JPH08135682A - 発進装置 - Google Patents

発進装置

Info

Publication number
JPH08135682A
JPH08135682A JP6271607A JP27160794A JPH08135682A JP H08135682 A JPH08135682 A JP H08135682A JP 6271607 A JP6271607 A JP 6271607A JP 27160794 A JP27160794 A JP 27160794A JP H08135682 A JPH08135682 A JP H08135682A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
clutch
permanent magnet
torque
transmission
engine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6271607A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Hori
孝二 堀
Hideki Ariga
秀喜 有賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Equos Research Co Ltd filed Critical Equos Research Co Ltd
Priority to JP6271607A priority Critical patent/JPH08135682A/ja
Publication of JPH08135682A publication Critical patent/JPH08135682A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • Y02T10/76

Landscapes

  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】寸法が大きくなったり燃費が悪くなったりする
ことがなく、車両の発進時におけるトルクを大きくする
ことができるようにする。 【構成】磁気的抗力によってトルクを伝達する磁気カッ
プリングと、係脱自在に配設され、係合時にエンジンの
回転を前記磁気カップリングを介して受けて変速装置に
伝達する発進クラッチ部材と、係脱自在に配設され、係
合時にエンジンの回転を直接受けて変速装置に伝達する
変速クラッチ部材とを有する。前記磁気カップリング
は、環状の永久磁石32と、わずかな隙間を置いて前記
永久磁石32と対向させて配設された環状の被駆動部材
33とから成る。また、該被駆動部材33は、円周方向
における複数箇所に貫通孔87を有する二次導電材と、
該二次導電材の背面に配設され、前記貫通孔87に対応
する凸部88を有し、該凸部88の端面を前記永久磁石
32に臨ませたコア材とから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発進装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用の手動変速機においては、
エンジンと変速装置との間に発進装置が配設され、該発
進装置によってエンジンと変速装置とを断続することに
よりトルクを選択的に変速装置に伝達することができる
ようになっている。この場合、前記発進装置において
は、エンジンからトルクが伝達されるフライホイールと
圧力板との間に乾式単板のクラッチ板が配設され、該ク
ラッチ板に摩擦板が配設される。そして、前記フライホ
イール及び圧力板によりクラッチ板を選択的に挟むこと
によってフライホイールと圧力板とを係脱するようにな
っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の発進装置においては、摩擦板として摩擦係数の高い
ものを使用すると、前記摩擦板を滑らせながらクラッチ
板と圧力板とを係合させることができない。したがっ
て、発進装置によってエンジンと変速装置とを接続した
ときに、エンジン回転数と変速装置の入力側の回転数と
が瞬間的に等しくなり、ショックが発生してしまう。
【0004】これに対して、摩擦板として摩擦係数の低
いものを使用すると、前記摩擦板を滑らせながらクラッ
チ板と圧力板とを係合させることができるので、発進装
置によってエンジンと変速装置とを接続したときにショ
ックが発生することはない。ところが、この場合、発進
装置におけるトルク容量が小さくなってしまうので、摩
擦板を複数配設して多板化する必要がある。その結果、
重量が増加して変速装置の入力側の慣性が大きくなり、
変速装置の同期機構に加わる負担が大きくなり、変速装
置が同期するまでの時間が長くなってしまう。
【0005】そこで、エンジンと変速装置とを接続した
ときにショックが発生することがなく、変速装置の同期
機構に加わる負担を小さくして、変速装置が同期するま
での時間を短くすることができる発進装置が提供されて
いる(特願平5−355299号参照)。該発進装置に
おいては、変速装置の入力軸と変速クラッチ部材とを連
結し、かつ、エンジンの出力軸と発進クラッチ部材とを
連結し、前記変速クラッチ部材と発進クラッチ部材との
間にトルク伝達部材を回転自在に配設し、変速クラッチ
部材と発進クラッチ部材とを係脱自在にするようにして
いる。また、前記エンジンの回転に伴う磁気的抗力によ
って、前記トルク伝達部材を回転させることができるよ
うになっている。
【0006】この場合、例えば、クラッチペダルをわず
かに踏み込んだ状態を維持して変速クラッチ部材とトル
ク伝達部材とを係合させると、エンジンのトルクが磁気
的抗力によってトルク伝達部材に伝達され、半クラッチ
状態が形成される。また、前記クラッチペダルを元に戻
して発進クラッチ部材及び変速クラッチ部材とトルク伝
達部材とを係合させると、エンジンのトルクがそのまま
変速装置の入力軸に伝達され、クラッチ係合状態が形成
される。
【0007】この種の発進装置においては、前記磁気的
抗力を発生させるために磁気カップリングを使用してい
る。該磁気カップリングは、エンジンの出力軸側に取り
付けられた永久磁石と、トルク伝達部材側に取り付けら
れた二次導電材とから成り、わずかな隙間(すきま)を
置いて両者を対向させるようにしている。そして、エン
ジンからの回転を伝達して永久磁石を回転させると、該
永久磁石が発生させた磁束が二次導電材を鎖交する量が
変化し、該二次導電材に磁束の変化量に対応して電磁誘
導によるうず電流が流れる。その結果、該うず電流及び
磁束との相互作用によって磁気的抗力が発生させられ、
二次導電材が回転させられる。
【0008】なお、前記磁気カップリングを、エンジン
の出力軸側に取り付けられた二次導電材と、トルク伝達
部材側に取り付けられた永久磁石とによって構成するこ
ともできる。ところで、車両の発進装置に前記磁気カッ
プリングを使用した場合、磁気的抗力の大きさは二次導
電材を鎖交する磁束の変化量に伴って変化し、変化量が
多いほど大きくなる。すなわち、磁気カップリングによ
って伝達されるトルクの大きさは二次導電材の表面の磁
束密度の2乗に比例する。そこで、車両の発進時におけ
るトルクを大きくするために、永久磁石を大きくして二
次導電材を鎖交する磁束を多くすることが考えられる。
【0009】ところが、前記永久磁石を大きくすると、
発進装置の寸法がその分大きくなるだけでなく、重量が
増加して燃費が悪くなってしまう。本発明は、前記従来
の発進装置の問題点を解決して、寸法が大きくなったり
燃費が悪くなったりすることがなく、車両の発進時にお
けるトルクを大きくすることができる発進装置を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の発
進装置においては、磁気的抗力によってトルクを伝達す
る磁気カップリングと、係脱自在に配設され、係合時に
エンジンの回転を前記磁気カップリングを介して受けて
変速装置に伝達する発進クラッチ部材と、係脱自在に配
設され、係合時にエンジンの回転を直接受けて変速装置
に伝達する変速クラッチ部材とを有する。
【0011】そして、前記磁気カップリングは、互いに
異なる磁極を交互に配設することによって形成された環
状の永久磁石と、わずかな隙間を置いて前記永久磁石と
対向させて配設された環状の被駆動部材とから成る。ま
た、該被駆動部材は、円周方向における複数箇所に貫通
孔を有する二次導電材と、該二次導電材の背面に配設さ
れ、前記貫通孔に対応する凸部を有し、該凸部の端面を
前記永久磁石に臨ませたコア材とから成る。
【0012】
【作用及び発明の効果】本発明によれば、前記のように
発進装置においては、磁気的抗力によってトルクを伝達
する磁気カップリングと、係脱自在に配設され、係合時
にエンジンの回転を前記磁気カップリングを介して受け
て変速装置に伝達する発進クラッチ部材と、係脱自在に
配設され、係合時にエンジンの回転を直接受けて変速装
置に伝達する変速クラッチ部材とを有する。
【0013】そして、前記磁気カップリングは、互いに
異なる磁極を交互に配設することによって形成された環
状の永久磁石と、わずかな隙間を置いて前記永久磁石と
対向させて配設された環状の被駆動部材とから成る。ま
た、該被駆動部材は、円周方向における複数箇所に貫通
孔を有する二次導電材と、該二次導電材の背面に配設さ
れ、前記貫通孔に対応する凸部を有し、該凸部の端面を
前記永久磁石に臨ませたコア材とから成る。
【0014】この場合、運転者がクラッチペダルを踏み
込むと、発進クラッチ部材及び変速クラッチ部材とトル
ク伝達部材とは解放され、クラッチ解放状態が形成され
る。次に、運転者がクラッチペダルを徐々に戻すと、前
記変速クラッチ部材とトルク伝達部材との係合が開始さ
れ、半クラッチ状態が形成される。このとき、磁気的抗
力によってエンジンの回転が変速装置に伝達される。
【0015】続いて、前記変速クラッチ部材の係合が終
了すると、発進クラッチ部材の係合が開始され、該発進
クラッチ部材の係合が終了すると、クラッチ係合状態が
形成される。この場合、前記凸部が貫通孔を貫通して延
び、凸部の端面を永久磁石に臨ませるので、コア材を永
久磁石に近づけることができ、コア材と永久磁石との実
質的な隙間が小さくなる。したがって、凸部を通る磁束
の量が多くなる分だけ、二次導電材の表面の磁束密度が
高くなり、前記永久磁石の回転に伴って二次導電材を鎖
交する磁束の変化量を多くすることができる。
【0016】このようにして、永久磁石と被駆動部材と
の相対的な回転によって発生させられる磁気的抗力を大
きくし、発進装置によって発生させられるトルクを大き
くすることができる。また、前記永久磁石を大きくする
必要がないので、発進装置の寸法を小さくすることがで
きるだけでなく、重量を減少させて燃費をよくすること
ができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図2は本発明の第1の実施例に
おける発進装置の断面図である。図に示すように、発進
装置は図示しないエンジンの出力軸(クランクシャフ
ト)11と図示しない変速装置の入力軸10との間に配
設され、指令信号に対応してエンジンと変速装置とを断
続する。前記エンジンの回転は発進装置を介して変速装
置に伝達され、該変速装置において変速させられ、図示
しない差動装置において差動されて図示しない左右の駆
動輪に伝達される。前記変速装置においては、二つの並
列な軸の上に配設された歯数比が異なる複数のギヤセッ
トを選択することによって、特定のギヤ比を設定するこ
とができる。
【0018】前記発進装置においては、前記出力軸11
に円板状のフライホイール12を介して発進クラッチ部
材14が接続される。該発進クラッチ部材14は、ボル
ト16によって前記フライホイール12と共に出力軸1
1の端面に固定されたクラッチハブ18、該クラッチハ
ブ18の外周に固定された板ばね19、及び該板ばね1
9の両面に固定された摩擦板21から成る。そして、前
記フライホイール12のボス部22の外周にはベアリン
グ24が配設され、該ベアリング24を介してトルク伝
達部材26が出力軸11に対して相対回転自在に支持さ
れる。なお、板ばね19は両摩擦板21を互いに離れる
方向に付勢して圧縮代を形成する。
【0019】前記トルク伝達部材26は、前記ベアリン
グ24の径方向外方において前記フライホイール12と
対向させて配設されたクラッチホイール27、該クラッ
チホイール27の外周縁部に配設された環状のアウタリ
ング29、ボルト30によってアウタリング29と共に
クラッチホイール27に固定されたクラッチカバー3
1、前記アウタリング29の径方向内方においてクラッ
チホイール27と共に前記発進クラッチ部材14を挟ん
で配設され、アウタリング29とリターンスプリング3
6とを介して連結された金属製の中間圧力板35、及び
前記クラッチカバー31の径方向内方において中間圧力
板35と共に変速クラッチ部材15を挟んで配設された
圧力板37から成る。前記リターンスプリング36は中
間圧力板35とクラッチホイール27とを互いに離れる
方向に付勢し、発進クラッチ部材14とトルク伝達部材
26とを解放する。
【0020】なお、本実施例においては、ベアリング2
4によってトルク伝達部材26を出力軸11に対して相
対回転自在に支持しているが、図示しないベアリングに
よってトルク伝達部材26を発進装置ケーシング23に
回転自在に支持することもできる。また、前記フライホ
イール12は強磁性体としての性質を有する。該フライ
ホイール12におけるクラッチホイール27と対向する
面には、複数対の永久磁石32が嵌入(かんにゅう)さ
れる。前記永久磁石32は、フライホイール12の円周
方向に配列され、S極、N極、S極、N極、…のように
互いに異なる磁極が隣接させられる。なお、前記永久磁
石32としては、フェライト磁石、耐熱性の高いサマリ
ウムコバルト磁石等を使用することもできる。
【0021】一方、クラッチホイール27におけるフラ
イホイール12と対向する面には、環状の被駆動部材3
3が嵌入される。該被駆動部材33は、非磁性の二次導
電材と磁性体とから成り、前記二次導電材としては、
銅、アルミニウム等を使用することができる。そして、
前記永久磁石32及び被駆動部材33によって磁気カッ
プリングが構成される。
【0022】ところで、前記エンジンがアイドリング状
態にある場合等において低速で回転すると、前記フライ
ホイール12に嵌入された永久磁石32によって発生さ
せられた磁束が被駆動部材33を鎖交する量が変化し、
磁束の変化量に対応して被駆動部材33に電磁誘導によ
るうず電流が流れる。したがって、該うず電流と永久磁
石32の磁束との相互作用によって、トルク伝達部材2
6とフライホイール12との間に磁気的抗力が発生させ
られ、被駆動部材33が回転させられる。
【0023】なお、前記磁気的抗力は、トルク伝達部材
26の回転数とフライホイール12の回転数との差に対
応して変化する。この場合、両者間の回転数の差が所定
以上に大きくなると磁気的抗力は小さくなる。また、前
記変速装置の入力軸10の端部に、ダンパ41を介して
前記変速クラッチ部材15が配設され、中間圧力板35
と対向させられる。前記ダンパ41は、前記入力軸10
とスプライン連結されたダンパハブ45に固定される。
前記ダンパ41は前記発進クラッチ部材14と変速クラ
ッチ部材15とを介して入力軸10に伝達されるトルク
の変動を平滑化するためのものであり、変速クラッチ部
材15と連結され、該変速クラッチ部材15を介してト
ルクが伝達される第1部材42、ダンパハブ45と連結
された第2部材43、及び第1部材42と第2部材43
との間に配設されたダンパスプリング44から成る。前
記トルクは発進クラッチ部材14、変速クラッチ部材1
5及びダンパ41を介して入力軸10に直列的に伝達さ
れ、トルクの変動に対応してダンパ41のダンパスプリ
ング44が伸縮する。
【0024】また、前記変速クラッチ部材15は前記第
1部材42の外周に固定された板47、及び該板47の
両面に固定された摩擦板49から成る。そして、前記圧
力板37は、外周縁に形成された凸部50において、ス
トラップ51を介して前記クラッチカバー31と連結さ
れる。該クラッチカバー31は図示しない変速装置側の
端面に支持部55を有し、該支持部55によってダイヤ
フラムスプリング57が挟持され保持される。該ダイヤ
フラムスプリング57は環状体から成り、外周縁が前記
圧力板37と当接され、内周縁がレリーズベアリング5
8と当接される。なお、59はボルト60によって前記
圧力板37に固定され、前記ダイヤフラムスプリング5
7の外周縁を前記圧力板37に押圧するための保持スプ
リングである。
【0025】したがって、前記レリーズベアリング58
が軸方向に移動するのに伴ってダイヤフラムスプリング
57の外周縁も軸方向に移動することができるので、圧
力板37によって変速クラッチ部材15とトルク伝達部
材26とを係脱したり、発進クラッチ部材14及び変速
クラッチ部材15とトルク伝達部材26とを係脱したり
することができる。
【0026】前記レリーズベアリング58は、入力軸1
0を包囲して前記発進装置ケーシング23に固定された
スリーブ63に対して摺動(しゅうどう)自在に配設さ
れ、該スリーブ63の外周と摺動させられる摺動部材6
4、及びベアリング本体65から成り、該ベアリング本
体65のインナレースが軸方向のエンジン側に突出して
前記ダイヤフラムスプリング57の内周縁と当接させら
れる。
【0027】また、前記レリーズベアリング58を軸方
向に移動させるためにレリーズフォーク68が配設され
る。該レリーズフォーク68の内端は前記レリーズベア
リング58の変速装置側の端面と対向させられ、外端は
入力軸10と垂直の方向に延びて発進装置ケーシング2
3を貫通し、該発進装置ケーシング23の外部において
レリーズシリンダ70のロッド71と対向させられる。
なお、前記レリーズフォーク68は図示しない線状のリ
ターンスプリングを有する。
【0028】前記レリーズシリンダ70はリターンスプ
リング75、ピストン76及びロッド71から成り、油
圧によってピストン76を作動させ、ロッド71によっ
てレリーズフォーク68の外端を移動させる。また、前
記レリーズシリンダ70は、油路によって図示しないマ
スターシリンダと連結され、該マスターシリンダは、図
示しないクラッチペダルと連結される。
【0029】したがって、該クラッチペダルを踏み込む
と、前記マスターシリンダが作動させられ、該マスター
シリンダによって発生させられた油圧が前記レリーズシ
リンダ70に供給されることによって、前記ロッド71
を前進(図における左方向に移動)させることができ
る。これに対して、クラッチペダルを戻すと、前記レリ
ーズシリンダ70内の油圧がマスターシリンダに供給さ
れてロッド71を後退(図における右方向に移動)させ
ることができる。
【0030】ところで、前記ダイヤフラムスプリング5
7が圧力板37に加える付勢力は、発進クラッチ部材1
4及び変速クラッチ部材15とトルク伝達部材26とを
係合させて、エンジンの出力軸11と変速装置の入力軸
10との間において十分にトルクを伝達することができ
るだけの力に対応させられる。また、前記レリーズベア
リング58には、レリーズフォーク68の内端を包囲す
る係止部材82が取り付けられ、該係止部材82を介し
てレリーズベアリング58の内端とレリーズフォーク6
8とが係止される。
【0031】そして、該レリーズフォーク68の外端が
前記ロッド71の前進によって図における左方向に押さ
れると、レリーズフォーク68は支持部材73を支点と
して揺動し、梃子(てこ)の原理によって押圧力及びス
トロークが調整され、内端を図における右方向に移動さ
せる。このとき、ダイヤフラムスプリング57の付勢力
に打ち勝ちながらレリーズベアリング58が右方向に押
される。
【0032】そして、該レリーズベアリング58の移動
によってダイヤフラムスプリング57の内周縁が同方向
に移動させられ、該ダイヤフラムスプリング57が揺動
させられて外周縁を図における左方向に移動させる。そ
の結果、ダイヤフラムスプリング57の圧力板37への
付勢力は軽減又は解除されるとともに、圧力板37は図
における左方向に移動させられる。
【0033】一方、レリーズフォーク68の外端が図に
おける右方向に戻されると、該レリーズフォーク68は
支持部材73を支点として揺動し、内端を図における左
方向に移動させる。このとき、前記ダイヤフラムスプリ
ング57の付勢力によってレリーズベアリング58は図
における左方向に移動させられ、前記ダイヤフラムスプ
リング57の外周縁が圧力板37を押圧する。そして、
押圧力が大きくなるに従って、該圧力板37は、まず、
変速クラッチ部材15とトルク伝達部材26とを係合さ
せ、続いて、発進クラッチ部材14及び変速クラッチ部
材15とトルク伝達部材26とを係合させる。
【0034】次に、前記構成の発進装置の動作について
図3から7までを併用して説明する。図3は本発明の第
1の実施例におけるクラッチ解放状態図、図4は本発明
の第1の実施例における半クラッチ状態図、図5は本発
明の第1の実施例におけるクラッチ係合状態図、図6は
本発明の第1の実施例における発進装置のトルク容量特
性図、図7は本発明の第1の実施例における発進装置の
押付け荷重特性図である。なお、図6において、横軸に
レリーズストロークを、縦軸にトルク容量を採ってあ
る。また、図7において、横軸にレリーズストローク
を、縦軸に押付け荷重を採ってある。
【0035】クラッチ解放状態においては、運転者によ
って図示しないクラッチペダルが踏み込まれ、図3に示
すように、圧力板37が図における左方向に移動させら
れ、発進クラッチ部材14及び変速クラッチ部材15と
トルク伝達部材26とは解放される。このとき、変速ク
ラッチ部材15の摩擦板49は圧力板37にも中間圧力
板35にも接触しない。また、発進クラッチ部材14の
摩擦板21は中間圧力板35ともクラッチホイール27
とも接触しない。このとき、図6に示すように、発進装
置のトルク容量は“0”である。
【0036】なお、12はフライホイール、19は板ば
ね、32は永久磁石、33は被駆動部材、36はリター
ンスプリングである。次に、前記クラッチペダルを徐々
に戻し、図4に示すように、摩擦板49と圧力板37と
が、また、摩擦板49と中間圧力板35とが接触する
と、前記変速クラッチ部材15とトルク伝達部材26と
の係合が開始され、半クラッチ状態が形成される。この
とき、図示しないエンジンはアイドリング状態にあり、
フライホイール12が低速で回転させられているので、
磁気的抗力によってフライホイール12からクラッチホ
イール27にトルクが伝達される。この場合、該クラッ
チホイール27はフライホイール12より回転速度が低
い。このように、クラッチホイール27に伝達されたト
ルクは変速クラッチ部材15を介して変速装置に伝達さ
れる。
【0037】また、このとき、レリーズストロークが小
さくされているので、ダイヤフラムスプリング57(図
2)は圧力板37と摩擦板49とを、また、摩擦板49
と中間圧力板35とを滑らせながらクラッチホイール2
7側に移動し、その後、前記変速クラッチ部材15とト
ルク伝達部材26との係合が終了される。この間、トル
ク容量は大きくなり、図6の点P1 の値から点P2 の値
になる。また、押付け荷重も大きくなり、図7のリター
ンスプリング荷重線L1に沿って点Q1 の値から点Q2
の値になる。
【0038】続いて、レリーズストロークを更に小さく
すると、リターンスプリング36の付勢力に抗して中間
圧力板35がクラッチホイール27側に移動し、摩擦板
21と中間圧力板35とが、また、摩擦板21とクラッ
チホイール27とが接触し、トルク伝達部材26と発進
クラッチ部材14との係合が開始される。その間、前記
磁気カップリングによって伝達されるトルクは変化しな
いので、トルク容量は一定であり、図6の点P2 の値と
点P3 の値は等しい。一方、押付け荷重はリターンスプ
リング36が収縮するので大きくなり、図7のリターン
スプリング荷重線L1に沿って点Q2 の値から点Q3
値になる。
【0039】このように、制御範囲Aにおいては、トル
ク容量を一定にすることができる。このとき、変速装置
を前進1速(前進時において最もギヤ比が大きい変速
段)に設定しておくと、トルクを変速装置に伝達して車
両を発進させることができる。なお、前記クラッチホイ
ール27とフライホイール12とは直接連結されないの
で、半クラッチ状態が形成される際に変速クラッチ部材
15及びクラッチホイール27が停止させられていて
も、エンジンストップが発生することはない。
【0040】また、半クラッチ状態においては、前記磁
気的抗力に対応させられたトルクを変速装置に伝達する
ことができる。したがって、変速装置に伝達されたトル
クによって車両をクリープさせることができるので、坂
道発進を容易にすることができる。次に、レリーズスト
ロークを更に小さくすると、中間圧力板35がリターン
スプリング36の付勢力に抗して摩擦板21と中間圧力
板35とを、また、摩擦板21とクラッチホイール27
とを滑らせながらクラッチホイール27側に更に移動す
る。そして、図5に示すように、板ばね19の圧縮代が
なくなり、トルク伝達部材26と発進クラッチ部材14
との係合が終了される。その間、トルク容量は大きくな
り、図6の点P3 の値から点P4 の値になる。また、押
付け荷重も大きくなり、図7の変速クラッチ荷重線L2
に沿って点Q3 の値から点Q4 の値になる。このとき、
クラッチ係合状態が形成される。なお、L3は発進クラ
ッチ荷重線である。
【0041】そして、前記クラッチ係合状態において
は、変速クラッチ部材15及び発進クラッチ部材14と
トルク伝達部材26とが係合し、フライホイール12の
回転は発進クラッチ部材14を介してトルク伝達部材2
6に直接伝達される。したがって、クラッチホイール2
7の回転速度とフライホイール12の回転速度との間に
差はなく、前記磁気的抗力は発生しない。
【0042】次に、変速時の発進装置の動作について説
明する。アップシフトの変速を行う場合、変速後のエン
ジン回転数は変速前のエンジン回転数より低くなり、ダ
ウンシフトの変速を行う場合、変速後のエンジン回転数
は変速前のエンジン回転数より高くなる。そして、アッ
プシフトの変速を行う場合、まず、トルク伝達部材26
と発進クラッチ部材14とが解放され、次に、トルク伝
達部材26と変速クラッチ部材15とが解放される。そ
して、変速装置の変速段が変更され、再び発進クラッチ
部材14及び変速クラッチ部材15とトルク伝達部材2
6とが係合させられる。このとき、前記永久磁石32と
被駆動部材33との相互作用によって係合は円滑に行わ
れる。
【0043】例えば、車速が一定で、変速前にエンジン
が毎分4000回転で回転していて、変速後に毎分25
50回転になる場合を想定すると、前記相互作用がない
ときは、トルク伝達部材26は変速クラッチ部材15と
係合させられていた時点、すなわち、変速前のエンジン
回転数(毎分4000回転)を慣性によって維持しよう
とする。
【0044】そして、アップシフトの変速時において
は、アクセル開度が小さくなるのが普通であるので、エ
ンジン回転数は変速時には低下する。また、変速クラッ
チ部材15の回転数は変速後に毎分2550回転にな
る。したがって、前記トルク伝達部材26だけが高い回
転数で回転することになるが、前記相互作用によってト
ルク伝達部材26はエンジン回転数に対応した回転数に
なるので、発進クラッチ部材14及び変速クラッチ部材
15とトルク伝達部材26とが円滑に係合させられる。
また、ダウンシフトの変速を行う場合も、同様に発進ク
ラッチ部材14及び変速クラッチ部材15とトルク伝達
部材26とが円滑に係合させられる。
【0045】ところで、前記磁気カップリングの磁気的
抗力によるトルクの大きさは前記被駆動部材33の二次
導電材を鎖交する磁束の変化量に伴って変化し、変化量
が多いほど大きくなる。すなわち、発進装置によって伝
達されるトルクの大きさは二次導電材の表面の磁束密度
の2乗に比例する。そこで、前記被駆動部材33におい
て、二次導電材の表面の磁束密度が高くなるようにして
ある。
【0046】図1は本発明の第1の実施例における磁気
カップリングの概念図である。なお、図の(a)は磁気
カップリングの正面図、(b)は(a)のX−X断面図
である。図において、32は環状の永久磁石、33は該
永久磁石32と対向させて配設された環状の被駆動部材
である。前記永久磁石32においては、図に示すよう
に、S極、N極、S極、N極、…のように互いに異なる
磁極が隣接させられる。
【0047】前記被駆動部材33は、透磁率の高い強磁
性体から成る環状の鉄板85、及び透磁率の低い非磁性
体から成る環状の銅板86を有する。前記鉄板85はコ
ア材を構成し、銅板86は、前記鉄板85における永久
磁石32と対向する面に固定され、二次導電材を構成す
る。前記銅板86と鉄板85とは同じ外径及び内径を有
し、両者は接着、溶着、溶接等の固定手段によって互い
に固定される。また、銅板86と永久磁石32との間に
は、わずかな隙間が形成される。
【0048】また、前記銅板86の円周方向における複
数箇所に、径方向に延びるとともに銅板86の両面間を
貫通する貫通孔87が形成され、各貫通孔87間にピラ
ー部89が形成される。したがって、該ピラー部89、
外周縁部及び内周縁部によって、閉鎖ルートから成るう
ず電流路が形成される。なお、各ピラー部89の幅は径
方向において均一になるように形成され、貫通孔87の
幅は径方向外方になるほど広くなるように形成される。
【0049】そして、前記鉄板85における永久磁石3
2と対向する面には、円周方向における複数箇所に、前
記貫通孔87の形状及び位置に対応させて凸部88が形
成され、鉄板85と銅板86とを固定したときに、凸部
88が貫通孔87に収容されるようになっている。この
場合、前記凸部88が貫通孔87を貫通して延び、凸部
88の端面を永久磁石32に臨ませるので、鉄板85を
永久磁石32に近づけることができ、鉄板85と永久磁
石32との実質的な隙間が小さくなる。したがって、凸
部88を通る磁束の量が多くなる分だけ、銅板86の表
面の磁束密度が高くなり、永久磁石32の回転に伴って
銅板86を鎖交する磁束の変化量を多くすることができ
る。
【0050】このようにして、永久磁石32と被駆動部
材33との相対的な回転によって発生させられる磁気的
抗力を大きくし、発進装置によって発生させられるトル
クを大きくすることができる。また、永久磁石32を大
きくする必要がないので、発進装置の寸法を小さくする
ことができるだけでなく、重量を減少させて燃費をよく
することができる。
【0051】なお、本実施例においては、二次導電材と
してプレート状の銅板86を使用しているが、該銅板8
6に代えてコイルを使用することもできる。その場合、
前記凸部88の周囲にコイルが巻かれる。また、前記銅
板86に代えてかご型モータと同様の銅棒を使用するこ
ともできる。次に、本発明の第2の実施例について説明
する。
【0052】図8は本発明の第2の実施例におけるクラ
ッチ解放状態図である。図において、12はフライホイ
ール、14は発進クラッチ部材、15は変速クラッチ部
材、21、49は摩擦板、26はトルク伝達部材、27
はクラッチホイール、32は永久磁石、33は被駆動部
材、36はリターンスプリング、37は圧力板、93は
板スプリングである。
【0053】この場合、摩擦板49を板ばね19(図
5)によって中間圧力板35及び圧力板37に付勢する
ようになっているので、トルク容量が一定になる制御範
囲を図6の制御範囲Aより広くすることができ、また、
発進クラッチ荷重の最大値を図7のものより大きくする
ことができる。次に、本発明の第3の実施例について説
明する。
【0054】図9は本発明の第3の実施例における発進
装置の概念図である。図において、101はエンジン、
102は変速装置、10は入力軸、11は出力軸、32
は永久磁石、33は被駆動部材、14は発進クラッチ部
材、15は変速クラッチ部材である。また、108は被
駆動部材33に伝達された回転を変速クラッチ部材15
を介して入力軸10に伝達するトルク伝達部材である。
【0055】この場合、磁気カップリング、トルク伝達
部材108及び変速クラッチ部材15から成る第1のト
ルク伝達系と、発進クラッチ部材14から成る第2のト
ルク伝達系が並列に配設されるので、変速クラッチ部材
15は半クラッチ状態を形成する際に係合されるだけで
あるので、変速クラッチ部材15の容量を小さくするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における磁気カップリン
グの概念図である。
【図2】本発明の第1の実施例における発進装置の断面
図である。
【図3】本発明の第1の実施例におけるクラッチ解放状
態図である。
【図4】本発明の第1の実施例における半クラッチ状態
図である。
【図5】本発明の第1の実施例におけるクラッチ係合状
態図である。
【図6】本発明の第1の実施例における発進装置のトル
ク容量特性図である。
【図7】本発明の第1の実施例における発進装置の押付
け荷重特性図である。
【図8】本発明の第2の実施例におけるクラッチ解放状
態図である。
【図9】本発明の第3の実施例における発進装置の概念
図である。
【符号の説明】
12 フライホイール 14 発進クラッチ部材 15 変速クラッチ部材 21、49 摩擦板 32 永久磁石 33 被駆動部材 87 貫通孔 88 凸部 102 変速装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気的抗力によってトルクを伝達する磁
    気カップリングと、係脱自在に配設され、係合時にエン
    ジンの回転を前記磁気カップリングを介して受けて変速
    装置に伝達する発進クラッチ部材と、係脱自在に配設さ
    れ、係合時にエンジンの回転を直接受けて変速装置に伝
    達する変速クラッチ部材とを有するとともに、前記磁気
    カップリングは、互いに異なる磁極を交互に配設するこ
    とによって形成された環状の永久磁石と、わずかな隙間
    を置いて前記永久磁石と対向させて配設された環状の被
    駆動部材とから成り、該被駆動部材は、円周方向におけ
    る複数箇所に貫通孔を有する二次導電材と、該二次導電
    材の背面に配設され、前記貫通孔に対応する凸部を有
    し、該凸部の端面を前記永久磁石に臨ませたコア材とか
    ら成ることを特徴とする発進装置。
JP6271607A 1994-11-04 1994-11-04 発進装置 Pending JPH08135682A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6271607A JPH08135682A (ja) 1994-11-04 1994-11-04 発進装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6271607A JPH08135682A (ja) 1994-11-04 1994-11-04 発進装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08135682A true JPH08135682A (ja) 1996-05-31

Family

ID=17502435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6271607A Pending JPH08135682A (ja) 1994-11-04 1994-11-04 発進装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08135682A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102010055647A1 (de) * 2010-12-22 2012-06-28 Volkswagen Aktiengesellschaft Magnetkupplungsvorrichtung mit einer Reibvorrichtung sowie Reibvorrichtung für eine solche Magnetkupplungsvorrichtung
US8736125B2 (en) 2010-05-17 2014-05-27 Hitachi Metals, Ltd. Coupling device and method of manufacturing coupling device

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8736125B2 (en) 2010-05-17 2014-05-27 Hitachi Metals, Ltd. Coupling device and method of manufacturing coupling device
JP5835215B2 (ja) * 2010-05-17 2015-12-24 日立金属株式会社 カップリング装置
DE102010055647A1 (de) * 2010-12-22 2012-06-28 Volkswagen Aktiengesellschaft Magnetkupplungsvorrichtung mit einer Reibvorrichtung sowie Reibvorrichtung für eine solche Magnetkupplungsvorrichtung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3658711B2 (ja) ボールランプ機構及びこれを備えた駆動系クラッチ
US7083033B2 (en) Torque transmission apparatus
JPH07269593A (ja) ボールランプ機構及びこれを用いた駆動系クラッチ
JPH0532256B2 (ja)
JP2018538489A (ja) クラッチシステムおよびクラッチシステムを操作する方法
CA2078952A1 (en) Clutch having rotatable friction rings
US6648112B2 (en) Power transmitting apparatus with a torque converter
JPH08149793A (ja) 発進装置
US2597388A (en) Electromagnetic clutch
JPH08135682A (ja) 発進装置
US4739864A (en) Electromagnetic powder clutch for use in a power transmitting system having an automatically operated constant-mesh transmission
US7681704B2 (en) Electromagnetic inertia brake for a power input shaft of a power transmission mechanism
JP3646989B2 (ja) トルク伝達装置
JPH08149790A (ja) 発進装置
JPH08200404A (ja) 発進装置
JPH08135683A (ja) 発進装置
JPH08149792A (ja) 発進装置
JPH08149791A (ja) 発進装置
JPH08135693A (ja) 発進装置
JPH08200403A (ja) 発進装置
JPH08200402A (ja) 発進装置
JPH07301249A (ja) 発進装置
JPH0320588Y2 (ja)
JPH0464747A (ja) 差動制限装置
JPH07301250A (ja) 発進装置