JPH08201451A - スペクトラムアナライザ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、複数のズーム画面を任意のサイズ
で任意の位置に表示したり、ズーム画面内の全パワーの
算出表示する機能を設けて使用者の操作性向上や解析表
示を容易にする。 【構成】 設定パネル６６から与えられたズーム画面数
Ｎに対応して、メイン表示画面１０１とズーム表示画面
１０２〜１０４に対応した測定諸元で、スペクトラムを
測定してトレースメモリ７２に格納する制御部９５を設
け、設定パネル６６から与えられたズームパラメータ１
２に対応したズーム画面数Ｎ、表示画面位置、画面表示
サイズを受けて、上記測定で得たトレースメモリ７２の
データを受けて、各画面に対応したバッファメモリ１４
ａ〜１４ｄを使用して、表示画面のサイズに対応して演
算処理して出力する表示データ演算部１１を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、スペクトラムアナラ
イザの波形表示装置において、スペクトラム波形の拡大
表示画面（ズーム・ウィンドウ）を複数画面実現して波
形解析を容易するスペクトラムアナライザに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来技術の例としては、１画面あるいは
２画面分の測定表示機能を有するスペクトラムアナライ
ザの波形表示装置の例がある。これについて、図５と図
６と図７とを参照して説明する。従来における表示部９
０では、１画面表示と２画面表示の切り替えができる。
２画面表示の場合には、図７に示すように、上段がメイ
ン表示画面９４、下段がズーム表示画面９６に固定して
分割表示する。各画面のスペクトラム表示データのサン
プリングは、各々個別の測定条件で掃引し、結果を対応
するバッファメモリに格納してデータ処理した後表示し
ている。本装置の構成は、図５に示すように、周波数変
換部５０と、検波部６２と、設定パネル６６と、データ
処理部７０と、表示部９０と、制御部９５とで構成して
いる。

【０００３】制御部９５は、設定パネル６６からの測定
諸元を受けて、測定の全体を制御している。図７に示す
２画面表示の場合では、メイン表示画面９４と、ウィン
ドウ枠９２の領域のスペクトラムを拡大したズーム表示
画面９６を実現する為に、時分割動作をさせて交互に測
定パラメータを設定して測定実行の制御をしている。

【０００４】周波数変換部５０は、一般的なスペクトラ
ムアナライザの周波数変換部の原理構成であり、被測定
信号１００を受けて、メイン画面あるいはズーム画面個
別の測定条件で掃引する。局部発振器で所望の周波数範
囲を掃引して一定の中間周波数に変換し、ＢＰＦ（バン
ドパス・フィルタ）で所望の帯域幅特性にフィルタした
後、検波部６２に供給するものである。検波部６２で
は、これを対数／直線検波してデジタルデータに量子化
した後、データ処理部７０に供給する。

【０００５】データ処理部７０は、検波部６２からのデ
ータを受け、制御部９５からの制御パラメータを受け
て、表示用データに処理加工した後表示部９０に供給す
るものであり、図６に示すように、表示データ演算部７
１と、トレースメモリ７２と、画面バッファメモリ７４
とで構成している。

【０００６】トレースメモリ７２は、検波部６２から局
部発振器の周波数を掃引しながら得た測定データ６２ａ
を一旦このトレースメモリに連続的に格納するものであ
り、２画面表示モードでは異なる測定条件により測定さ
れたデータが交互に入力される。その後、表示データ演
算部７１が順次読み出して使用する。

【０００７】表示データ演算部７１は、制御部９５から
の制御パラメータである、交互測定信号９５ｂや表示パ
ラメータ９５ａを受けて、トレースメモリ７２内容や画
面バッファメモリ７４内容を読み出して、所望の演算処
理をし、結果を画面バッファメモリ７４に格納する。表
示部９０へは、演算された表示データを表示部９０に供
給する。また、表示諸元に対応した横軸／縦軸のスケー
ル目盛を表示部９０に供給する。ここで、表示パラメー
タ９５ａとしては、１画面表示／２画面表示や、垂直軸
のレベルや、水平軸の周波数スパンや、アベレージング
処理した平均値を表示したり、単に測定データをそのま
ま更新表示したり、トリガ条件成立まで待つ等の制御パ
ラメータにより処理内容はいろいろ変わる。

【０００８】画面バッファメモリ７４は、作業用メモリ
とアベレージング用累積メモリと表示用出力データメモ
リとして使用され、２画面分あり、メイン画面測定時用
のメイン画面バッファメモリ７４ａと、ズーム画面測定
時用のズーム画面バッファメモリ７４ｂを有している。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】上記説明のように、従
来においては、１画面表示かあるいは上下２分割に固定
した２画面表示までの表示形態しか無かった。この為、
複数のズーム画面を表示したり、両者を比較したり、ズ
ーム画面内の全パワーの算出表示機能が提供されていな
かった為、実用上の不便な場合があった。

【００１０】そこで、本発明が解決しようとする課題
は、複数のズーム画面を任意のサイズで任意の位置に表
示したり、ズーム画面内の全パワーの算出表示する機能
を設けて使用者の操作性向上や解析表示を容易にするこ
とを目的とする。

【００１１】

【課題を解決する為の手段】上記課題を解決するため
に、本発明の構成では、設定パネル６６から与えられた
ズーム画面数Ｎに対応し、メイン表示画面１０１とズー
ム表示画面１０２〜１０４に対応した測定諸元で、被測
定信号１００のスペクトラムを測定してトレースメモリ
７２に格納する制御部９５を設け、設定パネル６６から
与えられたズームパラメータ１２を受け、上記測定で得
たトレースメモリ７２のデータを受けて、各ズーム画面
に対応したバッファメモリ１４ａ〜１４ｄを使用して、
表示画面の演算処理をして出力する表示データ演算部１
１を設ける構成手段にする。これにより、周波数変換部
５０と検波部６２と設定パネル６６とデータ処理部７０
と表示部９０と制御部９５を有して、シーケンシャルに
順次測定実行を制御して、各画面に対応したスペクトラ
ム波形を得て、各画面の諸元設定に対応した複数画面表
示を実現する。

【００１２】また、メイン表示画面１０１内に、ズーム
表示画面１０２〜１０４に対応した領域区画を明示する
ズーム枠１０２ｗ〜１０４ｗを表示する手段を表示デー
タ演算部１１に追加して設ける手段がある。また、各ズ
ーム表示画面１０２〜１０４内の全パワー値１０２ｂを
算出して表示部９０で数値表示する演算手段を表示デー
タ演算部１１に追加して設ける手段がある。

【００１３】

【作用】制御部９５は、設定パネル６６から与えられた
ズーム画面数Ｎに対応して、シーケンシャルに順次測定
実行を制御することで、各々の表示画面に対応した測定
諸元で測定したスペクトラムデータをトレースメモリ７
２に格納して各画面毎のデータを得る作用がある。表示
データ演算部１１は、設定パネル６６から与えられたズ
ームパラメータ１２に対応したズーム画面数Ｎ、表示画
面位置、画面表示サイズ等を受け、対応したトレースメ
モリ７２のデータを受けて、各画面毎に対応したバッフ
ァメモリ１４ａ〜１４ｄを使用し、表示画面のサイズに
対応した横軸／縦軸の圧縮伸長演算処理して、各ズーム
画面サイズで表示できる。

【００１４】また、各ズーム画面内の全パワーを算出し
て結果の全パワー値１０２ｂを表示する、スペクトラム
領域パワー表示機能が得られる。また、メイン表示画面
１０１内に、ズーム画面に対応したズーム枠１０２ｗ〜
１０４ｗを表示することで、視認性が向上する。

【００１５】全体では、複数のズーム画面を任意のサイ
ズで任意の位置に表示したり、ズーム画面内の全パワー
の算出表示や、表示画面上のマーカーでズーム画面をス
クロールする機能を提供して、解析表示を容易にでき
る。

【００１６】

【実施例】本発明の実施例は、メイン表示画面と、３つ
のズーム画面を表示するスペクトラムアナライザの一例
である。これについて、図１と図２と図３とを参照して
説明する。本発明では、図３に示すように、メイン表示
画面１０１を上段位置に表示し、ズーム画面数Ｎ＝３つ
のズーム表示画面１０２、１０３、１０４を、下段位置
に表示する場合の事例で説明する。この画面設定条件
は、予め設定パネル６６からキー操作あるいは外部ＧＰ
ＩＢ経由により所望のパラメータ入力が与えられる。

【００１７】本装置の構成は、図１に示すように、従来
構成のスペクトラムアナライザとほぼ同じであるが、デ
ータ処理部１０の構成内容が、図２に示すように、トレ
ースメモリ７２と、表示データ演算部１１と、ズームパ
ラメータ１２と、画面バッファメモリ１４とで構成して
いて、複数ズーム画面に対応したズームパラメータ１２
と、メモリ容量を有している。また、制御部９５では、
測定全体を制御していて、メイン表示画面１０１と、ズ
ーム表示画面１０２、１０３、１０４用の４つの処理時
間（メイン処理時間、第１ズーム処理時間、第２ズーム
処理時間、第３ズーム処理時間）に分けて、各々の測定
条件で、シーケンシャルに時分割測定の実行制御をして
いる。

【００１８】このデータ処理部１０は、検波部６２から
のデータを受け、制御部９５からの制御パラメータ９５
ｃを受けて、表示位置、表示サイズに対応して表示用デ
ータに演算処理加工した後表示部９０に供給する。ズー
ムパラメータ１２は、各ズーム画面毎に独立したパラメ
ータを有している。このパラメータの種類は、主に、各
ズーム画面毎の画面位置パラメータ、画面サイズパラメ
ータ、掃引条件パラメータ、表示垂直軸レンジパラメー
タ、表示水平軸周波数スパンパラメータ、アベレージン
グ回数パラメータ、ズーム画面内の全パワーの算出パラ
メータ、トリガ条件パラメータ、スペクトラム表示パラ
メータ、スケール目盛パラメータ等である。

【００１９】メイン画面内には、各ズーム画面の位置と
スパン領域を示すズーム枠１０２ｗ、１０３ｗ、１０４
ｗが表示されていて、メイン画面と各ズーム画面との対
応が容易に把握できる表示形態となっている。このズー
ム枠の表示制御は、表示データ演算部１１がズームパラ
メータ１２から領域枠表示データを読み出して、各表示
枠の表示付加処理をしてメイン画面に表示させている。
この領域枠表示データは、設定パネル６６からの回転ノ
ブやキースイッチの諸元設定操作により領域枠の移動指
示や、領域枠の拡大／縮小指示の変更が随時入力され、
これらにより更新した領域枠表示データがズームパラメ
ータ１２に随時格納される。

【００２０】４つに分割された処理時間である第１ズー
ム処理時間の動作について説明する。第１ズーム処理の
最初に、制御部９５が第１ズーム画面用の測定条件を各
設定対象に設定して掃引開始して被測定信号１００を測
定し、トレースメモリ７２内に測定結果が格納される。
表示データ演算部１１は、ズームパラメータ１２から第
１ズーム画面用の各種パラメータを取り出し、上記トレ
ースメモリ７２を順次読み出して、このパラメータに対
応した横軸／縦軸の圧縮伸長演算処理を実行した後、ズ
ーム画面バッファメモリ１４ｂに格納する。例えば、画
面サイズパラメータにより、横軸がフルサイズでない場
合は横軸圧縮演算処理して出力する。また、表示垂直軸
レンジパラメータにより、表示スケール目盛に対応した
演算処理して出力する。また、アベレージング回数パラ
メータがある場合には、ズーム画面バッファメモリ１４
ｂに累積加算してその平均値演算処理して出力する。ま
た、パワー算出パラメータがある場合には、ズーム画面
内の全パワーを算出して結果の数値を図３に示す全パワ
ー値１０２ｂのように表示部９０に数値表示する。

【００２１】画面バッファメモリ１４は、各画面に対応
して４分割されて個別に使用され、それは、メイン画面
バッファメモリ１４ａ、ズーム画面バッファメモリ１４
ｂ、ズーム画面バッファメモリ１４ｃ、ズーム画面バッ
ファメモリ１４ｄである。

【００２２】他の第２、第３ズーム処理時間の動作は、
上記説明と同様にして順次実行する。

【００２３】上記実施例の説明では、図３に示すよう
に、メイン表示画面１０１を上段位置に表示し、３つの
ズーム画面を下段位置に表示する場合で説明したが、図
４の５つのズーム表示画面１０２〜１０６の表示例に示
すように、ズーム画面数Ｎは０以上の任意の画面数とし
ても良く、これに対応した最大画面数に対応した画面バ
ッファメモリ１４を設け、表示データ演算部１１で演算
処理させることにより、同様にして実施できる。

【００２４】また、上記実施例の説明では、メイン表示
画面１０１を上段位置に横軸フル表示し、３つのズーム
画面を下段位置に表示する固定位置の場合で説明した
が、これらの表示位置を任意の位置に可変にしても良
く、また、メイン表示画面１０１の横軸表示サイズを可
変にして、画面表示条件を任意の自由度のある表示形態
にしても良く、これに対応したパラメータを追加して設
けて表示データ演算部１１で処理させることで、同様に
して実施可能である。

【００２５】また、上記実施例の説明では、メイン表示
画面１０１の表示領域内にズーム枠１０２ｗ〜１０４ｗ
設定した場合で説明していたが、このメイン表示画面１
０１より外れた位置にズーム枠を設定する利用形態でも
可能である。また、上記実施例の説明では、ズーム枠を
メイン表示画面１０１内に設定した場合で説明していた
が、ズーム表示画面１０２〜１０４内にズーム枠を設け
るようにした利用形態でも良く、同様にして実施可能で
ある。

【００２６】また、上記実施例の説明では、ズーム画面
のスクロール（移動）については説明をしなかったが、
設定パネル６６の回転ノブやキースイッチの設定操作を
受けて、ズーム枠を連続的に移動させても良く、また、
画面内の位置を指示するマーカー機能を利用して、これ
に連動して移動するズーム枠としても良い。

【００２７】また、上記実施例の説明では、ズーム表示
画面１０２〜１０４を個別の位置に独立して表示する場
合で説明していたが、複数のズーム画面を重ねて表示す
る表示形態としも良く、同様にして実施可能である。更
に、複数ズーム画面間のスペクトラム値の減算値あるい
は加算値の算出処理した結果値を表示するようにしても
良く、同様にして実施可能であり、スペクトラムの比較
解析に有効である。

【００２８】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、下記に記載されるような効果を奏する。制
御部９５は、設定パネル６６から与えられたズーム画面
数Ｎに対応して、シーケンシャルに順次測定実行を制御
する。即ち、各々の測定諸元を各部に設定し、測定して
得たスペクトラムデータをデータ処理部１０のトレース
メモリ７２に格納することで、各画面毎のデータを得る
効果がある。

【００２９】表示データ演算部１１は、設定パネル６６
から与えられたズームパラメータ１２に対応したズーム
画面数Ｎ、表示画面位置、画面表示サイズ等を受け、対
応したトレースメモリ７２からの測定データを受けて、
画面に対応するバッファメモリ１４ａ〜１４ｄを使用し
て、表示画面のサイズやスケール目盛に対応した横軸／
縦軸の圧縮伸長演算処理して表示出力を実現する。ま
た、所望により、各ズーム画面内の全パワーを算出して
結果の全パワー値１０２ｂを表示することで、ズーム枠
内のパワーレベルが数値表示されるのでパワー比較解析
が容易にできる。また、メイン表示画面１０１内にズー
ム枠１０２ｗ〜１０４ｗを表示し、これと対応したズー
ム画面を表示することで、対応性の良い波形表示が出
来、視認性が向上する。これらから、複数のズーム画面
を任意のサイズで任意の位置に表示したり、ズーム画面
内の全パワーの算出表示して、使用者の操作性向上や解
析表示を容易にする機能を提供できる効果が得られる。

【００３０】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の、スペクトラムアナライザの構成図で
ある。

【図２】本発明の、データ処理部１０の構成図である。

【図３】本発明の、３つのズーム画面表示例である。

【図４】本発明の、５つのズーム画面表示例である。

【図５】従来の、スペクトラムアナライザの構成図であ
る。

【図６】従来の、データ処理部７０の構成図である。

【図７】従来の、１つのズーム画面表示の例である。

【符号の説明】

１０、７０ データ処理部 １１、７１ 表示データ演算部 １２ ズームパラメータ １４ａ〜１４ｄ、７４ａ、７４ｂ バッファメモリ １４、７４ 画面バッファメモリ ５０ 周波数変換部 ６２ 検波部 ６６ 設定パネル ７２ トレースメモリ ９０ 表示部 ９２ ウィンドウ枠 ９５ 制御部 １００ 被測定信号 １０２ｗ、１０４ｗ、１０３ｗ ズーム枠 １０２ｂ 全パワー値 ９４、１０１ メイン表示画面 ９６、１０２〜１０６ ズーム表示画面

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 周波数変換部（５０）と検波部（６２）
   と設定パネル（６６）とデータ処理部（７０）と表示部
   （９０）と制御部（９５）を有して、スペクトラム波形
   の複数画面表示において、 設定パネル（６６）から与えられたズーム画面数（Ｎ）
   に対応し、メイン表示画面（１０１）とズーム表示画面
   （１０２〜１０４）に対応した測定諸元で、被測定信号
   （１００）のスペクトラムを測定してトレースメモリ
   （７２）に格納する制御部（９５）を設け、 設定パネル（６６）から与えられたズームパラメータ
   （１２）を受け、上記測定で得たトレースメモリ（７
   ２）のデータを受けて、各ズーム画面に対応したバッフ
   ァメモリ（１４ａ〜１４ｄ）を使用して、表示画面の演
   算処理をして出力する表示データ演算部（１１）を設
   け、 以上を具備していることを特徴としたスペクトラムアナ
   ライザ。
2. 【請求項２】 メイン表示画面（１０１）内に、ズーム
   表示画面（１０２〜１０４）に対応した領域区画を明示
   するズーム枠（１０２ｗ〜１０４ｗ）を表示する手段を
   表示データ演算部（１１）に追加して設けた請求項１記
   載のスペクトラムアナライザ。
3. 【請求項３】 各ズーム表示画面（１０２〜１０４）内
   の全パワー値（１０２ｂ）を算出して表示部（９０）で
   数値表示する演算手段を表示データ演算部（１１）に追
   加して設けた請求項１記載のスペクトラムアナライザ。