JPH08203124A - 光情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

光情報記録媒体及びその製造方法

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JPH08203124A
JPH08203124A JP7031395A JP3139595A JPH08203124A JP H08203124 A JPH08203124 A JP H08203124A JP 7031395 A JP7031395 A JP 7031395A JP 3139595 A JP3139595 A JP 3139595A JP H08203124 A JPH08203124 A JP H08203124A
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JP
Japan
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layer
recording
substrate
recording layer
optical information
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Withdrawn
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JP7031395A
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English (en)
Inventor
Takashi Sano
孝史 佐野
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Nippon Columbia Co Ltd
Original Assignee
Nippon Columbia Co Ltd
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Publication date
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  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】形状記憶樹脂を記録層に用いた光情報記録媒体
において、記録層が単層で、高反射率を有する光情報記
録媒体を得る。 【構成】基板1の案内溝6を有する面に、記録層2、反
射層3及び保護層4を積層した構造を有する光情報記録
媒体であって、案内溝6部において基板1と記録層2の
間に空気層5を有することを特徴とする光情報記録媒体
と、記録材料からフィルムを作製する手段と、そのフィ
ルムを基板1の案内溝6を有する面上に固着する手段と
から成ることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、形状記憶樹脂を記録層
に用い、ビーム光により情報の記録、消去及び再生が可
能な光情報記録媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機材料を記録層に用いた書換型
光ディスクが盛んに開発されているが、なかでも形状記
憶樹脂を記録層として用いたものが、特開平3ー256
241号公報、特開平3ー256242号公報、特開平
3ー256243号公報及び特開平4ー173184号
公報などに開示されている。
【0003】特開平4ー173184号公報に開示され
ている光ディスクの構成は、基板上に、レーザ光を吸収
するための色素を含有した形状記憶樹脂層を成膜した単
層構造である。情報の記録・消去はレーザ光を色素が吸
収し、形状記憶樹脂層が基板と接していない面の方向に
膨張・収縮することにより行われる。
【0004】また、特開平3ー256241号公報、特
開平3ー256242号公報及び特開平3ー25624
3号公報に開示されている光ディスクの構成は、基板上
に、形状記憶樹脂層と熱硬化性樹脂層との2層から成る
記録層と、反射層と、保護層を順に積層し、記録時及び
消去時にそれぞれ特定の波長のレーザ光を選択的に吸収
する色素を形状記憶樹脂層及び熱硬化性樹脂層に含有さ
せた構造となっている。
【0005】情報の記録は、記録レーザ光を熱硬化性樹
脂層で選択的に吸収し、熱硬化性樹脂層が膨張し、形状
記憶樹脂層は熱硬化性樹脂層からの応力を受けて変形
し、ピットが形成される。一方、情報の消去は、消去レ
ーザ光の熱を形状記憶樹脂層で選択的に吸収し、形状記
憶樹脂が初期の形状に回復し、ピットが消失される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
形状記憶樹脂を用いた書換型光ディスクの場合、レーザ
光の照射部が膨張・収縮することにより情報の記録・消
去が行われるために、特開平4ー173184号公報記
載の光ディスクのように記録層が形状記憶樹脂層1層だ
けから成る単層構造の場合は、記録層が剥きだしの構造
となってしまい、記録層の保護が難しく、実用性がなか
った。また、反射層及び保護層を設けると記録層の変形
量が小さくなり、良好な記録再生特性が得られなかっ
た。
【0007】また、コンパクトディスク(CD:Compac
t Disk)との互換性を考慮すると、光ディスクの反射率
を高めることが不可欠であり、必然的に反射層を設ける
必要がある。特開平3ー256241号公報等に記載の
光ディスクのように、反射層及び保護層を設けた構造と
するためには、記録・消去による変形を吸収するために
記録層が2層以上から成っている必要があり、記録再生
特性を改善するためには複雑な構造にしなければならな
かった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、請求項1記載の発明においては、情報を記
録、消去又は再生するためのビーム光を案内する連続し
た案内溝を有する基板面に記録層及び反射層を順に積層
した光情報記録媒体であって、案内溝部において記録層
と基板との間に空気層を有することを特徴とするもので
ある。
【0009】請求項2記載の発明においては、請求項1
記載の光情報記録媒体であって、記録層が、形状記憶樹
脂に記録ビーム光及び消去ビーム光を吸収する色素を含
有させたものから成ることを特徴とするものである。
【0010】請求項3記載の発明においては、基板上に
記録層を形成する工程と、前記記録層上に反射層を形成
する工程から成る光情報記録媒体の製造方法において、
前記記録層を形成する工程は、記録材料からフィルムを
作製する手段と、前記フィルムを前記基板の案内溝を有
する面上に固着する手段とから成ることを特徴とするも
のである。
【0011】
【作用】形状記憶樹脂をガラス転移温度Tgよりも高い
温度T1で成形した後、室温に冷却すると、形状記憶樹
脂はその形状を1次成形の形状として記憶する。この状
態が初期状態である。
【0012】形状記憶樹脂を1次成形より低い温度T2
に加熱すると、加熱によって軟化するとともに膨張し、
室温まで急冷すると2次成形の形状としてその形状を保
持する。この状態が記録状態である。
【0013】さらに、形状記憶樹脂をガラス転移温度T
gよりも高い温度に昇温し、徐冷すると、形状記憶樹脂
は2次成形の形状から1次成形の形状に回復する。この
状態が消去状態である。
【0014】本発明は、形状記憶樹脂のこのような特性
を光情報記録媒体として利用するものである。レーザ光
の吸収による形状記憶樹脂の変形は、変形しやすい方向
に起こることから、本発明の光情報記録媒体において
は、情報の記録・消去に伴う形状記憶樹脂層の変形は、
反射層と密着している面の方向ではなく、基板に形成さ
れている案内溝部の空気層の方向に起こるため、記録層
の上に反射層及び保護層を積層することができ、良好な
記録再生特性を得ることができる。
【0015】そのため、高反射率を有する光ディスクを
設計することができ、従来から広く用いられているCD
プレーヤによる再生が行える、書換可能な光情報記録媒
体を提供することができる。
【0016】
【実施例】図1は本発明の光情報記録媒体の断面構造を
示す模式図であり、案内溝6を有する基板1の上に、記
録層2、反射層3及び保護層4を順に積層し、基板1の
案内溝6部分において記録層2と基板1との間に空気層
5を有する。
【0017】基板1は、案内溝6を有していれば、ガラ
ス基板もしくはプラスチック基板のどちらを用いてもよ
い。プラスチック基板としては、ポリカーボネート樹
脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂及びエポキシ樹
脂等の透明なプラスチック材を用いることができる。
【0018】記録層2は、形状記憶樹脂と色素を混合し
たものである。色素としては、記録、消去に用いるレー
ザ光を吸収し、耐熱性に優れたものが好ましく、例え
ば、シアニン類、フタロシアニン類、ナフタロシアニン
類、ジチオール類、ジアミン類等の色素が挙げられ、形
状記憶樹脂としては、ポリウレタン、トランスポリイソ
プレン、ポリノルボルネン、スチレン−ブタジエン共重
合体等の樹脂が挙げられる。
【0019】また、反射層3は、金、銀、銅、アルミニ
ウム、ニッケル、クロム又はこれらの合金等の高反射率
を有する金属を用いることができ、保護層4は、紫外線
硬化性樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0020】本発明の光情報記録媒体は、図1のように
基板1上に形成された案内溝6部分において記録層2と
基板1との間に空気層5を有し、記録層2の上に反射層
3及び保護層4を順に形成した構造であることを特徴と
している。以下に、このような構造を有する光情報記録
媒体を作製する方法を説明する。
【0021】図2には、本発明の光情報記録媒体の記録
層を形成するための記録層フィルム製造装置の模式図を
示した。所定の比率で混合した形状記憶樹脂と色素を溶
剤に溶解し、図2のようなカレンダー・ロール装置によ
って、一定の厚みのフィルムを成型する。溶剤と形状記
憶樹脂と色素を含む溶解液7を、第1ロール8と第2ロ
ール9の間に供給し、以後、溶解液7は、第2ロール9
と第3ロール10の間及び第3ロール10と第4ロール
11の間を通り、その間に溶剤が蒸発し、形状記憶樹脂
と色素の混合物から成る記録層フィルム12が成型され
る。ここで、第1ロール8から第4ロール11のロール
は、溶剤が蒸発しやすいように、適当な温度に加熱され
ていた方が好ましい。
【0022】第4ロール11に密着して出てきた記録層
フィルム12は、テイクオフロール13に移り、さらに
冷却ロール14を通して冷却され、厚み測定器15で記
録層フィルム12の厚さが測定され、巻取り機16によ
って巻取られる。このとき、記録層フィルム12の厚さ
が所望の厚みになっていない場合は、第1ロールから第
4ロールの間隔や位置を調整する。
【0023】以上のようにして得られた記録層フィルム
12を、光ディスクの記録領域を覆う形状に打抜く。例
えば、本発明の光ディスクをCDと同様のフォーマット
を有する光ディスクを作製する場合は、CD規格で定め
られている記録領域(内径44mm、外径118mm)
を覆うドーナツ状の形状に打抜く。
【0024】次に、記録領域の形状に打抜かれた記録層
フィルム12を、基板1の案内溝6を有する面に圧着す
ることにより、案内溝6部分において、記録層2と基板
1との間に空気層5を設けることができる。このとき、
基板1と記録層フィルム12を、それぞれの樹脂が軟化
・変形しない程度の温度(約70℃から90℃)に加熱
しながら圧力をかけると、基板1と記録層フィルム12
の密着力が高くなる。
【0025】この記録層フィルム12を圧着した基板1
を、スパッタリング装置又は蒸着装置内に取り付け、所
望の真空度まで排気し、反射層3を約100nmの膜厚
で成膜する。そして、反射層3の上に保護層4をスピン
コート装置等で成膜し、硬化させる。
【0026】図3には、本発明の光情報記録媒体の各層
の積層状態を表す断面模式図を示した。この図に示すよ
うに、基板1と保護層4が光ディスクの内周部と外周部
で密着するような構造にすれば、基板1と記録層2間の
剥離の発生を抑えることができる。
【0027】次に、上記の構造の光ディスクを用いた記
録、再生及び消去方法を説明する。図4は本発明の光情
報記録媒体の記録、消去状態を示す断面模式図である。
先ず、記録を行うには案内溝6部分の記録層2に記録用
のレーザ光を照射する。すると形状記憶樹脂中に含有さ
れている色素がレーザ光を吸収し、この部分が形状記憶
樹脂のガラス転移温度Tg以上で融点Tm以下の温度に加
熱される。
【0028】その結果、記録層2が加熱によって軟化す
るとともに膨張する。このとき、記録層2上には反射層
3及び保護層4が形成されているため、これらの層の厚
みが記録層2の変形を阻止し、(a)に示すように、記
録層2の膨張は空気層5の方向に発生し、突起17を形
成する。そして、レーザ光の照射を停止すると、突起1
7は急冷され、その形状が維持されたまま室温に戻り、
記録ピットとなる。
【0029】再生を行うには、記録層2のレーザ光が照
射された部分の温度がガラス転移温度Tg以上にならな
い程度のパワーでレーザ光を照射し、突起17を検出す
ることで再生を行う。突起17がある部分ではレーザ光
が散乱され、突起17が無い部分よりも反射光量が少な
くなる。
【0030】消去を行うには、記録層2を形状記憶樹脂
のガラス転移温度Tg以上で融点Tm以下の温度に加熱
し、この後徐冷することにより行う。形状記憶樹脂が加
熱されることにより、突起17の残留内部応力が解放さ
れ、形状記憶樹脂が記憶した元の形状、即ち(b)に示
す初期状態の形状に戻り、記録ピットである突起17が
消去される。以下に、具体的な実験例を示す。
【0031】(実験例)以下に示す成分から成る溶液を
0.5μmのフィルタで濾過した後、図2に示したカレ
ンダー・ロール装置によって、厚さ5μmの記録層フィ
ルム12を作製した。 ポリウレタン系形状記憶樹脂 50重量部 ニッケルジチオール錯体色素 5重量部 ジメチルホルムアミド 30重量部
【0032】次いで、上記記録層フィルム12を内径4
3.5mm、外径118.5mmのドーナツ状に打抜
き、70℃のオーブン中で3時間乾燥させた後、140
℃で30分間熱処理をして平坦な形状を記憶させた。そ
して、ドーナツ状に打抜いた記録層フィルム12を、溝
幅0.5μm、溝深さ150nmの案内溝6を有するポ
リカーボネト樹脂の基板1の記録領域上に、70℃に加
熱しながら圧着し、記録層2を形成した。
【0033】さらに、この上に、記録層2と同じ面積で
反射層3を形成するために、基板1の内周部と外周部を
覆うマスクを取り付け、スパッタリング装置により、膜
厚100nmの金膜を反射層3として成膜した。反射層
3を形成した後、マスクを取り外し、紫外線硬化樹脂を
スピンコート装置にて塗布し、紫外線照射により硬化
し、厚さ20μmの保護層4を設けた。
【0034】以上のようにして作製した本発明の光ディ
スクを線速度1.4m/sで回転させ、記録周波数20
0kHz、デューティ比50%の信号を、波長780n
mのレーザを用いて10mWの記録パワーで記録し、再
生パワー1.2mWで再生したところCNR(Carrier
to Noise Ratio)は45dBであった。このとき、レー
ザ光による反射率は、ピット部38%、ピット間部70
%であった。
【0035】さらに、ピットを記録したトラックに8m
Wの連続レーザ光を照射したところ、ピットは消去さ
れ、CNRは20dBに低下した。
【0036】
【発明の効果】本発明の光情報記録媒体においては、情
報の記録・消去に伴う記録層の変形が、基板に形成され
ている案内溝部の空気層側に起こるため、記録層が単層
だけでよい。
【0037】また、記録層の上に反射層及び保護層を積
層することができるため、高反射率を有する光ディスク
を設計することができ、従来から広く用いられているC
Dプレーヤによる再生が行える、書換可能な光情報記録
媒体を提供することができる。
【0038】さらに、本発明の光情報記録媒体の製造方
法においては、記録層を形成する工程が、記録領域の大
きさに加工した記録材料から成るフィルムを、基板の案
内溝を有する面に固着するという方法であるため、案内
溝部において記録層と基板の間に空気層を有する構造の
光情報記録媒体を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光情報記録媒体の断面構造を示す模式
図。
【図2】本発明の光情報記録媒体の記録層を形成するた
めの記録層フィルム製造装置の模式図。
【図3】本発明の光情報記録媒体の各層の積層状態を表
す断面模式図。
【図4】本発明の光情報記録媒体の記録、消去状態を示
す断面模式図。
【符号の説明】
1 基板 2 記録層 3 反射層 4 保護層 5 空気層 6 案内溝 7 溶解液 8 第1ロール 9 第2ロール 10 第3ロール 11 第4ロール 12 記録層フィルム 13 テイクオフロール 14 冷却ロール 15 厚み測定器 16 巻取り機 17 突起

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報を記録、消去又は再生するためのビー
    ム光を案内する連続した案内溝を有する基板面に記録層
    及び反射層を順に積層した光情報記録媒体であって、前
    記案内溝部においては前記記録層と前記基板との間に空
    気層を有することを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光情報記録媒体であって、
    前記記録層は、形状記憶樹脂に記録ビーム光及び消去ビ
    ーム光を吸収する色素を含有させたものから成ることを
    特徴とする光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】基板上に記録層を形成する工程と、前記記
    録層上に反射層を形成する工程から成る光情報記録媒体
    の製造方法において、前記記録層を形成する工程は、記
    録材料からフィルムを作製する手段と、前記フィルムを
    前記基板の案内溝を有する面上に固着する手段とから成
    ることを特徴とする光情報記録媒体の製造方法。
JP7031395A 1995-01-27 1995-01-27 光情報記録媒体及びその製造方法 Withdrawn JPH08203124A (ja)

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