JPH08207189A - 内装用化粧シートおよびその製造方法 - Google Patents

内装用化粧シートおよびその製造方法

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JPH08207189A
JPH08207189A JP3929095A JP3929095A JPH08207189A JP H08207189 A JPH08207189 A JP H08207189A JP 3929095 A JP3929095 A JP 3929095A JP 3929095 A JP3929095 A JP 3929095A JP H08207189 A JPH08207189 A JP H08207189A
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JP
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vinyl chloride
chloride resin
layer
decorative sheet
interior
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JP3929095A
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English (en)
Inventor
Yuji Takahashi
勇司 高橋
Shingo Chokai
臣吾 鳥海
Takahiro Sumiya
孝弘 角谷
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた耐汚染性を有し、接着剤を塗布した際
のカールの発生を防止し、且つ、厚み感の十分にある、
施工性の良好な、さらには、良好な柄印刷、エンボス等
を施すことができ、意匠性にも優れた内装用化粧シート
を提供する。 【構成】 基材1の上に、発泡塩化ビニル樹脂層2を設
け、その上に、柄印刷層3を設け、さらにその上に、接
着層4を介して保護フィルム層5を設け、該保護フィル
ム層5の表面にエンボス6を施したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般住宅、ホール、病
院、飲食店などの壁紙や天井材等の内装材として使用す
る内装用化粧シートに関するもので、詳しくは、水回り
部分や不特定多数の人の出入りのある汚れやすい場所、
清潔さを必要とする場所の内装材として使用することに
適した優れた耐汚染性を有し、且つ、接着剤を塗布した
際のカールの発生を防止し、しかも、厚み感のある、施
工性の良好な内装用化粧シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者等は、先に、耐汚染性を有する
内装材として、基材の片側に、塩化ビニルペースト層を
設けてなる原反に、接着剤を介してフッ素樹脂フィルム
を設けた内装用化粧シートを提案した(特願平6−25
5651号)。
【0003】かかる内装用化粧シートは、従来のものに
比べて汚れがつき難く耐汚染性に優れたものであるが、
以下のような施工時における種々の問題点がある。 1.厚み感がないため、施工時に下地の凹凸を拾いやす
い。 2.接着剤を塗布すると、カールが生じ、貼り難い。 3.全体的に腰がなく、柔軟性に劣るため、施工場所に
よっては施工がしずらい。
【0004】これらの問題は、主に塩化ビニルペースト
層の構成に原因があるものと考えられる。すなわち、上
記塩化ビニルペースト層は、塩化ビニル樹脂に可塑剤、
安定剤、充填剤、希釈剤、減粘剤等の成分を配合した塗
布液を基材上にコーティングして形成した層であり、柔
軟性や厚み感を持たせ得るような構成となっていないか
らであると考えられる。
【0005】また、上記の本発明者等の提案による内装
用化粧シートの他にも、フィルムラミネートタイプの塩
化ビニル壁紙は従来公知であるが、その中には、発泡剤
を用いて発泡させたタイプのものも知られている。それ
は、基材上に、発泡量の大きいADCA(アゾ−ジ−カ
ルボン−アミド)系の有機発泡剤を含有する塩化ビニル
ペーストをコーティングしてから発泡させ、その後、合
成樹脂フィルムをラミネートして、表面にエンボスを施
したものである。ただし、柄印刷を行わない無地のタイ
プならともかく、このような表面にエンボスを施すのみ
では、あまり意匠性の優れたものは得られない。仮に、
上記の発泡塩化ビニル樹脂層の表面に柄印刷を行おうと
すると、発泡層の凹凸面に対するインキの付き、印刷時
の発泡層のつぶれなど、技術的に不安定な要素が多く、
意匠性の良好な化粧材の安定した生産は困難である。ま
た、発泡塩化ビニル樹脂層の表面は凹凸ができているた
め、合成樹脂フィルムをラミネートしたときの発泡塩化
ビニル樹脂層と合成樹脂フィルムとの密着性もあまりよ
いものではない。
【0006】また、上記の発泡タイプの塩化ビニル壁紙
の場合、たとえば、塩化ビニルペーストをコーティング
した時には発泡させないで形成した塩化ビニル樹脂層の
表面に、柄印刷を行ってから、合成樹脂フィルムをラミ
ネートした後、発泡剤を加熱により発泡させ、同時にそ
の加熱によりエンボスを施すという工程を採用すること
も考えられるが、上記の有機発泡剤は、加熱による発泡
時にガス化するため、ラミネートされた合成樹脂フィル
ムの内側、つまり塩化ビニル樹脂層と合成樹脂フィルム
の間に揮発分による膨らみが生じ、膨れ現象が起こる。
すると、意匠性が著しく損なわれるばかりか、このよう
な状態で、表面にエンボスを施すと合成樹脂フィルムが
破裂することがあり、エンボスを施すことは困難であ
る。なお、発泡工程の加熱量を少なくすると、膨れ現象
は起こりにくいが、発泡による厚み感があまり得られな
い上に、エンボスの入り具合が甘くなり、意匠的にも中
途半端な商品となってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点に鑑み為されたもので、その目的とするところ
は、優れた耐汚染性を有し、しかも、接着剤を塗布した
際のカールの発生を防止し、且つ、厚み感の十分にあ
る、施工性の良好な、さらには、良好な柄印刷、エンボ
ス等を施すことができ、意匠性にも優れた内装用化粧シ
ートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明に係る内装用化粧シートは、基材の
片側に、発泡塩化ビニル樹脂層を設け、その上に接着層
を介して保護フィルム層を設けたことを特徴としてい
る。
【0009】また、請求項2の発明に係る内装用化粧シ
ートは、前記保護フィルム層が、フッ素樹脂フィルムか
らなることを特徴としている。
【0010】また、請求項3の発明に係る内装用化粧シ
ートは、前記フッ素樹脂フィルムが、エチレン−テトラ
フルオロエチレン共重合樹脂からなることを特徴として
いる。
【0011】また、請求項4の発明に係る内装用化粧シ
ートは、前記発泡塩化ビニル樹脂層は、塩化ビニル樹脂
中に含有させたカプセル発泡剤の加熱発泡により形成さ
れていることを特徴としている。
【0012】また、請求項5の発明に係る内装用化粧シ
ートは、前記発泡塩化ビニル樹脂層上に、柄印刷層を設
けたことを特徴としている。
【0013】また、請求項6の発明に係る内装用化粧シ
ートは、前記保護フィルム層上に、エンボスを施したこ
とを特徴としている。
【0014】また、請求項7の発明に係る内装用化粧シ
ートの製造方法は、基材の片側に、カプセル発泡剤を含
有する塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、前記カプセル
発泡剤が発泡しない温度に加熱して、基材上に塩化ビニ
ル樹脂層を形成し、次いで、該塩化ビニル樹脂層の上
に、接着層を介して保護フィルム層をラミネートし、次
いで、前記カプセル発泡剤の発泡温度に加熱してカプセ
ル発泡剤を発泡させることを特徴としている。
【0015】また、請求項8の発明に係る内装用化粧シ
ートの製造方法は、前記保護フィルム層が、フッ素樹脂
フィルムであることを特徴としている。
【0016】また、請求項9の発明に係る内装用化粧シ
ートの製造方法は、前記フッ素樹脂フィルムが、エチレ
ン−テトラフルオロエチレン共重合樹脂からなることを
特徴としている。
【0017】また、請求項10の発明に係る内装用化粧
シートの製造方法は、基材上に前記塩化ビニル樹脂層を
形成した後、該塩化ビニル樹脂層上に、柄印刷層を設け
ることを特徴としている。
【0018】さらに、請求項11の発明に係る内装用化
粧シートの製造方法は、前記保護フィルム層上にエンボ
スを施すと同時に、前記カプセル発泡剤を加熱発泡させ
ることを特徴としている。
【0019】以下、本発明の構成についてさらに詳しく
説明する。
【0020】図1は、本発明に係る内装用化粧シートの
一構成例を示す断面図である。
【0021】図1によれば、本発明に係る内装用化粧シ
ートの一構成例は、基材1の上に、発泡塩化ビニル樹脂
層2を設け、その上に、柄印刷層3を設け、さらにその
上に、接着層4を介して保護フィルム層5を設け、該保
護フィルム層5の表面にエンボス6を施したものであ
る。
【0022】上記基材1としては、難燃性裏打ち紙、
布、不織布等が挙げられるが、本発明では、化粧シート
に柔軟性を持たせるうえから、特に難燃性裏打ち紙が好
ましく使用できる。
【0023】上記基材1上に設けられる上記発泡塩化ビ
ニル樹脂層2は、カプセル発泡剤を含有する塩化ビニル
樹脂ペーストを基材1の上に塗布し、カプセル発泡剤を
加熱により発泡させることにより形成されるものである
が、本発明においては、上記塩化ビニル樹脂ペーストを
基材1上に塗布してから、先ず、前記カプセル発泡剤が
発泡しないような温度に加熱して、塩化ビニル樹脂が言
わば半ゲル化した状態の塩化ビニル樹脂層を形成し、次
いで、該塩化ビニル樹脂層の上に、柄印刷層3を設け、
さらに、接着層4を介して保護フィルム層5をラミネー
トした後、前記カプセル発泡剤の発泡温度に加熱してカ
プセル発泡剤を発泡させることにより、上記発泡塩化ビ
ニル樹脂層2を形成する方法が好ましい。ここで、半ゲ
ル化した状態とは、シートを折り曲げたときに塩化ビニ
ル樹脂層にクラックが生じないで、かつ表面がべとつか
ず、ロールと接触してもロールに樹脂が転移しないよう
な状態をいう。このような方法を採ることにより、塩化
ビニル樹脂が半ゲル化した状態でカプセル発泡剤は発泡
していない状態の表面がほぼ平滑な塩化ビニル樹脂層の
上に、柄印刷層3を設け、次いで、接着層4を介して保
護フィルム層5をラミネートするので、柄印刷時のイン
キの付きの不安定さ、発泡層のつぶれなどがなく、塩化
ビニル樹脂層と保護フィルム層5との密着性も良好なも
のが得られる。
【0024】上記塩化ビニル樹脂層を形成するための塩
化ビニル樹脂ペーストの組成は、樹脂成分である塩化ビ
ニル樹脂に、カプセル発泡剤、一次及び二次可塑剤、安
定剤、難燃剤、充填剤、無機微粒子、希釈剤等を配合し
たものである。
【0025】上記カプセル発泡剤は、熱可塑性樹脂の中
空の粒子で、中空部分に揮発性物質(たとえばイソブタ
ンなどの揮発性炭化水素)が封入されているもので、カ
プセルを形成する熱可塑性樹脂には、塩化ビニリデン−
アクリロニトリル共重合体などが使用される。カプセル
の粒径としては、好ましくは5〜20μmのものが使用
される。かかるカプセル発泡剤は、加熱により封入され
ている揮発性物質が揮発することによって発泡し、有機
発泡剤のようなガス化発泡はしない。
【0026】なお、上記二次可塑剤としては、揮発性の
低い且つ下粘効果のある可塑剤が望ましい。揮発性の高
い可塑剤であると、上記保護フィルム層5をラミネート
した後、加熱によりカプセル発泡剤を発泡させたとき、
前述の膨れ現象が起こる場合がある。
【0027】塩化ビニル樹脂中に添加するカプセル発泡
剤の量及び塩化ビニル樹脂の塗布量によって半透明感お
よび厚み感はコントロールすることが可能であるが、本
発明においては、カプセル発泡剤は塩化ビニル樹脂10
0重量部に対して5〜15重量部使用するのが好まし
く、塩化ビニル樹脂の塗布量は230〜270g/m2
であることが好ましい。また、上記発泡塩化ビニル樹脂
層2の層厚は、目的とする厚み感、柔軟性を出すために
は、発泡後の膜厚で0.5〜0.8mm程度とするのが
好ましい。
【0028】塩化ビニル樹脂ペーストを基材1上に塗布
する方法としては、グラビアコート、ロールコート、リ
バースコート、ナイフコート等、通常の塗布方法を任意
に用いて行えばよい。
【0029】塩化ビニル樹脂ペーストの塗布後、上記カ
プセル発泡剤が発泡しない程度の温度に加熱して、塩化
ビニル樹脂が半ゲル化した状態の塩化ビニル樹脂層を形
成するが、このときの加熱温度は用いる塩化ビニル樹脂
の種類によって多少は異なるけれども、一般には150
℃前後の温度が必要であり、加熱時間は加熱温度によっ
ても異なるが、通常30〜45秒程度が適当である。加
熱方法は、たとえば乾燥炉等に入れるなど任意である。
【0030】塩化ビニル樹脂層上には、化粧シートの意
匠性を上げるため、上記の如く、たとえばグラビア印刷
方式等により上記柄印刷層3を設けることができるが、
前述したように、本発明の製造方法によれば、柄印刷時
のインキの付きの不安定さ、発泡層のつぶれなどは生じ
ない。なお、印刷時に残留溶剤があると、保護フィルム
層5のラミネート後、加熱したときに膨れが生じるおそ
れがあるので、残留溶剤を残さぬ様、印刷時に温度10
0℃程度で熱風乾燥する事が望ましい。
【0031】このようにして、塩化ビニル樹脂層上に柄
印刷層3を設けて、その上に接着層4を介して保護フィ
ルム層5をドライラミネート法により設ける。このと
き、前記のカプセル発泡剤が発泡しない様、ヒートロー
ル温度も150℃位までを上限とする熱量にてラミネー
トすることが望ましい。
【0032】保護フィルム層5としては、汚れ防止機
能、表面強度の向上を図るため、たとえばフッ素樹脂フ
ィルム、ポリオレフィンフィルム、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂ケン化物(EVOH)フィルムなどが挙げ
られるが、特に汚れが付き難く耐汚染性に優れているこ
とからフッ素樹脂フィルムが好ましい。
【0033】このフッ素樹脂フィルムは、好ましくは、
四フッ化系コポリマーであるエチレン−テトラフルオロ
エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(EPE)、ヘキサフルオロプ
ロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体(FE
P)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(PFA)等のフッ素樹脂フィ
ルムを使用することが可能であるが、なかでも、耐熱温
度、機械的強度が最も高く、しかも加工適性のよいET
FEのフィルムが最適である。
【0034】保護フィルム層5の厚さは、12〜25μ
m程度が適当である。
【0035】保護フィルム層5にフッ素樹脂フィルムを
用いた場合、フッ素樹脂フィルムは接着性が低いので、
接着層4としてはポリエステル系樹脂を主体とする接着
剤を用いるのが好適である。
【0036】本発明は、保護フィルム層5をラミネート
した後、前記塩化ビニル樹脂層中に含有されたカプセル
発泡剤の発泡温度に加熱することによりカプセル発泡剤
を発泡させ、前記発泡塩化ビニル樹脂層2を形成する。
これと同時に、意匠性を高めるため、保護フィルム層5
の表面に図1に示すようなエンボス6を施すことができ
る。このときの加熱温度は用いるカプセル発泡剤の種類
によって多少は異なるけれども、一般には180〜19
0℃程度の温度であり、加熱時間は加熱温度によっても
異なるが、通常30〜60秒程度が適当である。加熱方
法は、前述と同様、乾燥炉等に入れるなど任意である。
【0037】本発明において、この加熱によりカプセル
発泡剤を発泡させたときには、膨れ現象は起こらず、エ
ンボスの入り具合も良好である。
【0038】
【作用】本発明の内装用化粧シートは、基材の片側に、
発泡塩化ビニル樹脂層を設け、その上に接着層を介して
保護フィルム層を設けたことにより、優れた耐汚染性を
有し、しかも、接着剤を塗布した際のカールの発生を防
止し、且つ、厚み感の十分にある内装用化粧シートが得
られる。
【0039】また、上記発泡塩化ビニル樹脂層を形成す
る場合、カプセル発泡剤を含有する塩化ビニル樹脂ペー
ストを基材上に塗布してから、先ず、前記カプセル発泡
剤が発泡しないような温度に加熱して、塩化ビニル樹脂
が言わば半ゲル化した状態の塩化ビニル樹脂層を形成
し、次いで、該塩化ビニル樹脂層の上に、接着層を介し
て保護フィルム層をラミネートした後、前記カプセル発
泡剤の発泡温度に加熱してカプセル発泡剤を発泡させ
て、上記発泡塩化ビニル樹脂層を形成することにより、
膨れ現象のような不具合は起こらず、発泡による十分な
厚み感が得られる。表面にエンボスを施した場合には、
エンボスの入り具合も良く、また、塩化ビニル樹脂が半
ゲル化した状態の塩化ビニル樹脂層上に柄印刷を行うこ
とにより、柄印刷時のインキの付きの不安定さ、発泡層
のつぶれなどがなく、良好な柄印刷、エンボスを施すこ
とができる。また、発泡塩化ビニル樹脂層と保護フィル
ム層との密着性も良好なものが得られる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明する。 実施例−1 坪量85g/m2の難燃性裏打ち紙にナイフコーターを
用いて下記組成の塩化ビニル樹脂ペーストを樹脂塗布量
230g/m2となるように塗布し、温度150℃で3
0秒間、乾燥炉に入れて乾燥し、原反を作製した。
【0041】 塩化ビニル樹脂ペースト組成(単位は重量部) 塩化ビニル樹脂 38JK(日本ゼオン社製) 100 可塑剤 ジオクチルフタレート(DOP) 60 可塑剤 D−388 (三菱化成ビニル社製) 10 安定剤 KR−69A−10 (共同薬品社製) 2 充填剤 BF−200 (KC工業社製) 150 カプセル発泡剤 F−85D(松本油脂社製) 8 チタンホワイト 18 希釈剤 D−40(エキソン化学 社製) 10 (粘度(B型粘度計 #3ローター 12rpmにて測定) 4800cps) 次いで、上記原反の塩化ビニル樹脂層上に、グラビア印
刷にて柄印刷したところ、安定した印刷物ができた。
【0042】その後、ポリエステル系樹脂接着剤を用い
て厚さ12μmのETFEフィルムをドライラミネート
し、温度185℃で45秒間、乾燥炉にいれて加熱し、
発泡させると同時にETFEフィルムの表面にエンボス
模様を形成した。こうして、塩化ビニル樹脂層の厚みが
発泡により2倍ほどになった厚み感の十分にある化粧シ
ートが得られた。
【0043】得られた化粧シートを10cm角にカット
したものを1分間、水中に放置し、その後取り出して、
カールの程度を確認したところ、カールの程度を5段階
にて評価し、1が悪く5が最良とした場合、本発明の化
粧シートは評価4〜5であり、カールの発生が少ないこ
とがわかった。因みに、
【従来の技術】のところで述べた特願平6−25565
1号の実施例に記載の化粧シートについても上記と同様
にカールの程度を確認したところ、評価2であり、こち
らはカールが発生しやすいことが確認された。
【0044】また、本発明の化粧シートについて、耐汚
染性の評価を行った。評価方法は、クレヨン、油性マジ
ック、水性マジック、水性インキ、コーヒー、タバス
コ、カレー、醤油、マニキュア、口紅、毛染めの液、靴
墨等の試験項目品で化粧シート表面を塗り潰す又は数滴
を垂らして48時間後に、乾いた布で拭き取る、あるい
は、水に中性洗剤を入れて(20%液)綿布をこの液で
濡らして拭き取り、汚れの落ち具合を評価する方法で行
った。その結果、本発明の化粧シートは、上記いずれの
試験項目品についても汚れの落ち具合は良好であり、耐
汚染性に優れていることが確認された。 実施例−2 坪量70g/m2の難燃性裏打ち紙にナイフコーターを
用いて下記組成の塩化ビニル樹脂ペーストを樹脂塗布量
230g/m2となるように塗布し、温度150℃で3
0秒間、乾燥炉に入れて乾燥し、原反を作製した。
【0045】 塩化ビニル樹脂ペースト組成(単位は重量部) 塩化ビニル樹脂 38JK(日本ゼオン社製) 100 可塑剤 ジオクチルフタレート(DOP) 50 可塑剤 D−388 (三菱化成ビニル社製) 10 安定剤 KR−69A−10 (共同薬品社製) 2 充填剤 BF−200 (KC工業社製) 160 カプセル発泡剤 F−85D(松本油脂社製) 5 チタンホワイト 18 希釈剤 D−40(エキソン化学社製) 10 (粘度(B型粘度計 #3ローター 12rpmにて測定) 7500cps) 次いで、上記原反の塩化ビニル樹脂層上に、グラビア印
刷にて柄印刷し、その後、実施例−1と同様に、ポリエ
ステル系樹脂接着剤を用いて厚さ12μmのETFEフ
ィルムをドライラミネートし、温度185℃で45秒
間、乾燥炉にいれて加熱し、発泡させると同時にETF
Eフィルムの表面にエンボス模様を形成して、塩化ビニ
ル樹脂層の厚みが発泡により1.5倍ほどになった厚み
感の十分にある化粧シートが得られた。
【0046】この得られた化粧シートについても、実施
例−1と同様にして、カールの発生、耐汚染性を確認し
たところ、カールの発生、耐汚染性のいずれについても
実施例−1と同様、良好な結果が得られた。
【0047】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の内
装用化粧シートによれば、基材の片側に、発泡剤を入れ
た発泡塩化ビニル樹脂層を設け、その上に接着層を介し
て保護フィルム層を設けたことにより、優れた耐汚染性
を有し、しかも、発泡剤を入れて柔軟性をもたせので、
接着剤を塗布した際のカールの発生が防止されるため施
工がしやすく、且つ、発泡による厚み感が十分にあるの
で、施工した場合、下地の欠点を隠すことができ、施工
性の良好な内装用化粧シートが得られる。
【0048】また、本発明においては、上記発泡塩化ビ
ニル樹脂層を形成する場合、カプセル発泡剤を含有する
塩化ビニル樹脂ペーストを基材上に塗布してから、先
ず、前記カプセル発泡剤が発泡しないような温度に加熱
して、塩化ビニル樹脂が言わば半ゲル化した状態の塩化
ビニル樹脂層を形成し、次いで、該塩化ビニル樹脂層の
上に、接着層を介して保護フィルム層をラミネートした
後、前記カプセル発泡剤の発泡温度に加熱してカプセル
発泡剤を発泡させて、上記発泡塩化ビニル樹脂層を形成
することにより、膨れ現象のような不具合は起こらず、
発泡による十分な厚み感が得られ、さらに、表面にエン
ボスを施した場合には、エンボスの入り具合も良く、ま
た、塩化ビニル樹脂が半ゲル化した状態の塩化ビニル樹
脂層上に柄印刷を行うことにより、柄印刷時のインキの
付きの不安定さ、発泡層のつぶれなどがなく、良好な柄
印刷、エンボスを施すことができるので、意匠性にも優
れた化粧シートが得られる。また、発泡塩化ビニル樹脂
層と保護フィルム層との密着性も良好なものが得られ
る。
【0049】また、本発明の内装用化粧シートは、工程
上、従来の塩化ビニル壁紙とほとんど変わらない工程で
製造することができ、コスト的にも安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内装用化粧シートの一構成例を示
す断面図である。
【符号の説明】
1 基材 2 発泡塩化ビニル樹脂層 3 柄印刷層 4 接着層 5 保護フィルム層 6 エンボス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 33/00 C08J 9/32 CEV // C08L 27/18 LGC

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材の片側に、発泡塩化ビニル樹脂層を
    設け、その上に接着層を介して保護フィルム層を設けた
    ことを特徴とする内装用化粧シート。
  2. 【請求項2】 前記保護フィルム層が、フッ素樹脂フィ
    ルムからなることを特徴とする請求項1記載の内装用化
    粧シート。
  3. 【請求項3】 前記フッ素樹脂フィルムが、エチレン−
    テトラフルオロエチレン共重合樹脂からなることを特徴
    とする請求項2記載の内装用化粧シート。
  4. 【請求項4】 前記発泡塩化ビニル樹脂層は、塩化ビニ
    ル樹脂中に含有させたカプセル発泡剤の加熱発泡により
    形成されていることを特徴とする請求項1記載の内装用
    化粧シート。
  5. 【請求項5】 前記発泡塩化ビニル樹脂層上に、柄印刷
    層を設けたことを特徴とする請求項1記載の内装用化粧
    シート。
  6. 【請求項6】 前記保護フィルム層上に、エンボスを施
    したことを特徴とする請求項1記載の内装用化粧シー
    ト。
  7. 【請求項7】 基材の片側に、カプセル発泡剤を含有す
    る塩化ビニル樹脂ペーストを塗布し、前記カプセル発泡
    剤が発泡しない温度に加熱して、基材上に塩化ビニル樹
    脂層を形成し、次いで、該塩化ビニル樹脂層の上に、接
    着層を介して保護フィルム層をラミネートし、次いで、
    前記カプセル発泡剤の発泡温度に加熱してカプセル発泡
    剤を発泡させることを特徴とする内装用化粧シートの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記保護フィルム層が、フッ素樹脂フィ
    ルムであることを特徴とする請求項7記載の内装用化粧
    シートの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記フッ素樹脂フィルムが、エチレン−
    テトラフルオロエチレン共重合樹脂からなることを特徴
    とする請求項8記載の内装用化粧シート。
  10. 【請求項10】 基材上に前記塩化ビニル樹脂層を形成
    した後、該塩化ビニル樹脂層上に、柄印刷層を設けるこ
    とを特徴とする請求項7記載の内装用化粧シートの製造
    方法。
  11. 【請求項11】 前記保護フィルム層上にエンボスを施
    すと同時に、前記カプセル発泡剤を加熱発泡させること
    を特徴とする請求項7記載の内装用化粧シートの製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7037685B2 (en) 1996-11-29 2006-05-02 Kabushiki Kaisha Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo DNA encoding loypeptides having interferon-γ inducing activity
JP2012219240A (ja) * 2011-04-13 2012-11-12 Asahi Kasei Chemicals Corp 多層多孔膜用共重合体組成物

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