JPH08208952A - 押出し成形シート状物とその用途 - Google Patents

押出し成形シート状物とその用途

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JPH08208952A
JPH08208952A JP7043571A JP4357195A JPH08208952A JP H08208952 A JPH08208952 A JP H08208952A JP 7043571 A JP7043571 A JP 7043571A JP 4357195 A JP4357195 A JP 4357195A JP H08208952 A JPH08208952 A JP H08208952A
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titanate
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稔 安喜
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尚吾 川上
Fumio Ohama
二三夫 大浜
Atsunori Okada
篤則 岡田
Yasuki Nakayama
泰樹 中山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 押出し成形にて連続成形可能な高誘電性
の基板であって、高い耐熱性を有する実用可能な熱可塑
性樹脂基板として極めて好適な押出し成形シート状物と
その用途を提供する。 【構成】 85モル%以上の1,4−シクロヘキサ
ンジメチレンテレフタレート系繰返し単位を有するポリ
エステルに、一般式MO・TiO2(MはBa、Sr、C
a、Mg、Co、Pd、Zn、Be、Cdからなる群より選ば
れる一種又は二種以上の金属元素を示す)で表される繊
維状チタン酸金属塩及び/又は該繊維状チタン酸金属塩
を非結晶質酸化チタンが包みこんだ態様で複合一体化し
た複合繊維であって金属MとTiのモル比が1:1.00
5〜1.5の範囲にある複合繊維を、上記ポリエステル
及び上記繊維状物の合計重量を基準として5〜80重量
%配合し押出し成形にて製造されたことを特徴とする押
出し成形シート状物、更に押出し成形シートを熱圧延し
てなる圧延ボード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル系樹脂を
マトリックス樹脂とした樹脂組成物より得られる押出し
成形シ−ト状物に関する。更に詳しくは、高比誘電率、
低誘電正接、高耐熱性及び高機械強度を兼備し、通信機
のアンテナ基板、通信機以外の電気電子機器のプリント
配線板等の高周波帯域で使用される電気回路用基板材料
として極めて好適な押出し成形シート状物に関する。
【0002】
【従来の技術】アンテナ回路基板の小型化という課題に
対しては、基板の比誘電率を上げるという有力な解決方
法があり、該分野においては従来、アルミナ基板等のセ
ラミックス基板が主として用いられていた。しかしなが
ら、セラミックス基板の様な薄板等の製造には押出し成
形又はロール圧延成形等によってグリーンシートを作製
し、パンチングプレス等で所定の形状に打ち抜き成形し
た後、これらの一次成形品を焼成し、冷却後に仕上げの
ための切削加工等を施す必要があり、最終製品を得るま
での工程は極めて複雑で長く、大量生産には適していな
い。一方、樹脂に粉末状の高誘電性フィラーを配合する
方法も検討されている。しかしながら、所望の高誘電性
能を得ようとすれば、粉末状の高誘電性フィラーの添加
量を多くしなければならず、そのため押出し成形性が損
なわれ、且つ機械的強度が著しく低下する。また、誘電
性フィラーとして繊維形状のものを用いて強度や異方性
を生かすことも検討されている。しかしながら、これら
従来の材料はいずれもその強度や電気的特性において十
分満足出来るものとは言えなかった。
【0003】PET樹脂に代表される熱可塑性ポリエス
テル樹脂は、機械的性質、電気的性質に優れており、多
くの工業製品に使用されている。そして更に、耐熱性を
有するポリエステルとしては、例えば、特開昭54−8
8954号に示されるような分子内にシクロヘキサン環
を有するものが挙げられる。従来、繊維状チタン酸金属
塩化合物の製造法としては、例えば、特公昭62−71
60号に示される様に、チタン酸カリウム繊維、二酸化
チタン繊維等を2価の金属イオンを含む溶液と密閉容器
中又は水熱条件下において反応させる方法、また特公昭
62−55243号には、チタン酸カリウム繊維とバリ
ウム化合物とを混合し焼成する方法、又特開昭63−2
60822号には、チタン酸繊維とバリウム化合物を混
合し、更にこれらにフラックス成分としてNaCl、KC
l等を加えて焼成する方法等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は押出し
成形にて連続成形可能な高誘電性の基板であって、高い
耐熱性を有する実用可能な熱可塑性樹脂基板として極め
て好適な押出し成形シート状物とその用途を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は85モル%以上
の1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート系
繰返し単位を有するポリエステルに、一般式MO・Ti
2(MはBa、Sr、Ca、Mg、Co、Pd、Zn、Be、
Cdからなる群より選ばれる一種又は二種以上の金属元
素を示す)で表される繊維状チタン酸金属塩及び/又は
該繊維状チタン酸金属塩を非結晶質酸化チタンが包みこ
んだ態様で複合一体化した複合繊維であって金属MとT
iのモル比が1:1.005〜1.5の範囲にある複合繊
維を、上記ポリエステル及び上記繊維状物の合計重量を
基準として5〜80重量%配合し押出し成形にて製造さ
れたことを特徴とする押出し成形シート状物に係る。
【0006】更に本発明は、上記押出し成形シートを熱
圧延してなる圧延ボードに係る。本発明においては、樹
脂として85%以上の1,4−シクロヘキサンジメチレ
ンテレフタレート系繰り返し単位を有するポリエステル
系樹脂(以下、PCTAと称する)を用いる。この樹脂
は、優れた耐熱性を有する樹脂であり、本発明で規定す
る特定の繊維状物を配合することにより該樹脂の有する
低い誘電正接を高周波帯域での使用に支障をきたす程度
まで引き上げることなく高い誘電率を持つ回路基板用材
料に要求される強度と低熱変形性を兼ね備える材料を得
ることが出来るという優れた特徴を有する。
【0007】本発明に用いられるPCTA樹脂は、テレ
フタル酸の低級アルキルエステルと1,4−シクロヘキ
サンジメタノールとからの通常のエステル化反応、また
はエステル交換反応によって得られる低重合体を通常の
方法で溶融重合もしくは固相重合させて得ることが出来
る。本発明のPCTA樹脂は、1,4−シクロヘキサン
ジメチレンテレフタレート系の繰り返し単位に加えて、
共重合成分として種々の酸成分、グリコール成分等を含
むものであってもよい。斯かる共重合成分として含まれ
ていてもよい成分のうち、酸成分としては、イソフタル
酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルメタンジカル
ボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、p−(2−
ヒドロキシエトキシ)安息香酸、5−ナトリウムスルホ
イソフタル酸、テトラデカン−1,14−ジカルボン
酸、オクタデカン−1,18−ジカルボン酸、6−エチ
ル−ヘキサデカン−1,16−ジカルボン酸等を挙げる
ことが出来る。
【0008】また、グリコール成分としては、プロピレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ブチレングリコ
ール、ペンチルグリコール、ネオペンチルグリコール、
ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリ
コール類等を挙げることが出来る。本発明のPCTA樹
脂においては、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレ
フタレート系の繰り返し単位を85モル%以上含むこと
が必要であり、好ましくは88モル%以上含むものを用
いるのがよい。1,4−シクロヘキサンジメチレンテレ
フタレート系の繰り返し単位が85モル%を下回ると、
融点が250℃以下と低くなり、ハンダ耐熱性を有する
ことが出来なくなるためである。
【0009】本発明に用いることの出来る誘電性繊維状
物としては、一般式MO・TiO2(MはBa、Sr、C
a、Mg、Co、Pd、Zn、Be、Cdからなる群より選ば
れる一種又は二種以上の金属元素を示す)で表される繊
維状チタン酸金属塩(以下、繊維Aと称し、Mが単独の
金属であるものを繊維A−1と称し、Mが二種以上の金
属であるものを繊維A−2と称する)及び一般式MO・
TiO2(MはBa、Sr、Ca、Mg、Co、Pd、Zn、B
e、Cdからなる群より選ばれる一種又は二種以上の金属
元素を示す、)で表される組成を持つ繊維状チタン酸金
属塩を非結晶質酸化チタンが包みこんだ態様で複合一体
化した複合繊維であって、金属MとTiのモル比が1:
1.005〜1.5の範囲にあるもの(以下繊維Bと称
し、Mが単独の金属であるものを繊維B−1、Mが二種
以上の金属であるものを繊維B−2と称する)が好まし
く用いられる。繊維A及び繊維Bにおける金属元素Mと
しては、少なくとも2種以上の2価金属であるものが好
ましい。Mが単独の金属である場合に比べて高周波数帯
域における誘電正接が低いという好ましい特徴を有して
いるからである。
【0010】また、繊維Bはアモルファス酸化チタンに
より繊維Aより一般に高い強度を有するという利点をも
つため、配合時の形状保持率が高くより好ましく用いる
ことが出来る。尚、繊維Bにおける金属MとTiのモル
比が1.5を超えるものは比誘電率が劣るため好ましく
ない。本発明に用いることのできる繊維A−1及び繊維
A−2は、一般式TiO2・mH2O(式中mは0≦m<
8)で表されるチタニア化合物やルチルサンド等のチタ
ン源化合物と加熱することにより金属Mの酸化物となり
うる物質の一種又は二種以上を混合し、アルカリ金属ハ
ロゲン化物等のフラックスの存在下600〜900℃程
度の温度で加熱反応させることにより得ることが出来
る。前記繊維の好ましい製造方法の一例としては、繊維
状チタニア化合物の表面に、チタン成分が金属成分に対
して過剰となるような所定の割合で、一種又は二種以上
の金属元素の炭酸塩を沈着させ、その後加熱処理するこ
とによって得ることが出来る。このものは結晶質である
チタン酸金属塩(金属が二種以上の場合はチタン酸金属
塩の固溶体となる)の粒状物が非結晶質酸化チタンから
なるマトリックスに包み込まれた態様の複合繊維であ
る。
【0011】前記繊維の好ましい製造方法を更に詳しく
説明すると、原料の繊維状チタニア化合物としては、繊
維長と繊維径の比が3以上、好ましくは3以上10未満
であり繊維形状を有する一般式TiO2・nH2O(式中
nは0≦n≦10)で表される成分が90%以上である
ものが好ましく用いられる。このような繊維状チタニア
化合物は、例えば、繊維状チタン酸アルカリ金属塩を酸
性溶液中で処理して、脱アルカリ反応を行なうことによ
って容易に得ることが出来る。尚、チタニア化合物とし
て、n=0である針状もしくは繊維状の酸化チタンを用
いてもよい。まず、前記繊維状チタニア化合物を水もし
くは各種有機溶媒等の分散媒に分散させてスラリーとし
た後、一種又は二種以上の金属元素の化合物溶液を該ス
ラリーに添加する。斯かる金属元素の化合物としては、
金属のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ギ酸
塩、シュウ酸塩、水酸化物、次亜塩素酸塩、過塩素酸塩
等を例示でき、これらは各々の金属に対して一種又は二
種以上を併せて用いてもよい。これらの金属元素の化合
物が液状でない場合には溶解させて溶液とすることが出
来る。その際に用いることの出来る溶媒としては、水又
は各種の有機溶媒を用いることが出来る。添加量とし
て、繊維状チタニア化合物1モルに対して、一種又は二
種以上の金属Mの合計モル数が1.005〜1.5となる
ように添加する場合には、繊維Bを得ることが出来、1
となるように添加する場合には繊維Aを得ることが出来
る。
【0012】次に炭酸イオンを含有する溶液を攪拌しな
がら添加するか、又は攪拌下の溶液に炭酸ガスを吹き込
むことにより原料の繊維状チタニア化合物の表面に金属
化合物の炭酸塩を沈着することが出来る。この際、反応
中の溶液のpHはアンモニア等のアルカリ性溶液を用い
て8〜10の弱アルカリ性に調整することが出来、これ
により生成した炭酸塩の溶解を防止して仕込み比に応じ
た最終目的物を得ることが出来る。次に、上記炭酸塩が
沈着せしめられた繊維状チタニア化合物を、適宜濾別、
水洗、乾燥した後、500〜1300℃、好ましくは7
00〜1100℃程度の温度で3分〜24時間程度加熱
処理することにより目的の繊維を得ることが出来る。
尚、本発明に用いられる繊維状物は、1種を単独で用い
てもよく、2種以上を併用してもよい。又、本発明の効
果を損なわない範囲でチタン酸バリウム、チタン酸スト
ロンチウム、チタン酸バリウムストロンチウム、チタン
酸ジルコン酸鉛等の粉末状の高誘電体を併用してもよ
い。
【0013】本発明に用いられる上記繊維状物のアスペ
クト比(繊維長/繊維径)としては、好ましくは3以
上、更に好ましくは6〜100程度のものがよい。又、
繊維径は、好ましくは0.01〜10μm、さらに好まし
くは0.1〜5μmのものがよい。繊維径が10μmを越
える太い繊維状物を用いた場合、成形品表面の平滑性が
劣り、特に高周波域での信号伝達速度の遅延を起こす恐
れがあり、又、成形品内の誘電率、誘電正接等のバラツ
キを大きくするため好ましくない。本発明におけるPC
TA樹脂に対する無機質繊維状物の配合割合は、使用目
的に応じて広い範囲から選択することが可能であるが、
上記PCTA樹脂及び上記繊維状物の合計量を基準とし
て通常5〜80重量%の範囲とするのがよい。配合量が
5重量%を下回るとシート状物の誘電率向上効果に乏し
いため好ましくなく、また80重量%を超えると成形が
困難になり且つ強度が著しく低下するため好ましくな
い。尚、本発明は斯かる配合比率を調整することによ
り、目的物の比誘電率を広い範囲で自在に設定可能であ
るという優れた効果を有する。
【0014】本発明においては、上記の必須成分に加え
て本発明の効果を妨げない範囲で(1)ポリマーと繊維
状物の界面の親和性や接合性を向上させ、機械的強度を
改良するために、シラン系カップリング剤、チタネート
系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング
剤等のカップリング剤を、(2)メッキ性を改良するた
めに、タルク、ピロリン酸カルシウム等の微粒子性充填
剤を、(3)熱安定性を一層改善するために、酸化防止
剤を、(4)耐光性を改良するために紫外線吸収剤等の
光安定剤を、(5)難燃性を一層改善するために、ハロ
ゲン系もしくはリン系等の難燃剤及びアンチモン系化合
物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、酸化ジルコニウ
ム等の難燃助剤を、(6)耐衝撃性を改良するために耐
衝撃性付与剤を、(7)潤滑性を改良するために、滑
剤、摺動性改良剤(固体潤滑剤、液体潤滑剤)を、
(8)着色するために、染料、顔料などの着色剤を、
(9)物性を調整するために可塑剤、架橋剤等の添加剤
をそれぞれ配合することが出来る。本発明の樹脂組成物
を製造するに当たっては、従来公知の方法を広く採用で
きる。例えば、該樹脂に必要に応じて、上記添加剤をタ
ンブラー又はリボンミキサー等を用いて混合した後、二
軸押出機を用いて溶融混練しながら、途中で上記繊維状
物を所定量供給混練し、ペレット化するのがよい。
【0015】本発明のシート状物は、寸法安定性、低ソ
リ性、耐熱性等を向上させるために熱圧延加工して用い
るのが好ましい。斯かる熱圧延条件としては、通常、加
熱温度110〜250℃、昇温速度3〜15℃/分とす
るのがよく、好ましくは150〜220℃、昇温速度5
〜10℃/分とするのがよい。また、圧力条件としては
15〜90kg/cm2、好ましくは30〜70kg/cm2とす
るのがよい。本発明のシート状物は回路基板等の積層用
プレプリグとして特に優れたものである。かかる積層基
板の製造にあたっては、必要に応じて他の材料を積層、
もしくはメッキ、接着等を行い、回路基板として用いる
ことが出来る。以下に、好ましい回路基板の構成を例示
する。 (1)本発明のシート状物の少なくとも片面に、導電性
の金属薄膜を接着もしくはメッキしたもの。 (2)少なくとも2枚の本発明のシート状物の間に、ガ
ラスクロス、低誘電性ガラスクロス、セラミック繊維抄
紙シート、アラミド繊維シート等の補強シートを挟み込
み圧着したものの少なくとも片面に、導電性金属の薄膜
を接着もしくはメッキしたもの。 かかる回路基板は、通常の積層方法にて製造することが
出来る。
【0016】本発明のシート状物は、通信機のアンテナ
基板、通信機以外の電気電子機器のプリント配線板等の
高周波帯域で使用される電気回路用基板として極めて好
適に使用できる。ここで通信機以外の電気電子機器とし
ては、例えばコンピュータとその端末、事務機器、計測
制御機器、ビデオ機器、自動車、飛行機等の輸送機器、
オーディオ、テレビ、カメラ等を挙げることができる。
【0017】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を更に詳しく説
明する。具体的に実施例で示す各種誘電性繊維状物の合
成法を製造例1〜4に示す。
【0018】製造例1 繊維状チタニア水和物(TiO2・1/2H2O、平均繊
維長12μm、平均繊維径0.3μm)20gを1リットル
の脱イオン水に分散させ、攪拌しながらアンモニア水
〔25%和光純薬(株)製、試薬特級〕を15ml滴下し
てpHを9に調整した。その後、20重量%の酢酸バリ
ウム水溶液260gと15重量%の炭酸アンモニウム水
溶液170gを混合することなく同時に滴下した。滴下
は室温で攪拌下に60分間かけて行った。その際、10
分毎にpHを確認し、pHが8〜10の範囲となるように
アンモニア水で調整した。この繊維状物はX線回折、赤
外線吸収スペクトル分析及び走査型電子顕微鏡観察の結
果から、繊維原料であるチタニア水和物の形状を保持し
て、平均アスペクト比が約20であり、その表面が炭酸
バリウムで覆われてBa/Ti=0.9/1(モル比)の
組成を示すものであることが判った。この繊維状物20g
をアルミナるつぼに移し、大気雰囲気下で950℃で2
時間加熱処理することにより16.3gの白色の繊維状物
質を得た。このものを化学分析したところ、Ba/Ti=
0.9/1(モル比)であることがわかった。又、X線
回折及び透過型電子顕微鏡観察の結果からこのものが結
晶質BaTiO3 90モル%、非晶質TiO2 10モル
%からなり、結晶質BaTiO3を非晶質TiO2が包み込
むような形で複合一体化した繊維状物であることがわか
った。このものをFB−1と称する。
【0019】製造例2 繊維状チタニア水和物(TiO2・1/8H2O、平均繊
維長15μm、平均繊維径0.3μm)20gを1リットル
の脱イオン水に分散させ、攪拌しながらアンモニア水
〔25%和光純薬(株)製、試薬特級〕を10ml滴下し
てpHを9に調整した。その後、20重量%の酢酸バリ
ウム水溶液153gと20重量%の酢酸ストロンチウム
水溶液127gを各々同時に滴下した。滴下は室温で攪
拌しながら30分かけて行った。その後15重量%の炭
酸アンモニウム水溶液200gを60分間かけて攪拌し
ながら滴下した。滴下終了後、更に30分間攪拌を続け
た後、濾過、水洗、乾燥したところ白色の繊維状物61g
を得た。この繊維状物はX線回折、赤外線吸収スペクト
ル分析及び走査型電子顕微鏡観察の結果から、繊維原料
であるチタニア水和物の形状を保持し、その表面に炭酸
バリウム及び炭酸ストロンチウムが沈着したものである
ことが判明した。また、蛍光X線分析の結果よりBa/
Sr/Ti=0.490/0.504/1.000(モル
比)であることが判明した。この繊維状物30gをアル
ミナるつぼに移し、大気雰囲気下で970℃にて3時間
加熱処理することにより24.5gの白色の繊維状物質を
得た。このものを化学分析したところ、Ba/Sr/Ti
=0.490/0.504/1.000(モル比)である
ことがわかった。またX線回折及び透過型電子顕微鏡観
察の結果からこのものが結晶質(Ba,Sr)TiO3
9.4モル%、非晶質TiO2 0.6モル%からなり、結
晶質(Ba,Sr)TiO3を非晶質TiO2が包み込むよう
な形で複合一体化した繊維状物であることが確認され
た。このものをFB−2と称する。
【0020】製造例3 チタン酸カリウム水和物繊維(2K2O・11TiO2
3H2O、繊維長と繊維径の比が少なくとも10であ
る)2.0gを内容積23mlのモレー型オートクレーブに
水酸化バリウム4.4g、水12.0mlと共に入れ、50
0℃に24時間保った。反応後、急冷した試料を取り出
し、濾過、水洗し、80℃で一昼夜乾燥した。このもの
を化学分析したところ、Ba/Ti=1/1(モル比)で
あることがわかった。またX線回折及び透過型電子顕微
鏡観察の結果からこのものが結晶質BaTiO3であるこ
とがわかった。このものをFA−1と称する。
【0021】製造例4 繊維状チタニア水和物(TiO2・1/8H2O、平均繊
維長15μm、平均繊維径0.3μm)20gを1リットル
の脱イオン水に分散させ、攪拌しながらアンモニア水
〔25%和光純薬(株)製、試薬特級〕を10ml滴下し
てpHを9に調整した。その後、20重量%の酢酸バリ
ウム水溶液156gと20重量%の酢酸ストロンチウム
水溶液126gを各々同時に滴下した。滴下は室温で攪
拌しながら30分かけて行った。その後15重量%の炭
酸アンモニウム水溶液200gを60分間かけて攪拌し
ながら滴下した。滴下終了後、更に30分間攪拌を続け
た後、濾過、水洗、乾燥したところ白色の繊維状物61
gを得た。この繊維状物はX線回折、赤外線吸収スペク
トル分析及び走査型電子顕微鏡観察の結果から、繊維原
料であるチタニア水和物の形状を保持し、その表面に炭
酸バリウム及び炭酸ストロンチウムが沈着したものであ
ることが判明した。また、蛍光X線分析の結果より、B
a/Sr/Ti=0.500/0.500/1.000(モル
比)であることが判明した。この繊維状物3.0gをアル
ミナるつぼに移し、大気雰囲気下で1000℃、5時間
加熱処理することにより24.3gの白色の繊維状物質を
得た。このものを化学分析したところ、Ba/Sr/Ti
=0.500/0.500/1.000(モル比)である
ことがわかった。またX線回折及び透過型電子顕微鏡観
察の結果からこのものが結晶質(Ba,Sr)TiO3であ
ることが確認された。このものをFA−2と称する。
【0022】実施例1〜7 極限粘度1.00のポリシクロヘキサンジメチレンテレ
フタレート/イソフタレート(テレフタレート95モル
%、イソフタレート5モル%)(以下PCTAと略す)
に上記製造例1〜4で得られた誘電性繊維状物をそれぞ
れ表1の実施例1〜7の欄に示す配合比で配合調製し、
2軸押出機を用いて、285℃で溶融混練し、それぞれ
ペレットを得た。これらをそれぞれTダイを用いた押出
しシート成形装置にて、厚み1.0mmのシートに成形し
た。いずれも表面平滑で、外観良好な押出し成形シート
を得ることができた。これらの押出し成形シートを押出
し圧力40kg/cm2で180℃まで、昇温速度5℃/分
の速度で昇温させ、15分間保持した後、速やかに冷却
し、ボードを得た。これらのボードの曲げ強度、耐ハン
ダ性、誘電特性を測定したところ良好な結果を得た。
尚、測定法及び評価は次の通りに行った。 表面平滑性:表面粗さ計 サ−フコム300B〔(株)
東京精密製〕を使用し最大高さRmaxにて5μm以下
を○良好、5μm以上10μm以下を△やや良好、10μ
m以上を×不良の3段階で表示した。 曲げ強度 :ASTM D 790に従って測定した。 変形率 :ASTM D 790に従って測定した。 曲げ弾性率:ASTM D 790に従って測定した。 耐ハンダ性:幅2cm×長さ5cmの試験片を260℃×6
0sec、ハンダ浴に浸漬した時の変化を○良好、△やや
良好、×不良の3段階で表示した。 誘電率、誘電正接:1MHzにおける誘電率、誘電正接
はインピーダンスアナライザー(4192A 横河ヒュ
ーレットパッカード社製)を用い、容量法で測定し、3
GHzにおける誘電率、誘電正接はネットワークアナラ
イザー(8510C ヒューレットパッカード社製)を
用い、空洞共振法で測定した。 これらのボードにつき評価した結果を併せて表2の実施
例1〜7に示す。
【0023】比較例1〜3 実施例と同様に表1の比較例1〜3の欄の示す配合比で
配合した。これらを実施例と同様にペレットを作製し、
シート成形、プレスを行い、試験片を得た。実施例と同
様に評価を行い、結果を表2の比較例1〜3に示す。比
較例で用いた誘電性粉末として チタン酸バリウム粉末:富士チタン工業 製 商品名H
PBT 平均粒径0.5μm、長さ1.5mm ガラス繊維:日本電気硝子繊維(株)製Eガラス短繊維
直径13μm、長さ3.0mmを用いた。 比較例1、2はボードの表面平滑性に優れているもの
の、機械的特性が劣り、また、誘電特性についても実施
例2、3と比較すると劣る。比較例3は機械的特性は向
上しているが、ボードの表面平滑性が劣る。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば表面平滑性に優れ、高比誘電率、低誘電正接、
高耐熱性及び高機械強度を兼備し、通信機のアンテナ基
板、通信機以外の電気電子機器のプリント配線板等の高
周波帯域で使用される電気回路用基板材料として極めて
好適な押出し成形シート状物を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 1/03 610 M 7511−4E // B29K 67:00 B29L 7:00 (72)発明者 川上 尚吾 大阪府大阪市中央区大手通3丁目2番27号 大塚化学株式会社内 (72)発明者 大浜 二三夫 京都府宇治市宇治樋ノ尻31番地3 ユニチ カ株式会社宇治プラスチック工場内 (72)発明者 岡田 篤則 大阪府大阪市中央区久太郎町4丁目1番地 3 ユニチカ株式会社内 (72)発明者 中山 泰樹 京都府宇治市宇治樋ノ尻31番地3 ユニチ カ株式会社宇治プラスチック工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 85モル%以上の1,4−シクロヘキサ
    ンジメチレンテレフタレート系繰返し単位を有するポリ
    エステルに、一般式MO・TiO2(MはBa、Sr、C
    a、Mg、Co、Pd、Zn、Be、Cdからなる群より選ば
    れる一種又は二種以上の金属元素を示す)で表される繊
    維状チタン酸金属塩及び/又は該繊維状チタン酸金属塩
    を非結晶質酸化チタンが包みこんだ態様で複合一体化し
    た複合繊維であって金属MとTiのモル比が1:1.00
    5〜1.5の範囲にある複合繊維を、上記ポリエステル
    及び上記繊維状物の合計重量を基準として5〜80重量
    %配合し押出し成形にて製造されたことを特徴とする押
    出し成形シート状物。
  2. 【請求項2】 請求項1の押出し成形シート状物を熱圧
    延してなるボード。
  3. 【請求項3】 Mが二種以上の金属元素である請求項1
    の押出し成形シート状物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3の材料を用いてなる
    周波数100MHz以上の電気信号を取り扱うための高
    周波電気回路用基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010030234A (ja) * 2008-07-31 2010-02-12 Shushi Hattori 押出成形品の加工装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06200132A (ja) * 1992-09-18 1994-07-19 Toray Ind Inc ランプリフレクター用樹脂組成物

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