JPH08208855A - ポリエステルシート - Google Patents

ポリエステルシート

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JPH08208855A
JPH08208855A JP15493995A JP15493995A JPH08208855A JP H08208855 A JPH08208855 A JP H08208855A JP 15493995 A JP15493995 A JP 15493995A JP 15493995 A JP15493995 A JP 15493995A JP H08208855 A JPH08208855 A JP H08208855A
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JP
Japan
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sheet
polyester sheet
polyester
thickness
sheet according
Prior art date
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Application number
JP15493995A
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English (en)
Inventor
Satoyuki Kotani
智行 小谷
Satoyuki Itagaki
智行 板垣
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 厚み(t)が0.5〜30mm,高速衝撃強
度(FI)が1000N以上、高速衝撃強度の厚み依存
性値(FI/t)が500N/mm以上、かつ、光線透
過率が60%以上であることを特徴とするポリエステル
シート及びその成形品。 【効果】 本発明のポリエステルシートは、透明性、耐
衝撃性などに優れ、窓板、棚板、看板等に利用すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明性、耐衝撃性などに
優れたポリエステルシートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックシートが、ガラス板
の代替品として、板状または曲面に成形した形で使用さ
れるようになってきている。その理由として、プラスチ
ックシートの軽量性及び優れた加工性や透明性を挙げる
ことができる。該プラスチックシートとしては主にアク
リル樹脂シートが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
アクリル樹脂シートは、その材質に起因する問題点を内
在している。すなわち、アクリル樹脂シートは一般に耐
衝撃性が劣るために、使用時だけでなく、製品輸送や保
管等の際に破損してしまう場合がある。このようなアク
リル樹脂製のプラスチックシートの欠点である耐衝撃性
の不足を解決し、かつコスト面にも優れているプラスチ
ックシートが強く望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑み鋭意検討を行った結果、特定の厚み、透明性及び
耐衝撃性等を有するポリエステルシートによれば、上記
の課題が解決できることを見いだし本発明を解決するに
至った。すなわち、本発明の要旨は、厚み(t)が0.
5〜30mm、高速衝撃強度(FI )が1000N以
上、高速衝撃強度の厚み依存性値(FI /t)が500
N/mm以上、かつ、光線透過率が60%以上であるこ
とを特徴とするポリエステルシートに存する。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いうポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸成分とグリ
コール成分とからなるものである。芳香族ジカルボン酸
成分としては、テレフタル酸がその代表例として挙げら
れ、その他にイソフタル酸、2,6ーナフタレンジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、pーオキシエトキシ
安息香酸等がある。グリコール成分としては、エチレン
グリコールがその代表例として挙げられ、その他にジエ
チレングリコール、1,4ー及び1,3ーシクロヘキサ
ンジメタノール、プロピレングリコール、1,4ーブタ
ンジオール、1,2ーネオペンチルグリコール、ビスフ
ェノールA等がある。
【0006】ポリエステルとしては、原料が安価である
点、成形が容易である点、及び最終的に得られるシート
の物性が優れている点などにより、繰り返し構造単位と
してエチレンテレフタレート単位を通常80%以上、好
ましくは90%以上のものが用いられる。該エチレンテ
レフタレート単位が80%未満では、シート化加工時に
おける乾燥の際に融着が生じ取扱い性が悪化したり、得
られるシートの曲げ強度、耐薬品性、耐候性等の性質が
劣るようになり好ましくない。
【0007】また、本発明の目的を達成する好ましいポ
リエステルの組成としては、グリコール主成分をエチレ
ングリコールとし、ほかにジエチレングリコールあるい
はシクロヘキサンジメタノールを含有したものが挙げら
れる。好ましいシクロヘキサンジメタノールの含有量と
しては、全グリコール成分に対して、0.5〜10モル
%、更に好ましくは1.0〜5.0モル%の範囲であ
り、シクロヘキサンジメタノールとしては、特にシス/
トランス比が(20〜80)/(80〜20)の割合の
1,4ーシクロヘキサンジメタノールが使用される。ま
た、好ましいジエチレングリコールの含有量としては、
全グリコール成分に対して、0.5〜5.0モル%、更
に好ましくは1.0〜4.0モル%である。本発明のポ
リエステルシートに、かかるシクロヘキサンジメタノー
ル及びジエチレングリコールの構造単位を含むことによ
り、優れた耐衝撃性や透明性等の物性が発現しやすく、
また、加工特性が向上するので望ましい。
【0008】なお、ポリエステル重合に使用される触媒
としてはゲルマニウム、アンチモン、チタン及びコバル
ト化合物など特に限定はないが、優れた透明性を有する
ポリエステルシートを得るためにはゲルマニウム化合物
を使用することが好ましい。ゲルマニウム化合物として
は、ゲルマニウムの酸化物、無機酸塩、有機酸塩、ハロ
ゲン化合物、硫化物等が例示される。ゲルマニウム化合
物の使用量は、得られるポリエステル中に含まれるゲル
マニウム金属原子の量として、通常10〜100pp
m、好ましくは30〜60ppmである。かかる範囲に
おいては、優れた透明性のシートが得られるだけでな
く、オリゴマー副生の抑制や熱安定性の改良効果も得ら
れやすい。また、安定剤として、リン酸、亜リン酸、ポ
リリン酸、亜リン酸エステル類等のリン化合物をゲルマ
ニウム化合物と併用してもよい。安定剤の使用量は、得
られるポリエステル中に含まれるリン原子の重量とし
て、通常10〜200ppm、好ましくは20〜50p
pmであり、ゲルマニウム原子に対する重量比で通常
0.3〜1.5、好ましくは0.4〜1.0である。
【0009】以上の本発明のシート及びその成形品の原
料となるポリエステルは、公知のポリエステル、特にポ
リエチレンテレフタレートの重合方法に準じて、溶融重
合及び必要に応じて固相重合を行うことにより、所望の
物性を有するポリエステルが製造される。ポリエステル
の極限粘度は、0.5〜1.3dl/gの範囲が好まし
く、更に好ましくは0.6〜1.1dl/gである。極
限粘度が0.5dl/g未満では、シートの機械的性
質、特に耐衝撃性等が劣るだけでなく、シート外観が劣
るため不適である。一方、極限粘度が1.3dl/gを
越える場合においては、溶融流動性が劣るためにシート
の加工が困難となったりするような弊害が生じるために
不適である。
【0010】また、ポリエステルのオリゴマー含有量
は、その主成分である環状三量体の含有量として、通常
2.0重量%以下、好ましくは1.0重量%以下、更に
好ましくは0.5重量%以下である。環状三量体の含有
量が2.0重量%を越える場合、例えばシート化加工時
にダイスやロール等に付着し、汚染し、得られるシート
の表面性が損なわれたり、外観が不良となり、実用に耐
えないものとなり好ましくない。
【0011】更に、ポリエステルの末端カルボキシル基
の濃度は、通常30当量/トン以下、好ましくは20当
量/トン以下である。末端カルボキシル基の濃度が30
当量/トンを越える場合、前記説明したオリゴマーの低
減効果が少なく、シートの耐湿性や熱安定性等も低下す
るために好ましくない。上述の原料ポリエステルの極限
粘度、オリゴマー含有量、末端カルボキシル基濃度の値
は、通常、これをシートなどの成形体としたときの物性
値と概ね同様の範囲の値となる。
【0012】なお、ポリエステル原料には、再生ポリエ
ステルを用いてもよい。その配合量は、原料ポリエステ
ルに対して、通常5〜50重量%、好ましくは10〜4
0重量%である。また、本発明のシートの効果を損なわ
ない範囲内であれば、ポリカーボネート、ポリオレフィ
ン、ポリアミド等をポリエステルに配合してもよい。そ
の配合量としては最大で30重量%以下、好ましくは1
0重量%以下である。
【0013】次いで、かかるポリエステル原料を用い
て、ポリエステルシートを製造する。本発明におけるポ
リエステルシートとは、溶融押出し急冷固化してシート
化されるものであり、実質的にほとんど結晶化していな
い。シート化の加工方法は特に限定されないが、例え
ば、ポリエステル原料を常法により乾燥した後、押出機
により、通常200〜320℃の範囲の樹脂温度で押し
出して、キャスティングドラム上で冷却固化し、シート
を形成する方法が例示される。なお、該押出機にベント
を装備することにより、乾燥工程を省いたり、乾燥時間
を短縮化することができる。
【0014】該シート加工の際、シートの厚み均一性、
深絞り成形性や成形品の耐衝撃性を向上させる方法とし
て、次の条件が望ましい。冷却固化時のキャスティング
ドラムの温度は、通常0〜70℃、好ましくは10〜5
0℃、更に好ましくは20〜50℃である。また、かか
るキャスティングドラムの付近に、1個以上のニップロ
ールを装備し、シートの加工製造時に、該ニップロール
を押さえロールとして用いることも好ましい方法の一つ
である。
【0015】以上のような方法で得られる本発明のポリ
エステルシートの厚み(t)は、平均値として0.5〜
30mmであることが必要であり、好ましくは1〜30
mmの範囲であり、更に好ましくは2〜20mmの範囲
であり、特に好ましくは4〜10mmの範囲である。該
シートの厚みが薄すぎると、例えばシートの「こし」が
弱すぎたり、剛性や耐衝撃性が不足気味になったりする
ため後述する用途に使用し難く、逆に厚みが厚すぎる
と、例えばシート加工製造の困難さや成形加工性、透明
性及び軽量性が劣るようになり、更にはコスト的にも不
利である。
【0016】本発明のポリエステルシートの高速衝撃強
度(FI)は1000N以上であることが必要であり、
好ましくは2000N以上、更に好ましくは3000N
以上である。本発明者らの検討結果によれば、高速衝撃
強度(FI)とシートの耐衝撃性とは大きな相関関係が
あり、FIが1000N未満では、成形品の耐衝撃性が
不十分であるために不適である。
【0017】更に、耐衝撃性の評価方法としては、厚み
依存性値(FI /t)が重要であり、実用特性としての
耐衝撃性を評価するには、前記のFI の値だけでなく、
この高速衝撃強度(FI)の厚み(t)による依存性を
加味する必要がある。本発明のポリエステルシートで
は、この厚み依存性値(FI /t)が500N/mm以
上であることが必要であり、更に好ましくは1000N
/mm以上である。かかるFI/t値が500N/mm
未満である場合、耐衝撃性の改良効果が不十分であるた
めに不適である。
【0018】次に、本発明のポリエステルシートは透明
性に優れており、本発明においてはかかる透明性は全光
線透過率の値で評価することが可能である。本発明のポ
リエステルシートにおいては、かかる全光線透過率は6
0%以上であることが必要である。好ましい全光線透過
率は70%以上、更に好ましくは80%以上である。該
全光線透過率が60%未満の場合では、透明性の優れた
アクリル樹脂製のプラスチックシートの代替として使用
するには、透明性が不十分であるので不適である。
【0019】また、本発明のポリエステルシートのうち
表面が平坦なものの場合においては、かかる透明性は別
の尺度として、ヘーズの値で評価できる。本発明の透明
性の表面が平坦なポリエステルシートにおいては、ヘー
ズが通常5.0%以下、好ましくは2.0%以下、更に
好ましくは1.0%以下、特に好ましくは0.5%以下
である。該ヘーズ値が5.0%を越える場合では、透明
性の優れたアクリル樹脂製のプラスチックシートのうち
表面が平坦なものの代替として使用するには透明性が不
十分であるので好ましくない。
【0020】一方、本発明のポリエステルシートについ
ては、かかる好ましい規定として、全光線透過率とヘー
ズ以外に、全光線透過率と表面光沢度が挙げられる。本
発明者らの検討した結果によれば、ポリエステルシート
に付加価値として、高級感、防眩性や美麗な外観等の特
性を付与する方法として、驚くべき事にシートの表面光
沢度を特定の範囲に規定すれば好ましいことが明確にな
った。すなわち、少なくともシートの片面の光沢度Gs
が90%以下であることが好ましく、特に5〜60%の
範囲であることが好ましい。
【0021】なお、ここでGsとは、入光角及び受光角
が60゜の条件にて測定した表面光沢度を示す。本発明
においては、かかる光沢度Gsが90%を越える場合で
は、シートの付加価値としての高級感、防眩性や美麗な
外観等の特性が不充分であるために好ましくない。な
お、光沢度がかかる範囲を満足するシートの場合は、本
発明の構成要件である全光線透過率を満足していれば、
上記のヘーズが5%を越えていても構わない。
【0022】更に、本発明においては、ポリエステルシ
ートの熱的性質も重要である。即ち、ポリエステルシー
トを昇温速度20℃/分で測定した昇温結晶化温度(T
cc)の好ましい範囲は通常110〜200℃、好まし
くは130〜200℃、更に好ましくは150〜200
℃である。Tccが110℃未満の場合では、結晶化速
度が速すぎるために耐衝撃性の低下が著しくなり好まし
くない。一方、Tccが200℃を越える場合は結晶化
速度が遅すぎるために、乾燥時または固相重合時に融着
等が生じるようになり、取扱い性が劣るようになり好ま
しくない。
【0023】本発明のポリエステルシートは、シート自
体あるいシートを更に成形した成形品としての美観、装
飾効果を得るために、シートを様々な色彩に着色化を行
ってもよい。かかる方法としては特に限定されるもので
はないが、染料または顔料等の色材を固体分散剤を用い
て樹脂中に分散させたドライカラー、色材を液体分散剤
を用いて樹脂中に分散させたペーストカラー、色材を高
沸点液状分散剤を用いて樹脂中に分散させたリキッドカ
ラー、及び色材を樹脂中に最終濃度の数10倍の高濃度
に分散させたマスターバッチが知られている。これらの
中では、樹脂中への分散性が良好であり、また配合時の
取扱いが容易であることから、マスターバッチを用いる
着色化が好ましい。色材については特に限定はなく、各
種の染料、有機顔料または無機顔料等の中から任意に選
択でき、樹脂中の分散性、着色材自身の分配性、耐候
性、熱安定性、衛生性及びコスト等を勘案して適宜選択
すればよい。
【0024】なお、上記の色材以外にも、必要に応じて
隠蔽材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃化剤及び易滑
剤等の各種の添加剤を適宜配合される。さらには、表面
の傷入り防止や、帯電防止等を目的とした各種の表面処
理、及び保護シートの被覆等を行っても構わない。本発
明のポリエステルシートは、その極めて優れた耐衝撃
性、及び透明性等を活かして、各種多様な用途に用いる
ことが可能である。また、必要に応じて、真空成形、圧
空成形やプレス法等により各種形状に成形加工してもよ
い。
【0025】次に本発明のポリエステルシートに特に有
用である用途に関して説明する。第1に、窓板又は透視
パネルとしての用途が挙げられる。ここでいう窓板と
は、従来、透明ガラス板が用いられた様な用途を指す。
例えば、一般の窓ガラスに用いる場合は、本発明のポリ
エステルシートの特性である耐溶剤性や破損時の安全性
を大いに発揮できる。具体的に好まれる使用方法として
は、学校や病院、及び自動車、電車等の内部の窓ガラス
の代替品、採光用の天窓や駅の出札用窓口、観察窓、更
には分析機器の部品も例示される。さらにはショウウイ
ンドウや額縁のガラスの代替品も例示される。このよう
な場所、用途で使用される窓板は、落書き等で汚される
場合があり洗浄する必要があるため、特に耐溶剤性が要
求される。また、ガラスを窓板で使用した場合では、よ
く破損する場合があったり、破損した場合に大きな災害
が生じることが懸念されるものがある。本発明のポリエ
ステルシートは、耐衝撃性に優れ、かつ安全性に優れた
ものである。更に特定の表面光沢度を規定することによ
り、かかる窓板に防眩性や高級感を付与することが出来
る。また窓板としての使用には高いレベルでの耐衝撃
性、こしの強さが要求されるために、シート厚みは通常
3〜20mm、好ましくは4〜10mmの範囲である。
【0026】また、具体的な透視パネル用途としては、
三次元ディスプレー用光学マスク、やテレビ前面板が例
示される。かかる用途においても特定の表面光沢度を規
定することにより、かかる透視パネルに防眩性を付与す
ることが出来、特に好ましい。
【0027】第2に、棚板、仕切板、壁板、腰板及び屋
根板としての用途が挙げられる。具体的な棚板の用途と
しては、キャビネットを含む展示用棚や陳列用棚が例示
され、用いる場所としては商店や美術館及び食器棚や冷
蔵庫の内部が例示される。特に棚板の用途は、上記の耐
溶剤性や耐衝撃性及び安全性だけでなく、シートの美麗
さ、及び食品衛生性の特性が最大限に発揮できる分野で
ある。また具体的な仕切板の用途としては、安全間仕切
や冷蔵庫内部の仕切板、及びスーパーマーケットやデパ
ートの食料品等の商品の陳列の仕切板が例示される。特
に仕切板の用途は、上記の耐溶剤性や耐衝撃性及び安全
性だけでなく、シートの美麗さ、及び食品衛生性の特性
が最大限に発揮できる分野である。
【0028】更に壁板や腰板としての具体的な用途とし
ては、具体的には壁板の用途としては、防音壁、及びバ
ルコニーの腰板や階段の腰板が例示される。この用途と
して好ましく用いられる理由は、上記の耐溶剤性や耐衝
撃性及び安全性であり、非常に美麗な製品を得ることが
できる。また、具体的な屋根板の用途としては、一般の
建造物の屋根板やアーケードに限定されるものではな
く、例えばペットの小屋の屋根板や玩具用の屋根等も挙
げられる。これら棚板、仕切板、壁板、腰板及び屋根板
としての使用には高いレベルでの耐衝撃性、こしの強さ
が要求されるために、かかる用途のシート厚みは通常3
〜20mm、好ましくは4〜10mmの範囲である。
【0029】第3に看板としての用途が挙げられる。こ
こで看板とは、広告塔、案内板、ナンバー登録板、更に
は夜間点灯タイプの看板等が挙げられる。本発明のシー
トが看板として使用される理由としては、上記の耐溶剤
性や耐衝撃性及び安全性だけでなく、シートの美麗さ特
性が最大限に発揮できる分野である。また、本発明にお
いては、かかるシートの表面光沢度を特定の範囲に規定
すれば、上記の看板に防眩性や高級感を付与することが
出来、更に好ましい。
【0030】第4に、カバーとしての用途が挙げられ
る。ここでカバーとは機械カバー、安全カバー、及び照
明カバーのようなカバーを示す。更に具体的には機械カ
バーや安全カバーとは、通常の小型や大型機械のカバ
ー、コンピューターや医療器のカバー、自動販売機の前
面カバー、スキーリフトの前面カバー、遊園地にあるよ
うな遊具の安全カバー、安全マスク、防滴カバー、電話
ボックスが例示される。本発明のシートをかかるカバー
として使用すれば、本発明の最たる特徴である、耐溶剤
性や耐衝撃性及び安全性だけでなく、シートの透明性や
美麗さが最大限に発揮できる分野である。また、本発明
においては、かかるシートの表面光沢度を規定すること
により、かかるカバーに防眩性を付与することが出来、
更に好ましい。
【0031】第5に、透明レンズとしての用途が挙げら
れる。前記の通り、本発明のポリエステルシートは、透
明性や耐衝撃性、安全性及び耐溶剤性にも優れているだ
けでなく、コスト的にも優れた材料である。本発明のポ
リエステルシートは、この特性を生かして、特に、有機
溶剤等を使用する作業において、眼を保護するための安
全眼鏡として使用される事が好ましい。なお、眼鏡のフ
レーム等の治具もポリエステルにて製造すれば、サーマ
ルリサクル、ケミカルリサイクル、及びマテリアルリサ
イクルにも容易に適用可能となり、本発明においては、
使い捨ての安全眼鏡が製造できる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて、更に詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例により限定されるものではない。なお、実施例に
おける種々の物性及び特性の測定方法、定義は下記の通
りである。また、実施例及び比較例中で「部」とあるの
は「重量部」を示す。 (1)極限粘度 ポリエステルシートより任意に採取した1gを、フェノ
ール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混
合溶媒100ml中に溶解して、30℃で測定した。
【0033】(2)共重合成分:ジエチレングリコール
(DEG)及びシクロヘキサンジメタノール(1,4−
CHDM)の定量 ポリエステルシートより任意に採取したポリエステルを
常法により加水分解し、生成したジオール成分をガスク
ロマトグラフ法で定量した。
【0034】(3)環状三量体の定量 ポリエステルシートより任意に200mg採取して、そ
れをクロロホルム/ヘキサフルオロイソプロパノール
(容量比3/2)混合溶液に溶解し、更にクロロホルム
20mlを加えて希釈した。これにメタノール10ml
を加え、試料を析出させて、濾過した後の濾液を得た。
かかる濾液を乾固後、残渣にジメチルホルムアミド25
mlに溶解した液について液体クロマトグラフ法にて定
量分析した。
【0035】(4)末端カルボキシル基濃度 ポリエステルシートより任意に100mg採取して、そ
れをベンジルアルコール5mlに加熱溶解した後、これ
にクロロホルム5mlを加えて希釈した後、フェノール
レッドを指示薬として、0.1N−水酸化ナトリウム/
ベンジルアルコール溶液により滴定し定量した。 (5)昇温結晶化温度(Tcc) ポリエステルシートより任意に採取し10mg、を窒素
中にてセイコー電子製のDSC20型にて、昇温速度2
0℃/minの条件下で20℃から測定し、Tccを求め
た。
【0036】(6)厚み(t) ポリエステルシートを10mm毎に厚みを測定し、その
平均値を厚み(t)とした。 (7)光線透過率 JIS K−7105に準拠して、ポリエステルシート
の光線透過率を測定した。なお、この光線透過率とは、
全光線透過率を示す。 (8)ヘーズ JIS K−7105に準拠して、ポリエステルシート
のヘーズを測定した。
【0037】(9)高速衝撃強度(FI) ポリエステルシートより任意に10cm×10cm大に
切り出し、23℃、60%RHの雰囲気下にて、レオメ
トリックス社製の高速衝撃試験機;HIGHRATE
IMPACT TESTER RIT−8000を用い
て、打ち抜きロッドのプローブ径が5/8インチ、プロ
ーブの先端Rが5/16インチ、打ち抜き速度1.0m
/secの条件で、シートを打ち抜き、その衝撃強度を
測定した。この評価を12回繰り返し、最大値と最小値
を除いた10回の測定値の平均値を高速衝撃強度(F
I)とした。
【0038】(10)耐薬品性 ポリエステルシートより任意に4cm×4cm大に切り
出し、エタノール中に50℃で3日間浸漬した後、JI
S K−7105に準拠してヘーズを測定した。かかる
ヘーズの変化を耐薬品性の評価に利用した。 (11)光沢度[Gs(60゜)] JIS K−7105に準拠して、ポリエステルシート
の両面の光沢度を測定し、光沢度の低い方の値、すなわ
ち凹凸表面側のデータを記載した。なお、この光沢度の
測定は、入光角及び受光角は60゜にて実施した。
【0039】実施例1 テレフタル酸100部、エチレングリコール44.2部
及び1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル(シス/トラ
ンス比:30/70)3.31部のスラリ−を調整し、
予め2.31部のビス−β−ヒドロキシエチルテレフタ
レ−トを添加し、250℃に保持したエステル化槽に4
時間かけて順次供給した。フィード終了後、1時間エス
テル化を進行させた後、半量を重縮合槽に移し、リン酸
0.00885部(対ポリマー150ppm)及び二酸
化ゲルマニウム0.00708部(対ポリマー120p
pm)を仕込み、250℃から280℃まで漸次昇温す
ると共に、常圧から漸次減圧し、0.5トールに保持し
た。反応を3時間おこなった後、極限粘度0.55dl
/g、環状3量体0.93重量部のポリエチレンテレフ
タレート系チップ(プレポリマーチップ)を得た。次
に、かかるプレポリマーチップ表面をBepex社製攪
拌結晶化機にて150℃で結晶化させた後、静置式固相
重合塔に移し、200/kg−hrの窒素流通下、14
0℃で3時間乾燥後、210℃24時間固相重合し、極
限粘度は0.84の原料ポリエステル(a)を得た。
【0040】次いで、得られた原料を真空下160℃で
4時間乾燥後、樹脂温度290℃にて、溶融押出しを行
い、幅1.1m、厚み5.0mmのポリエステルシート
を得た(環状三量体:0.34重量%、末端カルボキシ
ル基濃度:13当量/トン、ゲルマニウム量:43重量
ppm)。該シートは、片面が鏡面ロール、その反対面
が微細な凹凸面を有するロールに接するようにして、シ
ート化し、更に耳部を裁断し1.0m幅で、厚み5.0
mmのポリエステルシートを得た。該シートは片面が凹
凸で、その反対面が鏡面である。評価結果を表−1に示
す。
【0041】また、このポリエステルシートを450m
m×500mm大に裁断し、外側が凹凸面となるように
設定して、そのまま窓板として使用した。具体的な用途
として、学校や病院の窓ガラス用、自動車や電車の内部
の窓ガラス用、採光用の天窓、出札用窓口、及び額縁の
ガラス板の代替用として使用した。本発明の窓板は、透
明性や防眩性に優れ、実用物性としての耐衝撃性や耐溶
剤性、及び破損した場合の安全性も問題なく、さらには
非常に美麗で高級感のある製品である。
【0042】また、このポリエステルシートを350m
m×700mm大に裁断し、そのまま仕切板として使用
した。具体的な用途として、安全間仕切や冷蔵庫内部の
仕切板、及びスーパーマーケットやデパートの食料品等
の商品の陳列の仕切として使用した。本発明の仕切板
は、透明性に優れ、高級感があり、実用物性としての耐
衝撃性や耐溶剤性、及び破損した場合の安全性も問題な
く、また食品衛生性の点についても良好であり、非常に
有用な製品である。
【0043】また、このポリエステルシートを350m
m×700mm大に裁断し、凹凸面を上面にして、夜間
点灯タイプの看板に貼り付けた。かかる方法を採用する
ことにより、従来の看板に、防眩性、耐衝撃性、高級感
の特性を付与することが出来た。また、このポリエステ
ルシートを900mm×3000mm大に裁断し、凹凸
面を上面にして、そのまま屋根板として使用した。具体
的な用途として、自転車置き場の屋根板として用いた。
本発明の屋根板は、透明性、防眩性に優れ、実用物性と
しての耐衝撃性や耐溶剤性、及び破損した場合の安全性
も問題なく、かつ非常に美麗であり、素晴らしい製品で
ある。
【0044】実施例2 エステル化反応槽で、ビス−β−ヒドロキシエチルテレ
フタレ−トオリゴマー100部の存在下、テレフタル酸
87部とエチレングリコール42部とを常圧下250℃
で反応させてエステル化反応を行なった。
【0045】反応開始4時間後、エステル化率97%の
ポリエステルオリゴマーを得た。ついで本オリゴマーの
うち100部を重合槽に移送し、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノ−ル(シス/トランス比:25/75)を3
部、ジエチレングリコールを0.8部添加した後に、酢
酸コバルト・四水塩0.03部と正リン酸0.019部
と三酸化アンチモン0.035部を添加し、減圧化、加
熱し、温度を最終的に285℃に昇温し、合計4時間3
0分重縮合の反応を行ない、極限粘度が0.72の原料
ポリエステル(b)を得た。
【0046】次いで、得られた原料ポリエステル(b)
を真空下160℃で4時間乾燥後、樹脂温度290℃に
て、溶融押出しを行い、ポリエステルシートを得た。該
シートは、片面が鏡面ロール、その反対面が微細な凹凸
面を有するロールに接するようにして、シート化し、更
に耳部を裁断し1.0m幅で、厚み3.0mmのポリエ
ステルシートを得た。該シートは片面が凹凸でその反対
面が鏡面であるが、実施例1のシートの凹凸面よりも平
坦になるようなロールを用いてシート化した。評価結果
を表−1に示す。
【0047】次に、このポリエステルシートを600m
m×600mm大に裁断し、外側が凹凸面になるように
設定して、絞り深さ70mmの真空成形を行なった。詳
しくは、中央の400mm×400mm大の部分の絞り
深さを50mmとし、絞り深さ方向と垂直方向から見
た、その中央部分が円弧状となるような形状になるよう
に真空成形し、端部を切断加工した。この成形品を照明
カバーとして使用した。
【0048】本発明の照明カバーは、防眩性及び透明性
に優れ、実用物性としての耐衝撃性や耐溶剤性、及び破
損した場合の安全性も問題なく、美しい製品である。更
に、このポリエステルシートを1200mm×600m
m大に裁断し、外側が凹凸面になるように設定して、絞
り深さ400mmの真空成形を行ない、次いで端部を切
断加工した。この成形品を機械カバーや安全カバーとし
て使用した。本発明の機械カバー及び安全カバーは、透
明性に優れ、マット調なので高級感があり、実用物性と
しての耐衝撃性や耐溶剤性、及び破損した場合の安全性
も問題なかった。本発明の方法を採用することにより、
製造される機械カバーや安全カバーとしては、通常の小
型や大型の機械のカバー、コンピューターや医療器のカ
バー、自動販売機の前面カバー、スキーリフトの前面カ
バー、遊園地にあるような遊具の安全カバー、安全マス
ク、防滴カバー、電話ボックスが例示される。
【0049】実施例3 エステル化反応槽で、ビス−β−ヒドロキシエチルテレ
フタレ−トオリゴマー100部の存在下、テレフタル酸
87部とエチレングリコール42部とを常圧下250℃
で反応させてエステル化反応を行なった。反応開始4時
間後、エステル化率97%のポリエステルオリゴマーを
得た。ついで本オリゴマーのうち100部を重合槽に移
送し、正リン酸0.01部と三酸化アンチモン0.03
5部を添加し、減圧化、加熱し、温度を最終的に285
℃に昇温し、合計4時間重縮合の反応を行ない、極限粘
度が0.66の原料ポリエステル(c)を得た。
【0050】次いで、得られた原料ポリエステル(c)
を真空下160℃で4時間乾燥後、樹脂温度295℃に
て、溶融押出しを行い、ポリエステルシートを得た。該
シートは実施例2の方法と同様にして、片面が鏡面ロー
ル、その反対面が微細な凹凸面を有するロールに接する
ようにして、シート化し、更に耳部を裁断し1.0m幅
で、厚み3.0mmのポリエステルシートを得た。評価
結果を表−1に示す。
【0051】また、このポリエステルシートを300m
m×400mm大に裁断し、シートの凹凸がある方の面
が外側になるようにして、そのまま透視パネルとして使
用した。具体的な用途として、三次元ディスプレー用光
学マスク、及びテレビやパソコンの前面板として使用し
た。本発明の透視パネルは、防眩性及び透明性に優れ、
実用物性としての耐衝撃性や耐溶剤性、及び破損した場
合の安全性も問題なく、さらには非常に美麗な製品であ
る防眩性及び透明性に優れ、実用物性としての耐衝撃性
や耐溶剤性、及び破損した場合の安全性も問題なく、さ
らには非常に美麗な製品である。
【0052】実施例4 実施例1の原料ポリエステル(a)を真空下160℃で
4時間乾燥後、樹脂温度290℃にて、溶融押出しを行
い、耳部を切断して幅1.0m、厚み5.0mmのポリ
エステルシートを得た。該シートは、実施例1のシート
とは異なり、実質的に両面ともに平坦なシートとなるよ
うにして製造した。評価結果を表−2に示す。
【0053】また、このポリエステルシートを100m
m×100mm大に裁断し、裁断したシート2枚の間
に、料理のメニューを印刷した紙を挟んだ後、縁をテー
プで止めることにより広告用表示板としたところ、その
外観は良好であった。本発明の表示板は、実用物性とし
ての耐衝撃性や耐溶剤性、及び破損した場合の安全性も
問題なく、かつ非常に美麗であり、すばらしい製品であ
る。
【0054】次に、このポリエステルシートを600m
m×950mm大に裁断したシートを直径400mm、
絞り深さ200mmの形状を加工して照明カバーを製造
した。本発明の照明カバーは、透明性に優れ、実用物性
としての耐衝撃性や耐溶剤性、及び破損した場合の安全
性も問題なく、美しい製品である。また、このポリエス
テルシートを900mm×3000mm大に裁断し、そ
のまま壁板及び腰板として使用した。
【0055】具体的な用途として、バルコニーの壁板や
階段の腰板として使用した。本発明の壁板及び腰板は、
透明性に優れ、実用物性としての耐衝撃性や耐溶剤性、
及び破損した場合の安全性も問題なく、かつ非常に美麗
であり、すばらしい製品である。
【0056】実施例5 実施例1の原料ポリエステル(a)を真空下160℃で
4時間乾燥後、樹脂温度290℃にて、溶融押出しを行
い、耳部を切断して幅1.0m、厚み6.0mmのポリ
エステルシートを得た。該シートは、実施例1のシート
とは異なり、実質的に両面ともに平坦なシートとなるよ
うにして製造した。評価結果を表−2に示す。
【0057】また、このポリエステルシートを450m
m×500mm大に裁断し、そのまま窓板として使用し
た。具体的な用途として、学校や病院の窓ガラス用、自
動車や電車の内部の窓ガラス用、採光用の天窓、出札用
窓口、ショウウインドウ及び額縁のガラス板の代替用と
して使用した。本発明の窓板は、透明性に優れ、実用物
性としての耐衝撃性や耐溶剤性、及び破損した場合の安
全性も問題なく、さらには非常に美麗で高級感のある製
品である。
【0058】また、このポリエステルシートを500m
m×900mm大に裁断し、そのまま棚板として使用し
た。具体的な用途として、商店内において、食器の展示
用の棚、及び食品の陳列用の棚として使用した。本発明
の棚板は、透明性に優れ、実用物性としての耐衝撃性や
耐溶剤性、及び破損した場合の安全性も問題なく、さら
には非常に美麗な製品である。
【0059】更に、上記のポリエステルシートと同様に
して、500mm幅で、各種の長さのシートを裁断加工
した。それらの材料を接着剤及び止め具等を用いて、キ
ャビネットを製造した。かかるキャビネットは、透明性
及び外観特性に優れ、実用物性としての耐衝撃性や耐溶
剤性、及び破損した場合の安全性も問題なく、さらには
非常に美麗な製品である。
【0060】実施例6 実施例2の原料ポリエステル(b)を真空下160℃で
4時間乾燥後、樹脂温度290℃にて、溶融押出しを行
い、耳部を切断して幅1.0m、厚み3.0mmのポリ
エステルシートを得た。該シートは、実施例4と同様に
実施例2のシートとは異なり、実質的に両面ともに平坦
なシートとなるようにして製造した。評価結果を表−2
に示す。
【0061】次に、このポリエステルシートを50mm
×60mm大に打ち抜き加工し、切断部をて透明レンズ
を製造した。かかるレンズを、別途主たる成分がポリエ
チレンテレフタレートからなる、眼鏡のフレームに取り
付けて、使い捨て可能な安全眼鏡を製造した。本発明の
安全眼鏡のレンズは、実用物性としての透明性、耐衝撃
性や耐溶剤性、及び破損した場合の安全性も問題なく、
更には、コスト面にも優れ、かつリサイクル可能な製品
である。
【0062】実施例7 実施例2の原料ポリエステル(c)を真空下160℃で
4時間乾燥後、樹脂温度295℃にて、溶融押出しを行
い、耳部を切断して幅1.0m、厚み3.0mmのポリ
エステルシートを得た。該シートは、実施例4と同様に
実施例2のシートとは異なり、実質的に両面ともに平坦
なシートとなるようにして製造した。評価結果を表−2
に示す。
【0063】このポリエステルシートを150mm×1
00mm大で角の部分を曲面状に裁断し、ひねり形状に
熱成形し、扇風機の羽根を製造した。かかる回転機器部
品は、実用物性としての耐衝撃性や耐溶剤性、及び破損
した場合の安全性も問題なく、さらには非常にきれいな
製品である。また、このポリエステルシートを100m
m×100mm大に裁断し、1mmのスペーサーを取り
付けて、分析機器の部品として使用した。かかる分析機
器の部品は、透明性に優れ、実用物性としての失透性や
耐溶剤性、及び破損した場合の安全性も問題なく、更に
コスト面にも優れた物である。
【0064】比較例1 アクリル樹脂製の5.0mm厚みのシート、アクリライ
ト(三菱レイヨン製)を評価した。評価結果を表−3に
示す。該シートは耐衝撃性に劣るため、実施例1〜7に
示すような成形品での使用には不適であった。 比較例2 アクリル樹脂製の6.0mm厚みのシート、アクリライ
ト(三菱レイヨン製)を評価した。評価結果を表−3に
示す。該シートは耐衝撃性に劣るため、実施例1〜7に
示すような成形品での使用には不適であった。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【発明の効果】本発明の優れたポリエステルシートは、
優れた透明性、耐衝撃性、安全性、耐溶剤性及び美麗な
外観、または防眩性を有し、かつコストパフォーマンス
にも優れている。該透明ポリエステルシートは、本発明
により、様々な用途展開が可能であり、窓板、透視パネ
ル、棚板、仕切板、壁板、キャビネット、屋根材、看
板、表示板、照明カバー、機械カバー、安全カバー、回
転機器部品、及びレンズ等に適用され、その工業的価値
は極めて高いものである。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚み(t)が0.5〜30mm、高速衝
    撃強度(FI )が1000N以上、高速衝撃強度の厚み
    依存性値(FI /t)が500N/mm以上、かつ、光
    線透過率が60%以上であることを特徴とするポリエス
    テルシート。
  2. 【請求項2】 ヘーズが5.0%以下であることを特徴
    とする請求項1に記載のポリエステルシート。
  3. 【請求項3】 少なくともシートの片面の光沢度が90
    %以下であることを特徴とする請求項1に記載のポリエ
    ステルシート。
  4. 【請求項4】 繰り返し構造単位の80モル%以上がエ
    チレンテレフタレート単位から成るポリエステルからな
    り、かつ、昇温結晶化温度が110〜200℃であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエ
    ステルシート。
  5. 【請求項5】 ポリエステルがグリコール成分としてシ
    クロヘキサンジメタノールが0.5〜10モル%及びジ
    エチレングリコールが0.5〜5.0モル%含有し、か
    つ、極限粘度が0.6〜1.1dl/gであることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル
    シート。
  6. 【請求項6】 厚み(t)が2〜20mm、ヘーズが
    5.0%以下、高速衝撃強度(FI )が2000N以
    上、高速衝撃強度の厚み依存性値(FI /t)が100
    0N/mm以上、かつ、昇温結晶化温度が150〜20
    0℃であることを特徴とするポリエステルシート。
  7. 【請求項7】 繰り返し構造単位の80モル%以上がエ
    チレンテレフタレート単位からなり、グリコール成分と
    してシクロヘキサンジメタノールが0.5〜10モル%
    及びジエチレングリコールが0.5〜5.0モル%含有
    し、かつ、極限粘度が0.6〜1.1dl/gであるこ
    とを特徴とする請求項6に記載のポリエステルシート。
  8. 【請求項8】 ゲルマニウム原子を10〜100重量p
    pm含有することを特徴とする請求項7に記載のポリエ
    ステルシート。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載のポ
    リエステルシートからなる窓板又は透視パネル。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    ポリエステルシートからなる棚板、仕切板、壁板、腰板
    又は屋根板。
  11. 【請求項11】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    ポリエステルシートからなる看板。
  12. 【請求項12】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    ポリエステルシートからなるカバー。
  13. 【請求項13】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    ポリエステルシートからなるレンズ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002265770A (ja) * 2001-03-15 2002-09-18 Teijin Ltd 熱可塑性樹脂組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002265770A (ja) * 2001-03-15 2002-09-18 Teijin Ltd 熱可塑性樹脂組成物

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