JPH0820062A - 押出成形方法 - Google Patents

押出成形方法

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JPH0820062A
JPH0820062A JP6156995A JP15699594A JPH0820062A JP H0820062 A JPH0820062 A JP H0820062A JP 6156995 A JP6156995 A JP 6156995A JP 15699594 A JP15699594 A JP 15699594A JP H0820062 A JPH0820062 A JP H0820062A
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die
extrusion molding
lubricant
extrusion
compound
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JP6156995A
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English (en)
Inventor
Yutaka Ota
豊 太田
Tamotsu Kaide
保 開出
Takuma Takai
拓真 高井
Motohiko Yamazaki
元彦 山崎
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 押出成形におけるダイスカスの発生を防止
し、美麗な表面外観を有する押出成形物が得られる押出
成形方法を提供すること。 【構成】 ダイス内壁に潤滑剤を注入しながら、プラス
チックまたは/およびゴム100重量部に対して押出温
度において非溶解性物質からなる添加剤を50〜300
重量部含有するコンパウンドを押出成形するか、ダイス
の先端部のみを、成形温度より10〜20℃高めてコン
パウンドを押出成形するか、あるいは上記方法を組合せ
てコンパウンドを押出成形することを特徴とする。 【効果】 ダイスカスの発生が防止され、美麗な表面外
観を有する押出成形物や絶縁電線が得られる。また、電
線のスパークアウト等の不良の発生が防止できる。ま
た、押出成形速度を高速にでき、押出成形物の生産効率
を向上でき、さらに、製造ラインにおけるダイスカス監
視を不要にできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、押出成形方法に関し、
詳しくはダイスカスの発生が防止され、美麗な表面外観
を有する押出成形物が得られる押出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、プラスチックまたは/およびゴム(以下、ベースポ
リマーと総称する)を主成分とするコンパウンドを押出
成形し、押出成形物が製造されている。ところが、高速
度に押出成形すると、押出成形物の表面に粘稠なダイス
カスが付着する問題、樹脂の流れの乱れによる製品の外
観荒れが発生する問題、樹脂圧の上昇に伴う設備への負
荷が増大する問題等があった。また、押出成形体の機械
的特性、難燃特性等の諸物性を向上させるために、添加
剤を高比率に含有した高充填コンパウンドを用いる場
合、特に押出成形物の表面に固形状のダイスカスが付着
し易い問題があった。上記粘稠状あるいは固形状のダイ
スカスは、ダイスより離脱し押出成形物の表面に付着し
て成形品の外観を悪くするため、作業者または特別な装
置によって除去する必要があった。
【0003】上記粘稠状あるいは固形状のダイスカスの
発生を抑制するために、ベースポリマーの種類、添加剤
の種類、配合割合等のコンパウンドの配合面の検討、ま
た、ダイスの形状やジルコニアダイスのような特殊材質
の使用あるいはダイス内面コーティング等の設備面から
の検討がなされたが、未だダイスカスの付着を十分に防
止できていないのが現状である。すなわち、ベースポリ
マー等のコンパウンド配合面での検討では、特定のコン
パウンドについてのみ改善されるだけであり、また、ダ
イス形状等の検討では、十分な効果が得られず、いずれ
もダイスカス発生を抑制する根本的、かつ、十分な解決
はなされなかった。
【0004】本発明の第1の目的は、固形状のダイスカ
スの発生を防止し、美麗な表面外観を有する押出成形物
が得られる押出成形方法を提供することである。本発明
の第2の目的は、粘稠状ダイスカスの発生を防止し、美
麗な表面外観を有する押出成形物が得られる押出成形方
法を提供することである。本発明の第3の目的は、上記
第1の目的および第2の目的を同時に達成できる押出成
形方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、下記
の特徴を有する第1発明の押出成形方法によって達成さ
れる。 (1)ダイス内壁に潤滑剤を注入しながら、ベースポリ
マー100重量部に対して押出温度において非溶解性物
質からなる添加剤を50〜300重量部含有するコンパ
ウンドを押出成形することを特徴とする。
【0006】上記第2の目的は、下記の特徴を有する第
2発明の押出成形方法によって達成される。 (2)ダイスのみを成形温度より10〜100℃高めて
コンパウンドを押出成形することを特徴とする。
【0007】上記第3の目的は、下記の特徴を有する第
3発明の押出成形方法によって達成される。 (3)ダイス内壁に潤滑剤を注入するとともに、ダイス
のみを成形温度より10〜150℃高めて、ベースポリ
マー100重量部に対して添加剤を50〜300重量部
含有するコンパウンドを押出成形することを特徴とす
る。
【0008】本発明は、好ましくは次の態様よりなるも
のである。 (4)上記(1)または(3)において、潤滑剤が、成
形温度において1〜10000cpsの粘度を有し、か
つ、常温(20℃)において106 cps以下の粘度を
有することを特徴とする。
【0009】(5)上記(1)、(3)および(4)に
おいて、潤滑剤が、水溶性潤滑剤であることを特徴とす
る。
【0010】(6)上記(1)〜(5)において、導体
周囲にコンパウンドを押出成形することを特徴とする。
【0011】以下、本発明をより詳細に説明する。第1
発明は、高充填コンパウンドを押出成形するときに、ダ
イス内壁に潤滑剤を注入しながら押出成形することを特
徴とする。第1発明の押出成形方法に使用する押出成形
用コンパウンドは、ベースポリマー100重量部に対し
て添加剤を50〜300重量部含有するコンパウンドで
ある(以下、高充填コンパウンドという)。該ベースポ
リマーとしては、押出成形に供されるものであれば特に
制限はなく、プラスチックとしては、例えばエチレン・
プロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン、該ポリオレフィンの架橋体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体(EVA)、エチレン・エチルアクリレ
ート共重合体(EEA)、ポリ塩化ビニル、エチレン・
アクリル酸メチル共重合体、塩素化ポリエチレン等が例
示される。ゴムとしては、エチレン・プロピレンゴム、
ブチルゴム、ポリイソブタジエン、SBR、NBR、エ
チレン・αオレフィン共重合ゴム、4フッ化エチレン・
プロピレンゴム、クロロプレン等が例示される。
【0012】上記添加剤とは、強度や耐久性、難燃性な
どの諸物性を改善し、または増量、増容、製品のコスト
低減などを目的として添加するもので、ベースポリマー
に対する押出成形温度において非溶解性物質を意味す
る。上記添加剤としては、充填材、強化繊維、難燃剤等
が挙げられる。充填材の具体例としては、例えばミルト
ンベーパー等のタルク、クレー、シリカ、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ炭酸
マグネシウム、カオリン、モンモリロナイト、ジークラ
イト、ゼオライト、酸化チタン、マイカ、けい藻土、ウ
オラストナイト、アルミナ、マグネシア、炭素、アルミ
ニウム,銀等の粉末、フェノール,エポキシ,サラン,
ガラス,カーボン,シラス,亜鉛華等からなるマイクロ
バルーン等が例示される。また、強化繊維の具体例とし
ては、例えばガラス繊維,カーボン繊維,アラミド繊
維,ポリエチレン繊維等が例示される。また、難燃剤の
具体例としては、デカブロモジフェニルオキサイド、テ
トラブロモジフェニルオキサイド、デカクロロジフェニ
ルオキサイド、テトラクロロジフェニルオキサイド、ポ
リ(トリスブロモ)スチレン、エチレングリコールビス
(ペンタブロモフェニル)エーテル、テトラブロモビス
フェノールA誘導体、パークロロシクロペンタデカン、
塩素化パラフィン等のハロゲン系難燃剤、ポリ燐酸アン
モニウム等の燐酸エステルおよびリン化合物等、また、
水酸化アルミニウム〔Al2 3 ・nH2 O(nは0.5
〜6 、好ましくは2.5 〜3 )〕、水酸化マグネシウム
〔MgO・nH2 O(nは0.5 〜5 、好ましくは1.5 〜
2.5 )〕、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、酸化ジ
ルコニウム水和物、酸化スズ水和物、塩基性炭酸マグネ
シウム、ハイドロタルサイト、ドウソナイト、硼砂等の
水和金属酸化物、硼酸亜鉛、酸化亜鉛等の亜鉛化合物、
赤リン、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤が例示され
る。
【0013】高充填コンパウンドにおける添加剤の配合
量は、ベースポリマー100重量部に対して50〜30
0重量部、好ましくは100〜200重量部である。な
お、コンパウンドには、ベースポリマーに対する押出成
形温度において溶解性物質である、例えば可塑剤、酸化
防止剤、加工助剤、硬化剤等の公知の配合剤を添加して
もよい。
【0014】潤滑剤には、特に制限はないが、高充填コ
ンパウンドの構成成分やダイス材に対して非活性のも
の、成形温度によって熱分解しないものが好適に使用で
きる。
【0015】潤滑剤の粘度は、高充填コンパウンドを押
出成形するときに、美麗な表面外観を得るために、また
寸法精度に優れる成形品を製造するために重要な役割を
果たす。本発明では、成形温度(通常100〜300
℃)において1〜10000cps、好ましくは10〜
2000cps、より好ましくは100〜1000cp
sの粘度を有し、かつ、常温(20℃)において106
cps以下、好ましくは200〜20000cpsの粘
度を有するものを使用することが好ましい。
【0016】上記潤滑剤の注入部成形温度における粘度
が1cps未満であると、潤滑剤が有する本来の潤滑作
用が低下して潤滑剤が偏在し易い傾向を示し、例えばダ
イス内壁と高充填コンパウンドとの界面全体に均一にゆ
きわたらせることが困難になり、均一な連続皮膜を形成
することが困難になる傾向がある。一方、10000c
psを越えると、流動性に劣り注入部での流動抵抗が大
きくなり、ダイス内部に圧入することが困難になり、ま
た、潤滑性も低下する傾向がある。また、上記潤滑剤の
常温(20℃)における粘度が106 cpsを越えるも
のは、その供給装置が複雑となる。
【0017】このような粘度を有する潤滑剤としては、
例えば下記のものが例示される。 シリコーン系オイル:例えばジメチルポリシロキサン
〔商品名:東芝シリコーンオイルTSF451,YF-33等(東芝
シリコン社製)〕、〔商品名:KF−965,KF−3
52A(信越化学社製)〕、〔商品名:SH−200 (ト
ーレシリコーン社製)〕等。 グリコール系オイル:例えばポリアルキレンエーテル
グリコール〔商品名:ユニルーブ75DE-3800,75DE-2620,
50MB-168等(日本油脂社製)〕、〔商品名:ニューポル
75H−9000(三洋化成社製)〕、〔商品名:PE
L−NS(ブリティッシュペトロケミカル社:BP社
製)〕等。 パラフィン系オイル:例えば流動パラフィン、グリセ
リン等。 フッ素オイル:例えばパーフルオロポリエーテル〔商
品名:BARRIERTA J25/J25V, BARRIERTA J60/J60V, BARR
IERTA J400/J400V等(NOK社製)〕等。 脂肪酸エステル:例えばn−ブチル・ステアレート、
多価アルコール脂肪酸エステル〔商品名:アデカプルー
バーN-33,N-55,N-80,H-150,H-333,H-423,H-450等(旭電
化社製)〕等。 脂肪アルコール:例えば高級アルコール、高級アルコ
ール系複合型、高級アルコール・エステル等。 脂肪酸とアルコールの部分エステル:例えばグリセリ
ン脂肪酸エステル、ヒドロキシステアリン酸トリグリセ
リド、脂肪酸の部分エステル等。 その他:例えば複合系滑剤〔商品名:MarkFC-112,FC-
400,アデカスタブAX-38 等(アデカアーガス化学社
製)〕、酸化エチレンと酸化プロピレンとのブロック重
合物〔商品名:アデカカーポールMシリーズ,MHシリ
ーズ,DLシリーズ,GHシリーズ等(アデカアーガス
化学社製)〕、〔商品名:ニューポールPEシリーズ等
(三洋化成社製)〕等。
【0018】さらに、上記潤滑剤のなかでも水溶性の潤
滑剤は、押出成形物の洗浄工程(即ち水洗いするかまた
は水槽を通過させる工程)にて簡単に除去できるので好
ましい。このように、水溶性潤滑剤は押出成形物表面か
ら容易に除去できるので、押出成形物の表面に印刷を施
すことが可能になる。かかる潤滑剤としては、例えばユ
ニルーブ75DE-3800,ユニルーブ75DE-2620,ユニルーブ50
MB-168(日本油脂社製) ,ニューポール75H-90000 (三
洋化成社製) ,PEL−NS(BP社製)等が例示され
る。上記潤滑剤のなかでも、粘度および水溶解性の観点
から、ユニルーブ75DE-2620,ユニルーブ50MB-168が特に
好ましい。
【0019】本発明では、潤滑剤を下記条件下にダイス
内壁に注入することが好ましい。 (a)注入温度:潤滑剤は高充填コンパウンドと接触す
るとき、特に圧入ダイスを通過するとき、成形温度と同
等、即ち100〜300℃であることが好ましい。該潤
滑剤の温度が成形温度よりも低い場合は、押出成形時の
成形物の表面温度を急激に低下させ、表面状態(外観)
を悪化させたり、また、ダイス内圧力の上昇を招き、潤
滑剤の局部的な枯渇を招く危険性がある。このときは、
潤滑剤を予熱する装置を設ければよい。
【0020】(b)注入量:押出成形物の洗浄性を向上
させるため、また、成形物や絶縁電線の良好な外観を得
るために、潤滑剤の注入量はできるだけ少ないことが望
ましい。しかしながら、注入量が少ないときは、ダイス
壁面での摺動抵抗を増加させ、ダイスカスの発生を招く
恐れがあるので、本発明では、ダイスのランド部におい
て、1〜100μm、好ましくは2〜10μmの厚さで
高充填コンパウンドとダイス壁面間に潤滑剤が介在する
量を注入することが適当である。
【0021】(c)注入方法:押出成形中、連続的かつ
定量的に潤滑剤を供給する必要があり、さらに高充填コ
ンパウンドと潤滑剤との合流部は高圧であるので、その
圧力に打ち勝つ圧力で潤滑剤を注入することが必要であ
る。このために、例えばギヤポンプ等を用いて高圧にて
注入することが好ましい。このとき、ギヤポンプからダ
イスまでの配管は、圧力による膨張がないように、銅
管、鋼管、SUS管等の金属管またはブレードを施した
ゴムまたは樹脂ホースとすることが好ましい。
【0022】(d)注入位置:押出方向に溶融した高充
填コンパウンドの流れが均一となる場所より下流、好ま
しくはダイス付近の上流部またはダイス途中が好まし
い。
【0023】上記第1発明では、上記潤滑剤を注入でき
るダイスヘッド構造を有する押出成形機が使用できる。
このダイスヘッド構造としては、例えば図1に示す潤滑
剤供給構造を有するものが好適に使用できる。この第1
発明によれば、押出される高充填コンパウンドとダイス
内壁との間に潤滑油を存在させることにより固体状ダイ
スカスの発生が防止されるようになる。したがって、ダ
イスカス監視を不要にでき、そのための人件費や特別な
ダイスカス除去装置が不要となり費用や手間を省くこと
ができる。
【0024】第2発明は、コンパウンドを押出成形する
ときに、ダイスのみを成形温度より10〜100℃高め
てコンパウンドを押出成形することを特徴とする。ここ
にダイスは、例えば図2における符号3で示されるもの
であって、押出成形装置のヘッド先端に装置され、成形
物のサイズに応じて取り替えられる部品をいう。ダイス
を加熱する方法としては、ダイスを成形温度より10〜
100℃高めることができる方法であればよく、公知の
加熱方法を採用し得る。例えば、図2の説明図に示すよ
うに、ダイス3先端の押さえ板50の外周にヒーター4
0を設ければよい。上記ヒーター40によってダイス3
が成形温度より10〜100℃高められるので、押出成
形物がダイス3を通過するときに、その外周部がさらに
加熱され樹脂の粘度が下がり、該押出成形物表面が滑ら
かになる。また、ダイス内の樹脂の流動抵抗は低下し、
設備への負荷が軽減される。
【0025】この第2発明においては、第1発明にて説
明した如きベースポリマーが使用でき、また第1発明に
て説明した如き添加剤を配合してもよく、また他の配合
剤を配合してもよい。もちろん、高充填コンパウンドを
使用してもよい。本発明の第2発明によれば、樹脂の粘
度が低くなるため、結果的に押出成形物表面に粘稠なダ
イスカスが付着することを抑制でき、通常よりも成形速
度を高めることができる。
【0026】第3発明は、上記第1発明が特徴とする構
成と第2発明が特徴とする構成を組合せた構成としたこ
と、即ち、ダイス内壁に潤滑剤を注入するとともに、ダ
イスを成形温度より10〜150℃高めて、ベースポリ
マー100重量部に対して添加剤を50〜300重量部
含有するコンパウンドを押出成形することを特徴とす
る。この第3発明には、第1発明の方法と同様の高充填
コンパウンドが使用できる。また、例えば図1に示す潤
滑剤を注入できるダイスヘッド構造およびダイスを成形
温度より10〜100℃高めることができるヒーターを
備える押出成形機が好適に使用できる。本発明の第3発
明によれば、コンパウンドを押出成形するときに粘稠状
および固形状のダイスカスの発生が防止される。
【0027】本発明の第1〜3発明では、導体周囲に上
記コンパウンドを押出成形して絶縁電線を製造すること
ができる。用いる導体としては、通常絶縁電線に用いら
れている材料であればいずれも使用できるが、なかでも
銅、アルミニウムの使用が好ましく、通常、単導体、撚
り線導体、圧縮導体等として使用される。
【0028】
【作用】第1発明の押出成形方法によれば、ダイス内壁
に潤滑剤を注入しながら、高充填コンパウンドを押出成
形するので、溶融された高充填コンパウンドとダイス内
壁との間に潤滑剤が存在し、該溶融高充填コンパウンド
とダイス内壁との粘性抵抗が減少し、高充填コンパウン
ドがダイス出口に堆積することがなくなる。したがっ
て、ダイスカスが発生することが抑制される。特に、潤
滑剤として成形温度における特定の粘度を有する潤滑剤
を使用すると、押出機への圧入が容易で、且つ潤滑剤が
高温度下に使用されても、潤滑剤をダイス内壁と高充填
コンパウンド被覆層との界面全体に均一にゆきわたらせ
ることができ、均一な連続皮膜を形成することが可能に
なる。
【0029】さらに、潤滑剤として特に水溶性潤滑剤を
使用したときは、高充填コンパウンドを押出成形した
後、押出成形物を冷却水槽中を通過させることによっ
て、潤滑剤を容易に除去できるようになる。また、この
場合、冷却水は30〜90℃の温水が望ましい。さら
に、洗浄を確実にするために、超音波洗浄、温水シャワ
ー、エアバブルやブラシ、布、はけ等で機械的に取り除
くことが望ましい。
【0030】また、第2発明の押出成形方法によれば、
ダイスをその全長にわたって前記の高温度とするのでは
なく、ダイスのみを成形温度より10〜150℃高めて
コンパウンドを押出成形するので、押出成形物の外周部
はダイスを通過するときにさらに加熱され、樹脂の溶融
粘度が低くなるため、ダイス出口に発生する粘稠なダイ
スカス発生を抑制でき、押出成形物の外観は滑らかにな
り、また、流動性の促進による樹脂圧低下は、設備への
負荷を軽減する。
【0031】また、第3発明の押出成形方法によれば、
上記第1発明の作用と第2発明の作用とが同時に奏され
る。かくしてダイス出口面に付着する粘稠なダイスカス
や固体状のダイスカスの発生が防止されるようになり、
かつ、押出成形物表面は滑らかになり、設備への負荷も
軽減される。
【0032】なお、高充填コンパウンドがダイス出口面
に付着することが防止されること、または樹脂の粘度が
低下することによって押出成形速度を高めることがで
き、例えば電線製造時においては、線速度を速くするこ
とができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例を示し本発明をより具体的に説
明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。 実施例1〜2 図3に示す絶縁電線の製造工程に基づき、外径0.81
3mmの単銅線に、エチレン・エチルアクリレート共重合
体(EEA)/線状低密度ポリエチレン(LLDPE)
〔EEA/LLDPE=70/30(重量比)〕のベー
スポリマー100重量部に対して、デカブロモジフェニ
ルオキサイド20重量部、パークロロシクロペンタデカ
ン20重量部、亜鉛華35重量部、三酸化アンチモン1
5重量部、二酸化ケイ素20重量部等よりなる添加剤が
120重量部配合された溶融コンパウンドを、図1に示
す潤滑剤供給構造を有するダイスヘッド構造を備えた押
出成形機を用いて、温度170℃に加熱された潤滑剤
(商品名ユニルーブ75DE−2620 日本油脂社
製)をダイス内壁に連続的に供給しながら押出被覆した
後、40℃の水槽(長さ3m)中を通過させて冷却し
て、外径1.57mmの絶縁電線を製造した。上記潤滑剤
は、圧力80Kg/cm2 で、ダイスのランド部におい
て、厚さが5μmとなる量を注入した。なお、銅線の線
速を80m/分(実施例1)としたときおよび10m/
分(実施例2)としたときの2種類で実施した。また、
押出成形条件は表1に示す通りであった。
【0034】実施例3〜4および比較例1〜3 実施例1の方法において、コンパウンドの種類、潤滑剤
の使用および線速を表1に示すようにしてそれぞれ絶縁
電線を製造した。
【0035】上記実施例1〜4および比較例1〜3で製
造された各絶縁電線のダイスカスの発生状態および外表
面の仕上り状態は表1に示す通りであった。ダイスカス
の発生は、◎…全く発生なし、○…僅かに発生あり、△
…発生が目立つ、×…全面に発生ありで評価した。表面
外観は、◎…非常に優れる、○…良好、△…やや劣る、
×…劣るで評価した。
【0036】
【表1】
【0037】実施例5〜7 実施例1の方法において、押出成形温度および潤滑剤の
種類を表2に示すようにかえた以外はすべて実施例1と
同様にして絶縁電線を製造した。
【0038】実施例8 実施例1の方法において、押出成形機として図2に示す
ダイスヘッド構造を有する押出成形機を用い、表2に示
すように潤滑剤の供給を行わず、ダイス先端部のみをヒ
ーターで加熱するようにした以外はすべて実施例1と同
様にして絶縁電線を製造した。
【0039】実施例9 実施例1の方法において、図1に示すダイスヘッド構造
のヒーターを作動させてダイス先端部のみを加熱するよ
うにした以外はすべて実施例1と同様にして絶縁電線を
製造した。
【0040】実施例10 線速を200m/分、コンパウンドの押出成形温度を1
90℃とした以外は、全て実施例9と同様にして絶縁電
線を製造した。
【0041】上記実施例5〜10で製造された各絶縁電
線のダイスカスの発生状態および外表面の仕上り状態は
表2に示す通りであった。なお、実施例1と同様に評価
した。
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明の第1発明の押出成形方法によれ
ば、押出成形するときに固形状のダイスカスの発生を防
止でき、美麗な表面外観を有する押出成形物や絶縁電線
等が容易に得られる。また、本発明の第2発明の押出成
形方法によれば、コンパウンドを押出成形するときに樹
脂の粘度の低下により粘稠なダイスカスの発生が防止さ
れ、美麗な表面外観を有する押出成形物や絶縁電線等が
容易に得られる。また、設備への負荷が軽減される。ま
た、本発明の第3発明の押出成形方法によれば、コンパ
ウンドを押出成形するときに粘稠状および固形状のダイ
スカスの発生が防止され、美麗な表面外観を有する押出
成形物や絶縁電線等が容易に得られる。また、本発明の
押出成形方法によれば、上記のようにダイスカスの発生
が防止され、均一な絶縁層が形成できるので、絶縁電線
のスパークアウト等の不良の発生が防止できる。したが
って、押出成形物や絶縁電線の製造ラインにおけるダイ
スカス監視を不要にできる。また、押出成形速度を高速
にできるので、押出成形物や絶縁電線等の生産効率が向
上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】押出成形機のダイスヘッド構造における潤滑剤
供給構造を説明する図である。
【図2】押出成形機のダイスヘッド構造におけるダイス
先端部構造を説明する図である。
【図3】電線の押出成形工程を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 元彦 兵庫県尼崎市東向島西之町8番地 三菱電 線工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイス内壁に潤滑剤を注入しながら、プ
    ラスチックまたは/およびゴム(ベースポリマー)10
    0重量部に対して押出温度において非溶解性物質からな
    る添加剤を50〜300重量部含有するコンパウンドを
    押出成形することを特徴とする押出成形方法。
  2. 【請求項2】 ダイスのみを、成形温度より10〜10
    0℃高めてコンパウンドを押出成形することを特徴とす
    る押出成形方法。
  3. 【請求項3】 ダイス内壁に潤滑剤を注入するととも
    に、ダイスのみを成形温度より10〜150℃高めて、
    ベースポリマー100重量部に対して添加剤を50〜3
    00重量部含有するコンパウンドを押出成形することを
    特徴とする押出成形方法。
  4. 【請求項4】 潤滑剤が、成形温度において1〜100
    00cpsの粘度を有し、かつ、常温(20℃)におい
    て106 cps以下の粘度を有するものである請求項1
    または3に記載の押出成形方法。
  5. 【請求項5】 潤滑剤が、水溶性潤滑剤である請求項
    1、3または4のいずれかに記載の押出成形方法。
  6. 【請求項6】 導体周囲にコンパウンドを押出成形する
    ものである請求項1〜5のいずれかに記載の押出成形方
    法。
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