JPH0820522A - 角化酵素活性促進剤及びこれを含有する化粧料 - Google Patents

角化酵素活性促進剤及びこれを含有する化粧料

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JPH0820522A
JPH0820522A JP6156227A JP15622794A JPH0820522A JP H0820522 A JPH0820522 A JP H0820522A JP 6156227 A JP6156227 A JP 6156227A JP 15622794 A JP15622794 A JP 15622794A JP H0820522 A JPH0820522 A JP H0820522A
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hair
essence
skin
promoter
cosmetic
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JP6156227A
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Tetsuo Maeda
哲夫 前田
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Pola Chemical Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 角化酵素の活性を促進する作用に優れた角化
酵素活性促進剤、及びこれを含有する毛質改善、脱毛改
善効果に優れた頭髪用化粧料、肌荒れ等の肌質を改善す
る効果に優れた皮膚用化粧料等の化粧料を提供する。 【構成】 アロエエッセンス、ローズマリーエッセン
ス、チョウセンニンジンエッセンス、ショウキョウエッ
センス、トウキシエッセンス及びトウガシエッセンスの
少なくとも1種以上を角化酵素活性促進剤とし、これ
を、化粧料に、好ましくは、化粧料全量に対して0.0
1〜30重量%配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、角化酵素活性促進剤及
びこれを含有する化粧料に関し、詳しくは、角化酵素活
性促進剤及びこれを含有する毛髪改善効果に優れた頭髪
用化粧料、肌質改善効果に優れた皮膚用化粧料等の化粧
料に関する。
【0002】
【従来の技術】美しく豊かな髪は古来より人類の大きな
憧れであった。しかしながら、年を取るにつれ、あるい
は持って生まれた体質によって、年相応に、あるいは年
若くして髪を失ってしまう人も少なくない。そして、髪
を失ってしまった人にとってそれが心理的に大きな負担
になることが多い。
【0003】この様な状況をもとに、これまでに各種の
養毛剤及び養毛料が開発されてきた。しかしながら、従
来の養毛剤、養毛料は、その開発にあたって、発毛促進
作用を指標としてきたものがほとんどであり、従って、
これらの養毛剤、養毛料では、毛質改善、脱毛改善等に
対する作用のチェックはなされていないのが現状であっ
た。そのため、上記養毛剤、養毛料を使用した場合、そ
の発毛促進作用により発毛は促進されるものの、髪質が
硬くて太い丈夫なものに改善されるわけではなく、せっ
かく生えた毛髪も細く、柔らかく、切れ易かったり抜け
易かったりして、毛髪にハリが無く、ボリューム感がで
ないことから、その効果が十分でない場合が多かった。
そこで、毛髪の質を改善し、太く丈夫で抜けにくい毛髪
にする様な作用を有する毛髪用の化粧料の開発が望まれ
ていた。
【0004】また、肌理の細かい美しい肌は誰しも求め
て止まないものである。しかしながら、加齢による老化
現象のため、皮膚組織中の結合組織が著しく架橋し弾性
を消失したり、代謝の不活性化により保水能力が減退し
て肌がカサつくことが広く認められている。老化の一つ
の指標として肌のハリのなさや保水量の減少があげられ
ているのもこのためである。
【0005】この様に、老化によって肌のハリがなくな
ることや、肌がカサつくことを嘆く人は多く、肌のハリ
のなさを隠すための各種のメークアップ化粧料や、肌の
カサつきを改善するための各種化粧料が開発されてき
た。しかしながら、上記メークアップ化粧料は何れも肌
のハリのなさを隠蔽性の高い粉体で隠すのみで、肌の状
態を改善するものではなかった。また、ヒアルロン酸等
の保水性の高い物質を塗布し肌のカサつきを改善する試
みも広く行われているが、これらの物質が皮膚より除去
されるとこれらの効果は消え失せてしまうため、一過性
の効果と言わざるを得なかった。そこで、肌のハリを消
失させ、あるいは肌をカサつかせている原因に本質的に
働きかけて、肌のハリを回復したり、肌のカサつきを改
善したりすることのできる薬剤の開発が望まれていた。
【0006】ところで、生体触媒として生体内で様々な
化学反応に関与する酵素の一つに、主として毛髪や皮膚
の表皮に広く分布し、ケラチン等の合成に関与して毛髪
のキューティクルやコルテックスの生合成、あるいは、
皮膚の角層の生合成を促進する働きを有する角化酵素が
存在することが知られている。
【0007】この角化酵素を多く分泌させ、またその活
性を促進させることができれば、毛髪においてはキュー
ティクルやコルテックスの生合成が進み、毛質が太く丈
夫なものに改善されると共に毛根における固定構造が強
化され脱毛が起こりにくくなり、また、皮膚において
は、皮膚角層の生合成が促進されることにより、肌質が
改善され、ハリや潤いのある肌が得られることが期待さ
れる。しかしながら、これまでに、角化酵素の分泌を助
ける薬剤や角化酵素の活性を促進させる薬剤を用いて、
毛質の改善や、肌質を改善しようとする試みはなされて
いない。
【0008】一方、アロエエッセンス、ローズマリーエ
ッセンス、チョウセンニンジンエッセンス、ショウキョ
ウエッセンス、トウキシエッセンス、トウガシエッセン
スは、それぞれ種々の薬効を有することで知られている
が、これら植物から得られるエッセンスが角化酵素の活
性を促進することは全く知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、角化酵素の活性を促進する作用
に優れた角化酵素活性促進剤、及びこれを含有する毛質
改善、脱毛改善効果に優れた頭髪用化粧料、肌荒れ等の
肌質を改善する効果に優れた皮膚用化粧料等の化粧料を
提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、各種物質について角化酵素活性促進
作用を指標にスクリーニングを重ねた結果、アロエエッ
センス、ローズマリーエッセンス、チョウセンニンジン
エッセンス、ショウキョウエッセンス、トウキシエッセ
ンス、トウガシエッセンス等が角化酵素の活性を促進す
る作用に優れること見出し、また、これを配合した頭髪
用の化粧料が毛質改善、脱毛改善効果に優れること、更
に、この化合物を配合した皮膚用化粧料が肌荒れ等の肌
質を改善する効果に優れることを見出し、本発明を完成
させた。
【0011】すなわち、本発明はアロエエッセンス、ロ
ーズマリーエッセンス、チョウセンニンジンエッセン
ス、ショウキョウエッセンス、トウキシエッセンス及び
トウガシエッセンスの少なくとも1種からなる角化酵素
活性促進剤及びこれを含有する化粧料である。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】<1>本発明の角化酵素活性促進剤 本発明の角化酵素活性促進剤は、アロエエッセンス、ロ
ーズマリーエッセンス、チョウセンニンジンエッセン
ス、ショウキョウエッセンス、トウキシエッセンス及び
トウガシエッセンスから選ばれる1種又は2種以上から
なる。
【0014】ここで、上記アロエとはユリ科の植物であ
るロカイ(Aloe ferox Mill)の植物体全体を、ローズ
マリーとはシソ科の植物であるローズマリー(Rosemari
nusofficinalis)の植物体全体を、チョウセンニンジン
とはウコギ科の植物であるニンジン(Panax ginseng C.
A. Mey)の根部を、ショウキョウとはショウガ科の植物
であるショウガ(Zingiber officinale R.)の地下茎
を、トウキシとはアオイ科の植物であるイチビ(Abutilo
n aviennae Gaertn.)の種子を、トウガシとはウリ科の
植物であるトウガ(Benincasa hispida Thumb Cogn.)
の種子を、それぞれ表す。
【0015】上記アロエ、ローズマリー、チョウセンニ
ンジン、ショウキョウ、トウキシ、トウガシには、角化
酵素の活性を促進させる成分が含まれており、この成分
を本発明の角化酵素活性促進剤として用いるには、これ
らをホモジネートしたものや、乾燥物を細かく粉砕した
ものも使用可能であるが、これらから前記成分を抽出物
として取り出して用いることが好ましい。本発明におい
て抽出物とは、このようなホモジネート、粉砕物及び抽
出物、又はこれらの濃縮物のいずれでもよく、更に、上
記作用を有する成分を分離精製した分画精製物でもよ
く、またこれらの混合物でもよい。
【0016】上記アロエ、ローズマリー、チョウセンニ
ンジン、ショウキョウ、トウキシ、トウガシなどの植物
体の抽出処理は、抽出溶媒を用いて、連続式あるいはバ
ッチ式で、常法通り行う。例えば、生または乾燥した前
記植物体を粉砕し、これの2〜20倍量の抽出溶媒を加
え、室温で数日間、または、沸点付近の温度で数時間、
撹拌しながら浸漬する。さらに、必要に応じて溶媒を完
全に留去して乾固するかまたは凍結乾燥させる。また、
これらの分画精製物を得るには、例えば、液液抽出、カ
ラムクロマトグラフィー、分取高速液体クロマトグラフ
ィー等の通常の精製方法を用いて前記抽出物等を精製す
ればよい。
【0017】抽出に用いる溶媒としては、特に限定はさ
れないが、例えば、水、メタノールやエタノール等のア
ルコール類、アセトンやメチルエチルケトン等のケトン
類、ジエチルエーテルやテトラヒドロフラン等のエーテ
ル類、クロロホルムや塩化メチレン等のハロゲン化炭化
水素類等の極性溶媒が好ましく挙げられる。これらの溶
媒は1種を用いてもよいし、2種以上を混合して用いて
もよい。
【0018】この様にして得られるアロエエッセンス、
ローズマリーエッセンス、チョウセンニンジンエッセン
ス、ショウキョウエッセンス、トウキシエッセンス及び
トウガシエッセンスから選ばれる1種又は2種以上から
なる本発明の角化酵素促進剤の働きにより活性が促進さ
れる角化酵素としては、スルフヒドリルオキシダーゼ
(SHオキシダーゼ)、トランスグルタミナーゼ(Tグ
ルタミナーゼ)等を挙げることができる。また、本発明
の角化酵素活性促進剤としては、上記角化酵素のうちで
もスルフヒドリルオキシダーゼに作用してその活性を促
進する働きを有することが好ましい。
【0019】<2>本発明の化粧料 本発明の化粧料は、上記角化酵素活性促進剤の1種また
は2種以上を配合したものである。配合量は、化粧料全
量に対して0.01〜30重量%であることが好まし
い。配合量が0.01重量%未満では毛質改善、脱毛改
善の効果や、肌にハリや潤いを与える等の肌質を改善す
る効果は十分でないことがあり、また、30重量%を越
えても効果が頭打ちであり経済的に好ましくない。更
に、角化酵素活性促進剤の配合量を0.1〜1重量%と
すると、毛質改善、脱毛改善や肌質改善の効果に優れる
上に経済的にも有利なことから、より好ましい配合量は
化粧料全量に対して0.1〜1重量%である。
【0020】本発明の化粧料の剤型は、特に限定される
ものではなく、例えば、ローション、乳液、クリーム、
水性ゲル、オイルゲル、軟膏、アンダーメークアップ、
ファンデーション、パウダー、口紅、アイライナー、ヘ
アトニック、シャンプー、リンス、ポマード、ヘアトリ
ートメント、ヘアパック、ヘアリキッド、スタイリング
フォーム等の通常、皮膚用や頭髪用の化粧料として用い
られているものが挙げられる。これらの化粧料は、上記
アロエエッセンス、ローズマリーエッセンス、チョウセ
ンニンジンエッセンス、ショウキョウエッセンス、トウ
キシエッセンス及びトウガシエッセンスから選ばれる1
種又は2種以上からなる本発明の角化酵素活性促進剤を
配合する以外は、通常の化粧料と同様の方法で製造する
ことができる。
【0021】また、本発明の化粧料には、上記角化酵素
活性促進剤以外に、通常、化粧料に適用される、流動パ
ラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素類、ミリ
スチン酸イソプロピル(IPM)や合成ゲイロウ、ホホ
バ油、カルナウバワックス等のエステル類、オリーブ
油、牛脂等の動植物油脂、セタノール、ステアリルアル
コール等の高級アルコール類、ステアリン酸、オレイン
酸等の高級脂肪酸類、ラウリル硫酸ナトリウム、アルキ
ルスルホコハク酸エステル等のアニオン界面活性剤、4
級アルキルアミン塩等のカチオン界面活性剤、脂肪酸モ
ノグリセライド、ポオキシエチレン硬化ヒマシ油等のノ
ニオン界面活性剤、アルキルベタイン等の両性界面活性
剤等の界面活性剤類、グリセリンやプロピレングリコー
ル等の多価アルコール類、エタノール、プロパノール等
の低級アルコール類、パラベン類やグルコン酸クロルヘ
キシジン等の防腐剤類、パラアミノ安息香酸誘導体、ベ
ンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤類、ビタミンEや
ブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、アラビアゴ
ム、カルボキシビニルポリマー等の増粘剤、ポリエチレ
ングリコール等の保湿剤、クエン酸塩、酢酸塩等のpH
調整剤、酸化チタン、シリカゲル、タルク等の粉体類、
香料、色素等、ヒアルロン酸、胎盤抽出物、朝鮮人参エ
キス、ステロール配糖体等の各種目的に応じた薬効成分
などが適宜選択されて配合される。
【0022】また、上記アロエエッセンス、ローズマリ
ーエッセンス、チョウセンニンジンエッセンス、ショウ
キョウエッセンス、トウキシエッセンス及びトウガシエ
ッセンスから選ばれる1種又は2種以上の成分以外に、
頭髪用の化粧料には発毛、養毛を促進する薬剤を、また
皮膚用の化粧料には、皮膚角層の代謝を活性化しターン
オーバーを促進するような薬剤をそれぞれ配合しても構
わない。
【0023】
【作用】本発明の角化酵素活性促進剤を用いることによ
り、角化酵素の活性が十分に促進され、毛髪においては
キューティクルやコルテックスの生合成が進み、その結
果太く丈夫な髪が形成される。更に、毛髪及びその周辺
組織については、毛髪はその根本、いわゆる毛包におい
て、毛髪のキューティクルと皮膚上皮組織が楔状にかみ
合い毛髪を固定する構造を取るため、毛髪が太く丈夫に
なればこの毛髪の固定がより強くなり、その結果毛髪は
抜けにくくなる。また、皮膚においては、角化酵素の活
性化により角化作用が促進されると、皮膚角層の生合成
が進み、肌に潤いがでたり、肌の弾力性が改善されハリ
がでたりする。
【0024】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。はじめ
に、角化酵素活性促進剤の実施例について説明する。
【0025】
【実施例1】 アロエエッセンス アロエの全草1kgを細切りにして、これに水3Lを加
え、90℃で3時間加熱した。その後、濾過により抽出
液から不溶物を除去し、得られた濾液を減圧乾固して1
09gのアロエエッセンスを得た。これをそのまま、角
化酵素活性促進剤とした。
【0026】
【実施例2】 ローズマリーエッセンス ローズマリーの全草1kgを細切りにして、これに50
%エタノール水溶液3Lを加え、2時間の加熱還流を行
った。その後、濾過により抽出液から不溶物を除去し、
得られた濾液を減圧濃縮して213gのローズマリーエ
ッセンスを得た。これをそのまま、角化酵素活性促進剤
とした。
【0027】
【実施例3】 チョウセンニンジンエッセンス チョウセンニンジンの乾燥物1kgを細切りにして、こ
れに20%アセトン水溶液2Lを加え、80℃で2時間
の加熱撹拌を行った。その後、濾過により抽出液から不
溶物を除去し、得られた濾液を減圧濃縮して167gの
チョウセンニンジンエッセンスを得た。これをそのま
ま、角化酵素活性促進剤とした。
【0028】
【実施例4】 ショウキョウエッセンス ショウキョウの乾燥物1kgを細切りにして、これに6
0%メタノール水溶液10Lを加え、2時間の加熱環流
を行った。その後、濾過により抽出液から不溶物を除去
し、得られた濾液を減圧濃縮して、アモルファス状のシ
ョウキョウエッセンス95gを得た。これをそのまま、
角化酵素活性促進剤とした。
【0029】
【実施例5】 トウキシエッセンス トウキシ1kgを小型ミルで粉砕し、これに50%メタ
ノール水溶液3Lを加え、60℃で4時間加熱した。そ
の後、濾過により抽出液から不溶物を除去し、得られた
濾液を減圧濃縮して216gのトウキシエッセンスを得
た。これをそのまま、角化酵素活性促進剤とした。
【0030】
【実施例6】 トウガシエッセンス トウガシ1kgを小型ミルで粉砕し、これに水3Lを加
え90℃で3時間の加熱撹拌を行った。その後、濾過に
より抽出液から不溶物を除去し、得られた濾液を凍結乾
燥して174gのトウガシエッセンスを得た。これをそ
のまま、角化酵素活性促進剤とした。
【0031】<本発明の角化酵素活性促進剤の評価>上
記各実施例で得られた角化酵素活性促進剤を用いて、本
発明の角化酵素活性促進剤の角化酵素活性促進作用の測
定を行った。
【0032】5匹づつ7群のC3Hマウス(雄性、体重
25〜35g)の背部を除毛後、そのうち6群のマウス
の除毛皮膚には、上記各実施例で得られた角化酵素活性
促進剤を5重量%含有する70%エタノール水溶液をそ
れぞれ、残りの1群のマウスの除毛皮膚には、コントロ
ールとして70%エタノール水溶液のみを、1匹当たり
40μL、1日1回、週5日の割合で2週間投与した。
【0033】最終投与の6時間後、各群のマウスから上
記処理が施された部位の皮膚を採取し、これをそれぞれ
9倍量の1ミリモルのEDTA含有50mMリン酸2水
素ナトリウム水溶液に加えて、ホモゲナイズした。この
ホモジネートをそれぞれ27000Gで遠心分離し、得
られた上清を用いて以下の方法で、角化酵素活性促進剤
投与群及びコントロール群の角化酵素活性値をそれぞれ
測定した。
【0034】上記で得られた上清0.4mLに2ミリモ
ルのDTT(ジチオスレイトール)水溶液0.1mLと
1ミリモルのEDTAを含有する50ミリモルリン酸バ
ッファー(pH7.6、以下単にバッファーと言う。)
0.7mLとを加え検体1とした。また、2ミリモルの
DTT水溶液0.1mLにバッファー1.1mLを加え
検体2とした。
【0035】検体1を調製後、直ちに0.3mLをサン
プリングし、予め0.17ミリモルのDTNB(5,
5’−ジチオビス−2−ニトロ安息香酸)を含有するバ
ッファー3mLを加えてあるチューブに移し、412n
mでの吸光度A1を測定した。また、検体2を同様に処
理し、吸光度A2を測定した。
【0036】検体1の残りを、37℃で30分間インキ
ュベートした後、その0.3mLをサンプリングし、予
め0.17ミリモルのDTNBを含有するバッファー3
mLを加えてあるチューブに移し、412nmでの吸光
度A3を測定した。また、検体2の残りを、37℃で3
0分間インキュベートした後、同様に処理して吸光度A
4を測定した。
【0037】この様にして測定された吸光度A1〜A4
の値より、以下の式を用いてA5を求め、更に、A5と
DTNBのモル吸光計数(13000/モル・cm)を
用いて酸化されたDTT量を求め、これを角化酵素活性
値(Ac)とした。
【0038】
【数1】A5=A1−A3−(A2−A4)
【0039】また、上記で得られた上清について、ヘキ
スト社製のDNA量測定試薬ヘキスト33258を用い
て、子牛胸線DNAをスタンダードとして、常法に従っ
て、各上清のDNA量を測定した。
【0040】評価は、上記各実施例の角化酵素活性促進
剤投与群のそれぞれについて、上記方法で得られた角化
酵素活性値(Ac)を上記DNA量で除して単位DNA
量当たりの角化酵素活性値(AcD、5匹の平均値)を
求め、これを同様にして求めたコントロール群の単位D
NA量当たりの角化酵素活性値(5匹の平均値)で除し
これに100を乗じた値(AeD)を用いて行った。な
お、AcDは、細胞の数当たりの角化酵素活性を表す値
である。
【0041】更に、上記で得られた上清について、PI
ERCE社の蛋白アッセイ試薬キットを用いて、ウシ血
清アルブミンをスタンダードとして、常法に従って、各
上清の蛋白含有量を測定し、上記各角化酵素活性値(A
c)をこれで除して蛋白当たりの角化酵素活性値(Ac
P5匹の平均値)とし、これを同様にして求めたコント
ロール群の蛋白当たりの角化酵素活性値(5匹の平均
値)で除しこれに100を乗じた値(AeP)を求め、
AeDと共に評価に用いた。結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】この結果より、本発明の角化酵素活性促進
剤が角化酵素の促進作用に優れていることがわかる。次
に、上記各実施例で得られた角化酵素活性促進剤を配合
した本発明の化粧料の実施例について説明する。なお、
以下に用いる配合量は全て重量部である。
【0044】
【実施例7〜13】表2に示す成分を室温で撹拌可溶化
し化粧水を製造した。また同様にして本発明の角化酵素
活性促進剤の替わりにビタミンAを配合した比較例の化
粧水を製造した。
【0045】
【表2】
【0046】<本発明の皮膚用化粧料の評価>上記実施
例13及び比較例1で得られた化粧水を用いて実使用試
験を行い、本発明の化粧料の肌質改善作用に関する評価
を行った。
【0047】肌荒れに悩む女性パネラー38名を任意に
19名づつ2つのグループに分け、この一方のグループ
には実施例13の化粧水を、もう一方のグループには比
較例1の化粧水を、通常の方法に準じて1ヶ月間連続し
て使用してもらい、使用開始から1ヶ月後に、肌荒れの
改善度をアンケートにより答えてもらった。結果を表3
に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
【0050】この結果から、従来から肌荒れ改善に用い
られているビタミンAを配合した比較例の化粧水に比
べ、本発明の角化酵素活性促進剤が配合された化粧水
は、優れた肌荒れ改善作用を有することがわかる。更
に、上記実使用試験において、パネラーの皮膚に発赤等
の安全性上問題になるような皮膚反応は全く見られず、
本発明の角化酵素活性促進剤及び化粧料が安全性に優れ
ていることが明白である。
【0051】
【実施例14〜20】表4に示す成分を室温で撹拌可溶
化しヘアトニックを製造した。また同様にして本発明の
角化酵素活性促進剤の替わりにミノキシジルを配合した
比較例のヘアトニックを製造した。
【0052】
【表4】
【0053】<本発明の頭髪用化粧料の評価>上記実施
例19及び比較例2で得られたヘアトニックを用いて実
使用試験を行い、本発明の頭髪用化粧料の毛質改善、脱
毛改善作用に関する評価を行った。
【0054】抜け毛に悩む男性パネラー20名を任意に
10名づつ2つのグループに分け、この一方のグループ
には実施例19のヘアトニックを、もう一方のグループ
には比較例2のヘアトニックを、通常の方法に準じて6
ヶ月間連続して使用してもらい、使用開始から6ヶ月後
に、抜け毛の改善度をアンケートにより答えてもらっ
た。結果を表5に示す。
【0055】
【表5】
【0056】この結果から、従来から養毛剤として用い
られているミノキシジルを配合した比較例のヘアトニッ
クに比べ、本発明の角化酵素活性促進剤が配合されたヘ
アトニックは、優れた毛質改善、脱毛改善作用を有する
ことがわかる。
【0057】
【発明の効果】本発明の角化酵素活性促進剤は角化酵素
の活性を促進する作用に優れる。また、この角化酵素活
性促進剤を配合した頭髪用化粧料は毛質改善、脱毛改善
効果に優れ、この角化酵素活性促進剤を配合した皮膚用
化粧料は肌荒れ等の肌質を改善する効果に優れる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/78 C 8217−4C AED V 8217−4C

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アロエエッセンス、ローズマリーエッセ
    ンス、チョウセンニンジンエッセンス、ショウキョウエ
    ッセンス、トウキシエッセンス及びトウガシエッセンス
    の少なくとも1種からなる角化酵素活性促進剤。
  2. 【請求項2】 前記角化酵素が、スルフヒドリルオキシ
    ダーゼであることを特徴とする請求項1記載の角化酵素
    活性促進剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の角化酵素活性促進
    剤を含有する化粧料。
  4. 【請求項4】 前記角化酵素活性促進剤の含有量が、化
    粧料全量に対して0.01〜30重量%であることを特
    徴とする請求項3記載の化粧料。
JP6156227A 1994-07-07 1994-07-07 角化酵素活性促進剤及びこれを含有する化粧料 Pending JPH0820522A (ja)

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JP6156227A JPH0820522A (ja) 1994-07-07 1994-07-07 角化酵素活性促進剤及びこれを含有する化粧料

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JP6156227A JPH0820522A (ja) 1994-07-07 1994-07-07 角化酵素活性促進剤及びこれを含有する化粧料

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH0977635A (ja) * 1995-09-14 1997-03-25 Mikimoto Pharmaceut Co Ltd 美白化粧品
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