JPH08135693A - 発進装置 - Google Patents

発進装置

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JPH08135693A
JPH08135693A JP6295690A JP29569094A JPH08135693A JP H08135693 A JPH08135693 A JP H08135693A JP 6295690 A JP6295690 A JP 6295690A JP 29569094 A JP29569094 A JP 29569094A JP H08135693 A JPH08135693 A JP H08135693A
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JP
Japan
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release
cylinder
clutch
valve
master cylinder
Prior art date
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Application number
JP6295690A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Shiimado
利博 椎窓
Hideki Ariga
秀喜 有賀
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Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH08135693A publication Critical patent/JPH08135693A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電気系統に故障及び異常が発生しても、クラッ
チを完全に接続できる、より一層改良された発進装置を
提供する。 【構成】レリーズシリンダ70とマスターシリンダ10
1との間に、マスターシリンダ101からレリーズシリ
ンダ70への油の流れを許容する一方向弁100が配置
される。又、この一方向弁100と並列にソレノイドバ
ルブ103が配置されている。このソレノイドバルブ1
03は、通電時にレリーズシリンダ70からマスターシ
リンダ101に還流する油の流量を調整して所定時間半
クラッチ状態を維持する一方、非通電時にレリーズシリ
ンダ70側とマスターシリンダ101側とを連通して、
レリーズシリンダ70からマスタシリンダ101への油
の還流を許容する。電気系統に故障や異常を生じても、
クラッチペダル102の操作によりレリーズシリンダ7
0を確実に作動させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両に搭載
される発進装置に係り、詳しくは、エンジンの出力軸と
変速装置の入力軸との間に介装されて、発進時、変速時
等にエンジンと変速装置との間のトルク伝達の断続を行
う発進装置に関する。
【0002】
【従来の技術】手動変速装置を搭載した車両等において
は、エンジンと変速装置との間に、変速操作時の両者間
のトルク伝達を断続する目的で、発進装置が介装されて
いる。
【0003】このような発進装置は、主としてクラッチ
機構により構成されている。このクラッチ機構は、一般
に、エンジン側と一体に回転する部材と、変速装置側と
一体回転する乾式単板摩擦材とを備えている。クラッチ
機構は、車両の発進時、変速時には、まず、回転中のエ
ンジン側の部材(以下「相手部材」という。)から乾式
単板摩擦材を引き離して(離反させて)、両者間のトル
ク伝達を断ち、つづいて、変速操作終了後、回転中の相
手部材に、この乾式単板摩擦材を徐々に押し付けて両部
材を滑らせ(滑動させ)、両部材間に作用する摩擦力に
基づいて、エンジン側のトルクを変速装置側に徐々に伝
達し、そして最後に両部材を滑ることなく完全に接合さ
せて、十分なトルクを伝達するようにしている。
【0004】なお、相手部材に対する乾式単板摩擦材の
離反、滑動、接合、すなわちクラッチを切る、滑らせ
る、つなぐの各動作は、一般に、運転者によるクラッチ
ペダルの微妙な踏み込み量の調整によって行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、運転者
によるクラッチペダルの微妙な踏み込み量の調整によ
り、クラッチを切る、滑らせる、つなぐの各動作、とり
わけ、滑らせる(半クラッチ)状態を維持することが難
しい。
【0006】そのため、既に、本出願人は、図3に示す
ような、半クラッチ状態を維持できる優れた発進装置を
提案した(特願平6ー95684参照)。この発進装置
は、半クラッチ状態を維持するために、レリーズフォー
ク68のストロークをポテンショメータ112で検出
し、その検出信号に基づいてバルブ駆動用のサーボモー
タ120にコントロールユニット130から制御信号を
出力して、該サーボモータ120でバルブ121を開閉
制御し、マスターシリンダ101とレリーズシリンダ7
0間を流れる油量を調整するようになっている。
【0007】ところが、このような発進装置において、
電気系統に故障及び異常が発生すると、ポテンショメー
タ112でレリーズシリンダ70のストロークを検出で
きなくなり、サーボモータ120やソレノイドを制御で
きなくなる虞がある。又、レリーズシリンダ70とマス
ターシリンダ101の間には、マスターシリンダ101
からレリーズシリンダ70への油の流れを許容し、その
逆方向への油の流れを阻止するチェックバルブ100が
配置されているため、バルブ121が作動しないと、油
がレリーズシリンダ70からマスターシリンダ101に
戻らなくなり、クラッチを完全に接続することができな
くなる虞がある。
【0008】そこで、本発明は、電気系統に故障及び異
常が発生しても、クラッチを完全に接続できる、より一
層改良された発進装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の発進装置は、上
述事情に鑑みなされたものであって、エンジン側出力軸
(11)と変速装置側入力軸(10)との間に介装さ
れ、該入出力軸を断続する摩擦係合部材(14,15,
26)と、与えられた作動力に対応した係合荷重を前記
摩擦係合部材(14,15,26)に付与するレリーズ
フォーク(68)と、供給された油量に応じて、前記レ
リーズフォーク(68)に作動力を与えるレリーズシリ
ンダ(70)と、前記クラッチ操作手段(102)の操
作に応じた油量を前記レリーズシリンダ(70)に供給
するマスターシリンダ(101)と、該マスターシリン
ダ(101)と前記レリーズシリンダ(70)との間に
配置され、前記マスターシリンダ(101)から前記レ
リーズシリンダ(70)への一方向のみの油の流れを許
容する一方向弁(100)と、前記マスターシリンダ
(101)と前記レリーズシリンダ(70)との間に、
該一方向弁(100)と並列に配置され、前記レリーズ
シリンダ(70)から前記マスタシリンダ(101)へ
の油の還流を制御する電気制御バルブ(103)と、を
備えたことを特徴としている。
【0010】また、本発明の発進装置は、前記電気制御
バルブ(103)が、非通電時に開弁するように、弁体
(103b)を常時開弁方向に付勢するばね(103
c)を備えたことを特徴としている。
【0011】
【作用】クラッチ操作手段(102)を操作すると、そ
の操作量に応じた油がマスターシリンダ(101)から
一方向弁(100)を介してレリーズシリンダ(70)
に供給される。油が供給されたレリーズシリンダ(7
0)は、レリーズフォーク(68)を作動させ、摩擦係
合部材(14,15,26)によるトルク伝達を遮断す
る(クラッチを切る、即ち離反状態とする)。
【0012】クラッチ操作手段(102)を元の状態に
戻すと、レリーズシリンダ(70)から電気制御バルブ
(103)を介してマスターシリンダ(101)に油が
還流する。この際、レリーズシリンダ(70)からマス
ターシリンダ(101)に還流する油の流れが電気制御
バルブ(103)により調整され、レリーズフォーク
(68)がゆっくりと元の位置に向かって移動し、摩擦
係合部材(14,15,26)のすべり状態(半クラッ
チ状態、即ち滑動状態)が所定時間維持されて、エンジ
ン側出力軸(11)から変速装置側入力軸(10)にト
ルク伝達が徐徐に行われる。
【0013】この際、電気系統の故障や異常により、電
気制御バルブ(103)が通電されず、電気制御バルブ
(103)が電気的に作動制御できない場合、電気制御
バルブ(103)は、レリーズシリンダ(70)側とマ
スターシリンダ(101)側とを連通する。従って、こ
の場合、レリーズシリンダ(70)側の圧力油は、クラ
ッチ操作手段(102)の操作に応じてマスターシリン
ダ(101)側に還流させられる。これにより、電気系
統が故障等しても、クラッチの接続が確実に行われる。
【0014】クラッチ操作手段(102)が完全に元の
状態に復帰すると、摩擦係合部材(14,15,26)
のすべりがない状態(クラッチがつながった状態、即ち
接合状態)となり、エンジン側出力軸(11)から変速
装置側入力軸(10)に摩擦係合部材(14,15,2
6)を介して確実にトルク伝達される。
【0015】又、本発明の発進装置は、例えば図2に示
すように、電気制御バルブ(103)がソレノイドバル
ブであり、電気系統の故障等によりソレノイド(103
a)に通電されない場合、その弁体(103b)がばね
(103c)で付勢されて開弁し、レリーズシリンダ
(70)側とマスターシリンダ(101)側とを連通す
るため、クラッチ操作手段(102)の操作によりクラ
ッチの接続が確実に行われる。
【0016】上記括弧内の符号は、図面と対照するため
のものであり、何等本発明の構成を限定するものではな
い。
【0017】
【実施例】以下、図面に沿って、本発明の実施例につい
て説明する。
【0018】図1は本発明の第1の実施例における発進
装置の断面図である。
【0019】図に示すように、発進装置は図示しないエ
ンジンの出力軸(クランクシャフト)11と図示しない
変速装置の入力軸10との間に配設され、指令信号に対
応してエンジンと変速装置とを断続する。前記エンジン
の回転は発進装置を介して変速装置に伝達され、該変速
装置において変速させられ、図示しない差動装置におい
て差動されて左右の図示しない駆動輪に伝達される。前
記変速装置においては、二つの並列な軸の上に配設され
た歯数比が異なる複数のギヤセットを選択することによ
って、特定のギヤ比を設定することができる。
【0020】前記発進装置においては、前記出力軸11
に円板状のフライホイール12を介して発進クラッチ部
材14が接続される。該発進クラッチ部材14は、ボル
ト16によって前記フライホイール12と共に出力軸1
1の端面に固定されたクラッチハブ18、該クラッチハ
ブ18の外周に固定された板ばね19、及び該板ばね1
9の両面に固定された摩擦板21からなる。そして、前
記フライホイール12のボス部22の外周にはベアリン
グ24が配設され、該ベアリング24を介してトルク伝
達部材26が出力軸11に対して相対回転自在に支持さ
れる。なお、板ばね19は両摩擦板21を互いに離れる
方向に付勢して圧縮代を形成する。
【0021】前記トルク伝達部材26は、前記ベアリン
グ24の径方向外方において前記フライホイール12と
対向させて配設されたクラッチホイール27、該クラッ
チホイール27の外周縁部に配設された環状のアウタリ
ング29、ボルト30によってアウタリング29と共に
クラッチホイール27に固定されたクラッチカバー3
1、前記アウタリング29の径方向内方においてクラッ
チホイール27と共に前記発進クラッチ部材14を挟ん
で配設され、アウタリング29とリターンスプリング3
6とを介して連結された金属製の中間圧力板35、及び
前記クラッチカバー31の径方向内方において中間圧力
板35と共に変速クラッチ部材15を挟んで配設された
圧力板37からなる。前記リターンスプリング36は中
間圧力板35とクラッチホイール27とを互いに離れる
方向に付勢し、発進クラッチ部材14とトルク伝達部材
26とを解放する。
【0022】そして、これら発進クラッチ部材14,変
速クラッチ部材15,トルク伝達部材26は、エンジン
側出力軸11から変速装置側入力軸10へのトルク伝達
の断続を行う摩擦係合部材を構成する。
【0023】なお、本実施例においては、ベアリング2
4によってトルク伝達部材26を出力軸11に対して相
対回転自在に支持しているが、図示しないベアリングに
よってトルク伝達部材26を発進装置ケーシング23に
回転自在に支持するようにしてもよい。
【0024】また、前記フライホイール12は強磁性体
としての性質を有する。該フライホイール12における
クラッチホイール27と対向する面には、複数対の永久
磁石32が嵌入(かんにゅう)される。
【0025】一方、クラッチホイール27におけるフラ
イホイール12と対向する面には、非磁性導電性金属板
としての環状のアルミニウム板33が嵌入される。前記
永久磁石32は、フライホイール12の円周方向に配列
され、S極、N極、S極、N極、…のように互いに異な
る磁極が隣接させられる。なお、該永久磁石32として
は、フェライト磁石を使用することができる。また、耐
熱性の高いサマリウムコバルト磁石、ネオジウム鉄等を
使用するこもできる。
【0026】前記エンジンが、アイドリング状態にある
場合等において低速で回転すると、フライホイール12
に嵌入された永久磁石32の磁束がアルミニムウ板33
を横切ることによって、アルミニウム板33に誘導電流
が発生し、この誘導電流と永久磁石32とによる相互作
用によって、トルク伝達部材26とフライホイール12
との間に磁気的抗力が発生する。これにより、トルク伝
達部材26には、フライホイール12と同一方向に回転
させようとするトルクが付与される。なお、この磁気的
抗力は、トルク伝達部材26の回転数とフライホイール
12の回転数との差に対応して変化する。この場合、両
者の回転数の差が所定以上に大きくなると磁気的抗力は
大きくなる。
【0027】また、前記変速装置の入力軸10の端部
に、ダンパ41を介して前記変速クラッチ部材15が配
設され、中間圧力板35と対向させられる。前記ダンパ
41は、前記入力軸10とスプライン連結されたダンパ
ハブ45に取り付けられる。前記ダンパ41は、前記発
進クラッチ部材14と変速クラッチ部材15とを介して
入力軸10に伝達されるエンジントルクの変動を平滑化
するためのものであり、変速クラッチ部材15と連結さ
れ、変速クラッチ部材15を介してエンジントルクが伝
達される第1部材42、ダンパハブ45と連結された第
2部材43、及び第1部材42と第2部材43との間に
配設されたダンパスプリング44からなる。前記エンジ
ントルクは発進クラッチ部材14、変速クラッチ部材1
5及びダンパ41を介して入力軸10に直列的に伝達さ
れ、エンジントルクの変動に対応してダンパ41のダン
パスプリング44が伸縮する。
【0028】また、前記変速クラッチ部材15は前記第
1部材42の外周に固定された板47、及び該板47の
両面に固定された摩擦板49からなる。そして、前記圧
力板37は、外周縁に形成された突出部50において、
ストラップ51を介してクラッチカバー31と連結され
る。
【0029】該クラッチカバー31は変速装置側の端面
に支持部55を有し、該支持部55によってダイヤフラ
ムスプリング57が挟持され保持される。該ダイヤフラ
ムスプリング57は環状体からなり、外周縁が前記圧力
板37と当接され、内周縁がレリーズベアリング58と
当接される。なお、55aは支持部55に一対配置され
た支点リングである。また、59は、ボルト60によっ
て前記圧力板37に固定され、前記ダイヤフラムスプリ
ング57の外周縁を前記圧力板37に押圧するための保
持スプリングである。ダイヤフラムスプリング57が圧
力板37に加える付勢力は、発進クラッチ部材14及び
変速クラッチ部材15とトルク伝達部材26とを係合さ
せて、エンジンの出力軸11と変速装置の入力軸10と
の間において十分にトルクを伝達することができるだけ
の力に対応させられる。
【0030】したがって、前記レリーズベアリング58
が軸方向に移動するのに伴ってダイヤフラムスプリング
57の外周縁が、支点リング55aを支点として軸方向
に移動することができるので、圧力板37によって変速
クラッチ部材15とトルク伝達部材26とを係脱(係合
・離脱)したり、発進クラッチ部材14及び変速クラッ
チ部材15とトルク伝達部材26とを係脱したりするこ
とができる。
【0031】前記レリーズベアリング58は、入力軸1
0を包囲して前記発進装置ケーシング23に固定された
スリーブ63に対して摺動自在に配設され、該スリーブ
63の外周と摺動させられる摺動部材64、及びベアリ
ング本体65からなり、該ベアリング本体65のインナ
レースが軸方向のエンジン側に突出して前記ダイヤフラ
ムスプリング57の内周縁と当接させられる。
【0032】また、前記レリーズベアリング58を軸方
向に移動させるためにレリーズフォーク68が配設され
る。該レリーズフォーク68の内端は前記レリーズベア
リング58の変速装置側の端面と対向させられ、外端は
入力軸10と垂直の方向に延びて発進装置ケーシング2
3を貫通し、発進装置ケーシング23の外部においてレ
リーズシリンダ70のロッド71と対向させられる。な
お、前記レリーズフォーク68は図示しない線状のリタ
ーンスプリングを有する。また、レリーズベアリング5
8には、レリーズフォーク68の内端を包囲する係止部
材82が取り付けられ、該係止部材82を介してレリー
ズベアリング58の内端とレリーズフォーク68とが係
止される。
【0033】前記レリーズシリンダ70は、リターンス
プリング75、ピストン76及びロッド71からなり、
油圧によってピストン76を作動させ、ロッド71によ
ってレリーズフォーク68の外端部(図中上端部)68
aを移動させる。
【0034】次に、このレリーズシリンダ70を作動さ
せる油圧回路について、図2に基づいて説明する。
【0035】レリーズシリンダ70は、一方向弁100
を介してマスターシリンダ101に接続されている。マ
スターシリンダ101は、クラッチ操作手段としてのク
ラッチペダル102の操作量(踏み込み量)に応じた量
の油を流出又は流入させるようになっている。尚、一方
向弁100は、マスターシリンダ101側からレリーズ
シリンダ70側への油の流れを許容し、その逆方向への
油の流れを阻止するように機能する。
【0036】そして、レリーズシリンダ70とマスター
シリンダ101との間には、一方向弁100と並列に電
気制御バルブとしてのソレノイドバルブ103が配置さ
れている。尚、このソレノイドバルブ103は、オン・
オフバルブであるが、デューティ制御バルブや比例制御
弁(リニアソレノイドバルブ)を用いることもできる。
【0037】ソレノイドバルブ103は、ソレノイド1
03aの非通電時に開弁するように、弁体103bを常
時開弁方向(図中左方向)に付勢するばね103cを備
えている。そして、ソレノイド103aには制御ユニッ
ト110が接続されており、この制御ユニット110か
らの制御信号に基づいてソレノイドバルブ103が作動
させられる。
【0038】その結果、ソレノイドバルブ103は、ソ
レノイド103aの通電時に弁孔103fの開口面積を
変化させ、レリーズシリンダ70からマスターシリンダ
101に還流する油の流量を調整する。一方、ソレノイ
ドバルブ103は、ソレノイド103aの非通電時、レ
リーズシリンダ70側とマスターシリンダ101側とを
弁孔103d,流路103e,103f,103g等を
介して連通する。
【0039】尚、制御ユニット110は、電源ユニット
111に接続されている。又、制御ユニット110は、
レリーズフォーク68の外端部68aのストロークを検
出するポテンショメータ112が接続されている。
【0040】次に、本実施例の発進装置の作動状態につ
いて、図1及び図2を参照しつつ説明する。
【0041】運転者がクラッチペダル102を踏み込む
と、その踏み込み量にほぼ対応する量の油がマスターシ
リンダ101から一方向弁100を介してレリーズシリ
ンダ70に供給される。その結果、レリーズシリンダ7
0のロッド71がレリーズフォーク68の外端部68a
を図中左方向に移動させ、該レリーズフォーク68がレ
リーズベアリング58を図中右方向に移動させ、該レリ
ーズベアリング58がダイヤフラムスプリング57の外
周端部側を支点リング55aを支点として図中左方向へ
移動させて、摩擦係合部材(発進クラッチ部材14,変
速クラッチ部材15,トルク伝達部材)の摩擦係合が解
除される(クラッチが切れる離反状態となる)。
【0042】次に、運転者がクラッチペダル102を戻
すと、レリーズシリンダ70からマスターシリンダ10
1側へ還流する油は、一方向弁100によりその流れが
阻止されるため、ソレノイドバルブ103側に流れる。
【0043】ソレノイドバルブ103は、前記したよう
に、ポテンショメータ112が検出するレリーズシリン
ダ70のストロークと図示しないアクセル開度を検出す
るポテンショメータの検出結果に基づいて制御ユニット
110により作動制御され、レリーズシリンダ70から
マスターシリンダ101に還流する油の流れを調整す
る。
【0044】そして、レリーズフォーク68の外端部6
8aが図中右方向に戻されると、レリーズフォーク68
は、支持部材73を支点として揺動し、その内端を図中
右方向に移動させる。この時、前記ダイヤフラムスプリ
ング57の付勢力によってレリーズベアリング58が図
中左方向に移動させられ、ダイヤフラムスプリング57
の外周縁が圧力板37を押圧する。
【0045】そして、ダイヤフラムスプリング57が圧
力板37を押圧する力が大きくなるのにしたがって、圧
力板37は、まず、変速クラッチ部材15とトルク伝達
部材26とを係合させ、続いて、発進クラッチ部材14
及び変速クラッチ部材15とトルク伝達部材26とを係
合させる。
【0046】この際、ソレノイドバルブ103が前記し
たようにレリーズシリンダ70からマスターシリンダ1
01に還流する油の流れを絞り、その油の流量を調整す
ることにより、ダイヤフラムスプリング57が圧力板3
7を押圧する力を調整でき、変速クラッチ部材15とト
ルク伝達部材26とがすべりを生じている状態(滑動状
態、すなわち半クラッチ状態)を所定時間維持すること
ができる。
【0047】尚、この滑動状態を維持するために、運転
者は、クラッチペダル102の踏み込みを徐徐にゆるめ
ていく必要がない。上記したように、ソレノイドバルブ
103の作動が制御ユニット110により電気的に制御
されるからである。
【0048】ダイヤフラムスプリング57の圧力板37
を押す力が増大し、発進クラッチ部材14及び変速クラ
ッチ部材15とトルク伝達部材26がすべりを生じるこ
となく完全に摩擦係合することにより、クラッチの接続
操作が終了したことになる(接続状態)。
【0049】一方、電気系統が故障し、制御ユニット1
10がソレノイドバルブ103を作動制御できない場
合、即ち、ソレノイド103aが通電されない場合、ソ
レノイドバルブ103は、その弁体103bがばね10
3cで図中左方向に付勢され、弁孔103dを開き(開
弁し)、レリーズシリンダ70側とマスターシリンダ1
01側とを連通する。従って、この場合は、クラッチペ
ダル102の操作に応じてレリーズシリンダ70を作動
させ、摩擦係合部材(14,15,26)の離反状態か
ら滑動状態を経て、確実に接合状態を生じさせることが
できる。
【0050】尚、本実施例は、電気制御バルブとしてソ
レノイドバルブ103を使用する態様を示したが、これ
に限られず、サーボモータ等で図2に示す弁体103b
を作動させるようにしてもよい。但し、この場合も、電
気制御バルブは、非通電時、その弁体103bがばね1
03cに付勢されて、開弁するように構成される。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、レリー
ズシリンダとマスターシリンダとの間に、マスターシリ
ンダからレリーズシリンダへの油の流れを許容する一方
向弁が配置されると共に、該一方向弁と並列に電気制御
バルブが配置され、該電気制御バルブが、通電時にレリ
ーズシリンダからマスターシリンダに還流する油の流量
を調整して所定時間半クラッチ状態を維持する一方、非
通電時にレリーズシリンダ側とマスターシリンダ側とを
連通してレリーズシリンダからマスタシリンダへの油の
還流を許容するように構成されているため、電気系統に
故障や異常を生じても、クラッチ操作手段の操作により
レリーズシリンダを確実に作動させることができ、エン
ジン側出力軸から変速装置側入力軸へのトルク伝達の断
続操作を円滑かつ確実に行うことができる。従って、本
発明によれば、発進装置の信頼性をより一層向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す発進装置の要部断面
図。
【図2】同発進装置の油圧回路の説明図。
【図3】従来の発進装置の作動説明図。
【符号の説明】
10 (変速装置側)入力軸 11 (エンジン側)出力軸 14 発進クラッチ部材(摩擦係合部材) 15 変速クラッチ部材(摩擦係合部材) 26 トルク伝達部材(摩擦係合部材) 68 レリーズフォーク 70 レリーズシリンダ 100 一方向弁 101 マスターシリンダ 102 クラッチ操作手段(クラッチペダル) 103 電気制御バルブ(ソレノイドバルブ) 103a ソレノイド 103b 弁体 103c ばね

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン側出力軸と変速装置側入力軸と
    の間に介装され、該入出力軸を断続する摩擦係合部材
    と、 与えられた作動力に対応した係合荷重を前記摩擦係合部
    材に付与するレリーズフォークと、 供給された油量に応じて、前記レリーズフォークに作動
    力を与えるレリーズシリンダと、 前記クラッチ操作手段の操作に応じた油量をレリーズシ
    リンダに供給するマスターシリンダと、 該マスターシリンダとレリーズシリンダとの間に配置さ
    れ、マスターシリンダからレリーズシリンダへの方向の
    みの油の流れを許容する一方向弁と、 前記マスターシリンダとレリーズシリンダとの間に、前
    記一方向弁と並列に配置され、前記レリーズシリンダか
    ら前記マスタシリンダへの油の還流を制御する電気制御
    バルブと、 を備えたことを特徴とする発進装置。
  2. 【請求項2】 前記電気制御バルブが、非通電時に開弁
    するように、弁体を常時開弁方向に付勢するばねを備え
    たことを特徴とする請求項1記載の発進装置。
JP6295690A 1994-11-02 1994-11-02 発進装置 Pending JPH08135693A (ja)

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