JP3664576B2 - 熱可塑性共重合体の製造方法 - Google Patents

熱可塑性共重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続重合法によるスチレンーアクリロニトリル系共重合体の改良された製造方法に関する。さらに詳細には、スチレンーアクリロニトリル系共重合体を製造するに際し、重合熱除去を効率的に実施し、連続的な塊状重合または溶液重合の進行を容易にし、かつ、ゲル状ポリマーの生成を防止し、得られる共重合体の成形加工時に発生する成形品の外観不良となる銀条(シルバーストリークス)を低減させ、また成形加工時の熱安定性(耐変色性)、耐薬品性、透明性にも優れ、さらに重合装置へのゲル状ポリマーの付着を低減させ、長時間の連続重合運転が可能な共重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレンとアクリロニトリルを主成分とする共重合体、いわゆるSAN樹脂は、その優れた耐薬品性、剛性、成形性などの諸性質を有することから、幅広い分野で使用されている。これらの共重合体の製造方法としては、乳化重合、懸濁重合、塊状重合、溶液重合等の各種の重合方法によって製造することができる。
しかしながら、乳化重合の場合は、乳化剤を使用するために、重合生成物の透明性、着色変色の点で問題があり、また、アクリロニトリルが水に溶解しやすいために、均一な組成の重合生成物を得ることが困難である。懸濁重合の場合にも、分散剤等を使用して水系で重合を行うために、上記乳化重合と同様の問題が発生する。さらに、水系を媒体とするため、重合反応温度の制御が優れているが、連続的に重合することが容易ではなくそのために生産性に劣る。また、これらの重合法では、設備から排出される排水などによる水質汚濁などの問題もあり、近年では、環境問題、製造コストなどの観点から、連続塊状重合、溶液重合が注目されている。
【0003】
塊状重合、溶液重合の場合は、原料単量体単独または原料単量体を有機溶剤に溶解して重合を行うが、重合後において未反応単量体や有機溶剤を除去して重合生成物を取り除くために、分散剤などによる重合生成物の透明性、着色変色の点の問題や、アクリロニトリルが水に溶解しやすいため均一な組成の重合生成物が得られないという問題点が発生しない。また、回収される単量体や有機溶剤は、再利用するために排出することがない利点がある。
従って、スチレンーアクリロニトリル系共重合体の工業的製造には、塊状重合や、溶液重合が採用され、しかも、連続的に実施されることが多い。
【0004】
しかしながら、連続的に塊状重合または溶液重合を行う場合には、高転化速度で重合を行うと、反応熱、攪拌熱などの発生熱の除去が困難になり生産性に制約を受ける。
また、SANの重合において、アクリロニトリルの含有量が多いアゼオトロープ組成を大きく越える組成では、均一組成での重合が困難になり、透明な樹脂を得ることが難しくなる。これらの問題点を解決するため、単量体、溶剤などの蒸発潜熱を利用する重合法(特開昭58ー29807号公報)や強制攪拌反応槽を用いた重合法が提案されている。
【0005】
蒸発潜熱を利用する方法では、気相部と反応液の界面からの蒸発による除熱、または必要に応じて、蒸発した単量体及び溶剤を系外の凝縮器で冷却し、反応槽内へ循環することにより効率的に除熱できるため、高転化速度での重合が可能になるので好ましい。強制攪拌型反応槽を用いた重合法では、樹脂の組成が均一になりやすく、また透明な樹脂が得られやすい。
【0006】
しかし、このような蒸発潜熱を利用した場合、強制攪拌反応槽を用いる重合法で、かつ連続的にまた長時間の運転を行う場合、反応槽の気/液界面付近、また、バッフル板等を設置した時には、そのバッフル板付近にゲル状ポリマーの付着生成がみられることがある。その付着生成したゲル状ポリマーの一部は、製品に混入し、特に成形加工時に成形品の表面に銀条(シルバーストリークス)が発生し、さらには、熱安定性、透明性が低下し、その結果、商品価値を低下させる。そのため、この付着したゲル状ポリマーを除去するため、やむなく連続運転時間を短縮して洗浄除去を行うなど、多大な時間と労力を要し、生産性の低下を余儀なくされていた。
【0007】
ゲル状ポリマーの生成を抑制するための方法としては、例えば、原料中に含まれる水分の量を200〜520ppmに制御して連続塊状重合を行う方法(特開昭57ー25310号公報)や単量体混合物の反応液100重量部に対して高級脂肪酸アミドを0.1〜3.0重量部添加して連続的に塊状重合または溶液重合を行う方法(特開昭60ー250605号公報)などが提案されている。しかしながら、これらの方法は、単量体中の水分の脱水操作が必要となったり、添加した高級脂肪酸アミドが得られる共重合体の透明性が損ねるなど、必ずしも重合操作の簡易化や品質の向上に寄与することなく、かつ効果は不十分であった。
【0008】
また、反応槽内でゲル状ポリマーの付着を抑制する方法として、反応液を均一に攪拌するよう、攪拌翼の形状の改良、バッフル板の取り付け位置変更等が行われているが、これらのいずれの方法も反応器内の滞留部分のゲル状ポリマーの付着生成を抑制する方法であるが必ずしも満足のいく効果は得られていない。
また、反応槽内の滞留部分のゲル状ポリマーの付着生成を防止するため、反応器内の温度を120〜150℃、かつ単量体の重合転化速度を30重量%/時間で連続塊状重合を行う方法(特開平5ー255448号公報)も提案されているが、この方法は、特定の重合温度かつ、特定の重合転化速度の条件下のため、生産性の点から必ずしも好ましいとは言えない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、スチレンーアクリロニトリル系共重合体を製造するに際し、重合熱を効率的に除去し、かつ、単量体、共重合体、有機溶剤が均一に混合され、連続的な溶液重合または塊状重合により製造し、ゲル状ポリマーの生成を抑制することにより、長時間の連続重合運転が可能で、生産性を低下することなく、また成形品の表面の外観性、熱安定性、透明性がより優れた共重合体を製造することが可能なスチレンーアクリロニトリル系共重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、成形加工時の成形品表面にシルバーストリークスが発生する要因は、反応器内に生成付着するゲル状ポリマーであり、特に反応槽外表面を覆う温調ジャケットと接する液相部の壁面に付着成長したゲル状ポリマーであり、さらには、該ゲル状ポリマーのジメチルスルフォアミドに溶解しない固形分の平均粒子径が特定の範囲を越える場合であることを見出し、特定の条件を選定することにより上記課題を解決し、本発明を完成するに到った。
【0011】
すなわち、本発明は、シアン化ビニル系単量体5〜60重量%、芳香族ビニル単量体40〜95重量%、これらと共重合可能な他のビニル化合物単量体0〜20重量%からなる単量体を連続的に塊状重合、または溶液重合するに際し、(A)反応槽として、攪拌軸に取り付けたトルク計と回転数から計測される攪拌動力(KW)を、攪拌を受ける反応槽内の反応液の容量(m3 )で除して得られる攪拌所要動力が2KW/m3 以上である強制攪拌反応槽を用い、(B)反応槽内で、該単量体の混合物100重量部と反応に不活性な有機溶剤10〜100重量部とからなる反応液が気相とを界面が存在するように気相部を残して、反応槽の全容積に対する反応液の充填率が50〜90容量%であるように反応液を充填し、(C)重合開始剤として、クメン中に重合開始剤を0.5mmol/リットルの割合で溶解させ、温度110℃、加熱時間を重合開始剤の110℃における半減期の6倍となる時間で加熱した際に生じるクメンの二量体の量を用い、下記の式(1)で定義される架橋効率εが75以下である重合開始剤から選ばれた少なくとも一種以上の重合開始剤を使用することを特徴とするスチレン−アクリロニトリル系共重合体の製造方法に関する。
架橋効率ε=100×a/b (1)
〔式中、aは生成したクメンの二量体の濃度(mol/リットル)、bは0.5×10-3(mol/リットル)を表す。〕
【0012】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の単量体の成分について説明する。
前記シアン化ビニル系単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、αークロルアクリロニトリル、αーエチルアクリロニトリルなどを挙げることができ、一般的にはアクリロニトリルを用いるが、2種以上を混合して用いることもできる。
芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、αーメチルスチレン、pーメチルスチレン、3、5ージメチルスチレン、4ーメトキシスチレン、2ーヒドロキシスチレンなどの置換基を有する置換スチレン、αーブロムスチレン、2、4ージクロロスチレンなどのハロゲン化スチレン、1ービニルナフタレンなどが挙げられ、一般的にはスチレンを用いるが、2種以上を混合して用いることもできる。
【0013】
シアン化ビニル系単量体及び芳香族ビニル単量体と共重合可能な他のビニル化合物としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類またはその無水物、Nーフェニルマレイミド、Nーシクロヘキシルマレイミドなどのマレイミド化合物などが挙げられ、特にエチルアクリレート、ブチルアクリレートが好ましく、これらの2種以上を混合して用いることもできる。
【0014】
本発明における芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル系単量体の使用割合は任意に選択することができるが、全単量体混合物中の芳香族ビニル単量体の含有量は、40重量%〜95重量%、好ましくは50重量%〜85重量%である。シアン化ビニル系単量体の含有量は、5重量%〜60重量%、好ましくは15重量%〜50重量%である。また、これらと共重合可能な他のビニル化合物単量体の含有量は、0重量%〜20重量%、好ましくは0重量%〜10重量%である。各々の単量体が上記の組成範囲外であると、本発明の目的である成形品の外観及び、耐薬品性、透明性、機械的特性などを達成することが困難である。
【0015】
溶液重合の場合、用いられる有機溶剤は、反応に不活性である有機溶剤であり、反応槽内における未反応単量体及び/又は重合し生成する共重合体と有機溶剤とが重合温度の反応槽内の組成において均一相となる有機溶剤であればいずれの有機溶剤でも使用できる。この有機溶剤としては、例えば、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、そのほか、クロロホルム、ジクロルメチレン、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジプロピルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン類、その他、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。好ましくは、エチルベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類である。また、これらは単独または2種以上の混合物として使用できる。有機溶剤の使用量は、通常、単量体混合物の総量100重量部に対して10〜100重量部の範囲が好ましく、さらに好ましくは20〜70重量部の範囲である。
【0016】
また、本発明に用いられる該単量体または該単量体と反応に不活性な有機溶剤との混合液中に溶存酸素が存在する。この溶存酸素濃度が少ない方がより好ましく、1ppm以下が特に好ましい。1ppmを越える単量体または混合液を重合に用いた場合、該反応槽で、該反応槽外表面に覆われる温調ジャケットと接する液相部の壁面において、ゲル状ポリマーの付着生成がし易くなり、また、得られる共重合体の着色が起こりやすく、好ましくない。この該単量体または該混合液中に含まれる溶存酸素の除去方法については、特に制限はないが、単量体中に不活性ガスを用いバブリングさせる方法が工業的に最も簡便な方法として用いられる。
【0017】
本発明に用いられる重合開始剤は、架橋効率εが75以下であることを特徴とする重合開始剤であり、好ましくは架橋効率εが35以下であることを特徴とする重合開始剤であり、さらに好ましくは架橋効率εが5以下であることを特徴とする重合開始剤であり、特に好ましくは架橋効率εが5以下である有機過酸化物またはアゾ系開始剤であり、特に架橋効率εが5以下であるアゾ系開始剤が好ましい。ここに記した架橋効率εは、重合開始剤が熱分解により生じるラジカルの攻撃力(水素引き抜き能力)の目安となるパラメーターである。つまり架橋効率εは、クメン中に重合開始剤を0.5mmol/リットルの割合で溶解させ、温度110℃、加熱時間を重合開始剤の110℃における半減期の6倍となる時間で加熱した際に生じるクメンの二量体の量を用い、式(1)で定義される。
架橋効率ε = 100×a/b (1)
〔式中、aは生成したクメンの二量体の濃度(mol/リットル)、bは0.5×10ー3(mol/リットル)を表す。〕
【0018】
この架橋効率εが75を越える重合開始剤を用いた場合には、反応途中にゲル状ポリマーの生成が増加し、連続運転中に反応槽内の壁面などにゲル状ポリマーの付着生成が多くなる。その付着生成したゲル状ポリマーの一部が製品に混入し、シルバーストリークスの発生がみられ好ましくはない。このことは、重合開始剤の架橋効率εの値が大きい、つまり重合開始剤の分解生成物であるラジカルの攻撃力(水素引き抜き能力)が強いため、得られる共重合体において水素引き抜き反応が起こり、その結果、架橋反応が進行し、ゲル状ポリマーも促進されていると推測される。
【0019】
本発明において使用できる上記の要件を満たす重合開始剤の具体例としては、tーブチルパーオキシー3、3、5ートリメチルヘキサノエート、tーブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエート、tーブチルパーオキシラウレート、1、1、3、3ーテトラメチルブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエート等のパーオキシエステル類、ジーオクタノイルパーオキサイド、ジーラウロイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類などの有機過酸化物、2、2’ーアゾビスイソブチロニトリル、2、2’ーアゾビス(2ーメチルブチロニトリル)、ジメチル2、2’ーアゾビス(2ーメチルプロピオネート)、2ー(カルバモイルアゾ)ーイソブチロニトリル、4、4’ーアゾビス(4ーシアノペンタン酸)、2、2’ーアゾビス(2、4ージメチルバレロニトリル)、2、2’ーアゾビス(4ーメトキシー2、4ジメチルバレロニトリル)、2、2’ーアゾビス[2ー(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]、1、1’ーアゾビス(シクロヘキサンー1ーカルボニトリルなどのアゾ系重合開始剤が挙げられる。
【0020】
これらの化合物は、単独で使用しても、混合使用してもよい。重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類、重合温度等によって異なるが、単量体混合物総量100重量部に対して、0.01重量部〜0.5重量部の範囲が好ましく、0.01重量部未満では重合転化率が上がらず実用的ではない。また、0.5重量部を越えた場合、重合速度が著しく大きくなり、重合反応制御が困難となり、また著しい着色が生じる等の不都合が発生する。この開始剤の添加は、重合に用いられる単量体、場合によっては有機溶剤を用いる場合はこの有機溶剤に溶解して添加することが好ましい。
【0021】
本発明において、連続重合を行わせる重合装置について説明する。
本発明における、連続重合を行わせる重合装置は、強制攪拌型反応槽であり、反応系ができる限り均一に近い状態にするため攪拌翼を用いるが、その攪拌翼は通常は、パドル型攪拌翼、ピッチパドル型攪拌翼、ヘリカル型攪拌翼、ダブルヘリカル型攪拌翼、リボン型攪拌翼、タービン型攪拌翼、スクリュー型攪拌翼、錨型攪拌翼、マックスブレンド型攪拌翼、フルゾーン型攪拌翼等が用いられる。
【0022】
さらに、該反応槽に設置される攪拌軸に取り付けられるトルク計と回転数から計測される攪拌動力(単位KW)を、攪拌を受ける反応槽内の反応液の容積(単位m3 )で除して得られる攪拌強度を用いて反応液内の攪拌の目安とする。この攪拌強度の算出例として、該反応槽に2段の45度傾斜パドル型攪拌翼を取り付け、翼長をd、翼幅bとする。また、該反応槽の直径をDとし、また塔底部から攪拌翼の中心までの距離をCとした場合、攪拌翼の大きさをd/D=0.8、b/D=0.05とし、該反応槽内の攪拌翼の位置をC/D=0.25及び0.50の位置とし、重合中に計測される攪拌動力を求める。この値を反応槽内の反応液の容積で除して攪拌強度を算出する。
【0023】
この攪拌強度の値が2KW/m3 以上、好ましくは4KW/m3 〜10KW/m3 で攪拌することで、反応液内の不均一を防ぐことができ、前述記載の重合開始剤との組み合わせにおいて、該反応槽外表面を覆う温調ジャケットと接する液相部の壁面にゲル状ポリマーの付着生成を抑制することができ、その結果、高重合転化速度での重合が可能となる。また上記の攪拌強度に反応槽内の反応液を攪拌し、かつ、前述記載の重合開始剤と組み合わせることで、液相部壁面に付着生成したゲル状ポリマーで、ジメチルスルフォアミド中にに溶解しない固形分の平均粒子径が30μm、好ましくは10μmより越える粒子径がなくなることが可能となり、得られる共重合体で成形加工時の成形品表面にシルバーストリークスが発生しなくなる。
【0024】
このゲル状ポリマーでジメチルスルフォアミドに溶解しない固形分の平均粒子径の測定法としては、重合終了後、未反応単量体及び有機溶剤を除去した後、該液相部壁面に付着した固形分を採取し、これをジメチルスルフォアミドに入れ、液体微粒子カウンター(Model 4100、HIAC/ROYCO社製)により測定することができる。
また、本発明における該反応槽は、該反応槽の側壁に、該反応槽内の液相部、気相部に対応する温調ジャケットを設置し、重合の際、熱媒または冷媒を用いて反応槽内の温度を調節し、温調ジャケット内の温度は、重合時に発生する重合熱、また、気液界面より単量体が蒸発されることによる蒸発潜熱を考慮して温調ジャケット内の温度を調節する。この時、上記の攪拌強度により反応槽内の反応液を攪拌することで、液相部に対応する温調ジャケット内の温度が高くなることがない利点がある。つまり、温調ジャケットは、反応器総括伝熱係数U値を目安とし、温調ジャケット内の温度を調節する。この反応器総括伝熱係数U値とは、熱が反応槽の壁面を介して温調ジャケット側から反応槽内の反応液へ伝わるときの伝熱係数のことである。
【0025】
ここで攪拌強度が2KW/m3 未満の強度の場合、または、前述記載の架橋効率εが75以下である重合開始剤を用いない場合、液相部壁面にゲル状ポリマーが付着生成するので、反応器総括伝熱係数U値が低下し、温調ジャケット内の温度を高くする必要があり、その結果、さらに液相部の壁面にゲル状ポリマーの生成が著しく増加する。従って、上記攪拌強度が2KW/m3 以上とすること、かつ、前述記載の架橋効率εが75以下である重合開始剤を用いることで、反応器総括伝熱係数U値は一定となり、温調ジャケット内の温度も一定となるので、高重合転化速度での連続重合が可能になり、さらに長時間の連続重合運転が可能となる。
【0026】
また、該液相部に対応する温調ジャケット内の温度が、該反応槽内の温度よりも1℃以上低く保たれていることも重要である。反応槽内の温度と同温度またはそれ以上の高い温度で重合を行った場合、該液相部の壁面にゲル状ポリマーの生成が増加し好ましくない。
本発明において、該反応槽内での重合形態は、反応槽内で反応液と気相との界面が存在するように空隙を有するように反応液を充填した状態で重合させるが、その充填率は、反応槽の全容積に対して50容量%〜90容量%が好ましく、50容量%〜70容量%がより一層好ましい。50容量%未満では、生産性を低下するので好ましくはなく、90容量%を越える場合、反応槽の除熱効果が低下し、重合温度の制御が困難となり好ましくはない。
【0027】
本発明において、該反応槽は、該反応槽内で蒸発された単量体または有機溶剤を該反応槽の上部の気相空間部に開口する配管から凝縮器を通して凝縮させ、更に該凝縮液を該反応槽内の気相部へまたは液層部へ戻すことも可能であるが、液相部へ戻すことが好ましい。
該単量体、場合によっては有機溶剤の仕込み方法は、任意であり、単量体または有機溶剤を一括して供給することも分別して供給することも可能であり、気相部、液相部の何れに供給することも可能である。
【0028】
該凝縮液を反応槽へ循環させる場合、該凝縮液は低沸点単量体が多く含まれているため、該反応槽内反応液中の組成の不均一を生じし易くなるので、連続的に追加供給する単量体または単量体と有機溶剤の混合液の全てまたはその一部を該凝縮液と混合し、反応槽へ供給することが反応液中の組成が均一になるために好ましい。この時、該反応液へ供給する供給液は、該凝縮液1重量部に対して、連続的に追加供給する単量体または単量体と有機溶剤の混合液が、0.5重量部以上、好ましくは1.0重量部以上が好ましい。0.5重量部未満では、供給液中に低沸点単量体が多く含まれ、得られる共重合体の成形品に曇りが発生する。
【0029】
連続的に追加供給する単量体または単量体と有機溶剤との混合液の一部または全てを該反応槽の気相部から供給するとき、スプレーノズルを用い供給することが可能である。さらに、該反応槽内塔頂部に向けて、塔頂部壁面を濡らすように噴射して供給することで、塔頂部壁面での共重合体の付着成長を防ぐことができる。スプレーノズルは供給液の圧力だけで供給液をスプレーすることが可能であれば、その形式は問わない。
本発明において、重合温度は、重合開始剤の種類と使用量、得られる共重合体の分子量等によって異なるが、60℃〜160℃、好ましくは80℃〜150℃、さらに好ましくは100℃〜140℃の温度範囲であるが、特に、熱重合を抑制するために140℃以下での重合温度が好ましい。重合温度が60℃未満の場合、重合速度低下し、生産性の観点から実用的でない。
【0030】
本発明において、該反応槽から抜き出される反応液から、未反応単量体、有機溶剤を除去して共重合体を回収する方法としては、反応液を余熱して減圧下フラッシングする方法、直接ベント付き押出機で脱気する方法等の一般的な方法でよい。
本発明により得られる共重合体は、優れた品質を有することから、耐薬品性が要求される成形材料として、単独あるいはABS樹脂等の他の樹脂とのブレンドした混合樹脂として好適に使用される。
【0031】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
なお、以下の実施例、表1、表2中の部及び%は、特に断わらない限り重量基準であり、また、本発明はこれらの実施例などにより何ら限定されるものではない。
[反応槽]
反応槽として次の4種の反応槽を用いた。
反応槽▲1▼
2段傾斜パドル型(傾斜角度45度)攪拌翼、また攪拌軸にトルク計を備え、温度調節機能を備えた内容量3リットルの強制攪拌型反応槽に、反応槽上部の気相空間部に開口を設け、重合途中で蒸発された単量体等が反応槽外で冷却、凝縮され、再び反応槽内液相部へ戻すように凝縮装置、配管の設備を設置した。
【0032】
反応槽▲2▼
内容量150リットルで、単量体または単量体と有機溶剤の混合液を、反応槽気相部へ追加供給するときに反応槽気相部壁面に散布して供給できるようスプレーノズルを取り付けた以外は反応槽▲1▼と同じ強制攪拌反応槽を用いた。
反応槽▲3▼
反応槽上部の気相空間部には開口を設けず、反応槽▲1▼記載中の凝縮装置、配管の設備を設置していない2段傾斜パドル型(傾斜角度45度)攪拌翼、また攪拌軸にトルク計を備え、温度調節機能を備えた内容量3リットルの強制攪拌反応槽を用いた。
【0033】
反応槽▲4▼
攪拌可動部を用いず、ミキシングエレメント20個を装着し、温度調節機能を備えた重合装置(装置名、スルザーSMX型ミキサー、L/D=20、内容量1リットル、住友重機械工業社製)を用いた。
また、実施例、比較例中の評価は下記の方法により実施した。
【0034】
[評価方法]
〔生成したゲル状ポリマー評価方法〕
(I)反応槽内液相部に付着したゲル状ポリマーの定量方法。
長時間の336時間連続重合を行った後、重合を終了し、メチルエチルケトンで反応槽内の未反応単量体及び溶解可能なポリマーを除去した後、フランジを解放し、反応槽内液相部に付着したポリマーを機械的に剥離し採取した。そのポリマーを120℃、3時間減圧下乾燥させて、さらに未反応単量体とメチルエチルケトン等を除去した。得られたポリマーを精秤し、予め反応槽内液相部の面積を算出した面積を用い、単位面積当たりのゲル状ポリマーの生成量を算出した。
【0035】
(II)反応槽内液相部に付着したゲル状ポリマー中の固形分の粒子径の測定方法。
(I)で得られたポリマーを用い、これをジメチルスルフォアミド1gに対し、ポリマーを1g入れ、一晩放置後、液体微粒子カウンター(Model 4100、HIAC/ROYCO社製)を用いて、平均粒子径を算出した。
(III)共重合体中のゲル状ポリマーの定量方法。
連続重合を行い、長時間の336時間目に反応沿うから抜き出される反応液を採取する。採取した反応液を120℃、3時間減圧下、乾燥させて未反応単量体等を除去した。得られた共重合体を10g精秤し(▲1▼g)、これをメチルエチルケトン300mlで溶解させ、この溶液をあらかじめ精秤した定量濾紙〔規格JIS Pー3801 5種C相当、重量(▲2▼g)〕に通し濾過を行い、その定量濾紙を120℃、1時間減圧下、乾燥させて、乾燥後の重量(▲3▼g)を精秤し、下記の計算式により反応液中のゲル状ポリマーの生成量を算出した。
ゲル状ポリマー(ppm)=〔(▲3▼ー▲2▼)/▲1▼〕×1000000
【0036】
〔共重合体中のAN含有率の測定〕
連続重合を行い、長時間の336時間目に反応槽から抜き出される反応液を採取し、採取した反応液を120℃、3時間減圧下、乾燥させて未反応単量体等を除去した。その共重合体を1 HーNMR(日本電子社製、GXー270、270MHz、溶媒:重水素化クロロホルム)によりAN含有率を算出した。
〔共重合体成形品のくもり度評価〕
連続重合を行い、反応槽から抜き出される反応液を250℃、10mmHgの高真空に保たれた揮発分除去装置へ導入し、未反応単量体、有機溶剤を除去し共重合体をペレットとして回収した。連続重合を開始して長時間の336時間目に回収されるペレットを採取し、厚さ3mmの射出成形平板(5cm×9cm)として肉眼でくもり度を評価した。くもり度は次の判定基準に従って評価した。
○:透明性に優れる。
△:透明性に優れるが、判定○より劣る。
×:少しくもりがある。
【0037】
〔架橋効率εの測定方法例〕
重合開始剤の架橋効率εは、以下の測定例により算出した。
アンプル中にクメン及び重合開始剤として、tーブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエートを加えた。この時の重合開始剤の濃度は、0.5mmol/リットルに調整した。次に窒素ガスでアンプル中の空気を置換し密封した。次に、温度110℃、加熱時間を重合開始剤の110℃における半減期の6倍となる時間で加熱し、重合開始剤を完全に分解させた。次にアンプルを室温まで冷却し、ガスクロマトグラフによって生じたクメンの2量体を定量した。その後、式(1)により、重合開始剤tーブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエートの架橋効率εを求めたところ64であった。
架橋効率ε=100×a/b (1)
ただし式中、aは生成したクメンの二量体の濃度(mol/リットル)、bは0.5×10ー3(mol/リットル)を表す。
他の重合開始剤の架橋効率εについても上記と同様に実施した。
【0038】
(実施例1)
二段傾斜パドル型(傾斜角度45度)攪拌翼を備えた反応槽▲1▼を用いた。この反応槽に供給する供給液を、スチレン47重量部、アクリロニトリル21重量部、トルエン32重量部、重合開始剤としてtーブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエート0.05重量部となるように調製した。この供給液を窒素ガスを用いてバブリングさせた。なお、使用した重合開始剤tーブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエートの架橋効率εは64であった。また、この供給液の溶存酸素濃度を測定し、その結果を表1に示した。
【0039】
次に、調整した供給液を連続的に1.2kg/時間の速度で反応槽へ供給し、重合温度124℃、反応槽内での反応液の充填率が65vol%を維持できるようにし、供給液量と同量の反応液を連続的に抜き出した。重合中、連続的に追加供給する単量体と有機溶剤の混合液は、反応槽内の気相部、液相部へ供給するが、液相部へ供給する量は、循環される該凝縮液とほぼ同量の混合液量とし、凝縮液と混合させて液相部へ供給し、残りの混合液反応槽気相部へ供給した。なお重合中において、反応槽内液相部に対応する温調ジャケット温度、攪拌所要動力、重合転化速度は表2に示した。
抜き出した反応液は、250℃、10mmHgの高真空に保たれた揮発分除去装置へ導入し、未反応単量体、有機溶剤を脱気回収し、共重合体はペレットとして回収した。連続運転開始後、336時間目の反応槽から抜き出される反応液及び、ペレットを回収し、また、反応槽内壁付着、及び共重合体中のゲル状ポリマーの生成量などの評価を実施した。その結果を表2に示す。
【0040】
(実施例2)
二段傾斜パドル型(傾斜角度45度)攪拌翼を備えた反応槽▲2▼を用いた。反応槽へ供給する供給液を、スチレン47重量部、アクリロニトリル21重量部、トルエン32重量部、重合開始剤としてtーブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエート0.05重量部となるように調整した。この供給液を窒素ガスを用いてバブリングさせた。なお、使用した重合開始剤tーブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエートの架橋効率εは64であった。また、この供給液の溶存酸素濃度を測定し、その結果を表1に示した。
【0041】
次に、調整した供給液を連続的に37.5kg/時間の速度で反応槽へ供給し、重合温度130℃、反応槽内での反応液の充満率が70容量%を維持できるようにし、供給液量と同量の反応液を連続的に抜き出した。重合中、連続的に供給する単量体と有機溶剤の混合液を反応槽気相部へ供給する時、スプレーノズルを用いて供給し、そのほかは実施例1と同様にして重合を行った。なお、重合中において、反応槽内液相部に対応する温調ジャケット温度、攪拌所要動力、重合転化速度は表2に示した。反応槽内壁付着、及び共重合体中のゲル状ポリマーの生成量などの評価は実施例1と同様に行い、その結果を表2に示す。
【0042】
(実施例3、10及び比較例6)
二段傾斜パドル型(傾斜角度45度)攪拌翼を備えた反応槽 1 を用い、反応槽へ供給する供給液を、表1に示す割合で調整し、実施例1と同様に窒素ガスを用いてバブリングさせた。この供給液中の溶存酸素濃度、使用した重合開始剤の架橋効率εの測定を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。また、重合温度、反応槽内での反応液の充填率を表1とした以外は、実施例1と同様に重合を行った。重合中の反応槽液相部に対応する温調ジャケット温度、攪拌所要動力、重合転化速度は表2に示した。反応槽内壁付着、及び共重合体中のゲル状ポリマーの生成量等の評価は実施例1と同様に実施し、その結果を表2に示す。
【0043】
(実施例4〜9、11〜15及び比較例3〜5、7〜10)
二段傾斜パドル型(傾斜角度45度)攪拌翼を備えた反応槽 2 を用い、反応槽へ供給する供給液を、表1に示す割合で調整し、実施例1と同様に窒素ガスを用いてバブリングさせた。この供給液中の溶存酸素濃度、使用した重合開始剤の架橋効率εの測定を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示した。また、重合温度、反応槽内での反応液の充填率を表1とした以外は、実施例2と同様に重合を行った。また、重合中の反応槽液相部に対応する温調ジャケット温度、攪拌所要動力、重合転化速度は表2に示した。反応槽内付着、及び共重合体中のゲル上ポリマーの生成量等の評価は実施例1と同様に実施し、その結果を表2に示す。
【0044】
(比較例1)
二段傾斜パドル型(傾斜角度45度)攪拌翼を備えた反応槽▲3▼を用い、スチレン70重量部、アクリロニトリル30重量部、重合開始剤として、tーブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエート0.6重量部の割合で調整した。この供給液を窒素ガスを用いてバブリングさせた。この供給液の溶存酸素濃度を測定し、その結果を表1に示した。次に、調整した供給液を連続的に2.0kg/時間の速度で反応槽内で気相部のないように反応槽へ供給し重合を行った。なお、使用した重合開始剤tーブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエートの架橋効率εは64であった。重合開始後、12時間目に、反応液の温度が上昇し、温度制御が困難となり、重合を中止した。
【0045】
(比較例2)
反応槽▲4▼を用い、反応槽へ供給する供給液は、スチレン35重量部、アクリロニトリル35重量部、トルエン30重量部、重合開始剤としてtー部率パーオキシー2ーエチルヘキサノエート0.05重量部となるように調整した。この供給液を窒素ガスを用いてバブリングさせた。この供給液の溶存酸素濃度を測定し、その結果を表1に示した。次に、調整した供給液を、反応槽底部から、1.125kg/時間の速度で連続的に供給し、重合温度を145℃とし、反応槽へ供給した供給液量と同量の反応液を連続的に反応槽の上部から抜き出した。なお、使用した重合開始剤tーブチルパーオキシー2ーエチルヘキサノエートの架橋効率εは64であった。反応槽から抜き出される反応液は、実施例1と同じ揮発分除去装置へ導入し、未反応単量体、有機溶剤を除去した。評価は実施例1と同様に行ったが、共重合体の射出成形平板のくもり度を肉眼で評価したところ×となり、その他の評価は表2であった。
【0046】
【表1】
Figure 0003664576
【0047】
【表2】
Figure 0003664576
【0048】
【発明の効果】
本発明のスチレンーアクリロニトリル系共重合体の製造方法によれば、重合熱を効率的に除去し、かつ単量体、共重合体、有機溶剤が均一に混合され、かつ高い重合転化率で長時間の連続運転が可能となり、また、得られる共重合体は、成形品とした場合に銀条(シルバーストリークス)の少ない優れたものとなり、その工業的意義がきわめて大きい。

Claims (12)

  1. シアン化ビニル系単量体5〜60重量%、芳香族ビニル単量体40〜95重量%、これらと共重合可能な他のビニル化合物単量体0〜20重量%からなる単量体を連続的に塊状重合、または溶液重合するに際し、(A)反応槽として、攪拌軸に取り付けたトルク計と回転数から計測される攪拌動力(KW)を、攪拌を受ける反応槽内の反応液の容量(m3 )で除して得られる攪拌所要動力が2KW/m3 以上である強制攪拌反応槽を用い、(B)反応槽内で、該単量体の混合物100重量部と反応に不活性な有機溶剤10〜100重量部とからなる反応液が気相とを界面が存在するように気相部を残して、反応槽の全容積に対する反応液の充填率が50〜90容量%であるように反応液を充填し、(C)重合開始剤として、クメン中に重合開始剤を0.5mmol/リットルの割合で溶解させ、温度110℃、加熱時間を重合開始剤の110℃における半減期の6倍となる時間で加熱した際に生じるクメンの二量体の量を用い、下記の式(1)で定義される架橋効率εが75以下である重合開始剤から選ばれた少なくとも一種以上の重合開始剤を使用することを特徴とする共重合体の製造方法。
    架橋効率ε=100×a/b (1)
    〔式中、aは生成したクメンの二量体の濃度(mol/リットル)、bは0.5×10-3(mol/リットル)を表す。〕
  2. 該反応槽において、反応槽上部の気相空間部に開口する配管から、凝縮器を通して、反応槽内の界面より蒸発した単量体及びまたは有機溶剤を凝縮させ、更に該凝縮液を該凝縮液の沸点より高い温度の反応槽内へ戻すことによって蒸発潜熱を奪うことにより発生熱を除去して重合温度を制御することが可能であることを特徴とする請求項1記載の共重合体の製造方法。
  3. 該反応槽において、該凝縮液を該反応槽内へ戻すとき、連続的に追加供給する単量体または単量体と溶剤の混合液の全てまたはその一部を該凝縮液と混合し、該反応槽内の液相部へ供給することを特徴とする請求項1または2記載の共重合体の製造方法。
  4. 該反応槽において、連続的に追加供給する単量体または単量体と溶剤の混合液の全てまたはその一部を該反応槽の気相部から供給するとき、スプレーノズルを用いて供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の共重合体の製造方法。
  5. 該反応槽において、連続的に追加供給する単量体または単量体と溶剤の混合液の全てまたはその一部を該反応槽の気相部からスプレーノズルを用いて供給する際に、反応槽内塔頂部に向けて塔頂部壁面を濡らすように噴射して供給することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の共重合体の製造方法。
  6. 該反応槽において、反応槽が反応槽内の液相部、気相部に対応する反応槽外表面ジャケットを有しており、少なくとも液相部に対応するジャケット内の温度が反応槽内の温度よりも1℃以上低く保たれている強制攪拌反応槽であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の共重合体の製造方法。
  7. 請求項1記載の単量体、または単量体と反応に不活性な有機溶剤との混合液において、該単量体または該混合液の溶存酸素濃度が1ppm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の共重合体の製造方法。
  8. 連続重合を行い、連続重合開始後、336時間目の該反応槽の、該反応槽外表面を覆う温調ジャケットと接する液相部の壁面に付着した固形分において、ジメチルスルフォアミド中に溶解しない固形分の平均粒子径が30μm以下の共重合体であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の共重合体の製造方法。
  9. 該共重合体の製造方法であって、重合温度が100℃〜140℃であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の共重合体の製造方法。
  10. 重合開始剤が有機過酸化物であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の共重合体の製造方法。
  11. 重合開始剤がアゾ系開始剤であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の共重合体の製造方法。
  12. 連続重合を行い、連続重合開始後336時間目に、該反応槽から抜き出される反応液において、該反応液中に含まれる固形分がメチルエチルケトンに溶解しない量が80ppm以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の共重合体の製造方法。
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