JPH0820496A - 走行式可動リフト - Google Patents

走行式可動リフト

Info

Publication number
JPH0820496A
JPH0820496A JP6179362A JP17936294A JPH0820496A JP H0820496 A JPH0820496 A JP H0820496A JP 6179362 A JP6179362 A JP 6179362A JP 17936294 A JP17936294 A JP 17936294A JP H0820496 A JPH0820496 A JP H0820496A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm
hydraulic jack
link
movable lift
ram
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6179362A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadayoshi Tai
忠誼 田井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP6179362A priority Critical patent/JPH0820496A/ja
Publication of JPH0820496A publication Critical patent/JPH0820496A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Forklifts And Lifting Vehicles (AREA)
  • Invalid Beds And Related Equipment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 不快な機械的な音、振動の発生がなく、寝た
きりの高齢者や身体障害者等をベッドから車椅子、浴槽
等へ移動させたりする際、不快感を与えることのない介
助用、または、エンジン等の重量物の昇降、運搬に適し
た走行式可動リフトを提供する。 【構成】 下面にキャスターが設けられたベースフレー
ム(1)と、ベースフレーム上面に立設された支柱
(2)と、先端部に吊り部材係止手段を有し、後端部が
連結ロッドと連結され、中間部が前記支柱の上端部に揺
動可能に枢支されたアーム(3)と、ベースフレーム上
面にヒンジ手段により傾動自在に設置された油圧ジャッ
キ(4)と、先端部が油圧ジャッキのラムと連結され、
後端部が連結ロッドと連結され、中間部が前記支柱に枢
支された作動リンク(5)と、作動リンクとアームとを
連結する連結ロッド(6)と、を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、人が持ち上げたり、
運搬したりすることが困難な重量物の昇降、運搬を可能
とする走行式可動リフトに関するものである。さらに詳
しくは、この発明は、寝たきりの高齢者や身体障害者等
をベッドから車椅子、浴槽等へ移動させたり、寝たきり
の高齢者や身体障害者等の床ずれの防止や治療をするた
めの介助用、歩行訓練用、または、エンジン等の重量物
の昇降・運搬用の走行式可動リフトに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術および解決しようとする課題】寝たきりの
高齢者、または、長期に亘り寝たきりの傷病者、あるい
は、下肢が不自由な身体障害者等(以下「寝たきりの高
齢者等」という)をベッドから車椅子に移し変えたり、
専用の浴槽等に移したり、または浴槽の所まで移動させ
るには、以下のようにして行われている。 介護者が寝たきりの高齢者等を抱き上げて行う。 病院等の天井等に設けられたレールを走行するクレー
ンに、寝たきりの高齢者等を吊るして行う。 図9に示される如き電動式リフトを用いて行う。 の場合、通常介護者は女性や高齢者であったりするこ
とが多く、これらの介護者単独では寝たきりの高齢者等
をベッドから抱き上げ、移動させることは容易なことで
はなく、他の人の協力を得なければならない。の場
合、クレーンのための設備が多大となるとともに、レー
ルが設置されている場所でしか使用できず、その他の場
所では介護者、付き添い者等が抱え上げて行わなければ
ならない。また、このような設備は病院等でしか設置で
きず、一般の家庭等においては設置することは困難で
る。の場合の図9に示される電動式リフトは、キャス
ターを有するベースフレーム脚部(101)が開閉可能
で、ベースに立設された支柱(102)の上端にはアー
ム(103)が揺動可能に枢支されており、該アーム
(103)先端には介助用ハンガー(104)が係止さ
れている。そして、一端が支柱(102)に、他端がア
ーム(103)の後端寄りに取り付けられた電動式のシ
リンダーモーター(105)を有し、ベースにはコード
リールおよびバッテリを内蔵した構造からなっている。
そして、介助用のスリングシート(図示せず)を寝たき
りの高齢者等の身体の下に敷き、介助用ハンガー(10
4)にスリングシートを掛け、電動式のシリンダーモー
ター(105)を作動させてベッドから吊り上げ、車椅
子に乗せることができるようにしたものである。このよ
うなリフトは、大型の設備を必要とせず、小型、コンパ
クトであることから有用なものである。しかしながら、
このリフトは、電動式のシリンダーモーター(105)
の一端を支柱(102)に、他端をアーム(103)の
後端寄りに取り付けているため、シリンダーモーター
(105)として耐荷重の大きなものを使用しなければ
ならず、シリンダーモーター(105)の価格が高価と
なってしまう。また、電動式であるため、浴室等の湿気
が多く水に濡れやすい場所では漏電による感電の恐れが
あり、コードから電源を取る場合には使用場所が制限さ
れる。そして、バッテリ内蔵により重量、価格ともにア
ップしてしまう。さらに、ベースフレーム脚部(10
1)が開閉可能になっていることから構造が複雑とな
り、故障しやすい。
【0003】また、自動車整備工場などでエンジン等の
重量物を吊り上げ、修理場所等に運搬するのに、工場
内に設置されたフレーム上を移動する大型のクレーンが
用いられていたり、または、図10に示される如き油
圧式リフトが用いられている。の場合、設備に多大の
経費が掛かることから町工場などでは設置することが困
難である。の場合、図10に示される油圧式リフト
は、キャスターを有するベースフレーム脚部(111)
が伸縮可能で、ベースから立設された支柱(112)の
上端に伸縮式のアーム(113)が揺動可能に枢支され
ており、該アーム(113)先端に重量物係止用のフッ
ク(114)が係止されている。そして、一端が支柱
(112)に、他端がアーム(113)の後端寄りに取
り付けられた油圧式シリンダー(115)を有してい
る。このようなリフトは、の場合の如く大型の設備を
必要とはしないことから有用なものである。しかしなが
ら、自動車の車体からエンジン等を取り出すためには、
アーム(113)の先端の揺動範囲を大きくする必要が
あるが、そのためにはストローク長の大きな大型の油圧
式シリンダーを用いることになる。そうすると油圧式シ
リンダー(115)の取付位置による重心位置等との関
係から本体を大型なものにせざるを得ない。従って、製
造コストが高くなり、また、ある程度広くかつ高さのあ
る場所でしか使用できない。そして、大型であり、ベー
スフレーム脚部(111)、アーム(113)が伸縮自
在な構成であるため、重量がアップし、リフトを移動さ
せるのが困難となってしまう。こういったことから、こ
の出願の発明者は、油圧ジャッキとこれに連結されたリ
ンク機構を利用し、吊上用アームを揺動させて被吊上体
を昇降可能とした走行式可動リフトを発明するに至った
(特願平6−55062号参照)。これは、下面にキャ
スターが設けられたベースフレームと、ベースフレーム
上面に立設された支柱と、先端部に吊り部材係止手段を
有し、後端部が連結リンクと連結され、中間部が前記支
柱の上端部に揺動可能に枢支されたアームと、ベースフ
レーム上面に設置された油圧ジャッキと、先端部に油圧
ジャッキのラムの伸縮に伴いラムに設けられた摺動ピン
の摺動を許容する長孔を有し、後端部が連結リンクと連
結され、中間部が前記支柱に枢支された作動リンクと、
作動リンクとアームとを連結する連結リンクと、を具備
したことを主な内容としている。ところで、この走行式
可動リフトは、油圧ジャッキのラムを伸長させアームを
上昇させると、ラムの先端に設けられた摺動ピンが作動
リンクの長孔内を摺動することから、機械的な音、振動
が発生する。また、ラムの単位当たりの伸長によるアー
ム先端の上昇量は水平位置における上昇量よりも多くな
ることから、アームが上昇するほど上昇速度は速くな
る。従って、例えば、高齢者等をベッドから吊り上げよ
うとすると、高い位置ほど上昇速度が速いことから高齢
者等に不快感を与えることになる。そのため、アームが
高くなるにつれてポンピングをゆっくりする等気を付け
なければならない。また、アームの下降においても同様
に、摺動ピンの摺動による機械的な音、振動の発生が見
られる。これを図8に従って、説明する。図8に示され
るように、油圧ジャッキのラムを伸長させ、作動リンク
の先端(C)を上方に移動させると、作動リンクは点
(E)を支点として反時計回りに回動し、連結リンクは
連結点(G)を介し下方に引き下げられる。連結リンク
の下方への引き下げに伴い、アームの先端(B)は連結
点(H)を介し点(F)を支点として持ち上げられる。
油圧ジャッキのラムを収縮させれば、各リンクはこれと
逆の動作を行いアームは下降する。そして、油圧ジャッ
キはベースフレーム上に固定されているから、ラムの昇
降に伴い摺動ピンは作動リンクの長孔に沿って摺動す
る。そのため、作動リンクの回動時に、摺動ピンの摺動
に伴う機械的な音、振動等が発生する。また、アーム先
端位置(Ba)から、さらに油圧ジャッキを操作し上昇
させようとすると、力は、作動リンクに垂直に働く分力
と作動リンク方向に働く分力に分解されるが、作動リン
ク方向に働く分力は比較的大きく、従って、作動リンク
の長孔に沿って摺動ピンを滑らせようとする作用が大き
くなり、作動リンクに垂直に働く分力がその分減少して
しまう。また、ラムの単位当たりの伸長によるアーム先
端(Ba)からの上昇量は水平位置における上昇量より
も大きくなることから、アームの上昇につれて上昇速度
は速くなる。また、アームの下降においても同様に、摺
動による機械的な音、振動が発生する。この発明は、上
記の事情に鑑み創案されたものであり、不快な機械的な
音、振動の発生がなく、安価で、安全で、コンパクトで
あって、設置場所を取らず、移動範囲に制約のない、重
量物の昇降、運搬が可能で、特に、寝たきりの高齢者や
身体障害者等をベッドから車椅子、浴槽等へ移動させた
りする際、不快感を与えることのない介助用、または、
エンジン等の重量物の昇降、運搬に適した走行式可動リ
フトを提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段および作用】この発明の走
行式可動リフトは、上記事情に鑑み鋭意研究の結果開発
されたもので、下面にキャスターが設けられたベースフ
レームと、ベースフレーム上面に立設された支柱と、先
端部に吊り部材係止手段を有し、後端部が連結リンクと
連結され、中間部が前記支柱の上端部に揺動可能に枢支
されたアームと、ベースフレーム上面にヒンジ手段によ
り傾動自在に設置された油圧ジャッキと、先端部が油圧
ジャッキのラムと連結され、後端部が連結リンクと連結
され、中間部が前記支柱に枢支された作動リンクと、作
動リンクとアームとを連結する連結リンクと、を具備
し、油圧ジャッキのラムの伸縮を利用して、リンク機構
によりアームを揺動させて被吊上体の昇降を可能とした
ことを特徴とする。そして、油圧ジャッキ、作動リンク
からなる作動部を覆う前面カバー部材を設けることが好
ましい。また、さらに、前方手摺ハンドルを設けること
が好ましい。また、さらに、油圧ジャッキのリリーズバ
ルブに操作レバーが連結され、該操作レバーが、支柱に
設けられたガイドプレートのガイドスリットに沿って摺
動されるようになっていることが好ましい。
【0005】ここで、油圧ジャッキは、手動等で操作で
きるものが好ましい。もちろん、足踏み式で操作するこ
とも可能である。油圧ジャッキを操作することにより、
ラムの伸長をリンク機構、すなわち、作動リンク、連結
リンクを介してアームへ伝達する。こうして、アームの
先端部に設けられた吊り部材係止手段によって重量のあ
る被吊上体を容易に上昇させることができる。油圧ジャ
ッキは市販の小型のものを採用することができ、被吊上
体の重量、上昇すべき高さ等に応じ耐荷重の異なる油圧
ジャッキ、もしくは、最大ストローク長の異なる油圧ジ
ャッキに交換できるようにすることが好ましい。
【0006】また、アームは角パイプ状材からなるもの
で、アームの前記吊り部材係止手段は、アーム先端部に
固定、または、着脱可能に設けられている。
【0007】さらに、支柱、前方手摺ハンドルと、ベー
スフレームとはネジによって組立・分解可能に構成され
ているのが好ましい。こうすることにより現場での組立
が可能となり、不要なときには分解して収納することが
できる。支柱、前方手摺ハンドルと、ベースフレームと
は、溶接またはリベットで一体化されていてもよいこと
はもちろんである。
【0008】次に、この発明の作用を図7に従って説明
する。図7に示されるように、油圧ジャッキのラムを伸
長させ、作動リンクの先端(Q)を上方に移動させる
と、作動リンクは点(N)を支点として反時計回りに回
動し、連結リンクは連結点(R)を介し下方に引き下げ
られる。連結リンクの下方への引き下げに伴い、アーム
の先端(T)は連結点(S)を介し点(P)を支点とし
て持ち上げられる。油圧ジャッキのラムを収縮させれ
ば、各リンクはこれと逆の動作を行いアームは下降す
る。そして、油圧ジャッキは点(K)を支点として傾動
自在となっているから、ラムの昇降に伴い傾動する。ラ
ムが上昇し、点(Qa)からさらに油圧ジャッキを操作
し上昇させようとすると、作用力は、作動リンクに垂直
に働く分力と作動リンク方向に働く分力に分解される
が、作動リンク方向に働く分力は小さいから、力が作動
リンクに垂直に働く力として有効に利用することができ
る。また、部材が摺動すること等がなく、作動リンクの
回動時に、機械的な音、振動等が発生しない。また、ラ
ムの単位当たりの伸長によるアーム先端位置(Ta)の
上昇量が水平位置における上昇量よりも少なくなること
から、アームが上昇するにつれて上昇速度をゆっくりと
することができ、例えば、高齢者等をベッドから吊り上
げても、高齢者等に不快感を与えることがない。そし
て、アームの下降においても同様に、摺動による機械的
な音、振動の発生がない。
【0009】この発明の走行式可動リフトは、市販の小
型の油圧ジャッキを用い、油圧ジャッキからの力でリン
ク機構によりアームを揺動するようにしていることか
ら、構造が簡単で、安価に製造することができ、かつ、
コンパクトであり、故障が少ない。そのため、設置に場
所をとらず、病院、自動車整備工場等に限定されること
なく、在宅看護のため一般の家庭にも設置することがで
きる。従って、介護者、整備士等の負担が軽減され、そ
の上、メンテナンスも容易である。また、油圧ジャッキ
を用いることから、従来のような電動式シリンダーを用
いたもののように漏電による感電の危険性がない。ま
た、油圧ジャッキを交換可能とした構造とすれば、耐荷
重の相違する油圧ジャッキまたはラムのストローク長が
相違する油圧ジャッキに交換することによって、荷揚げ
力、吊り上げストロークを容易に変更することができ
る。また、360゜方向に転向可能なキャスターを用い
ることで、走行式可動リフトの走行方向が限定されない
ことになり、重量物を吊り上げた状態でも方向転換・移
動が容易となる。また、ベースフレーム、支柱、アーム
等主要構成部材に中空状の角パイプ状材を用いると、軽
量化でき、取扱が容易となり、ベースフレームと支柱と
は組立・分解可能な構造とすると、分解して容易に収納
・運搬することができる。さらに、アーム先端の吊り部
材係止手段への吊り部材を種々選択し交換することで、
各種の重量物の吊り上げ・運搬に使用することができ
る。特に、介助用のスリングユニットを用いれば介護者
が一人でも寝たきりの高齢者等をベッドから車椅子、浴
槽等へ移動させたりすることができる。また、自動車整
備工場等でエンジン等の重量物を一人で吊り上げ、運搬
することができる。
【0010】
【実施例】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明
について説明する。もちろんこの発明は以下の例によっ
て限定されるものではない。図1は、アーム(3)が角
パイプ状材からなる走行式可動リフト(A)である。こ
の走行式可動リフト(A)は、ベースフレーム(1)
と、一本の支柱(2)、角パイプ状材からなるアーム
(3)、ベースフレーム上面にヒンジ手段により傾動自
在に設置された油圧ジャッキ(4)、油圧ジャッキのラ
ムを介して力が伝達される作動リンク(5)、(5)、
連結ロッド(6)とを具備する構成からなる。
【0011】ベースフレーム(1)は、平面から観て前
方に拡開する略コの字状の部分が断面中空の角パイプ状
材によって構成されている。そして、左右の脚(11
a)、(11b)には角パイプ状材(12)が固着され
ており、左右の脚(11a)、(11b)の上面と同一
平面をなしている。図2に示されるように、ベースフレ
ーム(1)の後端部にL字形状をなしたベースプレート
(21)が当接せられ、ボルトで容易に取り外しできる
ように固定されている。また、支柱(2)にはベースプ
レート(21)が固定され三角板で補強されている。
【0012】図1に示すようにベースフレームの脚(1
1a)、(11b)の先端部にはゴム、プラスチック等
からなるプロテクタを装着することが使用上安全である
ことから好ましい。ベースフレーム(1)の下面にはキ
ャスター(13)が設けられており、キャスターとして
は、ローラが360゜方向に転向可能なものが採用さ
れ、このうち後方のキャスターにはストッパ(14)を
有するものが採用されている。これによって、ローラは
何れの方向にも転向することができ、走行式可動リフト
(A)を任意の方向に移動させ、停止させることが可能
となる。
【0013】支柱(2)は角パイプ状材からなり、該支
柱の前面にはブラケット(22)が設けられている。作
動リンク(5)、(5)およびブラケット(22)には
枢支ピン枢支孔が穿設され、これら枢支孔には枢支ピン
(51)が挿通されており、該枢支ピン(51)を支点
にして作動リンク(5)、(5)が回動可能になってい
る。この作動リンク(5)、(5)の先端に設けられた
挿通孔には油圧ジャッキ(4)のラムに設けられた連結
ピン(52)が挿通されている。なお、アーム(3)、
支柱(2)、ベースフレーム(1)を構成する材料とし
ては、鉄、アルミニウム等が用いられる。
【0014】また、図2に示す如く、油圧ジャッキ
(4)はヒンジ手段(41)によりベースプレート(2
1)上で傾動自在となっている。該ヒンジ手段(41)
は、油圧ジャッキ(4)のベース裏面にヒンジピン(4
2)が溶接またはボルト等で固定され、ベースプレート
(21)に設けられたヒンジ板(43)にヒンジピン
(42)が挿通されたものである。ヒンジピン(42)
は、ベースプレート(21)とその平面上において線接
触し、連結ピン(52)と平行に配設されている。この
ため、油圧ジャッキ(4)にかかる荷重は、ヒンジピン
(42)とベースプレート(21)との線接触部によっ
て支えられることになり、過大な荷重にも耐えることが
できるとともに振動、不快な音等の発生が防止される。
ヒンジ手段としては、前記のような構造に依らず、油圧
ジャッキのベース裏面、および、ベースプレート表面に
ヒンジ板を設け、これらにヒンジピンを挿通した構造の
もの、または、油圧ジャッキのベースとベースプレート
にそれぞれブラケットを設け、これに枢支ピンを挿入し
傾動自在としたもの等適宜の構造のものが採用できる。
また、油圧ジャッキ(4)の給油ポンプにはラム伸長用
の操作レバー(44)が、リリーズバルブ(45)には
開閉用の操作レバー(46)が連結されている。そし
て、リリーズバルブ(45)の開閉用の操作レバー(4
6)は、支柱(2)に取り付けられた操作レバーガイド
プレート(47)のガイドスリット(48)に挿通され
ている。ガイドスリット(48)は、リリーズバルブ
(45)を閉鎖状態にするためのスリットと開放状態に
するスリットとが連絡されたクランク形状をしている。
操作レバー(46)を反時計方向に操作するとリリーズ
バルブ(45)は閉鎖され、時計方向に操作すると開放
されるようになっている。そして、これら操作レバー
は、手元で操作できるように手元位置まで延長した構造
になっている。
【0015】ラム伸長用の操作レバー(44)によるポ
ンピング操作で油圧ジャッキ(4)のラムは伸長し、作
動リンク(5)、(5)は枢支ピン(51)を支点とし
て回動されるようになっている。作動リンク(5)、
(5)の後端には連結ピン挿通孔が穿設され、また、連
結ロッド(6)の下端には連結ピン挿通孔を有するベア
リングが設けられており、これら挿通孔には連結ピン
(53)が挿通され、作動リンク(5)、(5)と連結
ロッド(6)とを連結している。このような構成によ
り、油圧ジャッキ(4)の操作レバー(44)を操作さ
せると、ラムの伸長に伴って油圧ジャッキ(4)は、ヒ
ンジピン(42)を中心に漸次反時計方向に傾動する。
そして、作動リンク(5)、(5)の回動が連結ロッド
(6)によってアーム(3)に伝達され、重量のある被
吊上体を容易に上昇させることができる。反対に、アー
ム(3)を下降させるには、操作レバー(46)をガイ
ドプレート(47)のガイドスリット(48)の開放位
置にまで移動させ、リリーズバルブ(45)を開く。そ
うすると、油圧ジャッキシリンダ中の油がタンクに環流
されてアーム(3)が下降する。それに伴って、油圧ジ
ャッキ(4)は、ヒンジピン(42)を中心に時計方向
に傾動する。そして、リリーズバルブ(45)の開閉状
態を適宜調節することで、任意の位置に下降、停止させ
ることができる。なお、油圧ジャッキとしては公知のも
のを用いるものであることから、油圧ジャッキの詳細説
明は省略する。
【0016】アーム(3)の後端には連結ピン挿通孔が
穿設され、連結ロッド(6)の上端には連結ピン挿通孔
を有するベアリングが設けられており、これらの挿通孔
には連結ピン(31)が挿通されている。そして、アー
ム(3)の後端下面は切欠かれ連結ロッド(6)が間挿
できるようになっている。なお、アーム(3)後端と作
動リンク(5)後端とを連結するのに、両端にベアリン
グが設けられた連結ロッド(6)を用いることに代え、
両端に連結ピン挿通孔が穿設された板状リンクを用いて
もよい。また、アーム(3)の先後端には、保護キャッ
プまたはカバーを設け端部を閉鎖するようにしておくこ
とが好ましい。
【0017】また、支柱(2)の上端部は切込が形成さ
れており、該切込にアーム(3)の中間部が間挿されて
いる。支柱(2)の上端部とアーム(3)の中間部には
それぞれ枢支ピン挿入孔が穿設され、枢支ピン(32)
を挿通することにより、該枢支ピン(32)を支点とし
てアーム(3)が揺動可能となっている。
【0018】そして、アーム(3)の先端には、係止ピ
ン(33)挿通孔を有するスリング用ブラケット(3
4)が固定されている。スリング用ブラケット(34)
には、図3〜5に示されるような介助用スリングユニッ
ト(7)、(8)、(9)、または図6に示されるよう
なフック(10)が装着される。もちろん、スリング用
ブラケットはアーム(3)に係止するようにしてもよ
い。その場合は、例えば、アームの先端下面を切欠き、
そして、スリング用ブラケットに係止ピン挿通孔を穿設
するとともに、アームに係止ピン挿通孔を穿設し、これ
らに係止ピンを挿通することで、スリングユニット等を
吊り下げるようにすればよい。
【0019】枢支ピン(51)、(32)、連結ピン
(52)、(53)、(31)、係止ピン(33)はい
ずれもねじなどにより取り外しができるようになってお
り、アーム、連結ロッド等の部材は分解可能となってい
る。
【0020】また、アーム(3)は支柱(2)と枢支さ
れた部分よりも前方でヘの字状に曲がっている。これに
より、支柱(2)を低くすることができるとともに、介
助用スリングユニット等の掛け外しの操作がし易く、そ
の上、アーム(3)の先端部を上昇させたとき天井など
に当たらないようになっている。そして、左右の脚(1
1a)、(11b)の後端部には、後方手摺ハンドル
(24)が立設され、角パイプ状材(12)近傍の左右
の脚(11a)、(11b)上には、前方手摺ハンドル
(25)が立設されている。後方手摺ハンドル(24)
は、介護者等が走行式可動リフトの移動・旋回等を行う
ためのものであり、前方手摺ハンドル(25)は、例え
ば、脚力の落ちた高齢者等が後述するような歩行訓練に
適した介助用スリングユニット(8)(図5参照)によ
って補助された状態で自らこれを掴み、歩行訓練等を行
う時に使用するものである。これら前方、後方手摺ハン
ドル(25)、(24)は、ベースフレームの左右の脚
(11a)、(11b)にねじ等によって取り外し可能
になっていることが好ましい。こうすると、必要がなけ
れば、例えば、前方手摺ハンドル(25)を取り外すこ
とができる。
【0021】さらに、図1の如くアングル材からなる逆
V字形の補強部材(26)によって支柱(2)は補強さ
れている。補強部材(26)は、ベースフレームの左右
の脚(11a)、(11b)および支柱(2)にネジで
取り外し可能に取り付けられている。また、補強部材
(26)には、三角形をしたカバー板(27)がねじ等
で取り外し可能に設けられている。
【0022】図3に、寝たきりの高齢者等を着座状態で
吊り上げる介助用スリングユニットを示す。該介助用ス
リングユニット(7)は、スリングベルト(71)、サ
イドベルト(72)、着座布(73)とからなる。スリ
ングベルト(71)の先端には四手(35)のフック部
(36)に係止するためのループ部(71a)が設けら
れている。なお、ループ部(71a)はベルト布を折り
返し縫いつけることにより形成されているがこれらを金
具としてもよいことはいうまでもない。また、アーム
(3)の先端に設けられたスリング用ブラケット(3
4)の挿通孔には吊り金具(37)が係止され、四手
(35)が吊り下げられるようになっている。四手(3
5)の管状部材には先端にフック部(36)を有する板
状体が固定されており、管状部材には吊り金具(37)
が挿通される。吊り金具(37)は、先端に係止ピン
(33)挿通孔を有し後端にフランジ部を有しており、
フランジ部にはスラストベアリングが設けられている。
スリング用ブラケット(34)の挿通孔と吊り金具(3
7)の挿通孔には係止ピン(33)が挿通されること
で、アーム(3)に四手(35)が吊り下げられる。こ
のような構造の介助用スリングユニット(7)は、寝た
きりの高齢者等をベッドから吊り上げ、着座した状態で
車椅子に移し換えたり、あるいは走行式可動リフト
(A)を浴槽の所まで走行させ、浴槽で体を清浄したり
するのに用いることができる。
【0023】次に、この介助用スリングユニット(7)
用い、寝たきりの高齢者等をベッドから車椅子に移す場
合を例に、本実施例の走行式可動リフト(A)について
説明する。走行式可動リフト(A)の操作レバー(4
4)によるポンピング操作で油圧ジャッキ(4)のラム
を伸長させアーム(3)を所定の角度、例えば略水平状
態にしておく。次いで、走行式可動リフトの後方手摺ハ
ンドル(24)を介護者が押したり引いたりして走行式
可動リフト(A)をベット(図示せず)の所まで移動さ
せ、所定の位置まで来たら、キャスター(13)のスト
ッパ(14)を停止状態にして走行式可動リフト(A)
を固定する。寝たきりの高齢者等の上半身を起こし、前
もって、寝たきりの高齢者等の臀部から背中にあてがっ
ておいた介助用スリングユニット(7)のループ部(7
1a)を四手(35)のフック部(36)に掛ける。
【0024】次に、操作レバー(44)によるポンピン
グ操作で油圧ジャッキ(4)のラムを伸長させると、リ
ンク機構を介しアーム(3)は反時計方向に回動され、
寝たきりの高齢者等は介助用スリングユニット(7)の
上昇に伴ってベッドから吊り上げられる。所定の角度ま
でアーム(3)を回動させ、油圧ジャッキ(4)のポン
ピング操作を停止させると、寝たきりの高齢者等は介助
用スリングユニット(7)に座った状態で吊られベッド
から所定の高さで停止される。ここで、吊り金具(3
7)は係止ピン(33)に緩く挿通されているので、ア
ーム(3)が上昇しても介助用スリングユニット(7)
に吊り上げられた寝たきりの高齢者等は常に垂直状態に
吊られている。
【0025】そして、キャスター(13)のストッパ
(14)を解除状態にし、介護者が任意の方向に後方手
摺ハンドル(24)を押したり引いたりして、ベッドか
ら走行式可動リフト(A)を離し、車椅子をベースフレ
ーム(1)の左右の脚(11a)、(11b)の間に引
き入れることができるようにする。次いで、そこへ引き
入れた車椅子にブレーキを掛けて寝たきりの高齢者等を
車椅子に降ろす準備を完了する。走行式可動リフト
(A)から寝たきりの高齢者等を車椅子に降ろすには、
操作レバー(46)によってリリーズバルブ(45)を
所定量開けばよい。そうすると、寝たきりの高齢者等の
重量がアーム(3)、連結ロッド(6)、作動リンク
(5)、(5)を介し油圧ジャッキのラムに作用し、油
圧ジャッキシリンダ中の油がタンクに環流されラムが下
降し始める。寝たきりの高齢者等は油圧ジャッキ(4)
の油の粘性抵抗によってゆっくりと下降し、車椅子上に
降ろされる。この時、四手(35)は吊り金具(37)
のスラストベアリングによって旋回させることができる
ため、水平面において方向を自由に変えることができ、
寝たきりの高齢者等を水平回転させて車椅子の停止方向
に合致させて降ろすことができる。
【0026】その後、操作レバー(46)によってリリ
ーズバルブ(45)を締め、アーム(3)の下降を止
め、介助用スリングユニット(7)のループ部(71
a)をフック部(36)から取り外す。そして、走行式
可動リフト(A)を待機位置にまで移動させるとともに
必要ならば介助用スリングユニット(7)を寝たきりの
高齢者等の臀部から取り除く。なお、車椅子から寝たき
りの高齢者等をベッドに戻すには、これまでと逆の操作
をすればよい。
【0027】本実施例の走行式可動リフト(A)を用い
寝たきりの高齢者等をベッドから浴槽に移し身体を清浄
する場合は、走行式可動リフト(A)に寝たきりの高齢
者等を吊り上げたまま浴槽まで介護者が移動させるよう
にすればよい。この場合における走行式可動リフト
(A)の操作の詳細についての説明は省略する。本実施
例の走行式可動リフト(A)は、寝たきりの高齢者等が
着座の姿勢で移動できるためスペースを取らず、操作が
簡単で、電気コンセントのない場所でも使用できること
から、病院、家庭等至る所で寝たきりの高齢者等の介助
等に有用に用いることができる。
【0028】図4に示すものは、脚力の落ちた高齢者等
の歩行訓練に適した介助用スリングユニット(8)であ
る。これは、スリングベルト(81)、胸部ベルト(8
2)、脇保護部材(83)とからなる。各スリングベル
ト(81)の一端には四手(35)のフック部(36)
に係止するループ部(81a)が設けられ、他端は胸部
ベルト(82)に縫いつけられている。ループ部(81
a)はベルト布を折り返し縫い付けることにより形成さ
れているが、これらを金具等としてもよいことはいうま
でもない。胸部ベルト(82)の両端には面状ファスナ
(84)、(84)が設けられ、胸部のサイズに会わせ
て身体を保持・固定できるようになっているとともに、
胸部ベルト(82)の身体の脇が当たる部分には脇保護
部材(83)である流体嚢体が着脱自在に設けられてい
る。流体嚢体としては、エアークッションが軽量なこと
から好ましい。もちろん、スポンジ等の弾性体を着脱自
在に設けてもよい。
【0029】次に、この介助用スリングユニット(8)
をリハビリに使用する場合について説明する。走行式可
動リフト(A)の操作レバー(44)によるポンピング
操作で油圧ジャッキ(4)のラムを伸長させアーム
(3)の先端を所定の高さにしておく。次いで、走行式
可動リフトの後方手摺ハンドル(24)を介護者が押し
たり引いたりして走行式可動リフト(A)をベット(図
示せず)の所まで移動させ、所定の位置まで来たら、キ
ャスター(13)のストッパ(14)を停止状態にして
走行式可動リフト(A)を固定する。そして、高齢者等
の上半身を起こし、高齢者等の胸部に胸ベルト(82)
を取付ける。そして、介助用スリングユニット(8)の
ループ部(81a)を四手(35)のフック部(36)
に掛ける。次に、操作レバー(44)によるポンピング
操作で油圧ジャッキ(4)のラムを伸長させると、リン
ク機構を介しアーム(3)は反時計方向に回動され、寝
たきりの高齢者等は介助用スリングユニット(8)の上
昇に伴ってベッドから腰が浮いた状態にまで吊り上げら
れる。そして、油圧ジャッキ(4)のポンピング操作を
停止させ、キャスター(13)のストッパ(14)を解
除し、介護者等が後方手摺ハンドル(24)によって走
行式可動リフト(A)をベッドから少し後退させる。こ
うすると、高齢者等は胸部ベルト(82)で保持・固定
された状態で、前方手摺ハンドル(25)を支えとして
立ち上がり、足等に過大な負荷をかけることなく、走行
式可動リフト(A)の支柱(2)側を見ながら歩行訓練
等を行うことができる。ここで、三角板(27)によっ
て油圧ジャッキ(4)等が見えないようになっているの
で不快感等を起こさない。歩行訓練が終わり、高齢者等
をベッドに戻すには、これまでと逆の操作をすればよ
い。
【0030】図5は、寝たきりの高齢者等を寝たままの
状態で吊り上げるための組立・分解可能なストレッチャ
ー形介助用スリングユニット(9)を示す。該介助用ユ
ニットは、高齢者等の床ずれの防止、治療、または、寝
たままでの移動、入浴、に有用なものであり、フレーム
(90)、スリングベルト(91)、張り布(92)か
ら構成されている。フレーム(90)は、縦杆(9
3)、ジョイント(94)、横杆(95)、および縦杆
の保護キャップ(96)とからなる。ジョイント(9
4)の一端は縦杆(93)を挟着できるように縦杆(9
3)の径よりも少し小さめの半円弧状挟着部材が設けら
れ、他端は横杆(95)を挿着できるように挿入部が形
成されている。そして、該挿入部は横杆(95)を挿入
し接着剤などで固定し一体化されている。ジョイント
(94)は合成樹脂からなるもので、縦杆(93)、横
杆(95)はアルミ、ステンレス、鉄等適宜な材料から
なり樹脂等で表面がライニングされているものが好まし
い。スリングベルト(91)の一端には四手(35)の
フック部(36)に係止するループ部(91a)が、他
端には縦杆(93)を挿通する挿通部(91b)が設け
られている。ループ部(91a)と挿通部(91b)
は、いずれもベルト布を折り返し縫い付けることにより
形成されている。また、ループ部(91a)、挿通部
(91b)は金具等から形成してもよく、また、フック
状の係止具を用いてもよいものであることはいうまでも
ない。張り布(92)は、端布(97)と本体布(9
8)とからなる。端布(97)は、折り返し縫い付ける
ことで縦杆連通部(97a)が形成されているととも
に、スリングベルト(91)の挿通部(91b)を配置
するために一部に切込が形成されている。本体布(9
8)はメッシュ状のものからなり、端布(97)に縫い
つけられている。端布(97)はズック等からなるもの
が好ましく、本体布(98)はナイロン、ポリエステル
等からなるものが好ましい。また、流体嚢体(99)が
横杆(95)の一方に着脱自在に設けられており、高齢
者等の頭部を載せることができるようになっている。流
体嚢体(99)としては、空気枕、水枕等が利用でき
る。もちろん、スポンジ等の弾性体を着脱自在に設けて
もよい。そして、スリングベルト(91)は、高齢者等
の上体側を短めにして、吊り上げた時に頭部が下がらな
いようにすることが好ましい。そのためには、長さを調
節できるように、バックル等の長さ調節部材を設けるこ
とが好ましい(図示せず)。
【0031】次に、走行式可動リフト(A)とストレッ
チャー形介助用スリングユニット(9)を用いて寝たき
りの高齢者等を寝たままの状態でベッドから吊り上げ、
床ずれの防止や治療を行い、その間に、布団やシーツを
乾燥したり、取り替える方法について説明する。走行式
可動リフト(A)の操作レバー(44)によるポンピン
グ操作で油圧ジャッキ(4)のラムを伸長させ、アーム
(3)を所定の角度、例えば略水平状態にしておく。次
いで、走行式可動リフトの後方手摺ハンドル(24)を
介護者が押したり引いたりして走行式可動リフト(A)
をベット(図示せず)の所まで移動させ、所定の位置ま
で来たら、キャスター(13)のストッパ(14)を停
止状態にして走行式可動リフト(A)を固定する。次
に、ベッド上の寝たきりの高齢者等を横臥させたりして
張り布(92)を身体の下に入れ、縦杆(93)を張り
布の縦杆連通部(97a)に挿通するとともにスリング
ベルトの挿通部(91b)にも挿通する。そして、横杆
のジョイント(94)の半円弧状挟着部材の弾性によっ
て縦杆(93)を挟着し一体化させフレーム(90)を
形成する。この時、頭部側の横杆(95)には予め空気
枕等の流体嚢体(99)を装着しておくのが好ましい。
そして、スリングベルトのループ部(91a)を四手
(35)のフック部(36)に掛ける。
【0032】つぎに、操作レバー(44)をポンピング
し油圧ジャッキ(4)のラムを伸長させると、リンク機
構を介しアーム(3)は反時計方向に回動され、寝たき
りの高齢者等は寝たままの状態で介助用スリングユニッ
ト(9)の上昇に伴ってベッドから吊り上げられる。所
定の角度までアーム(3)を回動させ、油圧ジャッキ
(4)のポンピング操作を停止させると、寝たきりの高
齢者等は介助用スリングユニット(9)に寝たままの状
態で吊られベッドから所定の高さで停止される。この状
態を所定時間維持させれば、寝たきりの高齢者等の床ず
れを防止したり、治療したりすることができる。すなわ
ち、ストレッチャー形介助用スリングユニット(9)に
よれば、メッシュ状の本体布(98)が身体を適度に沈
み込ませ、体圧を分散させることから、血行を良くする
ことができ、また、メッシュ状であることから通気性が
あり、走行式可動リフト(A)に吊り下げ寝たきりの高
齢者等の床ずれを防止したり、治療したりすることがで
きる。そして、その間に布団やシーツを取り替えたり、
布団、シーツの乾燥を行うことができる。こうすること
により、床ずれの原因となる、不潔さ、摩擦、湿潤等を
除去することができる。寝たきりの高齢者等をベッドに
降ろすには、操作レバー(46)によってリリーズバル
ブ(45)を所定量開けばよい。そうすると、寝たきり
の高齢者等の重量がアーム(3)、連結ロッド(6)、
作動リンク(5)、(5)を介し油圧ジャッキのラムに
作用し、油圧ジャッキシリンダ中の油がタンクに環流さ
れラムが下降し始める。寝たきりの高齢者等は寝たまま
の状態で油圧ジャッキ(4)の油の粘性抵抗によってゆ
っくりと下降し、ベッドに降ろされる。
【0033】その後、操作レバー(46)をガイドスリ
ット(48)に沿ってリリーズバルブ閉鎖位置にまで移
動させリリーズバルブ(45)を締め、アーム(3)の
下降を止め、スリングベルト(91)のループ部(91
a)を四手(35)のフック部(36)から外す。そし
て、ストレッチャー形介助用ユニット(9)を組み立て
た時と逆の順序で分解して、高齢者等の身体の下より張
り布(92)を取り出し、走行式可動リフト(A)を待
機位置にまで移動させる。また、張り布(92)がメッ
シュ状になっていることから、走行式可動リフト(A)
により寝たきりの高齢者等をストレッチャー形介助用ス
リングユニット(9)とともに吊り上げ、介助用スリン
グユニットごと浴槽に降ろし、入浴させ、吊り上げる
と、水切れが良い上に素早く乾燥させることができる。
この場合は、スリングベルト(91)の長さを調節し、
頭が高くなるようにすることが好ましい。その他、この
介助用スリングユニットは、病院内等で寝たままの患者
を通常のベッドより運搬用ベッドに移動させるとき等に
も有用に使用することができる。
【0034】自動車整備工場等において、エンジン等を
車体から吊り上げ修理場所へ運搬する場合には、本実施
例の走行式可動リフト(A)の係止具として図6に示す
ようなフック(10)を用いる。該フック(10)に
は、係止ピン(33)の挿通を許容する大きめの挿通孔
が設けられており、アーム(3)が揺動してもエンジン
等は常に垂直に吊り上げられるようになっている。吊り
上げるには、エンジン等にワイヤーロープ、チェーン等
を掛け回し、フック(10)にワイヤーロープ、チェー
ン等を引っかけるようにすればよい。
【0035】
【発明の効果】この発明は、以上詳しく説明したように
構成されているので、以下に記載されるような効果を奏
する。市販の小型の油圧ジャッキを用い、油圧ジャッキ
からの力でリンク機構によりアームを揺動するようにし
ていることから、構造が簡単で、安価に製造することが
でき、かつ、コンパクトであり、故障が少ない。そのた
め、設置に場所をとらず、病院、自動車整備工場等に限
定されることなく、在宅看護のため一般の家庭にも設置
することができる。従って、介護者、整備士等の負担が
軽減され、その上、メンテナンスも容易である。油圧ジ
ャッキを用いることから、従来のような電動式シリンダ
ーを用いたもののように漏電による感電の危険性がな
い。油圧ジャッキを交換可能とした構造とすれば、耐荷
重の相違する油圧ジャッキまたはラムのストローク長が
相違する油圧ジャッキに交換することによって、荷揚げ
力、吊り上げストロークを容易に変更することができ
る。360゜方向に転向可能なキャスターを用いること
で、走行式可動リフトの走行方向が限定されないことに
なり、重量物を吊り上げた状態でも方向転換・移動が容
易となる。アーム先端の吊り部材係止手段への吊り部材
を種々選択し交換することで、各種の重量物の吊り上げ
・運搬に使用することができる。特に、介助用のスリン
グユニットを用いれば介護者が一人でも寝たきりの高齢
者等をベッドから車椅子、浴槽等へ移動させたりするこ
とができる。また、自動車整備工場等でエンジン等の重
量物を一人で吊り上げ、運搬することができる。さら
に、油圧ジャッキをベースフレーム上面にヒンジ手段に
より傾動自在に設置していることから、作動リンクの回
動時に、機械的な音、振動等が発生しない。また、ラム
の単位当たりの伸長によるアーム先端の上昇量が水平位
置における上昇量よりも少なくなることから、アームが
上昇するにつれてアームの上昇速度をゆっくりとするこ
とができ、例えば、寝たきりの高齢者等をベッドから吊
り上げても、高齢者等に不快感を与えることがない。ア
ームの下降においても同様に、摺動による機械的な音、
振動の発生がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の走行式可動リフトの一実施例の斜視
図である。
【図2】図1に示す走行式可動リフトの部分拡大斜視図
である。
【図3】図1に示す走行式可動リフトに係止される介助
用スリングユニットの分解組立斜視図である。
【図4】図1に示す走行式可動リフトに係止される歩行
訓練に適した介助用スリングユニットの分解組立斜視図
である。
【図5】図1に示す走行式可動リフトに係止される床ず
れ防止等に適した介助用スリングユニットの分解組立斜
視図である。
【図6】図1に示す走行式可動リフトに係止されるフッ
クの斜視図である。
【図7】この発明の動作原理を示す説明図である。
【図8】油圧ジャッキがベースフレームに対し固定され
ている場合の比較のための動作説明図である。
【図9】従来の電動式シリンダーを用いた介助用リフト
を示す斜視図である。
【図10】従来の油圧シリンダーを用いた重量物吊り上
げ用のリフトを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ベースフレーム 2 支柱 3 アーム 4 油圧ジャッキ 5 作動リンク 6 連結ロッド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下面にキャスターが設けられたベースフ
    レームと、 ベースフレーム上面に立設された支柱と、 先端部に吊り部材係止手段を有し、後端部が連結リンク
    と連結され、中間部が前記支柱の上端部に揺動可能に枢
    支されたアームと、 ベースフレーム上面にヒンジ手段により傾動自在に設置
    された油圧ジャッキと、 先端部が油圧ジャッキのラムと連結され、後端部が連結
    リンクと連結され、中間部が前記支柱に枢支された作動
    リンクと、 作動リンクとアームとを連結する連結リンクと、 を具備し、油圧ジャッキのラムの伸縮を利用して、リン
    ク機構によりアームを揺動させて被吊上体の昇降を可能
    としたことを特徴とする走行式可動リフト。
  2. 【請求項2】 油圧ジャッキ、作動リンクからなる作動
    部を覆う前面カバー部材を設けたことを特徴とする請求
    項1記載の走行式可動リフト。
  3. 【請求項3】 前方手摺ハンドルを設けたことを特徴と
    する請求項1記載の走行式可動リフト。
  4. 【請求項4】 油圧ジャッキのリリーズバルブに操作レ
    バーが連結され、該操作レバーが、支柱に設けられたガ
    イドプレートのガイドスリットに沿って摺動されるよう
    になっていることを特徴とする請求項1記載の走行式可
    動リフト。
JP6179362A 1994-07-06 1994-07-06 走行式可動リフト Pending JPH0820496A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6179362A JPH0820496A (ja) 1994-07-06 1994-07-06 走行式可動リフト

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6179362A JPH0820496A (ja) 1994-07-06 1994-07-06 走行式可動リフト

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0820496A true JPH0820496A (ja) 1996-01-23

Family

ID=16064532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6179362A Pending JPH0820496A (ja) 1994-07-06 1994-07-06 走行式可動リフト

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0820496A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103448814A (zh) * 2013-09-16 2013-12-18 力帆实业(集团)股份有限公司 备胎取放装置
CN105923587A (zh) * 2016-06-29 2016-09-07 美通重工有限公司 一种举升机构
CN108033399A (zh) * 2017-12-13 2018-05-15 上海汇聚自动化科技有限公司 一种全向前移式叉车
CN109969990A (zh) * 2019-04-18 2019-07-05 国网山东省电力公司建设公司 一种便于gis设备安装与运输的装置
CN110126994A (zh) * 2019-03-21 2019-08-16 武汉船用机械有限责任公司 门架的俯仰机构及门架
JP2022076058A (ja) * 2020-11-09 2022-05-19 北海道電力株式会社 運搬装置、運搬補助架台、運搬システム及び運搬方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103448814A (zh) * 2013-09-16 2013-12-18 力帆实业(集团)股份有限公司 备胎取放装置
CN105923587A (zh) * 2016-06-29 2016-09-07 美通重工有限公司 一种举升机构
CN108033399A (zh) * 2017-12-13 2018-05-15 上海汇聚自动化科技有限公司 一种全向前移式叉车
CN108033399B (zh) * 2017-12-13 2020-01-21 上海汇聚自动化科技有限公司 一种全向前移式叉车
CN110126994A (zh) * 2019-03-21 2019-08-16 武汉船用机械有限责任公司 门架的俯仰机构及门架
CN109969990A (zh) * 2019-04-18 2019-07-05 国网山东省电力公司建设公司 一种便于gis设备安装与运输的装置
JP2022076058A (ja) * 2020-11-09 2022-05-19 北海道電力株式会社 運搬装置、運搬補助架台、運搬システム及び運搬方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6430761B1 (en) Compact portable patient lift
US4985947A (en) Patient assist device
US2792052A (en) Invalid walker and transfer device
US20100219668A1 (en) Devices and Methods for Lift Assistance
JPH08500022A (ja) 患者用の抱え上げおよび移動装置
WO1993010738A1 (en) Patient sling
US6964070B2 (en) Patient lifting apparatus
JP2011500106A (ja) 患者用便器付きベッド兼車椅子
JP2002028202A (ja) 歩行補助機
JP4051926B2 (ja) 車椅子
JP2007202880A (ja) 歩行器
JPH0820496A (ja) 走行式可動リフト
WO2002034193A1 (fr) Fauteuil roulant
JP2001309952A (ja) 患者取り扱い装置
JP6870809B2 (ja) 介護装置
JP2000333996A (ja) ベッドからの移動リフト付き車椅子
JPH09168566A (ja) 車椅子
JPH0919462A (ja) 介護用ベッド
JPH07237899A (ja) 走行式可動リフト
JP3247100U (ja) 介護用移動式リフト
NZ552237A (en) Improved leg lifting apparatus
JP2660144B2 (ja) 介護用移動手段付き装置
JP4050786B2 (ja) ベッド用上掛排除装置
JP2000232997A (ja) 折り畳み可能な介護装置
JPH01212555A (ja) 介助機器装置