圧縮機10と類似しているが、
圧縮機10で設けていた仕切り壁22及び浮動シール8
6は設けていない。吐出ガスを吸入ガス領域から距てる
ために非旋回スクロール部材(図4の場合には固定スク
ロール部材)70は外殻12とキャップ14を完全に横
切るものに形成されている。外殻12とキャップ14の
両者は非旋回スクロール部材70に対し、溶接その他の
周知の手段で固定されている。
【0027】主軸受箱24には平坦なスラスト受け面5
6で、環状のチャンバ132を設けてある。このチャン
バ132の外側方には第1の環状シール134を、内側
方には第2の環状シール136を、それぞれ配設してあ
る。これらのシール134,136は、チャンバ132
から圧縮機130の吸入側への流体流れを阻止する。旋
回スクロール部材58を貫通する通路138によってチ
ャンバ132は、圧縮機130内の中間圧力の領域に対
し流体接続されている。圧縮機130の稼働中、中間圧
力の流体がチャンバ132に対し通路138を介して供
給される。したがって旋回スクロール部材58はチャン
バ132内の中間圧力によって、軸線方向の上方向きに
移動付勢される。チャンバ132内の流体圧力は、シー
ル134,136によって維持される。
【0028】圧縮機130はさらに、主軸受箱24を貫
通していてチャンバ132を電磁弁98に対し接続する
通路140を含んでいる。図4の実施例は通路140か
ら電磁弁98まで延びる流体管142を含み、このよう
な流体管を用いると電磁弁98をスペースの余裕があ
る、圧縮機130の吸入領域内のどの場所にでも配置で
きることになる。管142或はその均等物は本発明のど
の実施例においても、部品の配置、組立て及び機械設計
を容易とするために使用することができる。所望の場合
には管142を外殻12外に延出させて、ソレノイド1
00とバルブ102を外殻12の外部に設置することも
可能である。
【0029】図4の実施例の作用は、図1−3の実施例
の作用に類似している。圧縮機の起動時にソレノイド1
00が励磁されバルブ102が閉鎖されて、通路140
から通路112を通しての流体流れが阻止される。この
方法で圧縮機130は通常の起動を行う。図1−3の実
施例について前述した圧縮機起動時のソレノイド励磁の
遅延時間を、本実施例の電磁弁98にも組入れることが
できる。圧縮機の停止時にはソレノイド100が解磁さ
れてバルブ102が開放され、チャンバ132から流体
が通路140,112を通して圧縮機130の吸入領域
へ流れる。中間圧力と吸入圧力とが等しくされて行くに
つれ、旋回スクロール部材58が下方向きに動き、スク
ロール翼60,72の翼先を横切って吐出ガスが吸入ガ
ス側に漏れることになる。逆転量は通路140及び/又
は通路112の寸法を調節することによって、調節可能
である。バルブ102の閉鎖とモータ28の停止は、モ
ータが停止する以前にチャンバ132と圧縮機吸入領域
間の十分な流体漏れが得られるように、時間を遅延した
関係で結び付けることも可能である。圧縮機停止時のこ
の時間遅延関係は、電磁弁98を用いる他のどの実施例
にも適用可能である。
【0030】図5,6にはそれぞれ、この発明の別の実
施例を示してある。図1−3の実施例及び図4の実施例
ではそれぞれ、一方のスクロール部材を他方のスクロー
ル部材に向けて移動付勢するのに利用されている、圧縮
機中の既存のチャンバから中間圧力を排除することと
し、この付勢用チャンバ84又は132からの中間圧力
の排除により既存の圧縮機構成要素間で流体の漏れを生
じさせ、それによって吐出ガス圧力と吸入ガス圧力とを
平衡化して等しくすることとした。圧縮機の諸構成要素
の移動或は分離に依存するのではなく、吐出ガス圧力を
吸入ガス圧力と等しくするための直接の通路が形成され
るようにするのが、望ましい場合もある。
【0031】図5及び図6の各実施例では、吐出圧力を
吸入圧力へと直接にバイパスして逃がす圧力比感知弁を
利用している。図5は、旋回スクロール部材58中に圧
力比感知弁152を組込んである圧縮機150を示して
いる。図5の圧縮機150は図4の圧縮機130と、非
旋回スクロール部材70が外殻12及びキャップ14に
対し取付け固定されている点で、類似の設計のものであ
る。主軸受箱24には平坦なスラスト受け面56で、環
状のチャンバ132を設けてある。シール134,13
6によって、チャンバ132から圧縮機150の吸入側
への流体流れを阻止してある。旋回スクロール部材58
を貫通する通路138によりチャンバ132は、圧縮機
150内の中間圧力の領域に対し接続されている。圧縮
機150の稼働中、中間圧力の流体が通路138を介し
てチャンバ132に供給される。したがって旋回スクロ
ール部材58はチャンバ132内の中間圧力によって、
軸線方向上向きに付勢される。チャンバ132内の流体
圧力は、シール134,136によって維持される。
【0032】図5の実施例も、主軸受箱24を貫通して
いてチャンバ132を電磁弁98に対し接続する通路1
40を含んでいる。また通路140から電磁弁98まで
延びる流体管142であって、電磁弁98をスペースの
余裕のある、圧縮機150の吸入領域内のどの場所にで
も配置できることとする流体管142も、含んでいる。
図5の圧縮機150はこの点までは図4の圧縮機130
と同一であり、圧縮機150は圧縮機130について前
述したのと同様に作用する。
【0033】圧縮機150はさらに、旋回スクロール部
材58内に形成したポケット154内に配置された圧力
比感知弁152を、含んでいる。吐出圧力通路156
を、吐出通路74とポケット154間に設けてある。ま
た吸入圧力通路158を、ポケット154と圧縮機15
0の吸入領域間に設けてある。ポケット154内には弁
体160を配置してあり、この弁体160は通路156
と通路158間の流体流れを可能としたり阻止したりす
るように、軸線方向に沿い可動である。弁体160とポ
ケット154は、弁体160がポケット154内で軸線
方向に沿う運動をすることはできるが弁体160とポケ
ット154間での流体流れは阻止されるように、設計さ
れている。弁体160の上面は環状リング部162を有
し、このリング部162によって弁体160上方側の領
域が環状チャンバ164と円筒状チャンバ166とに分
割されている。
【0034】図5の実施例の作用は、図4の圧縮機13
0についての実施例の作用と類似している。圧縮機の起
動時にソレノイド100が励磁されバルブ102が閉鎖
されて、通路140から通路112を通しての流体流れ
が阻止される。この方法で圧縮機150は通常の起動を
行う。前述した圧縮機起動時のソレノイド励磁の遅延時
間を、本実施例の電磁弁98にも組入れることができ
る。圧縮機150の稼働中に弁体160の位置は、該弁
体160のそれぞれの面に加わる各種圧力によって決定
される。チャンバ132内の中間圧力は弁体160に対
し、中間圧力とチャンバ132に面する弁体160の面
積との積に等しい量の上向きの力を及ぼす。吐出圧力が
環状チャンバ164へと供給されて弁体160に対し、
吐出圧力とチャンバ164に面する弁体160の面積と
の積に等しい量の下方向きの力を及ぼす。類似して吸入
圧力が円筒状チャンバ166へと供給されて弁体160
に対し、吸入圧力とチャンバ166に面する弁体160
の面積との積に等しい量の下方向きの力を及ぼす。した
がって圧力比感知弁152の開閉作動は弁体160の寸
法及び環状リング部162の寸法と直径を、上述した3
つの面積を調節するように選択することで調節できる。
【0035】圧縮機の停止時にはソレノイド100が解
磁されてバルブ102が開放され、チャンバ132から
流体が通路140,112を通して圧縮機150の吸入
領域に流れる。中間圧力と吸入圧力とが等しくされて行
くにつれ、旋回スクロール部材58と弁体160の両者
が下降動する。スクロール部材58の下降によっては図
4の実施例について前述したのと同様に、吐出ガスがス
クロール翼60,72の翼先を横切って吸入ガス側に漏
れることになる。ポケット154内での弁体160の下
降によっては吐出ガスが、通路156から通路158を
通して流れることになり、吐出ガスと吸入ガス間の直接
の流体流れが得られる。図4の実施例について前述し
た、通路140及び/又は通路112の寸法及び圧縮機
停止時の時間遅延を含む各種調節は、本実施例に対して
も適用可能である。逆回転の量はさらに、通路156,
158の寸法、及び上述した弁体160各部の面積比に
よっても、調節できる。
【0036】図6の実施例について説明すると、図6に
示した圧縮機180は、非旋回ないし固定スクロール部
材70内に配置のポケット中に配設された圧力比感知弁
182を有する。図1−3の実施例に類似して圧縮機1
80は固定スクロール部材70、旋回スクロール部材5
8、外殻12、キャップ14及び仕切り壁22を含んで
いる。圧縮機180は、複数本のボルト184によって
仕切り壁22に対し直接ボルト止めされた固定スクロー
ル部材70を有する。図1−3に示したものとは異なり
非旋回ないし固定スクロール部材70が軸線方向で動か
ないことから、浮動シール86は設ける必要がない。圧
縮機180でも図4の実施例について前述した主軸受箱
24中の付勢用チャンバ132を、シール134,13
6と組合せて旋回スクロール部材58を固定スクロール
部材70に向けて移動付勢するのに利用でき、また利用
しないこともできる。図6では同チャンバ132を図示
していない。
【0037】圧縮機180は、固定スクロール部材70
中に設けたポケット186内に配置の圧力比感知弁18
2を備えている。中間圧力通路188を、圧縮機180
内の中間圧力領域とポケット186間に設けてある。ま
たベント通路190を、ポケット186と電磁弁98へ
の入口との間に設けてある。電磁弁98は図1,2に示
したように固定スクロール部材70に対し直接に取付け
てもよいし、図4,6に示すように管142を使用する
ことによって固定スクロール部材70から離隔させた配
置としてもよい。ポケット186内には弁体192を配
置してあり、この弁体192は、仕切り壁22に該壁2
2を貫通させて形成してあるオリフィス194を通して
の流体の流れを許容したり阻止したりするように、ポケ
ット186内で軸線方向に沿い可動である。弁体192
とポケット186は、弁体192がポケット186内で
軸線方向に沿う運動をすることはできるが弁体192と
ポケット186間での流体流れは摺動シール196によ
って阻止されるように、設計されている。弁体192の
上面は円柱状の延長部198を有し、この延長部198
は、弁座200と協力してオリフィス194を閉鎖可能
であるものに形成されている。
【0038】図6の実施例の作用は、図5の圧縮機15
0についての実施例の作用と類似している。圧縮機の起
動時にソレノイド100が励磁されバルブ102が閉鎖
されて、通路190から通路112(図2参照)を通し
ての流体流れが阻止される。この方法で圧縮機180は
通常の起動を行う。前述した圧縮機起動時のソレノイド
励磁の遅延時間を、本実施例の電磁弁98にも組入れる
ことができる。圧縮機180の稼働中に弁体192の位
置は、該弁体192のそれぞれの面に加わる各種圧力に
よって決定される。ポケット186内の中間圧力は弁体
192に対し、中間圧力と弁体192底面の面積との積
に等しい量の上向きの力を及ぼす。吐出圧力がオリフィ
ス194に供給されていて弁体192に対し、吐出圧力
とオリフィス194の面積との積に等しい量の下向きの
力を及ぼす。類似してポケット186の上方側部分内に
は吸入圧力が存在していて弁体192に対し、吸入圧力
と弁体192上面とオリフィス194間の面積差との積
に等しい量の下向きの力を及ぼす。したがって圧力比感
知弁182の開閉作動は、弁体192の寸法及びオリフ
ィス194の寸法を選択することによって調節できる。
【0039】圧縮機の停止時にはソレノイド100が解
磁されてバルブ102が開放され、ポケット186から
流体が通路190,112を通して圧縮機180の吸入
領域に流れる。中間圧力と吸入圧力とが等しくされて行
くにつれ、オリフィス194の吐出圧力によって弁体1
92が下降動する。このポケット186内での弁体19
2の下降によって、オリフィス194を介しての吐出ガ
スと吸入ガス間の直接の流体流れが得られる。図4の実
施例について前述したのと同様に通路190及び/又は
通路112の寸法及び圧縮機停止時の時間遅延を含む各
種調節は、本実施例に対しても適用可能である。逆回転
の量はさらに、上述したように弁体192寸法に対する
オリフィス194の寸法関係の選択によっても、調節で
きる。
【0040】図7,8にはそれぞれ、この発明のさらに
他の実施例を示してある。これらの実施例では電磁弁9
8の必要性を無くしてある。電磁弁98を用いる代わり
に図7,図8に図示の圧縮機はモータ28及びクランク
軸32に、電磁弁98の切替え機能と均等の機能を果さ
せている。ソレノイドは基本的に磁界を生じる巻線であ
り、コイル内のプランジャを押すか引っ張るように働
く。このことは圧縮機のモータによく類似している。モ
ータ固定子30は回転する磁界をつくり出し、同磁界は
モータ回転子50を固定子30内で、該固定子30の軸
線方向の中央位置に位置させるように働く。図7及び図
8に示す各実施例はこの中央位置付け力をそれに対抗す
るスプリング力と組合せて、ソレノイドと同じ結果を達
成している。
【0041】図7には図1の圧縮機10と類似している
が、電磁弁98に代えて管142と弁222を設けてあ
る圧縮機220を示してあり、弁222は、モータ28
及びクランク軸32を利用して開閉するものに構成され
ている。前述のもの同様の環状凹溝84に連通する通路
104を非旋回スクロール部材70に形成して、この通
路104に管142を接続している。管142はスクロ
ールの側方を通して下端を、主軸受箱24内に形成した
通路224に対し接続してある。通路224は主軸受箱
24の側面から上面226へと延びていて、該上面22
6で圧縮機220の吸入領域に開口している。主軸受箱
24を貫通しているクランク軸32には軸受箱上面22
6付近で、環状のシールフランジ228を取付けてあ
る。図7の実施例ではフランジ228をクランク軸32
に一体形成して、このフランジ228に上部釣合い重り
52を取付けている。所望の場合にはフランジ228と
釣合い重り52とを互いに一体に形成して、クランク軸
32に取付けてもよい。クランク軸32は下部軸受箱2
6と該クランク軸32間に配置した付勢スプリング23
0によって常時、シールフランジ228が主軸受箱24
の上面226から離れ通路224が圧縮機220の吸入
領域内に開口するように、上方向きに移動付勢されてい
る。
【0042】圧縮機を起動するとモータ28の磁界によ
り生ぜしめられる中央位置付け力によってモータ固定子
30内でモータ回転子50が、固定子30の軸線方向中
央位置へと下降して移動しようとし、これによってクラ
ンク軸32が付勢スプリング230のばね荷重に抗し下
降する。このクランク軸32の下降によってシールフラ
ンジ228が主軸受箱24の上面226に対し密接し、
通路224を通しての流体流れが阻止される。この方法
で圧縮機220は通常の起動を行う。
【0043】圧縮機の停止時にはモータ28への給電が
断たれ、モータ回転子50をモータ固定子30内で軸線
方向の中央に位置させようとする磁界が消失する。この
ためクランク軸32が付勢スプリング230の力で上昇
され、シールフランジ228が面226から離れて通路
224が圧縮機220の吸入領域に開口することにな
る。このため流体がチャンバ84内の底部から通路10
4、管142及び通路224を通して、圧縮機220の
吸入領域へと流れる。中間圧力と吸入圧力が等しくされ
て行くにつれ、浮動シール86がチャンバ84内で吐出
ガス圧力に基づく力によって下降され、図1について前
述したのと全く同様に吐出ガスの吸入ガス側への漏れが
生じる。
【0044】図8は図4の実施例と類似しているが、モ
ータ28及びクランク軸32を、図7について上述した
のと同様の弁として利用している他の実施例を示してい
る。図8に示した圧縮機240は、図4に示したのと同
様の中間ガス圧力による付勢用チャンバ132を含む。
圧縮機240はまた、軸受箱24の水平面244から延
びて、付勢用チャンバ132から延びる通路246と交
わる通路242を、有する。
【0045】図8の圧縮機240の作用は図7の圧縮機
220について上述したのと、中間圧力が浮動シール8
6の下方からではなく旋回スクロールの下方から逃がさ
れ吐出ガスの吸入ガス側への漏れが図4について前述し
たのと同様の態様で生じる点を除いて、等しい。なお所
望の場合には図5,6の各実施例について前述したよう
な圧力比感知弁を、圧縮機240中にも組込むことがで
きる。
【0046】図9,10はさらに別の実施例を示してい
る。本実施例は、予め設定した回転速度以上で弁を作動
させるのに遠心力を利用している。弁は低速時に開放位
置へと付勢され、中間圧力ガスの排除を可能とする。こ
の遠心弁は、電磁弁を用いた前述のどの実施例において
も電磁弁に置換えて利用することができる。
【0047】図9,10に示す圧縮機250には、前記
電磁弁98に代わる遠心弁252を組込んである。この
遠心弁252は図10に示すようにクランク軸32に、
該クランク軸32と一体回転するがクランク軸32の軸
線方向に沿い相対移動可能に支持させてある弁体254
を、有する。この弁体254は弁スプリング256によ
ってクランク軸32の軸線方向に沿い、主軸受箱24に
対し密封的に係合するように移動付勢されている。弁体
254には放射方向の貫通する第1の通路258を形成
してある。この通路258にバルブ260を摺動可能に
嵌合し、コイルスプリング262によって放射方向の内
向きに移動付勢してある。通路258の外端はボール2
64によって閉鎖してあり、このボール264は同時に
コイルスプリング262の反力点を与えるように用いて
ある。
【0048】弁スプリング256の反対側に位置する弁
体254の上面には環状溝266を設けてあり、この環
状溝266は主軸受箱24内の通路224によって、旋
回スクロール部材58付勢用の前記のもの同様のチャン
バ132に対し連通させてある。環状溝266から放射
方向の通路258を横切って圧縮機250の吸入領域に
開口する軸線方向の通路268を、弁体254に形成し
てある。コイルスプリング262により付勢されている
バルブ260が通路258内で放射方向の内側に位置す
るときは、主軸受箱24内の通路224が環状溝266
及び軸線方向の通路268を介して圧縮機250の吸入
領域へと連通するように、図られている。そしてバルブ
260が遠心力によってコイルスプリング262のスプ
リング荷重に抗し放射方向の外側に移動されると、図1
0に示すようにバルブ260が軸線方向の通路268を
遮断して、付勢用チャンバ132及び通路224からの
圧縮機吸入領域への流体流れが阻止されることと、され
ている。
【0049】圧縮機の起動時にはバルブ260が、コイ
ルスプリング262に移動付勢されて通路258の内側
に位置している。クランク軸32の回転速度が増しバル
ブ260に作用する遠心力が高められると、バルブ26
0が放射方向の外向きに移動されて軸線方向の通路26
8を遮断する。
【0050】圧縮機の停止時にバルブ260は、遠心弁
252の回転速度が減少しバルブ260に作用する遠心
力よりもコイルスプリング262による付勢力が大きく
なる時点まで、軸線方向の通路268を遮断する位置に
留まる。最終的にバルブ260は軸線方向の通路268
を開放するのに十分な量、放射方向の内側に移動し、こ
れによってチャンバ132及び通路224内の中間圧力
が圧縮機250の吸入領域へと排除される。中間圧力の
吸入圧力側への排除によっては、前述実施例におけるの
と同様の効果が与えられる。本実施例の作動調節は軸線
方向の通路268の寸法、バルブ260の重量、及びコ
イルスプリング262のばね定数等の選択によって行え
る。
【0051】容易に理解できるように図9,10の実施
例は、前述の各実施例で用いた電磁弁と置換えて使用で
きる。
【0052】図11,12はさらに他の実施例を、やや
模式的に示している。本実施例では圧縮機起動時の加速
をベント孔閉鎖のために利用し、停止時の減速をベント
孔を開放し中間ガス圧力を吸入ガス圧力側へ排除するた
めに利用している。図11,12は本実施例に係る逆転
防止機構を模式的に示しており、クランク軸32、主軸
受箱24、弁280及びカラー282が図示されてい
る。
【0053】弁280は前記のもの同様の通路224中
に、該通路224が主軸受箱24の上面244に開口す
る点で配設されている。この弁280はボール284、
作動子286及び弁座288を備えている。カラー28
2は主軸受箱24の上面244に隣接する位置で、クラ
ンク軸32上に摺動可能に配置してある。このカラー2
82は、該カラー282を貫通させクランク軸32外面
の螺旋溝292内に臨ませてあるピン290を有する。
クランク軸32上に配置したコイルスプリング294に
よってカラー282は、主軸受箱24の上面244に向
けて移動付勢されている。図11に示す下降位置でカラ
ー282は作動子286に対し接触し、作動子286は
ボール284を弁座288に対し押付けて通路224を
通しての流体流れを阻止している。クランク軸32上で
のカラー282の相対移動によって該カラー282が図
12に示すように軸受箱上面244から遠去かる向きに
動かされると、ボール284に作用している中間圧力が
該ボール284を上方向きに移動させ、通路224を圧
縮機の吸入領域へと連通させる。
【0054】圧縮機を起動させるとクランク軸32の正
の加速度によって、カラー282の慣性効果に基づきク
ランク軸32とカラー282間の相対運動が生ぜしめら
れる。螺旋溝292の向きは、クランク軸32の正の加
速度によってピン290が該溝292内で下方向きに動
かされて、図11に示すようにカラー282を軸受箱上
面244方向に移動させるように設定されており、これ
によって作動子286を介しボール284が弁座288
に対し押付けられ弁280が閉鎖される。
【0055】圧縮機の停止時には図12に示すように逆
の動きが得られる。すなわちクランク軸32の負の加速
度によって再び、カラー282の慣性効果に基づきクラ
ンク軸32とカラー282間の相対運動が生じる。上述
のように向きを設定してある螺旋溝292は今度は、ク
ランク軸32の負の加速(減速)により該溝292内で
ピン290を上方向きに移動させる。ピン290が螺旋
溝292内を上昇するにつれてカラー282が軸受箱上
面244から遠去かる向きに動かされ、ボール284下
方の中間圧力により該ボール284が弁座288から離
れるように動かされて、通路224が圧縮機の吸入領域
に対し開放されて中間圧力が排除される。
【0056】容易に理解できるように図11,12の実
施例も、前述の諸実施例で用いた電磁弁に置換えて使用
できる。
【0057】図13,14にはさらに別の実施例を示し
てある。本実施例では圧縮機の回転要素によって生ぜし
められる粘性ドラグを利用している。圧縮機中のどの回
転要素も利用できるが、図13,14では回転要素とし
て、クランク軸32を示してある。回転要素によって生
ぜしめられる粘性ドラグは、スプリング負荷された弁部
材をベント孔遮断位置へと回転変位させたり弁を作動さ
せたりするのに十分な力を生じさせることができる。図
13,14は本実施例に係る逆転防止機構を模式的に示
しており、クランク軸32、カラー300及び弁302
が図示されている。弁302は弁体304、弁スプリン
グ306、第1の通路308、バルブ310、及び第2
の通路312を含む。
【0058】図13,14に示すようにカラー300
は、クランク軸32上に摺動可能に配置してある。クラ
ンク軸32の外径とカラー300の内径間の関係は、ク
ランク軸32とカラー300間に粘性流体膜314が存
在することとなるように設定されている。カラー300
がクランク軸32との共回転を阻止されると、クランク
軸32の回転によってこれらの2要素32,300間の
粘性流体膜314が断ち切られる傾向が生じる。この粘
性流体膜の剪断によっては、粘性流体膜314がカラー
300をクランク軸32と共に回転させようとすること
からしてカラー300に対しトルクが加わることにな
る。カラー300には放射方向に延出させた羽根(パド
ル)316を設けてあり、この羽根316は後述するよ
うに弁302を作動させるために利用される。
【0059】弁体304は、図1−3の実施例における
弁体110の非旋回スクロール部材70に対する取付け
に類似して主軸受箱24に取付け支持させてもよいし、
或は主軸受箱から分離して管142により中間圧力を導
くこととしてもよい。
【0060】弁体304には第1の通路308を、弁体
304の長さ方向に沿わせ該弁体304を貫通させて形
成してある。この通路308中にバルブ310を摺動可
能に嵌合して、弁スプリング306によりカラー300
の羽根316方向に移動付勢してある。バルブ310反
対側の通路308の端はボール318によって閉鎖して
あり、このボール318は同時に弁スプリング306の
反力点を与えるものとされている。
【0061】第1の通路308と直交し該通路308を
横切って延びる第2の通路312を弁体304に、該弁
体304を貫通させて形成してある。この第2の通路3
12の一端は中間圧力源に対し、前記のもの同様の通路
224又はそれに代わる管142によって接続される。
第2の通路312の他端は、圧縮機の吸入領域に開口さ
せてある。弁スプリング306がバルブ310を羽根3
16向きに移動させているとき、第2の通路312が開
放され中間圧力源が圧縮機の吸入領域に対し連通するよ
うに、図られている。そして粘性ドラグによりカラー3
00に対しトルクが加えられると羽根316がバルブ3
10に対し荷重を加え、該荷重が弁スプリング306の
力に打克ってバルブ310を、第2の通路312を遮断
する位置へと移動させ、これによって中間圧力源からの
圧縮機吸入領域への中間圧力の排除が阻止されること
と、されている。
【0062】圧縮機の起動時にはバルブ310が、弁ス
プリング306によって付勢されて羽根316側に位置
している。クランク軸32とカラー300間の速度差が
増すにつれて、クランク軸32とカラー300間の粘性
流体膜314の剪断によりカラー300に加わるトルク
が増大して行く。カラー300がクランク軸32と一緒
に回転することは、バルブ310に接触する羽根316
によって阻止される。カラー300に加わるトルクが増
大するにつれバルブ310に加わる荷重が増して、該バ
ルブ310が弁スプリング306の力に抗し第1の通路
308内で動かされて第2の通路312を遮断すること
となる。この方法で圧縮機は通常の起動を行う。
【0063】圧縮機の停止時にバルブ310は、クラン
ク軸32とカラー300間の回転速度差が減少してバル
ブ310に対し弁スプリング306によって加えられる
荷重が羽根316によって加えられる荷重よりも大きく
なる時点まで、第2の通路312を遮断する位置に留め
られる。最終的にバルブ310は、羽根316を押して
カラー300を図14の矢印反対方向に回転変位させつ
つ第2の通路312を開放する位置まで動かされ、これ
によって中間圧力源の中間圧力が圧縮機の吸入領域へと
排除される。本実施例における中間圧力の排除も、前述
実施例におけるのと同様の効果を与える。本実施例の作
動調節は第2の通路312の寸法、弁スプリング306
のばね定数、及び流体膜314の厚さ等の選択によって
行える。
【0064】容易に理解できるように図13,14の実
施例も、前述の諸実施例で用いた電磁弁と置換えて使用
できる。
【0065】図15−17には、前述の電磁弁98に置
換えて使用することができる電磁弁350中に組込み可
能であるフェイルセーフ保護器を、模式的に示してあ
る。電磁弁350は前記電磁弁98と類似の作用を行
う。電磁弁98は励磁されるとボール114を弁座11
6に対し押付け、通路112を通しての流体流れを阻止
するものに構成していた。これに対し電磁弁350は、
励磁されるとボールから遠去かる向きに変位して該ボー
ルが弁座に対し着座することを許容し、解磁されるとボ
ールを押して弁座から引離し弁を通しての流体流れを可
能とするものに、構成されている。
【0066】図15−17は電磁弁350を模式的に示
しており、この電磁弁350はソレノイド352、ダッ
シュポット354及びバルブ356を含む。ソレノイド
352は通例の態様でプランジャ360を取巻いている
筒状のコイル358を含む。プランジャ360は戻しス
プリング362によって、図15でみて左向きに移動付
勢されている。ダッシュポット354はプランジャ36
0に対し固定してある外箱364、内箱366及び緩衝
スプリング368を備えている。内箱366は、外箱3
64内のポケット370中に摺動可能に嵌合してある。
緩衝スプリング368は上記ポケット370内に配置さ
れ、内箱366を図15でみて左向きに移動付勢してい
る。内箱366は該内箱366からバルブ356に向け
て延出する作動ピン372を有し、この作動ピン372
は後述するようにバルブ356を開閉するために利用さ
れる。バルブ356は弁体374、ボール376及び弁
スプリング378を備えている。弁体374は、該弁体
の長さ方向に沿う穴380を有する。ボール376は該
穴380内に配置されていて、弁スプリング378によ
り図15でみて右向きに移動付勢され、弁座382に対
し押付けられるものとされている。中間圧力は穴380
に直接に、又は前記のもの同様の管142によって導か
れる。
【0067】電磁弁350の作動はソレノイド352の
解磁によって開始し、ダッシュポット354が縮小さ
れ、弁スプリング378によりボール376が弁座38
2に押付けられてバルブ356が閉鎖される。この状態
を図15に模式的に示してある。作動ピン372は緩衝
スプリング368に付勢されてボール376に接当して
いるが、弁スプリング378によってボール376に対
し加えられる力の方がより大きいことから該ボール37
6を弁座382から離間させることはしない。弁スプリ
ング378のばね荷重は緩衝スプリング368のばね荷
重よりも大きく設定されている。
【0068】圧縮機の起動時には図16に示すように、
ソレノイド352が励磁されてプランジャ360が図1
6でみて右向きに動かされる。これによって外箱364
も右向きに動かされ、緩衝スプリング368によって加
えられるスプリング荷重によりダッシュポット354が
軸線方向で伸長する。このダッシュポット354の伸長
により作動ピン372とボール376間の接触が維持さ
れる。この方法で圧縮機は通常の起動を行う。
【0069】圧縮機の停止時には図17に示すように、
ソレノイド352が解磁されてプランジャ360が戻し
スプリング362により、図17でみて左向きに動かさ
れる。このプランジャ360の左向き移動によってダッ
シュポット354が左向きに移動し、作動ピン372に
よってボール376を弁座382から離間させる。作動
ピン372が戻しスプリング362及びダッシュポット
354の縮小抵抗に基づく力をボール376に対し加え
ることからして、弁スプリング378が作動ピン372
によってボール376に対し加えられる力に打克つこと
はできない。戻しスプリング362のばね荷重は弁スプ
リング378のばね荷重よりも大きく設定されている。
ボール376は弁座382からの離間状態に、ダッシュ
ポット354の設計によって予設定された時間だけ留め
られる。最終的に弁スプリング378はダッシュポット
354を縮小させるように働き、ボール376を再び弁
座382に着座させる。これによって電磁弁250は図
15に示した状態に戻される。ボール376が弁座38
2から離間している時間の間に、中間圧力のガスが圧縮
機の吸入領域に排出される。本実施例における中間圧力
の排除も、前述実施例におけるのと同様の効果を与え
る。本実施例の作動調節は弁座382の寸法、スプリン
グ362,368,378の各ばね定数、及びダッシュ
ポット354の設計を選択して行うことができる。
【0070】電磁弁350のフェイルセーフ機能は、圧
縮機の起動時にプランジャ360が後退しそこなった場
合、圧縮機の停止時にプランジャ360が戻らなかった
場合、或は何らかの原因でプランジャ360が何れかの
位置で停止してしまった場合に、バルブ356が着座な
いし閉鎖位置のままに留められることによって発揮され
る。ダッシュポット354自体が縮小位置又は伸長位置
のままとなる故障が起きても、圧縮機は停止時の騒音を
伴うとしても通常の態様で稼働する。
【0071】図15−17に示したフェイルセーフ機構
は前述の諸実施例で用いた電磁弁中にも組込める点が、
理解されるべきである。
【0072】図18,19にはなお他の実施例を示して
ある。これまで説明して来た各実施例では中間圧力にま
で圧縮されたガスの圧縮機吸入領域への排出を、圧縮機
の起動及び停止に直接関連させた。図18,19の実施
例は中間圧力ガスを圧縮機の吸入領域へと逃がす作用を
得るのに、熱スイッチを利用している。熱保護器が一旦
切替えられると、前述の各実施例におけるのと同様に中
間圧力源のガスが排出されて、吐出ガスが圧縮機吸入領
域へと漏れることが可能となる。吐出ガスの吸入側への
漏れは圧縮機の稼働圧力比と吐出側温度を低下させる。
最終的には圧縮機のモータ保護器が、モータ及びモータ
保護器を配置してある圧縮機吸入領域への高温吐出ガス
の漏れによって圧縮機を停止状態にもたらす。
【0073】図18,19にはこの発明に係る熱応動弁
400を、模式的に示してある。弁400は弁体40
2、第1チャンバ404、第2チャンバ406、吐出圧
力通路408、及び吸入圧力通路409を備えている。
弁体402は別の部品とすることも、或は非旋回スクロ
ール部材70、主軸受箱24、又は圧縮機内の他の何れ
かの構成要素の一体的な一部分とすることも、可能であ
る。
【0074】第1チャンバ404は弁体402中に入り
込ませて形成され、圧縮機の吐出ガスを導いてあるもの
とされている。吐出圧力通路408は第1チャンバ40
4の下端から延びていて、第1チャンバ404を第2チ
ャンバ406の下端に対し流体的に接続している。熱応
動ディスク(therm−o−disk,以下、「TO
D」と言う。)410を、第1チャンバ404と通路4
08とによって形成された段部に配置してある。TOD
410は熱により変形するもので透孔を有し、図18に
示すように上記段部に着座して第1チャンバ404から
吐出圧力通路408への吐出ガスの流れを阻止する。そ
して予定した臨界温度に達すると図19に示すように変
形して開放し、チャンバ404から吐出ガスが通路40
8中に完全に流れ得ることとする。
【0075】第2チャンバ406は段付けされたチャン
バで、第1チャンバ404同様に弁体402中に入り込
ませて形成されている。この第2チャンバ406の上方
の広い部分には、中間圧力のガスを導いてある。第2チ
ャンバ406の下方の狭い部分は、吐出圧力通路408
を介して第1チャンバ404と連通させてある。吸入圧
力通路409は圧縮機内の吸入ガス領域から、第2チャ
ンバ406の下方部分へと延びている。この吸入圧力通
路409が第2チャンバ406へと連なる点は、吐出圧
力通路408とチャンバ406の上方部分との間に位置
させてある。
【0076】突出するピストン414を有する平らな逆
止弁412を、第2チャンバ406内に配設してある。
逆止弁412とピストン414はチャンバ406内で一
緒に、図18に示す閉鎖位置から図19に示す開放位置
へと動く。チャンバ406内での逆止弁412及びピス
トン414の動きを制限するために、リテーナ416を
設けてある。図18に示す閉鎖位置で逆止弁412はチ
ャンバ406中に形成されている段部に着座して、チャ
ンバ406内の上方部分に対し中間圧力ガス源から導い
てあるガスが吸入圧力通路409に流入するのを阻止す
る。平らな逆止弁412は該弁412の上面に加わる中
間圧力によって下方向きに移動付勢され、また該逆止弁
412の下面の一部には吸入圧力通路409の吸入ガス
圧力が作用している。TOD410が開放した状態で逆
止弁412は、ピストン414に対し加わる吐出ガス圧
力によって上方向きに移動付勢される。したがって図1
9に示すTOD410の開放状態では逆止弁412がチ
ャンバ406中途の段部から持上げられ、中間圧力のガ
スが圧縮機の吸入側に漏れ得ることとする。リテーナ4
16は逆止弁412の動きを、吐出圧力通路408中の
吐出ガスが圧縮機の吸入領域中に流入することがないよ
うに、制限する。
【0077】熱応動弁400は通常、図18に示す位置
をとっている。第1チャンバ404には吐出ガスが供給
され、第2チャンバ406には中間圧力のガスが供給さ
れている。TOD410が閉鎖している限り圧縮機は正
常に稼働する。第1チャンバ404内の吐出ガスの温度
が予定した値よりも高まるとTOD410が開放し、通
路408中に吐出ガスが流入する。吐出ガスの圧力がピ
ストン414に作用して逆止弁412を上昇させ、これ
によって中間圧力ガス源から第2チャンバ406に導か
れている中間圧力のガスが通路409中に流入して圧縮
機の吸入領域へと排出される。この中間圧力ガスの排出
によっては前述の各実施例におけるのと同様に、吐出ガ
スが吸入ガス側に漏れる状態が得られる。TOD410
の開放を圧縮機のモータの停止と結び付けていないの
で、圧縮機は比較的低い稼働圧力比及び比較的低い吐出
側温度で稼働している場合には稼働を継続する。モータ
は、該モータ及びモータ保護器を配置してある圧縮機吸
入領域への高温吐出ガスの漏れによってモータ保護器が
給電を断つまで、回転を続ける。
【0078】図20−22にはこの発明の別の実施例を
示してある。これらの図20−22は、独特の浮動シー
ル付勢手段510を設けてある圧縮機500を示してい
る。図20−22において図1−3で用いたのと同一の
符号はそれぞれ、図1−3におけるのと等しいか或は対
応している部分を示している。圧縮機500は付勢手段
510を、中間圧力が吸入圧力領域へ抜かれる割合を制
御し、もって吐出圧力が吸入圧力領域へ抜かれる割合を
制御できることとするために、設けてあるものとされて
いる。中間圧力を余りに急速に抜くと圧縮機が惰行ない
し慣性回転して騒音を発生することを、見出した。中間
圧力を余りに徐々に抜くことは、圧縮機の逆転の問題を
伴う。したがって中間圧力を吸入圧力領域へと抜く割合
を制御し、もって吐出圧力を吸入圧力領域へと抜く割合
を制御するのが、望ましい。
【0079】付勢手段510は複数個のコイルスプリン
グ512と1対の間隔付けリング514,516を備え
ており、コイルスプリング512は両リング514,5
16間に配置されている。各リング514,516には
周方向で間欠配置の複数個の突起518を形成してあ
り、これらの突起518によってリング514,516
間でコイルスプリング512が位置決めされ保持されて
いる。リング514,516及びコイルスプリング51
2は横向きの仕切り壁22と浮動シール86間に、浮動
シール86がコイルスプリング512により仕切り壁2
2から遠去かる向きに移動付勢を受けるように、配置さ
れている。この浮動シール86の付勢によって、環状シ
ート部82で流体漏れ通路が開放され吐出ガスが浮動シ
ール86の上端を横切って吸入ガス中に漏れる割合が、
制御されることになる。
【0080】圧縮機500の起動時にソレノイド100
が励磁され、通路104を通しての流体流れを阻止する
ようにバルブ200が閉鎖される。コイルスプリングの
付勢荷重に打克つように凹溝84内の圧力が急速に上昇
することからして、圧縮機500はこの方法で通常の起
動を行う。圧縮機10について前述したようにソレノイ
ド100の励磁を遅らせる遅延時間を励磁機構中に組入
れて、起動特性を改善することも任意に行える。
【0081】モータ28への給電が断たれる圧縮機の停
止時には、ソレノイド100が同時に解磁される。この
ソレノイド100の解磁によってバルブ102が開放さ
れ、凹溝84の底部から流体が通路104,112を通
し圧縮機500の吸入領域へ流れる。複数個のスプリン
グ512によって中間圧力が吸入圧力領域へと抜ける割
合が制御され、中間圧力と吸入圧力とが等しくされて行
くにつれ浮動シール86は、吐出圧力と複数個のコイル
スプリング512とに基づく下方向きの力を受けて凹溝
84内で下降し、これにより吐出ガスが環状シート部8
2で、浮動シール86の上端を横切って吸入ガス中に漏
れることになる。複数個のコイススプリング512によ
って中間圧力ガスの吸入圧力までの圧力低下割合が制御
され、これにより浮動シール86の下降速度が制御され
て、吐出ガスの吸入ガス中への漏れ割合が制御されるこ
とになる。したがって複数個のコイルスプリング512
の寸法ないしばね荷重、通路104及び/又は通路11
2の寸法を適切に選択することによって圧縮機500の
逆転を、許容できる逆転数のものにまで減らすか或は完
全に無くすことができる。
【0082】図23,24及び図25はそれぞれ、図5
の実施例及び図6の実施例に類似した別の実施例を示し
ている。これらの各別の実施例は図5,図6の各実施例
同様に、吐出圧力を吸入圧力へと直接にバイパスして逃
がす圧力比感知弁を備えている。図23は、旋回スクロ
ール部材58中に圧力比感知弁152を組込んである圧
縮機550を示している。図23,24で図5で用いた
のと同一の符号はそれぞれ、図5におけるのと等しいか
或は対応している部分を示している。図24に明瞭に示
すようにコイルスプリング552としてある付勢手段が
弁152と旋回スクロール部材58間に、圧縮機550
の吐出領域と吸入領域間を連通させるよう弁152を開
放位置へと付勢するために、配設されている。
【0083】圧縮機550の作用は図5の圧縮機150
と、コイルスプリング552の作用を例外として類似し
ている。圧縮機の起動時に電磁弁98において前述のも
の同様のソレノイド100が励磁されバルブ102が閉
鎖されて、通路140から通路112を通しての流体流
れが阻止される。チャンバ132内にはコイルスプリン
グ552の付勢荷重に打克って中間圧力が迅速に成立す
る。圧力比感知弁152はチャンバ132内の流体圧が
常に該弁152の下面に作用するようにするため、チャ
ンバ132の底面に着座することを周知の方法で阻止さ
れている。この方法で圧縮機550は通常の起動を行
う。前述した圧縮機起動時のソレノイド励磁の遅延時間
を、本実施例の電磁弁98にも組入れることができる。
圧縮機550の稼働中に圧力比感知弁152は、図5に
ついて前述したのと類似に作用する。図23,24の実
施例と図5の実施例間の違いは、図23,24の実施例
では圧力比感知弁152の開閉作動を、弁体160に加
えられる荷重を調整するようにコイルスプリング552
の寸法ないしばね荷重、弁体160の寸法、及びリング
部162の寸法と直径を選択することによって調節可能
である点である。圧縮機550の停止時にはコイルスプ
リング552が中間圧力の吸入圧力領域への抜け割合を
制御し、これにより弁152の下降速度が制御されて、
吐出圧力の吸入圧力領域への抜け割合が制御されること
になる。コイルスプリング552の寸法ないしばね荷
重、通路140及び/又は通路122の寸法、及び図
5,図6の実施例について前述した圧縮機停止時の時間
遅延を含む各種調整を、本実施例に対し適用可能であ
る。圧縮機の逆転量はさらに、弁体160についての前
述した面積比の調節に加えて通路156,158の寸法
及びコイルスプリング552の寸法ないしばね荷重によ
って調節できる。
【0084】図25は図6の圧縮機180に類似の圧縮
機580であるが、圧力比感知弁182を開放位置方向
に移動付勢する付勢手段としてのコイルスプリング58
2を設けてある圧縮機580を、示している。弁182
が開放位置にあると、圧縮機580の吐出領域が吸入領
域に対し連通する。
【0085】図25の実施例の作用は図6の実施例の作
用と、コイルスプリング582によって与えられる効果
を例外として同一である。ポケット186内の中間圧力
は弁体192に対し上方向きの力を作用させ、一方コイ
ルスプリング582と吐出圧力及び吸入圧力は弁体19
2に対し下方向きの力を作用させる。したがって圧力比
感知弁182の開閉作動はコイルスプリング582の寸
法ないしばね荷重、弁体192の寸法、及びオリフィス
194の寸法を選択することによって調節できる。圧縮
機の停止時における弁体192の動きは通路190及び
/又は通路112の寸法によってのみでなく、コイルス
プリング582の寸法ないしばね荷重によっても調節で
きる。図4の実施例について前述した圧縮機停止時の時
間遅延は、本実施例にも適用可能である。逆転量はさら
に、前述した弁体192寸法に対するオリフィス194
の寸法関係によっても調節可能である。
【0086】図26は図7の実施例に類似しているが、
付勢手段510を設けてある圧縮機600を示してい
る。付勢手段510は図20−22の実施例で設けたも
の同様に、複数個のコイルスプリング512と1対の間
隔付けリング514,516を備えている。図26の圧
縮機600の作用は図7の圧縮機220の作用と、付勢
手段510によって与えられる効果の点を除いては同一
である。
【0087】すなわち圧縮機600の起動時にはモータ
28の磁界により生ぜしめられる中央位置付け力により
モータ固定子30内でモータ回転子50が、固定子30
の軸線方向中央位置へと移動せしめられ、これによって
回転子50を固定してあるクランク軸32が付勢スプリ
ング230のばね荷重に抗して下降せしめられる。この
クランク軸32の下降によってシールフランジ228が
主軸受箱24の上面226に対し密接し、通路224を
通しての流体流れが阻止される。複数個のコイルスプリ
ング512のばね荷重に打克って凹溝84内に中間圧力
が急速に成立し、このため圧縮機600は通常の起動を
行う。圧縮機の停止時にはモータ28への給電が断た
れ、モータ回転子50をモータ固定子30内で軸線方向
の中央に位置させようとする磁界が消失する。このため
クランク軸32が付勢スプリング230の力で再上昇せ
しめられ、シールフランジ228が面226から離れて
通路224が圧縮機600の吸入領域に開口することと
なる。これにより流体が凹溝84内の底部から通路10
4、管142及び通路224を通して、圧縮機600の
吸入領域へと流れる。中間圧力と吸入圧力が等しくされ
て行くにつれ、浮動シール86に対し複数個のコイルス
プリング512と吐出ガス圧力とに基づく正味の下向き
の力が加わることになる。この下向きの力によって図2
0−22の実施例について前述したのと同様に、吐出ガ
スの吸入ガス領域への漏れが制御される。
【0088】図20−22及び図26に示した浮動シー
ルのスプリング付勢、或は図23,24及び図25に示
した弁体のスプリング付勢は、図8−14に示したバル
ブ機構及び/又は図15−17に示したフェイルセーフ
装置の何れと組合せても用いることもできる。
【0089】以上の実施例は極く単純なバルブを利用
し、圧縮機の停止時に中間圧力領域から吸入圧力領域へ
のガスの流れを、該バルブによって可能としている。こ
のバルブによるガス流れは本発明に係る圧縮機におい
て、高い中間圧力を逃がすためにも利用できる。
【0090】図1−3の圧縮機10について、前記電磁
弁98に関し高中間圧力の逃がし機構を説明する。電磁
弁98のソレノイド100が励磁されるとコイル106
が磁界を生じさせ、この磁界によってプランジャ108
が図2でみて右方向に動かされる。このプランジャ10
8の右向き移動によりボール114が弁座116に対し
着座して、通路104,112間の接続が断たれる。こ
の通路遮断により凹溝84が遮蔽され、圧縮機10の稼
働により該凹溝84内が、吸入圧力と吐出圧力間の中間
圧力に加圧されることになる。
【0091】スクロール式圧縮機に付随する1つの問題
は、両スクロール翼間の流体圧縮ポケットに液状冷媒が
導入された場合に起きる「スラッジング(sluggi
ng)」である。このスラッジング(強打現象)は、圧
縮機10のフラッディング(溢液)起動条件下とか他の
種々の稼働条件中に起こり得る。圧縮機の「スラッジン
グ」現象は流体圧縮ポケット中に極めて高い圧力を生じ
させ、両スクロール翼の一方又は両方に損傷を引起こす
ことさえある。そして流体圧縮ポケット内の極端な高圧
力は、凹溝84内にも極端な高圧力を生じさせることと
する。
【0092】液体圧縮ないしスラッジングに起因する損
傷の可能性を軽減又は解消するためにソレノイド100
は、弁座16に対しボール114を或る指定荷重で押付
けるものに設計されている。これからして電磁弁98は
高圧力逃がし弁としても機能し、凹溝84内の極端な高
中間圧力を吸入側へと逃がすこととする。ソレノイド1
00についての指定荷重は圧縮機10の正常な稼働を得
るのに十分に大きいが、圧縮機10の稼働特性よって凹
溝84内に過剰な圧力が生じたとすると該凹溝84内の
中間圧力を吸入側へ逃がすのに十分に小さい値に、設定
されている。
【0093】電磁弁98に関連させた高圧力逃がし機構
は電磁弁98を用いる前述実施例の何れにおいても、ま
た電磁弁98同様の切替え機能をモータ28及びクラン
ク軸32を利用して得ている図7,8の実施例において
も、採用可能である。
【0094】高圧力逃がし機構の他の実施例は、浮動シ
ール86の設計に採入れることができる。該浮動シール
86は、凹溝84を、外周側のシール部90で吸入圧力
のガスから遮断すると共に内周側のシール部88で吐出
圧力のガスから遮断することによって、凹溝84内低部
の中間圧力の流体を遮蔽するように働く。
【0095】吸入圧力領域と吐出圧力領域間に設けられ
た凹溝84のシール機構によって、該凹溝84と吸入及
び吐出領域間に高中間圧力逃がし機構を組込めることに
なる。凹溝84と吸入圧力領域間に高中間圧力逃がし機
構を組込むためには、電磁弁98について上述したのに
類似した特定の圧力差で凹溝84内の加圧流体が吸入圧
力領域中に逃がされるようにシール部90を設計しなけ
ればならない。シール部90は、上記圧力差が特定の値
に達したときに凹溝84内の高中間圧力を吸入圧力領域
へと逃がすことができねばならず、また同時に該シール
部90は、凹溝84と吸入圧力領域間の圧力差が正常な
値に戻ったときにシール機能を回復しなければならな
い。シール部90の該高圧力逃がしバルブ機能は、図3
に単一のリップシールとして図示されている該シール部
90に組込むことができる。
【0096】凹溝84と吐出圧力領域間に高中間圧力逃
がし機構を組込むためにはシール部88を、吐出圧力領
域の圧力が凹溝84内の圧力を越えると同シール部88
での密封が得られるが、凹溝84内の圧力が吐出圧力領
域の圧力を特定の量だけ越えると、該シール部88を介
し凹溝84内の加圧流体が吐出圧力領域へと逃がされる
ように、設計しなければならない。シール部90につい
て上述したのに類似してシール部88は、凹溝84と吐
出圧力領域間の圧力差が正常な値に戻ったときにシール
機能を回復しなければならない。シール部88の上述の
ような高圧力逃がしバルブ機能は、図3にリップシール
として図示されている該シール部88に組込むことがで
きる。
【0097】この発明の好ましい図示実施例について詳
細に説明して来たが、特許請求の範囲の記載を公正に解
釈した範囲を逸脱することなしに数多くの修正及び変更
を加えて本発明を実施可能である点が、理解されるべき
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係るスクロール式圧
縮機を、中心線を含む面で切断して画いた一部欠截縦断
面図である。
【図2】図1の圧縮機を、キャップと仕切り壁を取除い
た状態で図示した平面図である。
【図3】図1の圧縮機における浮動シールの一部分を示
す拡大縦断面図である。
【図4】この発明の他の実施例に係るスクロール式圧縮
機の上方側部分を示す縦断面図である。
【図5】この発明のさらに他の実施例に係るスクロール
式圧縮機の上方側部分の一部を示す縦断面図である。
【図6】この発明の別の実施例に係るスクロール式圧縮
機の上方側部分を示す縦断面図である。
【図7】圧縮機のモータを電磁弁に利用した、この発明
のさらに別の実施例に係るスクロール式圧縮機を、中心
線を含む面で切断して画いた一部欠截縦断面図である。
【図8】圧縮機のモータを電磁弁に利用した、この発明
のなお他の実施例に係るスクロール式圧縮機の上方側部
分を示す縦断面図である。
【図9】中間圧力を逃がすために遠心弁を利用した、こ
の発明のなお別の実施例に係るスクロール式圧縮機の上
方側部分を示す縦断面図である。
【図10】図9に示してある遠心弁を、閉鎖状態で示す
拡大縦断面図である。
【図11】中間圧力を逃がすため弁(閉鎖位置で図示)
を作動させるのに圧縮機の一要素の加速を利用した、こ
の発明の他の実施例の一部分を示す模式的縦断面図であ
る。
【図12】図11に示した部分を、弁の開放位置で図示
した模式的縦断面図である。
【図13】中間圧力を逃がすため弁(閉鎖位置で図示)
を作動させるのに圧縮機の一要素の粘性ドラグを利用し
た、この発明のさらに他の実施例の一部分を示す模式的
縦断面図である。
【図14】図13に示してあるクランク軸及びカラーの
横断平面図である。
【図15】電磁弁用のフェイルセーフ保護器を、第1の
位置で示す模式的断面図である。
【図16】図15に示したフェイルセーフ保護器を、第
2の位置で示す模式的断面図である。
【図17】図15に示したフェイルセーフ保護器を、第
3の位置で示す模式的断面図である。
【図18】中間圧力を圧縮機の吸入領域へ逃がすための
熱応動弁を、閉鎖位置で示す模式的断面図である。
【図19】図18に示した熱応動弁を、開放位置で示す
模式的断面図である。
【図20】この発明の別の実施例に係るスクロール式圧
縮機を、中心線を含む面で切断して画いた一部欠截縦断
面図である。
【図21】図20の圧縮機を、キャップと仕切り壁を取
除いた状態で図示した平面図である。
【図22】図20の圧縮機における浮動シールの一部分
を示す拡大縦断面図である。
【図23】この発明の他の実施例に係るスクロール式圧
縮機の上方側部分を示す縦断面図である。
【図24】図23の円23Aで囲んだ部分の拡大図であ
る。
【図25】この発明のさらに別の実施例に係るスクロー
ル式圧縮機の上方側部分を示す縦断面図である。
【図26】圧縮機のモータを電磁弁に利用した、この発
明のさらに他の実施例に係るスクロール式圧縮機を、中
心線を含む面で切断して画いた一部欠截縦断面図であ
る。
【符号の説明】
10 圧縮機 22 仕切り壁 28 電動モータ 32 クランク軸 58 旋回スクロール部材 60 螺旋翼 70 非旋回スクロール部材 72 螺旋翼 80 吐出消音室 82 シート部 84 環状凹溝(環状チャンバ) 86 浮動シール 92 通路 98 電磁弁 100 ソレノイド 102 バルブ 104 通路 112 通路 130 圧縮機 132 環状チャンバ 138 通路 140 通路 142 流体管 150 圧縮機 152 圧力比感知弁 156 吐出圧力通路 158 吸入圧力通路 160 弁体 180 圧縮機 182 圧力比感知弁 188 中間圧力通路 192 弁体 194 オリフィス 220 圧縮機 222 弁 224 通路 228 シールフランジ 230 付勢スプリング 240 圧縮機 242 通路 246 通路 250 圧縮機 252 遠心弁 254 弁体 256 弁スプリング 260 バルブ 262 コイルスプリング 266 環状溝 268 通路 280 弁 282 カラー 284 ボール 286 作動子 290 ピン 292 螺旋溝 300 カラー 302 弁 308 通路 310 バルブ 312 通路 314 粘性流体膜 350 電磁弁 352 ソレノイド 354 ダッシュポット 356 バルブ 400 熱応動弁 404 第1チャンバ 406 第2チャンバ 408 吐出圧力通路 409 吸入圧力通路 410 熱応動ディスク 412 逆止弁 500 圧縮機 510 付勢手段 512 コイルスプリング 550 圧縮機 552 コイルスプリング 580 圧縮機 582 コイルスプリング 600 圧縮機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジーン−ルック キャルラト アメリカ合衆国、45414オハイオ州、ディ トン、セットルメント ウェイ 7001 (72)発明者 フランシス マリオン シムプソン アメリカ合衆国、45365オハイオ州、シド ニー、ポート ジェファソン ロード 1771 (72)発明者 ガリー ジュスチン アンダーソン アメリカ合衆国、45365オハイオ州、シド ニー、ベック ドライブ 1531 (72)発明者 ドナルド ウェーン ロード アメリカ合衆国、43072オハイオ州、セイ ントパリス、レイク ストリート 4112 (72)発明者 ノーマン グレン ベック アメリカ合衆国、45365オハイオ州、シド ニー、イースト パークウッド 814

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端板から突出する第1の螺旋翼を有する
    第1のスクロール部材、 端板から突出する第2の螺旋翼を有する第2のスクロー
    ル部材、 第1及び第2のスクロール部材を相対的に旋回動させ
    て、上記第1及び第2の螺旋翼により吸入圧力領域と吐
    出圧力領域間で容積を変更しつつ移動する流体ポケット
    を形成させる駆動部材、 吐出圧力領域と吸入圧力領域間の流体漏れ径路であっ
    て、加圧流体の作用によって閉鎖される流体漏れ径路、
    及び上記加圧流体の圧力が予定した値を越えると該加圧
    流体を吸入圧力領域に逃がすバルブ手段、を備えたスク
    ロール式機械。
  2. 【請求項2】 前記流体漏れ径路を、第1及び第2のス
    クロール部材間に位置させてある請求項1のスクロール
    式機械。
  3. 【請求項3】 第1及び第2のスクロール部材のうちの
    一方のスクロール部材を、他方のスクロール部材に対し
    軸線方向に沿い制限された範囲内で相対移動可能に支持
    してあり、該一方のスクロール部材を前記加圧流体によ
    り他方のスクロール部材向きに移動付勢してある請求項
    1のスクロール式機械。
  4. 【請求項4】 前記加圧流体を、前記一方のスクロール
    部材に設けた凹部に供給するように構成してある請求項
    3のスクロール式機械。
  5. 【請求項5】 前記凹部が環状のものであって、該環状
    凹部内に環状のシール手段を配置してある請求項4のス
    クロール式機械。
  6. 【請求項6】 前記駆動部材を回転可能に支持する軸受
    箱を備えていて、前記加圧流体を、該軸受箱に設けた凹
    部に供給するように構成してある請求項3のスクロール
    式機械。
  7. 【請求項7】 前記バルブ手段が、電磁弁を含むもので
    ある請求項1のスクロール式機械。
  8. 【請求項8】 スクロール式機械が圧縮機であって、前
    記加圧流体が、吸入圧力から吐出圧力まで圧縮される作
    業流体である請求項1のスクロール式機械。
  9. 【請求項9】 前記加圧流体が、吸入圧力と吐出圧力間
    の中間の圧力のものである請求項8のスクロール式機
    械。
  10. 【請求項10】 端板から突出する第1の螺旋翼を有す
    る第1のスクロール部材、 端板から突出する第2の螺旋翼を有し、該第2の螺旋翼
    を上記第1の螺旋翼に対し噛合せてある第2のスクロー
    ル部材、 第1及び第2のスクロール部材を相対的に旋回動させ
    て、上記第1及び第2の螺旋翼により吸入圧力領域と吐
    出圧力領域間で容積を変更しつつ移動する流体ポケット
    を形成させる駆動部材、 吐出圧力領域と吸入圧力領域間に配置された流体漏れ径
    路、 上記流体漏れ径路を閉鎖するための第1のバルブ手段で
    あって、加圧流体の作用により流体漏れ径路を開閉する
    ように動作し、加圧流体を供給されると流体漏れ径路を
    閉鎖する第1のバルブ手段、及び前記加圧流体の圧力が
    予定した値を越えると前記加圧流体を吸入圧力領域又は
    吐出圧力領域へ逃がす第2のバルブ手段、を備えたスク
    ロール式機械。
  11. 【請求項11】 前記流体漏れ径路を、吐出圧力領域と
    吸入圧力領域間の仕切り壁内に配置してある請求項10
    のスクロール式機械。
  12. 【請求項12】 前記流体漏れ径路を、第1及び第2の
    スクロール部材間に位置させてある請求項10のスクロ
    ール式機械。
  13. 【請求項13】 第1及び第2のスクロール部材のうち
    の一方のスクロール部材を、他方のスクロール部材に対
    し軸線方向に沿い制限された範囲内で相対移動可能に支
    持してあり、該一方のスクロール部材を前記加圧流体に
    より他方のスクロール部材向きに移動付勢してある請求
    項10のスクロール式機械。
  14. 【請求項14】 前記加圧流体を、前記一方のスクロー
    ル部材に設けた凹部に供給するように構成してある請求
    項12のスクロール式機械。
  15. 【請求項15】 前記凹部が環状のものであって、該環
    状凹部内に環状のシール手段を配置してある請求項14
    のスクロール式機械。
  16. 【請求項16】 前記駆動部材を回転可能に支持する軸
    受箱を備えていて、前記加圧流体を、該軸受箱に設けた
    凹部に供給するように構成してある請求項13のスクロ
    ール式機械。
  17. 【請求項17】 前記第2のバルブ手段が、電磁弁を含
    むものである請求項10のスクロール式機械。
  18. 【請求項18】 スクロール式機械が圧縮機であって、
    前記加圧流体が、吸入圧力から吐出圧力まで圧縮される
    作業流体である請求項10のスクロール式機械。
  19. 【請求項19】 前記加圧流体が、吸入圧力と吐出圧力
    間の中間の圧力のものである請求項18のスクロール式
    機械。
JP32654495A 1994-11-21 1995-11-20 スクロール式機械 Pending JPH08210278A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US34281394A 1994-11-21 1994-11-21
US08/342,813 1994-11-21

Publications (1)

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JPH08210278A true JPH08210278A (ja) 1996-08-20

Family

ID=23343379

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32654495A Pending JPH08210278A (ja) 1994-11-21 1995-11-20 スクロール式機械

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005180448A (ja) * 2003-12-19 2005-07-07 Lg Electronics Inc スクロール圧縮機の過熱防止装置
US7478996B2 (en) 2003-12-31 2009-01-20 Lg Electronics Inc. Reciprocating compressor having assembly structure of suction muffler
CN102287371A (zh) * 2011-09-16 2011-12-21 大连三洋压缩机有限公司 一种涡旋式压缩机

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