JPH08205865A - マルトテトラオースとそれを含有する飲食物 - Google Patents

マルトテトラオースとそれを含有する飲食物

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JPH08205865A
JPH08205865A JP10774295A JP10774295A JPH08205865A JP H08205865 A JPH08205865 A JP H08205865A JP 10774295 A JP10774295 A JP 10774295A JP 10774295 A JP10774295 A JP 10774295A JP H08205865 A JPH08205865 A JP H08205865A
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哲也 仲田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、高品質のマルトテトラオース高含
有物とそれを含有する飲食物を提供することを目的とす
る。 【構成】 本発明は、澱粉質に対して、新規なマルトテ
トラオース生成アミラーゼを作用させることにより、高
品質のマルトテトラオース高含有物を得ると共に、飲食
物に対し、このマルトテトラオースを含有させることに
より高品質の飲食物を得ることにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なマルトテトラオ
ースとそれを含有せしめた飲食物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】グルコースやマルトースは、澱粉を各種
アミラーゼで糖化することによって工業的に製造されて
いる。
【0003】近年、より高分子のマルトオリゴを製造す
るための各種アミラーゼに関する研究が活発になってき
た。
【0004】とりわけ、マルトテトラオースが、低甘
味、低糖度の澱粉部分分解物として注目されており、そ
の工業的製造方法の確立が望まれている。
【0005】澱粉からマルトテトラオースを生成する酵
素、すなわちマルトテトラオース生成アミラーゼ(EC
3.2.1.60)については、古くからシュードモナ
ススツッツェリ(Pseudomonas stutz
eri)NRRL B−3389から産生されることが
知られている。例えば、米国特許第3,654,082
号明細書に記載されており、またジョン エフ ロビト
アンド ロザリエゼイ アッカーマン(John
F.Robyt and RosalieJ.Acke
rman)が、アーカイブス オブ バイオケ ミスト
リー アンド バイオフィジックス(Archives
of Biochemistryand Bioph
isics)、第145巻、第105乃至114頁(1
971年)に報告し、ユンゲル シュミット アンド
ミハエル ジョン(Jurgen Schmidt a
nd Michael John)が、ビオキミカエト
ビオフィジカ アクタ(Biochimica et
Biophisica Acta)、第566巻、第
88乃至99頁(1979年)に報告し、更に、坂野好
幸等が、澱粉科学、第29巻、第2号、第131乃至1
37頁(1982年)、アグリカルチュラル アンド
バイオロジカル ケミストリー(Agricultur
al and Biological Chemist
ry)、第46巻、第3号、第639乃至646頁(1
982年)および同誌、第47巻、第8号、第1761
乃至1768頁(1983年)に報告している。
【0006】しかしながら、これら報告に見られるシュ
ードモナス スツッツェリ NRRL B−3389か
らのマルトテトラオース生成アミラーゼは、至適温度、
安定温度が低く、工業的に利用する上で耐熱性が不充分
である。
【0007】その上、このマルトテトラオース生成アミ
ラーゼについて小林昭一等が、特開昭61−20268
7号公報、第2頁右上欄第1乃至4行において、「この
酵素は、シュードモナス スツッチェリ(Pseudo
monas stutzeri)から生成されるもので
あるが、生産性が低い(2〜5IU/ml)。」と記載
していることからも明らかなように、工業的に利用する
上できわめて不利である。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、マルト
テトラオースを工業的に有利に生成しうるマルトテトラ
オース生成アミラーゼについて鋭意研究を続けた。
【0009】その結果、意外にも、シュードモナス ス
ツッツェリから耐熱性の向上した新規なマルトテトラオ
ース生成アミラーゼが産生しうることを見いだし、それ
を使用することにより、マルトテトラオースを工業的に
生産し得ることを確立して本発明を完成した。
【0010】以下、本発明のマルトテトラオース生成ア
ミラーゼの理化学的性質について述べる。 (a)作用 澱粉に作用して、主にマルトテトラオースを生成する。 (b)基質特異性 澱粉、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲンおよ
びβ−リミットデキストリンに作用し、シクロデキスト
リン、デキストラン、ブルランおよびエルシナンには、
実質的に作用しない。 (c)至適pH 40℃、20分間で、pH7.0乃至7.5附近。 (d)安定pH 40℃、1時間で、pH6.5乃至9.5附近。 (e)至適温度 pH7.0、20分間で、50℃附近。 (f)安定温度 pH7.0、1時間で、45℃附近まで。但し、カルシ
ウムイオン共存下では、50℃附近まで活性をほぼ完全
に残存し、55℃附近で70%の活性を残存する。 (g)阻害、安定化 水銀イオンにより活性が阻害される。カルシウムイオン
により熱安定性が向上する。 (h)分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、4
6,000±1,000。超遠心分析法により、47,
000±2,000。 (i)等電点 ポリアクリルアミドゲル等電点電気泳動法により、pI
4.8附近。 (j)紫外部吸収 275乃至280nm附近。 (k)精製方法 通常の酵素の精製方法に準じて行うことができる。その
具体例は、実施例2で述べる。 (1)活性測定方法 1.0w/v%可溶性澱粉(pH7.0)5mlに酵素
液0.2mlを加え40℃で20分間反応させ、反応液
にソモジー(Somogyi)試薬を加えて反応を停止
させた。生成した還元糖をネルソン−ソモジー(Nel
son−Somogyi)法で測定し、1分間に1マイ
クロモルのグルコシド結合を切断する酵素量を1単位と
した。
【0011】以上の理化学的性質のうち、その主な性質
について、アグリカルチュラル アンド バイオロジカ
ル ケミストリー第47巻、第8号、第1761乃至第
1768頁(1983年)に報告されているシュードモ
ナス スツッツェリ NRRL B−3389からのマ
ルトテトラオース生成アミラーゼの性質と比較すると、
次の通りである。
【0012】(1)至適pHでは、本発明の酵素がpH
7.0乃至7.5附近と広いpH範囲であるのに対し、
NRRL B−3389からのそれは、pH8.0附近
である。 (2)安定pHでは、本発明の酵素がpH6.5乃至
9.5附近と広いpH範囲であるのに対し、NRRL
B−3389からのそれはpH6.5乃至8.5附近で
ある。 (3)至適温度では、本発明の酵素が50℃附近と高温
であるのに対し、NRRL B−3389からのそれは
45℃附近である。 (4)安定温度では、本発明の酵素が45℃附近(カル
シウムイオン共存下では50℃附近)までと高温である
のに対し、NRRL B−3389からのそれは40℃
附近までである。 (5)分子量では、SDS−ポリアクリルアミドゲル電
気泳動法において、本発明の酵素が46,000±1,
000であるのに対して、NRRL B−3389から
のそれは55,000である。 (6)等電点では、本発明の酵素が4.8附近であるの
に対し、NRRL B−3389からのそれは5.6ま
たは5.3である。
【0013】以上のように、本発明のマルトテトラオー
ス生成アミラーゼは、NRRL B−3389からのそ
れと比較して、pH安定性、耐熱性に優れ、工業的に有
利に使用しうる新規なマルトテトラオース生成アミラー
ゼということができる。
【0014】本発明のマルトテトラオース生成アミラー
ゼを産生させる微生物は問わない。以下に例示するシユ
ードモナス スツッツェリ MO−19または、その変
異株などは、本発明に有利に用いることができる。
【0015】シュードモナス スツッツェリ MO−1
9は、岡山県上房郡賀陽町の土壌から発見、分離された
ものであり、昭和62年2月16日、工業技術院微生物
工業技術研究所に寄託申請され、微生物受託番号FER
M BP−1682で寄託されている。
【0016】以下、シュードモナス スツッツェリ M
O−19の菌学的性質を記載する。
【0017】A.形態的性質 (a)細胞の形及び大きさ 桿菌、0.5乃至0.6×1.0乃至1.2μm 第1図に電子顕微鏡写真(×10,000)を示す。 (b)細胞の多形性の有無 無 (c)運動性の有無 有 (d)鞭毛の着性状態 極毛で1本 (e)胞子及び胞子のう 胞子、胞子のうは形成せず (f)グラム染色性 陰性 (g)抗酸性 陰性
【0018】B.培養的性質 (a)肉汁寒天平板培養(28℃、2日) 菌の生育は速く、1乃至3mmのコロニーを形成する。
コロニーは、不透明で湿光をもち、褐色がかった黄色の
円形で、表面は平滑である。 (b)肉汁寒天斜面培養(28℃、2日) 菌の生育は中程度である。コロニーは、不透明で湿光を
もち、褐色がかった黄色の羽毛状で、扁平状の隆起を持
つ。可溶性色素は生成しない。 (c)肉汁液体培養(28℃、2日) 培養1日では、やや濁る程度だが、培養2日では強く濁
り、よく生育する。表面は膜状のものを形成し、ガス、
色素は生成しない。 (d)肉汁穿刺培養(28℃、2日) 穿刺部に連鎖状の生育をする。 (e)肉汁ゼラチン穿刺培養 ゼラチンは液化しない。 (f)リトマスミルク(28℃、5日) 培養5日までにアルカリ性となり、ミルクは凝固する。
【0019】C.生理学的性質 (a)硝酸塩の還元 陽性 (b)脱窒反応 陽性 (c)MRテスト 陰性 (d)VRテスト 陰性 (e)インドールの生成 陰性 (f)硫化水素の生成 陽性 (g)デンプンの分解 分解する (h)クエン酸の利用 利用する (i)無機態窒素の利用法 アンモニウム塩、硝
酸塩共に利用する (j)色素の生成 可溶性色素は生成し
ない (k)オキシダーゼ 陽性 (l)カタラーゼ 陽性 (m)生育の範囲 pH4乃至7でよく生育し、pH2以下またはpH8以
上では生育せず。温度16乃至35℃でよく生育し、2
℃以下または42℃以上では生育せず。 (n)酸素に対する態度 好気性 (o)O−Fテスト 酸化型(o) (p)糖類からの酸及びガス生成の有無 D−グルコース、D−マンノース、乳糖、マルトース、
デンプンから酸が生成されるが、L−アラビノース、D
−キシロース、D−フラクトース、ショ糖、グリセロー
ルからは酸が生成されない。D−マンノースからガスの
生成がみられるが、他の前記の糖類からはガスが生成さ
れない。 (q)生育pH pH7.7(プロテオース ペプトン グルコース培
地) (r)セルロースの分解 陰性
【0020】以上の菌学的性質について、バージーズ
マニュアル オブ デターミネティブ バクテリオロジ
ー(Bergeys Mannual of Dete
rminative Bacteriology)第7
版(1957年)および第8版(1974年)を参照し
て分類すれば、シュードモナス スツッツェリと同定さ
れ、本菌をシュードモナス スツッツェリ MO−19
と命名した。
【0021】本発明のマルトテトラオース生成アミラー
ゼを製造するための培養は、細菌の通常の培養方法に準
じて液体培養、固体培養などが行なわれる。液体培養の
場合には、静置でもよいが、振とう培養または通気撹拌
培養の方が好ましい。培養に用いられる培地としては、
シュードモナス属に属する細菌が必要とする栄養源を含
有するものであればよく、炭素源、窒素源、無機塩など
を含有する合成培地、半合成培地、天然培地などが適宜
選ばれる。特に、本発明のマルトテトラオース生成アミ
ラーゼの産生量を高めるためには、澱粉、アミロペクチ
ン、アミロース、澱粉部分加水分解物などの澱粉質やカ
ルシウム塩などを含有する培地が好ましい。
【0022】一般にはpHを中性乃至微アルカリ性にし
た培地にシュードモナス属に属する細菌を植菌し、約2
0乃至35℃で約0.5乃至5日間培養が行なわれる。
【0023】以上のようにして得られる培養物は、通
常、そのまま用いられるか、または培養物から菌体を除
去した上清または濾液が用いられる。
【0024】必要ならば、常法に従って、硫安、硫酸ナ
トリウムなどによる塩析法、アセトン、エタノールなど
による沈殿法、その他、ゲル濾過法、イオン交換クロマ
トグラフィー、アフィニティクロマトグラフィーなどに
より精製して利用することも、更にこれら酵素を常法に
従って、担体結合法、架橋法、包括法などによって固定
化して利用することも有利に実施できる。
【0025】本発明のマルトテトラオース生成アミラー
ゼを利用してマルトテトラオース高含有物を製造するに
際しては、工業的には、澱粉、アミロペクチン、アミロ
ース、澱粉部分加水分解物などの澱粉質を基質として反
応させるのが好ましい。また、必要ならば、澱粉質含有
飲食物の製造に際して、飲食物にマルトテトラオース生
成アミラーゼを作用させ、飲食物にマルトテトラオース
を生成含有せしめ、澱粉質の老化を防止し、飲食物の日
持ちを延長することもできる。
【0026】一般的には、5乃至45w/w%程度の澱
粉質溶液に、本発明のマルトテトラオース生成アミラー
ゼを澱粉質グラム当り約1乃至20単位の割合で加え、
pH5乃至9、反応温度約40乃至70℃で0.5乃至
3日間反応させる。
【0027】この際、反応液に塩化カルシウムなどのカ
ルシウム塩を濃度0.0005乃至0.05モル程度共
存させることによって、マルトテトラオース生成アミラ
ーゼの耐熱性を向上させ、反応をより容易に進めること
も有利に実施できる。
【0028】また、反応物中のマルトテトラオース含量
をできるだけ高めるためには、澱粉質の酸またはα−ア
ミラーゼによる液化の程度をできるだけ低く、DE15
未満、望ましくはDE6未満にとどめたものに、マルト
テトラオース生成アミラーゼを作用させるのが好まし
い。
【0029】また、反応に際して、マルトテトラオース
生成アミラーゼとともに、他の澱粉質関連酵素、例え
ば、シクロマルトデキストリングルカノトランスフェラ
ーゼ(EC2.4.1.19)、α−アミラーゼ(EC
3.2.1.1)、β−アミラーゼ(EC3.2.1.
2)、グルコアミラーゼ(EC3.2.1.3)、α−
グルコシダーゼ(EC3.2.1.20)、プルラナー
ゼ(EC3.2.1.41)、イソアミラーゼ(EC
3.2.1.68)などを併用して、得られるマルトテ
トラオース高含有物の組成を変えたり、マルトテトラオ
ース含量を高めたりすることも自由である。とりわけ、
プルラナーゼやイソアミラーゼなどの澱粉枝切酵素を併
用して、マルトテトラオース含量を固形物当り60乃至
80w/w%に高めることも有利に実施できる。
【0030】このようにして得られるマルトテトラオー
ス含量が固形物当り40乃至80w/w%程度のマルト
テトラオース高含有物を原料として、分画法などにより
夾雑する糖類、デキストリンなどを除去し、マルトテト
ラオースの含量を更に高めることも自由である。
【0031】分画法としては、例えば、特開昭48−4
647号公報に記載される半透膜の利用、特開昭49−
102854号公報に記載される有機沈殿剤の利用、特
開昭59−148794号公報に記載される強酸性カチ
オン交換樹脂の利用どが適宜選択され、必要ならば、9
8w/w%以上の最高純度のマルトテトラオース高含有
物を採取することも容易に実施できる。
【0032】次いで、これらのマルトテトラオース高含
有物は、通常、濾過し、活性炭による脱色およびH型、
OH型イオン交換樹脂による脱塩などの精製工程を経た
後、濃縮し、シラップ状製品にする。必要ならば、更に
乾燥し、粉末状製品にすることも自由である。
【0033】このようにして得られるマルトテトラオー
ス高含有物には、通常、マルトテトラオースを固形物当
り40w/w%以上含有する。
【0034】更に、マルトテトラオース高含有物を還元
して、化学的により安定なマルトテトライトール高含有
物を製造することも有利に実施できる。
【0035】例えば、マルトテトラオース高含有物を、
濃度約40乃至60%水溶液にし、オートクレーブに入
れ、触媒としてラネーニッケルを約8乃至10%添加
し、撹拌しながら温度を90乃至140℃に上げ、水素
圧を20乃至150kg/cmに上げて水素添加を完
了させた後、ラネーニッケルを除去し、次いで、マルト
テトラオース高含有物製造の場合と同様に、活性炭、イ
オン交換樹脂で精製し、濃縮してシラップ状製品とする
か、更に乾燥して粉末状製品とする。
【0036】このようにして製造されるマルトテトライ
トール高含有物には、通常、マルトテトライトールを固
形物当り40w/w%以上含有する。
【0037】以上述べた方法で製造されるマルトテトラ
オース高含有物は、低甘味の甘味剤として、また、ボデ
ィー付与剤、粘度調節剤、保湿剤、照付与剤、接着剤、
保香剤、結晶防止剤、キャンディーのダレ防止剤、澱粉
老化防止剤などとして、更には、栄養補給用剤なとどし
て広く飲食物に利用される。
【0038】例えば、マルトテトラオース高含有物のシ
ラップ品を加熱し、食品表面に塗布するなどの利用方法
では、他の糖質甘味料と比較して、その硬化、乾きが速
く、たれが少ない特徴を有する。しかも、その表面の
照、艶は良好である。
【0039】また、甘味剤としての利用は、単品で利用
されるばかりでなく、必要ならば、他の甘味剤、例え
ば、グルコース、マルトース、異性化糖、砂糖、蜂蜜、
メープルシュガー、ソルビトール、マルチトール、パラ
チノース、ジヒドロカルコン、ステビオシド、α−グリ
コシルステビオシド、ラカンカ甘味物、グリチルチリ
ン、α−グリコシルグリチルリチン、L−アスパラチル
L−フェニルアラニンメチルエステル、サッカリン、
グリシン、アラニンなどと配合して使用することも自由
である。
【0040】マルトテトラオース高含有物は、酸味、塩
から味、渋味、旨味、苦味など他の呈味を有する各種物
質とよく調和し、耐熱性も大きいので、広く飲食物の甘
味付に、呈味改善に、調味に自由に利用できる。
【0041】例えば、醤油、粉末醤油、味噌、粉末味
噌、もろみ、ひしお、フリカケ、マヨネーズ、ドレッシ
ング、食酢、三杯酢、粉末すし酢、中華の素、天つゆ、
麺つゆ、ソース、ケチャップ、焼肉のタレ、カレール
ウ、シチューの素、スープ素、ダシの素、複合調味料、
みりん、新みりん、テーブルシラップ、コーヒーシュガ
ーなど各種調味料として自由に使用できる。
【0042】また、例えば、せんべい、あられ、おこ
し、餅類、まんじゅう、ういろう、あん類、羊羹、水羊
羹、錦玉、ゼリー、カステラ、飴玉などの各種和菓子、
パン、ビスケット、クラッカー、クッキー、パイ、プリ
ン、バタークリーム、カスタードクリーム、シュークリ
ーム、ワッフル、スポンジケーキ、ドーナツ、チョコレ
ート、チューインガム、キャラメル、キャンディーなど
の各種洋菓子、アイスクリーム、シャーベットなどの氷
菓、果実のシロップ漬、氷蜜などのシロップ類、麺類、
米飯類、人造肉などの穀類加工品類、フラワーペース
ト、ピーナッツペースト、フルーツペースト、スプレッ
トなどのペースト類、ジャム、マーマレード、シロップ
漬、糖果などの果実、野菜の加工食品類、福神潰、べっ
たら漬、千枚漬、らつきょう漬などの漬物類、たくあん
漬の素、白菜漬の素などの漬物の素類、ハム、ソーセー
ジなどの畜肉製品類、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、カマ
ボコ、チクワ、天ぷらなどの魚肉製品、ウニ、イカの塩
辛、酢コンブ、さきするめ、ふぐのみりん干しなどの各
種珍味類、のり、山菜、するめ、小魚、貝などで製造さ
れるつくだ煮類、煮豆、ポテトサラダ、コンブ巻などの
そう菜類、プロセスチーズ、粉乳などの乳製品、魚肉、
畜肉、果実、野菜のビン詰、缶詰類、合成酒、果実酒、
洋酒などの酒類、コーヒー、ココア、ジュース、炭酸飲
料、乳酸飲料、乳酸菌飲料などの清涼飲料水、プリンミ
ックス、ホットケーキミックス、即席ジュース、即席コ
ーヒー、即席しるこ、即席スープなど即席飲食品などの
各種飲食品への甘味剤、呈味改良剤、物性改良剤なとど
して自由に利用できる。
【0043】また、これら飲食品を正常に摂取すること
の困難な病人や病後の虚弱者、乳幼児、高齢者などに対
しては、本発明のマルトテトライトール高含有物、とり
わけ、消化吸収の良好なマルトテトラオース高含有物を
経管流動食や透析用栄養剤、離乳食などの栄養補給用剤
として利用することも有利に実施できる。
【0044】その際、液状の栄養補給用剤を製造し、そ
のままの形状で利用することも、また、粉末、顆粒など
の固状の栄養補給用剤を製造し、水、塩類溶液、果汁、
牛乳などに溶解して利用することも自由である。
【0045】また、マルトテトラオース高含有物を例え
ば、家畜、家禽、その他、蜂蜜、蚕、魚など飼育動物の
ための飼料、餌料などの嗜好性を向上させる目的に利用
することもできる。
【0046】その他、タバコ、練歯みがき、口紅、リッ
プクリーム、内服薬、トローチ、肝油ドロップ、口中清
涼剤、口中香錠、うがい薬などの味覚を味わうことので
きる嗜好物、化粧品、医薬品などへの甘味剤、呈味改良
剤、品質改良剤などとしても利用することができる。
【0047】以上述べたように、本発明でいう飲食物と
は、味覚を味わうことのできる経口摂取物のみならず、
経管流動食などの栄養補給用剤をも意味する。
【0048】また、これら飲食物に、本発明のマルトテ
トラオース高含有物を含有せしめる方法は、その製品が
完成するまでの工程で含有せしめればよく、例えば、混
和、混捏、溶解、融解、浸漬、浸透、散布、塗布、噴
霧、注入などの公知の方法が適宜選ばれる。
【0049】以下、本発明において使用するマルトテト
ラオース生成アミラーゼの製法を参考例として述べると
共に、本発明の実施例と優れた効果を述べる。
【0050】
【参考例1】 マルトテトラオース生成アミラーゼ
【0051】溶性澱粉2w/v%、コーン スティープ
リカー0.5w/v%、ポリペプトン 0.2w/v
%、リン酸二カリウム 0.2w/v%、塩化カルシウ
ム・2水塩0.05w/v%および水からなる液体培地
をpH7.2に調整し、この100mlずつを500m
l容振とうフラスコにとり、120℃で20分間オート
クレーブした後、シュードモナス スツッツェリ MO
−19を1白金耳ずつ植菌し、27℃で3日間振とう培
養した。
【0052】培養液のマルトテトラオース生成アミラー
ゼ活性は、ml当り約250単位であった。
【0053】培養液を遠心分離し、得られる上清の酵素
液は、澱粉質からマルトテトラオース高含有物製造に有
利に利用できる。
【0054】
【参考例2】 マルトテトラオース生成アミラーゼ
【0055】液化澱粉4w/v%、コーン スティープ
リカー1.0w/v%、ホリペプトン 0.5w/v
%、硝酸アンモニウム0.2w/v%、リン酸二カリウ
ム0.2w/v%、塩化カルシウム・2水塩0.05w
/v%、および水からなる液体培地を30l容ジャーフ
ァーメンターに15l入れ、pH7.0に調整し、12
0℃で20分間殺菌した後、シュードモナス スツッツ
ェリ MO−19の種培養液1v/v%植菌し、28℃
で4日間、通気撹拌培養した。培養液のマルトテトラオ
ース生成アミラーゼ活性は、ml当り約220単位であ
った。培養液を膜濾過し、得られる濾液を硫安で塩析
し、0.2乃至0.4飽和沈殿画分を採取して透析し、
次いで、陰イオン交換クルマトグラフィー(東洋曹達株
式会社製造、商品名、DEAE−Toyopear−1
650sを使用し、更に、スウェーデン国ファルマシ
ア社製造、商品名Mono Qを使用)を行ってポリア
クリルアミドゲル電気泳動で単一バンドを示す高純度マ
ルトテトラオース生成アミラーゼ溶液を採取した。
【0056】この精製工程によって比活性は、約4.3
倍に増加し、マルトテトラオース生成アミラーゼの回収
率は約48%であった。
【0057】なお、得られたマルトテトラオース生成ア
ミラーゼは、比活性680±60(単位/mg蛋白質)
を示し、次のような理化学的性質を有する。 (a)作用 澱粉に作用して、主にマルトテトラオースを生成する。 (b)基質特異性 澱粉、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲンおよ
びβ−リミットデキストリンに作用し、シクロデキスト
リン、デキストラン、プルランおよびエルシナンには、
実質的に作用しない。 (c)至適pH 40℃、20分間で、pH7.0乃至7.5附近。 (d)安定pH 40℃、1時間で、pH6.5乃至9.5附近。 (e)至適温度 pH7.0、20分間で、50℃附近。 (f)安定温度 pH7.0、1時間で、45℃附近まで。但し、カルシ
ウムイオン共存下では、50℃附近まで活性をほぼ完全
に残存し、55℃附近で約70%の活性を残存する。 (g)阻害、安定化 水銀イオンにより活性が阻害される。カルシウムイオン
により熱安定性が向上する。 (h)分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、4
6,000±1,000。超遠心分析法により、偏比容
×密度=0.75としたとき、47,000±2,00
0。 (i)等電点 ポリアクリルアミドゲル等電点電気泳動法により、pI
4.8附近。 (j)紫外部吸収 275乃至280nm附近。
【0058】また、この高純度マルトテトラオース生成
アミラーゼを約1.0w/v%含有する10mMトリス
塩酸緩衝液(pH8.0)を4℃で1ケ月間放置したと
ころ、結晶が析出した。本結晶の顕微鏡写真(×22
0)を第2図に示す。
【0059】更に、この高純度マルトテトラオース生成
アミラーゼを用いて、ジャーナルオブ バイオロジカル
ケミストリー (Journal of Biolo
gical Chemistry)、第256巻、第7
990乃至7997頁(1981年)の記載に準じて、
気相プロテイン シークエンサーによりエドマン分解
し、その分解物を高速液体クロマトグラフィーで同定し
た。
【0060】その結果、本酵素のN末端アミノ酸から2
0個までのアミノ酸配列は、アスパラギン酸−グルタミ
ン−アラニン−グリシン−リジン−セリン−プロリン−
アスパラギン−アラニン−バリン−アルギニン−チロシ
ン−ヒスチジン−グリシン−グリシン−アスパラギン酸
−グルタミン酸−イソロイシン−イソロイシン−ロイシ
ン−(但し、いずれのアミノ酸残基もL−アミノ酸残基
を示す。)の順であった。本参考例で得られる高純度マ
ルトテトラオース生成アミラーゼも、参考例1の酵素液
の場合と同様に、澱粉質からのマルトテトラオース高含
有物の製造に有利に利用できる。
【0061】
【実施例1】 マルトテトラオース高含有物
【0062】コーンスターチ1重量部を澱粉当り0.1
w/w%の割合にα−アミラーゼ(デンマーク、ノボ
社、商品名ターマミール60L)を含む水3.0重量部
に撹拌混合し、pH6.5に調整後、この懸濁液を95
乃至100℃に保ち糊化と液化を同時に起させ、さらに
反応を進めてDE4.5になった時に、120℃に5分
間加熱し、これを60℃にまで急速に冷却し、これに参
考例1の方法で得たマルトテトラオース生成アミラーゼ
液(上清)を澱粉グラム当り4単位の割合で加え、pH
6.5、55℃で46時間糖化した。
【0063】本糖化物を加熱し、酵素を失活させ、濾過
し、活性炭にて脱色し、H型、OH型イオン交換樹脂に
て脱塩し、濃縮して水分25w/w%のシラップ状マル
トテトラオース高含有物を原料澱粉固形物当り95%の
収率で得た。
【0064】本品は、グルコースを固形物当り約2%含
有し、かつ、DE約24であって、マルトテトラオース
を固形物当り約55%含有しており、また、その甘味度
は砂糖のそれの約25%であった。
【0065】本品は、低甘味、低糖度の消化吸収良好な
甘味剤として、また、ボディー付与剤、粘度調節剤、保
湿剤、照付与剤、接着剤、保香剤、結晶防止剤、キャン
ディーのダレ防止剤などとして広く飲食物に利用され
る。
【0066】
【実施例2】 マルトテトラオース高含有物
【0067】馬鈴薯澱粉1重量部を澱粉当り0.01w
/w%の割合にα−アミラーゼ(ナガセ生化学工業株式
会社、商品名、ネオスピターゼ)を含む水6重量部に撹
拌混合し、pH6.0に調整後、この懸濁液を85乃至
90℃に保ち、糊化と液化を同時に起させ、直ちに12
0℃に5分間加熱してDE1.0未満にとどめ、これを
55℃に急冷し、pH7.0に調整し、これに株式会社
林原生物化学研究所製造、商品名プルラナーゼ(EC
3.2.1.41)および実施例2の方法で得た高純度
マルトテトラオース生成アミラーゼ溶液をそれぞれ澱粉
グラム当り150単位および8単位の割合で加え、pH
7.0、50℃で36時間糖化した。
【0068】本糖化物を、実施例1と同様に精製濃縮
し、更に噴霧乾燥して水分1w/w%未満の粉末状マル
トテトラオース高含有物を原料澱粉固形物当り約93%
の収率で得た。
【0069】本品は、グルコースを固形物当り約2%含
有し、かつ、DE約24であって、マルトテトラオース
を固形物当り約76%含有しており、また、その甘味度
は砂糖のそれの25%であった。
【0070】本品は、低甘味、低糖度の消化吸収良好な
甘味剤として、実施例1の場合と同様に広く飲食物に利
用できる。
【0071】
【実施例3】 マルトテトラオース高含有物
【0072】実施例2の方法で得たマルトテトラオース
高含有物を強酸性カチオン交換樹脂を用いて、そのマル
トテトラオース含量を高めた。
【0073】実施例4の方法で製造したマルトテトラオ
ース高含有物を濃度60w/w%にして原糖液とした。
【0074】樹脂は、アルカリ金属型強酸性カチオン交
換樹脂(東京有機化学工業株式会社製造、商品名XT−
1007、Na型、架橋度6%)を使用し、内径5.
4cmのジャケット付ステンレス製カラム4本を連結し
て樹脂層全長を20mとした。カラム内温度を55℃に
維持しつつ、原糖液を樹脂に対して5v/v%加え、こ
れに55℃の温水をSV 0.13で流して分画し、
マルトテトラオース含量90%以上のマルトテトラオー
ス高含有画分を採取し、実施例3と同様に精製し、濃縮
して、水分25w/w%のシラップ状マルトテトラオー
ス高含有物を原糖固形物当り約60%の収率で得た。
【0075】本品は、マルトテトラオースを固形物当り
約93%含有しており、また、その甘味度は砂糖のそれ
の約25%であった。
【0076】本品は、低甘味、低糖度の消化吸収良好な
甘味剤として、実施例3の場合と同様に広く飲食物に利
用できる。
【0077】
【実施例4】 甘味料
【0078】実施例3の方法で得たシラップ状マルトテ
トラオース高含有物1重量部にα−グリコシルステビオ
シド(東洋精糖株式会社製造、商品名α−Gスィート)
0.02重量部を均一に混合して得たシラップ状甘味料
は、甘味の質がすぐれ、砂糖の約2倍の甘味を有し、カ
ロリーは甘味度当り砂糖の約1/2となる。従って、本
甘味料は、低カロリー甘味利用として、カロリーの摂取
を制限している人、例えば、肥満者、糖尿病者などのた
めの低カロリー飲食物などに対する甘味付に好適であ
る。
【0079】また、本甘味料は、虫歯誘発菌によって酸
の生成も少なく、不溶成グルカンの生成も少ないことよ
り、虫歯を抑制する飲食物などに対する甘味付にも好適
である。
【0080】
【実施例5】 カスタードクリーム
【0081】コーンスターチ500重量部、実施例2の
方法で得た粉末状マルトテトラオース高含有物400重
量部、マルトース500重量部および食塩5重量部を、
篩を通して充分に混合し、鶏卵1,400重量部を加え
て撹拌し、これに沸騰した牛乳5,000重量部を徐々
に加え、更にこれをとろ火にかけて、撹拌を続け、コー
ンスターチが完全に糊化して全体が半透明になったとき
火を止め、これを冷却して少量のバニラ香料を加えるこ
とによりカスタードクリームを製造した。
【0082】本品は、なめらかで光沢を有し、甘味が強
すぎず美味である。
【0083】
【実施例6】 ハードキャンディー
【0084】実施例3の方法で得たシラップ状マルトテ
トラオース高含有物70重量部に砂糖90重量部を混合
溶解し、減圧下で水分約2w/w%未満になるまで加熱
濃縮して、これにクエン酸0.15重量部および少量の
レモン香料と着香料とを混和し、次いで、常法に従って
成形し、ハードキャンディーを製造した。
【0085】本品は、吸湿性少なく、ダレを起しにくい
歯切れのよいハードキャンディーである。
【0086】
【実施例7】 つくだ煮
【0087】常法に従って砂取り、酸処理して角切りし
た昆布250重量部に、醤油212重量部、アミノ酸液
300重量部、砂糖40重量部および実施例1の方法で
得たシラップ状マルトテトラオース高含有物20重量部
を加えて煮込みつつ、更にグルタミン酸ソーダ12重量
部、カラメル8重量部および味淋21重量部を加えて煮
き上げて昆布の佃煮を製造した。
【0088】本品は、味、薫りだけでなく、色、艶も充
分で食欲をそそる昆布のつくだにである。
【0089】
【実施例8】 べったら漬
【0090】実施例4の方法で得たシラップ状甘味料4
重量部、甘草製剤0.05重量部、リンゴ酸0.008
重量部、グルタミン酸ナトリウム0.07重量部、ソル
ビン酸カリウム0.03重量部およびプルラン0.2重
量部を均一に混合してべったら漬の素を製造した。
【0091】大根30Kgを常法に従って食塩により下
漬けし、次いで砂糖で中漬したものを、本べったら漬の
素4Kgで調製した調味液に漬けて、べったら漬を製造
した。本品は、色艶、香気共に良好で、適度の甘味を有
し歯切れもよかった。
【0092】
【実施例9】 経管流動食
【0093】実施例2の方法で得た粉末状マルトテトラ
オース高含有物550重量部、無水結晶マルトース(林
原株式会社製造、登録商標ファイントース)50重量
部、乾燥卵黄190重量部、脱脂粉乳209重量部、塩
化ナトリウム4.4重量部、塩化カリウム1.85重量
部、硫酸マグネシウム4重量部、チアミン0.01重量
部、アスコルビン酸ナトリウム0.1重量部、ビタミン
Eアセテート0.6重量部及びニコチン酸アミド0.0
4重量部からなる配合物を調製する。
【0094】この配合物25gずつをラミネートアルミ
製小包に充填し、ヒートシールして固状の栄養補給用剤
を製造した。
【0095】本品は、低温貯蔵の必要もなく、室温下で
長期間安定であり、流動性、溶解分散性も良好である。
【0096】本品は、1袋分を約150乃至300ml
の水に溶解して経管流動食とし、経管方法により、鼻
腔、食道、胃、腸などへ投与して使用する。
【0097】
【実施例10】 錠剤
【0098】アスピリン50重量部に実施例2の方法で
得た粉末状マルトテトラオース高含有物6重量部および
コーンスターチ8重量部を充分に混合した後、常法に従
って、打錠機により打錠して、厚さ5.25mm、1錠
680mgの錠剤を製造した。
【0099】本品は、吸湿性が低く、物理的強度も充分
にあり、しかも水中での崩壊はきわめて良好であった。
【0100】
【発明の効果】上記したことから明らかなように、本発
明は、新規マルトテトラオース生成アミラーゼを解明
し、その製造方法を確立するものである。
【0101】その新規マネトテトラオース生成アミラー
ゼは、至適pH、安定pHにおけるpH域が広く、また
至適温度、安定温度における温度が高く、更に産生微生
物からの酵素産生量も高く、澱粉質からのマルトテトラ
オース高含有物の製造に有利に利用しうることが判明
し、その工業的意義はきわめて大きい。
【0102】更に、このようにして製造されるマルトテ
トラオース高含有物は、低甘味性の甘味剤として、また
ボディー付与剤、粘度調節剤、保湿剤、照付与剤などと
して、更には、栄養補給用剤などとして広く飲食物に供
しうることも大きな特徴である。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子顕微鏡で10,000倍に拡大したシュー
ドモナス スツッツェリ MO−19(FERM−BP
−1682)の細胞の形状の一例を示す写真である。
【図2】顕微鏡で220倍に拡大したマルトテトラオー
ス生成アミラーゼの結晶の一例を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 9/26 C12R 1:38)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 澱粉質に、下記の理化学的性質を有する
    マルトテトラオース生成アミラーゼを作用せしめること
    によって得られるマルトテトラオース高含有物。 (a)作用 澱粉に作用して、主にマルトテトラオースを生成する。 (b)基質特異性 澱粉、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲンおよ
    びβ−リミットデキストリンに作用し、シクロデキスト
    リン、デキストラン、プルランおよびエルシナンには、
    実質的に作用しない。 (c)至適pH 40℃、20分間で、pH7.0乃至7.5附近。 (d)安定pH 40℃、1時間で、pH6.5乃至9.5附近。 (e)至適温度 pH7.0、20分間で、50℃附近。 (f)安定温度 pH7.0、1時間で、45℃附近まで。但し、カルシ
    ウムイオン共存下では、50℃附近まで活性をほぼ完全
    に残存し、55℃附近で約70%の活性を残存する。 (g)阻害、安定化 水銀イオンにより活性が阻害される。カルシウムイオン
    により熱安定性が向上する。 (h)分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、4
    6,000±1,000。超遠心分析法により、47,
    000±2,000。 (i)等電点 ポリアクリルアミドゲル等電点電気泳動法により、pI
    4.8附近。 (j)紫外部吸収 275乃至280nm附近。
  2. 【請求項2】 マルトテトラオース生成アミラーゼがN
    末端領域のアミノ酸配列として、N末端からアスパラギ
    ン酸−グルタミン−アラニン−グリシン−リジン−セリ
    ン−プロリン−アスパラギン−アラニン−バリン−を有
    していることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記
    載のマルトテトラオース高含有物。
  3. 【請求項3】 マルトテトラオース生成アミラーゼを他
    の澱粉質関連酵素とともに作用せしめることを特徴とす
    る特許請求の範囲第(1)項または第(2)項記載のマ
    ルトテトラオース高含有物。
  4. 【請求項4】 マルトテトラオース高含有物がシラップ
    状または粉末状であることを特徴とする特許請求の範囲
    第(1)項、第(2)項または第(3)項記載のマルト
    テトラオース高含有物。
  5. 【請求項5】 澱粉質に、下記の理化学的性質を有する
    マルトテトラオース生成アミラーを作用せしめて得られ
    るマルトテトラオース高含有物を含有せしめた飲食物。 (a)作用 澱粉に作用して、主にマルトテトラオースを生成する。 (b)基質特異性 澱粉、アミロース、アミロペクチン、グリコーゲンおよ
    びβ−リミットデキストリンに作用し、シクロデキスト
    リン、デキストラン、プルランおよびエルシナンには、
    実質的に作用しない。 (c)至適pH 40℃、20分間で、pH7.0乃至7.5附近。 (d)安定pH 40℃、1時間で、pH6.5乃至9.5附近。 (e)至適温度 pH7.0、20分間で、50℃附近。 (f)安定温度 pH7.0、1時間で、45℃附近まで。但し、カルシ
    ウムイオン共存下では、50℃附近まで活性をほぼ完全
    に残存し、55℃附近で約70%の活性を残存する。 (g)阻害、安定化 水銀イオンにより活性が阻害される。カルシウムイオン
    により熱安定性が向上する。 (h)分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により、4
    6,000±1,000。超遠心分析法により、47,
    000±2,000。 (i)等電点 ポリアクリルアミドゲル等電点電気泳動法により、pI
    4.8附近。 (j)紫外部吸収 275乃至280nm附近。
  6. 【請求項6】 マルトテトラオース生成アミラーゼが、
    N末端領域のアミノ酸配列として、N末端からアスパラ
    ギン酸−グルタミン−アラニン−グリシン−リジン−セ
    リン−プロリン−アスパラギン−アラニン−バリン−を
    有していることを特徴とする特許請求の範囲第(5)項
    記載の飲食物。
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