JPH08205650A - 刈払機操作桿用主管およびその製造方法 - Google Patents

刈払機操作桿用主管およびその製造方法

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Publication number
JPH08205650A
JPH08205650A JP7014445A JP1444595A JPH08205650A JP H08205650 A JPH08205650 A JP H08205650A JP 7014445 A JP7014445 A JP 7014445A JP 1444595 A JP1444595 A JP 1444595A JP H08205650 A JPH08205650 A JP H08205650A
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JP
Japan
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layer
fiber
main pipe
reinforced resin
reinforcing fibers
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Application number
JP7014445A
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Inventor
Masayoshi Yamagiwa
昌好 山極
Minoru Nakamura
実 中村
Yasuhiro Nishi
泰博 西
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薄肉にしても管強度、管剛性等の必要性能を
維持可能にする繊維強化樹脂製の刈払機操作桿用主管と
製造方法の提供。 【構成】 刈払機操作桿用主管が10,20,30、炭
素繊維を含む強化繊維を軸方向に対し互いに反対方向に
ヘリカルに交差配置した繊維強化樹脂層の内層2と、炭
素繊維を含む強化繊維を軸方向に配置した繊維強化樹脂
層の中間層3と、炭素繊維を含む強化繊維を軸方向に対
し互いに反対方向にヘリカルに交差配置した繊維強化樹
脂層の外層4から構成され、好ましくは強化繊維を軸方
向にした繊維強化樹脂層の最内層5と最外層6とを有す
る。製造方法は、上記内層、中間層、外層をプルワイン
ド法により積層するに際し、強化繊維が軸方向の繊維強
化樹脂層を最内層と最外層とに配置する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は刈払機操作桿用主管とそ
の製造方法に関し、さらに詳しくは繊維強化樹脂管から
構成する場合において、薄肉にしながら管強度、管剛性
等の必要性能を維持可能にする刈払機操作桿用主管とそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】刈払機は操作桿の先端側に切断刃を、ま
た後端側に原動機(小型エンジン又は小型モータ)をそ
れぞれ取り付け、原動機の動力を操作桿の主管内に貫通
させた伝動軸を介して切断刃に伝達するように構成され
ている。この刈払機で作業者が雑草等の刈払操作を行う
ときは、原動機側の操作桿上部を腰の片側に支え、この
腰を支点に操作桿先端側の切断刃を左右に振りながら刈
り払いする。
【0003】このように刈払機を腰の片側で支えながら
左右に振る操作をするので、重量が軽量化するほど作業
効率を向上することができる。従来、この軽量化対策と
しては、操作桿主管を鋼管からアルミニウム管に変え、
このアルミニウム管を更に繊維強化樹脂管に変えるよう
にした提案がなされてきた。しかしながら、最近の市場
においては、この軽量な繊維強化樹脂管を更に軽量化す
る要求があり、それによって一層の作業性の向上を図ろ
うとしている。
【0004】繊維強化樹脂管を一層軽量化する対策とし
ては、強化繊維や樹脂の使用量を低減し、管壁の肉厚を
薄くすることが考えられる。しかしながら、繊維強化樹
脂管を単に薄肉化しただけでは、それに伴って刈払機の
操作桿用主管に最低限必要な管強度や管剛性などの諸性
能が満足しなくなり、実用化することは殆ど不可能にな
るといえる。
【0005】また、さらに刈払機の操作性を向上しよう
とする場合は、操作桿用主管が振動減衰性や耐衝撃性に
優れていることが必要になる。しかし、管壁を薄肉化す
れば、それによってこれら諸性能を向上することが難し
くなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、繊維
強化樹脂管を薄肉にしても管強度、管剛性等の必要性能
を維持可能にする刈払機操作桿用主管を提供することに
ある。本発明の他の目的は、繊維強化樹脂管を薄肉にし
ながら、必要な管強度、管剛性と共に、優れた振動減衰
性や耐衝撃性も具備する刈払機操作桿用主管を提供する
ことにある。本発明のさらに他の目的は、高性能な薄肉
の繊維強化樹脂管を連続工程によって低コストで製造可
能にする刈払機操作桿用主管の製造方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の刈払機操作桿用主管は、少なくとも炭素繊維を含む
強化繊維を軸方向に対し互いに反対方向にヘリカルに交
差配置した繊維強化樹脂層(以下、ヘリカル配列繊維強
化樹脂層という)からなる内層と、少なくとも炭素繊維
を含む強化繊維を軸方向に配置した繊維強化樹脂層(以
下、軸方向配列繊維強化樹脂層という)からなる中間層
と、少なくとも炭素繊維を含む強化繊維を軸方向に対し
互いに反対方向にヘリカルに交差配置した繊維強化樹脂
層からなる外層との層状構成を有する管状体からなるこ
とを特徴とするものである。
【0008】このように圧縮強度に対し最も効率的に寄
与するヘリカル配列繊維強化樹脂層を繊維強化樹脂管の
外層と内層とに配置したため、最少限の強化繊維使用量
で最大の管強度,管剛性を発揮することが可能になる。
すなわち、繊維強化樹脂管に径方向の圧縮荷重を加える
と、荷重点外壁面に最大圧縮応力、内壁面に最大引張応
力を発生し、その中間域に応力0の中立軸ができる応力
分布になるが、この応力分布の最大圧縮応力部分と最大
引張応力部分とに対応させてヘリカル配列繊維強化樹脂
層を配置したため最少限の強化繊維使用量で必要な管強
度,管剛性を発揮することができる。
【0009】また、応力0の中立軸を含む中間域に、曲
げ強度に対して最も効率的に寄与する軸方向配列繊維強
化樹脂層を配置したため、前記圧縮強度を弱めることな
く最少限の強化繊維使用量で必要な曲げ強度、曲げ剛性
を発揮することが可能になる。さらに各繊維強化樹脂層
の強化繊維を比強度、比弾性率が大きい炭素繊維にした
ので繊維使用量を一層少なく、かつ軽量にすることがで
き、管壁肉厚を一層薄くしながら管強度、管剛性等の必
要性能の維持を可能にする。
【0010】また、他の本発明は、少なくとも炭素繊維
を含む強化繊維を軸方向に対し互いに反対方向にヘリカ
ルに交差配置した繊維強化樹脂層からなる内層と、少な
くとも炭素繊維を含む強化繊維を軸方向に配置した繊維
強化樹脂層からなる中間層と、少なくとも炭素繊維を含
む強化繊維を軸方向に対し互いに反対方向にヘリカルに
交差配置した繊維強化樹脂層からなる外層と、さらに前
記内層の内側と外層の外側とにそれぞれ最内層および最
外層として強化繊維を軸方向に配置した繊維強化樹脂層
を設けた管状体からなることを特徴とするものである。
【0011】また、この刈払機操作桿用主管を製造する
本発明の製造方法は、マンドレルの外周に、そのマンド
レルの軸方向に延びる強化繊維の最内層を配置し、該最
内層の上に少なくとも炭素繊維を含む強化繊維を軸方向
に対し互いに反対方向にヘリカルに交差させた内層を積
層し、該内層の上に少なくとも炭素繊維を含む強化繊維
を軸方向に配置した中間層を積層し、該中間層の上に少
なくとも炭素繊維を含む強化繊維を軸方向に対し互いに
反対方向にヘリカルに交差させた外層を積層し、該外層
の上に強化繊維を軸方向に配置した最外層を積層して管
状の積層体を形成し、該管状の積層体に前記積層工程終
了後または積層工程途中で樹脂を含浸し、筒状の金型内
を通過させて引抜成形することを特徴とするものであ
る。
【0012】このように管状体の最外層と最内層とにそ
れぞれ軸方向配列繊維強化樹脂層を配置したことによ
り、上述のように内層と外層とにヘリカル配列繊維強化
樹脂層を配置した繊維強化樹脂管を所謂プルワインド法
で製造する場合に、そのヘリカル配列繊維強化樹脂層の
強化繊維を内側のマンドレルや外側の金型との摩擦接触
によって乱されないようにすることができる。したがっ
て、上述したヘリカル配列繊維強化樹脂層に基づく所期
性能を低下させることなく、高性能の刈払機操作桿用主
管を製造することが可能になる。
【0013】以下、本発明を図に示す実施例を参照して
説明する。図1(A)は本発明の刈払機操作桿用主管を
構成する繊維強化樹脂管の要部を一部破断して示したも
のであり、図1(B)は、この繊維強化樹脂管の管壁積
層部の展開図である。この図1(A),(B)におい
て、繊維強化樹脂管1は、内層2、中間層3、外層4の
3層が積層されて構成されている。この3層のうち、中
間層3は、炭素繊維3aを管の軸方向AXに配列するよ
うにした繊維強化樹脂層から構成されている。
【0014】また、内層2は、管の軸方向AXに対して
ヘリカルに傾斜させて配置した炭素繊維2aと、これと
反対方向に傾斜させて配置した炭素繊維2bとが互いに
交差配列するようにした繊維強化樹脂層から構成されて
いる。同様に、外層4も管の軸方向AXに対してヘリカ
ルに傾斜させて配列した炭素繊維4aと、これと反対方
向に傾斜させて配列した炭素繊維4bとが互いに交差配
列するようにした繊維強化樹脂層から構成されている。
【0015】いま、このような3層の繊維強化樹脂層を
積層した繊維強化樹脂管1に、図5(A)に示すように
径方向の圧縮荷重F,Fを加えたとすると、その管壁の
肉厚方向の応力分布は図5(B)に示すようになる。す
なわち、繊維強化樹脂管1の外壁表面に最大の圧縮応力
σc が発生する一方、内壁表面に最大の引張応力σt
発生し、中間域に応力が0の中立軸ができる。
【0016】上記構成の繊維強化樹脂管1では、最大圧
縮応力σc が発生する外層4と最大引張応力σt が発生
する内層2とに、それぞれ圧縮強度に対し最も効率的に
寄与するヘリカル配列繊維強化樹脂層が配置されている
ので、最少限の強化繊維使用量で必要な管強度,管剛性
を発揮する。また、応力0の中立軸を含む中間域に、曲
げ強度に対して最も効率的に寄与する軸方向配列繊維強
化樹脂層が配置されているので、径方向圧縮強度を弱め
ることなく最少限の強化繊維使用量で必要な曲げ強度、
曲げ剛性を発揮することができる。また、強化繊維が比
強度、比弾性率の大きな炭素繊維であるので繊維使用量
を少なく管壁肉厚を薄くしても、必要な管強度、管剛性
等を発揮可能になる。
【0017】上記特徴をもつ本発明の操作桿主管の管壁
の肉厚tとしては、0.8〜2.5mm、好ましくは1.
0〜2.0mmの薄肉にするのがよい。内層、中間層、外
層の厚みとしては、中間層を基準にして、内層と外層の
厚みが中間層の20〜80%となるようにする。本発明
において、内層、中間層、外層の各繊維強化樹脂層を構
成する強化繊維には、少なくとも一般繊維に比べて比強
度および比弾性率が著しく大きい炭素繊維を使用する
が、その炭素繊維の使用量としては強化繊維全量の少な
くとも50容量%を占めるようにするとよい。
【0018】内層および外層のヘリカル配列繊維強化樹
脂層の強化繊維が、管の軸方向に対して傾斜するヘリカ
ル角度としては60°〜90°とすることが好ましい。
ヘリカル配列繊維強化樹脂層は圧縮強度を負担する層で
あるので、ヘリカル角度は圧縮強度を向上するため理論
的には90°が最適であるが、プルワインド法などの連
続生産の場合にはヘリカル角度が90°に近づくほど生
産性が低下する。したがって、生産性を向上する観点か
らはヘリカル角度は小さいほど好ましいが、60°より
も小さくすると、必要な圧縮強度を維持することが困難
になる。
【0019】中間層の軸方向配列繊維強化樹脂層は、繊
維強化樹脂管に曲げ剛性を与えるためのものであるの
で、厚肉の場合であれば、この軸方向配列繊維強化樹脂
層は外層に配置するのが効果的である。しかし、本発明
の操作桿主管の場合は薄肉化を目的にして薄肉にするの
で、この軸方向配列繊維強化樹脂層を中間層に配置して
いても必要な曲げ剛性の維持に支障にはならない。
【0020】本発明において、強化繊維として炭素繊維
のほかに他の繊維を使用する場合は、有機繊維を併用す
ることが好ましい。この有機繊維の併用によって、炭素
繊維100%で補強する場合に比べて操作桿主管の耐衝
撃性を向上することができる。すなわち、操作桿主管が
非常に大きな衝撃を受けたとき、その主管が完全に二分
してしまうような破損を防止することができるため、刈
払機操作桿の安全性を向上することができる。
【0021】また、この有機繊維の併用によって、繊維
強化樹脂管の振動減衰性も向上し、原動機の振動が作業
者に伝達する量を低減することができ、それによって作
業性を向上することができる。このように併用する有機
繊維としては、例えば芳香族ポリアミド繊維、芳香族ポ
リエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維などの高強
度、高弾性率の繊維が好ましいが、ナイロン、ポリエス
テル等の一般の有機繊維を使用してもよい。勿論、この
ような有機繊維による効果を特に必要としない場合に
は、炭素繊維に併用する繊維として、ガラス繊維等の無
機繊維を補助として使用しても何ら差し支えない。
【0022】繊維強化樹脂層に使用するマトリックス樹
脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
ビニルエステル樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましい。特
に、操作桿主管をプルワインド法により連続製造する場
合においては、熱硬化性樹脂の使用が好ましい。勿論、
ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂も
使用可能である。
【0023】また、上記マトリックス樹脂にはエラスト
マーを混合するとよい。このエラストマーの混合によっ
て、有機繊維を併用した場合と同様に、操作桿主管の耐
衝撃性や振動減衰性を向上することができる。マトリッ
クス樹脂に混合するエラストマーとしては、ポリブタジ
エン、アクリルニトリル−ブタジエン共重合体などを挙
げることができる。特にアクリルニトリル−ブタジエン
共重合体は、マトリックス樹脂として代表的なエポキシ
樹脂との相溶性に優れているため、一層高度の振動減衰
性を発揮することができる。特にエポキシ樹脂にアクリ
ルニトリルの重合比が20〜50%であるアクリルニト
リル−ブタジエン共重合体を10〜40重量%混合する
場合において、優れた振動減衰性を発揮することができ
る。
【0024】図2(A),(B)は、本発明の刈払機操
作桿用主管を構成する繊維強化樹脂管の他の例を示すも
のである。この実施例の繊維強化樹脂管10は、図1
(A),(B)に示す繊維強化樹脂管1の内面と外面
に、それぞれ最内層5と最外層6を積層したもので、最
内層5は強化繊維5aが管の軸方向AXに配列した繊維
強化樹脂層からなり、同様に最外層6も強化繊維6aが
管の軸方向AXに配列した繊維強化樹脂層から構成され
ている。
【0025】このような軸方向配列繊維強化樹脂層の最
内層5と最外層6とを積層したことにより、特にプルワ
インド法により繊維強化樹脂管を製造する工程におい
て、内層2と外層4でヘリカル状に斜行する炭素繊維2
a,2b,4a,4bが、内側のマンドレルや外側の金
型に対する強い摩擦接触によって乱されないようにする
ことができる。したがって、図1(A),(B)の基本
構成に基づく上述した諸性能を減殺することなく所期の
性能を確実に発揮可能になり、信頼性の高い操作桿主管
にすることができる。
【0026】上記のような目的で使用される最内層5、
最外層6の肉厚は厚くする必要はなく、中間層3の厚さ
の1〜50%程度とすることが望ましい。また、この最
内層5、最外層6に使用される強化繊維としては、もち
ろん炭素繊維であってもよいが、必ずしも高強度、高弾
性率の炭素繊維である必要はなく、芳香族ポリアミド繊
維、芳香族ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊
維などの高強度、高弾性率繊維のほか、一般のナイロン
やポリエステル等の有機繊維であってもよい。また、強
化繊維に代えて、ナイロンやポリエステルのタフタ等の
薄地織物により代用することもできる。
【0027】図6は、上記繊維強化樹脂管10をプルワ
インド法によって成形する工程を示すものである。図6
において、12はクリールスタンド、13はマンドレル
支持台、14,15はスパイラルワインダ、16は樹脂
含浸バス、17は筒状の金型である。マンドレル支持台
13に支持された長尺のマンドレル18は直線状に延長
し、その他端が金型17の出口側端部まで延長するよう
にしている。
【0028】クリールスタンド12には、最下段に最内
層5用の強化繊維になる炭素繊維5aを巻回したパッケ
ージ25、中段に中間層3用の強化繊維になる炭素繊維
3aを巻回したパッケージ23、上段に最外層6用の強
化繊維になる炭素繊維6aを巻回したパッケージ26が
それぞれ複数個ずつ懸架されている。また、スパイラル
ワインダ14には、内層2用の強化繊維になる炭素繊維
2aを巻回したパッケージと炭素繊維2bを巻回したパ
ッケージとが、それぞれ円筒状ガイド19の周囲を囲む
ようにリング状に懸架され、またスパイラルワインダ1
5には、同様に外層4用の強化繊維になる炭素繊維4a
を巻回したパッケージと炭素繊維4bを巻回したパッケ
ージとがそれぞれ円筒状ガイド22の周囲を囲むように
リング状に懸架されている。
【0029】このような配置において、クリールスタン
ド12の最下段のパーケージ25から引き出された炭素
繊維5aは、スパイラルワインダ14内の円筒状ガイド
19で筒状に引き揃えられながら、その出口側でマンド
レル18を軸方向に平行に被覆して最内層を形成し、続
いてその最内層の周囲に炭素繊維2aと2bとが互いに
反対方向のヘリカルに巻き付けられて内層を形成する。
【0030】このようにマンドレル18上で最内層と内
層とを積層形成した積層体はスパイラルワインダ15へ
移動し、その内側の筒状ガイド22の中心を通過する。
一方、クリールスタンド12の中段から引き出された炭
素繊維3aは、中間のガイドスタンド23を経て、スパ
イラルワインダ15内の円筒状ガイド22に至り、そこ
で筒状に引き揃えられながら出口側から出てくる積層体
の外周に炭素繊維4aと4bとを互いに反対方向にヘリ
カルに巻き付けて外層を形成する。
【0031】このようにマンドレル18上に形成された
積層体は、次の樹脂含浸バス16に移動し、この樹脂含
浸バス16で積層体の表面に上記クリールスタンド12
の上段のパッケージ26から引き出された炭素繊維6a
を軸方向に平行に引き揃えながら被覆して最外層を形成
する。このように最外層が形成された積層体全体に樹脂
が含浸され、次の金型17に送り出される。
【0032】なお、図示の例では、樹脂含浸が強化繊維
の全てが積層体として積層完了した後に積層体の外側か
ら行われるようになっているが、内側のマンドレルから
樹脂を吐出して含浸させることもできる。この場合は、
マンドレル18を中空にしてマンドレル支持台13付近
から樹脂を注入し、マンドレル中空内部を通して含浸バ
ス16付近のマンドレルから積層体の内側に吐出して含
浸させればよい。この内側からの含浸は外側からの含浸
と併用するようにてもよく、内側だけの含浸を独立に行
ってもよい。
【0033】さらに別の含浸方法として、強化繊維を順
次積層して行く途中過程で適宜介挿させながら含浸させ
るようにしてもよい。金型17は積極加熱されており、
この金型17を積層体が通過することにより引抜き成形
されながらマトリックス樹脂が硬化される。この引抜き
成形において、積層体の最内層はマンドレル18と摩擦
接触し、最外層は金型と摩擦接触することなるが、最内
層の炭素繊維5aと最外層の炭素繊維6aとはいずれも
軸方向に平行(軸方向に対し0°)に配列されているの
で、上記摩擦接触によって繊維が乱れを発生することは
ない。当然、内層と外層のヘリカル方向の炭素繊維2
a,2b,4a,4bは最内層と最外層とに保護されて
いるので、マンドレル18と金型17によって乱される
ことはない。
【0034】図3(A),(B)は、本発明のさらに他
の実施例を示し、また図4(A),(B)は、さらに別
の実施例を示す。図3(A),(B)の実施例の繊維強
化樹脂管20は、図1(A),(B)に示した繊維強化
樹脂管1の外周に熱収縮性樹脂チューブ7を被覆したも
のであり、また図4(A),(B)の繊維強化樹脂管3
0は、図2(A),(B)に示した繊維強化樹脂管10
の外周に熱収縮性樹脂チューブ8を被覆したものであ
る。
【0035】これらの繊維強化樹脂管20,30は、熱
収縮性樹脂チューブ7,8を被覆したことにより耐曲げ
衝撃性を与えられ、外部から非常に大きな衝撃が操作桿
主管に加えられたときにも、その主管が完全に二分され
てしまうような破損事故を防止することができる。上記
熱収縮性樹脂チューブに使用可能な樹脂としては、例え
ばポリエチレン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂などを挙
げることができる。
【0036】このように耐衝撃性を向上する手段として
は、上記のように熱収縮性樹脂チューブを被覆する方法
のほか、前述した有機繊維を併用する方法やマトリック
ス樹脂にエラストマーを混合する方法がある。これら三
者の方法は、いずれか一つを使用するか又は任意の二つ
を併用するようにしてもよく、或いは三つとも同時に使
用するようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】上述したように、本発明の刈払機操作桿
用主管によれば、中間層に少なくとも炭素繊維の軸方向
配列繊維強化樹脂層を配置し、また内層と外層とに炭素
繊維のヘリカル配列繊維強化樹脂層を配置して積層体に
したので、繊維強化樹脂管を薄肉にしても管強度、管剛
性等の必要性能を維持可能にすることができる。また、
本発明の製造方法によれば、上記積層体の外周と内周と
に軸方向配列繊維強化樹脂層を配置し、上記性能信頼性
の高い刈払機操作桿用主管をプルワインド法によって連
続生産可能になるので、低コストで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の刈払機操作桿用主管となる繊
維強化樹脂管の要部を一部破断して示す側面図、(B)
はその管壁の積層部分を分解して示す展開図である。
【図2】(A)は本発明の他の実施例からなる刈払機操
作桿用主管となる繊維強化樹脂管の要部を一部破断して
示す側面図、(B)はその管壁の積層部分を分解して示
す展開図である。
【図3】(A)は本発明の更に他の実施例からなる刈払
機操作桿用主管となる繊維強化樹脂管の要部を一部破断
して示す側面図、(B)はその管壁の積層部分を分解し
て示す展開図である。
【図4】(A)は本発明の更に他の実施例からなる刈払
機操作桿用主管となる繊維強化樹脂管の要部を一部破断
して示す側面図、(B)はその管壁の積層部分を分解し
て示す展開図である。
【図5】(A)は繊維強化樹脂管に圧縮荷重を加えたと
きを示す説明図、(B)は同圧縮荷重を加えたときの管
壁肉厚内の応力分布を示す説明図である。
【図6】本発明の刈払機操作桿用主管の製造方法の一例
を示す工程図である。
【符号の説明】
1,10,20,30 繊維強化樹脂管 2 内層 3 中間層 4 外層 5 最内層 6 最外層 7,8 熱収縮性樹脂チューブ 2a,2b,3a,3b,4a,4b 炭素繊維 5a,6a 強化繊維 13 マンドレル支持台 14,15 スパイラルワインダ 16 樹脂含浸バス 17 金型 18 マンドレル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 19:00 105:12

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも炭素繊維を含む強化繊維を軸
    方向に対し互いに反対方向にヘリカルに交差配置した繊
    維強化樹脂層からなる内層と、少なくとも炭素繊維を含
    む強化繊維を軸方向に配置した繊維強化樹脂層からなる
    中間層と、少なくとも炭素繊維を含む強化繊維を軸方向
    に対し互いに反対方向にヘリカルに交差配置した繊維強
    化樹脂層からなる外層との層状構成を有する管状体から
    なる刈払機操作桿用主管。
  2. 【請求項2】 少なくとも炭素繊維を含む強化繊維を軸
    方向に対し互いに反対方向にヘリカルに交差配置した繊
    維強化樹脂層からなる内層と、少なくとも炭素繊維を含
    む強化繊維を軸方向に配置した繊維強化樹脂層からなる
    中間層と、少なくとも炭素繊維を含む強化繊維を軸方向
    に対し互いに反対方向にヘリカルに交差配置した繊維強
    化樹脂層からなる外層と、さらに前記内層の内側と外層
    の外側とにそれぞれ最内層および最外層として強化繊維
    を軸方向に配置した繊維強化樹脂層を設けた管状体から
    なる刈払機操作桿用主管。
  3. 【請求項3】 前記管状体の肉厚が0.8〜2.5mmで
    ある請求項1または2に記載の刈払機操作桿用主管。
  4. 【請求項4】 前記内層および外層の肉厚がそれぞれ前
    記中間層の肉厚の20〜80%である請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の刈払機操作桿用主管。
  5. 【請求項5】 前記最内層および最外層の肉厚がそれぞ
    れ前記中間層の肉厚の1〜50%である請求項2〜4の
    いずれか1項に記載の刈払機操作桿用主管。
  6. 【請求項6】 前記内層および外層の強化繊維の軸方向
    に対するヘリカル角度が、それぞれ60°〜90°であ
    る請求項1〜5のいずれか1項に記載の刈払機操作桿用
    主管。
  7. 【請求項7】 前記繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂
    にエラストマーを混合した請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の刈払機操作桿用主管。
  8. 【請求項8】 前記繊維強化樹脂層の強化繊維として炭
    素繊維と共に有機繊維を使用した請求項1〜7のいずれ
    か1項に記載の刈払機操作桿用主管。
  9. 【請求項9】 前記管状体の外周に熱収縮性樹脂チュー
    ブを被覆した請求項1〜8のいずれか1項に記載の刈払
    機操作桿用主管。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    主管を有する刈払機用操作桿。
  11. 【請求項11】 請求項10の操作桿を有する刈払機。
  12. 【請求項12】 マンドレルの外周に、そのマンドレル
    の軸方向に延びる強化繊維の最内層を配置し、該最内層
    の上に少なくとも炭素繊維を含む強化繊維を軸方向に対
    し互いに反対方向にヘリカルに交差させた内層を積層
    し、該内層の上に少なくとも炭素繊維を含む強化繊維を
    軸方向に配置した中間層を積層し、該中間層の上に少な
    くとも炭素繊維を含む強化繊維を軸方向に対し互いに反
    対方向にヘリカルに交差させた外層を積層し、該外層の
    上に強化繊維を軸方向に配置した最外層を積層して管状
    の積層体を形成し、該管状の積層体に前記積層工程終了
    後または積層工程途中で樹脂を含浸し、筒状の金型内を
    通過させて引抜成形する刈払機操作桿用主管の製造方
    法。
  13. 【請求項13】 マンドレルから樹脂を吐出して含浸す
    る請求項12に記載の刈払機操作桿用主管の製造方法。
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WO2021186735A1 (ja) * 2020-03-19 2021-09-23 日立Astemo株式会社 管体中間体及び管体製造方法
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