JP2005180448A - スクロール圧縮機の過熱防止装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 吐出されるガスが異常高温に上昇する場合、高圧室内部のガスを低圧室にバイパスさせ圧縮機を保護し、信頼性を向上させるスクロール圧縮機の過熱防止装置の提供。
【解決手段】 スクロール圧縮機の過熱防止装置は、固定スクロール（３６）に形成されて高圧室（２０）と低圧室（２２）とを連通させるバイパス流路（６２）と、バイパス流路上に設置されバイパス流路の開閉作用をするバルブアセンブリ（６４）と、高圧室の温度が設定値以上に上昇すると、バルブアセンブリをバイパス流路を開放する方向に作動させて、高圧室内部の高温高圧ガスを低圧室にバイパスさせる熱変形部材（６６）と、で構成される。
【選択図】 図２

Description

本発明は、スクロール圧縮機の過熱防止装置に関し、特に、圧縮室内部の温度が設定温度以上に上昇すると、吐出されるガスを低圧室にバイパスさせて、圧縮機の信頼性を向上させ、圧縮機を保護することができるスクロール圧縮機の過熱防止装置に関する。

一般に、圧縮機は、圧縮方式によって様々なタイプに区分することができるが、小型、軽量が要求される空調装置には、スクロール圧縮機が主に用いられる。

図５は、従来のスクロール圧縮機の断面図である。
従来のスクロール圧縮機は、流体が吸入される吸入管１０２及び圧縮された流体が吐出される吐出管１０４がそれぞれ連結され、密閉された所定の空間を有するケーシング１０６と、前記ケーシング１０６の下側に配置されて駆動力を発生する駆動部１０８と、前記ケーシング１０６の上側に配置され、前記駆動部１０８と回転軸１１２により連結されて、前記回転軸１１２の回転により、前記吸入管１０２に吸入される流体を圧縮して吐出管１０４に吐出させる圧縮部１１０と、から構成される。

前記ケーシング１０６の上側には、前記回転軸１１２の上端を回転自在に支持すると共に前記圧縮部１１０を支持するメインフレーム１１４が設置され、前記ケーシング１０６の下側には、前記回転軸１１２の下端を回転自在に支持する下部フレーム１１６が設置される。

前記駆動部１０８は、前記ケーシング１０６の周方向に固定されるステータ１２２と、前記ステータ１２２の内周面に配置されて前記回転軸１１２に固定されるロータ１２４と、から構成され、前記ステータ１２２に電源が印加されると、前記ステータ１２２とロータ１２４との相互作用により前記ロータ１２４が回転されて、前記回転軸１１２を回転させる。

前記圧縮部１１０は、インボリュート形状の固定ラップ(fixed wrap)１２６が形成され、前記ケーシング１０６の上側に固定される固定スクロール１２８と、前記固定ラップ１２６との間に所定の圧縮室１１８を有するように、前記固定ラップ１２６と対応するインボリュート形状の旋回ラップ(orbiting wrap)１３０が形成され、前記メインフレーム１１４に旋回自在に支持され、前記回転軸１１２の回転時に旋回運動される旋回スクロール１３２と、から構成される。

前記固定スクロール１２８の中央には、前記固定ラップ１２６と旋回ラップ１３０との相互作用により圧縮室１１８で圧縮された流体が吐出される吐出口１３６が形成され、前記吐出口１３６の上側には、吐出された流体が逆流することを防止するチェックバルブ１３８が設置される。

また、前記固定スクロール１２８の上側には、前記吐出口１３６に吐出されるガスの騷音を低減させるマフラー１４０が装着され、前記旋回スクロール１３２とメインフレーム１１４との間には、旋回スクロール１３２が回転されることを防止するオルダムリング１５０が設置される。

また、前記マフラー１４０により形成され、圧縮されたガスが流入する高圧室１４２の内部、または高圧室１４２に連結され、圧縮されたガスが排出される吐出管１０４には、ガスの温度を感知する温度センサ(図示せず)が設置されて、前記高圧室１４２内部の温度が設定値以上に上昇すると、圧縮機に印加される電源を遮断して圧縮機を保護する。

前述したような従来のスクロール圧縮機は、ステータ１２２に電源が印加されると、ステータ１２２とロータ１２４との相互作用によりロータ１２４が回転され、前記ロータ１２４に固定される回転軸１１２が正方向に回転される。すると、前記回転軸１１２の回転により旋回スクロール１３２が旋回運動され、前記固定スクロール１２８との相互作用により、圧縮室１１８の内部に流入したガスが圧縮され、吐出口１３６を通して高圧室１４２に流入し、前記高圧室１４２に流入したガスは、吐出管１０４を通して外部に排出される。
このとき、前記吐出口１３６に設置されるチェックバルブ１３８により、吐出口１３６を通して高圧側に吐出された流体が低圧側に逆流することが防止される。

しかしながら、このような従来のスクロール圧縮機においては、高圧室内部の温度を感知する温度センサなど、別途の電気回路を構成すべきであるので、製造費用が増加し、温度センサの作動により高圧室内部の温度が感知された後に圧縮機の駆動を停止させるため、作動遅延が発生するか、または誤作動が発生して圧縮機が損傷するという問題点があった。

本発明は、このような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、吐出されるガスが異常高温に上昇する場合、高圧室内部のガスを低圧室にバイパスさせて、圧縮機を保護し、圧縮機の信頼性を向上させることができるスクロール圧縮機の過熱防止装置を提供することを目的とする。

このような目的を達成するために、本発明によるスクロール圧縮機の過熱防止装置は、固定スクロールに形成されて高圧室と低圧室とを連通させるバイパス流路と、前記バイパス流路上に設置され、前記バイパス流路の開閉作用をするバルブアセンブリと、前記高圧室の温度が設定値以上に上昇すると、前記バルブアセンブリを前記バイパス流路を開放する方向に作動させて、前記高圧室内部の高温高圧ガスを低圧室にバイパスさせる熱変形部材と、を含むことを特徴とする。

前記バルブアセンブリは、前記固定スクロールに形成され、前記バイパス流路が連結されるバルブハウジングと、前記バルブハウジングに直線移動自在に配置され、前記バイパス流路の開閉作用をするバルブ体と、前記バルブ体の一側面に配置され、前記バルブ体に弾性力を付与するバネと、を含むことを特徴とする。

前記熱変形部材は、前記固定スクロールの上面に形成された装着溝に内蔵され、前記装着溝は、前記熱変形部材により開閉される流路と連結され、前記流路は、前記バルブアセンブリのバルブハウジングと連通することを特徴とする。

前記ケーシングの低圧室の内部には、前記過熱防止装置の作動により高圧室内部の高温高圧ガスが低圧室に流入すると、圧縮機の運転を停止させるモータ保護装置が設置されることを特徴とする。

本発明によるスクロール圧縮機の過熱防止装置においては、圧縮機運転中に高圧室内部の温度が設定値以上に上昇すると、固定スクロールに装着された過熱防止装置が作動されて、前記高圧室内部の高温高圧ガスを低圧室にバイパスさせることにより、圧縮機を保護し、圧縮機の信頼性を向上させることができるという効果がある。

以下、添付の図面を参照して、本発明によるスクロール圧縮機の過熱防止装置の好ましい実施形態を説明する。
図１は、本発明によるスクロール圧縮機の断面図である。
本発明によるスクロール圧縮機は、密閉された所定の空間を有するケーシング１０と、前記ケーシング１０に内蔵されて駆動力を発生する駆動モータ１２と、前記駆動モータ１２と回転軸１４により連結されて、前記駆動モータ１２が駆動すると流体を圧縮して外部に吐出させる圧縮ユニット１６と、前記圧縮ユニット１６の一側に設置され、前記圧縮ユニット１６に形成される高圧室２０の温度が設定値以上に上昇すると、高圧室２０の高温ガスをケーシング１０内部の低圧室２２にバイパスさせて圧縮機を保護する過熱防止装置６０と、から構成される。

前記ケーシング１０には、ガスが吸入される吸入管１８及び圧縮されたガスが吐出される吐出管２４がそれぞれ連結され、前記ケーシング１０の内部には、前記回転軸１４の上端を回転自在に支持すると共に前記圧縮ユニット１６を支持するメインフレーム２６、及び前記回転軸１４の下端を回転自在に支持する下部フレーム２８が装着される。

前記駆動モータ１２は、前記ケーシング１０の内周面に固定されるステータ３０と、前記ステータ３０の内周面に配置されて前記回転軸１４に固定されるロータ３２と、から構成され、前記ステータ３０に電源が印加されると、前記ステータ３０とロータ３２との相互作用により前記ロータ３２が回転されて、前記回転軸１４を回転させる。

前記ステータ３０の上端には、前記過熱防止装置６０の作用により高圧室２０から低圧室２２に流入する高温高圧ガスにより加熱されて、圧縮機の運転を停止させるモータ保護装置９０が設置される。
即ち、前記モータ保護装置９０は、高圧室２０から低圧室２２にバイパスされる高温高圧ガスにより加熱されて、圧縮機の運転を停止させることにより、駆動モータ１２のステータ３０を保護する。

前記圧縮ユニット１６は、インボリュート形状の固定羽(fixed vane)３４が形成され、前記ケーシング１０の上側に固定される固定スクロール３６と、前記固定羽３４との間に圧縮室４２を有するように、前記固定羽３４と対応するインボリュート形状の旋回羽(orbiting vane)３８が形成され、前記メインフレーム２６に旋回自在に支持され、前記回転軸１４の回転時に旋回運動される旋回スクロール４０と、前記固定スクロール３６の上面に固定され、前記圧縮室４２で圧縮された流体が吐出される高圧室２０を形成し、流体が吐出されるときに発生する騒音を低減させる役割をするマフラー４４と、から構成される。

前記固定スクロール３６の中央には、前記固定羽３４と旋回羽３８との相互作用により圧縮されたガスが高圧室２０に排出される排出ホール４６が形成され、前記固定スクロール３６の上側面には、前記排出ホール４６を開閉させて流体が逆流することを防止するチェックバルブ４８が設置される。
また、前記旋回スクロール４０とメインフレーム２６との間には、旋回スクロール４０が回転されることを防止するオルダムリング５０が設置される。

前記過熱防止装置６０は、図２及び図３に示すように、前記固定スクロール３６に形成され、高圧室２０と低圧室２２とを連通させるバイパス流路６２と、前記バイパス流路６２上に設置され、前記バイパス流路６２の開閉作用をするバルブアセンブリ６４と、前記固定スクロール３６に形成された前記高圧室２０の温度が設定値以上に上昇すると、前記バルブアセンブリ６４を作動させる熱変形部材６６と、から構成される。

前記固定スクロール３６の上面には、前記熱変形部材６６が配置される装着溝６８が形成され、前記装着溝６８から延長されて前記熱変形部材６６により開閉される流路７０が形成され、前記流路７０は、前記バルブアセンブリ６４のバルブハウジング７２に連通するように形成される。

前記熱変形部材６６は、その中央が凹状に形成され、それにより前記流路７０を密閉させた状態を維持するプレートタイプに形成され、その周面には、ガスが通過する複数の貫通穴７４が形成される。また、前記装着溝６８には、前記熱変形部材６６が離脱することを防止する離脱防止カバー７６が装着される。

このような熱変形部材６６は、所定以上の熱が加えられると、凹状の中央部分が上方に突出するように自己変形して、前記流路７０を開放するバイメタルタイプに形成されることが好ましい。

前記バルブアセンブリ６４は、前記流路７０と連通して固定スクロール３６に形成されるバルブハウジング７２と、前記バルブハウジング７２に直線移動自在に配置され、前記バイパス流路６２の開閉作用をするシリンダ状のバルブ体７８と、前記バルブ体７８の一側面に配置され、前記バルブ体７８に弾性力を付与するバネ８０と、から構成される。

ここで、前記バイパス流路６２は、前記高圧室２０とバルブハウジング７２とを連通する第１流路６２ａと、前記バルブハウジング７２と低圧室２２とを連通する第２流路６２ｂと、から構成され、前記バルブ体７８には、その直径が小さく形成される溝８２が形成されて、前記第１流路６２ａと第２流路６２ｂとを連通させる。

以下、このように構成される本発明によるスクロール圧縮機の動作を説明する。
図４は、本発明によるスクロール圧縮機の過熱防止装置の作動状態図である。
圧縮機が正常運転中の場合、前記駆動モータ１２に電源が印加されると回転軸１４が回転され、前記回転軸１４の回転により旋回スクロール４０が旋回運動されながら、前記固定スクロール３６との相互作用により、圧縮室４２に吸入された流体を圧縮させて、排出ホール４６を通して高圧室２０に吐出させる。その後、前記高圧室２０に流入した高圧ガスは、吐出管２４を通して外部に吐出される。

このようなスクロール圧縮機の運転中、前記高圧室２０内部の温度が設定温度以上に上昇すると、前記過熱防止装置６０が作動されて、前記高圧室２０内部の高圧ガスを低圧室２２にバイパスさせることにより、高圧室２０内部の温度を適正水準に維持して圧縮機を保護する。
即ち、前記高圧室２０内部の温度が設定値以上に上昇すると、熱変形部材６６が熱変形されてその中央が上方に突出して流路７０を開放する。

すると、前記流路７０を通して、高温高圧ガスがバルブハウジング７２に流入し、前記バルブハウジング７２に配置されたバルブ体７８を直線移動させる。

すると、前記バルブ体７８に形成された溝８２が、バイパス流路６２である第１流路６２ａと第２流路６２ｂとを互いに連通させて、前記高圧室２０内部の高温高圧ガスが、バイパス流路６２を通して低圧室２２にバイパスされることにより、前記高圧室２０内部の温度及び圧力が急激に上昇することを防止して圧縮機を保護する。

そして、前記バイパス流路６２を通して高温高圧ガスが低圧室２２に流入すると、前記駆動モータ１２のステータ３０の上端に設置されたモータ保護装置９０が加熱されながら作動されて、圧縮機の運転を中止させる。

このとき、圧縮機が中止された状態であるので、高圧室２０内部の温度及び圧力が低くなりながら、前記熱変形部材６６が元の状態に復帰されて流路７０を閉鎖する。そして、バネ８０の弾性力により、前記バルブ体７８が元の状態に直線移動されながら、前記バイパス流路６２を閉鎖する。

本発明によるスクロール圧縮機の断面図である。 本発明によるスクロール圧縮機の圧縮部を示す断面図である。 本発明によるスクロール圧縮機の過熱防止装置を示す断面図である。 本発明によるスクロール圧縮機の過熱防止装置の作動状態図である。 従来のスクロール圧縮機の断面図である。

符号の説明

１０ ケーシング
１２ 駆動モータ
１４ 回転軸
１６ 圧縮ユニット
１８ 吸入管
２０ 高圧室
２２ 低圧室
２４ 吐出管
２６ メインフレーム
２８ 下部フレーム
３０ ステータ
３２ ロータ
３４ 固定羽
３６ 固定スクロール
３８ 旋回羽
４０ 旋回スクロール
４２ 圧縮室
４４ マフラー
４６ 吐出口
６０ 過熱防止装置
６２ バイパス流路
６２ａ 第１流路
６２ｂ 第２流路
６４ バルブアセンブリ
６６ 熱変形部材
６８ 装着溝
７０ 流路
７２ バルブハウジング
７８ バルブ体
８０ バネ
８２ 溝
９０ モータ保護装置

Claims (10)

1. 固定スクロールに形成されて高圧室と低圧室とを連通させるバイパス流路と、
   前記バイパス流路上に設置され、前記バイパス流路の開閉作用をするバルブアセンブリと、
   前記高圧室の温度が設定値以上に上昇すると、前記バルブアセンブリを前記バイパス流路を開放する方向に作動させて、前記高圧室内部の高温高圧ガスを低圧室にバイパスさせる熱変形部材と、
   を含むことを特徴とするスクロール圧縮機の過熱防止装置。
2. 前記バルブアセンブリは、
   前記固定スクロールに形成され、前記バイパス流路が連結されるバルブハウジングと、
   前記バルブハウジングに直線移動自在に配置され、前記バイパス流路の開閉作用をするバルブ体と、
   前記バルブ体の一側面に配置され、前記バルブ体に弾性力を付与するバネと、
   を含むことを特徴とする請求項１記載のスクロール圧縮機の過熱防止装置。
3. 前記バイパス流路は、
   前記高圧室とバルブハウジングとを連通する第１流路と、
   前記バルブハウジングと低圧室とを連通する第２流路と、
   から構成されることを特徴とする請求項２記載のスクロール圧縮機の過熱防止装置。
4. 前記バルブ体には、前記第１流路と第２流路とを連通させるように、前記バルブ体の他の部分に比べて小さい直径を有する溝が形成されることを特徴とする請求項３記載のスクロール圧縮機の過熱防止装置。
5. 前記熱変形部材は、前記固定スクロールの上面に形成された装着溝に内蔵され、前記装着溝は、前記熱変形部材により開閉される流路と連結され、前記流路は、前記バルブアセンブリのバルブハウジングと連通することを特徴とする請求項２記載のスクロール圧縮機の過熱防止装置。
6. 前記装着溝には、前記熱変形部材が離脱することを防止するストッパが装着されることを特徴とする請求項５記載のスクロール圧縮機の過熱防止装置。
7. 前記熱変形部材は、その中央が凹状に形成され、それによって前記流路を密閉させた状態を維持するプレートタイプに形成され、その周面には、ガスが通過する複数の貫通穴が形成されることを特徴とする請求項５記載のスクロール圧縮機の過熱防止装置。
8. 前記熱変形部材は、所定以上の熱が加えられると変形するバイメタルタイプに形成されることを特徴とする請求項５記載のスクロール圧縮機の過熱防止装置。
9. 前記ケーシングの低圧室の内部には、前記過熱防止装置の作動により高圧室内部の高温高圧ガスが低圧室に流入すると、圧縮機の運転を停止させるモータ保護装置が設置されることを特徴とする請求項１記載のスクロール圧縮機の過熱防止装置。
10. 前記モータ保護装置は、前記ケーシングの内部に配置される駆動モータのステータの上面に配置されることを特徴とする請求項９記載のスクロール圧縮機の過熱防止装置。

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