JPH08203099A - 二軸アクチュエータ - Google Patents

二軸アクチュエータ

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Publication number
JPH08203099A
JPH08203099A JP2602195A JP2602195A JPH08203099A JP H08203099 A JPH08203099 A JP H08203099A JP 2602195 A JP2602195 A JP 2602195A JP 2602195 A JP2602195 A JP 2602195A JP H08203099 A JPH08203099 A JP H08203099A
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JP
Japan
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lens holder
damping
elastic support
biaxial actuator
support member
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Pending
Application number
JP2602195A
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English (en)
Inventor
Hideo Okuma
英生 大熊
Koji Mimori
幸治 三森
Takamichi Tomiyama
孝道 冨山
Keiichi Shibata
圭一 柴田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成により、フォーカシング方向及び
トラッキング方向の一次共振周波数やそのピーク値が適
宜変更できるようにした、二軸アクチュエータを提供す
ること。 【構成】 対物レンズを支持するレンズホルダーと、こ
のレンズホルダーを固定部に対して弾性的に支持するた
めのレンズホルダーの両側に配設された弾性支持部材
と、前記レンズホルダーに備えられたコイルボビンと、
このコイルボビンに対して巻回されたフォーカシング用
コイルと、このコイルボビンに対して巻回されたトラッ
キング用コイルと、を備え上記レンズホルダーの両側に
て、弾性支持部材の固定部側の端部領域を固定部に連結
し得る第一のダンピング部と、上記レンズホルダーの両
側にて、弾性支持部材の中間部分をレンズホルダーの側
面に連結し得る第二のダンピング部と、を備えるよう
に、二軸アクチュエータ10を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CD,MD等やデータ
ストレージ用の情報記録媒体の信号を記録再生するため
に使用される光学ピックアップ用の二軸アクチュエータ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光ディスク等の情報記録媒体、例
えばいわゆるコンパクトディスク(CD)や光磁気ディ
スクに対する情報信号の再生もしくは記録は、光学ピッ
クアップを使用して行なわれる。この光学ピックアップ
は、光源としての半導体レーザ,対物レンズ,光学系及
び光検出器を含んでいる。
【0003】光学ピックアップにおいて、半導体レーザ
から出射された光ビームは、光学系を介して対物レンズ
によって光ディスクの記録面上に集光される。光ディス
クからの戻り光ビームは、光学系により半導体レーザか
ら出射された光ビームと分離されて、光検出器に導かれ
る。半導体レーザから出射された光ビームは、光ディス
クの反り等に起因して発生する光ディスクの面方向と直
交する方向の光ディスクの変位に追従して、光ディスク
の記録面上で合焦されるように、対物レンズの光軸方向
の位置が調整される。同時に、半導体レーザから出射さ
れた光ビームの光ディスク上のスポットの位置が光ディ
スクの偏心や光ディスク上に形成されたトラックの蛇行
に追従するように、対物レンズの光軸と直交する方向の
位置が調整される。
【0004】この半導体レーザから出射された光ビーム
の合焦位置及び光ディスクの記録面上のスポット位置の
調整は、対物レンズを対物レンズの光軸方向の位置及び
光軸と直交する方向の位置を調整することによって行な
われる。対物レンズの位置調整には、電磁駆動型のアク
チュエータが使用される。このアクチュエータは、対物
レンズアクチュエータまたは二軸アクチュエータとい
い、対物レンズが取り付けられたボビンと、複数の弾性
支持部材と、駆動力を発生する駆動部とを含んでいる。
ボビンは、固定部に対して複数の弾性支持部材によっ
て、対物レンズの光軸方向の位置、すなわちフォーカス
位置と、対物レンズの光軸と直交する方向の位置、すな
わちトラッキング位置が調整可能に支持されている。以
下、この二軸アクチュエータの一例を図13にて説明す
る。
【0005】このような二軸アクチュエータは、例えば
図13に示すように構成されている。図13において、
二軸アクチュエータ1は、対物レンズ2aが先端に取り
付けられたレンズホルダー2と、このレンズホルダー2
に対して、接着等により取り付けられたコイルボビン3
とを有している。
【0006】上記レンズホルダー2は、一端がこのレン
ズホルダー2の両側に、また他端が固定部4に対して固
定された二対の弾性支持部材5によって、固定部4に対
して垂直な二方向、即ち符号Trkで示すトラッキング
方向及び、符号Fcsで示すフォーカシング方向に移動
可能に支持されている。
【0007】また、上記コイルボビン3は、図示しない
フォーカシング用コイル及びトラッキング用コイルが巻
回されている。そして、フォーカシング用コイル及びト
ラッキング用コイルに通電することにより、各コイルに
発生する磁束が、固定部4に一体的に取り付けられたヨ
ーク6及びそれに取り付けられたマグネット7による磁
束と相互に作用するようになっている。
【0008】さらに、上記弾性支持部材5は、弾性体に
より形成され、レンズホルダー2と固定部4との間に互
いに平行になるように固定されている。
【0009】このように構成された二軸アクチュエータ
1によれば、外部から、各コイルに駆動電圧が供給され
ることにより、各コイルに発生する磁束が、ヨーク6及
びマグネット7による磁束と相互に作用して、このコイ
ルボビン3が、トラッキング方向Trk及びフォーカシ
ング方向Fcsに対して移動される。かくして、レンズ
ホルダー2に取り付けられた対物レンズ2aが、フォー
カシング方向及びトラッキング方向に対して適宜に移動
されるようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
構成の二軸アクチュエータ1においては、レンズホルダ
ー2,コイルボビン3から成る可動部アッセンブリは、
その両側にて、上下二つの弾性支持部材5によって、固
定部4に対して、二軸方向即ちフォーカシング方向及び
トラッキング方向に移動可能に支持されている。この弾
性支持部材5は、固定部4側にて、ダンピングされてい
る。
【0011】しかしながら、上述した端部付近のダンピ
ングによれば、一次共振周波数及びQ値(一次共振にお
けるクオリティーファクターの値であり、ピーク値)が
固定値であることから、組み込む装置に応じて、例えば
フォーカシング時の静定性を調整し得るように、フォー
カシング方向及びトラッキング方向に関する一次共振の
ダンピング特性を高めたり、一次共振周波数を変更する
ようなことができない。このため、例えば二軸アクチュ
エータ1が車載用光ディスク装置等に組み込まれる場合
等において、フォーカシングサーボ,トラッキングサー
ボの設計が困難になってしまうことがあり、用途に応じ
た耐震性やアクセス性能の向上をさせることができない
という問題があった。従って、光ディスクの再生が確実
に行なわれ得なくなってしまうという問題があった。
【0012】本発明は、以上の点に鑑み、簡単な構成に
より、フォーカシング方向及びトラッキング方向の一次
共振周波数,や一次共振におけるダンピング特性が適宜
変更できるようにした、二軸アクチュエータを提供する
ことを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、対物レンズを支持するレンズホルダーと、このレ
ンズホルダーを固定部に対して弾性的に支持するために
レンズホルダーの両側に配設された弾性支持部材と、前
記レンズホルダーに備えられたコイルボビンと、このコ
イルボビンに対して巻回されたフォーカシング用コイル
と、このコイルボビンに対して巻回されたトラッキング
用コイルと、前記弾性支持部材の固定部側の端部領域を
固定部に連結し得る第一のダンピング部と、前記弾性支
持部材の中間部分をレンズホルダーの側面に連結し得る
第二のダンピング部とを備える二軸アクチュエータによ
り、達成される。
【0014】本発明による二軸アクチュエータは、好ま
しくは、前記第一のダンピング部が、前記弾性支持部材
の固定部側の端部領域であって弾性支持部材の固定部側
に設けられたフォーカシング及びトラッキングの際に変
位しない第一の連結部と、前記端部領域の弾性支持部材
が延びる側に設けられた第二の連結部と、前記第一の連
結部と第二の連結部との間の間隙を跨ぐように、選択的
に塗布される第一の粘性体とから構成されている。
【0015】本発明による二軸アクチュエータは、好ま
しくは、前記第二のダンピング部が、前記弾性支持部材
の中間部分に形成された拡大部と、前記レンズホルダー
の側面に形成された連結部と、前記拡大部と連結部との
間の間隙を跨ぐように、選択的に塗布される第二の粘性
体とから構成されている。
【0016】本発明による二軸アクチュエータは、好ま
しくは、前記第一及び第二の粘性体の双方が塗布されて
いる。
【0017】
【作用】上記構成によれば、対物レンズを保持するレン
ズホルダーが、弾性支持部材によって支持されている。
フォーカシング用コイルまたはトラッキング用コイルに
通電することにより、弾性支持部材の張力に抗して、レ
ンズホルダーがフォーカシング方向またはトラッキング
方向に沿って移動され、対物レンズのフォーカシングま
たはトラッキングが行われる。
【0018】ここで、二軸アクチュエータは、その弾性
支持部材が、固定部側の端部領域及び中間部分にて、固
定部及びレンズホルダーに対してそれぞれダンピング部
によって連結されている。これにより、弾性支持部材の
フォーカシング方向またはトラッキング方向の移動の際
に、弾性支持部材の可動部側がダンピングされることに
なる。従って、第一及び第二のダンピング部を選択的に
機能させることによって、フォーカシング方向またはト
ラッキング方向に関して、適宜のダンピング特性が得ら
れることになる。
【0019】上記第一のダンピング部が、各弾性支持部
材の固定部側の端部領域であって弾性支持部材の固定部
側に設けられたフォーカシング及びトラッキングの際に
変位しない第一の連結部と、前記端部領域の弾性支持部
材が延びる側に設けられた第二の連結部と、第一のダン
ピング部の第一及び第二の連結部の間の間隙を跨ぐよう
に、選択的に塗布される第一の粘性体とから構成されて
いる場合には、第一の粘性体の有無により、第一のダン
ピング部の機能が有効または無効になる。また上記第二
のダンピング部が、各弾性支持部材の中間部分に形成さ
れた拡大部と、レンズホルダーの側面に形成された連結
部と、第二のダンピング部の拡大部及び連結部の間の間
隙を跨ぐように、選択的に塗布される第二の粘性体とか
ら構成されている場合には、第二の粘性体の有無によ
り、第二のダンピング部の機能が有効または無効にな
る。従って、第一及び第二の粘性体を選択的に塗布する
ことにより、第一及び第二のダンピング部が任意に機能
することになる。これにより、第一及び第二のダンピン
グ部の機能の有効,無効によって、弾性支持部材におけ
るダンピングの特性が適宜に切換え変更される。
【0020】上記第一及び第二の粘性体のうち、第二の
粘性体のみが塗布されている場合には、比較的低い一次
共振周波数と比較的大きなQ値が得られることになる。
【0021】上記第一及び第二の粘性体の双方が塗布さ
れている場合には、比較的高い一次共振周波数と比較的
小さいQ値が得られることになる。
【0022】上記第一及び第二の粘性体のうち、第一の
粘性体のみが塗布されている場合には、中間値の一次共
振周波数及び中間値のQ値が得られることになる。
【0023】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例を図1乃至図
11を参照しながら、詳細に説明する。尚、以下に述べ
る実施例は、本発明の好適な具体例であるから、技術的
に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲
は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載
がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0024】図1乃至図3は、本発明による二軸アクチ
ュエータの一実施例を示している。図1乃至図3におい
て、二軸アクチュエータ10は、レンズホルダー11,
コイルボビン12,複数の弾性支持部材13a,13
b,13c,13d,固定部14,ヨーク31を含んで
いる。
【0025】上記レンズホルダー11は、図3に示すよ
うに、水平な分割ラインによって、上部11U及び下部
11Lに分割されており、接着剤によって互いに接着さ
れている。さらに、上記レンズホルダー11には、図3
に示すように、コイルボビンが取り付けられる開口部1
1aが形成されていると共に、対物レンズが取り付けら
れる凹部11bが形成されている。この凹部11bの底
面には、半導体レーザから出射された光ビームまたは光
ディスクの記録面からの戻り光ビームが通過する穴が形
成されている。レンズホルダー11の凹部11bには、
対物レンズ11cが接着等により取り付けられる。
【0026】さらに、上記レンズホルダー11は、弾性
支持部材13a,13b,13c,13dによって、フ
ォーカシング方向Fcs及びトラッキング方向Trk方
向に移動可能に支持されている。
【0027】コイルボビン12には、ベースと一体のヨ
ーク31及びその内ヨーク31aの内側面に取り付けら
れたマグネット32から成る磁気回路が挿入される開口
部12aが形成されていると共に、フォーカシング用コ
イル12b及びトラッキング用コイル12cが備えられ
ている。フォーカシング用コイル12bは、コイルボビ
ン12に対して対物レンズ11cの光軸と平行な軸に沿
って巻回されている。また、トラッキング用コイル12
cは、楕円状または矩形状にコイルを巻回することによ
って形成され、フォーカシング用コイル12bの一つの
側面に取り付けられている。コイルボビン12の上面
は、ヨークブリッジ36によって覆われている。このヨ
ークブリッジ36は、前記磁気回路のヨーク部と共に、
閉磁路を構成するものであってもよい。コイルボビン1
2は、フォーカシング用コイル12b及びトラッキング
用コイル12cが取り付けられた状態で、レンズホルダ
ー11に形成された開口部に取り付けられる。
【0028】上記弾性支持部材13a,13b,13
c,13dは、導電性があり、しかもバネ性があるもの
が好ましく、例えばリン青銅やベリリウム銅,チタン
銅,スズ−ニッケル合金,ステンレス鋼等の材質のもの
が使用される。これらにより、本実施例では、薄い板金
によって、例えば板バネサスペンションはして形成さ
れ、レンズホルダー11と固定部14との間に互いに平
行になるように固定されている。これにより、上記弾性
支持部材13a,13b,13c,13dは、図示しな
い外部の電流供給手段からの駆動電流を、コイルボビン
12に巻回されたフォーカシング用コイル12b及びト
ラッキング用コイル12cに対して供給するように構成
してもよい。
【0029】レンズホルダー11と固定部14が4本の
弾性支持部材13a,13b,13c,13dにより連
結された状態で、調整プレート30に対して、上記固定
部14が取り付けられる。この調整プレート30は、二
軸アクチュエータ10の組立時に固定部14の固定位置
を調整するためのものである。そして、調整プレート3
0は、ヨークと一体に形成されたベース31に対して、
ハンダ付け等により固定される。この調整プレート30
のベース31への取付は、この調整プレート30の後端
付近にて両側から上方に延びる立上り部30aが、ベー
ス31の後端の両側から上方に延びる立上り部に対して
ハンダ付けされることにより、行なわれる。
【0030】ここで、ベース31には、前記磁気回路を
構成する一対のヨーク31a,31bがベース31の対
物レンズ側の端部をそれぞれ上方に曲折することにより
設けられており、内ヨーク31aの対向ヨーク31bに
対向する内側面に取り付けられた永久磁石32が備えら
れている。これにより、一対のヨーク31a,31bと
永久磁石32により、磁気回路が構成されている。そし
て、上述のように、固定部14がベース31に取り付け
られると、対向ヨーク31bと永久磁石32との間のギ
ャップ内に、コイルボビン12に取り付けられたフォー
カシング用コイル12b及びトラッキング用コイル12
cが挿入される。同時に、内ヨーク31a及び永久磁石
32が、コイルボビン12の開口部12a内に挿入され
ることになる。
【0031】上記弾性支持部材13a,13b,13
c,13dは、その固定部14側の端部領域にて、図4
に示すように、第一のダンピング部が構成されていると
共に、レンズホルダー11の両側にて、上記各弾性支持
部材13a,13b,13c,13dの中間部分をレン
ズホルダー11の側面に連結する第二のダンピング部1
7が備えられている。
【0032】ここで、先づ図4において、弾性支持部材
13aについて説明する。弾性支持部材13aは、その
固定部14側の端部領域15が、全体が方形に形成され
ている。この端部領域15は、固定部14に固定された
固定部15aと、弾性支持部材13aの本体部分に連結
された可動部15bと、この固定部15aの後縁部(図
面にて右縁部)付近からクランク状に延びて可動部15
bに接続された弾性部15cと、この可動部15bの後
方に配設され且つ角部15dを介して固定部15aに連
結された第一の粘性体受け部15eとから構成されてい
る。上記可動部15bは、比較的広く形成されていて、
その表面が、第二の粘性体受け部として構成されてい
る。
【0033】また、第一の粘性体受け部15eは、固定
部15aに連結されているので、フォーカス時またはト
ラッキング時に変位することはなく固定保持されている
と共に、可動部15bに対して、僅かな間隙を挟んで対
向するように形成されている。このように構成された第
一の粘性体受け部15eと、第二の粘性体受け部である
可動部15bに対して、図5及び図6に示すように、上
記間隙を跨いで双方の粘性体受け部15e,15bを連
結するように、粘性体16が選択的に備えられる。
【0034】この粘性体16は、例えば2000から5
000cPの粘度を有するシリコーン系,またはアクリ
ル系の紫外線硬化型粘性体が使用され、塗布後に紫外線
を照射することによって、硬化される。そして、粘性体
16は、第一の粘性体受け部15e及び第二の粘性体受
け部15bの中心付近に、例えばディスペンサ17等を
使用して、滴下される。これにより、この粘性体16
は、その表面張力によって、図5及び図6に示すよう
に、この第一の粘性体受け部15e及び第二の粘性体受
け部15bの全体に広がった状態で、ほぼ一定の厚さで
安定することになる。ここで、粘性体16の塗布量を制
御することにより、粘性体16の厚さが所望の厚さに調
整される。
【0035】このとき、第一の粘性体受け部15e上の
粘性体16は、角部15dが細いことから、その粘性に
基づいて、固定部15aには流出しない。また、第二の
粘性体受け部15b上の粘性体16は、弾性支持部材1
3aの本体部分が細いことから、その粘性に基づいて、
弾性支持部材13aの本体部分には流出しない。この状
態において、紫外線を照射することにより、上記粘性体
16は、硬化され、硬化した粘性体16によって、第一
の粘性体受け部15e及び第二の粘性体受け部15bが
連結されることになる。かくして、弾性支持部材13a
の端部領域15にて、第一の粘性体受け部15e及び第
二の粘性体受け部15bと、これらを連結する粘性体1
6により、第一のダンピング部が構成されることにな
る。さらに、他の弾性支持部材13b,13c,13d
の端部領域15においても、第一のダンピング部が同様
に構成される。
【0036】また、前述した第二のダンピング部17
は、図7及び図8に示すように形成されている。図7及
び図8においては、弾性支持部材13a,13b,13
c,13dのうち、弾性支持部材13aに設けられた第
二のダンピング部17が示されているが、他の弾性支持
部材13b,13c,13dの第二のダンピング部17
も同様の構成である。第二のダンピング部17は、弾性
支持部材13aの中間部分から外側に突出するように形
成された拡大部18と、この拡大部18に対して内側か
ら対向するように、レンズホルダー11の側面から外側
に向かって突出した連結部19と、この拡大部18及び
連結部19の間の間隙を跨いで連結するように選択的に
塗布される粘性体20とから構成されている。
【0037】ここで、上記拡大部18及び連結部19
は、図示の場合、それぞれ例えばプレス成形により、弾
性支持部材13a(または13b,13c,13d)と
一体に、且つ拡大部18の内側縁部が、連結部19の外
側縁部に対して、僅かな間隙を有するように、形成され
ている。そして、図8に示すように、この間隙を跨いで
連結するように、粘性体20が選択的に塗布され、その
後硬化されることにより、この拡大部18及び連結部1
9が、粘性体20を介して互いに連結されている。 ま
た、粘性体20は、粘性体16と同様に、シリコーン
系,またはアクリル系の紫外線硬化型粘性体が使用さ
れ、塗布後に紫外線を照射することによって、硬化され
る。
【0038】ここで、上述した粘性体16,20は、共
に選択的に塗布されるものであり、二軸アクチュエータ
10が組み込まれるべき装置に応じて、何れか一方の
み、または双方の粘性体が、塗布されることにより、図
9に示すように、ダンピング特性における一次共振周波
数及びQ値が適宜に調整されるようになっている。
【0039】ところで、上記一次共振周波数は、一般的
には、バネ定数をK,二軸アクチュエータ10の可動部
の重量をmとしたとき、
【数1】 で与えられる。従って、第一のダンピング部及び第二の
ダンピング部に、それぞれ粘性体16,20を選択的に
塗布して、弾性支持部材13a,13b,13c,13
dのバネ定数Kとして、K1,K2,K3を設定するこ
とにより、上記一次共振周波数と、そしてダンピングす
べきQの大きさが、適宜に調整されることになる。
【0040】この場合、弾性支持部材13a,13b,
13c,13dのバネ定数Kは、弾性支持部材自体のバ
ネ定数Kaと、粘性体16,20によるバネ定数Kb,
Kcの合成バネ定数として与えられる。即ち、可動部側
の第二のダンピング部17にのみ粘性体20を塗布した
場合のバネ定数K1は、
【数2】 となり、固定部側の第一のダンピング部にのみ粘性体1
6を塗布した場合のバネ定数K2は、
【数3】 となる。また、第一のダンピング部及び第二のダンピン
グ部17の双方にそれぞれ粘性体16,20を塗布した
場合のバネ定数K3は、
【数4】 となる。
【0041】本実施例による二軸アクチュエータ10
は、以上のように構成されており、コイルボビン12に
巻回されたフォーカシング用コイル12b及びトラッキ
ング用コイル12cに対して、フォーカスサーボ信号及
びトラッキングサーボ信号に基づく電流が、それぞれ供
給される。これにより、磁気回路の直流磁界とフォーカ
シング用コイル12b及びトラッキング用コイル12c
から生ずる交番磁界とによって、レンズホルダー11即
ち対物レンズ11cがフォーカス方向Fcs及びトラッ
キング方向Trkに駆動される。
【0042】また、ダンパーとして、弾性支持部材13
a,13b,13c,13dの固定部14側の端部領域
15に、粘性体16が選択的に塗布され、硬化される。
これにより、弾性支持部材13a,13b,13c,1
3dは、それぞれ端部領域15にて、第一のダンピング
部が機能することにより、フォーカシングまたはトラッ
キング方向の移動の際の振動が固定部側でダンピングさ
れることになる。また、弾性支持部材13a,13b,
13c,13dは、中間部分に設けられた第二のダンピ
ング部17にて、粘性体20が選択的に塗布され、硬化
される。これにより、弾性支持部材13a,13b,1
3c,13dは、その中間部分にて、フォーカシング方
向またはトラッキング方向の移動の際の振動が可動部側
にてダンピングされることになる。
【0043】これにより、フォーカス時またはトラッキ
ング時に、弾性支持部材13a,13b,13c,13
dの振動が、弾性支持部材13a,13b,13c,1
3dの端部領域15に備えられた第一のダンピング部及
び/または中間部分の第二のダンピング部17にて、減
衰される。従って、レンズホルダー11は、フォーカシ
ング方向及びトラッキング方向に関して所望のダンピン
グ特性が得られることになる。
【0044】図10乃至図12は、第一のダンピング部
及び第二のダンピング部への粘性体16,20の選択的
塗布によるダンピング特性を示している。図10は、第
一のダンピング部のみに粘性体16を塗布した場合のダ
ンピング特性を示している。この場合、ダンピング特性
は、比較的低い20Hzのfoと、比較的大きい25d
BのQダンプを有している。従って、弾性支持部材13
a,13b,13c,13dの剛性が比較的低いことか
ら、フォーカシング方向及びトラッキング方向への駆動
力が小さくて済む。これにより、例えば携帯型CDプレ
ーヤ等の電池を駆動電源とする携帯型装置に適した二軸
アクチュエータが得られることになる。
【0045】図11は、第二のダンピング部17のみに
粘性体20を塗布した場合のダンピング特性を示してい
る。この場合、ダンピング特性は、中間値である25H
zのfoと、中間値の20dBのQダンプを有してい
る。従って、例えば据置き型CDプレーヤ等の据置き型
装置に適した二軸アクチュエータが得られることにな
る。
【0046】図12は、第一のダンピング部及び第二の
ダンピング部17の双方に、それぞれ粘性体16及び粘
性体20を塗布した場合のダンピング特性を示してい
る。この場合、ダンピング特性は、比較的高い30Hz
のfoと、比較的小さい10dBのQダンプを有してい
る。従って、Qダンプが大きいことから、例えば車載型
CDプレーヤ等の振動が大きい環境で使用される装置に
適した二軸アクチュエータが得られることになる。
【0047】このように、上述の実施例では、二軸アク
チュエータは、その弾性支持部材が、固定部側の端部領
域及び中間部分にて、固定部及びレンズホルダーに対し
てそれぞれダンピング部によって連結されていると共
に、第一及び第二のダンピング部を選択的に機能させる
ことによって、フォーカシング方向またはトラッキング
方向に関して、適宜の大きさのQ値が得られることにな
る。上記第一のダンピング部が、各弾性支持部材の固定
部側の端部領域であって弾性支持部材の固定部側に設け
られた第一の連結部と、前記端部領域の弾性支持部材が
延びる側に設けられた第二の連結部と、これら第一及び
第二の連結部の間の間隙を跨ぐように塗布される第一の
粘性体とから構成されている場合には、第一の粘性体の
有無により、第一のダンピング部の機能が有効または無
効になる。
【0048】また上記第二のダンピング部が、各弾性支
持部材の中間部分に形成された拡大部と、レンズホルダ
ーの側面に形成された連結部と、これら拡大部及び連結
部の間の間隙を跨ぐように塗布される第二の粘性体とか
ら構成されている場合には、第二の粘性体の有無によ
り、第二のダンピング部の機能が有効または無効にな
る。従って、第一及び第二の粘性体を選択的に塗布する
ことにより、第一及び第二のダンピング部が任意に機能
することになる。これにより、第一及び第二のダンピン
グ部の機能の有効,無効によって、弾性支持部材による
ダンピングの一次共振周波数,Q値が適宜に切換え変更
される。
【0049】尚、上述した実施例においては、弾性支持
部材13a,13b,13c,13dは、それぞれレン
ズホルダー11及び固定部14に対して、単に固定され
ていると説明したが、レンズホルダー11及び固定部1
4に対してインサート形成等により一体形成されていて
もよいことは明らかである。また、レンズホルダー11
は、上部11U及び下部11Lに分割されているが、一
体に成形されていてもよいことは明らかである。
【0050】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、簡
単な構成により、フォーカシング方向及びトラッキング
方向の一次共振周波数やQ値が適宜変更できる二軸アク
チュエータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光学ピックアップ用二軸アクチュ
エータの一実施例の全体構成を前方から見た示す概略斜
視図である。
【図2】図1の二軸アクチュエータを後方から見た示す
概略斜視図である。
【図3】図1の二軸アクチュエータの分解斜視図であ
る。
【図4】図1の二軸アクチュエータの粘性体塗布前の第
一のダンピング部の拡大平面図である。
【図5】図4のダンピング部の拡大側面図である。
【図6】図1の二軸アクチュエータの第一のダンピング
部の拡大平面図である。
【図7】図1の二軸アクチュエータの粘性体塗布前のダ
ンピング部の拡大平面図である。
【図8】図4のダンピング部の拡大断面図である。
【図9】図1の二軸アクチュエータによるダンピング特
性を示すグラフである。
【図10】第二のダンピング部のみに粘性体を塗布した
場合の二軸アクチュエータのダンピング特性を示すグラ
フである。
【図11】第一のダンピング部のみに粘性体を塗布した
場合の二軸アクチュエータのダンピング特性を示すグラ
フである。
【図12】第一及び第二のダンピング部の双方に粘性体
を塗布した場合の二軸アクチュエータのダンピング特性
を示すグラフである。
【図13】従来の光学ピックアップ用二軸アクチュエー
タの一例の全体構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
10 二軸アクチュエータ 11 レンズホルダー 11a 開口部 11b 凹部 11c 対物レンズ 12 コイルボビン 12a 開口部 12b フォーカシング用コイル 12c トラッキング用コイル 13a,13b,13c,13d 弾性支持部材 14 固定部 15 端部領域 16 粘性体 17,21 ダンピング部 18 拡大部 19 連結部 19a スリット 20 粘性体
フロントページの続き (72)発明者 柴田 圭一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対物レンズを支持するレンズホルダー
    と、 このレンズホルダーを固定部に対して弾性的に支持する
    ためにレンズホルダーの両側に配設された弾性支持部材
    と、 前記レンズホルダーに備えられたコイルボビンと、 このコイルボビンに対して巻回されたフォーカシング用
    コイルと、 このコイルボビンに対して巻回されたトラッキング用コ
    イルと、 前記弾性支持部材の固定部側の端部領域を固定部に連結
    し得る第一のダンピング部と、 前記弾性支持部材の中間部分をレンズホルダーの側面に
    連結し得る第二のダンピング部とを備えることを特徴と
    する二軸アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 前記第一のダンピング部は、 前記弾性支持部材の固定部側の端部領域であって弾性支
    持部材の固定部側に設けられたフォーカシング及びトラ
    ッキングの際に変位しない第一の連結部と、 前記端部領域の弾性支持部材が延びる側に設けられた第
    二の連結部と、 前記第一の連結部と第二の連結部との間の間隙を跨ぐよ
    うに、選択的に塗布される第一の粘性体とから構成され
    ていることを特徴とする請求項1に記載した二軸アクチ
    ュエータ。
  3. 【請求項3】 前記第二のダンピング部は、 前記弾性支持部材の中間部分に形成された拡大部と、 前記レンズホルダーの側面に形成された連結部と、 前記拡大部と連結部との間の間隙を跨ぐように、選択的
    に塗布される第二の粘性体とから構成されていることを
    特徴とする請求項1に記載した二軸アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 前記第一及び第二の粘性体の双方が塗布
    されていることを特徴とする請求項1に記載した二軸ア
    クチュエータ。
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