JPH08200402A - 発進装置 - Google Patents

発進装置

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JPH08200402A
JPH08200402A JP832695A JP832695A JPH08200402A JP H08200402 A JPH08200402 A JP H08200402A JP 832695 A JP832695 A JP 832695A JP 832695 A JP832695 A JP 832695A JP H08200402 A JPH08200402 A JP H08200402A
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JP
Japan
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clutch
torque
centrifugal
clutch member
engine
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Application number
JP832695A
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English (en)
Inventor
Masao Kawai
正夫 川合
Hideki Ariga
秀喜 有賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Equos Research Co Ltd
Original Assignee
Equos Research Co Ltd
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Publication date
Application filed by Equos Research Co Ltd filed Critical Equos Research Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】発進操作が容易で、発進時にショックが発生す
ることがなく、走行フィーリングが悪くなるのを防止す
る。 【構成】磁気カップリングと、設定された回転数に対応
する遠心力を受けて係合させられ、エンジン101の回
転をトルク伝達部材に伝達する遠心クラッチ部材14
と、係合時に前記トルク伝達部材の回転を変速装置10
2に伝達する変速クラッチ部材15とを有する。クラッ
チペダルを離し始めると、変速クラッチ部材15の係合
が開始され、変速クラッチ部材15を介してトルクが伝
達される。次に、アクセルペダルを踏み込むと駆動部材
33と永久磁石32との回転数差が大きくなり、磁気カ
ップリングを介して伝達されるトルクが大きくなる。車
速が高くなって設定値になると、遠心力による遠心クラ
ッチ部材14の係合が開始される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発進装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、手動変速機においては、エンジン
において発生させられた回転がクラッチを介して変速装
置に伝達されるようになっているが、車両を発進させよ
うとしたときにエンジンと変速装置との間が急激に接続
されるとエンストを起こしてしまう。したがって、運転
者は、クラッチペダルを徐々に離し、エンジンと変速装
置との間が急激に接続されることがないようにする必要
があり、操作が煩わしい。
【0003】そこで、発進操作を自動化し、運転者がア
クセルペダルを踏み込むだけで車両を発進させることが
できるようにした自動クラッチ式の発進装置が提供され
ている。該発進装置においては、エンジンと変速装置と
の間に発進クラッチ部材及び変速クラッチ部材が配設さ
れ、アクセルペダルの踏込みによってエンジン回転数が
高くなったときに、遠心力によって前記発進クラッチ部
材が係合させられるようになっている。一方、変速クラ
ッチ部材は、通常時接続型の構造を有していて、運転者
が変速段を変えようとしてシフトレバーに触れると、ソ
レノイドによって負圧サーボが作動させられ、該負圧サ
ーボによって解放されるようになっている(「自動車工
学全書」第9巻 145ページ参照)。
【0004】したがって、運転者がアクセルペダルを踏
み込んでエンジン回転数を高くすると、エンジンの回転
が発進クラッチ部材に伝達され、遠心力によって発進ク
ラッチ部材が係合させられる。その結果、前記エンジン
の回転が変速装置に伝達される。この間、変速クラッチ
部材は係合状態を維持する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の発進装置においては、遠心力によって発進クラッチ
部材が係合させられるので、係合された時点においてエ
ンジン回転数は高くなっている。したがって、発進時に
発進クラッチ部材の係合に伴うショックが発生し、走行
フィーリングが悪くなってしまう。
【0006】本発明は、前記従来の発進装置の問題点を
解決して、発進操作が容易で、発進時にショックが発生
することがなく、走行フィーリングが悪くなるのを防止
することができる発進装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の発
進装置においては、磁気的抗力によってエンジンのトル
クをトルク伝達部材に伝達する磁気カップリングと、設
定された回転数に対応する遠心力を受けて係合させら
れ、エンジンの回転を前記トルク伝達部材に伝達する遠
心クラッチ部材と、係脱自在に配設され、係合時に前記
トルク伝達部材の回転を変速装置に伝達する変速クラッ
チ部材とを有する。
【0008】そして、前記磁気カップリングは、互いに
異なる磁極を交互に配設することによって形成された永
久磁石と、隙間(すきま)を置いて前記永久磁石と対向
させて配設された駆動部材とから成る。本発明の他の発
進装置においては、前記遠心クラッチ部材はトルク伝達
部材に固定される。
【0009】本発明の更に他の発進装置においては、前
記遠心クラッチ部材はエンジン側のフライホイールに固
定される。
【0010】
【作用及び発明の効果】本発明によれば、前記のように
発進装置においては、磁気的抗力によってエンジンのト
ルクをトルク伝達部材に伝達する磁気カップリングと、
設定された回転数に対応する遠心力を受けて係合させら
れ、エンジンの回転を前記トルク伝達部材に伝達する遠
心クラッチ部材と、係脱自在に配設され、係合時に前記
トルク伝達部材の回転を変速装置に伝達する変速クラッ
チ部材とを有する。
【0011】そして、前記磁気カップリングは、互いに
異なる磁極を交互に配設することによって形成された永
久磁石と、隙間を置いて前記永久磁石と対向させて配設
された駆動部材とから成る。この場合、エンジンをアイ
ドリング回転させた状態で、運転者がクラッチペダルを
踏み込み、選速装置によってシフトポジションを1速に
して、クラッチペダルを離し始めると、磁気カップリン
グによるトルクの伝達が開始される。
【0012】すなわち、クラッチペダルを離し始める
と、変速クラッチ部材の係合が開始され、エンジンのト
ルクは磁気カップリングを介してトルク伝達部材に伝達
され、変速クラッチ部材を介してトルク伝達部材から変
速装置に伝達される。その結果、駆動輪にトルクが伝達
され、車両はクリープ力によって徐々に発進させられ
る。
【0013】次に、運転者がアクセルペダルを踏み込み
始め、エンジン回転数が高くなると、駆動部材と永久磁
石との回転数の差(以下、「回転数差」という。)が大
きくなり、磁気カップリングを介して伝達されるトルク
が前記回転数差に対応して大きくなる。したがって、従
来の自動変速機と同様に車両をスムーズに発進させるこ
とができる。
【0014】そして、トルク伝達部材の回転数、すなわ
ち、車速が高くなって設定値になると、遠心力による遠
心クラッチ部材の係合が開始される。該遠心クラッチ部
材の係合が進むにつれて伝達されるトルクは大きくなる
が、前記遠心クラッチ部材の係合に伴って、駆動部材と
永久磁石との回転数差は小さくなるので、磁気カップリ
ングを介して伝達されるトルクは小さくなる。
【0015】この間、磁気カップリングを介して伝達さ
れるトルクと遠心クラッチ部材を介して伝達されるトル
クとを合わせたトルクが駆動輪に伝達されるが、該駆動
輪に伝達されるトルクは変化せず、設定された回転数に
対応する値になる。したがって、遠心クラッチ部材の係
合に伴うショックが抑制されるので、走行フィーリング
が悪くなるのを防止することができる。
【0016】続いて、遠心クラッチ部材の係合が終了す
ると、フライホイールとトルク伝達部材との間が連結さ
れる。このように、運転者は変速時だけクラッチペダル
を踏み込めばよいので、発進操作が容易になる。また、
エンジン回転数が低いときにクラッチペダルを離して変
速クラッチ部材を係合させても、磁気カップリングを介
して伝達されるトルクが小さいので、エンストが起こる
ことはない。
【0017】さらに、変速クラッチ部材の係合が開始さ
れると同時に、磁気カップリングを介してトルクの伝達
を開始することができるので、駆動輪に直ちにトルクを
伝達することができる。したがって、発進時において遠
心クラッチ部材が係合させられるまでの、トルクが伝達
されない領域はなくなり、従来の自動変速機と同様にト
ルクを駆動輪にスムーズに伝達することができる。
【0018】そして、フルード・カップリング、トルク
コンバータ等を配設する必要がなくなるので、発進装置
を小型化することができる。本発明の他の発進装置にお
いては、前記遠心クラッチ部材はトルク伝達部材に固定
される。この場合、遠心クラッチ部材はトルク伝達部材
に固定されるので、車速に対応して係合させられる。し
たがって、平坦(へいたん)路、坂路等の走行路条件
や、急加速、緩加速等の発進条件などに関係なく、車速
が設定値になったときに、遠心クラッチ部材を係合させ
ることができる。その結果、エンストを起こすことな
く、車両をスムーズに発進させることができる。
【0019】本発明の更に他の発進装置においては、前
記遠心クラッチ部材はエンジン側のフライホイールに固
定される。この場合、遠心クラッチ部材はフライホイー
ルに固定されるので、エンジン回転数に対応して係合さ
せられる。したがって、磁気カップリングが最も発熱し
やすい高回転領域において常に遠心クラッチ部材を係合
させることができるので、磁気カップリングの発熱を抑
制することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例に
おける発進装置の概念図、図2は本発明の第1の実施例
における発進装置の断面図、図3は本発明の第1の実施
例における遠心クラッチ部材の概略図である。
【0021】図に示すように、発進装置は、エンジン1
01の出力軸(クランクシャフト)11と変速装置10
2の入力軸10との間に配設され、エンジン101と変
速装置102との間を断続する。前記エンジン101の
回転は発進装置を介して変速装置102に伝達され、該
変速装置102において変速させられ、図示しない差動
装置において差動させられて図示しない左右の駆動輪に
伝達される。そして、前記変速装置102においては、
二つの並列な軸上に配設された歯数比が異なる複数のギ
ヤセットを選択することによって、特定のギヤ比を設定
することができるようになっている。
【0022】前記発進装置においては、前記出力軸11
に円板状のフライホイール12がボルト16によって固
定され、前記フライホイール12のボス部22の外周に
はベアリング24が配設され、該ベアリング24を介し
てトルク伝達部材26が出力軸11に対して相対回転自
在に支持される。前記トルク伝達部材26は、前記ベア
リング24の径方向外方において前記フライホイール1
2と対向させて配設されたクラッチホイール27、該ク
ラッチホイール27の外周縁部に配設された環状のアウ
タリング29、ボルト30によって前記クラッチホイー
ル27に固定されたクラッチカバー31、及び該クラッ
チカバー31の径方向内方においてクラッチホイール2
7と共に変速クラッチ部材15を挟んで配設された圧力
板37から成る。
【0023】なお、本実施例においては、前記ベアリン
グ24によってトルク伝達部材26を出力軸11に対し
て相対回転自在に支持しているが、発進装置ケーシング
23に配設された図示しないベアリングによってトルク
伝達部材26を回転自在に支持するようにしてもよい。
また、前記フライホイール12の外周縁部と前記クラッ
チホイール27の外周縁部との間には、複数のクラッチ
ユニット104から成る遠心クラッチ部材14が配設さ
れ、前記アウタリング29の円周方向における複数箇所
に固定される。前記クラッチユニット104は、一対の
リベット105、該各リベット105によって揺動自在
に支持された遠心カム106、該遠心カム106と当接
させられて配設されたスプリング107、及び該スプリ
ング107の外周側に配設され、径方向に進退自在に配
設された摩擦板108から成る。一方、フライホイール
12の外周縁部には筒状部17が形成され、該筒状部1
7の内周に係合面110が形成され、該係合面110と
前記摩擦板108とが対向させられる。
【0024】したがって、通常は、前記スプリング10
7の付勢力によって前記遠心カム106が径方向内方の
解放位置に置かれ、遠心クラッチ部材14は解放させら
れる。そして、クラッチホイール27の回転数が高くな
って設定された値になると、遠心力によって前記遠心カ
ム106が揺動させられて径方向外方の係合位置に置か
れ、スプリング107の付勢力に抗して前記摩擦板10
8を径方向外方に移動させる。その結果、摩擦板108
と係合面110とが摩擦摺動(しゅうどう)させられ、
遠心クラッチ部材14が係合させられる。
【0025】また、前記フライホイール12におけるク
ラッチホイール27と対向する面には、環状の駆動部材
33が嵌入(かんにゅう)される。該駆動部材33は、
非磁性の二次導電材から成り、該二次導電材としては、
銅、アルミニウム等を使用することができる。一方、前
記クラッチホイール27は強磁性体から成り、該クラッ
チホイール27におけるフライホイール12と対向する
面には、複数対の永久磁石32が嵌入される。その結
果、永久磁石32が発生させた磁束が前記駆動部材33
を鎖交する。前記永久磁石32は、クラッチホイール2
7の円周方向に配列され、S極、N極、S極、N極、…
のように互いに異なる磁極が隣接させられる。なお、前
記永久磁石32としては、フェライト磁石、耐熱性の高
いサマリウムコバルト磁石等を使用することもできる。
【0026】そして、前記永久磁石32及び駆動部材3
3によって磁気カップリングが構成される。ところで、
アイドリング状態等において前記エンジン101が低速
で回転させられると、フライホイール12に回転が伝達
され、前記駆動部材33もエンジン回転数と同じ回転数
で回転させられ、前記駆動部材33と永久磁石32との
間において相対回転が発生する。
【0027】その結果、駆動部材33を鎖交する磁束の
量が任意の場所において変化し、該磁束の変化量に対応
して駆動部材33に電磁誘導によるうず電流が流れる。
したがって、該うず電流と永久磁石32の磁束との相互
作用によって、駆動部材33と永久磁石32との間に磁
気的抗力が発生させられ、永久磁石32が回転させられ
る。
【0028】なお、前記磁気的抗力は、前記駆動部材3
3と永久磁石32との回転数差に対応して変化する。す
なわち、前記駆動部材33と永久磁石32との回転数差
が大きくなるほど磁気的抗力が大きくなるが、回転数差
が所定以上に大きくなると磁気的抗力は小さくなる。ま
た、前記変速装置102の入力軸10の端部に、ダンパ
41を介して前記変速クラッチ部材15が配設され、ク
ラッチホイール27及び圧力板37と対向させられる。
前記ダンパ41は、前記入力軸10とスプライン連結さ
れたダンパハブ45に固定される。前記ダンパ41は、
前記遠心クラッチ部材14及び変速クラッチ部材15を
介して入力軸10に伝達されるトルクの変動を平滑化す
るためのものであり、変速クラッチ部材15と連結さ
れ、該変速クラッチ部材15を介してトルクが伝達され
る第1部材42、ダンパハブ45と連結された第2部材
43、及び第1部材42と第2部材43との間に配設さ
れたダンパスプリング44から成る。
【0029】前記トルクは磁気カップリング、変速クラ
ッチ部材15及びダンパ41を介して、又は遠心クラッ
チ部材14、変速クラッチ部材15及びダンパ41を介
して入力軸10に伝達され、トルクの変動に対応してダ
ンパ41のダンパスプリング44が伸縮する。前記変速
クラッチ部材15は、前記第1部材42の外周に固定さ
れた板47、及び該板47の両面に固定された摩擦板4
9から成る。
【0030】また、前記クラッチカバー31は前記変速
装置102側の端面に支持部55を有し、該支持部55
によってダイヤフラムスプリング57が挟持され保持さ
れる。該ダイヤフラムスプリング57は環状体から成
り、外周縁が前記圧力板37と当接させられ、内周縁が
図示しないレリーズベアリングと当接させられる。な
お、59はボルト60によって前記圧力板37に固定さ
れ、前記ダイヤフラムスプリング57の外周縁を前記圧
力板37に押圧する保持スプリングである。
【0031】したがって、前記レリーズベアリングが軸
方向に移動するのに伴ってダイヤフラムスプリング57
の外周縁も軸方向に移動することができるので、圧力板
37によって変速クラッチ部材15を係脱することがで
きる。そのために、前記レリーズベアリングは、図示し
ないレリーズフォーク等を介してレリーズシリンダに接
続され、該レリーズシリンダはマスターシリンダと連結
される。そして、該マスターシリンダは、図示しないク
ラッチペダルと更に連結される。
【0032】したがって、運転者がクラッチペダルを踏
み込むと、マスターシリンダが作動させられ、該マスタ
ーシリンダによって発生させられた油圧が前記レリーズ
シリンダに供給され、該レリーズシリンダによってレリ
ーズベアリングが図2における右方向に移動させられ
る。このとき、前記レリーズベアリングは、ダイヤフラ
ムスプリング57の内周縁を同方向に移動させ、該ダイ
ヤフラムスプリング57を揺動させて外周縁を図2にお
ける左方向に移動させる。その結果、ダイヤフラムスプ
リング57の圧力板37への付勢力は軽減又は解除され
るとともに、圧力板37は図2における左方向に移動さ
せられ、変速クラッチ部材15が解放される。
【0033】一方、運転者がクラッチペダルを離すと、
レリーズベアリングが図2における左方向に移動させら
れる。このとき、前記レリーズベアリングは、ダイヤフ
ラムスプリング57の内周縁を同方向に移動させ、該ダ
イヤフラムスプリング57を揺動させて外周縁を図2に
おける右方向に移動させる。その結果、ダイヤフラムス
プリング57によって圧力板37に付勢力が加えられ、
圧力板37は図2における右方向に移動させられ、変速
クラッチ部材15が係合させられる。
【0034】次に、前記構成の発進装置の動作について
説明する。図4は本発明の第1の実施例における発進装
置のタイムチャートである。前記エンジン101(図
1)をアイドリング回転させた状態で、運転者が図示し
ないクラッチペダルを踏み込み、図示しない選速装置に
よってシフトポジションを1速にして、クラッチペダル
を離し始めると、磁気カップリングによるトルクの伝達
が開始される。
【0035】すなわち、クラッチペダルを離し始める
と、変速クラッチ部材15の係合が開始され、エンジン
101のトルクは、磁気カップリングを介してフライホ
イール12(図2)からクラッチホイール27に伝達さ
れ、変速クラッチ部材15を介してクラッチホイール2
7から圧力板37に伝達される。その結果、図示しない
駆動輪にトルクが伝達され、車両はクリープ力によって
徐々に発進させられる。
【0036】前記磁気カップリングによって伝達される
トルク及び駆動輪に伝達されるトルクは、運転者が図示
しないアクセルペダルを踏み込み始めるまで同じ値を採
る。次に、運転者がアクセルペダルを踏み込み始め、エ
ンジン回転数が高くなると、駆動部材33と永久磁石3
2との回転数差が大きくなり、磁気カップリングを介し
て伝達されるトルクが前記回転数差に対応して大きくな
る。したがって、従来の自動変速機と同様に車両をスム
ーズに発進させることができる。
【0037】そして、クラッチホイール27の回転数、
すなわち、車速が高くなって設定値になると、遠心力に
よる遠心クラッチ部材14の係合が開始される。該遠心
クラッチ部材14の係合が進むにつれて遠心クラッチ部
材14を介して伝達されるトルクは大きくなるが、前記
遠心クラッチ部材14の係合に伴って、駆動部材33と
永久磁石32との回転数差は小さくなるので、磁気カッ
プリングを介して伝達されるトルクは小さくなる。
【0038】この間、磁気カップリングを介して伝達さ
れるトルクと遠心クラッチ部材14を介して伝達される
トルクとを合わせたトルクが駆動輪に伝達されるが、該
駆動輪に伝達されるトルクは変化しない。したがって、
遠心クラッチ部材14の係合に伴うショックは発生しな
いので、走行フィーリングが悪くなるのを防止すること
ができる。
【0039】続いて、遠心クラッチ部材14の係合が終
了すると、フライホイール12とクラッチホイール27
との間が連結される。その結果、出力軸11と入力軸1
0との間がロックアップ状態になり、機械的に連結され
る。このように、運転者は変速時だけクラッチペダルを
踏み込めばよいので、発進操作が容易になる。また、エ
ンジン回転数が低いときにクラッチペダルを離して変速
クラッチ部材15を係合させても、磁気カップリングを
介して伝達されるトルクが小さいので、エンストが起こ
ることはない。
【0040】さらに、変速クラッチ部材15の係合が開
始されると同時に、磁気カップリングを介してトルクの
伝達を開始することができるので、駆動輪に直ちにトル
クを伝達することができる。したがって、発進時におい
て遠心クラッチ部材14が係合させられるまでの、トル
クが伝達されない領域はなくなり、従来の自動変速機と
同様にトルクを駆動輪にスムーズに伝達することができ
る。
【0041】そして、フルード・カップリング、トルク
コンバータ等を配設する必要がなくなるので、発進装置
を小型化することができる。この場合、遠心クラッチ部
材14はトルク伝達部材26に固定されるので、車速に
対応して係合させられる。したがって、平坦路、坂路等
の走行路条件や、急加速、緩加速等の発進条件などに関
係なく、車速が設定値になったときに、出力軸11と入
力軸10との間が常にロックアップ状態になる。その結
果、エンストを起こすことなく、車両をスムーズに発進
させることができる。
【0042】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図5は本発明の第2の実施例における発進装置の
断面図である。この場合、出力軸11に円板状のフライ
ホイール112がボルト16によって固定され、前記フ
ライホイール112のボス部22の外周にはベアリング
24が配設され、該ベアリング24を介してトルク伝達
部材126が出力軸11に対して相対回転自在に支持さ
れる。
【0043】前記トルク伝達部材126は、前記ベアリ
ング24の径方向外方において前記フライホイール11
2と対向させて配設されたクラッチホイール127、該
クラッチホイール127の外周縁部に配設された永久磁
石132、ボルト30によってクラッチホイール127
に固定されたクラッチカバー31、及び該クラッチカバ
ー31の径方向内方においてクラッチホイール127と
共に変速クラッチ部材15を挟んで配設された圧力板3
7から成る。
【0044】また、前記フライホイール112のほぼ中
央部と前記クラッチホイール127の外周縁部との間に
は、遠心クラッチ部材114が配設される。一方、クラ
ッチホイール127の外周縁部には筒状部117が形成
され、該筒状部117の内周に係合面116が形成さ
れ、該係合面116と前記遠心クラッチ部材114の摩
擦板118とが対向させられる。
【0045】したがって、通常は、前記遠心クラッチ部
材114は解放させられる。そして、フライホイール1
12の回転数が高くなると、遠心力によって遠心クラッ
チ部材114が係合させられる。また、前記クラッチホ
イール127の筒状部117に対応させて、フライホイ
ール112の外周縁に筒状部115が形成される。そし
て、該筒状部115の円周方向における複数箇所に穴が
形成され、該穴に棒状の駆動部材133が嵌入される。
該駆動部材133は、非磁性の二次導電材から成り、該
二次導電材としては、銅、アルミニウム等を使用するこ
とができる。
【0046】一方、前記クラッチホイール127は強磁
性体から成る。そして、前記筒状部117における前記
筒状部115と対向する面には、複数対の永久磁石13
2が嵌入され、該永久磁石132の外周面と前記筒状部
115の内周面との間にはわずかな間隙(かんげき)が
形成される。その結果、永久磁石132が発生させた磁
束が前記駆動部材133を鎖交する。前記永久磁石13
2は、クラッチホイール127の円周方向に配列され、
S極、N極、S極、N極、…のように互いに異なる磁極
が隣接させられる。
【0047】そして、前記永久磁石132及び駆動部材
133によって磁気カップリングが構成される。ところ
で、アイドリング状態等において前記エンジン101
(図1)が低速で回転すると、フライホイール112に
回転が伝達され、前記駆動部材133もエンジン回転数
と同じ回転数で回転させられ、前記駆動部材133と永
久磁石132との間において相対回転が発生する。
【0048】その結果、駆動部材133を鎖交する磁束
の量が変化し、該磁束の変化量に対応して駆動部材13
3に電磁誘導によるうず電流が流れる。したがって、該
うず電流と前記永久磁石132の磁束との相互作用によ
って、駆動部材133と永久磁石132との間に磁気的
抗力が発生させられ、永久磁石132が回転させられ
る。
【0049】前記エンジン101からのトルクは磁気カ
ップリング、変速クラッチ部材15及びダンパ41を介
して、又は遠心クラッチ部材114、変速クラッチ部材
15及びダンパ41を介して入力軸10に伝達される。
この場合、遠心クラッチ部材114はフライホイール1
12に固定されるので、エンジン回転数に対応して係合
させられる。
【0050】したがって、磁気カップリングが最も発熱
しやすい高回転領域において常に遠心クラッチ部材11
4を係合させることができるので、磁気カップリングの
発熱を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における発進装置の概念
図である。
【図2】本発明の第1の実施例における発進装置の断面
図である。
【図3】本発明の第1の実施例における遠心クラッチ部
材の概略図である。
【図4】本発明の第1の実施例における発進装置のタイ
ムチャートである。
【図5】本発明の第2の実施例における発進装置の断面
図である。
【符号の説明】
12、112 フライホイール 14、114 遠心クラッチ部材 15 変速クラッチ部材 26、126 トルク伝達部材 32、132 永久磁石 33、133 駆動部材 101 エンジン 102 変速装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気的抗力によってエンジンのトルクを
    トルク伝達部材に伝達する磁気カップリングと、設定さ
    れた回転数に対応する遠心力を受けて係合させられ、エ
    ンジンの回転を前記トルク伝達部材に伝達する遠心クラ
    ッチ部材と、係脱自在に配設され、係合時に前記トルク
    伝達部材の回転を変速装置に伝達する変速クラッチ部材
    とを有するとともに、前記磁気カップリングは、互いに
    異なる磁極を交互に配設することによって形成された永
    久磁石と、隙間を置いて前記永久磁石と対向させて配設
    された駆動部材とから成ることを特徴とする発進装置。
  2. 【請求項2】 前記遠心クラッチ部材はトルク伝達部材
    に固定された請求項1に記載の発進装置。
  3. 【請求項3】 前記遠心クラッチ部材はエンジン側のフ
    ライホイールに固定された請求項1に記載の発進装置。
JP832695A 1995-01-23 1995-01-23 発進装置 Pending JPH08200402A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009118839A (ja) * 2007-11-15 2009-06-04 Kiyoshi Eguchi 遠心力回転アーム付ワカサギ釣り用電動リール
WO2016175196A1 (ja) * 2015-04-30 2016-11-03 Ntn株式会社 フライホイール

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