JPH08200404A - 発進装置 - Google Patents

発進装置

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Publication number
JPH08200404A
JPH08200404A JP1309495A JP1309495A JPH08200404A JP H08200404 A JPH08200404 A JP H08200404A JP 1309495 A JP1309495 A JP 1309495A JP 1309495 A JP1309495 A JP 1309495A JP H08200404 A JPH08200404 A JP H08200404A
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JP
Japan
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magnetic
clutch
engine
permanent magnet
magnetic coupling
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Pending
Application number
JP1309495A
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English (en)
Inventor
Koji Hori
孝二 堀
Mitsugi Yamashita
貢 山下
Hideki Ariga
秀喜 有賀
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Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
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Publication date
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  • Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】磁気カップリング容量を、回転数が低い領域に
おいて小さくすることができるようにする。 【構成】磁気カップリングと、エンジンの回転を変速装
置に伝達する発進クラッチ部材と、エンジンの回転を直
接変速装置に伝達する変速クラッチ部材とを有する。前
記磁気カップリングは、第1の回転部材と、非磁性体か
ら成る第2の回転部材と、第1の回転部材に配設された
永久磁石32と、第2の回転部材に配設された被駆動部
材33とから成り、該被駆動部材33は、二次導電材、
及び該二次導電材の背面に配設された強磁性部材から成
る。エンジン回転数が低いとき、二次導電材の背面に配
設された強磁性部材の磁束密度は飽和し磁束が少なくな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発進装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用の手動変速機においては、
エンジンと変速装置との間に発進装置が配設され、該発
進装置によってエンジンと変速装置とを断続することに
よりトルクを選択的に変速装置に伝達することができる
ようになっている。この場合、前記発進装置において
は、トルクが伝達されるフライホイールと圧力板との間
に乾式単板のクラッチ板が配設され、該クラッチ板に摩
擦板が配設される。そして、前記フライホイール及び圧
力板によりクラッチ板を選択的に挟むことによって、フ
ライホイールと圧力板とを係脱するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の発進装置においては、摩擦板として摩擦係数の高い
ものを使用すると、該摩擦板を滑らせながらクラッチ板
と圧力板とを係合させることができない。したがって、
前記発進装置によってエンジンと変速装置とを接続した
ときに、エンジン回転数と変速装置の入力側の回転数と
が瞬間的に等しくなり、ショックが発生してしまう。
【0004】これに対して、摩擦板として摩擦係数の低
いものを使用すると、該摩擦板を滑らせながらクラッチ
板と圧力板とを係合させることができるので、発進装置
によってエンジンと変速装置とを接続したときに、ショ
ックが発生することはない。ところが、前記発進装置の
トルク容量が小さくなってしまうので、摩擦板を複数配
設して多板化する必要がある。その結果、発進装置の重
量が増加して変速装置の入力側の慣性が大きくなり、変
速装置の同期機構に加わる負担が大きくなって変速装置
が同期するまでの時間が長くなってしまう。
【0005】そこで、エンジンと変速装置とを接続した
ときにショックが発生することがなく、変速装置の同期
機構に加わる負担を小さくして、変速装置が同期するま
での時間を短くすることができる発進装置が提供されて
いる(特願平5−355299号参照)。該発進装置に
おいては、変速装置の入力軸と変速クラッチ部材とを連
結し、かつ、エンジンの出力軸と発進クラッチ部材とを
連結し、前記変速クラッチ部材と発進クラッチ部材との
間にトルク伝達部材を回転自在に配設し、変速クラッチ
部材と発進クラッチ部材とを係脱自在にするようにして
いる。また、前記エンジンの回転に伴う磁気的抗力によ
って、前記トルク伝達部材を回転させることができるよ
うになっている。
【0006】この場合、例えば、クラッチペダルをわず
かに踏み込んだ状態を維持して変速クラッチ部材とトル
ク伝達部材とを係合させると、エンジンのトルクが磁気
的抗力によってトルク伝達部材に伝達され、半クラッチ
状態が形成される。また、前記クラッチペダルを元に戻
して、発進クラッチ部材及び変速クラッチ部材とトルク
伝達部材とを係合させると、エンジンのトルクがそのま
ま変速装置の入力軸に伝達され、クラッチ係合状態が形
成される。
【0007】この種の発進装置においては、前記磁気的
抗力を発生させるために磁気カップリングを使用してい
る。該磁気カップリングは、エンジンの出力軸側に取り
付けられた永久磁石と、トルク伝達部材側に取り付けら
れ、二次導電材及び該二次導電材の背面に配設されたコ
ア材を備えた被駆動部材とから成る。そして、わずかな
隙間(すきま)を置いて永久磁石と二次導電材とを対向
させ、永久磁石によって発生させられた磁束が二次導電
材を鎖交するようにしている。この場合、前記エンジン
からの回転を伝達して永久磁石を回転させると、二次導
電材を鎖交する磁束の量が変化し、該磁束の変化量に対
応して二次導電材に電磁誘導によるうず電流が流れる。
その結果、該うず電流と磁束との相互作用によって磁気
的抗力が発生させられ、前記二次導電材が回転させられ
る。
【0008】なお、前記磁気カップリングを、エンジン
の出力軸側に取り付けられた駆動部材と、トルク伝達部
材側に取り付けられた永久磁石とによって構成すること
もできる。ところで、電磁誘導を利用して伝達される回
転の回転数とトルクとは対数関数的に変化する。
【0009】したがって、エンジンがアイドリング状態
にあるときに変速クラッチ部材を係合させると、磁気カ
ップリングによって伝達することができるトルクの容量
(以下「磁気カップリング容量」という。)がエンジン
によって発生させられたトルクより大きくなってしまう
ので、エンストを起こす場合もある。本発明は、前記従
来の発進装置の問題点を解決して、磁気カップリング容
量を、回転数が低い領域において小さくすることができ
る発進装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の発
進装置においては、磁気的抗力によってトルクを伝達す
る磁気カップリングと、係脱自在に配設され、係合時に
エンジンの回転を前記磁気カップリングを介して受けて
変速装置に伝達する発進クラッチ部材と、係脱自在に配
設され、係合時にエンジンの回転を直接受けて変速装置
に伝達する変速クラッチ部材とを有する。
【0011】そして、前記磁気カップリングは、強磁性
体から成る第1の回転部材、非磁性体から成る第2の回
転部材、互いに異なる磁極を交互に前記第1の回転部材
に配設することによって形成された永久磁石、及び前記
第2の回転部材によって保持され、わずかな隙間を置い
て前記永久磁石と対向する面に位置させられた被駆動部
材から成る。
【0012】また、該被駆動部材は、二次導電材、及び
該二次導電材の背面に位置させられた強磁性部材から成
る。本発明の他の発進装置においては、磁気的抗力によ
ってトルクを伝達する磁気カップリングと、係脱自在に
配設され、係合時にエンジンの回転を前記磁気カップリ
ングを介して受けて変速装置に伝達する発進クラッチ部
材と、係脱自在に配設され、係合時にエンジンの回転を
直接受けて変速装置に伝達する変速クラッチ部材とを有
する。
【0013】そして、前記磁気カップリングは、非磁性
体から成る第1の回転部材、強磁性体から成る第2の回
転部材、互いに異なる磁極を交互に前記第1の回転部材
に配設することによって形成された永久磁石、該永久磁
石の背面に位置させられた強磁性部材、及び前記第2の
回転部材によって保持され、わずかな隙間を置いて前記
永久磁石と対向する面に位置させられた被駆動部材から
成る。
【0014】また、該被駆動部材は二次導電材から成
る。
【0015】
【作用及び発明の効果】本発明によれば、前記のように
発進装置においては、磁気的抗力によってトルクを伝達
する磁気カップリングと、係脱自在に配設され、係合時
にエンジンの回転を前記磁気カップリングを介して受け
て変速装置に伝達する発進クラッチ部材と、係脱自在に
配設され、係合時にエンジンの回転を直接受けて変速装
置に伝達する変速クラッチ部材とを有する。
【0016】そして、前記磁気カップリングは、強磁性
体から成る第1の回転部材、非磁性体から成る第2の回
転部材、互いに異なる磁極を交互に前記第1の回転部材
に配設することによって形成された永久磁石、及び前記
第2の回転部材によって保持され、わずかな隙間を置い
て前記永久磁石と対向する面に位置させられた被駆動部
材から成る。
【0017】また、該被駆動部材は、二次導電材、及び
該二次導電材の背面に位置させられた強磁性部材から成
る。この場合、運転者がクラッチペダルを踏み込むと、
発進クラッチ部材及び変速クラッチ部材とトルク伝達部
材とは解放され、クラッチ解放状態が形成される。次
に、運転者がクラッチペダルを徐々に戻すと、前記変速
クラッチ部材とトルク伝達部材との係合が開始され、半
クラッチ状態が形成される。このとき、磁気的抗力によ
ってエンジンのトルクが変速装置に伝達される。
【0018】続いて、前記変速クラッチ部材の係合が終
了すると、発進クラッチ部材の係合が開始され、該発進
クラッチ部材の係合が終了すると、クラッチ係合状態が
形成される。ところで、半クラッチ状態が形成されてい
る間において、エンジン回転数が低い場合、二次導電材
の背面に配設された強磁性部材の磁束密度は所定の値に
達すると飽和してしまう。したがって、磁束回路を形成
する磁束が少なくなり、二次導電材を鎖交する磁束がそ
の分少なくなり、磁気カップリング容量もその分小さく
なる。
【0019】その結果、エンジンから伝達されるアイド
リングトルクは、磁気カップリング容量より大きくなる
ので、エンストを起こしてしまうことはない。また、運
転者がアクセルペダルを踏み込んでエンジン回転数を高
くした場合、永久磁石の回転数と被駆動部材の回転数と
の差が大きくなり、前記被駆動部材に発生するうず電流
が磁界を発生させ、永久磁石の磁束が二次導電材の背面
に配設された強磁性部材を通過するのを妨げてしまう。
【0020】したがって、該強磁性部材を通過する磁束
が少なくなるので、強磁性部材の磁束密度は低くなり飽
和することはない。その結果、前記二次導電材を鎖交す
る磁束は、永久磁石の回転数と被駆動部材の回転数との
差に対応して変化する。このように、電磁誘導を利用す
る磁気カップリングにおいて、回転数が低い領域におい
ては磁気カップリング容量を小さくすることができる。
【0021】本発明の他の発進装置においては、磁気的
抗力によってトルクを伝達する磁気カップリングと、係
脱自在に配設され、係合時にエンジンの回転を前記磁気
カップリングを介して受けて変速装置に伝達する発進ク
ラッチ部材と、係脱自在に配設され、係合時にエンジン
の回転を直接受けて変速装置に伝達する変速クラッチ部
材とを有する。
【0022】そして、前記磁気カップリングは、非磁性
体から成る第1の回転部材、強磁性体から成る第2の回
転部材、互いに異なる磁極を交互に前記第1の回転部材
に配設することによって形成された永久磁石、該永久磁
石の背面に位置させられた強磁性部材、及び前記第2の
回転部材によって保持され、わずかな隙間を置いて前記
永久磁石と対向する面に位置させられた被駆動部材から
成る。
【0023】また、該被駆動部材は二次導電材から成
る。この場合、半クラッチ状態が形成されている間にお
いて、エンジン回転数が低い場合、永久磁石の背面に配
設された強磁性部材の磁束密度は所定の値になると飽和
してしまう。したがって、磁束回路を形成する磁束が少
なくなり、二次導電材を鎖交する磁束がその分少なくな
り、磁気カップリング容量もその分小さくなる。
【0024】その結果、エンジンから伝達されるアイド
リングトルクは、磁気カップリング容量より大きくなる
ので、エンストを起こしてしまうことはない。また、運
転者がアクセルペダルを踏み込んでエンジン回転数を高
くした場合、永久磁石の回転数と被駆動部材の回転数と
の差が大きくなり、前記被駆動部材に発生するうず電流
の値が大きくなるとともに、該うず電流によって発生さ
せられる磁界も大きくなるので、永久磁石の磁束が二次
導電材の背面に配設された強磁性部材を通過するのを妨
げてしまう。
【0025】したがって、該強磁性部材を通過する磁束
が少なくなるので、強磁性部材の磁束密度は低くなり飽
和することはない。その結果、前記二次導電材を鎖交す
る磁束は、永久磁石の回転数と被駆動部材の回転数との
差に対応して変化する。このように、電磁誘導を利用す
る磁気カップリングにおいて、回転数が低い領域におい
ては磁気カップリング容量を小さくすることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図2は本発明の第1の実施例に
おける発進装置の断面図である。図に示すように、発進
装置は図示しないエンジンの出力軸(クランクシャフ
ト)11と図示しない変速装置の入力軸10との間に配
設され、エンジンと変速装置とを断続させる。前記エン
ジンの回転は発進装置を介して変速装置に伝達され、該
変速装置において変速させられ、図示しない差動装置に
おいて差動させられて図示しない左右の駆動輪に伝達さ
れる。前記変速装置においては、二つの並列な軸の上に
歯数比が異なる複数のギヤセットが配設され、該ギヤセ
ットの組合せを変更することによって、特定のギヤ比を
設定することができる。
【0027】前記発進装置においては、前記出力軸11
に円板状のフライホイール12を介して発進クラッチ部
材14が接続される。該発進クラッチ部材14は、前記
フライホイール12と共に出力軸11の端面にボルト1
6によって固定されたクラッチハブ18、該クラッチハ
ブ18の外周に固定された板ばね19、及び該板ばね1
9の両面に固定された摩擦板21から成る。そして、前
記フライホイール12のボス部22の外周にはベアリン
グ24が配設され、該ベアリング24を介してトルク伝
達部材26が出力軸11に対して相対回転自在に支持さ
れる。なお、前記板ばね19は両摩擦板21を互いに離
れる方向に付勢し、両摩擦板21間に圧縮代を形成す
る。
【0028】前記トルク伝達部材26は、前記ベアリン
グ24の径方向外方において前記フライホイール12と
対向させて配設されたクラッチホイール27、該クラッ
チホイール27の外周縁部に配設された環状のアウタリ
ング29、該アウタリング29と共にクラッチホイール
27にボルト30によって固定されたクラッチカバー3
1、前記アウタリング29の径方向内方においてクラッ
チホイール27と共に前記発進クラッチ部材14を挟ん
で配設され、アウタリング29とリターンスプリング3
6とを介して連結された金属製の中間圧力板35、及び
前記クラッチカバー31の径方向内方において中間圧力
板35と共に変速クラッチ部材15を挟んで配設された
圧力板37から成る。前記リターンスプリング36は、
中間圧力板35とクラッチホイール27とを互いに離れ
る方向に付勢し、発進クラッチ部材14とトルク伝達部
材26とを解放する。
【0029】なお、本実施例においては、ベアリング2
4を介してトルク伝達部材26が出力軸11に対して相
対回転自在に支持されているが、図示しないベアリング
によってトルク伝達部材26を発進装置ケーシング23
に回転自在に支持するようにしてもよい。また、前記フ
ライホイール12は強磁性体から成る。そして、該フラ
イホイール12におけるクラッチホイール27と対向す
る面には、永久磁石32が嵌入(かんにゅう)される。
該永久磁石32は、フライホイール12の円周方向に配
列され、S極、N極、S極、N極、…のように互いに異
なる磁極が隣接させられる。なお、前記永久磁石32と
しては、フェライト磁石、耐熱性の高いサマリウムコバ
ルト磁石等を使用することもできる。
【0030】一方、クラッチホイール27におけるフラ
イホイール12と対向する面には、環状の被駆動部材3
3が嵌入される。その結果、永久磁石32によってが発
生させられた磁束が被駆動部材33を鎖交する。該被駆
動部材33は、非磁性の二次導電材と強磁性体とから成
り、前記二次導電材としては、銅、アルミニウム等を、
強磁性体としては鉄材を使用することができる。そし
て、前記永久磁石32及び被駆動部材33によって磁気
カップリングが構成される。
【0031】ところで、アイドリング状態等においてエ
ンジン回転数が低い場合、被駆動部材33を鎖交する磁
束の量が変化し、該磁束の変化量に対応して被駆動部材
33に電磁誘導によるうず電流が流れる。したがって、
該うず電流と永久磁石32の磁束との相互作用によっ
て、トルク伝達部材26とフライホイール12との間に
磁気的抗力が発生させられ、被駆動部材33が回転させ
られる。
【0032】なお、前記磁気的抗力は、トルク伝達部材
26の回転数とフライホイール12の回転数との差に対
応して変化する。この場合、両者間の回転数の差が所定
以上に大きくなると磁気的抗力は小さくなる。また、前
記変速装置の入力軸10の端部に、ダンパ41を介して
前記変速クラッチ部材15が配設され、中間圧力板35
と対向させられる。前記ダンパ41は、前記入力軸10
とスプライン連結されたダンパハブ45に固定される。
前記ダンパ41は、前記発進クラッチ部材14と変速ク
ラッチ部材15とを介して入力軸10に伝達されるトル
クの変動を平滑化するためのものであり、変速クラッチ
部材15と連結され、該変速クラッチ部材15を介して
トルクが伝達される第1部材42、ダンパハブ45と連
結された第2部材43、及び第1部材42と第2部材4
3との間に配設されたダンパスプリング44から成る。
前記トルクは発進クラッチ部材14、変速クラッチ部材
15及びダンパ41を介して入力軸10に伝達され、ト
ルクの変動に対応してダンパ41のダンパスプリング4
4が伸縮する。
【0033】また、前記変速クラッチ部材15は前記第
1部材42の外周に固定された板47、及び該板47の
両面に固定された摩擦板49から成る。そして、前記圧
力板37は、外周縁に形成された突出部50において、
ストラップ51を介してクラッチカバー31と連結され
る。該クラッチカバー31は前記変速装置側の端面に支
持部55を有し、該支持部55によってダイヤフラムス
プリング57が挟持され保持される。該ダイヤフラムス
プリング57は環状体から成り、外周縁が前記圧力板3
7と当接させられ、内周縁がレリーズベアリング58と
当接させられる。なお、59はボルト60によって前記
圧力板37に固定され、前記ダイヤフラムスプリング5
7の外周縁を前記圧力板37に押圧するための保持スプ
リングである。
【0034】したがって、前記レリーズベアリング58
が軸方向に移動するのに伴ってダイヤフラムスプリング
57の外周縁も軸方向に移動することができるので、圧
力板37によって、変速クラッチ部材15とトルク伝達
部材26とを係脱したり、発進クラッチ部材14及び変
速クラッチ部材15とトルク伝達部材26とを係脱した
りすることができる。
【0035】前記レリーズベアリング58は、入力軸1
0を包囲して前記発進装置ケーシング23に固定された
スリーブ63に対して摺動(しゅうどう)自在に配設さ
れ、該スリーブ63の外周と摺動させられる摺動部材6
4、及びベアリング本体65から成り、該ベアリング本
体65のインナレースが軸方向のエンジン側に突出して
前記ダイヤフラムスプリング57の内周縁と当接させら
れる。
【0036】また、前記レリーズベアリング58を軸方
向に移動させるためにレリーズフォーク68が配設され
る。該レリーズフォーク68の内端は前記レリーズベア
リング58の変速装置側の端面と対向させられ、外端は
入力軸10と垂直の方向に延びて発進装置ケーシング2
3を貫通し、該発進装置ケーシング23の外部において
レリーズシリンダ70のロッド71と対向させられる。
なお、前記レリーズフォーク68は図示しない線状のリ
ターンスプリングを有する。
【0037】前記レリーズシリンダ70は、リターンス
プリング75、ピストン76及びロッド71から成り、
油圧によってピストン76を作動させ、ロッド71によ
ってレリーズフォーク68の外端を移動させる。前記レ
リーズシリンダ70は、図示しない油路によってマスタ
ーシリンダと連結される。そして、該マスターシリンダ
は、図示しないクラッチペダルと更に連結される。運転
者が該クラッチペダルを踏み込むと、マスターシリンダ
が作動させられ、該マスターシリンダによって発生させ
られた油圧を前記レリーズシリンダ70に供給し、ロッ
ド71を前進(図における左方向に移動)させることが
できる。これに対して、運転者がクラッチペダルを戻す
と、前記レリーズシリンダ70内の油圧をマスターシリ
ンダに供給し、ロッド71を後退(図における右方向に
移動)させることができる。
【0038】ところで、前記ダイヤフラムスプリング5
7が圧力板37に加える付勢力は、発進クラッチ部材1
4及び変速クラッチ部材15とトルク伝達部材26とを
係合させて、前記エンジンの出力軸11と変速装置の入
力軸10との間において十分にトルクを伝達することが
できるだけの力に対応させられる。また、前記レリーズ
ベアリング58には、レリーズフォーク68の内端を包
囲する係止部材82が取り付けられ、該係止部材82を
介してレリーズベアリング58の内端とレリーズフォー
ク68とが係止される。
【0039】そして、該レリーズフォーク68の外端が
前記ロッド71の前進によって図における左方向に押さ
れると、レリーズフォーク68は支持部材73を支点と
して揺動し、梃子(てこ)の原理によって押圧力及びス
トロークが調整され、レリーズフォーク68の内端を図
における右方向に移動させ、ダイヤフラムスプリング5
7の付勢力に打ち勝ちながらレリーズベアリング58を
押す。
【0040】該レリーズベアリング58の移動によって
ダイヤフラムスプリング57の内周縁を同方向に移動さ
せ、該ダイヤフラムスプリング57を揺動させて外周縁
を図における左方向に移動させる。その結果、ダイヤフ
ラムスプリング57の圧力板37への付勢力は軽減又は
解除されるとともに、圧力板37は図における左方向に
移動させられる。
【0041】これに対して、レリーズフォーク68は、
外端が図における右方向に戻されると、支持部材73を
支点として揺動し、内端を図における左方向に移動させ
る。このとき、前記ダイヤフラムスプリング57の付勢
力によってレリーズベアリング58は図における左方向
に移動させられ、ダイヤフラムスプリング57の外周縁
が圧力板37を押圧する。そして、押圧力が大きくなる
に従って、圧力板37は、まず、変速クラッチ部材15
とトルク伝達部材26とを係合させ、次に、発進クラッ
チ部材14及び変速クラッチ部材15とトルク伝達部材
26とを係合させる。
【0042】次に、前記構成の発進装置の動作について
図3から7までを併用して説明する。図3は本発明の第
1の実施例におけるクラッチ解放状態図、図4は本発明
の第1の実施例における半クラッチ状態図、図5は本発
明の第1の実施例におけるクラッチ係合状態図、図6は
本発明の第1の実施例における発進装置のトルク容量特
性図、図7は本発明の第1の実施例における発進装置の
押付け荷重特性図である。なお、図6において、横軸に
レリーズストロークを、縦軸にトルク容量を採ってあ
る。また、図7において、横軸にレリーズストローク
を、縦軸に押付け荷重を採ってある。
【0043】クラッチ解放状態においては、図示しない
クラッチペダルが踏み込まれ、図3に示すように、圧力
板37が図における左方向に移動させられ、発進クラッ
チ部材14及び変速クラッチ部材15とトルク伝達部材
26とは解放される。このとき、変速クラッチ部材15
の摩擦板49は圧力板37とも中間圧力板35とも接触
しない。また、発進クラッチ部材14の摩擦板21は中
間圧力板35ともクラッチホイール27とも接触しな
い。このとき、図6に示すように、発進装置のトルク容
量は“0”である。
【0044】なお、12はフライホイール、19は板ば
ね、32は永久磁石、33は被駆動部材、36はリター
ンスプリングである。次に、クラッチペダルを徐々に戻
し、図4に示すように、摩擦板49と圧力板37とが、
また、摩擦板49と中間圧力板35とが接触すると、前
記変速クラッチ部材15とトルク伝達部材26との係合
が開始され、半クラッチ状態が形成される。このとき、
図示しないエンジンはアイドリング状態にあり、フライ
ホイール12が低速で回転させられているので、磁気的
抗力によってフライホイール12からクラッチホイール
27にトルクが伝達される。この場合、クラッチホイー
ル27はフライホイール12より回転速度が低い。この
ように、前記クラッチホイール27に伝達されたトルク
は変速クラッチ部材15を介して図示しない変速装置に
伝達される。
【0045】このとき、レリーズストロークを小さくし
ているので、ダイヤフラムスプリング57(図2)が圧
力板37と摩擦板49とを、また、摩擦板49と中間圧
力板35とを滑らせながらクラッチホイール27側に移
動し、その後、前記変速クラッチ部材15とトルク伝達
部材26との係合を終了する。この間、発進装置のトル
ク容量は大きくなり、図6の点P1 の値から点P2 の値
になる。また、押付け荷重も大きくなり、図7のリター
ンスプリング荷重線L1に沿って点Q1 の値から点Q2
の値になる。
【0046】続いて、レリーズストロークを更に小さく
すると、リターンスプリング36の付勢力に抗して中間
圧力板35がクラッチホイール27側に移動し、摩擦板
21と中間圧力板35とが、また、摩擦板21とクラッ
チホイール27とが接触し、トルク伝達部材26と発進
クラッチ部材14との係合が開始される。その間、磁気
カップリング容量は変化しないので、発進装置のトルク
容量は一定であり、図6の点P2 の値と点P3 の値とは
等しい。一方、押付け荷重はリターンスプリング36が
収縮するので大きくなり、図7のリターンスプリング荷
重線L1に沿って点Q2 の値から点Q3 の値になる。
【0047】このように、制御範囲Aにおいては、発進
装置のトルク容量を一定にすることができる。したがっ
て、前記変速装置を前進1速(前進時において最もギヤ
比が大きい変速段)に設定しておくと、トルクを変速装
置に伝達して車両を発進させることができる。なお、前
記クラッチホイール27とフライホイール12とは直接
連結されないので、半クラッチ状態が形成される際に変
速クラッチ部材15及びクラッチホイール27が停止さ
せられていても、エンストを起こしてしまうことはな
い。
【0048】また、半クラッチ状態においては、前記磁
気的抗力に対応させられたトルクを変速装置に伝達する
ことができる。したがって、変速装置に伝達されたトル
クによって車両をクリープさせることができるので、登
坂路における発進を容易にすることができる。次に、レ
リーズストロークを更に小さくすると、中間圧力板35
がリターンスプリング36の付勢力に抗して摩擦板21
と中間圧力板35とを、また、摩擦板21とクラッチホ
イール27とを滑らせながらクラッチホイール27側に
更に移動する。そして、図5に示すように、板ばね19
の圧縮代がなくなり、トルク伝達部材26と発進クラッ
チ部材14との係合が終了される。その間、発進装置の
トルク容量は大きくなり、図6の点P3 の値から点P4
の値になる。また、押付け荷重も大きくなり、図7の変
速クラッチ荷重線L2に沿って点Q3 の値から点Q4
値になる。このとき、クラッチ係合状態が形成される。
なお、L3は発進クラッチ荷重線である。
【0049】そして、前記クラッチ係合状態において
は、変速クラッチ部材15及び発進クラッチ部材14と
トルク伝達部材26とが係合し、フライホイール12の
回転は発進クラッチ部材14を介してトルク伝達部材2
6に伝達される。したがって、クラッチホイール27の
回転速度とフライホイール12の回転速度との間に差は
なく、前記磁気的抗力は発生しない。
【0050】次に、変速時の発進装置の動作について説
明する。アップシフトを行う場合、変速後のエンジン回
転数は変速前のエンジン回転数より低くなり、ダウンシ
フトを行う場合、変速後のエンジン回転数は変速前のエ
ンジン回転数より高くなる。また、アップシフトを行う
場合は、まず、トルク伝達部材26と発進クラッチ部材
14とが解放され、次に、トルク伝達部材26と変速ク
ラッチ部材15とが解放される。そして、変速装置の変
速段が変更され、再び発進クラッチ部材14及び変速ク
ラッチ部材15とトルク伝達部材26とが係合させられ
る。このとき、前記永久磁石32と被駆動部材33との
相互作用によって係合は円滑に行われる。
【0051】例えば、車速が一定で、変速前にエンジン
が毎分4000回転で回転していて、変速後に毎分25
50回転になる場合を想定すると、前記相互作用がない
ときは、トルク伝達部材26と変速クラッチ部材15と
を係合させていた時点、すなわち、変速前のエンジン回
転数(毎分4000回転)を慣性によって維持しようと
する。
【0052】そして、アップシフト時において、普通は
アクセル開度が小さくなるので、エンジン回転数は低下
する。また、変速クラッチ部材15の回転数は変速後に
毎分2550回転になる。したがって、前記トルク伝達
部材26だけが高い回転数で回転することになるが、前
記相互作用によってトルク伝達部材26はエンジン回転
数に対応した回転数になるので、発進クラッチ部材14
及び変速クラッチ部材15とトルク伝達部材26とが円
滑に係合させられる。
【0053】また、ダウンシフトを行う場合も同様に、
発進クラッチ部材14及び変速クラッチ部材15とトル
ク伝達部材26とが円滑に係合させられる。ところで、
電磁誘導を利用して伝達される回転の回転数とトルクと
は対数関数的に変化し、磁気カップリング容量は、回転
数が低い領域において比較的大きくなる。
【0054】そこで、本実施例においては、前記磁気カ
ップリング容量を、回転数が低い領域において比較的小
さくするようにしている。図1は本発明の第1の実施例
における発進装置の拡大図、図8は本発明の第1の実施
例における磁気カップリングの第1の状態図、図9は本
発明の第1の実施例における磁気カップリングの第2の
状態図である。
【0055】図において、12は透磁率の高い強磁性
体、例えば、鉄材から成る第1の回転部材としてのフラ
イホイール、27は透磁率の低い非磁性体、例えば、ス
テンレス鋼(SUS)から成る第2の回転部材としての
クラッチホイール、32は環状の永久磁石、33は該永
久磁石32と対向させて配設された環状の被駆動部材で
ある。前記永久磁石32においては、S極、N極、S
極、N極、…のように互いに異なる磁極が隣接させられ
る。
【0056】前記被駆動部材33は、透磁率の低い非磁
性体から成り、前記永久磁石32と対向させて配設され
て二次導電材を構成する環状の銅板86、及び透磁率の
高い強磁性体から成り、前記銅板86の背面に配設され
てコア材を構成する強磁性部材としての環状の鉄板85
を有する。該鉄板85と銅板86とは接着、溶着、溶接
等の固定手段によって互いに固定される。また、前記銅
板86と永久磁石32との間にはわずかな隙間が形成さ
れる。
【0057】そして、図示しないエンジンがアイドリン
グ状態等においてエンジン回転数が低い場合は、図8に
示すように、永久磁石32によって発生させられた磁束
は銅板86を通過し、鉄板85に到達するが、該鉄板8
5はクラッチホイール27、すなわち、非磁性体によっ
て包囲されているので、鉄板85の磁束密度は所定の値
に達すると飽和してしまう。したがって、磁束回路を形
成する磁束が少なくなり、銅板86を鎖交する磁束がそ
の分少なくなり、磁気カップリング容量もその分小さく
なる。
【0058】これに対して、運転者が図示しないアクセ
ルペダルを踏み込んでエンジン回転数を高くすると、永
久磁石32の回転数と被駆動部材33の回転数との差が
大きくなり、誘導電流の周波数が高くなるので、前記銅
板86に発生するうず電流の値が大きくなるとともに、
該うず電流によって発生させられる磁界も大きくなるの
で、永久磁石32の磁束が鉄板85を通過するのを妨げ
る(表皮効果)。
【0059】したがって、図9に示すように、鉄板85
を通過する磁束が少なくなるので、磁束密度が低くなり
飽和することはない。その結果、前記銅板86を通過す
る磁束は、永久磁石32の回転数と被駆動部材33の回
転数との差に対応して変化する。図10は本発明の第1
の実施例における磁気カップリングのトルク伝達特性図
である。なお、図において、横軸に回転数を、縦軸に磁
気カップリング容量及び磁束密度を採ってある。
【0060】図において、L4は通常の電磁誘導におけ
るトルク伝達特性線、L5は本実施例における磁気カッ
プリングのトルク伝達特性線、L6は通常の電磁誘導に
おける磁束密度線、L7は本実施例における磁気カップ
リングの鉄板85(図1)の磁束密度線である。また、
i は図示しないエンジンにおけるアイドリング回転
数、Ti は前記エンジンにおけるアイドリングトルクで
ある。
【0061】前記永久磁石32の回転数がNS になるま
では、鉄板85の磁束密度が飽和しているので、磁束密
度線L7のような値を採る。したがって、その間の磁気
カップリング容量Tc はトルク伝達特性線L5のように
なり、トルク伝達特性線L4と比べて値が小さくなる。
そして、永久磁石32の回転数が高くなるほど、磁気カ
ップリング容量Tc は、トルク伝達特性線L4に近い値
を有するようになり、永久磁石32の回転数がNS にな
ると、トルク伝達特性線L4と同じ値になる。
【0062】ところで、前記エンジンがアイドリング状
態にあり、アイドリング回転数Niの回転が永久磁石3
2に伝達される場合に変速クラッチ部材15(図2)を
係合させると、磁気カップリングによってトルクが伝達
される。そして、アイドリング状態においてエンジンか
らアイドリングトルクTi が磁気カップリングに伝達さ
れるが、前記磁気カップリング容量Tc はアイドリング
トルクTi より小さい。
【0063】したがって、車両を発進させようとしたと
きに、駆動輪を介して逆方向に伝達される反力は、磁気
カップリングによって制限されてエンジンに伝わるの
で、エンストが起こることはない。このように、磁気カ
ップリング容量を回転数が低い領域において小さくする
ことができる。
【0064】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図11は本発明の第2の実施例における発進装置
の拡大図、図12は本発明の第2の実施例における磁気
カップリングの第1の状態図、図13は本発明の第2の
実施例における磁気カップリングの第2の状態図であ
る。図において、12は透磁率の低い非磁性体、例え
ば、ステンレス鋼(SUS)から成る第1の回転部材と
してのフライホイール、27は透磁率の高い強磁性体、
例えば、鉄材から成る第2の回転部材としてのクラッチ
ホイール、32は環状の永久磁石、33は該永久磁石3
2と対向させてわずかな隙間を置いて配設された環状の
被駆動部材である。前記永久磁石32においては、S
極、N極、S極、N極、…のように互いに異なる磁極が
隣接させられる。
【0065】前記被駆動部材33は、透磁率の低い非磁
性体、例えば、銅板から成り、前記鉄板85(図1)に
おける永久磁石32と対向する面に固定される環状の二
次導電材を構成する。一方、前記永久磁石32の背面に
は、透磁率の高い強磁性体から成る強磁性部材としての
環状の鉄板91が配設される。
【0066】そして、アイドリング状態等においてエン
ジン回転数が低い場合は、図12に示すように、永久磁
石32によって発生させられた磁束は被駆動部材33を
通過し、クラッチホイール27を介して鉄板91に到達
するが、該鉄板91はフライホイール12、すなわち、
非磁性体によって包囲されているので、鉄板91の磁束
密度は所定の値に達すると飽和してしまう。したがっ
て、磁束回路を形成する磁束が少なくなり、被駆動部材
33を鎖交する磁束がその分少なくなり、磁気カップリ
ング容量もその分小さくなる。
【0067】これに対して、運転者が図示しないアクセ
ルペダルを踏み込んでエンジン回転数を高くすると、永
久磁石32の回転数と被駆動部材33の回転数との差が
大きくなり、誘導電流の周波数が高くなるので、前記被
駆動部材33に発生するうず電流の値が大きくなるとと
もに、該うず電流によって発生させられる磁界も大きく
なるので、永久磁石32の磁束が鉄板91を通過するの
を妨げる(表皮効果)。
【0068】したがって、図13に示すように、鉄板9
1を通過する磁束が少なくなるので、磁束密度が低くな
り飽和することはない。その結果、前記被駆動部材33
を通過する磁束は、永久磁石32の回転数と被駆動部材
33の回転数との差に対応して変化する。次に、本発明
の第3の実施例について説明する。
【0069】図14は本発明の第3の実施例におけるク
ラッチ解放状態図である。図において、12はフライホ
イール、14は発進クラッチ部材、15は変速クラッチ
部材、21、49は摩擦板、26はトルク伝達部材、2
7はクラッチホイール、32は永久磁石、33は被駆動
部材、35は中間圧力板、36はリターンスプリング、
37は圧力板、93は板スプリングである。
【0070】この場合、摩擦板49を板スプリング93
によって中間圧力板35及び圧力板37に付勢するよう
になっているので、発進装置のトルク容量が一定になる
制御範囲を図6の制御範囲Aより広くすることができ、
また、発進クラッチ荷重の最大値を図7のものより大き
くすることができる。次に、本発明の第4の実施例につ
いて説明する。
【0071】図15は本発明の第4の実施例における発
進装置の概念図である。図において、101はエンジ
ン、102は変速装置、10は入力軸、11は出力軸、
32は永久磁石、33は被駆動部材、14は発進クラッ
チ部材、15は変速クラッチ部材である。また、108
は前記被駆動部材33に伝達された回転を、変速クラッ
チ部材15を介して入力軸10に伝達するトルク伝達部
材である。
【0072】この場合、磁気カップリング、トルク伝達
部材108及び変速クラッチ部材15から成る第1のト
ルク伝達系と、発進クラッチ部材14から成る第2のト
ルク伝達系とが並列に配設されているので、変速クラッ
チ部材15は半クラッチ状態を形成する際にだけ係合さ
れることになる。したがって、変速クラッチ部材15の
容量を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における発進装置の拡大
図である。
【図2】本発明の第1の実施例における発進装置の断面
図である。
【図3】本発明の第1の実施例におけるクラッチ解放状
態図である。
【図4】本発明の第1の実施例における半クラッチ状態
図である。
【図5】本発明の第1の実施例におけるクラッチ係合状
態図である。
【図6】本発明の第1の実施例における発進装置のトル
ク容量特性図である。
【図7】本発明の第1の実施例における発進装置の押付
け荷重特性図である。
【図8】本発明の第1の実施例における磁気カップリン
グの第1の状態図である。
【図9】本発明の第1の実施例における磁気カップリン
グの第2の状態図である。
【図10】本発明の第1の実施例における磁気カップリ
ングのトルク伝達特性図である。
【図11】本発明の第2の実施例における発進装置の拡
大図である。
【図12】本発明の第2の実施例における磁気カップリ
ングの第1の状態図である。
【図13】本発明の第2の実施例における磁気カップリ
ングの第2の状態図である。
【図14】本発明の第3の実施例におけるクラッチ解放
状態図である。
【図15】本発明の第4の実施例における発進装置の概
念図である。
【符号の説明】
12 フライホイール 14 発進クラッチ部材 15 変速クラッチ部材 27 クラッチホイール 32 永久磁石 33 被駆動部材 85、91 鉄板 86 銅板 101 エンジン 102 変速装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気的抗力によってトルクを伝達する磁
    気カップリングと、係脱自在に配設され、係合時にエン
    ジンの回転を前記磁気カップリングを介して受けて変速
    装置に伝達する発進クラッチ部材と、係脱自在に配設さ
    れ、係合時にエンジンの回転を直接受けて変速装置に伝
    達する変速クラッチ部材とを有するとともに、前記磁気
    カップリングは、強磁性体から成る第1の回転部材、非
    磁性体から成る第2の回転部材、互いに異なる磁極を交
    互に前記第1の回転部材に配設することによって形成さ
    れた永久磁石、及び前記第2の回転部材によって保持さ
    れ、わずかな隙間を置いて前記永久磁石と対向する面に
    位置させられた被駆動部材から成り、該被駆動部材は、
    二次導電材、及び該二次導電材の背面に位置させられた
    強磁性部材から成ることを特徴とする発進装置。
  2. 【請求項2】 磁気的抗力によってトルクを伝達する磁
    気カップリングと、係脱自在に配設され、係合時にエン
    ジンの回転を前記磁気カップリングを介して受けて変速
    装置に伝達する発進クラッチ部材と、係脱自在に配設さ
    れ、係合時にエンジンの回転を直接受けて変速装置に伝
    達する変速クラッチ部材とを有するとともに、前記磁気
    カップリングは、非磁性体から成る第1の回転部材、強
    磁性体から成る第2の回転部材、互いに異なる磁極を交
    互に前記第1の回転部材に配設することによって形成さ
    れた永久磁石、該永久磁石の背面に位置させられた強磁
    性部材、及び前記第2の回転部材によって保持され、わ
    ずかな隙間を置いて前記永久磁石と対向する面に位置さ
    せられた被駆動部材から成り、該被駆動部材は二次導電
    材から成ることを特徴とする発進装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007501365A (ja) * 2003-08-05 2007-01-25 ホートン, インコーポレイテッド 渦電流ドライブによる二段速度回転制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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