JPH08199492A - プレスロール - Google Patents
プレスロールInfo
- Publication number
- JPH08199492A JPH08199492A JP2458395A JP2458395A JPH08199492A JP H08199492 A JPH08199492 A JP H08199492A JP 2458395 A JP2458395 A JP 2458395A JP 2458395 A JP2458395 A JP 2458395A JP H08199492 A JPH08199492 A JP H08199492A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll
- press
- press roll
- shell
- tio
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【目的】 天然ストンロールを代替するプレスロールを
提供する。 【構成】 鋳鋼製のロールシェル１６を有するプレスロ
ール本体２０を構成する。プレスロール本体２０のロー
ルシェル１６の表面に、Ｎｉメッキによる下地処理層２
２を施工する。下地処理層２２の表面に、９５％Ｎｉ−
５％Ａｌによるバッファ層２３を溶射施工する。バッフ
ァ層２３の表面に、Ａｌ2 Ｏ3 に対しＴｉＯ2 を１３〜
６５％、好ましくは４０％添加してなるセラミックス溶
射被膜２１を、ガスプラズマ溶射法によって施工する。
提供する。 【構成】 鋳鋼製のロールシェル１６を有するプレスロ
ール本体２０を構成する。プレスロール本体２０のロー
ルシェル１６の表面に、Ｎｉメッキによる下地処理層２
２を施工する。下地処理層２２の表面に、９５％Ｎｉ−
５％Ａｌによるバッファ層２３を溶射施工する。バッフ
ァ層２３の表面に、Ａｌ2 Ｏ3 に対しＴｉＯ2 を１３〜
６５％、好ましくは４０％添加してなるセラミックス溶
射被膜２１を、ガスプラズマ溶射法によって施工する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は抄紙機のプレスパートで
用いるプレスロールに関するものである。
用いるプレスロールに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】湿紙はワイヤパートにおいて大部分の水
分が取り去られるが、なお相当量の水分を含有している
ので、これを直ちにドライヤパートで加熱乾燥すると多
くの蒸気を要するほか、繊維のからみ合いが充分でな
く、強度的な問題が生じる。そのため、プレスパートに
て、湿紙を機械的に圧搾して脱水した後にドライヤパー
トに送るようにしている。
分が取り去られるが、なお相当量の水分を含有している
ので、これを直ちにドライヤパートで加熱乾燥すると多
くの蒸気を要するほか、繊維のからみ合いが充分でな
く、強度的な問題が生じる。そのため、プレスパートに
て、湿紙を機械的に圧搾して脱水した後にドライヤパー
トに送るようにしている。
【０００３】抄紙機のプレスパートとしては、紙の厚さ
や抄速等に関連して種々の型式がある。その一型式とし
てのストレートスルー型は、その一例を図６に示す如
く、上段プレスロール１と下段プレスロール２からなる
組み合わせを３組並べて、それぞれ第１プレス１Ｐ、第
２プレス２Ｐ、第３プレス３Ｐを形成し、上流から送ら
れてきた湿紙３を、フェルト１１と共に、第１プレス１
Ｐ及び第２プレス２Ｐでは同方向に通し、第３プレス３
Ｐで方向変換して通過させた後、湿紙３だけをスムーザ
４を通して下流へ送り出すようにしてある。
や抄速等に関連して種々の型式がある。その一型式とし
てのストレートスルー型は、その一例を図６に示す如
く、上段プレスロール１と下段プレスロール２からなる
組み合わせを３組並べて、それぞれ第１プレス１Ｐ、第
２プレス２Ｐ、第３プレス３Ｐを形成し、上流から送ら
れてきた湿紙３を、フェルト１１と共に、第１プレス１
Ｐ及び第２プレス２Ｐでは同方向に通し、第３プレス３
Ｐで方向変換して通過させた後、湿紙３だけをスムーザ
４を通して下流へ送り出すようにしてある。
【０００４】又、他の型式としてのコンバインド型は、
その一例を図７に示す如く、上段プレスロール５と下段
プレスロール６とによって第１プレス１Ｐを形成し、該
第１プレス１Ｐの上段プレスロール５の横にセンターロ
ールとして用いるプレスロール７を配置して、プレスロ
ール５と７によって第２プレス２Ｐを形成し、該第２プ
レス２Ｐのプレスロール７の上部にプレスロール８を配
置して、プレスロール７と８によって第３プレス３Ｐを
形成し、更に、第３プレス３Ｐの下流に、上段プレスロ
ール９と下段プレスロール１０とによる第４プレス４Ｐ
を形成し、上流から送られてきた湿紙３を、適宜掛け回
した無端状のフェルト１１と共に各プレス１Ｐ，２Ｐ，
３Ｐ，４Ｐを順次通過させた後、スムーザ４を通して下
流へ送り出すようにしてある。
その一例を図７に示す如く、上段プレスロール５と下段
プレスロール６とによって第１プレス１Ｐを形成し、該
第１プレス１Ｐの上段プレスロール５の横にセンターロ
ールとして用いるプレスロール７を配置して、プレスロ
ール５と７によって第２プレス２Ｐを形成し、該第２プ
レス２Ｐのプレスロール７の上部にプレスロール８を配
置して、プレスロール７と８によって第３プレス３Ｐを
形成し、更に、第３プレス３Ｐの下流に、上段プレスロ
ール９と下段プレスロール１０とによる第４プレス４Ｐ
を形成し、上流から送られてきた湿紙３を、適宜掛け回
した無端状のフェルト１１と共に各プレス１Ｐ，２Ｐ，
３Ｐ，４Ｐを順次通過させた後、スムーザ４を通して下
流へ送り出すようにしてある。
【０００５】上記ストレートスルー型のプレスパートに
おける各プレス１Ｐ，２Ｐ，３Ｐの上段プレスロール１
や、コンバインド型のプレスパートにおける第２、第３
プレス２Ｐ，３Ｐ用のプレスロール７並びに第４プレス
４Ｐの上段プレスロール９には、湿紙３に対する良好な
濡れ特性、すなわち、ロール表面に手を触れても手が持
って行かれない程度にロール表面が濡れている状態、及
び剥離性等が要求されるため、従来より、主として、結
晶に極めて微細な気孔を有し濡れ特性に優れ且つ湿紙の
剥離性が良く、しかも、撓屈性が少なく更に錆が出ない
花崗岩質の天然ストンロールが採用されている。かかる
天然ストンロールを用いたプレスロールは、通常、図８
に示す如く、天然ストン製のロールシェル１２を成形し
て、その両端面部に円盤状のヘッド１３を配し、且つロ
ールシェル１２の軸心部に通した軸１４の両端部を上記
該両ヘッド１３を貫通させて突出させ、該軸１４の両端
部にナット１５を螺着し、ナット１５の締め付けにより
一体のロール形状とするようにしてある。
おける各プレス１Ｐ，２Ｐ，３Ｐの上段プレスロール１
や、コンバインド型のプレスパートにおける第２、第３
プレス２Ｐ，３Ｐ用のプレスロール７並びに第４プレス
４Ｐの上段プレスロール９には、湿紙３に対する良好な
濡れ特性、すなわち、ロール表面に手を触れても手が持
って行かれない程度にロール表面が濡れている状態、及
び剥離性等が要求されるため、従来より、主として、結
晶に極めて微細な気孔を有し濡れ特性に優れ且つ湿紙の
剥離性が良く、しかも、撓屈性が少なく更に錆が出ない
花崗岩質の天然ストンロールが採用されている。かかる
天然ストンロールを用いたプレスロールは、通常、図８
に示す如く、天然ストン製のロールシェル１２を成形し
て、その両端面部に円盤状のヘッド１３を配し、且つロ
ールシェル１２の軸心部に通した軸１４の両端部を上記
該両ヘッド１３を貫通させて突出させ、該軸１４の両端
部にナット１５を螺着し、ナット１５の締め付けにより
一体のロール形状とするようにしてある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】ところが、天然ストン
ロールをプレスロールとして用いる場合に、高速（１０
００m/min 以上）で且つ広幅（５０００mm以上）のニッ
プ（１００Kg/cm 以上）で使用すると、ロールシェル１
２部に作用する引張応力によってクラック発生や破壊等
の問題が生じ、長時間の使用に耐えられないという欠点
があり、又、天然ストンロールは、天然ストン自体の世
界的産地が限られてきて入手が困難になってきていると
共に、品質保証が困難であるという欠点がある。
ロールをプレスロールとして用いる場合に、高速（１０
００m/min 以上）で且つ広幅（５０００mm以上）のニッ
プ（１００Kg/cm 以上）で使用すると、ロールシェル１
２部に作用する引張応力によってクラック発生や破壊等
の問題が生じ、長時間の使用に耐えられないという欠点
があり、又、天然ストンロールは、天然ストン自体の世
界的産地が限られてきて入手が困難になってきていると
共に、品質保証が困難であるという欠点がある。
【０００７】そのため、従来より上記天然ストンロール
の代替技術の開発が進められており、その一つとして、
セラミックス溶射ロールが提案されている。これまでの
セラミックス溶射ロールは、Ａｌ2 Ｏ3 に僅かな量のＴ
ｉＯ2 を添加したセラミックス粉末やＴｉＯ2 を１００
％添加したセラミックス粉末を溶射したものであり、濡
れ特性が悪く、ピッチが付着し易く、特に古新聞の如き
古紙原料を５０％以上含む原料を用いた新聞抄紙機等の
場合には、気孔中にピッチが入り込んで付着し短時間で
使用できなくなってしまう、というピッチトラブルを発
生する問題があり、従来のセラミックス溶射ロールの実
用例としては、比較的ピッチトラブルを発生しにくい下
流側のプレスロールに使用されており、図６のストレー
トスルー型では第３プレス３Ｐであり、図７のコンバイ
ンド型では第４プレス４Ｐであり、第１プレス１Ｐやセ
ンターロールとしてのプレスロール７では使用されてい
なかった。
の代替技術の開発が進められており、その一つとして、
セラミックス溶射ロールが提案されている。これまでの
セラミックス溶射ロールは、Ａｌ2 Ｏ3 に僅かな量のＴ
ｉＯ2 を添加したセラミックス粉末やＴｉＯ2 を１００
％添加したセラミックス粉末を溶射したものであり、濡
れ特性が悪く、ピッチが付着し易く、特に古新聞の如き
古紙原料を５０％以上含む原料を用いた新聞抄紙機等の
場合には、気孔中にピッチが入り込んで付着し短時間で
使用できなくなってしまう、というピッチトラブルを発
生する問題があり、従来のセラミックス溶射ロールの実
用例としては、比較的ピッチトラブルを発生しにくい下
流側のプレスロールに使用されており、図６のストレー
トスルー型では第３プレス３Ｐであり、図７のコンバイ
ンド型では第４プレス４Ｐであり、第１プレス１Ｐやセ
ンターロールとしてのプレスロール７では使用されてい
なかった。
【０００８】又、気孔中にピッチが入り込んで付着する
ことを防止するために、ロール表面に封孔剤（接着物
質）により封孔処理を施すことが考えられるが、封孔処
理を施した実機テストでは短時間にロール表面にピッチ
が付着するトラブルが発生した。これは封孔剤とピッチ
とが反応して短時間で接着し合ったものと考えられ、更
に、封孔処理を施した場合、封孔剤により摩擦係数が大
きくなることから、剥離性が悪化するばかりでなく、ロ
ール表面に接触配置するドクターブレードが摩耗し易く
なってしまうという問題が惹起される。
ことを防止するために、ロール表面に封孔剤（接着物
質）により封孔処理を施すことが考えられるが、封孔処
理を施した実機テストでは短時間にロール表面にピッチ
が付着するトラブルが発生した。これは封孔剤とピッチ
とが反応して短時間で接着し合ったものと考えられ、更
に、封孔処理を施した場合、封孔剤により摩擦係数が大
きくなることから、剥離性が悪化するばかりでなく、ロ
ール表面に接触配置するドクターブレードが摩耗し易く
なってしまうという問題が惹起される。
【０００９】そこで、本発明は剥離性、濡れ特性に優
れ、しかもピッチトラブルのない天然ストンロール代替
のプレスロールを提供しようとするものである。
れ、しかもピッチトラブルのない天然ストンロール代替
のプレスロールを提供しようとするものである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、鋳鋼製ロールシェルの表面に、下地処理
後、Ａｌ2 Ｏ3 に対しＴｉＯ2 を１３〜６５％の範囲内
で添加してなるセラミックス粉末を溶射して、セラミッ
クス溶射被膜を形成させてなる構成とする。
決するために、鋳鋼製ロールシェルの表面に、下地処理
後、Ａｌ2 Ｏ3 に対しＴｉＯ2 を１３〜６５％の範囲内
で添加してなるセラミックス粉末を溶射して、セラミッ
クス溶射被膜を形成させてなる構成とする。
【００１１】
【作用】Ａｌ2 Ｏ3 に対しＴｉＯ2 を１３〜６５％の割
合で添加してなるセラミックス粉末をロールシェル表面
に溶射して被膜を形成したプレスロールとすると、適正
な気孔率となるため、優れた剥離性と濡れ特性が得ら
れ、ピッチトラブルの発生が防止されることになる。
合で添加してなるセラミックス粉末をロールシェル表面
に溶射して被膜を形成したプレスロールとすると、適正
な気孔率となるため、優れた剥離性と濡れ特性が得ら
れ、ピッチトラブルの発生が防止されることになる。
【００１２】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
する。
【００１３】図１（イ）（ロ）は本発明の一実施例を示
すもので、円筒状に形成した所要肉厚の鋳鋼製のロール
シェル１６の両端面部に、外側面の中心部に軸１７を突
設した円盤状のヘッド１８を嵌合させて、締付ボルト１
９により取り付けることにより、プレスロール本体２０
を構成し、且つ該プレスロール本体２０のロールシェル
１６の表面に、Ａｌ2 Ｏ3 に対しＴｉＯ2 を１３〜６５
％の割合で添加してなるセラミックス粉末を、下地処理
層２２を形成した後、バッファ層２３を施した上に溶射
してセラミックス溶射被膜２１を形成してなるプレスロ
ールとする。
すもので、円筒状に形成した所要肉厚の鋳鋼製のロール
シェル１６の両端面部に、外側面の中心部に軸１７を突
設した円盤状のヘッド１８を嵌合させて、締付ボルト１
９により取り付けることにより、プレスロール本体２０
を構成し、且つ該プレスロール本体２０のロールシェル
１６の表面に、Ａｌ2 Ｏ3 に対しＴｉＯ2 を１３〜６５
％の割合で添加してなるセラミックス粉末を、下地処理
層２２を形成した後、バッファ層２３を施した上に溶射
してセラミックス溶射被膜２１を形成してなるプレスロ
ールとする。
【００１４】次に、本発明のプレスロールを製造する場
合の具体的な実施例を詳述する。
合の具体的な実施例を詳述する。
【００１５】先ず、肉厚を３０〜９０mmとした鋳鋼製の
ロールシェル１６によりプレスロール本体２０を構成し
て、該プレスロール本体２０の鋳鋼製ロールシェル１６
の防錆を図るために、ロールシェル１６の表面部以外の
個所にマスキングを施した状態にして、全体をメッキ槽
内に入れ、電解メッキ等にてＮｉメッキを施工し、この
Ｎｉメッキ後、プレスロール本体２０をメッキ槽内より
取り出し、Ｎｉメッキした表面をショットブラストして
下地処理をし、下地処理層２２を形成する。
ロールシェル１６によりプレスロール本体２０を構成し
て、該プレスロール本体２０の鋳鋼製ロールシェル１６
の防錆を図るために、ロールシェル１６の表面部以外の
個所にマスキングを施した状態にして、全体をメッキ槽
内に入れ、電解メッキ等にてＮｉメッキを施工し、この
Ｎｉメッキ後、プレスロール本体２０をメッキ槽内より
取り出し、Ｎｉメッキした表面をショットブラストして
下地処理をし、下地処理層２２を形成する。
【００１６】次いで、上記下地処理層２２の表面に、ト
ップコーティング層として施すセラミックス溶射被膜２
１とロールシェル１６との間の熱膨張差を吸収させるた
めのバッファ層２３として、たとえば、９５％Ｎｉ−５
％Ａｌの合金を、所要厚さにコーティングする。このＮ
ｉ−Ａｌのコーティングによるバッファ層２３の厚み
は、トップコーティング層としてのセラミックス溶射被
膜２１の厚みの２０％程度とする。
ップコーティング層として施すセラミックス溶射被膜２
１とロールシェル１６との間の熱膨張差を吸収させるた
めのバッファ層２３として、たとえば、９５％Ｎｉ−５
％Ａｌの合金を、所要厚さにコーティングする。このＮ
ｉ−Ａｌのコーティングによるバッファ層２３の厚み
は、トップコーティング層としてのセラミックス溶射被
膜２１の厚みの２０％程度とする。
【００１７】上記バッファ層２３の施工後、その表面
に、Ａｌ2 Ｏ3 に対しＴｉＯ2 を混入させてなるセラミ
ックス粉末を、１パス当りの厚みを２０μm 程度として
トータルの厚みが２〜３mmの層となるように、ガスプラ
ズマ溶射法によって溶射してセラミックス溶射被膜２１
を形成させる。
に、Ａｌ2 Ｏ3 に対しＴｉＯ2 を混入させてなるセラミ
ックス粉末を、１パス当りの厚みを２０μm 程度として
トータルの厚みが２〜３mmの層となるように、ガスプラ
ズマ溶射法によって溶射してセラミックス溶射被膜２１
を形成させる。
【００１８】上記Ａｌ2 Ｏ3 に対するＴｉＯ2 の添加率
は、本発明者が広い範囲にわたり運転速度を変えながら
実験した結果、１３〜６５％の範囲内であれば濡れ特性
が良いことが判明したので、本発明のプレスロールはト
ップコーティング層としてのセラミックス溶射被膜２１
のＡｌ2 Ｏ3 に対するＴｉＯ2 の添加率を１３〜６５％
の範囲内とする。
は、本発明者が広い範囲にわたり運転速度を変えながら
実験した結果、１３〜６５％の範囲内であれば濡れ特性
が良いことが判明したので、本発明のプレスロールはト
ップコーティング層としてのセラミックス溶射被膜２１
のＡｌ2 Ｏ3 に対するＴｉＯ2 の添加率を１３〜６５％
の範囲内とする。
【００１９】以下、トップコーティング層としてのセラ
ミックス溶射被膜をプレスロール本体２０のロールシェ
ル１６表面に形成するに当り、Ａｌ2 Ｏ3 に対するＴｉ
Ｏ2の添加率を選定するために行った実験結果を示す。
なお、Ａｌ2 Ｏ3 に対するＴｉＯ2 の添加率とセラミッ
クス溶射被膜２１の気孔率との関係は、図２に示すとお
りであり、ＴｉＯ2 の添加率を増大させると、溶射粉末
の粒子径が小さくなることに伴って気孔率が低下する。
ミックス溶射被膜をプレスロール本体２０のロールシェ
ル１６表面に形成するに当り、Ａｌ2 Ｏ3 に対するＴｉ
Ｏ2の添加率を選定するために行った実験結果を示す。
なお、Ａｌ2 Ｏ3 に対するＴｉＯ2 の添加率とセラミッ
クス溶射被膜２１の気孔率との関係は、図２に示すとお
りであり、ＴｉＯ2 の添加率を増大させると、溶射粉末
の粒子径が小さくなることに伴って気孔率が低下する。
【００２０】上記の実験は、図５に示す如き実験装置を
用いて行った。図５中、２４はロールシェル表面にセラ
ミックス溶射被膜を施した溶射ロール、２５はゴムロー
ル、２６は溶射ロール２４，ゴムロール２５のニップへ
３〜４％の新聞用原料２７を供給するようにした原料供
給ノズル、２８は水槽２９内の原料２７を原料供給ノズ
ル２６へ循環させるための循環ポンプであり、溶射ロー
ル２４表面のＡｌ2 Ｏ 3 に対するＴｉＯ2 の添加率を変
えて、そのときの添加率と濡れ特性との関係、添加率と
ピッチ付着の有無との関係について１００時間以上の連
続運転をして調べた。その結果、Ａｌ2 Ｏ3 に対するＴ
ｉＯ2 の添加率と濡れ特性との関係は、図３に示すとお
りであり、ＴｉＯ2 の添加率を変え且つ運転速度を低速
から高速に変えたときのロール表面の濡れ特性は、添加
率が１３％以上のときは低速運転時にもロール表面に手
を触れたときに手をとられることがなくて濡れ特性が良
いことがわかり、添加率を４０％としたときは濡れ特性
が良く、更に、添加率が６５％を超えると、高速運転時
にロール表面に手を触れたときに手を持って行かれる状
態となって濡れ特性が悪いことがわかった。又、このと
きの添加率とピッチ付着の有無の関係は図４に示すとお
りであり、濡れ特性が良い添加率１３〜６５％の範囲で
は、ピッチの付着は許容値Ｐ以下に抑えられることがわ
かり、ＴｉＯ2 の添加率を４０％としたときは気孔率が
４％で濡れ特性が特によかった。これは、ロール表面の
気孔率が大きく影響し、気孔率が高過ぎると、ロール回
転による遠心力により水分が飛ばされて保水性が悪くな
り、又、気孔率が低過ぎると、保水量が少くなり保水性
が悪くなって乾燥状態になることがピッチ付着の原因と
考えられる。
用いて行った。図５中、２４はロールシェル表面にセラ
ミックス溶射被膜を施した溶射ロール、２５はゴムロー
ル、２６は溶射ロール２４，ゴムロール２５のニップへ
３〜４％の新聞用原料２７を供給するようにした原料供
給ノズル、２８は水槽２９内の原料２７を原料供給ノズ
ル２６へ循環させるための循環ポンプであり、溶射ロー
ル２４表面のＡｌ2 Ｏ 3 に対するＴｉＯ2 の添加率を変
えて、そのときの添加率と濡れ特性との関係、添加率と
ピッチ付着の有無との関係について１００時間以上の連
続運転をして調べた。その結果、Ａｌ2 Ｏ3 に対するＴ
ｉＯ2 の添加率と濡れ特性との関係は、図３に示すとお
りであり、ＴｉＯ2 の添加率を変え且つ運転速度を低速
から高速に変えたときのロール表面の濡れ特性は、添加
率が１３％以上のときは低速運転時にもロール表面に手
を触れたときに手をとられることがなくて濡れ特性が良
いことがわかり、添加率を４０％としたときは濡れ特性
が良く、更に、添加率が６５％を超えると、高速運転時
にロール表面に手を触れたときに手を持って行かれる状
態となって濡れ特性が悪いことがわかった。又、このと
きの添加率とピッチ付着の有無の関係は図４に示すとお
りであり、濡れ特性が良い添加率１３〜６５％の範囲で
は、ピッチの付着は許容値Ｐ以下に抑えられることがわ
かり、ＴｉＯ2 の添加率を４０％としたときは気孔率が
４％で濡れ特性が特によかった。これは、ロール表面の
気孔率が大きく影響し、気孔率が高過ぎると、ロール回
転による遠心力により水分が飛ばされて保水性が悪くな
り、又、気孔率が低過ぎると、保水量が少くなり保水性
が悪くなって乾燥状態になることがピッチ付着の原因と
考えられる。
【００２１】本発明者は、上記の実験結果に基づき、ロ
ール径を６５０mm、長さを１９５５mmのプレスロールを
作り、実機テストをした結果、１カ月間の使用でピッチ
トラブルの問題は発生しなかった。
ール径を６５０mm、長さを１９５５mmのプレスロールを
作り、実機テストをした結果、１カ月間の使用でピッチ
トラブルの問題は発生しなかった。
【００２２】上記のように、プレスロール本体２０を構
成するロールシェル１６の表面に、Ａｌ2 Ｏ3 に対しＴ
ｉＯ2 を１３〜６５％の範囲内で添加してなるセラミッ
クス粉末をガスプラズマ溶射にてセラミックス溶射被膜
２１を設けると、湿紙に対する剥離性に優れ、且つ濡れ
特性に優れてピッチトラブルを起すことのないプレスロ
ールとすることができ、天然ストンロールの代替物とし
て使用することができる。
成するロールシェル１６の表面に、Ａｌ2 Ｏ3 に対しＴ
ｉＯ2 を１３〜６５％の範囲内で添加してなるセラミッ
クス粉末をガスプラズマ溶射にてセラミックス溶射被膜
２１を設けると、湿紙に対する剥離性に優れ、且つ濡れ
特性に優れてピッチトラブルを起すことのないプレスロ
ールとすることができ、天然ストンロールの代替物とし
て使用することができる。
【００２３】なお、本発明は上記実施例にのみ限定され
るものではなく、セラミックス溶射被膜の厚みは適宜選
定し得ること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内
において種々変更を加え得ることは勿論である。
るものではなく、セラミックス溶射被膜の厚みは適宜選
定し得ること、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内
において種々変更を加え得ることは勿論である。
【００２４】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明のプレスロール
によれば、次の如き種々の優れた効果を発揮する。 (1) プレスロール本体のロールシェル表面にセラミック
ス溶射被膜を設けたので、強度的に有利であって高温で
の使用に耐え得ることは勿論のこと、ロール表面の摩擦
係数が小さいため、剥離性に優れると共に、接触配置す
るドクターブレードの摩耗を少なくすることができる。 (2) セラミックス溶射被膜は、Ａｌ2 Ｏ3 に対しＴｉＯ
2 を１３〜６５％の範囲内で添加して、適正な気孔率と
なるようにしてあるため、ロール表面の濡れ特性に優
れ、ピッチトラブルの発生を防ぐことができると共に、
研摩周期等の寿命を延ばすことができる。 (3) 天然ストンロールに比して２０〜３０％の重量軽減
が図れる。 (4) 以上各項により、抄紙機プレスパートにおける天然
ストンロール代替のプレスロールとして使用することが
でき、天然ストンの省資源化に寄与し得る。
によれば、次の如き種々の優れた効果を発揮する。 (1) プレスロール本体のロールシェル表面にセラミック
ス溶射被膜を設けたので、強度的に有利であって高温で
の使用に耐え得ることは勿論のこと、ロール表面の摩擦
係数が小さいため、剥離性に優れると共に、接触配置す
るドクターブレードの摩耗を少なくすることができる。 (2) セラミックス溶射被膜は、Ａｌ2 Ｏ3 に対しＴｉＯ
2 を１３〜６５％の範囲内で添加して、適正な気孔率と
なるようにしてあるため、ロール表面の濡れ特性に優
れ、ピッチトラブルの発生を防ぐことができると共に、
研摩周期等の寿命を延ばすことができる。 (3) 天然ストンロールに比して２０〜３０％の重量軽減
が図れる。 (4) 以上各項により、抄紙機プレスパートにおける天然
ストンロール代替のプレスロールとして使用することが
でき、天然ストンの省資源化に寄与し得る。
【図１】本発明のプレスロールの一実施例を示すもの
で、（イ）は概略断面図、（ロ）は（イ）の部分拡大図
である。
で、（イ）は概略断面図、（ロ）は（イ）の部分拡大図
である。
【図２】ＴｉＯ2 添加率と気孔率との関係を示す図であ
る。
る。
【図３】ＴｉＯ2 添加率と濡れ特性との関係を示す図で
ある。
ある。
【図４】ＴｉＯ2 添加率とピッチ付着の有無との関係を
示す図である。
示す図である。
【図５】実験装置の概略図である。
【図６】プレスパートの一例を示すストレートスルー型
の概要図である。
の概要図である。
【図７】プレスパートの他の例を示すコンバインド型の
概要図である。
概要図である。
【図８】天然ストンロールの概略断面図である。
１ 上段プレスロール ２ 下段プレスロール ３ 湿紙 ５ 上段プレスロール ６ 下段プレスロール ７ プレスロール １６ ロールシェル ２１ セラミックス溶射被膜 ２２ 下地処理層 ２３ バッファ層
Claims (1)
- 【請求項１】 鋳鋼製ロールシェルの表面に、下地処理
後、Ａｌ2 Ｏ3 に対しＴｉＯ2 を１３〜６５％の範囲内
で添加してなるセラミックス粉末を溶射して、セラミッ
クス溶射被膜を形成させてなることを特徴とするプレス
ロール。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2458395A JPH08199492A (ja) | 1995-01-20 | 1995-01-20 | プレスロール |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2458395A JPH08199492A (ja) | 1995-01-20 | 1995-01-20 | プレスロール |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08199492A true JPH08199492A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=12142191
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2458395A Pending JPH08199492A (ja) | 1995-01-20 | 1995-01-20 | プレスロール |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08199492A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20010057927A (ko) * | 1999-12-23 | 2001-07-05 | 신현준 | 세라믹 코팅층을 갖는 제지용 롤 |
| JP2006328564A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Oji Paper Co Ltd | オフセット印刷用新聞用紙の製造方法 |
-
1995
- 1995-01-20 JP JP2458395A patent/JPH08199492A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20010057927A (ko) * | 1999-12-23 | 2001-07-05 | 신현준 | 세라믹 코팅층을 갖는 제지용 롤 |
| JP2006328564A (ja) * | 2005-05-24 | 2006-12-07 | Oji Paper Co Ltd | オフセット印刷用新聞用紙の製造方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CA2052925C (en) | Press roll for paper machines | |
| US6167623B1 (en) | Press roll with a ceramic coating, method for manufacturing the same and coating composition | |
| JP3035312B2 (ja) | ヤンキーシリンダ及びヤンキーシリンダをコーテイングする方法 | |
| ATE117379T1 (de) | Walze für die papiererzeugung und verfahren zu deren herstellung. | |
| NO162873B (no) | Pressvalse for papirmaskiner. | |
| SE437683B (sv) | Schaber eller rakel - anliggande mot valsen - vid exv tryck-, ferg-, eller kreppning | |
| CA2121621A1 (en) | Creping adhesive formulation | |
| JPH0624663B2 (ja) | 製紙機械の形成領域で形成された圧縮ウェブの被覆プレス装置 | |
| JPH08246380A (ja) | 紙シート用カレンダ | |
| JP4612108B2 (ja) | 紙匹成形機用の静電脱水素子及び紙匹成形機用に設計される静電脱水素子を被覆するための方法 | |
| JP2987598B2 (ja) | 抄紙機ロール | |
| US6623601B2 (en) | Roll for paper-making machine | |
| JP5041702B2 (ja) | 家庭用薄葉紙の製造装置並びに家庭用薄葉紙の製造方法 | |
| JPH08199492A (ja) | プレスロール | |
| JPH10511752A (ja) | 紙の生産用ロールの製造方法、紙の生産用ロール、および紙の生産用ロールのコーティング | |
| JPH10219581A (ja) | プレスロール | |
| JP2589395B2 (ja) | 剥離性に富む抄紙用ロール | |
| JP4038879B2 (ja) | プレスロール及びその製造方法 | |
| JPH04146290A (ja) | 抄紙機用プレスロールの製造方法 | |
| JP3509262B2 (ja) | セラミックス溶射ロールの製造方法 | |
| JPH0681292A (ja) | プレスロール | |
| JPH10298889A (ja) | 抄紙機用プレスロール | |
| JPH05179596A (ja) | 製紙機械用ロール | |
| JP2987194B2 (ja) | 耐摩耗性チルド鋳鉄 | |
| JP3546158B2 (ja) | 抄紙機のプレスロール、プレスロールの製造方法およびプレスロール用素ロールの加熱プレス装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040330 |