JPH081999Y2 - マスタシリンダの取付構造 - Google Patents

マスタシリンダの取付構造

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JPH081999Y2
JPH081999Y2 JP1989031792U JP3179289U JPH081999Y2 JP H081999 Y2 JPH081999 Y2 JP H081999Y2 JP 1989031792 U JP1989031792 U JP 1989031792U JP 3179289 U JP3179289 U JP 3179289U JP H081999 Y2 JPH081999 Y2 JP H081999Y2
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俊幸 高橋
友路 烏山
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株式会社ナブコ
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  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、車両等で用いられるマスタシリンダの取付
構造に関する。
〔従来の技術及びその問題点〕
例えば実開昭63-112963号公報で開示されているマス
タシリンダでは筒状本体の外周に設けた取付フランジに
軸方向に溝を形成し、これに密封部材を嵌め込んでい
る。然るに、この状態で、該マスタシリンダを車体に未
だ取り付けることなく運送したような場合には、密封部
材が脱落してしまうことが多かった。
〔考案が解決しようとする問題点〕
本考案は上記問題に鑑みてなされ、取付部における密
封部材の脱落を確実に防止することができるマスタシリ
ンダの取付構造を提供することを目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、車体の取付部に形成した孔に筒状本体を
嵌合させるとともに該筒状本体の外周に設けた取付フラ
ンジを前記取付部に密封部材を介在させて固定するよう
にしたマスタシリンダの取付構造において、前記取付フ
ランジに該取付フランジを貫通する孔を形成するととも
に前記密封部材にこの孔に嵌着する突起を形成したマス
タシリンダの取付構造によって達成される。
〔作用〕
密封部材の突起を取付フランジの貫通孔に嵌着するこ
とにより、例えば運送時にかなり大きな振動力を受けて
も密封部材が取付フランジから抜け出ることは確実に防
止される。
〔実施例〕
以下、本考案の実施例によるマスタシリンダの取付構
造について図面を参照して説明する。
第1図においてはマスタシリンダは全体としてMで示
され、このシリンダ本体(1)の前方部(第1図におい
て左方部とする)には第2図に形状が明示される縦長の
接続孔形成部(2)がブロック状に形成されている。こ
の接続孔形成部(2)は車体に取り付けるための所定形
状の嵌合部(3)の前面に形成されており、この嵌合部
3は取付フランジ(4)から所定高さで隆起した台状に
なっている。(5)(5)は取付フランジ(4)に一体
的に形成される取付アーム部であって、ボルト孔(5A)
を有している。この嵌合部(3)は第1図で一点鎖線で
示すトーボード(100)のマスタシリンダ取付用孔(10
1)と同一形状にしてある。シリンダ本体(1)の内部
には一端(後端)に開口するシリンダ孔(6)が形成さ
れており、孔底(7)には液供給孔(8)の一端が開口
している。第2図に示すようにこのシリンダ孔(6)の
軸心Oは接続孔形成部(2)の上下方向中心から下方に
偏心した位置にあり、接続孔形成部(2)のシリンダ孔
(6)より上部のブロック部分(9)には吐出孔(10
A)を有する配管接続部(10)と作動液リザーバ(図示
しない)を接続される接続孔(11A)を有する接続部(1
1)が横並列に形成されている。吐出孔(10A)は傾斜し
た孔であり、これが開口する面(2A)は上向きに傾斜し
ている。接続孔(11A)も傾斜した孔(吐出孔(10A)の
傾斜角より小さい)であって、これが開口する面(2B)
も上向きに傾斜しているが傾斜角度は小さい。上記液供
給口(8)は通孔(15)を介して上記接続孔(11A)に
連通している。(16)はリザーバへの接続具を示してい
る。
シリンダ孔(6)内にはピストン(20)が摺動自在に
挿入され、このピストン(20)は戻しばね(予負荷ば
ね)(21)により開口端側へ付勢されて底(7)側との
間に液圧室Xを区画している。この液室Xは吐出孔(10
A)の他端が開口する。ピストン(20)は、プラスチッ
クでなるピストン本体(26)とこの前方に一体的に形成
される小径の筒部(26a)が挿入される同じくプラスチ
ックでなるガイド部材(29)とからなっている。ピスト
ン本体(26)とガイド部材(29)とは溶着により一体化
される。ピストン本体(26)のフランジ部に当接し小径
の筒部(26a)の周りにはカップシール(27)が嵌着さ
れている。ガイド部材(29)には金属でなるリテーナ
(28)が嵌着されており、この周側部に形成される複数
の爪(28a)を図示するように軸心方向に折り込んで、
ガイド部材(29)の先端部に係合させることによりリテ
ーナ(28)はガイド部材(29)に固定される。このリテ
ーナ(28)は上述の戻しばね(21)の一端を受けてい
る。又、この他端はほゞコップ形状の弁ケーシング(3
0)で受けられており、これは底壁(7)に当接して嵌
着されている。この弁ケーシング(30)に軸状部材(3
1)の左端部が遊合状態で嵌合しており、この先端部に
弁体(32)を一体的に固定させている。そしてこの周囲
には弁ゴムgを固定させている。図示する状態では底壁
(7)から離座しており、すなわち、底壁(7)は弁ゴ
ムgに対する弁座として働く。又、弁体(32)は弁ケー
シング(30)との間に張設される弁ばね(33)により左
方へと付勢されているが、戻しばね(21)のばね力の方
が大きいことにより図示する位置をとっている。軸状部
材(31)の右端部には係合頭部(31a)が形成され、こ
れはガイド部材(29)に形成されるガイド孔(29a)内
にありリテーナ(28)の孔と係合している。すなわち、
リテーナ(28)からの抜け止めがされている。
又、ピストン本体(26)の後端部には球面形状の凹所
(23)が形成され、これにプッシュロッド(35)の頭部
(35a)が係合している。頭部(35a)は抜止部材(24)
により外方への抜け止めが行われており、又、この抜止
部材(24)は固定リング(25)により図示する位置に固
定されている。又、シリンダ本体(1)の開口端部の周
壁部とプッシュロッド(35)との間には、ダストカバー
(34)が装着されている。
次に本考案に係わる取付フランジ(4)に固着される
ダストシール(40)について、主として第3図乃至第6
図を参照して説明する。
ダストシール(40)は第3図に明示されるように環状
を呈しゴム製であり、第4図及び第5図に明示されるよ
うに90度の角度範囲で突起部(41a)(41b)及び(47
a)(47b)が形成されている。(41a)(41b)は同一の
構成であり、(47a)(47b)は又別形状であるが同一の
構成であるので第4図及び第5図ではそれぞれ一方の突
起部(47a)(41a)についてのみ説明する。又、これら
の間においては第6図に明示されるような形状を呈して
いる。すなわち、大部分は平板部(42)からなり、この
中心線に沿って断面が半円形の突条(43)が形成されて
いる。一方の突起部(41a)は第4図に明示されるよう
に第3図において紙面に対し裏側へと伸びており、他の
突起部が形成されていない平板部(42)に一体的に軸部
(44)が形成されており、この先端部にはフック状の係
合部(45)が形成されている。又この軸部(44)のほゞ
中央部には断面が半円形状の環状突部(46)が形成され
ている。これと一対の他方の突起部(41b)も同様に構
成されている。
次に第5図でもう一方の突起部(47a)について説明
すると、平板部(42)から一体的に上述の突起部(41
a)と同様に紙面に対し裏側へと伸びている軸部(48)
が形成されており、この先端部にはフック状の係合部
(49)が形成されている。本突起部(47a)と上述の突
起部(41a)との相違は、軸部(48)に環状の突部(4
6)が形成されていないことである。本考案に係わるダ
ストシール(40)は以上のように構成されるのである
が、一方、これを嵌め込む取付フランジ(4)の端面に
は、環状の凹所(4b)が形成されている。このようなダ
ストシール(40)は、取付フランジ(4)の環状の凹所
(4b)に平板部(42)を装着し、かつ、取付フランジ
(4)に90度間隔で形成される貫通孔(4a)(第7図参
照)にそれぞれ突起部(41a)(41b)(47a)(47b)を
挿入し、そしてその先端の係合部(45)(49)を第7図
に明示されるように取付フランジ(4)の車室側の面に
対し係合させることにより、このダストシール(40)の
抜け止めが行われる。上記各貫通孔(4a)を設けた凹所
(4c)の部位は、第2図に示したように、突起部(41
a)(41b)(47a)(47b)を挿入し易いように円弧状に
若干広げて形成されている。
なお、突起部(41a)(41b)に設けた軸部(44)及び
突起部(47a)(47b)に設けた軸部(48)の外径は、共
に取付フランジ(4)に形成した貫通孔(4a)の内径よ
りも若干小さく、また突起部(41a)(41b)に設けた環
状突部(46)の外径は、貫通孔(4a)の内径よりも若干
大きく形成されている。
また、ダストシール(40)の平板部(42)の厚みは取
付フランジ(4)に形成した環状の凹所(4b)の深さよ
りも小さく、又、突条(43)の高さは、凹所(4b)内に
装着した際、取付フランジ(4)の端面から若干突出す
る高さに予め設定されている。
従って、貫通孔(4a)各々の間隔に加工上若干の狂い
が生じても、突起部(47a)(47b)が貫通孔(4a)に対
して隙間をもって嵌合しているため、上記の狂いがその
隙間によって吸収されることとなり、ダストシール(4
0)の平板部(42)によじれ等シール不良を起こすよう
な変形が生じることを防止できる。
このように形成された突起部(41a)(41b)(47a)
(47b)を各々貫通孔(4a)に挿入すると、それらの軸
部(44)(48)は貫通孔(4a)に対して若干の間隙をも
って配設され、環状突部(46)は貫通孔(4a)に押しつ
ぶされるように圧接して装着される。
また、大部分を占める平板部(42)では、取付フラン
ジ(4)の端面から突出した突条(43)がトーボード
(100)に押しつぶされるように圧接して装着されるこ
とになる。
第1図において取付フランジ(4)の右方が車室側で
あり、左方がエンジンルーム側であるが、マスタシリン
ダMの車体への取付けにあたっては、トーボード(10
0)に形成される取付孔(101)にマスタシリンダMを車
室側からエンジンルーム側に向って接続孔形成部(2)
を前方にしてトーボード(100)の取付孔(101)に挿入
し、トーボード(100)の車室側面にマスタシリンダM
の取付フランジ(4)を当接させる。この時トーボード
(100)に固定された取付ボルト(110)がフランジ
(4)に形成されたボルト孔(5A)に嵌め込まれる。こ
の状態で図示しないナットをボルト(110)に螺着固定
することによりマスタシリンダMはトーボード(100)
に対し固定される。
本考案の実施例は以上のように構成されるのである
が、次にこの作用について説明する。
運転手が図示しないブレーキペダルを踏み込むと、プ
ッシュロッド(35)は矢印で示す方向に移動し、これと
ともにピストン(20)も矢印の方向に移動する。すなわ
ち、戻しばね(21)のばね力に抗して移動する。このた
め弁ケーシング(30)内の弁ばね(33)のばね力により
弁体(32)は図において左方へと移動し、シリンダ孔
(6)の底壁(7)に当接する。これにより液接続孔
(8)、すなわち、リザーバ側とは遮断される。この後
ピストン(20)の移動により液圧室Xに液圧が発生し、
これは配管接続部(10)を介して図示しない車輪のホイ
ールシリンダに伝達される。よってフレームが掛けられ
る。
又、ブレーキを弛めるべくブレーキペダルへの踏力を
解除すると、ピストン(20)は戻しばね(21)のばね力
により右方へと復動し、弁ばね(33)は弁体(32)を左
方へと付勢しているのであるが、戻しばね(21)のばね
力によりピストン(20)がある位置まで移動すると弁体
(32)が底壁(7)から離座し、液圧室Xがピストン
(20)の迅速な復動により負圧となってもリザーバから
液が補給され、よつてピストン(20)のより迅速な復帰
を保障するものである。そしてピストン(20)は図示す
るようにプッシュロッド(35)が抜止部材(24)に当接
することにより復動は終了する。
本考案の実施例の構成及び作用は以上のようである
が、次にこの効果について説明する。
本実施例によればダストシール(40)が上述のような
構成により突起部(41a)(41b)(47a)(47b)を取付
フランジ(4)の貫通孔(4a)に第1図及び第7図に示
すように挿通させ、かつその先端部を係止させることに
より抜け止めが行われているので、マスタシリンダMを
車体すなわち、トーボード(100)に取付ける前にダス
トシール(40)を取付けた状態で、例えば運搬により振
動力を与えてもこのダストシール(40)はマスタシリン
ダMから脱落することはない。よってこの運搬後直ちに
車体すなわち、トーボード(100)に上述のようにして
取付けることができる。
以上、本考案の実施例について説明したが、勿論、本
考案はこれに限定されることなく本考案の技術的思想に
基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施例ではブレーキ用のマスタシリンダ
として説明したが、勿論、クラッチ用のマスタシリンダ
にも本考案は適用可能である。
又、以上の実施例ではマスタシリンダMの前方部に接
続孔形成部(2)を設け、これによりエンジンルーム側
への取付けを容易にしたが、勿論、これに代えて通常の
マスタシリンダにも本考案は適用可能である。
又、以上の実施例ではダストシール(40)はゴムでな
るとしたが、合成樹脂で形成してもよい。更に以上の実
施例ではダストシール(40)は、突起部を90度間隔で4
個一体的に形成したが、更にこの数を増加させるように
してもよい。あるいは、180度間隔で2個設けるだけで
もよい。
〔考案の効果〕
以上述べたように本考案のマスタシリンダの取付構造
によれば、密封部材がマスタシリンダの取付フランジか
ら脱落するのを未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例によるマスタシリンダの取付構
造を示す側断面図、第2図は同正面図、第3図は同実施
例に用いられるダストシールの正面図、第4図は第3図
におけるIV-IV線方向拡大断面図、第5図は第3図にお
けるV−V線方向拡大断面図、第6図は第3図における
VI-VI線方向断面図及び第7図は第2図におけるVII-VII
線方向断面図である。 なお図において、 (4)……取付フランジ (4a)……貫通孔 (40)……ダストシール (41a)(41b)(47a)(47b)……突起部

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体の取付部に形成した孔に筒状本体を嵌
    合させるとともに該筒状本体の外周に設けた取付フラン
    ジを前記取付部に密封部材を介在させて固定するように
    したマスタシリンダの取付構造において、前記取付フラ
    ンジに該取付フランジを貫通する孔を形成するとともに
    前記密封部材にこの孔に嵌着する突起を形成したマスタ
    シリンダの取付構造。
JP1989031792U 1989-03-20 1989-03-20 マスタシリンダの取付構造 Expired - Fee Related JPH081999Y2 (ja)

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