JPH08208579A - 1−アミノ−5−ベンゾイルアミノアントラキノンの製造法 - Google Patents
1−アミノ−5−ベンゾイルアミノアントラキノンの製造法Info
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- JPH08208579A JPH08208579A JP7017098A JP1709895A JPH08208579A JP H08208579 A JPH08208579 A JP H08208579A JP 7017098 A JP7017098 A JP 7017098A JP 1709895 A JP1709895 A JP 1709895A JP H08208579 A JPH08208579 A JP H08208579A
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Abstract
純度の1−アミノ−5−ベンゾイルアミノアントラキノ
ンを得る方法を提供する。 【構成】 1,5−ジアミノアントラキノンをハロゲン
化ベンゾイルと反応させ、下記式(I)の1−アミノ−
5−ベンゾイルアミノアントラキノンを製造する方法に
おいて、極性溶媒存在下で反応することにより、反応後
のろ過や晶析等の操作を効率よく行うことを可能とし
た。
Description
トラキノンからそのアシル化物である一般式(I)
製造する方法に関する。
ンゾイルアミノアントラキノン(以下、「ABAQ」と
略す)は、古くから染料等の精密化学品中間体として重
要な化合物である。
でに種々の方法が開示されている。一般的には、FIA
T1313並びに理論製造染料化学(細田豊著)に記載
されているように、1,5−ジアミノアントラキノン
(以下、「DAAQ」と略す)をニトロベンゼン存在
下、塩化ベンゾイルと反応する方法が古くから知られい
る。しかしながらこの方法では、目的物であるABAQ
の収率が60%と低い。また、目的物のニトロベンゼン
に対する溶解度が低いため、副生物である1,5−ジベ
ンゾイルアミノアントラキノン(以下、「DBAQ」と
略す)を濾過して除くのに多量のニトロベンゼンで洗浄
することが必要である。更には、ニトロベンゼンを蒸留
して目的物であるABAQを単離しなければならず操作
が煩雑である。
ンゼンを用いた方法で反応を行ってみると、得られたA
BAQの純度が低いため、濾過、再結晶或いはカラムク
ロマトグラフィー等の精製操作を避けることができな
い。そのため目的物であるABAQの純度換算収率は5
8%と低く、工業的に適した方法とは言い難い。
技術を更に改良し、高収率で高品質のABAQを得る方
法を提供するものである。
を解決するために鋭意検討した結果、工業的に極めて価
値のある方法を見出し、本発明を完成した。即ち、本発
明は、DAAQをハロゲン化ベンゾイルと反応させAB
AQを製造する方法において、極性溶媒存在下で反応さ
せることを特徴とするABAQの製造法である。
ては、一般式(II)
を表し、これらの基は尿素基を含む5員環又は6員環を
形成していてもよい。〕の尿素誘導体、N,N−ジメチ
ルホルムアミド(以下、「DMF」と略す)、N,N−
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホ
ラン、またはN−メチルピロリドン等が好ましく用いら
れ、中でも一般式(II)で表される尿素誘導体が好ま
しい。
は異なるアルキル基で置換された尿素、例えばテトラメ
チル−、テトラエチル−、テトラ−n−プロピル−、テ
トラ−n−ブチル−、及びジメチルジエチル尿素等であ
り、また尿素基を含む5員環または6員環を形成したも
のでもよい。中でも、環状尿素誘導体である1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン(N,N’−ジメチルエ
チレン尿素、以下「DMI」と略す)及びN,N’−ジ
メチルプロピレン尿素が好ましい。これらの溶媒は、単
独で用いても、2種以上を併用してもどちらでもよい。
また、これら極性溶媒以外の有機溶媒、例えばベンゼ
ン、トルエン、ニトロベンゼン、クロロベンゼン等と併
用しても問題ない。
通常DAAQに対して0.01〜40重量倍、好ましく
は0.5〜20重量倍の範囲で使用される。反応溶媒の
量としては、通常DAAQに対して1〜40重量倍であ
る。
ベンゾイルは、フッ化ベンゾイル、塩化ベンゾイル、臭
化ベンゾイル等であり、中でも塩化ベンゾイルが好まし
い。その使用量は、DAAQに対して通常0.8〜3.
0モル倍、好ましくは0.95〜1.8モル倍の範囲で
ある。このハロゲン化ベンゾイルの使用量が極端に少な
い場合は、原料のDAAQが残存し、逆に使用量が極端
に多い場合には、副生物であるDBAQの生成が増え、
いずれの場合もABAQの収率ならびに品質低下を招く
傾向にある。
を用いる。その例としては、アルカリ金属あるいはアル
カリ土類金属の炭酸塩、炭酸水素塩、酢酸塩等を挙げる
ことができる。その使用量は原料のDAAQに対して等
モル以上であればよい。
は20〜180℃の範囲で行うのがよい。反応温度が低
すぎると反応速度が遅くなる傾向がある。反応時間は、
反応温度によって異なり、一義的に決まるものではない
が、通常10時間以内に反応は完結する。
ゲン化ベンゾイルを反応させ、副生するDBAQ及び不
溶物をあらかじめ濾別した後、溶解しているABAQを
晶出させることにより、高純度のABAQを得ることが
できる。副生するDBAQ及び不溶物を濾過する際の濾
別温度は、通常20〜200℃の範囲で行い、ABAQ
が析出しない条件が好ましい。
より異なる。ABAQが水溶性の溶媒に溶解している場
合には、冷却あるいは水の添加により晶析するとよい。
また非水溶性の溶媒に溶解している場合には、通常その
まま冷却するか、溶媒留去により晶出させたり、溶液中
にメタノール、エタノール等のアルコールを添加するこ
とにより晶出させるとよい。水を添加して結晶を析出さ
せる場合の水の量は、使用する溶媒により一概には言え
ないが、溶媒に対して0.02〜2重量倍が好ましい。
また、水を添加する際の温度は20〜100℃の範囲が
好ましい。
ることにより、これまでに述べた濾過及び晶析の操作を
効率よく行うことができる。本発明の具体的な実施態様
は例えば次のとおりである。まず、極性溶媒中にDAA
Qを溶解或いは懸濁させ、所定温度にて塩化ベンゾイル
を滴下後、撹拌し、副生したDBAQ及び不溶物を濾取
する。得られた濾液に水を添加することにより、目的の
ABAQを析出させ単離する。
が、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に
限定されるものではない。尚、純度分析は高速液体クロ
マトグラフィーで行った。
懸濁させ、これを55℃に加熱し、炭酸ナトリウム2
3.2g(0.218モル)を添加した。そこへ塩化ベ
ンゾイル16.5g(0.118モル)を1.5時間か
けて滴下した。更に55〜60℃で1時間撹拌後、10
0℃に昇温し、そのまま1時間撹拌した。温度を80〜
100℃に保ちながら不溶物を濾別し、この濾液に水3
00gを装入して結晶を析出させ、これを濾取し、目的
物26.0gを得た。分析の結果、ABAQの純度は9
2%であり、DAAQに対する純度換算収率は83%で
あった。
実施例1と同様に行い、目的物26.1gを得た。分析
の結果、ABAQの純度は87%であり、DAAQに対
する純度換算収率は79%であった。
ン238gを用い,120℃で反応させたこと以外は、
実施例1と同様に行い、目的物23.1gを得た。分析
の結果、ABAQの純度は87%であり、DAAQに対
する純度換算収率は70%であった。
gに懸濁させ、これを50℃に加熱し、炭酸水素ナトリ
ウム21.4g(0.255モル)を添加した。そこへ
塩化ベンゾイル13.4g(0.095モル)を2時間
かけて滴下した。更に55〜60℃で1時間撹拌後、1
20℃に昇温し、そのまま1時間撹拌した。温度を10
0〜120℃に保ちながら不溶物を濾別し、この濾液に
水80gを装入して結晶を析出させ、これを濾取し、目
的物22.3gを得た。分析の結果、ABAQの純度は
87%であり、DAAQに対する純度換算収率は83%
であった。
ンゼン396gに懸濁させ、これを155℃に加熱し、
炭酸ナトリウム34.8g(0.327モル)を添加し
た。塩化ベンゾイル24.8g(0.176モル)を5
時間かけて滴下した。更に155〜160℃で1時間撹
拌後、反応混合物中の結晶部分を濾別した。得られた濾
液から水蒸気蒸留によりニトロベンゼンを留去させ、結
晶を析出させた。これを濾過して結晶部分を濾取、この
濾塊を乾燥させた。得られた結晶は29.6gであっ
た。分析の結果、ABAQは84%含まれており、DA
AQに対する純度換算収率は58%であった。
て工業上極めて有用な化合物である1−アミノ−5−ベ
ンゾイルアミノアントラキノンを1,5−ジアミノアン
トラキノンから高収率で得ることができる。得られた1
−アミノ−5−ベンゾイルアミノアントラキノンは煩雑
な精製操作を行うことなく簡便に単離でき、しかも高品
質である。即ち本発明は、1,5−ジアミノアントラキ
ノンをハロゲン化ベンゾイルと反応させ、高収率並びに
高品質で目的の1−アミノ−5−ベンゾイルアミノアン
トラキノンを得ることができる工業的に効率のよい、極
めて価値のある方法である。
Claims (2)
- 【請求項1】 1,5−ジアミノアントラキノンをハロ
ゲン化ベンゾイルと反応させ、一般式(I) 【化1】 の1−アミノ−5−ベンゾイルアミノアントラキノンを
製造する方法において、極性溶媒存在下で反応すること
を特徴とする1−アミノ−5−ベンゾイルアミノアント
ラキノンの製造法。 - 【請求項2】 極性溶媒が一般式(II) 【化2】 〔式中、Rは炭素数1〜4の同一又は異なるアルキル基
を表し、これらの基は尿素基を含む5員環又は6員環を
形成していてもよい。〕の尿素誘導体、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメ
チルスルホキシド、スルホラン、N−メチルピロリドン
の中から選ばれる一種以上であることを特徴とする請求
項1記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7017098A JPH08208579A (ja) | 1995-02-03 | 1995-02-03 | 1−アミノ−5−ベンゾイルアミノアントラキノンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7017098A JPH08208579A (ja) | 1995-02-03 | 1995-02-03 | 1−アミノ−5−ベンゾイルアミノアントラキノンの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08208579A true JPH08208579A (ja) | 1996-08-13 |
Family
ID=11934543
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7017098A Pending JPH08208579A (ja) | 1995-02-03 | 1995-02-03 | 1−アミノ−5−ベンゾイルアミノアントラキノンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08208579A (ja) |
-
1995
- 1995-02-03 JP JP7017098A patent/JPH08208579A/ja active Pending
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