JPH08208747A - メタクリル酸エステル系重合体の連続的製造方法 - Google Patents

メタクリル酸エステル系重合体の連続的製造方法

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JPH08208747A
JPH08208747A JP3283095A JP3283095A JPH08208747A JP H08208747 A JPH08208747 A JP H08208747A JP 3283095 A JP3283095 A JP 3283095A JP 3283095 A JP3283095 A JP 3283095A JP H08208747 A JPH08208747 A JP H08208747A
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JP
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methacrylic acid
acid ester
mixer
polymer
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JP3283095A
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English (en)
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Harumoto Sato
晴基 佐藤
Hirotoshi Mizota
浩敏 溝田
Tomonari Murakami
智成 村上
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F20/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F20/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof
    • C08F20/10Esters
    • C08F20/12Esters of monohydric alcohols or phenols

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リビング重合によるメタクリル酸エステル系
重合体の連続的製造方法を提供する。 【構成】 リビング重合によりメタクリル酸エステル系
重合体を製造するにあたり、重合原料としてメタクリル
酸エステルを主成分とする単量体、開始剤および触媒を
重合が起らないように分割して調合した重合反応液を使
用し、その重合反応液のそれぞれを混合機に連続的に供
給して混合した後、スプレーノズルから不活性気体雰囲
気中に吐出させて重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リビング重合によるメ
タクリル酸エステル系重合体の連続的製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】メタクリル酸エステル重合体は、通常ラ
ジカル重合によりバッチプロセスで製造されるが、かか
る方法では、生産性が低いばかりではなく、例えば通常
よく用いられている懸濁重合法の場合には、重合を進行
させるために多大な熱量を必要とし、また、一方溶媒を
用いてアニオン重合する場合には、反応系を低温に保つ
ため多大なエネルギーが必要である等、エネルギー的に
みても不利な方法である。
【0003】また、メタクリル酸エステル系重合体を連
続的に製造する方法もいくつか提案されているが、いず
れも上記の如くのバッチプロセスを連続的に行うだけの
ものであり、生産性は多少改良されているものの、エネ
ルギー的には不利な方法である。
【0004】また、生産性、分子量制御の面から、各種
高速リビング重合法が提案されているが(特開昭58−
13603号、特開昭60−155186号等)、従来
のラジカル重合による反応装置では、リビングポリマー
の管壁への付着、およびラインの閉塞、さらには温度制
御が不可能である等の問題があり今だ効果的な製造方法
についての開示はなされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、メタ
クリル酸エステル系重合体を連続的に、しかも従来法に
比べてエネルギー的にも有利な方法である製造方法を提
供するとともに、これまで困難とされていた高速リビン
グ重合によるメタクリル酸エステル系重合体の連続的製
造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意研究を進めた結果、本発明を完成
するに到った。
【0007】すなわち本発明は、リビング重合によりメ
タクリル酸エステル系重合体を製造するにあたり、重合
原料としてメタクリル酸エステルを主成分とする単量
体、開始剤および触媒を重合が起らないように分割して
調合した重合反応液を使用し、その重合反応液のそれぞ
れを混合機に連続的に供給して混合した後、スプレーノ
ズルから不活性気体雰囲気中に吐出させて重合を行うこ
とを特徴とするメタクリル酸エステル系重合体の連続的
製造方法にある。
【0008】本発明において用いられるメタクリル酸エ
ステルを主成分とする単量体は、下記の一般式(I)で
表わされるメタクリル酸エステル単量体、もしくは該メ
タクリル酸エステル単量体50重量%以上と他の共重合
可能な重合性単量体50重量%以下からなる単量体混合
物である。
【0009】
【化1】
【0010】上記一般式(〓)で示されるメタクリル酸
エステルの具体例としては、例えばメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メ
タクリル酸2,2,2,−トリフルオロエチル、メタク
リル酸グリシジル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸
トリメチルシリル、メタクリル酸2−トリメチルシリル
エチル、メタクリル酸ジメチルアミノ等が挙げられる。
これらのメタクリル酸エステル単量体は、1種でまたは
2種以上を併用して用いられる。
【0011】また、上記一般式(〓)のメタクリル酸エ
ステルと共重合するのに使用される他の共重合可能な単
量体の具体例としては、例えばアクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステ
ル;スチレン,α−メチルスチレン等の芳香族ビニル等
が挙げられ、これらは1種でまたは2種以上を併用して
用いられる。
【0012】メタクリル酸エステルと共重合に使用され
る上記の他の共重合可能な単量体の量は、メタクリル酸
エステルとの混合物中50重量%以下であることが好ま
しく、その量が50重量%を超えると、得られるメタク
リル酸エステル系重合体の樹脂特性が低下するようにな
る。
【0013】本発明のメタクリル酸エステル系重合体の
製造方法における高速リビング重合としては、公知のグ
ループトランスファー重合(GTP)、有機希土類金属
化合物を開始剤とするリビング重合法等を挙げることが
できるがこれに限られるものではない。より好ましい重
合法は、グループトランスファー重合である。
【0014】また、これらの重合法に用いられる開始
剤、触媒は開示されているものをそのまま用いることが
でき、例えばグループトランスファー重合では、開始剤
として[(1−メトキシ−2−メチル−1−プロペニ
ル)オキシ]トリメチルシラン、[(2−メチル−1−
プロペニリデン)ビス(オキシ)ビス[トリメチルシラ
ン]、トリアルキルシリルニトリル、[(2−メチル−
1−[2−(トリメチルシロキシ)エトキシ]−1−プ
ロペニル)オキシ]トリメチルシラン等が挙げられ、ま
た触媒として、トリス(ジメチルアミノ)スルホニウム
ビフルオライド、トリス(ジメチルアミノ)スルホニウ
ムジフルオロトリメチルシリケート、テトラブチルアン
モニウムフルオライド、テトラアルキルアンモニウムシ
アニド、臭化亜鉛、塩化亜鉛等が挙げられるがこれらに
限定されるものではない。
【0015】有機希土類金属化合物を開始剤とするリビ
ング重合法では、開始剤として具体的には、ビスシクロ
ペンタジエニルルテチウムハイドライド、ビスシクロペ
ンタジエニルルテチウムメチル、ビスシクロペンタジエ
ニルルテチウムエチル、ビスシクロペンタジエニルルテ
チウムビストリメチルシリルメチル、ビスペンタメチル
シクロペンタジエニルルテチウムハイドライド、ビスペ
ンタメチルシクロペンタジエニルルテチウムメチル、ビ
スペンタメチルシクロペンタジエニルルテチウムビスト
リメチルシリルメチル、ビスシクロペンタジエニルイッ
テルビュウムハイドライド、ビスシクロペンタジエニル
イッテルビュウムメチル、ビスペンタメチルシクロペン
タジエニルイッテルビュウムハイドライド、ビスペンタ
メチルシクロペンタジエニルイッテルビュウムメチル、
ビスペンタメチルシクロペンタジエニルイッテルビュウ
ムトリメチルシリルメチル、ビスシクロペンタジエニル
サマリウムハイドライド、ビスシクロペンタジエニルサ
マリウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニ
ルサマリウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロペ
ンタジエニルサマリウムメチル、ビスペンタメチルシク
ロペンタジエニルサマリウムビストリメチルシリルメチ
ル、ビスシクロペンタジエニルユウロピウムハイドライ
ド、ビスシクロペンタジエニルユウロピウムメチル、ビ
スペンタメチルシクロペンタジエニルユウロピウムハイ
ドライド、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルユウ
ロピウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジエニ
ルネオジウムメチル、ビスペンタメチルシクロペンタジ
エニルセリウムハイドライド、ビスペンタメチルシクロ
ペンタジエニルイットリウムメチル、ビスペンタメチル
シクロペンタジエニルスカンジウムハイドライド、ビス
ペンタメチルシクロペンタジエニルスカンジウムメチ
ル、ビスインデニルルテチウムメチル、エチレンビスイ
ンデニルルテチウムメチル、エチレンビスシクロペンタ
ジエニルルテチウムメチル等が挙げられるがこれらに限
定されるものではない。なお、この重合法においては助
触媒を必要としない。
【0016】本発明における開始剤の使用量は、重合反
応液中の全単量体1molに対して通常5×10-5〜1
×10-1mol程度、好ましくは3×10-5〜2×10
-1molであり、触媒の使用量はグループトランスファ
ー重合の場合、通常開始剤1molに対して1×10-4
〜5×10-1mol、好ましくは1×10-3〜2×10
-1molである。
【0017】本発明の方法においては、上記の単量体、
開始剤および触媒を重合成分とし、単量体の重合が起こ
らないように上記の重合成分を分割して調合した重合反
応液を出発重合原料として使用する。
【0018】重合原料の調合においては、上記の単量体
は、常法に従って精製した後、モレキュラーシーブス等
で乾燥して使用することが好ましい。
【0019】また、重合原料の調合においては、開始剤
および触媒は、単量体あるいは溶媒中に完全に溶解して
用いることが重要であり、開始剤および触媒が単量体に
完全に溶解する場合は無溶媒系で重合することができる
が、開始剤および触媒が単量体に溶解しない場合は適当
な溶媒を用いることが好ましい。
【0020】本発明の方法を、溶媒を用いて実施する場
合、その溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチル
エーテル、アセトニトリル、トルエンおよびこれらの混
合溶媒等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定される
ものではなく、基本的には非プロトン性溶媒であれば使
用可能である。また、これらの溶媒は予め乾燥し、水分
を除去して用いることが好ましい。
【0021】本発明において、溶媒を使用する場合のそ
の使用量は、重合反応液中の単量体100重量部に対し
て、10〜300重量部の範囲であり、好ましくは50
〜200重量部である。
【0022】重合反応液の調合は、開始剤および触媒を
単量体もしくは溶媒に予め希釈したものを用い、例え
ば、重合開始に開始剤と触媒の両方を必要とする重合系
では単量体と開始剤を混合した溶液と、単量体または溶
媒と触媒を混合した溶液を別々に調合する;また重合開
始に開始剤あるいは触媒の一方を必要とする重合系では
溶媒を使用し、溶媒に予め開始剤あるいは触媒を混合し
たものと、単量体とを別々に調合する;等の方法で行な
われる。なお、重合反応液を調合する際の分割数は、上
記の2分割の場合のみに限定されず、必要により3分割
以上とすることができる。
【0023】次いで、上記のようにして調合された重合
反応液のそれぞれを混合機に連続的に供給して混合させ
た後、その混合反応液をスプレーノズルから不活性気体
雰囲中に吐出させて重合を行なう。
【0024】重合反応液の混合は、重合反応液同士を瞬
時に混合することが好ましいことから、スタティックミ
キサータイプの混合機が使用される。好ましい混合機と
しては、混合反応液を吐出させるスプレーノズル内に組
み込まれたスタティックミキサーが挙げられる。
【0025】混合機における重合反応液の通過時間は、
0.5秒以下、好ましくは0.1秒以下である。
【0026】重合反応液が混合機を通過する時間内に重
合により粘度が急激に増大するような通過時間の長い混
合機を用いた場合、混合機が重合体によって閉塞される
ため安定運転が困難となる。
【0027】このため混合機としてスタティックミキサ
ーを用いる場合には、液の粘度、流量、流量比等から上
記通過時間の範囲内で操作できるエレメント数を選定す
る必要がある。
【0028】混合機における混合温度は、特に限定され
ず40〜50℃の範囲とするのが好ましい。
【0029】次に、混合された重合反応液(反応混合
液)をスプレーノズルの吐出口から不活性気体雰囲気中
に吐出させて重合を行うが、さらには微噴霧となるスプ
レーノズルを用いて反応混合液を不活性気体雰囲気中に
噴霧させる、いわゆるスプレードライの様式でも重合を
行うことができる。
【0030】この際、必ずしも不活性気体雰囲気中を混
合反応液が落下する時間内で重合が完了する必要はな
い。例えば不活性気体雰囲気中に吐出させて重合反応が
進行している混合反応液を、回転している移動ベルトで
受け、ベルトで搬送させながらさらに反応を進めてもよ
いし、また、押出機の供給部に注入し押出機内で反応を
進めてもよい。
【0031】スプレーノズルから吐出される混合反応液
のスプレー形状は、直線状、フラット状、コーン状、微
粉霧状等にすることができるが、これらに限定されるも
のではない。
【0032】スプレーノズルの吐出口の径は、混合反応
液の粘度、圧力、吐出量によって変ってくるが、吐出し
た時のスプレー形状を維持できる径であれば特に限定さ
れない。通常は0.1mm以上であり、装置が大型化し
た場合には100mm程度のものまで使用できる。混合
反応液の吐出量が多い時には、ノズルの数を複数にする
方法も可能である。なお、スプレーノズルの先端におけ
る混合反応液の吐出圧力は、特に限定されないが、0.
2〜30kg/cm2 の範囲が好ましく、より好ましく
は0.2〜2kg/cm2 である。
【0033】本発明において不活性気体雰囲気を形成さ
せるための不活性気体としては、特に限定されないが窒
素ガスの使用が好ましい。
【0034】本発明における重合反応は、高速のリビン
グ重合のため外気との熱交換により混合反応液の温度を
下げることが困難であるため重合系は断熱下の状態で行
われる。そのため重合反応によって発生した熱で混合反
応液の温度は容易に沸点に達する。沸点に達した混合反
応液は、単量体または溶媒の蒸発による潜熱によって熱
を奪われるが、無溶媒系の重合および単量体よりも沸点
の高い溶媒を用いた溶液重合系では、単量体の蒸発量が
多いため重合体の、原料単量体に対する回収効率が低下
する。そのため、重合体の重合原料単量体に対する回収
効率を上げるためには供給重合反応液を十分に、好まし
くは0℃以下に冷却しておくことが望ましい。
【0035】また、本発明において重合系の重合速度が
遅い場合、反応混合液をホールドするための容器を設け
る、あるいは反応混合液の落下する時間を長くするため
に落下距離を延ばす等の手段を取る必要があるが、装置
が複雑で大きくなるため効率的でない。
【0036】また、混合反応液をホールドするための容
器を設けるとプラグフロー性がなくなるため分子量分布
の狭い高分子の重合体は得られない。プラグフロー性を
持たせるために管型反応器を使用した場合でも管壁にリ
ビングポリマーが付着して分子量分布が広くなったり、
管が閉塞する等の問題が生じる。
【0037】そのため、本発明における重合速度は、単
量体の重合転化率が90%以上に達する時間が1分以内
であるような高速であることが望ましい。さらに好まし
くは該重合時間が30秒以下である。
【0038】図1は、本発明の方法を実施するのに適し
た反応装置の一例を示す系統図であり、また図2は、図
1におけるスプレーノズル7の拡大縦断面図である。
【0039】図1、図2において、1,2はメタクリル
酸エステルを主成分とする単量体、開始剤および触媒を
重合が起らないように分割し、配合して得た重合反応液
1,2の貯蔵タンク、3,4は送液ポンプ、5,6は流
量計、7はスプレーノズル、8は不活性気体雰囲気室、
9は移動ベルト、10は混合反応液、11は不活性気体
注入口、12は排気ガス口、13はスタティックミキサ
ー、14はエレメント、15は混合反応液の吐出口をそ
れぞれ示す。
【0040】図1〜2に示す反応装置において、重合反
応液は、ポンプ3,4により貯槽タンク1,2から取り
出され、スプレーノズル7の供給口1a,2aに連続的
に送られる。
【0041】スプレーノズル7に供給された重合反応液
1,2は、スプレーノズル7の吐出口の直前に設けられ
たスタティックミキサー13で瞬時に混合される。
【0042】次いで、その混合反応液をスプレーノズル
の吐出口15から不活性気体雰囲気室8に吐出させて重
合を行い移動ベルト9で重合体を移送し回収する。
【0043】以下、実施例により本発明をさらに詳しく
説明する。実施例においては図1,図2に示す反応装置
を用い、また、使用したメタクリル酸メチルおよび溶媒
は、十分に乾燥したものを用いた。なお、実施例により
得られた重合体の分子量はGPCにより測定し、また重
合体の分散度(D)は、重量平均分子量(Mw)/数平
均分子量(Mn)により求めた。
【0044】[実施例1]図1に示した反応装置全体を
十分に窒素ガスで置換した後、タンク1に十分に脱水し
た(含水率15ppm)メタクリル酸メチル(以下、M
MAと略称する。)2リットルと[(1−メトキシ−2
−メチル−1−プロペニル)オキシ]トリメチルシラン
20ミリリットル(0.11mol)とを仕込み、均一
に混合して重合反応液1を調合した。
【0045】一方、タンク2には十分に脱水したMMA
2リットルとテトラヒドロフラン1リットル中に1mo
lのテトラブチルアンモニウムフルオライドを含む溶液
0.5ミリリットル(テトラブチルアンモニウムフルオ
ライド0.5mmol)とを仕込み均一に混合して重合
反応液2を調合した。
【0046】次いで、送液ポンプ3,4によりタンク
1,2中の重合反応液をそれぞれ100g/分の流量
(流量比1:1)でスプレーノズル7に組み込まれたス
タティックミキサー13(径3mm×長さ24mm)に
連続的に供給して混合した。スプレーノズル内のスタテ
ィックミキサーは、エレメント8個からなり、液の通過
時間は0.05秒であった。
【0047】次いで、その混合された重合反応液を、ス
プレーノズルの吐出口15(孔数1、孔径1mmφ)か
ら0.2〜1kg/cm2 の吐出圧で窒素ガス雰囲気中
に直線状に吐出させ、ノズルの下40cmに配置した移
動ベルト上に発泡した重合体を連続的に堆積させた。
【0048】吐出された反応混合液のベルトに達する時
間は0.2秒であり、また、ベルトに着地した混合反応
液は約1秒後に発泡した。1分後にベルト上の重合体を
急冷し単量体の重合転化率を測定したところ94%であ
り、また数平均分子量(Mn)は約22000で、分散
度(D)は2.3であった。
【0049】[実施例2]実施例1と同様に図1で示し
た反応装置全体を十分に窒素ガスで置換した後、タンク
1に十分に脱水した(含有率15ppm)MMA2リッ
トルと[(1−メトキシ−2−メチル−1−プロペニ
ル)オキシ]トリメチルシラン10ミリリットル(0.
06mol)とを仕込み、均一に混合して重合反応液1
を調合した。
【0050】一方、タンク2には、十分に脱水したテト
ラヒドロフラン2リットルと、テトラヒドロフラン1リ
ットル中に1molのテトラブチルアンモニウムフルオ
ライドを含む溶液5ミリリットル(テトラブチルアンモ
ニウムフルオライド5mmol)とを仕込み均一に混合
して重合反応液2を調合した。
【0051】以下、実施例1と同様な操作を繰り返して
重合体を得た。得られた重合体における単量体の重合転
化率は99%であり、また、数平均分子量(Mn)は約
44000で、分散度(D)は2.0であった。
【0052】
【発明の効果】本発明の方法によれば、メタクリル酸エ
ステル系重合体を連続的に、しかも従来法に比べてエネ
ルギー的に有利な方法を提供できる。また、本発明によ
れば、従来困難とされていた高速リビング重合によるメ
タクリル酸エステル系重合体の製造を連続的に行うこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するのに適した反応装置の
一例を示す系統図。
【図2】図1におけるスプレーノズル7の拡大縦断面
図。
【符号の説明】
1,2 貯槽タンク 1a,2a 重合反応液供給口 3,4 送液ポンプ 5,6 流量計 7 スプレーノズル 8 不活性気体雰囲気室 9 移動ベルト 10 混合反応液 11 不活性ガス入口 12 排気ガス口 13 スタティックミキサー 14 エレメント 15 吐出口
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】上記一般式()で示されるメタクリル酸
エステルの具体例としては、例えばメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メ
タクリル酸2,2,2,−トリフルオロエチル、メタク
リル酸グリシジル、メタクリル酸アリル、メタクリル酸
トリメチルシリル、メタクリル酸2−トリメチルシリル
エチル、メタクリル酸ジメチルアミノ等が挙げられる。
これらのメタクリル酸エステル単量体は、1種でまたは
2種以上を併用して用いられる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また、上記一般式()のメタクリル酸エ
ステルと共重合するのに使用される他の共重合可能な単
量体の具体例としては、例えばアクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル酸エステ
ル;スチレン,α−メチルスチレン等の芳香族ビニル等
が挙げられ、これらは1種でまたは2種以上を併用して
用いられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】図1〜2に示す反応装置において、重合反
応液は、ポンプ3,4により貯タンク1,2から取り
出され、スプレーノズル7の供給口1a,2aに連続的
に送られる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】符号の説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【符号の説明】 1,2 貯タンク 1a,2a 重合反応液供給口 3,4 送液ポンプ 5,6 流量計 7 スプレーノズル 8 不活性気体雰囲気室 9 移動ベルト 10 混合反応液 11 不活性ガス入口 12 排気ガス口 13 スタティックミキサー 14 エレメント 15 吐出口

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リビング重合によりメタクリル酸エステ
    ル系重合体を製造するにあたり、重合原料としてメタク
    リル酸エステルを主成分とする単量体、開始剤および触
    媒を重合が起らないように分割して調合した重合反応液
    を使用し、その重合反応液のそれぞれを混合機に連続的
    に供給して混合した後、スプレーノズルから不活性気体
    雰囲気中に吐出させて重合を行うことを特徴とするメタ
    クリル酸エステル系重合体の連続的製造方法。
  2. 【請求項2】 混合機がスプレーノズル内に組み込まれ
    たスタティックミキサーであることを特徴とする請求項
    1記載のメタクリル酸エステル系重合体の連続的製造方
    法。
  3. 【請求項3】 メタクリル酸エステルを主成分とする単
    量体の重合転化率が90%以上に達する時間が1分以内
    であることを特徴とする請求項1または2記載のメタク
    リル酸エステル系重合体の連続的製造方法。
JP3283095A 1995-01-31 1995-01-31 メタクリル酸エステル系重合体の連続的製造方法 Pending JPH08208747A (ja)

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