JPH08200981A - 給湯器用熱交換器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 給湯器用熱交換器の伝熱性能を向上する。 【構成】 予熱用水管部３を巻回したダクト１の直ぐ内
側面に整流板４を接合する。この整流板４は、バーナ２
で発生した燃焼ガスをフィンブロック５の中央方向に案
内するように傾斜した傾斜面４ａを有する。燃焼ガス主
流の熱を、整流板４およびダクト１を介して予熱用水管
部３に効率よく伝導する。また、燃焼ガスをフィンブロ
ック５の中央方向に案内することにより、フィンブロッ
ク５での伝熱効率を高めて、熱交換用水管部６にも効果
的に熱を伝導する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は家庭用として好適な、簡
潔な構造で伝熱効率を向上させた給湯器用熱交換器に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来の給湯器用熱交換器として、実開昭
６０−６６９８９号公報に記載されたものがあり、この
公報記載のものでは、バーナで発生した燃焼ガスが上昇
するダクトの外周面に予熱用水管部を巻回するととも
に、このダクト上部の内部に、熱交換用水管部が貫通す
るプレート状のフィンブロックを配設している。

【０００３】そして、前記ダクトのうち、前記予熱用水
管巻回部の断面積に比して前記フィンブロック配設部の
断面積の方を小さくし、前記予熱用水管巻回部と前記フ
ィンブロック配設部との間にダクト断面積をフィンブロ
ック側へ向かって減少させる傾斜部を形成するととも
に、この傾斜部に燃焼ガスをフィンブロック中央部に導
く邪魔板を設けるようにしている。

【０００４】この邪魔板により燃焼ガスをフィンブロッ
ク中央部に導くことにより、ダクトのフィンブロック取
付部の温度上昇を抑制して、傾斜部に加わる熱応力を低
減するようにしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造では、ダクト外周面に巻回された予熱用水管部へ
の伝熱性向上については特に考慮されていないので、予
熱用水管部を効果的に加熱することができず、そのた
め、熱交換器全体としての伝熱性能が比較的低いという
問題がある。

【０００６】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
伝熱性能を効果的に向上できる給湯器用熱交換器を提供
することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、以下の技術的手段を採用する。請求項１記載
の発明では、バーナ（２）で発生した燃焼ガスが流れる
金属製ダクト（１）と、このダクト（１）の外側面に配
設され、このダクト（１）に金属的に接合された金属製
の予熱用水管部（３）と、前記ダクト（１）のうち、前
記予熱用水管部（３）が配設された部位において前記ダ
クト（１）の内側面に金属的に接合された金属製の整流
板（４）と、前記ダクト（１）のうち、前記予熱用水管
部（３）の配設部位より燃焼ガス下流側の部位におい
て、前記ダクト（１）内部に配設された金属製のフィン
ブロック（５）とを備え、このフィンブロック（５）に
は、前記予熱用水管部（３）と連通する熱交換用水管部
（６）が配設されており、前記整流板（４）は、前記フ
ィンブロック（５）の中央方向に向けて燃焼ガスの流れ
を整流する形状に形成されている給湯器用熱交換器を特
徴としている。

【０００８】請求項２記載の発明では、請求項１に記載
の給湯器用熱交換器において、前記整流板（４）は、燃
焼ガスの流れの上流から下流に向かって前記ダクト
（１）の内側へ傾斜するように形成された傾斜面（４
ａ）を有していることを特徴とする。請求項３記載の発
明では、請求項２に記載の給湯器用熱交換器において、
前記整流板（４）は、前記ダクト（１）の内側面に接合
される接合面（４ｂ）と、前記傾斜面（４ａ）が燃焼ガ
スの流れ方向と直交する方向に交互に形成されているこ
とを特徴とする。

【０００９】請求項４記載の発明では、請求項１ないし
３のいずれか１つに記載の給湯器用熱交換器において、
前記ダクト（１）は、前記予熱用水管部（３）の配設部
位から前記フィンブロック（５）の配設部位に至るま
で、略同一断面形状に形成されていることを特徴とす
る。請求項５記載の発明では、請求項１ないし４のいず
れか１つに記載の給湯器用熱交換器において、前記ダク
ト（１）は、略長方形の断面形状に形成され、前記整流
板（４）は前記ダクト（１）の断面形状のうち、対向す
る２つの長辺部の略全長にわたって配設されていること
を特徴とする。

【００１０】なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述
する実施例記載の具体的手段との対応関係を示すもので
ある。

【００１１】

【発明の作用効果】請求項１〜５記載の発明によれば、
整流板は予熱用水管部の配設部位においてダクトの内側
面に直接配設され、これらの部材は相互に金属的に接合
されているから、整流板が燃焼ガス主流の熱をダクト側
へ伝導する伝熱部材として作用し、整流板の配設により
伝熱面積を十分増大できるので、燃焼ガス主流の熱が整
流板およびダクト壁面を経て予熱用水管部に効率よく伝
導される。従って、予熱用水管部内の水をこの熱伝導に
より効果的に加熱できる。

【００１２】また、バーナで発生した燃焼ガスは整流板
によりフィンブロックの中央方向に整流、案内されるた
め、フィンブロックにおいて伝熱効率の高い中央部分に
燃焼ガスが集中し、伝熱効率の低いフィンブロック周辺
部への燃焼ガス流量を減少させることができる。そのた
め、フィンブロック５での伝熱効率が上昇して、熱交換
用水管部内の水を燃焼ガスにより効果的に加熱できる。

【００１３】以上のことが相まって、給湯器用熱交換器
の伝熱性能を効果的に向上できる。これに加え、請求項
４記載の発明では、ダクトを、予熱用水管部の配設部位
からフィンブロックの配設部位に至るまで、略同一断面
形状に形成しているから、整流板により案内され、整流
された燃焼ガスを乱すことなくそのままスムーズにフィ
ンブロックの中央部分に流入させることができ、フィン
ブロックでの伝熱効率をより一層向上できる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。図１〜３において、１は燃焼ガスを案内する断面
略長方形のダクトで、その下端側にバーナ２が配置され
ている。このバーナ２は燃焼空気用送風機２ａから送風
される燃焼空気を燃料ガスに供給して燃焼を行うもので
ある。

【００１５】３は丸パイプから構成されている予熱用水
管部で、ダクト１のうち、バーナ２の直ぐ上方の部位に
おいて、ダクト１の外側面に複数回巻かれている。この
予熱用水管部３にはその下方端から上方端に向かって水
が流通するようになっている。４はバーナ２で発生した
燃焼ガスの流れを案内する整流板で、上記予熱用水管部
３の配設部位のダクト１内側面に接合されている。

【００１６】５はダクト１内において前記整流板４の上
方部位に配設されたフィンブロックで、図３に示すよう
に多数枚の平板状のフィン５ａを、所定間隔を介在して
平行に積層した構造となっている。ここで、図３に示す
例では、平板状のフィン５ａの先端部に折り曲げ部５ｂ
を形成し、この折り曲げ部５ｂをダクト１内面に接合す
るようになっている。

【００１７】６はこのフィンブロック５を貫通して水平
方向に延びるように配設された、燃焼ガスとの熱交換用
水管部で、上記予熱用水管部３の上端と連通し、前記整
流板４の上方部位にてダクト１の外部から内部へ配管さ
れている。この熱交換用水管部６には上記予熱用水管部
３で予熱された水が流入するようになっている。７はダ
クト１の最上部に設けられた燃焼ガスの排出口である。

【００１８】ダクト１は、本例では、バーナ２が設置さ
れている下端部から排出口７が設置されている最上部ま
で略同一断面積の長方形状に形成されている。上記した
部材１、３、４、５、６はいずれも耐熱性、伝熱性等に
優れた金属（例えばリン脱酸銅）で製作され、ろう付け
にて金属的に接合され一体構造に組付けられている。

【００１９】本発明の要部をなす整流板４は燃焼ガスの
流れを整流してフィンブロック５の中央方向に案内する
とともに、予熱用水管部３への伝熱を促進するためのも
のてあって、図２に示す例では、ダクト１の長方形断面
形状のうち、対向する２つの長辺部内側面の略全長にわ
たって整流板４が配設され、ろう付けされている。整流
板４の具体的形状は、図４（ａ）〜（ｄ）示すごときも
のであって、図４（ａ）の整流板４は燃焼ガスをフィン
ブロック５の中央方向に案内するための傾斜面４ａと、
ダクト１の内側面に密着するようにダクト１の内側面と
平行に形成された接合面４ｂとを燃焼ガスの流れ方向と
直交する方向に交互に形成したものである。傾斜面４ａ
は燃焼ガスの流れの上流から下流（図１では下側から上
側）に向かってダクト１の内側へ所定角度（例えば５度
程度）で傾斜するように形成されている。

【００２０】また、図４（ｂ）の整流板４は上記傾斜面
４ａの断面形状を接合面４ｂ側へ凹となる円弧状に形成
したものである。また、図４（ｃ）の整流板４は上記傾
斜面４ａを１枚の連続した金属板で形成するとともに、
この傾斜面４ａに接合された複数の別体の金属板にて接
合面４ｂを形成したものである。

【００２１】また、図４（ｄ）の整流板４は図４
（ａ）、（ｂ）の変形例で、傾斜面４ａを断面三角状に
突出する形状に形成したものである。次に、上記構成に
おいて本実施例の作動を説明する。バーナ２での燃料ガ
スの燃焼により発生した燃焼ガスは整流板４の傾斜面４
ａにより整流され、フィンブロック５の中央方向に案内
されるため、フィンブロック５において伝熱効率の高い
中央部分に燃焼ガスが集中し、伝熱効率の低いフィンブ
ロック周辺部５ｃへの燃焼ガスの流量を減少させること
ができる。

【００２２】また、同時にダクト１の断面形状をバーナ
２が設置されている下端部から排出口７が設置されてい
る最上部まで略同一断面積の長方形状に形成しているか
ら、整流板４により案内され、整流された燃焼ガスを乱
すことなくそのままスムーズにフィンブロック５の中央
部分に流入させることができる。以上のことが相まっ
て、フィンブロック５での伝熱効率が上昇して、熱交換
用水管部６内の水を燃焼ガスにより効果的に加熱でき
る。

【００２３】これに加え、整流板４は図２に示すように
予熱用水管部３の配設部位においてダクト１の内側面に
直接配設され、これらの部材４、３、１は相互にろう付
けにより金属的に接合されているから、整流板４が燃焼
ガス主流イの熱をダクト１側へ伝導する伝熱部材として
の作用を果たし、整流板４により伝熱面積を十分増大で
きる。そのため、燃焼ガス主流イの熱が整流板４および
ダクト１壁面を経て予熱用水管部３に効率よく伝導され
る。従って、予熱用水管部３内の水をこの熱伝導により
効果的に加熱できる。

【００２４】なお、図２において、ハは予熱用水管部３
における水の流れ方向を示す。本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、例えばフィンブロック５の平板
状のフィン５ａの先端部の折り曲げ部５ｂを廃止して、
熱交換用水管６とダクト１との嵌合部をろう付けにより
接合し、この熱交換用水管６を介してフィンブロック５
をダクト１に保持固定するようにしてもよい。

【００２５】上記実施例では、ダクト１をバーナ２が設
置されている下端部から排出口７が設置されている最上
部まで略同一断面積の長方形状に形成しているが、ダク
ト１を他の長円形、円形等の断面形状とすることもでき
る。また、ダクト１の断面形状を従来例と同様にフィン
ブロック５配設部が小さくなる形状とし、予熱用水管部
３の配設部位とフィンブロック５の配設部位との間に傾
斜部を設ける構成とすることも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ断面図である。

【図４】本発明による整流板の具体的形状例を示す斜視
図である。

【符号の説明】

１…ダクト、２…バーナ、３…予熱用水管、４…整流
板、４ａ…傾斜面、４ｂ…接合面、５…フィンブロッ
ク、６…熱交換用水管部。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 バーナで発生した燃焼ガスが流れる金属
   製ダクトと、 このダクトの外側面に配設され、このダクトに金属的に
   接合された金属製の予熱用水管部と、 前記ダクトのうち、前記予熱用水管部が配設された部位
   において前記ダクトの内側面に金属的に接合された金属
   製の整流板と、 前記ダクトのうち、前記予熱用水管部の配設部位より燃
   焼ガス下流側の部位において、前記ダクト内部に配設さ
   れた金属製のフィンブロックとを備え、 このフィンブロックには、前記予熱用水管部と連通する
   熱交換用水管部が配設されており、 前記整流板は、前記フィンブロックの中央方向に向けて
   燃焼ガスの流れを整流する形状に形成されていることを
   特徴とする給湯器用熱交換器。
2. 【請求項２】 前記整流板は、燃焼ガスの流れの上流か
   ら下流に向かって前記ダクトの内側へ傾斜するように形
   成された傾斜面を有していることを特徴とする請求項１
   に記載の給湯器用熱交換器。
3. 【請求項３】 前記整流板は、前記ダクトの内側面に接
   合される接合面と、前記傾斜面が燃焼ガスの流れ方向と
   直交する方向に交互に形成されていることを特徴とする
   請求項２に記載の給湯器用熱交換器。
4. 【請求項４】 前記ダクトは、前記予熱用水管部の配設
   部位から前記フィンブロックの配設部位に至るまで、略
   同一断面形状に形成されていることを特徴とする請求項
   １ないし３のいずれか１つに記載の給湯器用熱交換器。
5. 【請求項５】 前記ダクトは、略長方形の断面形状に形
   成され、前記整流板は前記ダクトの断面形状のうち、対
   向する２つの長辺部の略全長にわたって配設されている
   ことを特徴とする請求項１ないし４のいずれか１つに記
   載の給湯器用熱交換器。