JP2705330B2 - 光記録媒体 - Google Patents
光記録媒体Info
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- JP2705330B2 JP2705330B2 JP3031960A JP3196091A JP2705330B2 JP 2705330 B2 JP2705330 B2 JP 2705330B2 JP 3031960 A JP3031960 A JP 3031960A JP 3196091 A JP3196091 A JP 3196091A JP 2705330 B2 JP2705330 B2 JP 2705330B2
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Description
生及び消去が可能な光記録媒体に係り、光の照射により
記録層を隆起させて記録する光記録媒体の改良に関する
ものである。
光ディスクのほかに書換型光ディスクの開発が盛んであ
る。書換型光ディスクとしては、ディスク基板上に垂直
磁化膜を形成し、この磁化膜にレーザ光を照射して照射
した点の磁化方向を反転させて情報を記録し、再生の際
にはカー効果による偏光面の回転を検出するようにした
光磁気方式や、結晶状態と非晶質状態との間を可逆的に
変化する記録層を基板上に形成した相変化方式などがあ
る。
ることでこの部分を加熱せしめて膨張させる方式が提案
され、特開昭60ー69846号公報,特開昭63ー1
36337号公報,特開昭63ー164042号公報な
どに開示記載されている。上記加熱膨張させる方式に使
用される媒体は、前記特開昭60ー69846号公報,
特開昭63ー136337号公報によれば、図4(A)
に示すように、有機色素の波長選択性を利用した二重構
造になっている。媒体20は、基板21上に、830n
m付近の波長のレーザ光を吸収する有機色素を含有する
膨張層22と、780nm付近の波長のレーザ光を吸収
する有機色素を含有する保持層23とを積層した構造と
なっている。
のレーザ光を照射して膨張層22を膨張させ、保持層2
3を持ち上げて突起(隆起)24を形成し、読み取りは
該突起24を検出することで行う。消去は保持層23に
780nm付近の波長のレーザ光を照射し、保持層23
を加熱・軟化させ、伸張状態にあった膨張層22によっ
て保持層23を引き下げて当初の賦形状態に戻すことに
よって行う。
体20では、記録層として膨張層22と保持層23との
二層が必要なので、記録層の膜厚が厚い。よって、基板
21側(すなわち厚い膨張層22)からレーザ光を照射
して、基板21,膨張層22を通して記録・再生・消去
することができない。このため、保持層23上に付着し
たごみやほこりに対してレーザ光スポットが影響を受け
易いこととなる。
て、トラッキングをかけるためには、特開昭63ー16
4042号公報によると、図4(B)に示すような構造
となる。すなわち、基板21のトラッキング用の溝26
と保持層23との間に圧縮層27が必要となり、圧縮層
27を介して保持層23にレーザ光を照射させる構造と
なる(媒体28)。このため、光記録媒体の構造が複雑
となり、コストが増加し商品性が失われてしまう。
決するために、次の(1),(2)の構成になる光記録
媒体を提供する。 (1) 記録光の照射により記録層を隆起させて記録す
る光記録媒体において、トラッキング用の溝が形成され
た透明基板と、記録光及び再生光の波長に対し高い透過
率を有する基体樹脂と、記録光を吸収して温度を高める
色素とを有し、前記基板上に形成された記録層とを備
え、前記基体樹脂は、一つの高分子鎖中に室温以上の転
移温度T1で硬化と軟化を可逆的に繰り返す状態変化機
能をもつ可逆相と、転移温度T1より高い転移温度T2
で高分子の位置関係を固定する固定点をもつ固定相とか
らなることを特徴とする光記録媒体。
あることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
共に詳細に説明する。図1(A)及び(B)は光記録媒
体の断面図で、同図(A)は記録前の状態を示す図、同
図(B)は記録後の状態を示す図である。図2(A)及
び(B)はトラッキング用の溝を有する光記録媒体の断
面図で、同図(A)は記録前の状態を示す図、同図
(B)は記録後の状態を示す図である。
クに用いられているプラスチック(ポリカーボネート、
アクリル、エポキシ、ポリオレフィン等)、ガラスなど
の透明基板が使用されている(図1の光記録媒体5)。
さらに、基板1には、レーザ光スポットが常に一定の位
置を維持できるように案内溝(トラッキング用の溝)4
が設けられている(図2の光記録媒体6)。
記録層2は樹脂(基体樹脂)と有機色素から構成されて
いる。記録層2の樹脂は、記録光及び再生光の波長に対
し透光な基体樹脂であり、可逆相と固定相を有するもの
である。この基体樹脂中に、記録光を吸収して記録層2
の温度を高める有機色素が含有されている。
長に対し透光であることについて説明する。記録層2の
樹脂は、記録・再生レーザ光の波長に対し透明性(すな
わち、記録光及び再生光の波長に対し透光性)を有して
いる。これは、(ア)透明基板1を通して記録層2の表
面に隆起3を生じさせるためにはレーザ光が記録層2中
を透過し記録層2の表面近傍まで到達しなければなら
ず、樹脂中の大きな球晶・ボイド等の存在によって不透
明性を有するようであってはならないこと、(イ)再生
の時も記録時と同様で、記録層2の表面に形成された隆
起3を読みとるために樹脂の透明性が必要であること、
(ウ)光記録媒体にレーザ光スポットを常に一定の位置
に維持できるようにトラッキングをかけるには、通常、
案内溝を設けた基板に記録層を形成する(図2の光記録
媒体6)。このためには基板1の上に設けられた案内溝
4を通してレーザ光を記録層2に入射する必要があり、
樹脂の透明性が要求されること、(エ)再生信号の点か
らみても記録層による散乱が大きいと再生信号中のノイ
ズが増大するため、樹脂は透明性を有し、屈折率にむら
がなく等方性であることが望まれることなどによる。
吸収、散乱によりそのエネルギーを損失するが、樹脂中
の大きな球晶・ボイド等による散乱の他に結晶ポリマ
ー、グラフト共重合体、ブロック共重合体、ポリマーブ
レンド等のミクロ相分離構造による散乱損失が大きなも
のとなる。したがって、これらの影響を極力避けるよう
な樹脂の選択や記録層の作製方法が必要となる。
折率差があり結晶性ポリマーは不透明であることが多い
ため無定形ポリマーを用いるのが好ましい。ただし、結
晶性ポリマーも核材の添加、急冷結晶化などによって結
晶を微細化すればかなり透明になるため作製方法によっ
ては用いることができる。なお、後述するように、乾燥
窒素ガスフロー中でスピンコーティングして樹脂層(記
録層2の樹脂)を形成すると良い。
ことについて説明する。記録層2の樹脂は、高分子鎖中
に可逆的に硬化と軟化を繰り返す状態変化機能を持った
可逆相と、高分子の位置関係を固定する固定点を持った
固定相からなるものである。可逆相に必要な特性は、温
度変化に対して弾性率が大きく変化し、なおかつ明確な
閾値を持つことであり、目的に応じた温度に存在するガ
ラス転移点や結晶の融点を利用する。ここでは、ガラス
転移点や融点など弾性率が大きく変化する温度を転移温
度と呼ぶ。可逆相の転移温度T1 は、低すぎると室温で
も記録が消去したり再生光で記録された情報が消えたり
する。また、逆に高いと記録感度が低くなる。
化、高分子鎖同士の絡み合い、凝集、水素結合、イオン
架橋等の化学的・物理的に形成された固定点を有する。
固定相の転移温度T2 は可逆相のものより高い必要があ
り、高温の方が元の形状を記憶しているのに優れてい
る。熱可塑性樹脂の場合は融点が、また架橋構造を有す
る熱硬化性樹脂の場合は分解温度がT2 となる。固定点
の形成は、熱、光、電磁波、放射線等のエネルギーを利
用して行う。
よる記録・再生・消去の原理を図3に示す樹脂の弾性率
の熱特性を使って説明すると、以下の通りである。室温
において所望の吸収帯域の有機色素を含んだ樹脂の薄膜
を基板上に形成し記録層とする。この樹脂を可逆相の転
移温度以上に加熱し、固定点を形成し樹脂分子の位置関
係を固定する。この過程を一次賦形という。このとき、
高分子鎖の架橋、結晶化、高分子鎖同士の絡み合い、凝
集、水素結合、イオン架橋等の化学的・物理的架橋が形
成される。ついで、室温まで冷却して光記録媒体を得
る。
相の転移温度以下(T2 >T>T1 )に加熱し、変形を
与える。記録用のレーザ光を照射することにより有機色
素がレーザー光を吸収して熱を発生し、可逆相が加熱さ
れ軟化するとともに膨張する。レーザ光を遮断すると記
録層はすぐに冷却し、熱膨張によってできた凸型の隆起
(図1及び図2中の隆起3)は急冷され、変形は保持さ
れたまま室温に戻る。これは、可逆相の軟化温度T1 以
下で高分子鎖の運動が拘束を受け、変形が凍結されてし
まうためである。
転移温度T1 以上に昇温しない程度の低パワーのレーザ
ー光を記録マークに照射し、反射して戻ってくる光の強
度を検出する。この変形した記録層を再び分子運動の可
能な可逆相の転移温度T1 以上に加熱し、徐冷すると、
残留内部応力を消すために変形が解放されて固定相が記
憶した元の形状に回復することになる。ここで固定相の
転移温度T2 以上に記録層を加熱すると最初に固定され
た形状が新しい形状に記憶し直されてしまうため、消去
には固定相の転移温度T2 以下で可逆相の転移温度T1
以上に記録層を加熱(T2 >T>T1 )する必要があ
る。
は、可逆相として目的に応じた温度で弾性率が変化する
エラストマが選択されており、ここに固定点を導入する
ことにより原理的に多種の樹脂を用いることが可能であ
る。記録層2の樹脂としては、例えば、ポリスチレン
系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン
系、ポリアミド系等のエラストマーから選択される。基
体樹脂中に、含有される色素としては、シアニン類、ピ
リリウム類、スクアリリウム類、クロコニウム類、アズ
レン類、ペンタメチン類、チオインジゴ類、アントラキ
ノン類、ナフトキノン類、フタロシアニン類、ナフタロ
シアニン類、ポルフィリン類、テトラヒドロコリン類、
ジチオール類、ジアミン類、インドアニリン類、ジオキ
サジン類、ジチアジン類等の有機色素をあげることがで
きる。必要に応じて下地層を設けてもよい。
法、スプレー法、ディップ法、ブレードコート法等を用
いることができる。記録層の膜厚は、10〜5000n
mの範囲にあり、好ましくは500〜2000nmの範
囲にある。さらに記録層の上に必要に応じて形状の変形
を吸収する緩衝層を設けてもよく、さらに反射層、保護
層を設けることもできる。
を乾燥窒素ガスフロー中(相対湿度25%)でスピンコ
ーティング(回転数 3000rpm)して樹脂層を形
成した。 ポリウレタン系形状記憶樹脂;サンプレンK−88(三洋化成製、樹脂濃度 40wt%、ジメチルホルムアミド溶液) 38.6重量部 ジメチルホルムアミド 58.9重量部 硬化剤;サプレンCA−075N(イソシアネート系架橋剤 三洋化成製) 2.3重量部 触媒(有機錫系) 0.2重量部 次に120℃のオーブン中で10分間乾燥した後、16
0℃で30分間熱処理を行った。この樹脂層の記録・再
生に用いる半導体レーザ波長であるλ=780nmの透
過率を測定したところ99.2%であった。透明性に優
れた樹脂層を得ることができた。
1354 最大吸収波長651nm 三井東圧染料製)
を3重量部添加し、上記と同様の方法で案内溝付きのガ
ラス基板上に記録層を形成した。120℃のオーブン中
で10分間乾燥した後、160℃で30分間熱処理をし
て、固定点を形成し平坦な形状を記憶させた。この光記
録媒体を評価機にかけ線速度1. 4m/sで回転させ、
強度変調された半導体レーザー光(波長780nm)を
基板側から入射し、トラッキングをかけて700KHz
の単一信号を記録したところ、レーザパワー10mWで
C/N=40dBの再生信号が得られた。光学顕微鏡で
記録マークを観察すると記録層が膨張し、隆起している
のが認められた。この隆起の高さを走査型トンネル顕微
鏡(STM)で測定したところ最大100nmの突起で
あることが判明した。この光記録媒体を20℃/min
の昇温速度で加熱すると87℃で記録マークを消去する
ことができた。光学顕微鏡で記録マークを観察すると、
記録層が元の平坦な状態に戻っていることが確認でき
た。さらに記録および加熱消去を100回繰り返したが
初回と同様のC/Nを示した。
気だけを空気中(相対湿度60%)にかえてスピンコー
ティングしたところ白濁した膜が得られた。この樹脂層
の半導体レーザ波長であるλ=780nmの透過率を測
定したところ50.0%であった。透明性に優れた樹脂
層を得ることができなかった。この樹脂溶液に色素(H
M−1354 三井東圧染料製)を3重量部添加し、上
記と同様に空気中で、案内溝付きのガラス基板上に記録
層を形成した。次に120℃のオーブン中で10分間乾
燥した後、160℃で30分間熱処理をして、固定点を
形成し平坦な形状を記憶させた。実施例1と同様にして
記録、再生の評価を行ったところ、トラッキングをかけ
ることができない上、ノイズレベルも高くC/Nを測定
することは不可能であった。
録媒体は、記録光の照射により記録層を隆起させて記録
する光記録媒体において、トラッキング用の溝が形成さ
れた透明基板と、記録光及び再生光の波長に対し高い透
過率を有する基体樹脂と、記録光を吸収して温度を高め
る色素とを有し、前記基板上に形成された記録層とを備
え、前記基体樹脂は、一つの高分子鎖中に室温以上の転
移温度T1で硬化と軟化を可逆的に繰り返す状態変化機
能をもつ可逆相と、転移温度T1より高い転移温度T2
で高分子の位置関係を固定する固定点をもつ固定相とか
らなるものであるから、記録及び再生は、室温以上の転
移温度T1で硬化と軟化を可逆的に繰り返す可逆相の機
能を利用して行うことが可能であり、また、消去は、可
逆相の転移温度T1より高く転移温度T2より低い温度
にすれば形状記憶していた元の状態に戻る固定相の機能
を利用して行うことが可能である。
パワー及びスポット径を有する消去光を当該記録マーク
のみ照射することによって、隣接する記録マークに悪影
響を与えることなく、固定相の形状記憶機能を利用し
て、当該記録マークを隆起させる以前の元の形状(例え
ば平坦)に確実に戻すことができるのであり、このこと
から、記録層の同一位置において記録消去を繰り返して
行っても、消去される度に元通りの形状に確実に回復す
ることができ、書き換え回数に応じて記録マークの形状
の変形、元の形状の変形が全く生じない。従って、記録
消去を繰り返し多数回行っても書き換え特性を高品質で
保持することができる光記録媒体を提供することができ
る。
面図であり、同図(A)は記録前の状態を示す図、同図
(B)は記録後の状態を示す図である。
面図であり、同図(A)は記録前の状態を示す図、同図
(B)は記録後の状態を示す図である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】記録光の照射により記録層を隆起させて記
録する光記録媒体において、 トラッキング用の溝が形成された透明基板と、 記録光及び再生光の波長に対し高い透過率を有する基体
樹脂と、記録光を吸収して温度を高める色素とを有し、
前記基板上に形成された記録層とを備え、 前記基体樹脂は、一つの高分子鎖中に室温以上の転移温
度T1で硬化と軟化を可逆的に繰り返す状態変化機能を
もつ可逆相と、転移温度T1より高い転移温度T2で高
分子の位置関係を固定する固定点をもつ固定相とからな
ることを特徴とする光記録媒体。 - 【請求項2】前記基体樹脂は、形状記憶樹脂であること
を特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3031960A JP2705330B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 光記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3031960A JP2705330B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 光記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04246587A JPH04246587A (ja) | 1992-09-02 |
JP2705330B2 true JP2705330B2 (ja) | 1998-01-28 |
Family
ID=12345529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3031960A Expired - Lifetime JP2705330B2 (ja) | 1991-01-31 | 1991-01-31 | 光記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2705330B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5250279B2 (ja) * | 2008-02-23 | 2013-07-31 | 東京エレクトロン株式会社 | プローブ装置 |
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JPH02189738A (ja) * | 1989-01-18 | 1990-07-25 | Ricoh Co Ltd | 光記録媒体 |
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-
1991
- 1991-01-31 JP JP3031960A patent/JP2705330B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH04246587A (ja) | 1992-09-02 |
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