JPH08209216A - 接種剤 - Google Patents

接種剤

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JPH08209216A
JPH08209216A JP1387395A JP1387395A JPH08209216A JP H08209216 A JPH08209216 A JP H08209216A JP 1387395 A JP1387395 A JP 1387395A JP 1387395 A JP1387395 A JP 1387395A JP H08209216 A JPH08209216 A JP H08209216A
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JP
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inoculant
cast iron
graphite cast
spheroidal graphite
melting temperature
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JP1387395A
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Toshiki Yoshida
敏樹 吉田
Katsuhiko Kojo
勝彦 古城
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Hitachi Metals Ltd
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶け残りが生じず、鋳型表面近傍においても
充分に効果を発揮して球状黒鉛鋳鉄のチル化を防止する
ことができる接種剤を提供する。 【構成】 本発明の接種剤は溶融温度が球状黒鉛鋳鉄の
溶融温度より低温である接種剤例えばNi−Si合金を
接種剤として使うことを骨子とし、接種剤が球状黒鉛鋳
鉄の溶融温度より低温であることにより接種剤が容易に
早く溶け、接種剤が容易に早く溶けない場合には接種効
果が現れるのに時間がかかるに対して短時間で接種効果
が現れ、従って接種剤を大きい粒のまま入れても良い。
また鋳型の中に入れる場合であっても溶け残りが少な
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は球状黒鉛鋳鉄の製造に用
いられる接種剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】良く知られるように球状黒鉛鋳鉄の鋳造
に当たっては、結晶の核を作らせる物質を溶湯中に添加
して得られる鋳物の材質を改善する接種が行われ、その
場合、接種剤を添加することによってチル化傾向を抑制
して鋳物の黒鉛組織を改善することができ、かかる接種
剤としては球状黒鉛鋳鉄にあってはフェロシリコン、カ
ルシウムシリコンなどが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし以上の従来の接
種剤については次のような問題があった。従来の接種剤
の溶融温度は球状黒鉛鋳鉄の溶融温度よりも高温である
ため、どうしても溶け残りが生じ、そのように溶け残り
が生じると接種剤の粒がそのまま鋳物の内部に残り、そ
の部分で非常に硬度が上がるため、その部分で加工がで
きないという問題が生じる。また、特に鋳型表面部分に
おいては鋳鉄溶湯が早く冷却されるため従来の溶融温度
が球状黒鉛鋳鉄の溶融温度よりも高温である接種剤で
は、その鋳型近傍において接種剤が充分に機能せず、鋳
型表面部分においてチル化し易いという問題があった。
従って本発明は以上の従来技術における問題に鑑みてな
されたものであって、溶け残りが生じず、鋳型表面近傍
においても充分に効果を発揮して球状黒鉛鋳鉄のチル化
を防止することができる接種剤を提供することを目的と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成する本
発明の接種剤は球状黒鉛鋳鉄の製造に用いられ黒鉛化促
進元素を含み溶融温度が球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より低
温であることを特徴とする。
【0005】以上の本発明の接種剤によれば溶融温度が
球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より低温であるので、溶湯中に
添加したときに溶融温度が球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より
高温の接種剤を用いる場合よりも低温から溶解しはじめ
るので、接種効果の発現が早くなり、また接種剤が低温
で溶解するため溶け残り不良の防止効果も得ることがで
きる。
【0006】また本発明の接種剤は、球状黒鉛鋳鉄の製
造に用いられ黒鉛化促進元素を含み溶融温度が球状黒鉛
鋳鉄の溶融温度より低温である接種剤と溶融温度が球状
黒鉛鋳鉄の溶融温度より高温である接種剤を混合又は合
金化したことを特徴とする。
【0007】溶融温度が球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より高
温である接種剤では通常溶け残りが生じ、普通の鋳物で
鋳型内接種をするときには鋳物が小さくなると溶けのこ
ることが多い。そのように溶け残りが生じると接種剤の
粒がそのまま鋳物の内部に残り、その部分で非常に硬度
が上がるため、その部分で加工ができないという問題が
生じる。これに対して溶融温度が球状黒鉛鋳鉄の溶融温
度より低温である接種剤では鋳型に塗布して用いても溶
け残りが生じない。しかし、一方、溶融温度が球状黒鉛
鋳鉄の溶融温度より低温である接種剤では溶け残りが生
じない反面、早期に溶解するため、接種効果を持続させ
るのが困難な場合が生じ、全体としての接種効果が不十
分となる場合もある。そこで本発明の様に、溶融温度が
球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より低温である接種剤と高温で
ある接種剤を混合又は合金化して用いることにより、接
種剤の溶け残りを防止しつつ接種効果を持続させて全体
としても高い接種効果を得るようにすることができる。
【0008】更に本発明の接種剤は球状黒鉛鋳鉄の製造
に用いられ黒鉛化促進元素を含み主成分がSi及びNi
であることを特徴とする。主成分がSi及びNiである
Ni−Si接種剤の共晶温度は993℃で、Fe−Si
の1270℃より低い。したがって溶湯中に添加したと
きにFe−Siよりも低温から溶解しはじめるので、接
種効果の発現が早く、また、低温で溶解するため、溶け
残り不良も防止できる。加えて本発明の接種剤は球状黒
鉛鋳鉄の製造に用いられ黒鉛化促進元素を含み主成分が
Si及びNiであり、3wt%以下のBaを含有すること
を特徴とする。ここで3wt%以下のBaを添加するのは
接種効果の持続に有効であるからであり、特に本発明の
溶融温度が球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より低温である接種
剤例えばNi−Si系接種剤では、接種剤の早期溶解
と、接種効果の持続との相乗効果が認められ有効とな
る。ここで、Baの添加量を3wt%とするのは添加量が
3wt%を越えても添加効果の増大は認められないからで
ある。
【0009】また本発明の接種剤は球状黒鉛鋳鉄の製造
に用いられ黒鉛化促進元素を含み主成分がSi及びNi
である接種剤と主成分がSi及びFeである接種剤を混
合又は合金化したことを特徴とする。すなわち主成分が
Fe及びSiである接種剤では通常溶け残りが生じ、普
通の鋳物で鋳型内接種をするときには鋳物が小さくなる
と溶けのこることが多い。そのように溶け残りが生じる
と接種剤の粒がそのまま鋳物の内部に残り、その部分で
非常に硬度が上がるため、その部分で加工ができないと
いう問題が生じる。これに対して主成分がSi及びNi
である接種剤では鋳型に塗布して用いても溶け残りが生
じない。しかし、一方、主成分がSi及びNiである接
種剤では溶け残りが生じない反面、早期に溶解するた
め、接種効果を持続させるのが困難な場合が生じ、全体
としての接種効果が不十分となる場合もある。そこで本
発明の様に、主成分がSi及びNiである接種剤と主成
分がFe及びSiである接種剤を混合又は合金化して用
いることにより、接種剤の溶け残りを防止しつつ接種効
果を持続させて全体としても高い接種効果を得るように
することができる。
【0010】以上において主成分がSi及びNiである
接種剤と主成分がSi及びFeである接種剤との混合又
は合金化比率は1/3〜3/1とするのが好ましい。主
成分がSi及びNiである接種剤と主成分がSi及びF
eである接種剤との混合又は合金化比率が1/3未満で
は、接種剤の溶け残りが生じる傾向が強くなり好ましく
ない。逆に主成分がSi及びNiである接種剤と主成分
がSi及びFeである接種剤との混合又は合金化比率が
3/1を越える場合には、全体としての接種効果が不十
分となる。又以上において主成分がSi及びNiである
接種剤と主成分がSi及びFeである接種剤を混合して
使用する場合には、例えば両者の粉体を混合するという
態様を取ることができる。さらには、使用部分を分離し
て鋳型表面にはNi−Si合金接種剤を添加し、溶湯内
部にはFe−Si接種剤を添加するようにして全体とし
て混合するようにすることもできる。
【0011】以上の主成分がSi及びNiである接種剤
と主成分がSi及びFeである接種剤とを混合又は合金
化する場合についても主成分がSi及びNiである接種
剤が3wt%以下のBaを含有する様にするのが好まし
い。なお以上の各場合において本発明においては主成分
がSi及びNiである接種剤のSi含有量を50〜80
wt%とするのが好ましい。すなわちSiが50wt%未満の
場合にはかかる接種剤の状態図における液相線の温度が
球状黒鉛鋳鉄の溶融温度よりも低くなり接種効果が極め
て早く消失し、全体としての接種効果が低くなり好まし
くない。またSiが80wt%を越える場合には工業的に
製造することが困難になる。
【0012】
【作用】現在、球状黒鉛鋳鉄の製造にあたっては接種剤
としてFe−Siを用いるのが一般的である。本発明の
接種剤はこのFe−Siに代えて溶融温度が球状黒鉛鋳
鉄の溶融温度より低温である接種剤例えばNi−Si合
金を接種剤として使うことを骨子とするものである。N
i−Si合金及びFe−Si合金の状態図をみるとFe
−Si合金の共晶温度が1210〜1220℃であるの
に対してNi−Si合金の共晶温度は950〜990℃
であり、Ni−Si合金の方がFe−Siよりも低温で
溶けやすいことが判る。それと同時に、Ni−Si合金
ではFe−Si合金と比べた場合にSi量を同程度に含
ませることができる。ここで接種剤において接種効果を
発揮するのはSiでありSi量が同程度であればFe−
SiでもNi−Siでも同程度に接種効果を発揮する。
しかも前述したようにNi−Si合金はFe−Siに比
べて融点が低いので早い時期に効き始める。一方、Ni
−Si合金及びFe−Siの溶け終わりの時期はそれ等
の状態図の液相線で示される様にFe−Si、Ni−S
i共に同程度の温度である。
【0013】以上のことからNi−Siは早い時期から
効き初めて、Fe−Siと同じ位の時期まで効き続け
る。なお以上において、球状黒鉛鋳鉄の溶融温度は11
50℃であり30Si−Niを添加した場合には、30
Si−Niの溶融温度は950℃でありすぐに溶けてし
まい接種剤として使うことはできない。そこでNi−S
i合金として添加する。以上のように本発明の接種剤が
球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より低温であることにより接種
剤が容易に早く溶け、接種剤が容易に早く溶けない場合
には接種効果が現れるのに時間がかかるに対して短時間
で接種効果が現れ、従って接種剤を大きい粒のまま入れ
ても良い。また鋳型の中に入れる場合であっても溶け残
りが少ない。
【0014】さらに本発明では溶融温度が球状黒鉛鋳鉄
の溶融温度より低温である接種剤例えばNi−Si合金
の接種剤と溶融温度が球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より低温
である接種剤例えばFe−Siの接種剤とを混合して接
種剤として用いるが、この様に両者を混合することによ
って、安価とすることができる。また特にNi−Si合
金の接種剤とFe−Siの接種剤の特性の中間的特性の
接種剤を用いる必要があるときに有効となる。すなわち
Ni−Si合金の接種剤だけではあまりに早く効果が現
れすぎ、逆にFe−Siの接種剤だけでは溶け残りが生
じる様な場合である。また本発明の接種剤では黒鉛粒数
が増えるという作用が認められる。すなわち球状黒鉛鋳
鉄溶湯の表面は温度が低く従来の接種剤ではかなり温度
が上がらないと溶けない。例えば鋳型表面部では温度が
低いので従来のFe−Si接種剤では溶け込まない。こ
れに対し本発明の接種剤例えばNi−Si合金接種剤で
は従来のFe−Si等の接種剤に比べて非常に低い温度
から溶け始める。従って、鋳物表面のチル化防止につい
ては従来のFe−Si等の接種剤に比べて本発明の球状
黒鉛鋳鉄の溶融温度より低温である接種剤例えばNi−
Si合金の接種剤がはるかに有利となる。
【0015】すなわち従来のFe−Si等の接種剤では
鋳物表面のチル化を十分に防止することができなかった
のに対し、本発明の球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より低温で
ある接種剤例えばNi−Si合金の接種剤では表面のチ
ル化を防止することができる。又それに伴い従来のFe
−Si等の接種剤を用いる場合に比べ本発明の球状黒鉛
鋳鉄の溶融温度より低温である接種剤例えばNi−Si
合金の接種剤では球状黒鉛鋳鉄溶湯の表面への添加時に
おける黒鉛粒数が増える。
【0016】
【実施例】以下に本発明の接種剤の実施例について説明
する。 実施例1 表1に示す成分のNi−Si系接種剤を用い、Yブロッ
クに球状黒鉛鋳鉄溶湯を注湯して本発明の球状黒鉛鋳鉄
の製造方法を実施した。接種はNi−Si接種剤を溶湯
中に添加して行った。
【0017】
【表1】 得られた球状黒鉛鋳鉄鋳物につきYブロック底からの距
離と球状化率および黒鉛粒数との関係を調査した。その
結果を図1に示す。また得られた球状黒鉛鋳鉄鋳物につ
きYブロック底からの距離とミクロ組織の変化との関係
を調査した。その結果を図2,3に示す。なお図2は無
腐食により得られた組織写真であり、図3はナイタール
腐食を行って得られたミクロ組織写真である。また得ら
れた球状黒鉛鋳鉄鋳物につき成分分析を行った。その結
果を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】図1に示されるようにYブロック底からの
距離が大きくなるにしたがい球状化率および黒鉛粒数と
もに低下するが、顕著なものではなく鋳物全体としてほ
ぼ均一な球状化率および黒鉛粒数となっていることが判
る。また図2および図3に示されるようにミクロ組織に
おける黒鉛はほぼ均一に分散し、Yブロック底からの距
離が大きくなっても、その傾向は変わらない。
【0020】実施例2 表1に示す成分のNi−Si系接種剤を用いて、Ni−
Si系接種剤における低温溶解の特徴を生かして塗型接
種を試みた。図4に示されるように鋳型1の一部領域A
に粒径0.1〜0.3mmのNi−Si系接種剤2を塗
布し、他の領域Bには接種剤を塗布せずに、鋳型1に球
状黒鉛鋳鉄溶湯を注湯し、得られたテストピースにおけ
る鋳肌付近の金属組織を調査した。その結果、Ni−S
i系接種剤2を塗布した領域Aに対応する領域ではテス
トピースの表面まで充分に球状化しておりチルの発生が
認められないのに対し、接種剤を塗布しなかった領域B
に対応する領域はチル化しているのが認められた。また
Ni−Si系接種剤2を塗布した領域Aに対応する領域
では、得られた鋳鉄における鋳肌付近のチルが解消され
ただけではなく、Fe−Si系接種剤を用いた場合のよ
うなの溶け残りはほとんど認められなかった。
【0021】なお以上の実施例の接種剤の組成において
Al、Caは一般的に接種剤にはこれくらい含まれるも
のであり、製造工程で硅砂から入ってくる。これに対し
てBaは意図的に添加している。
【0022】実施例3 図5に示す鋳造方案の鋳型を用いて球状黒鉛鋳鉄溶湯の
鋳造を行った。図5に示す鋳造方案ではt1が1mm厚
のテストピースの鋳型であり、t2が2mm厚のテスト
ピースの鋳型であり、t3が3mm厚のテストピースの
鋳型であり、t4が4mm厚のテストピースの鋳型であ
る。鋳造にあたっては、前記表1に示す組成のNi−S
i系接種剤を用いて塗型接種を行った。また比較例とし
て、従来のFe−Si系接種剤を用いて塗型接種を行っ
て同様に鋳造を行った。さらに別の比較例として接種剤
を用いずに同様に鋳造を行った。得られた各テストピー
スにつき鋳肌からの距離と黒鉛粒数との関係を調査し
た。その結果を図6〜図8に示す。図6〜図8において
○は図5におけるt1の鋳型により得られた1mm厚の
テストピースを用いた調査結果を示し、◇は図5におけ
るt2の鋳型により得られた2mm厚のテストピースを
用いた調査結果を示し、□は図5におけるt3の鋳型に
より得られた3mm厚のテストピースを用いた調査結果
を示し、△は図5におけるt4の鋳型により得られた4
mm厚のテストピースを用いた調査結果を示す。
【0023】図6に示されるように接種剤を添加せずに
鋳造を行った場合には、鋳肌近傍における黒鉛粒数が極
めて低く、チル化の可能性が認められる。これに対して
図7に示されるようにFe−Si系接種剤を用いて塗型
接種を行って鋳造を行った場合には図6に示される接種
剤を添加せずに鋳造を行った場合に比べ、黒鉛粒数が増
加している。しかし、図8に示されるようにNi−Si
系接種剤を用いて塗型接種を行った実施例の場合ではF
e−Si系接種剤を用いて塗型接種を行った図7の実施
例の場合に比べて更に黒鉛粒数が増加しており、格段に
黒鉛粒数が多い。
【0024】従って以上の図8の実施例及び図6、7の
比較例の結果に示されるように、本発明実施例の接種剤
では球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より低温であることにより
接種剤が容易に早く溶け、接種剤が容易に早く溶けない
比較例の場合には接種効果が現れるのに時間がかかるの
に対して短時間で接種効果が現れ、黒鉛粒数が増える。
特に鋳型表面部では球状黒鉛鋳鉄溶湯の温度が低いので
従来のFe−Si接種剤では溶け込まないのに対し、本
発明実施例の接種剤であるNi−Si合金接種剤では従
来のFe−Si等の接種剤に比べて非常に低い温度から
溶け始め、黒鉛粒数が増加することから鋳物表面のチル
化防止については従来のFe−Si等の接種剤に比べて
本発明の接種剤例えばNi−Si合金の接種剤がはるか
に有利となる。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明の接種剤によれば、
球状黒鉛鋳鉄の製造に用いられ黒鉛化促進元素を含み溶
融温度が球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より低温である様にし
たので接種剤が容易に早く溶け、接種剤が容易に早く溶
けない場合には接種効果が現れるのに時間がかかるに対
して短時間で接種効果が現れ、接種剤の溶け残りが少な
い。また本発明の接種剤例えばNi−Si合金接種剤で
は従来のFe−Si等の接種剤に比べて非常に低い温度
から溶け始め、従って、本発明の球状黒鉛鋳鉄の溶融温
度より低温である接種剤例えばNi−Si合金の接種剤
では球状黒鉛鋳鉄溶湯の表面への添加時における黒鉛粒
数が増え、表面のチル化を防止することができる。さら
に本発明では溶融温度が球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より低
温である接種剤例えばNi−Si合金の接種剤と溶融温
度が球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より低温である接種剤例え
ばFe−Siの接種剤とを混合して接種剤として用いる
のでこの様に両者を混合することによって、安価とする
ことができる。また特にNi−Si合金の接種剤とFe
−Siの接種剤の特性の中間的特性の接種剤を用いる必
要があるときに有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の接種剤を添加して得られた
球状黒鉛鋳鉄鋳物につきYブロック底からの距離と球状
化率および黒鉛粒数との関係を調査した結果を示す図。
【図2】 本発明の実施例の接種剤を添加して得られた
球状黒鉛鋳鉄鋳物につきYブロック底からの距離とミク
ロ組織の変化との関係を調査した結果を示す金属組織写
真。
【図3】 同じく本発明の実施例の接種剤を添加して得
られた球状黒鉛鋳鉄鋳物につきYブロック底からの距離
とミクロ組織の変化との関係を調査した結果を示す金属
組織写真。
【図4】 本発明の実施例の接種剤を用いて塗型接種を
行って得られたテストピース及び比較例のテストピース
における鋳肌付近の金属組織写真。
【図5】 本発明の実施例に用いた鋳造方案の正面図。
【図6】 本発明の実施例に対する比較例のテストピー
スにおける鋳肌からの距離と黒鉛粒数との関係を調査し
た結果を示す図。
【図7】 本発明の実施例に対する他の比較例のテスト
ピースにおける鋳肌からの距離と黒鉛粒数との関係を調
査した結果を示す図。
【図8】 本発明の実施例のテストピースにおける鋳肌
からの距離と黒鉛粒数との関係を調査した結果を示す
図。
【符号の説明】
1・・・鋳型、2・・・Ni−Si系接種剤、A・・・
接種剤添加部、B・・・接種剤非添加部、t1・・・1
mm厚テストピース、t2・・・2mm厚テストピー
ス、t3・・・3mm厚テストピース、t4・・・4m
m厚テストピース、○・・・t1鋳型により得られた1
mm厚テストピースを用いた調査結果、◇・・・t2鋳
型により得られた2mm厚テストピースを用いた調査結
果、□・・・t3鋳型により得られた3mm厚テストピ
ースを用いた調査結果、△・・・t4鋳型により得られ
た4mm厚テストピースを用いた調査結果。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球状黒鉛鋳鉄の製造に用いられ黒鉛化促
    進元素を含み溶融温度が球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より低
    温であることを特徴とする接種剤。
  2. 【請求項2】 球状黒鉛鋳鉄の製造に用いられ黒鉛化促
    進元素を含み溶融温度が球状黒鉛鋳鉄の溶融温度より低
    温である接種剤と溶融温度が球状黒鉛鋳鉄の溶融温度よ
    り高温である接種剤を混合又は合金化したことを特徴と
    する接種剤。
  3. 【請求項3】 球状黒鉛鋳鉄の製造に用いられ黒鉛化促
    進元素を含み主成分がSi及びNiであることを特徴と
    する鋳鉄用接種剤。
  4. 【請求項4】 球状黒鉛鋳鉄の製造に用いられ黒鉛化促
    進元素を含み主成分がSi及びNiであり、3wt%以下
    のBaを含有することを特徴とする鋳鉄用接種剤。
  5. 【請求項5】 球状黒鉛鋳鉄の製造に用いられ黒鉛化促
    進元素を含み主成分がSi及びNiである接種剤と主成
    分がSi及びFeである接種剤を混合又は合金化したこ
    とを特徴とする接種剤。
  6. 【請求項6】 主成分がSi及びNiである接種剤と主
    成分がSi及びFeである接種剤との混合又は合金化比
    率を1/3〜3/1とする請求項5記載の接種剤。
  7. 【請求項7】 主成分がSi及びNiである接種剤が3
    wt%以下のBaを含有する請求項5又は請求項6記載の
    接種剤。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11396041B2 (en) 2018-12-27 2022-07-26 Hyundai Motor Company Method for manufacturing cast iron casting with fining graphite and suspension part

Cited By (2)

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US11396041B2 (en) 2018-12-27 2022-07-26 Hyundai Motor Company Method for manufacturing cast iron casting with fining graphite and suspension part
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