JPH08209244A - 加工性に優れたパイプの製造方法 - Google Patents

加工性に優れたパイプの製造方法

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JPH08209244A JP1903295A JP1903295A JPH08209244A JP H08209244 A JPH08209244 A JP H08209244A JP 1903295 A JP1903295 A JP 1903295A JP 1903295 A JP1903295 A JP 1903295A JP H08209244 A JPH08209244 A JP H08209244A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】冷間圧延後に仕上げ焼鈍を行わなくても、素材
本来の加工性を最大限に発揮できるように、造管により
導入された加工歪みを実質的に0とすることができ、安
価な高加工性パイプを得ることができる方法の提供。 【構成】C:0.03%以下、N:0.03%以下、S
i:2%以下、Mn:2%以下、Cr:1〜40%、お
よび残部:Feおよび不可避的不純物からなる組成のC
r含有鋼の熱延板を、800〜1100℃で焼鈍した
後、5〜80℃/秒の冷却速度で800℃から500℃
の間を冷却し、さらに、酸洗した後、冷間圧下率5〜3
0%で冷間圧延を行った後にパイプに成形し、800〜
1100℃で20分以下の短時間焼鈍を行い、再結晶か
つ歪取りを行う工程を含む、加工性に優れたパイプの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加工性に優れたパイプの
製造方法に関し、特に、冷間圧延後の仕上げ焼鈍が省略
可能となり、かつ加工性が従来材を超える高加工性パイ
プを低コストで得ることができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高加工性パイプを安価に製造できること
は、あらゆる産業分野、特に、自動車、船舶等の燃焼機
器等の排気系配管等の製造において、極めて魅力的であ
る。特に、Cr、Si、Aiを含有する鋼は、優れた耐
熱性を有するため、これらの高加工性パイプの素材とし
て多用されてはいる。しかし、近年、高加工性パイプ
は、少ないスペースにコンパクトに設計する必要性、加
工不良の低減等を目的として、さらなる加工性の向上が
望まれている。
【0003】ここで、自動車の排気系配管を例にとる
と、近年、自動車の排気系配管には、ステンレス鋼製パ
イプが使用されつつある。この自動車の排気系配管は、
具体的には、エンジン側から、エキゾーストマニホール
ド、フロントパイプ、ミドルパイプ、マフラー、テール
パイプの部品で構成される。これらの各部品には、高い
高温における強度、良好な耐食性が要求されるため、各
々の部材に適した材料が開発されている。例えば、エキ
ゾーストマニホールド、フロントパイプ等には、特開昭
64−8254号公報に記載されているように、主に高
温における強度を高めた材料が、また、ミドルパイプ、
マフラーおよびテールパイプには、特開平6−4169
5号公報に記載されているような耐食性を高めた材料が
使用されつつある。これらの部品に加工成形される冷延
焼鈍板は、いずれも厳しい加工が施されるため、高い加
工性を有することが必要とされる。そのために、前記の
公報には、加工性と高温における強度あるいは加工性と
耐食性の両立を図る組成が提案されている。このよう
に、自動車の排気系配管に用いられるパイプは、いずれ
の部位においても良好な加工性が要求され、その加工性
が良好であればあるほど加工範囲が広がり、組立施工時
に有利となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、車内の
居住空間の拡大、4WS、4WD等の新機能の導入に代
表されるように、自動車に求められる機能が増大し、そ
れらの機能を有する部品、機材、装置等を配置するスペ
ースを確保するために、排気系パイプが専有できるスペ
ースが減少する傾向にある。そのため、排気系パイプ
は、隙間を縫うような複雑な形状にしなければならず、
過酷な加工が要求され、加工不良が多発したり、ときに
は加工できないことがあった。そこで、このような過酷
な加工に耐えるために、冷間圧延による薄板とした後
に、仕上げ焼鈍を行い、さらにパイプ造管時の歪みを取
るべく、造管後に歪みとり焼鈍をして高い加工性のパイ
プとしなければ、使用できなかった。このことが、大き
なコスト上昇を招き、産業上、極めて大きな不利益とな
っていた。
【0005】そこで本発明の目的は、前記問題に鑑み、
冷間圧延時に仕上げ焼鈍を行わなくても、素材本来の加
工性を最大限に発揮できるように、造管により導入され
た加工歪みを実質的に0とすることができ、安価な高加
工性パイプを得ることができる方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、素材が有
している極限の加工性を引き出す安価なパイプ製造方法
について研究した。その結果、高加工性パイプを安価に
製造するには、成分範囲、熱延板焼鈍条件、冷延条件を
十分に制御する必要がある。これらの制御により冷延後
そのままの状態で造管可能となり、仕上げ焼鈍酸洗コス
トを省くことが可能であり、かつパイプ焼鈍後の加工性
を、従来の造管まま材よりも著しく優れた、安価なパイ
プを得ることが可能な新造管方法を開発した。
【0007】すなわち、前記課題を解決するために、本
発明は、第1の態様として、下記組成:C:0.03%
以下、N:0.03%以下Si:2%以下、Mn:2%
以下、Cr:1〜40% 残部:Feおよび不可避的不純物からなるCr含有鋼の
熱延板を、800〜1100℃で焼鈍した後、5〜80
℃/秒の冷却速度で800℃から500℃の間を冷却
し、さらに、酸洗した後、冷間圧下率5〜30%で冷間
圧延を行った後にパイプに成形し、800〜1100℃
で20分以下の短時間焼鈍を行い、再結晶かつ歪取りを
行なう工程を含む、加工性に優れたパイプの製造方法を
提供するものである。
【0008】また、本発明は、第2の態様として、下記
組成:C:0.03%以下、N:0.03%以下Si:
2%以下、Mn:2%以下、Cr:1〜40% Nb、Ti、ZrおよびVから選ばれる少なくとも1
種:1%以下 残部:Feおよび不可避的不純物からなり、かつ (Nb/93)+(Ti/48)+(Zr/91)+(V /51)>(C
/12) +(N/14) であるCr含有鋼の熱延板を、800〜1100℃で焼
鈍した後、5〜80℃/秒の冷却速度で800℃から5
00℃の間を冷却し、さらに、酸洗した後、冷間圧下率
5〜30%で冷間圧延を行った後にパイプに成形し、8
00〜1100℃で20分以下の短時間焼鈍を行い、再
結晶かつ歪取りを行なう工程を含む、加工性に優れたパ
イプの製造方法を提供するものである。
【0009】以下、本発明のパイプの製造方法(以下、
「本発明の方法」という)について詳細に説明する。
【0010】本発明の方法は、Cr含有鋼からなる熱延
板から、焼鈍、冷却、酸洗、冷間圧延、パイプ成形およ
び短時間焼鈍の工程によってパイプを製造する方法であ
る。
【0011】本発明の方法において、パイプに成形され
る熱延板を構成するCr含有鋼において、CおよびNの
含有量は、それぞれ0.03%以下、好ましくはそれぞ
れ0.01%以下に限定される。CおよびNは、得られ
るパイプの靱性および加工性に有害であり、低いことが
望ましい。また、本発明の方法において、Cr含有鋼の
Siの含有量は、2%以下、好ましくは1%以下に限定
される。このSiは、耐熱鋼であるCr含有鋼の重要な
特性の一つである耐酸化性の向上に有効であり、Crの
含有量が1%であっても、2%程度のSiの含有量であ
れば、実用上問題のない耐酸化性が得られる。Siの含
有量が2%を超えると加工性の劣化が大きく、本発明の
方法におけるパイプの造管が困難となる。
【0012】さらに、Cr含有鋼のMnの含有量は、2
%以下、好ましくは0.1%以下に限定される。このM
nは、パイプの加工性に有害であり、低いことが望まし
い。さらにまた、Cr含有鋼のCrの含有量は、1〜4
0%、好ましくは1〜20%に限定される。このCr
は、Siと同様に耐酸化性を向上させる。Cr含有鋼に
おける耐酸化性は、Cr、Si量に大きく依存し、必要
に応じて、任意にそのレベルを調整すればよいが、Cr
の含有量が1%未満では、ほとんどの耐熱用途に適用が
不可能であり、一方、40%を超えると、加工性の劣化
が著しく、造管が困難となるおそれがある。
【0013】また、本発明の方法で用いられるCr含有
鋼は、必要に応じて、Nb、Ti、VおよびZrから選
ばれる少なくとも1種を含有していてもよい。このN
b、Ti、VまたはZrは、加工性の向上に有効である
が、添加量が1%を超えると、加工性の劣化を招き、パ
イプの造管が困難となる。さらに、本発明の方法におい
て、Nb、Ti、VおよびZrから選ばれる少なくとも
1種は、Cr含有鋼中において、炭化物または窒化物を
生成して、鋼中のC、Nを無害化するのに有効である。
さらに、このNb、Ti、VおよびZrから選ばれる少
なくとも1種の添加量は、下記式を満足するように、調
整される。 (Nb/93)+(Ti/48)+(Zr/91)+(V /51)>(C
/12) +(N/14)
【0014】さらに、本発明の方法で用いられるCr含
有鋼は、前記のC、N、Si、MnおよびCr、ならび
に必要に応じて添加されるNb、Ti、ZrおよびVか
ら選ばれる少なくとも1種以外に、Mo、Cu、Y、R
emおよびCaを含有していてもよい。MoまたはCu
の添加は、耐食性の向上に有効であり、Moを添加する
場合、その添加量は4%以下であり、Cuを添加する場
合、その添加量は2%以下であるのが好ましい。Moま
たはCuを添加する場合、Moの添加量が4%を超える
と、あるいはCuの添加量が2%を超えると、耐食性の
向上の効果が飽和し、コスト上昇の原因となる。また、
Y、RemおよびCaから選ばれる少なくとも1種の添
加も、耐酸化性の向上に有効であり、Y、Remおよび
Caから選ばれる少なくとも1種を添加する場合、その
添加量は、0.005〜0.1%の範囲である。Y、R
emおよびCaから選ばれる少なくとも1種の添加量が
0.1%を超えると熱間加工性が低下し、0.005%
以下であると耐酸化性の向上効果が得られない。ここ
で、Remとは、ランタノイド系列の元素をいう。
【0015】また、本発明の方法において、このCr含
有鋼は、前記のC、N、Si、MnおよびCr、ならび
に必要に応じて、添加される前記の元素以外の残部とし
て、Feおよび不可避的不純物を含むものである。
【0016】本発明の方法において、前記の組成を有す
るCr含有鋼からなる熱延板は、焼鈍した後、冷却し、
さらに、パイプに成形した後、短時間焼鈍を行って再結
晶かつ歪取りを行なう工程に供される。この工程につい
て、後記の実施例で用いた下記の組成: C:0.006% N:0.007% Si:0.85% Mn:0.51% Cr:14.8% Ni:0.23% Nb:0.51% V:0.09% 残部:Feおよび不可避的不純物を有する供試材No.
3を用いて、熱延板の焼鈍温度、熱延板の焼鈍後の冷却
速度および冷間圧延率を変えてパイプを成形する実験を
行い、工程中の各処理条件と、得られたパイプの長さ方
向の伸びとの関係を図示した。図1は熱延板の焼鈍温度
とパイプの長さ方向の伸びとの関係、図2は熱延板の焼
鈍後の冷却速度とパイプの長さ方向の伸びとの関係、図
3は冷間圧延率とパイプの長さ方向の伸びとの関係、な
らびに図4は熱延板の焼鈍後の冷却速度と冷間圧延率が
パイプ造管に及ぼす影響を示す図である。以下、これら
の図1〜4に示す実験結果に基づいて、熱延板の焼鈍温
度、熱延板の焼鈍後の冷却速度、冷間圧延率等の条件、
おらびその限定理由を述べる。
【0017】本発明の方法において、Cr含有鋼からな
る熱延板の焼鈍は、800〜1100℃、好ましくは9
00〜1050℃の焼鈍温度で行われる。焼鈍温度が8
00℃未満であると、図1に示す結果から理解されると
おり、熱延板が再結晶せずに、パイプ造管後に焼鈍を行
っても、パイプ伸びが充分でなく、また、1100℃を
超えると、造管後に焼鈍処理を施さない、造管ままパイ
プを得る工程と同様の製造コストでありながら、従来の
歪み取り焼鈍パイプと同等の良好な加工特性を有するパ
イプを得ることができるという、本発明の効果を達成す
ることができない。
【0018】次に、本発明の方法においては、焼鈍後の
熱延板を、800℃から500℃までの間の冷却速度
が、5〜80℃/秒となるように冷却が調整される。図
2に示す結果から理解されるとおり、800℃から50
0℃の冷却速度が5℃/秒未満であると、後段の冷間圧
延における熱延板の脆化が著しく、5%から30%の冷
間圧延率によらず造管時に割れが生じ、造管が不可能と
なる。冷却速度5℃/秒を境にして造管の可能性が別
れ、かつ冷却速度が早い程、良好なパイプ加工性が得ら
れる。しかし、80℃/秒を超える冷却速度とするに
は、冷却設備が巨大化するとともに、その費用も莫大な
ものになるため、冷却速度の上限は80℃/秒、好まし
くは50℃/秒以上に限定される。
【0019】冷却後の熱延板は、酸洗後、冷間圧延され
る。このとき、冷間圧延率が5〜30%、好ましくは1
0〜20%に調整される。これは、図3および図4に示
す結果から理解されるとおり、冷間圧延率が5%未満で
は、パイプ焼鈍後の加工性が、従来法による焼鈍処理を
施さない工程によるパイプ、または従来法による歪み取
り焼鈍パイプに比べても、充分な加工性を有するパイプ
を得ることができない。一方、30%を超える冷間圧延
率では、造管時に割れを生じ、造管が不可能となる。な
お、本発明の方法において、冷間圧延は、いわゆるスキ
ンパス圧延を含む。
【0020】次に、本発明の方法において、冷間圧延
後、仕上げ焼鈍されずに造管されたパイプは、パイプ形
状のまま800〜1100℃で20分以下の短時間で再
結晶と歪み取りを兼ねる焼鈍処理が施され、拘束された
状態での再結晶かつ歪取りが行われる。この再結晶と歪
み取りを兼ねる焼鈍処理における焼鈍温度が800℃未
満では、充分に再結晶せず、また1100℃以上では粒
の粗大化がパイプの外面から発生しやすく、加工性が劣
化する。また、20分以上の焼鈍時間では生産性に劣る
ため20分以内の短時間焼鈍に限定する。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例および比較例を挙げ、
本発明の方法について具体的に説明する。
【0022】(実施例、比較例)表1に示す組成を有す
る供試材No.1〜11からなる50Kgの鋼塊のそれ
ぞれを、常法によって熱延して種々の板厚の熱延板を作
製した。これらの熱延板を、表2−(a)(本発明の方
法)または表2−(b)(従来法)に示す工程でパイプ
に造管した。表2−(a)に示す工程では、熱延板を焼
鈍した後、冷却速度を制御し、室温まで冷却し、酸洗し
た。その後、熱延板を2mmまで冷間圧延した。このと
きの冷間圧延率は、30〜80%の範囲とした。冷間圧
延後、そのまま48.6φのパイプ(肉厚:2mm)に
造管し、短時間による再結晶焼鈍を施した。(タイプ
1) また、表2−(b)に示す工程では、熱延板を焼鈍した
後、冷却速度を制御し室温まで冷却し、酸洗した。次
に、熱延板を2mmまで冷間圧延した後、仕上げ焼鈍、
酸洗を行い、さらに48.6φのパイプ(肉厚:2m
m)に造管した(タイプ2)。また、No.1〜9のタ
イプ2のパイプについては、さらにパイプの歪み取り焼
鈍を行った(タイプ3)ところ、表2−bに示すよう
に、L方向(パイプの長さ方向)の伸びが10%近く向
上することがわかった。
【0023】得られたパイプのL方向の伸びを測定した
結果を表2−(a)および(b)に示す。この表2−
(a)および(b)に示す結果に示すとおり、本発明の
方法によって得られるパイプ(タイプ1)は、従来法に
よるタイプ2または3のパイプと比較して、(タイプ2
の伸び+タイプ3の伸び)/2以上の伸びを示し、か
つ、タイプ3と同程度の伸びを示すことがわかった。し
たがって、本発明の方法によれば、従来法では必要とさ
れていた冷延板の仕上げ焼鈍、酸洗を省略しても、従来
法による歪み取り焼鈍を行う高加工性パイプのタイプ3
のパイプと同程度の良好な加工性を有するパイプが得ら
れることがわかった。また、供試材No.10および1
1のように、本発明の範囲を外れる鋼組成の鋼を用いた
場合には、表2−(a)に示すように、造管が不可能で
あった。
【0024】また、図1〜4に示すように、本発明の範
囲内の鋼組成の供試材No.3であっても、熱延板の焼
鈍温度、熱延板の焼鈍後の冷却速度、冷間圧延率等の各
条件が、本発明の範囲を外れると、造管不可能であった
り、充分な伸びを有するパイプを得ることができないこ
とがわかる。そのため、本発明に規定するように、工程
中の各条件を制御して、はじめて安価で、かつ高い加工
性を有するパイプが得られることがわかる。このよう
に、本発明は、造管素材の製造履歴および造管後の焼鈍
条件を制御することによって、安価かつ高加工性パイプ
を製造できることにあり、熱延板焼鈍後の酸洗方法、
TIG溶接、ERW溶接、ケージロール方式、ブレイ
クダウン方式等の造管方法に左右されない方法であるこ
とは言うまでもない。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明の方法によれば、冷間圧延後の仕
上げ焼鈍を行わなくても、素材本来の加工性を最大限に
発揮できるように、造管により導入された加工歪みを実
質的に0とすることができ、安価な高加工性パイプを得
ることができる。そのため、本発明の方法によって得ら
れるパイプは、産業上、極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱延板の焼鈍温度とパイプの長さ方向の伸びと
の関係を示す図。
【図2】熱延板の焼鈍後の冷却速度とパイプのL方向の
伸びとの関係を示す図。
【図3】冷間圧延率とパイプのL方向の伸びとの関係を
示す図。
【図4】熱延板の焼鈍後の冷却速度と冷間圧延率がパイ
プ造管に及ぼす影響を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/00 301 S 302 Z 38/18 38/28 38/38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記組成: C:0.03%以下、 N:0.03%以下 Si:2%以下、 Mn:2%以下、 Cr:1〜40% 残部:Feおよび不可避的不純物からなるCr含有鋼の
    熱延板を、800〜1100℃で焼鈍した後、5〜80
    ℃/秒の冷却速度で800℃から500℃の間を冷却
    し、さらに、酸洗した後、冷間圧下率5〜30%で冷間
    圧延を行った後にパイプに成形し、800〜1100℃
    で20分以下の短時間焼鈍を行い、再結晶かつ歪取りを
    行なう工程を含む、加工性に優れたパイプの製造方法。
  2. 【請求項2】下記組成: C:0.03%以下、 N:0.03%以下 Si:2%以下、 Mn:2%以下、 Cr:1〜40% Nb、Ti、ZrおよびVから選ばれる少なくとも1
    種:1%以下 残部:Feおよび不可避的不純物からなり、かつ (Nb/93)+(Ti/48)+(Zr/91)+(V /51)>(C
    /12) +(N/14) であるCr含有鋼の熱延板を、800〜1100℃で焼
    鈍した後、5〜80℃/秒の冷却速度で800℃から5
    00℃の間を冷却し、さらに、酸洗した後、冷間圧下率
    5〜30%で冷間圧延を行った後にパイプに成形し、8
    00〜1100℃で20分以下の短時間焼鈍を行い、再
    結晶かつ歪取りを行なう工程を含む、加工性に優れたパ
    イプの製造方法。
  3. 【請求項3】前記Cr含有鋼が、さらに、4%以下のM
    oおよび/または2%以下のCuを含有するものである
    請求項1または2に記載の加工性に優れたパイプの製造
    方法。
  4. 【請求項4】前記Cr含有鋼が、さらに、2%以下のN
    iを含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載
    の加工性に優れたパイプの製造方法。
  5. 【請求項5】前記Cr含有鋼が、さらに、Y、Remお
    よびCaから選ばれる少なくとも1種を0.005〜
    0.1%含有するものである請求項1〜4のいずれかに
    記載の加工性に優れたパイプの製造方法。
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