JPH08203739A - 空芯コイル装置 - Google Patents

空芯コイル装置

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JPH08203739A
JPH08203739A JP3313095A JP3313095A JPH08203739A JP H08203739 A JPH08203739 A JP H08203739A JP 3313095 A JP3313095 A JP 3313095A JP 3313095 A JP3313095 A JP 3313095A JP H08203739 A JPH08203739 A JP H08203739A
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JP
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coil pattern
coil
air
core
current
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JP3313095A
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English (en)
Inventor
Masahiko Matsumoto
匡彦 松本
Takayoshi Nishiyama
隆芳 西山
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F17/00Fixed inductances of the signal type 
    • H01F17/0006Printed inductances
    • H01F2017/0053Printed inductances with means to reduce eddy currents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高周波の回路駆動が行われても、コイルパタ
ーン5の電流分布がほぼ均一で導通損失が少なく、エネ
ルギ効率の高い空芯インダクタや空芯トランス等の空芯
コイル装置1を提供することである。 【構成】 絶縁体の基板11上に導体を渦巻き状にパター
ン形成して作製されたコイルパターン5には、電流の流
れる方向に沿って伸びる複数のスリット7をコイルパタ
ーン5の全長に渡って連続的に設ける。スリット7は、
漏洩磁束によるコイルパターン5のほぼ全幅を経路とす
る大きな渦電流の経路を分断し、大きな渦電流の発生を
防止する。また、コイルパターン5の表面積が増加す
る。したがって、渦電流に起因する近接効果と表皮効果
との相乗的作用によるコイルパターン5の電流分布の集
中が緩和して均一化し、コイルパターン5の導通損失が
低減し、エネルギ効率の高い空芯コイル装置1となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空芯トランスや空芯イ
ンダクタ等の空芯コイル装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、スイッチング電源等には
トランスやインダクタのコイル装置が使用されている。
近年においては、スイッチング電源の小型軽量化を図る
観点から、スイッチング周波数を高くした高周波の回路
駆動が行われている。
【0003】一般に、スイッチング電源に使用されるイ
ンダクタやトランスは、導体のコイル巻線を巻回するこ
とにより形成されており、コイル巻線の中心にコアを挿
通することにより、コア付きのインダクタやコア付きの
トランスとして使用されている。ところで、コイル巻線
に通電すると、コイル巻線から磁束が発生し、磁束は空
気より透磁率が高いコアを透過する。しかし、上記のよ
うに、スイッチング電源の小型軽量化を図り、高周波の
回路駆動が行われると、前記コイル巻線の磁束がコアを
透過してコア内部に大きな渦電流を発生させてしまい、
コア内部の渦電流損失が非常に大きくなってインダクタ
やトランスのエネルギ効率が悪化してしまう。
【0004】前記渦電流損失を低減させるために、電気
抵抗率が高い材料を用いてコアを形成し、コアの大きな
渦電流の発生を防止することが考えられるが、電気抵抗
率を高くすると透磁率が低くなり、前記コイル巻線から
の漏洩磁束は大きくなり、コアでのヒステリシス損失が
増加し、やはり、インダクタやトランスのエネルギ効率
が悪化してしまい、高周波駆動が行われる回路では、コ
ア付きのインダクタやトランスのエネルギ効率と、コア
を省略した空芯インダクタや空芯トランスのエネルギ効
率とが同程度となってしまう。このことから、コアを省
略してその分低コストとなる空芯インダクタや空芯トラ
ンス等の空芯コイル装置を使用する場合も出てきてい
る。
【0005】図8には、特開昭61−102009号公
報に開示されている円筒型の空芯トランス3の構成が示
されている。この空芯トランス3は、絶縁体のプラスチ
ックフィルム17,18と、アルミニウムの導体箔膜15,16
と、鉄線や銅線等の端子13a,13b,14a,14bとを有
して構成されており、同図の(b)に示すように、帯状
の導体箔膜15,16の両端側に端子13a,13b,14a,14
bをそれぞれ設け、導体箔膜15上に、プラスチックフィ
ルム18、導体箔膜16、プラスチックフィルム17を順次積
層させて、その積層体を一方側から巻回して渦巻き状の
コイルを形成したものである。
【0006】また、これを応用して、例えば、図9に示
すように、導体箔膜16の両端側に端子14a,14bを設
け、プラスチックフィルム17と導体箔膜16とを重ね巻き
して空芯インダクタ4が形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8に
示す空芯トランス3や、図9に示す空芯インダクタ4
は、上記の如く、導体箔膜の両端側に端子を設け、導体
箔膜とプラスチックフィルムを積層させて巻回するとい
うように、空芯トランス3や空芯インダクタ4の製造作
業に手間隙がかかってしまうという問題がある。
【0008】そこで、本出願人は、簡単に製造できる図
5に示すプレーナ型の空芯インダクタや図7に示すプレ
ーナ型のトランス等の空芯コイル装置1を提案(未公
開)した。図5のプレーナ型空芯インダクタは、セラミ
ックやガラスエポキシやプラスチックフィルム等の絶縁
体の基板11上に、印刷や蒸着や金属導体板成型やメッキ
等で、銅等の導体を渦巻き状にパターン形成し、これを
コイルパターン5とし、必要に応じて、このコイルパタ
ーン5が形成された基板11を複数個積層し、複数のコイ
ルパターン5を接続して形成されるものである。また、
図7のプレーナ型空芯トランスは、前記同様に、基板11
上に、例えば、一次コイルであるコイルパターン5Aを
形成し、さらに、コイルパターン5Aの外周を囲むよう
に二次コイルであるコイルパターン5Bを、コイルパタ
ーン5Aと同時にパターン形成し、必要に応じて、この
基板11を複数個積層させ、コイルパターン5A同士、コ
イルパターン5B同士を接続したものである。
【0009】また、プレーナ型の空芯トランスとして
は、図5に示すようなコイルパターン5を形成した基板
11を複数個積層し、一方のコイルパターン5の群を一次
コイル群として接続し、他方のコイルパターン5の群を
二次コイル群として接続することにより、あるいは、基
板11の表裏両面上に図5に示すようなコイルパターン5
を形成し、一方のコイルパターン5を一次コイルとし、
他方のコイルパターン5を二次コイルとすることにより
作製することができる。
【0010】このように、プレーナ型の空芯コイル装置
1は、基板11上にコイルパターン5をパターン形成し、
簡単に手間隙をかけずに製造することができる。
【0011】ところで、提案例の図5や図7の空芯コイ
ル装置1では、高周波の回路駆動が行われると、コイル
パターン5からの漏洩磁束による近接効果と、電流が導
体のコイルパターン5の表面領域に偏って集中して流れ
る表皮効果とが相乗的に作用し、導通損失等の悪影響の
問題が生じてくる。
【0012】上記問題を、図5に示すコイルパターン5
を例にして説明する。例えば、コイルパターン5に図6
に示すような向きで電流Iが流れているとき、コイルパ
ターン5bの部分で発生した漏洩磁束Bは近接して隣り
合っているコイルパターン5a,5cを横切り、この漏
洩磁束Bによって、コイルパターン5aには同図に示す
ような左回りの渦電流Ia が発生し、コイルパターン5
cには右回りの渦電流Ic が発生する。また、コイルパ
ターン5a,5cで発生した漏洩磁束A,Cは隣り合っ
ているコイルパターン5bを横切るが、コイルパターン
5bを横切るときの漏洩磁束AとCの向きが互いに逆向
きで打ち消し合うために、コイルパターン5bには渦電
流は殆ど発生しない。
【0013】このように、漏洩磁束によってコイルパタ
ーン5a,5cに渦電流Ia ,Icが発生すると、例え
ば、コイルパターン5aの外端側では、主電流Iと前記
渦電流Ia とが逆向きであることから、主電流Iが減殺
される状態となって見かけ上インピーダンスが大きくな
り、内端側では、主電流Iと渦電流Ia とが同じ向きで
あることから、主電流Iに渦電流Ia が加算される状態
となって見かけ上インピーダンスが小さくなる。する
と、コイルパターン5aに流れる電流は見かけ上のイン
ピーダンスが小さい内端側に集中して流れ、コイルパタ
ーン5aの電流分布は、内端側が多く、外端側が少ない
というアンバランスな状態となる。しかも、高周波電流
通電時には、電流が導体の表面領域を流れる表皮効果が
生じ、上記電流分布のアンバランスを生じさせる近接効
果と、前記表皮効果とが相乗的に作用し、コイルパター
ン5aでは電流が内端側の表面のごく限られた領域に集
中する。
【0014】上記のような電流の集中はコイルパターン
5cでも生じ、外端側の表面領域に集中して電流が流れ
る。特に、コイルパターン5の中央(中心)側(内側)
には漏洩磁束が収集し、前記局部領域への電流集中の度
合は強くなることから、コイルパターン5aよりも5c
の方が局部領域への電流集中の度合は強くなる。図6で
は、電流が偏り集中して流れる局部領域を黒く塗り表し
ている。
【0015】また、一次コイル群としてのコイルパター
ン5の群と、二次コイル群としてのコイルパターン5の
群とが設けられている空芯トランスでは、一次コイル群
や二次コイル群の内部で隣り合っているコイルパターン
5間で上記近接効果が起こる以外に、近接している一次
コイルと二次コイルとの間にも近接効果が起こる。
【0016】したがって、上記の如く、コイルパターン
5の限定された表面領域に電流が集中して流れるため
に、コイルパターン5の導体断面中心領域に流れる電流
が少なくてコイルパターン5の利用効率が低下し、ま
た、コイルパターン5の導通損失が非常に大きく、空芯
インダクタや空芯トランスの空芯コイル装置1における
エネルギ効率が低いという問題がある。
【0017】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、高周波の回路駆動が行われ
ても、コイルパターンにおいて近接効果と表皮効果との
相乗的作用によって生じる電流集中を防止して、コイル
パターンの電流分布の均一化を図り、コイルパターンの
導通損失を低減させ、エネルギ効率の高い空芯インダク
タや空芯トランス等の空芯コイル装置を提供することで
ある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のように構成されている。すなわち、第
1の発明の空芯コイル装置は、一個以上の導体のコイル
パターンを有して形成される空芯コイル装置において、
前記コイルパターンには電流の流れる方向に沿って伸び
るスリットがコイルパターンの幅方向にきざむ形態で形
成されていることを特徴として構成されている。
【0019】また、第2の発明の空芯コイル装置は、一
個以上の導体のコイルパターンを有して形成される空芯
コイル装置において、前記コイルパターンには複数の穴
が形成されていることを特徴として構成されている。
【0020】
【作用】上記構成の本発明において、コイルパターンに
スリットや複数の穴を設けたことによって、空芯コイル
装置が高周波駆動し、コイルパターンから発生した漏洩
磁束が他のコイルパターンを横切るとき、他のコイルパ
ターンでは、漏洩磁束によるコイルパターンのほぼ全幅
を経路とする大きな渦電流が発生しようとするが、この
渦電流の経路がスリットや複数の穴で分断されるため
に、前記大きな渦電流が生じない。このことから、大き
な渦電流に起因するコイルパターンの電流分布のアンバ
ランスが改善される。
【0021】また、表皮効果が起こり電流がコイルパタ
ーンの表面領域に集中して流れるが、スリットや複数の
穴を設けたことにより、コイルパターンの表面積が増加
し、この増加した表面領域にも電流が流れるために、そ
の分だけ電流が分散され、前記電流分布のアンバランス
の改善作用とあいまって、コイルパターンの局部領域へ
の電流集中が緩和され、コイルパターンの電流分布がよ
り均一化してコイルパターンの利用効率が向上し、ま
た、コイルパターンの導通損失が低減する。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。なお、本実施例の説明において、提案例と同一名
称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。
図1には、第1の実施例の空芯コイル装置1であるプレ
ーナ型の空芯インダクタや空芯トランスのコイルパター
ン5が示されている。この図1のコイルパターン5が、
提案例のコイルパターン5と異なる特徴的なことは、コ
イルパターン5に、線長方向、つまり、電流の流れる方
向に沿って伸びるスリット7を全長に渡って連続的に設
けたことである。
【0023】なお、本実施例の空芯コイル装置1は、上
記スリット7を設けたコイルパターン5の基板11が、必
要に応じて、提案例同様に複数個積層されて空芯インダ
クタや空芯トランスが構成されるものである。
【0024】前記のように、コイルパターン5にスリッ
ト7を設けることにより、図1および図2に示すよう
に、コイルパターン5は幅方向に同幅で複数刻まれた格
好の複数の導体部分L1 ,L2 ,L3 に分割されること
になる。したがって、例えば、漏洩磁束がコイルパター
ン5aを横切ったときに、コイルパターン5aに渦電流
a が図6に示すように発生しようとしても、この渦電
流Ia の経路がスリット7によって分断されるため、コ
イルパターン5aのほぼ全幅を経路とする大きな渦電流
a の発生がなくなり、各導体部分L1 ,L2 ,L3
1 ,L2 ,L3の幅を経路とする小さな渦電流が発生
する。この小さな渦電流によってコイルパターン5aの
各L1 ,L2 ,L3 の内端側に電流が集中し易くなる
が、渦電流が小さいことからその電流集中の度合は弱
く、また、コイルパターン5aの全幅に渡り見たとき
に、内端側への電流集中は改善されている。
【0025】しかし、このように、コイルパターン5の
小さい部分だけを見ると、例えば、コイルパターン5a
では、コイルパターン5aの内端側への電流集中が緩和
されたとはいえ、まだなお、コイルパターン5aの内端
側の導体部分L3 は外端側の導体部分L1 より電流が集
中し易い。言い換えれば、コイルパターン5aでは、導
体部分L3 の見かけ上のインピーダンスはL1 の見かけ
上のインピーダンスより小さい。同様の理由により、コ
イルパターン5cでは、導体部分L1 の見かけ上のイン
ピーダンスはL3 の見かけ上のインピーダンスより小さ
くなっている。
【0026】ところが、図1から明らかなように、各導
体部分L1 ,L2 ,L3 はコイルパターン5の先端から
末端まで連続して形成されているために、導体部分L1
は、外側のコイルパターン5aでは見かけ上電流が流れ
難い(インピーダンスが大きい)けれども、内側のコイ
ルパターン5cに向かうに従って電流が流れ易く(イン
ピーダンスが小さく)なり、反対に、導体部分L3 は、
外側から内側に向かうに従い、見かけ上電流が流れ難く
(インピーダンスが大きく)なり、コイルパターン5の
全長に渡って見てみると、導体部分L1 とL3 との全長
のインピーダンスはほぼ等しく、ほぼ同量の電流が流れ
る。
【0027】以上のように、コイルパターン5の小さな
部分だけを見ると各導体部分L1 ,L2 ,L3 の見かけ
上のインピーダンスは異なっているが、コイルパターン
5の全長に渡って見てみると、各導体部分L1 ,L2
3 の全長のインピーダンスはほぼ等しくなり、各導体
部分L1 ,L2 ,L3 にはほぼ同量の電流が流れること
になり、コイルパターン5の電流分布のアンバランスが
改善され、均一化する。しかも、前記表皮効果により電
流は表面領域に集中して流れるが、スリット7を設けた
ことにより、コイルパターン5の表面積が増加し、この
増加した表面領域も電流が流れ易くなるため、電流の通
電領域が広がり、コイルパターン5の導通損失が低減す
る。
【0028】ところで、コイルパターン5の幅方向に導
体部分L1 とL2 とL3 との間に電位差がないことか
ら、スリット7の幅を広くして、L1 とL2 とL3 間の
絶縁を確実にする等のスリット7における絶縁耐圧を考
慮する必要がなく、スリット7の幅は、例えば約10μm
と非常に細くすることが可能である。したがって、細い
スリット7を設ければ、コイルパターン5の有効な導通
断面積が大幅な削減されることはない。このことから、
コイルパターン5に、上記細いスリット7を数多く設け
て、漏洩磁束による渦電流をより小さくし、表面積を増
加して、よりコイルパターン5の電流分布の均一化を推
し進め、また、導通損失の低減を図ることもできる。も
ちろん、スリット7の数は1本だけでもよく、本実施例
のように、スリット7を2本設けただけでも、十分に電
流分布の均一化や導通損失の低減は成されている。
【0029】本実施例によれば、コイルパターン5に電
流の流れる方向に沿って伸びるスリット7を全長に渡っ
て連続的に設けたので、コイルパターン5はスリット7
で導体部分L1 ,L2 ,L3 に分割され、漏洩磁束がコ
イルパターン5を横切ったときに、スリット7によって
コイルパターン5のほぼ全幅を経路とする大きな渦電流
の発生が防止され、渦電流に起因する局部領域への電流
集中を緩和することができる。また、上記各導体部分L
1 ,L2 ,L3 は見かけ上インピーダンスが大きい部分
と小さい部分とを同程度有しており、L1 ,L2 ,L3
の全長のインピーダンスはほぼ等しくなることから、各
1 ,L2 ,L3 にはほぼ同量の電流が流れ、コイルパ
ターン5の電流分布を均一化することができ、利用効率
を向上させることができる。
【0030】しかも、コイルパターン5の表面積が増加
することから、表皮効果による電流の流れ易い表面領域
が多くなり、コイルパターン5の導通損失を低減するこ
とができる。
【0031】以上のことから、エネルギ効率の高い空芯
インダクタや空芯トランスの空芯コイル装置1を作製す
ることができる。
【0032】図4には、第2の実施例の空芯コイル装置
1のコイルパターン5が示されている。第2の実施例が
前記第1の実施例と異なる特徴的なことは、コイルパタ
ーン5に図1に示すようなスリット7を設けるのではな
く、複数の穴9を設けたことであり、それ以外の構成は
前記第1の実施例と同様である。本実施例では、穴9を
設け、第1の実施例と同様に、渦電流の経路を分断する
ことによって、漏洩磁束による大きな渦電流の発生を防
止し、コイルパターン5における電流分布の集中を緩和
してコイルパターン5の利用効率を向上させることがで
き、さらに、コイルパターン5の表面積が増加して、つ
まり、電流の流れ易い表面領域が増加して、導通損失を
低減させることが可能となり、エネルギ効率の高い空芯
インダクタや空芯トランスの空芯コイル装置1を作製す
ることができる。
【0033】なお、本発明は上記実施例に限定されるこ
とはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記
第1の実施例では、スリット7はコイルパターン5の全
長に渡り連続的に設けられていたが、不連続的に設けら
れてもよい。このように、スリット7を不連続に設けて
も、第1の実施例同様の効果を得ることができる。
【0034】また、上記第1の実施例では、コイルパタ
ーン5をスリット7で同幅に刻んでいたが、同幅でなく
てもよく、このような場合でも第1の実施例同様の効果
を得ることできる。
【0035】さらに、図8に示す円筒型の空芯トランス
3や図9に示す円筒型の空芯インダクタ4においても、
図3に示すように、プラスチックフィルム等のフレキシ
ブル基板12上に銅等の導体8をパターン形成し、この導
体8上にスリット7や複数の穴9を設けて、空芯トラン
ス3であれば、同図に示すように、上記フレキシブル基
板12を2個重ねて巻回し渦巻き状のコイルパターン5を
2個形成し、一方を一次コイルとし、他方を二次コイル
として作製し、また、空芯インダクタ4であれば、上記
フレキシブル基板12を単体で巻回して渦巻き状のコイル
パターン5を1個形成して、空芯インダクタと成すこと
で、上記各実施例の効果を得ることができる。
【0036】さらに、上記各実施例では、コイルパター
ン5を基板11上に形成したが、例えば、銅等の導体金属
を成型してコイルパターン5を形成してもよく、基板11
は省略されることもある。このような場合においても、
コイルパターン5にスリット7や複数の穴9が設けられ
ることになる。
【0037】さらに、第1の実施例でのスリット7の内
部や第2の実施例での穴9の内部は空間としたが、この
スリット7や穴9の内部(空間部)に磁性粉を充填して
もよい。そうすることによって漏洩磁束はスリット7や
穴9内の磁性粉を通って逃げるので、コイルパターン5
を横切る磁束が少くなり、渦電流の発生をほとんど無く
すことができる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、コイルパターンにスリ
ットや複数の穴を設けたので、漏洩磁束がコイルパター
ンを横切り、コイルパターンに該コイルパターンのほぼ
全幅を経路とする大きな渦電流が発生しようとしても、
この渦電流の経路がスリットや複数の穴によって分断さ
れ、コイルパターンには大きな渦電流は発生しない。こ
のことから、渦電流に起因するコイルパターンの局部領
域への電流集中を緩和することができ、しかも、コイル
パターンの表面積が増加していることから、表皮効果が
生じて表面領域に電流が集中しても、従来に比べて表面
積の増加分だけ電流が分散し、上記効果とあいまって、
コイルパターンの電流分布を均一化することができる。
【0039】したがって、コイルパターンの利用効率が
向上し、導通損失が低減して、高周波の回路駆動が行わ
れても、エネルギ効率の高い空芯コイル装置を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の空芯コイル装置におけるコイル
パターンの一例を示す説明図である。
【図2】図1のコイルパターンの断面形状を示す説明図
である。
【図3】本発明によるその他の実施例を示す説明図であ
る。
【図4】第2の実施例の空芯コイル装置におけるコイル
パターンの一例を示す説明図である。
【図5】提案例のコイルパターンを示す説明図である。
【図6】渦電流の発生モデルの一例を示す説明図であ
る。
【図7】プレーナ型の空芯トランスにおけるコイルパタ
ーンの一例を示す説明図である。
【図8】従来例の円筒型の空芯トランスを示す説明図で
ある。
【図9】円筒型の空芯インダクタの一例を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 空芯コイル装置 3 空芯トランス 4 空芯インダクタ 5 コイルパターン 7 スリット 9 穴

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一個以上の導体のコイルパターンを有し
    て形成される空芯コイル装置において、前記コイルパタ
    ーンには電流の流れる方向に沿って伸びるスリットがコ
    イルパターンの幅方向にきざむ形態で形成されているこ
    とを特徴とする空芯コイル装置。
  2. 【請求項2】 一個以上の導体のコイルパターンを有し
    て形成される空芯コイル装置において、前記コイルパタ
    ーンには複数の穴が形成されていることを特徴とする空
    芯コイル装置。
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