JPH08198831A - N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド類の製造法 - Google Patents
N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド類の製造法Info
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- JPH08198831A JPH08198831A JP7012513A JP1251395A JPH08198831A JP H08198831 A JPH08198831 A JP H08198831A JP 7012513 A JP7012513 A JP 7012513A JP 1251395 A JP1251395 A JP 1251395A JP H08198831 A JPH08198831 A JP H08198831A
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 N−メチロール(メタ)アクリルアミドと脂
肪族モノアルコール類、例えばN−メチロールアクリル
アミドとi−ブタノールとを、酸触媒の存在下に反応さ
せた後、反応液のpHを7より大きく、かつ9.5以下
の範囲内、好ましくは7.5〜9.5に保ちつつ反応液
の濃縮を行うことを特徴とするN−アルコキシメチル
(メタ)アクリルアミド類の製造法。 【効果】 濃縮工程における副生成物の生成が抑制さ
れ、高純度のN−アルコキシメチル(メタ)アクリルア
ミド類が得られる。
肪族モノアルコール類、例えばN−メチロールアクリル
アミドとi−ブタノールとを、酸触媒の存在下に反応さ
せた後、反応液のpHを7より大きく、かつ9.5以下
の範囲内、好ましくは7.5〜9.5に保ちつつ反応液
の濃縮を行うことを特徴とするN−アルコキシメチル
(メタ)アクリルアミド類の製造法。 【効果】 濃縮工程における副生成物の生成が抑制さ
れ、高純度のN−アルコキシメチル(メタ)アクリルア
ミド類が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗料用樹脂の原料とし
て有用なN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド
類の製造法に関する。
て有用なN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド
類の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】N−アルコキシメチル(メタ)アクリル
アミド類は、通常(メタ)アクリルアミドとホルムアル
デヒドとをアルカリ性条件下で反応させて、N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミドとした後、さらに酸触媒の
存在下でブタノール等の脂肪族モノアルコール類との脱
水縮合反応を行うことにより得ることができる(特開昭
63−44555号公報、特公昭47−28765号公
報)。
アミド類は、通常(メタ)アクリルアミドとホルムアル
デヒドとをアルカリ性条件下で反応させて、N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミドとした後、さらに酸触媒の
存在下でブタノール等の脂肪族モノアルコール類との脱
水縮合反応を行うことにより得ることができる(特開昭
63−44555号公報、特公昭47−28765号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のN−メチロール
(メタ)アクリルアミドと脂肪族モノアルコール類との
脱水縮合反応においては、副反応によって、例えばメチ
レンビス(メタ)アクリルアミド、ジ(メタ)アクリル
アミドジメチルエーテル等の副生成物が生成する。これ
らの副生成物の生成は、例えば塗料用樹脂等の原料とし
て用いた場合、得られる塗料の耐水性の低下や粘度増加
をもたらす要因となるため、好ましくない。
(メタ)アクリルアミドと脂肪族モノアルコール類との
脱水縮合反応においては、副反応によって、例えばメチ
レンビス(メタ)アクリルアミド、ジ(メタ)アクリル
アミドジメチルエーテル等の副生成物が生成する。これ
らの副生成物の生成は、例えば塗料用樹脂等の原料とし
て用いた場合、得られる塗料の耐水性の低下や粘度増加
をもたらす要因となるため、好ましくない。
【0004】通常、上記のN−メチロール(メタ)アク
リルアミドと脂肪族モノアルコール類との脱水縮合反応
においては、脂肪族モノアルコール類を過剰に用いる
か、または溶剤を使用して、酸性条件下で反応を実施
し、その後pH調整なしに酸性条件下のままで過剰の脂
肪族モノアルコール類または溶剤を回収・濃縮すること
により、目的物のN−アルコキシメチル(メタ)アクリ
ルアミド類を得ているが、上記の副生成物は、脱水縮合
反応工程だけでなく、その後の濃縮工程においても多量
に生成し、目的物の純度を更に低下させる大きな要因と
なっている。そのため、高純度の目的物を得るために
は、水洗や蒸留等の精製操作を実施する必要があった。
リルアミドと脂肪族モノアルコール類との脱水縮合反応
においては、脂肪族モノアルコール類を過剰に用いる
か、または溶剤を使用して、酸性条件下で反応を実施
し、その後pH調整なしに酸性条件下のままで過剰の脂
肪族モノアルコール類または溶剤を回収・濃縮すること
により、目的物のN−アルコキシメチル(メタ)アクリ
ルアミド類を得ているが、上記の副生成物は、脱水縮合
反応工程だけでなく、その後の濃縮工程においても多量
に生成し、目的物の純度を更に低下させる大きな要因と
なっている。そのため、高純度の目的物を得るために
は、水洗や蒸留等の精製操作を実施する必要があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、N−メチロール
(メタ)アクリルアミドと脂肪族モノアルコール類との
脱水縮合反応により、N−アルコキシメチル(メタ)ア
クリルアミド類を得る方法において、反応終了後、反応
液のpHを7より大きく、かつ9.5以下の範囲に保ち
つつ反応液の濃縮を行うことによって、上記の課題であ
る濃縮工程における副生成物の生成が抑制され、高純度
のN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド類が得
られることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、N−メチロール
(メタ)アクリルアミドと脂肪族モノアルコール類との
脱水縮合反応により、N−アルコキシメチル(メタ)ア
クリルアミド類を得る方法において、反応終了後、反応
液のpHを7より大きく、かつ9.5以下の範囲に保ち
つつ反応液の濃縮を行うことによって、上記の課題であ
る濃縮工程における副生成物の生成が抑制され、高純度
のN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド類が得
られることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】すなわち、本発明は、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミドと脂肪族モノアルコール類とを、酸
触媒の存在下に反応させた後、反応液のpHを7より大
きく、かつ9.5以下の範囲内に保ちつつ反応液の濃縮
を行うことを特徴とするN−アルコキシメチル(メタ)
アクリルアミド類の製造法を提供するものである。
タ)アクリルアミドと脂肪族モノアルコール類とを、酸
触媒の存在下に反応させた後、反応液のpHを7より大
きく、かつ9.5以下の範囲内に保ちつつ反応液の濃縮
を行うことを特徴とするN−アルコキシメチル(メタ)
アクリルアミド類の製造法を提供するものである。
【0007】本発明で用いるN−メチロール(メタ)ア
クリルアミドとしては、例えば(メタ)アクリルアミド
とホルムアルデヒドとを、水酸化ナトリウム等の塩基触
媒と、水、アルコール等の溶媒の存在下に加熱すること
によって得られる。その具体例としては、下記一般式
(1)
クリルアミドとしては、例えば(メタ)アクリルアミド
とホルムアルデヒドとを、水酸化ナトリウム等の塩基触
媒と、水、アルコール等の溶媒の存在下に加熱すること
によって得られる。その具体例としては、下記一般式
(1)
【0008】
【化1】 CH2=C(R1)−CONHCH2OH - - - (1) (式中、R1は水素原子またはメチル基を示す)で表さ
れる化合物が挙げられる。尚、上記の方法では、水を溶
媒として用いるのが通常であるが、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミドを含む反応液を、そのまま本発明の
原料として使用できる点で、その後の脱水縮合反応に用
いる脂肪族モノアルコール類を溶媒として用いることが
好ましい。
れる化合物が挙げられる。尚、上記の方法では、水を溶
媒として用いるのが通常であるが、N−メチロール(メ
タ)アクリルアミドを含む反応液を、そのまま本発明の
原料として使用できる点で、その後の脱水縮合反応に用
いる脂肪族モノアルコール類を溶媒として用いることが
好ましい。
【0009】本発明では、モノアルコール類との脱水縮
合反応を実施するに際して、あらかじめ上記の方法のよ
うに(メタ)アクリルアミドとホルムアルデヒドとを反
応させて得たN−メチロール(メタ)アクリルアミドを
含む反応液をそのまま用いても、また市販のN−メチロ
ール(メタ)アクリルアミドを用いても良い。
合反応を実施するに際して、あらかじめ上記の方法のよ
うに(メタ)アクリルアミドとホルムアルデヒドとを反
応させて得たN−メチロール(メタ)アクリルアミドを
含む反応液をそのまま用いても、また市販のN−メチロ
ール(メタ)アクリルアミドを用いても良い。
【0010】本発明で用いる脂肪族モノアルコール類と
しては、例えば炭素原子数1〜8の脂肪族モノアルコー
ル類、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブ
タノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−
ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、
n−オクタノール等を挙げることができる。これらの化
合物の中でもとりわけ、i−ブタノールを用いて得られ
るN−i−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドが、
樹脂原料としての有用性に優れることから特に好まし
い。
しては、例えば炭素原子数1〜8の脂肪族モノアルコー
ル類、具体的には、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブ
タノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−
ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、
n−オクタノール等を挙げることができる。これらの化
合物の中でもとりわけ、i−ブタノールを用いて得られ
るN−i−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドが、
樹脂原料としての有用性に優れることから特に好まし
い。
【0011】N−メチロール(メタ)アクリルアミドと
脂肪族モノアルコール類との反応は、酸触媒の存在下に
実施される。触媒として用いられる酸としては、例えば
硫酸、燐酸等の鉱酸類、メタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、
蓚酸、蟻酸、安息香酸等のカルボン酸類が挙げられ、こ
れらは単独で用いても、複数を組み合わせてもよい。触
媒として用いる酸の量は、適度な反応速度を得、かつ副
生成物の生成量を抑制する量を適宜選択すればよく、特
に限定されないが、通常はpHが1〜7、好ましくは2
〜4となる範囲である。
脂肪族モノアルコール類との反応は、酸触媒の存在下に
実施される。触媒として用いられる酸としては、例えば
硫酸、燐酸等の鉱酸類、メタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、
蓚酸、蟻酸、安息香酸等のカルボン酸類が挙げられ、こ
れらは単独で用いても、複数を組み合わせてもよい。触
媒として用いる酸の量は、適度な反応速度を得、かつ副
生成物の生成量を抑制する量を適宜選択すればよく、特
に限定されないが、通常はpHが1〜7、好ましくは2
〜4となる範囲である。
【0012】本発明で用いるN−メチロール(メタ)ア
クリルアミドと脂肪族モノアルコール類とのモル比は、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド1モルに対し
て、脂肪族モノアルコール類が総量で1.0〜8.0モ
ル、好ましくは2.0〜4.0モルとなる範囲である。
クリルアミドと脂肪族モノアルコール類とのモル比は、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド1モルに対し
て、脂肪族モノアルコール類が総量で1.0〜8.0モ
ル、好ましくは2.0〜4.0モルとなる範囲である。
【0013】ここで用いる脂肪族モノアルコール類は、
反応開始時に全量を添加してもよいが、反応開始時に、
適当量を添加して反応を開始した後、更に反応途中段階
で分割または連続的に添加することが、反応時間を短縮
しかつ、副生成物の生成を抑制する点で好ましい。例え
ば、反応の開始時には、N−メチロール(メタ)アクリ
ルアミド1モルに対して、脂肪族モノアルコール類を
O.3〜5.0モル、好ましくは0.5〜3.0モルの
範囲で加えて反応を開始し、その後、脂肪族モノアルコ
ール類を分割または連続添加する。反応開始後の脂肪族
モノアルコール類の添加量は、反応開始時に加えられた
脂肪族モノアルコール類の量にも影響されるが、メチロ
ール(メタ)アクリルアミド1モルに対して、通常0.
3〜5.0モル、好ましくは0.5〜3.0モルの範囲
から選ばれる。
反応開始時に全量を添加してもよいが、反応開始時に、
適当量を添加して反応を開始した後、更に反応途中段階
で分割または連続的に添加することが、反応時間を短縮
しかつ、副生成物の生成を抑制する点で好ましい。例え
ば、反応の開始時には、N−メチロール(メタ)アクリ
ルアミド1モルに対して、脂肪族モノアルコール類を
O.3〜5.0モル、好ましくは0.5〜3.0モルの
範囲で加えて反応を開始し、その後、脂肪族モノアルコ
ール類を分割または連続添加する。反応開始後の脂肪族
モノアルコール類の添加量は、反応開始時に加えられた
脂肪族モノアルコール類の量にも影響されるが、メチロ
ール(メタ)アクリルアミド1モルに対して、通常0.
3〜5.0モル、好ましくは0.5〜3.0モルの範囲
から選ばれる。
【0014】反応開始後、脂肪族モノアルコール類を分
割添加する場合、添加回数には特に制限はないが、通常
1〜5回で等時間の間隔で等量ずつ添加するが、更に回
数を増加させてもよく、また複数回の添加で添加量を変
化させてもよく、特に制限はない。
割添加する場合、添加回数には特に制限はないが、通常
1〜5回で等時間の間隔で等量ずつ添加するが、更に回
数を増加させてもよく、また複数回の添加で添加量を変
化させてもよく、特に制限はない。
【0015】反応開始後、脂肪族モノアルコール類を連
続添加する場合、反応開始直後から反応終了時まで継続
的に添加してもよいし、反応開始後一定時間後から供給
を開始してもよく、特に制限はない。
続添加する場合、反応開始直後から反応終了時まで継続
的に添加してもよいし、反応開始後一定時間後から供給
を開始してもよく、特に制限はない。
【0016】ただし、上記反応開始後のブタノール類の
添加は、何れの場合でも反応終了の15〜60分前にブ
タノール類の添加を終了させておくことが好ましい。本
発明での脱水縮合反応は、通常溶媒を用いることなく、
反応物質のブタノール類を過剰に用いて実施されるが、
必要に応じて別途溶媒を用いることもできる。用いる溶
媒としては、反応において不活性で、かつ生成する水と
共沸するものであれば特に制限されないが、具体的には
トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類が挙げられ
る。
添加は、何れの場合でも反応終了の15〜60分前にブ
タノール類の添加を終了させておくことが好ましい。本
発明での脱水縮合反応は、通常溶媒を用いることなく、
反応物質のブタノール類を過剰に用いて実施されるが、
必要に応じて別途溶媒を用いることもできる。用いる溶
媒としては、反応において不活性で、かつ生成する水と
共沸するものであれば特に制限されないが、具体的には
トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類が挙げられ
る。
【0017】反応温度は、通常反応系の還流温度であ
り、なかでも副生成物の生成量と反応完結までの時間の
増大を防止できる点で70〜120℃の範囲が好まし
い。反応は、生成水を分離しつつ行う方法であれば常圧
で行ってもよく、また減圧下に実施してもよいが、上記
の温度範囲内となるように調節することが必要である。
生成水の分離方法は、特に限定されないが、共沸蒸留に
より分離するのが通常である。反応時間は特に限定され
ないが、通常60〜180分間である。
り、なかでも副生成物の生成量と反応完結までの時間の
増大を防止できる点で70〜120℃の範囲が好まし
い。反応は、生成水を分離しつつ行う方法であれば常圧
で行ってもよく、また減圧下に実施してもよいが、上記
の温度範囲内となるように調節することが必要である。
生成水の分離方法は、特に限定されないが、共沸蒸留に
より分離するのが通常である。反応時間は特に限定され
ないが、通常60〜180分間である。
【0018】本発明では、反応終了後、反応液の濃縮を
行う前に、塩基性化合物を用いて反応液のpHを7より
大きく、かつ9.5以下の範囲、好ましくは7.5〜
9.5の範囲に調節する。ここで用いる塩基性化合物と
しては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物、炭酸
カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸バ
リウム等の金属炭酸塩および重炭酸塩、メチルアミン、
エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミ
ン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、s−ブチル
アミン、t−ブチルアミン等のモノ、ジおよびトリ置換
脂肪族アミン類、アニリン、フェニレンジアミン、トル
イジン等の芳香族アミン類、シクロヘキシルアミン、ジ
アザビシクロウンデセン等の脂環式アミン類、ナトリウ
ムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトシ
キド、カリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシ
ド、ナトリウムフェノキシド等の金属アルコラート類等
が挙げられ、なかでも必要な使用量、価格、pH調節の
容易性等の点で優れることから、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等の金属水酸化物が好ましい。
行う前に、塩基性化合物を用いて反応液のpHを7より
大きく、かつ9.5以下の範囲、好ましくは7.5〜
9.5の範囲に調節する。ここで用いる塩基性化合物と
しては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化バリウム等の金属水酸化物、炭酸
カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸バ
リウム等の金属炭酸塩および重炭酸塩、メチルアミン、
エチルアミン、n−プロピルアミン、i−プロピルアミ
ン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、s−ブチル
アミン、t−ブチルアミン等のモノ、ジおよびトリ置換
脂肪族アミン類、アニリン、フェニレンジアミン、トル
イジン等の芳香族アミン類、シクロヘキシルアミン、ジ
アザビシクロウンデセン等の脂環式アミン類、ナトリウ
ムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトシ
キド、カリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシ
ド、ナトリウムフェノキシド等の金属アルコラート類等
が挙げられ、なかでも必要な使用量、価格、pH調節の
容易性等の点で優れることから、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等の金属水酸化物が好ましい。
【0019】濃縮操作は、生成物の分解を避けるために
減圧下90℃以下の温度で実施することが望ましい。ま
た、濃縮工程中に系のpH変化が認められる場合には、
適時塩基性化合物を添加して、系のpHを上記の範囲内
に保つことが必要である。
減圧下90℃以下の温度で実施することが望ましい。ま
た、濃縮工程中に系のpH変化が認められる場合には、
適時塩基性化合物を添加して、系のpHを上記の範囲内
に保つことが必要である。
【0020】このようにして得たN−ブトキシメチル
(メタ)アクリルアミド類は、高純度を有し、特別な精
製操作を実施しなくとも使用可能であり、さらに高純度
品が必要であれば、蒸留・ろ過等の操作によって得るこ
とができる。
(メタ)アクリルアミド類は、高純度を有し、特別な精
製操作を実施しなくとも使用可能であり、さらに高純度
品が必要であれば、蒸留・ろ過等の操作によって得るこ
とができる。
【0021】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明するが、本発明の内容は実施例のみに限定
されるものではない。また、例中の収率(%)は用いた
N−メチロール(メタ)アクリルアミドに対するモル%
を、純度(%)は反応終了後に濃縮して得られた濃縮物
に対するN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド
の重量%を、また、その他の%は重量%をそれぞれ表
す。
具体的に説明するが、本発明の内容は実施例のみに限定
されるものではない。また、例中の収率(%)は用いた
N−メチロール(メタ)アクリルアミドに対するモル%
を、純度(%)は反応終了後に濃縮して得られた濃縮物
に対するN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド
の重量%を、また、その他の%は重量%をそれぞれ表
す。
【0022】参考例1(N−メチロールアクリルアミド
の製造) 還流冷却器、温度計および攪拌機を付けた3lガラス製
四つ口フラスコに、91.6%ホルムアルデヒド水溶液
131g(4.00モル)、アクリルアミド274g
(3.81モル)、i−ブタノール148g(2.00
モル)および水酸化ナトリウム1gをそれぞれ仕込み、
内容物を90℃で2時間加熱して反応させ、N−メチロ
ールアクリルアミド364g(3.60モル)を含む反
応液を得た。N−メチロールアクリルアミドの収率は、
94.8%であった。
の製造) 還流冷却器、温度計および攪拌機を付けた3lガラス製
四つ口フラスコに、91.6%ホルムアルデヒド水溶液
131g(4.00モル)、アクリルアミド274g
(3.81モル)、i−ブタノール148g(2.00
モル)および水酸化ナトリウム1gをそれぞれ仕込み、
内容物を90℃で2時間加熱して反応させ、N−メチロ
ールアクリルアミド364g(3.60モル)を含む反
応液を得た。N−メチロールアクリルアミドの収率は、
94.8%であった。
【0023】参考例2(同上) アクリルアミド274g(3.81モル)の代わりに、
メタアクリルアミド316g(3.81モル)を用いた
以外は参考例1と同様にして、N−メチロールメタアク
リルアミド416g(3.68モル)を含む反応液を得
た。N−メチロールメタアクリルアミドの収率は、9
6.6%であった。
メタアクリルアミド316g(3.81モル)を用いた
以外は参考例1と同様にして、N−メチロールメタアク
リルアミド416g(3.68モル)を含む反応液を得
た。N−メチロールメタアクリルアミドの収率は、9
6.6%であった。
【0024】実施例1 還流冷却器、水分離器、温度計および攪拌機を付けた3
lガラス製四つ口フラスコに、参考例1で製造したN−
メチロールアクリルアミド364g(3.60モル)を
含む混合液を入れ、i−ブタノール400g(5.40
モル)を加え、さらに酸触媒として蓚酸2gを添加し
て、pHを3.0に調整した。
lガラス製四つ口フラスコに、参考例1で製造したN−
メチロールアクリルアミド364g(3.60モル)を
含む混合液を入れ、i−ブタノール400g(5.40
モル)を加え、さらに酸触媒として蓚酸2gを添加し
て、pHを3.0に調整した。
【0025】次に、内容物を攪拌しながら113℃で加
熱環流して反応させ、生成する水をi−ブタノールと共
沸させて分離した。還流開始1時間後に新たにi−ブタ
ノール200g(2.70モル)を添加して、さらに1
時間加熱環流した。
熱環流して反応させ、生成する水をi−ブタノールと共
沸させて分離した。還流開始1時間後に新たにi−ブタ
ノール200g(2.70モル)を添加して、さらに1
時間加熱環流した。
【0026】反応終了後、pH調節剤として水酸化カリ
ウム4gを加え、pHを9に調整した後、減圧下内温を
90℃以下に保ちながら未反応のi−ブタノールを回収
・濃縮し、N−i−ブトキシメチルアクリルアミド54
1g(3.44モル)を含む生成物576gを得た。N
−i−ブトキシメチルアクリルアミドの収率は90%、
純度は94%であった。
ウム4gを加え、pHを9に調整した後、減圧下内温を
90℃以下に保ちながら未反応のi−ブタノールを回収
・濃縮し、N−i−ブトキシメチルアクリルアミド54
1g(3.44モル)を含む生成物576gを得た。N
−i−ブトキシメチルアクリルアミドの収率は90%、
純度は94%であった。
【0027】実施例2〜6 脂肪族モノアルコール類として、表1に示した化合物を
用いた以外は実施例1と同様にして、N−i−アルコキ
シメチルアクリルアミドを得た。結果を表1に示す。
用いた以外は実施例1と同様にして、N−i−アルコキ
シメチルアクリルアミドを得た。結果を表1に示す。
【0028】実施例7〜9 pH調節に用いる塩基性化合物として、表1に示した化
合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、N−i−
ブトキシメチルアクリルアミドを得た。結果を表1に示
す。
合物を用いた以外は、実施例1と同様にして、N−i−
ブトキシメチルアクリルアミドを得た。結果を表1に示
す。
【0029】実施例10 参考例1で得たN−メチロールアクリルアミド364g
(3.60モル)を含む混合液の代わりに、参考例2で
得たN−メチロールメタアクリルアミド416g(3.
68モル)を含む反応液を用いた以外は実施例1と同様
にして、N−i−ブトキシメチルメタアクリルアミドを
得た。結果を表1に示す。
(3.60モル)を含む混合液の代わりに、参考例2で
得たN−メチロールメタアクリルアミド416g(3.
68モル)を含む反応液を用いた以外は実施例1と同様
にして、N−i−ブトキシメチルメタアクリルアミドを
得た。結果を表1に示す。
【0030】実施例11 還流冷却器、水分離器、温度計および攪拌機を付けた3
lガラス製四つ口フラスコに、参考例1で製造したN−
メチロールアクリルアミド364g(3.60モル)を
含む混合液を入れ、i−ブタノール600g(8.1モ
ル)を加え、さらに酸触媒として蓚酸2gを添加して、
pHを3.0に調整した。
lガラス製四つ口フラスコに、参考例1で製造したN−
メチロールアクリルアミド364g(3.60モル)を
含む混合液を入れ、i−ブタノール600g(8.1モ
ル)を加え、さらに酸触媒として蓚酸2gを添加して、
pHを3.0に調整した。
【0031】次いで、内容物を攪拌しながら113℃で
加熱環流して反応させ、生成する水をi−ブタノールと
共沸させて分離した。還流開始後、8時間後に反応が終
了した。
加熱環流して反応させ、生成する水をi−ブタノールと
共沸させて分離した。還流開始後、8時間後に反応が終
了した。
【0032】反応終了後、実施例1と同様の操作を実施
して、N−i−ブトキシメチルアクリルアミドを得た。
結果を表1に示す。 比較例1 反応終了後、pH調節剤を添加することなく、濃縮を実
施した以外は実施例1と同様にして、N−i−ブトキシ
メチルアクリルアミドを得た。結果を表1に示す。
して、N−i−ブトキシメチルアクリルアミドを得た。
結果を表1に示す。 比較例1 反応終了後、pH調節剤を添加することなく、濃縮を実
施した以外は実施例1と同様にして、N−i−ブトキシ
メチルアクリルアミドを得た。結果を表1に示す。
【0033】比較例2 還流冷却器、水分離器、温度計および攪拌機を付けた3
lガラス製四つ口フラスコに、参考例1で製造したN−
メチロールアクリルアミド364g(3.60モル)を
含む混合液を入れ、i−ブタノール600g(8.1モ
ル)を加え、さらに酸触媒として蓚酸2gを添加して、
pHを3.0に調整した。
lガラス製四つ口フラスコに、参考例1で製造したN−
メチロールアクリルアミド364g(3.60モル)を
含む混合液を入れ、i−ブタノール600g(8.1モ
ル)を加え、さらに酸触媒として蓚酸2gを添加して、
pHを3.0に調整した。
【0034】次に、内容物を攪拌しながら113℃で加
熱環流して反応させ、生成する水をi−ブタノールと共
沸させて分離した。還流開始後、8時間後に反応が終了
した。
熱環流して反応させ、生成する水をi−ブタノールと共
沸させて分離した。還流開始後、8時間後に反応が終了
した。
【0035】反応終了後、pH調節剤を添加することな
く、濃縮を実施した以外は実施例1と同様にして、N−
i−ブトキシメチルアクリルアミドを得た。結果を表1
に示す。
く、濃縮を実施した以外は実施例1と同様にして、N−
i−ブトキシメチルアクリルアミドを得た。結果を表1
に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の製法によれば、濃縮工程におけ
る副生成物の生成が抑制され、高純度のN−アルコキシ
メチル(メタ)アクリルアミド類が得られる。
る副生成物の生成が抑制され、高純度のN−アルコキシ
メチル(メタ)アクリルアミド類が得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 N−メチロール(メタ)アクリルアミド
と脂肪族モノアルコール類とを、酸触媒の存在下に反応
させた後、反応液のpHを7より大きく、かつ9.5以
下の範囲内に保ちつつ反応液の濃縮を行うことを特徴と
するN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド類の
製造法。 - 【請求項2】 反応終了後、反応液のpHを7.5〜
9.5の範囲内に保ちつつ反応液の濃縮を行う請求項1
記載の製造法。 - 【請求項3】 脂肪族モノアルコール類が、炭素原子数
1〜8の脂肪族モノールである請求項1または2記載の
製造法。 - 【請求項4】 脂肪族モノアルコール類が、i−ブタノ
ールである請求項1または2記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7012513A JPH08198831A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド類の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7012513A JPH08198831A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド類の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08198831A true JPH08198831A (ja) | 1996-08-06 |
Family
ID=11807437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7012513A Pending JPH08198831A (ja) | 1995-01-30 | 1995-01-30 | N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド類の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08198831A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08198833A (ja) * | 1995-01-30 | 1996-08-06 | Dainippon Ink & Chem Inc | N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド類の製法 |
CN114292206A (zh) * | 2021-11-26 | 2022-04-08 | 浙江鑫甬生物化工股份有限公司 | 一种高纯级n-异丁氧基甲基丙烯酰胺ibma的合成与纯化方法 |
-
1995
- 1995-01-30 JP JP7012513A patent/JPH08198831A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08198833A (ja) * | 1995-01-30 | 1996-08-06 | Dainippon Ink & Chem Inc | N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド類の製法 |
CN114292206A (zh) * | 2021-11-26 | 2022-04-08 | 浙江鑫甬生物化工股份有限公司 | 一种高纯级n-异丁氧基甲基丙烯酰胺ibma的合成与纯化方法 |
CN114292206B (zh) * | 2021-11-26 | 2024-05-31 | 浙江鑫甬生物化工股份有限公司 | 一种高纯级n-异丁氧基甲基丙烯酰胺ibma的合成与纯化方法 |
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