JPH08198655A - 石炭灰質軽量固化物の製造方法 - Google Patents

石炭灰質軽量固化物の製造方法

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JPH08198655A
JPH08198655A JP631795A JP631795A JPH08198655A JP H08198655 A JPH08198655 A JP H08198655A JP 631795 A JP631795 A JP 631795A JP 631795 A JP631795 A JP 631795A JP H08198655 A JPH08198655 A JP H08198655A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 石炭灰の混合比率が高く、軽量かつ高強度
で、強度のばらつきが小さく、水に対する寸法安定性が
良好な石炭灰質軽量固化物を提供するものである。 【構成】 品質管理(嵩密度、平均粒径、及びアルミニ
ウム含有量)された石炭灰とケイ酸カルシウム等のカル
シウム化合物とを混合し、アルミニウム粉末等の発泡剤
等により、その混合物中に多くの気孔を形成し、流し込
み成形等により成形し、水熱処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石炭灰を主要成分とす
る固化物である石炭灰質軽量固化物の製造方法に関し、
特に建築用パネル等の建材、人工軽量骨材等の製造方法
を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】エネルギー源として石炭を利用している
火力発電所や各種の工場では、フライアッシュ等の石炭
灰が大量に産出されている(約400万トン/年)。こ
のうち、有効利用されるものは約40%にすぎず、残り
の約60%は埋め立て処分されているのが現状である。
しかしながら、石炭灰の埋め立て処分場を確保すること
は必ずしも容易ではなく、漁業権の保証やリサイクル法
の制定により埋め立て処分場の確保がますます困難にな
ってきている。従って、今後さらに増大するであろう石
炭灰の有効利用が緊急の課題となっている。
【0003】現在のところでは、石炭灰は特開昭63−
17247号公報および特開平4−305044号公報
に示されているように無機質系の建築材料の一原料とし
て提案され、または特開平3−16176号公報に示さ
れているように多孔質の濾過助剤の一原料として提案さ
れている。また、特殊な例としては刊行物「日本工業新
聞:人工海底山脈を石炭灰で構築(平成5年2月26日
発行)」に示されているように、人工魚礁の一原料とし
ても提案されている。これらの提案のうち建築材料とし
て利用する場合には、石炭灰の大量の利用が期待でき
る。しかし、建築材料として利用するためには、軽量
化、高強度化及び耐水性を図らなければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に建築
材料は軽量化を図るため発泡剤を入れたセメント泥漿を
オートクレーブ養生しているが、上記した石炭灰も軽量
建築材料としてALC等に一部利用されている。しか
し、その混合比率は必ずしも高くなく、また、石炭灰の
混合比率を40重量%以上に高めようとする場合には軽
量固化物の強度が低下するという問題があった。また、
水に対する寸法安定性も悪いという欠点があった。ここ
で、水に対する寸法安定性が悪いとは、乾燥−湿潤状態
により固化物の体積変化が大きいことをいう。
【0005】本発明はこのような従来の問題点を解決し
て、石炭灰の混合比率が高く、軽量かつ高強度で、強度
のばらつきが小さく、水に対する寸法安定性が良好な石
炭灰質軽量固化物を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明者が鋭意研究を重ねた結果、石炭灰の品質
管理(嵩密度、平均粒径、及びアルミニウム含有量)、
石炭灰とカルシウム化合物との混合比率及び水熱処理に
より、従来のものに比べ格段に優れている固化物となる
ことを見いだした。すなわち、本発明の石炭灰質軽量固
化物の製造方法の第1の発明は、嵩密度が小さくとも
0.8g/cm3、平均粒径が5〜40μmで、アルミニウ
ム量がAl23 換算で多くとも35重量%の石炭灰4
0〜90重量%と、カルシウム化合物60〜10重量%
とからなる原料、発泡剤及び水の混合物を作製し、この
混合物を成形し、次いで、120℃以上の高温及び高圧
下で水熱処理する工程を含むことを特徴とするものであ
る。また、第2の発明は、嵩密度が小さくとも0.8g
/cm3、平均粒径が5〜40μmで、アルミニウム量がA
2 3 換算で多くとも35重量%の石炭灰40〜90
重量%と、カルシウム化合物60〜10重量%とからな
る原料、起泡剤及び水の混合物を作製し、この混合物を
成形し、次いで、120℃以上の高温及び高圧下で水熱
処理する工程を含むことを特徴とするものである。ま
た、第3の発明は、嵩密度が小さくとも0.8g/cm3
平均粒径が5〜40μmで、アルミニウム量がAl2
3 換算で多くとも35重量%の石炭灰40〜90重量%
と、カルシウム化合物60〜10重量%とからなる原料
と水の混合物を作製し、起泡剤によってあらかじめ作っ
ておいた気泡を前記混合物に混入した後、その混合物を
成形し、次いで、120℃以上の高温及び高圧下で水熱
処理する工程を含むことを特徴とするものである。ま
た、前記カルシウム化合物は、酸化カルシウム、水酸化
カルシウム、炭酸カルシウム、及びケイ酸カルシウムの
少なくとも1種類以上のカルシウム化合物が好適であ
る。
【0007】また、前記水熱処理に先だって、30〜1
00℃で養生することも好適である。
【0008】前記嵩密度の測定は、JIS Z 250
4 の測定方法に準拠した。
【0009】
【作用】本発明に係る製造方法によれば、石炭灰とカル
シウム化合物とからなる原料に発泡剤と水を混合して得
られた混合物は、石炭灰中のSiO2 成分とカルシウム
化合物中のカルシウム成分と水が反応して、C−S−H
ゲル(カルシウム シリケ─ト ハイドレ─トゲル)お
よび水酸化カルシウムが生成する。また、この水酸化カ
ルシウムおよびカルシウム化合物と発泡剤(例えば、金
属アルミニウム粉末)と水とが反応して発生する水素に
より、前記混合物中に気泡が形成される。したがって、
発泡後の状態では水及び多数の気孔を含んだ柔らかい構
造体が得られる。この構造体は、C−S−Hゲルおよび
残留した石炭灰粒子が骨格を形成していると考えられ
る。また、起泡剤を用いた泥漿でも同様な構造体になる
と考えられる。その後の水熱処理である120℃以上の
温度でのオ−トクレ−ブ養生では、この生成したC−S
−Hゲルが残留した石炭灰粒子と反応して結晶質のトバ
モライト(5CaO・6SiO2 ・5H2 O)を生成す
ると考えられる。
【0010】石炭灰については、嵩密度が0.8g/cm3
以上、好ましくは1.0g/cm3以上である。嵩密度が
0.8g/cm3未満では石炭灰質固化物の強度が十分発現
されず、また、強度のばらつきも大きくなるからであ
る。石炭灰の平均粒径は、5〜40μm、好ましくは1
0〜30μmである。平均粒径が5μm未満では石炭灰
質固化物の強度が十分発現されず、また、平均粒径が4
0μmを越える場合には強度が低下するとともに強度の
ばらつきが大きくなるからである。これらの理由は定か
ではないが石炭灰質固化物の強度に、石炭灰が骨材とし
て関与しているものと推測される。したがって、嵩密度
の小さい石炭灰は石炭灰粒子が中空状のものが多くな
り、強度の低下及び強度のばらつき増大をもたらすもの
と考えられる。また、平均粒径5μm未満の石炭灰は、
オートクレーブ養生後では、石炭灰粒子としては残存し
にくくなり、石炭灰が骨材として関与しないため、強度
向上効果をもたらさないものと考えられる。一方、平均
粒径40μmを越える石炭灰は、オートクレーブ養生後
でも石炭灰粒子としては残存するものの、粒径が大きす
ぎて逆に欠陥として作用するものと考えられる。一般に
軽量固化物はケイ砂等を骨材として混入し強度の向上を
図っているが、本発明の石炭灰質軽量固化物は残留石炭
灰が骨材として作用し、強度向上効果を有すると考えら
れるため、ケイ砂等を加える必要はない。なお、石炭灰
の粒度分布については、強度向上及び強度のばらつき低
減の点で平均粒径の1/4〜4倍に60%以上の粒子が
入る分布が好ましい。石炭灰は強度の点でフライアッシ
ュが好ましいが、ボトムアッシュでも粉砕処理すること
により使用することができる。
【0011】また、石炭灰の組成に関しては、アルミニ
ウム量がAl2O3 換算で35重量%以下、好ましくは30
重量%以下である。アルミニウム量がAl2O3 換算で35
重量%を越えると固化物の強度の低下及び強度のばらつ
き増大をもたらす。これは、オートクレーブ養生により
石炭灰質固化物中にハイドロガーネットが生成しやすく
なり、これが欠陥として作用するためと考えられる。石
炭灰のその他の組成については、Si成分は、SiO2に換
算して30〜80重量%、Fe成分は、Fe2O3に換算し
て15重量%以下が好ましく、未燃炭素量が5重量%以
上であっても何等問題はない。なお、石炭灰は一般に発
生する微粉炭石炭灰のみならず常圧ないし加圧流動床燃
焼発電システムより発生する石炭灰も使用できる。
【0012】また、石炭灰の混合比率が40重量%未満
の場合には石炭灰質軽量固化物の強度及び寸法安定性が
低く、90重量%を越えると固化しにくく、石炭灰質軽
量固化物としての強固な形態を保持しえない。したがっ
て、石炭灰の混合比は、40〜90重量%、好ましくは
50〜80重量%である。石炭灰の混合比が40重量%
未満の場合、寸法安定性が悪化するのは、水酸化カルシ
ウム、ケイ酸カルシウム、C−S−Hゲルが多く残存し
ていることによるものと考えられる。
【0013】しかして、本発明において採用できるカル
シウム化合物としては、酸化カルシウム、水酸化カルシ
ウム、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム等を挙げるこ
とができ、使用に際してはこれらの各化合物を単独で、
または2種以上のものを併用することができる。ここ
で、ケイ酸カルシウムはエーライト(3CaO・SiO
2 )、ビーライト(2CaO・SiO2 )等を挙げるこ
とができ、これらを含む普通ポルトランドセメント等各
種ポルトランドセメントも用いることができる。これら
の各化合物のうちでは、作用効果の点からいえば、特に
ケイ酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム
が好適である。なお、石膏等の硫酸カルシウムは、トバ
モライト以外の生成物ができるために多量の添加は不適
当である。
【0014】また、オートクレーブ養生温度は120℃
以上、特に130〜250℃の範囲が好ましく、オート
クレーブ養生時間は2時間以上が好ましく、5時間以上
がより好ましい。なお、飽和蒸気温度120℃のときの
絶対圧力は、約2Kg/cm2 である。オートクレーブ
養生温度が120℃未満では、石炭灰質軽量固化物の強
度が十分発現されず、また、水に対する寸法安定性も悪
化するからである。この理由は、120℃未満のオート
クレーブ養生では、強度向上効果のあるトバモライトの
生成が少なく、また、寸法安定性に悪影響を及ぼす水酸
化カルシウム、ケイ酸カルシウムが多く残存するためと
考えられる。なお、寸法安定性の悪化については、C−
S−Hゲルも影響を及ぼしていると考えられる。120
℃未満のオートクレーブ養生では、トバモライトの生成
が不十分なため、C−S−Hゲルが多く残り、このC−
S−Hゲルの水は乾燥−湿潤状態により大きく変化す
る。その結果、石炭灰質軽量固化物の体積は、この水の
出入りに伴い大きく変化し、寸法安定性が悪化するもの
と推察する。なお、水中に浸漬した状態でのオートクレ
ーブ養生は好ましくない。
【0015】石炭灰質原料より混合物である泥漿を作製
するには所定量の石炭灰と所定量のカルシウム化合物と
所定量の発泡剤を混合した後、水、好ましくは40℃以
上の温水を固形分に対して20〜100重量%添加する
ことが強度向上及び気泡を均一に分散させる点で好まし
い。このように調整された泥漿を使用して流し込み成形
等により所定の型枠に流し込む。なお、オートクレーブ
養生は、型枠に流し込んだ泥漿の発泡が終了した後に行
うことが、強度及び寸法安定性上好ましい。発泡剤とし
ては、アルミニウム粉末、カルシウム粉末、塩化石灰粉
末が用いられるがアルミニウム粉末が好ましい。強度向
上の点で、発泡剤の添加量は固形分に対して0.01〜
1重量%が好ましく、その粒径は1〜300μmが好ま
しい。この際、減水剤、保水剤、防水剤、流動化剤、収
縮低減剤、気泡安定剤、界面活性剤等の混和剤またはア
ルカリを添加してもよく、また石炭灰質固化物の強度の
向上、比重の調整、コストの低減などのために、火成
岩、高炉スラグ、パーライト、ALCの屑、グラスファ
イバー、繊維、パルプ等を添加することもできる。混和
剤としては、アルキルアリルスルホン酸、ナフタリンス
ルホン酸ホルマリン高縮合物、ナフタリンスルホン酸と
リグニンスルホン酸の共縮合物、アルキルアリルスルホ
ネートポリマー、アルキルアリルスルホネート、ジエチ
ルナフタリンのホルマリン縮合物、オレフィン/無水マ
レイン酸共縮合物、ポリカルボン酸塩、変性メチロール
メラミン縮合物、ポリビニルアルコール、メチルセルロ
ース等が挙げられる。
【0016】また、前記発泡剤に替えて起泡剤を用いる
方法がある。本発明の第2の発明の起泡剤の使用方法
は、所定量の石炭灰と所定量のカルシウム化合物を混合
した後、水、好ましくは40℃以上の温水を固形分に対
して20〜100重量%添加混合した泥漿に起泡剤を混
入してこれを急速に混ぜて気泡を発生させる、いわゆ
る、ミックスフォーム法である。第3の発明の起泡剤の
使用方法は、所定量の石炭灰と所定量のカルシウム化合
物を混合した後、水、好ましくは40℃以上の温水を固
形分に対して20〜100重量%添加混合した泥漿に、
起泡剤によってあらかじめ微細気泡を作っておき、これ
を混入するプレフォーム法である。起泡剤としては、洗
浄剤(硫酸ラウリルソーダ、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム等のアルキルアリルスルホン酸塩、アルキ
ルナフタリンスルホン酸塩、ノニルフェノキシジエトキ
シエチル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤、または、ア
ルキルアリルスルホン酸、アルキルスルホン酸ナフタリ
ン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系、ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル、脂肪酸ジエタノールアミ
ド、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、
ポリオキシエチレンラノリン脂肪酸エステル等の非イオ
ン系界面活性剤)、植物性または動物性膠質、サポニ
ン、変性した膠質ブチルスルホン酸ナフタリン、イソプ
ロピルスルホン酸ナトリウム、塩化カルシウム、アルミ
ナセメント、その他界面活性剤(ポリオキシエチレンア
ルキルアミンエーテル等)、ゼラチン・カゼインなどの
タンパク質の誘導体等がある。特に、アニオン系および
非イオン系界面活性剤が好ましく、起泡剤の添加量は固
形分に対して0.01〜1重量%が好ましい。
【0017】アルカリを包含させた泥漿を発泡させた
後、オートクレーブ養生を行うと、特にカルシウム化合
物として、炭酸カルシウムを用いた場合は、強度が良好
になる。この理由は定かではないが、アルカリの存在に
より石炭灰とカルシウム化合物の反応が助長され、トバ
モライト等の反応生成物が強固に固着した状態になるこ
とによるものと推測される。アルカリとしてはアルカリ
金属の水酸化物(NaOH、KOH等)、アルカリ金属
炭酸塩(Na2 CO3 等)、およびアンモニア等を挙げ
ることができる。これらの各化合物のうちでは、作用効
果の点からいえばアルカリ金属の水酸化物、アンモニ
ア、アルカリ金属炭酸塩の順であり、これらのうちアル
カリ金属の水酸化物が好ましく、中でも水酸化ナトリウ
ムがより好ましい。成形物中のアルカリの含有量につい
ては、成形物中の石炭灰に対して重量比で0.001〜
20%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜10
%であって、この範囲においては、強度および寸法安定
性の良好な石炭灰質固化物を得ることができる。
【0018】また、泥漿を型枠に流し込む際、振動を加
えることは流し込みのとき生じる大きな巻き込み気泡が
除去でき、強度向上及び保形性の点で好ましい。振動は
振幅0.1〜5mm、振動数500〜50Hzが好まし
い。
【0019】また、型枠に流し込まれた泥漿はオートク
レーブ養生に先立って養生することが固化物の強度向上
の上で好ましく、養生温度は30〜100℃、より好ま
しくは40〜90℃で、養生時間は1時間以上、より好
ましくは3時間以上である。また、この養生により発泡
が迅速に完了するとともに、半可塑性状態(脱型が出来
るとともにピアノ線で切断できる固化状態)に達する時
間が早くなり、均一分散された気孔が得られるため好ま
しい。また、この養生により脱型も可能となり、オート
クレーブ養生を脱型した状態で出来るため好ましい。養
生には、湿潤養生、湛水養生、散水養生、被膜養生等が
挙げられるが、湿潤養生、湛水養生がより好ましい。
【0020】最終的にはトバモライトを主成分とし、石
炭灰粒子およびC−S−Hゲルを含んだマトリックス中
に多数の気孔が分散した構造になって高強度で,強度の
ばらつきも小さく、水に対する寸法安定性に優れた石炭
灰質軽量固化物を得ることができる。
【0021】このようにして得られた石炭灰質軽量固化
物は、多数の気孔を内在するにもかかわらず、高強度で
強度のばらつきも小さいものとなり、たとえば絶乾嵩比
重が1.0以下の軽量なものとなり、大型のパネルの製
作も可能となり、また、水に対する寸法安定性が良好な
ため湿潤状態での使用も可能である。
【0022】また、本発明の製造方法で製造された石炭
灰質軽量固化物は、吸音性、遮音性、断熱性、不燃性も
有する。
【0023】なお、型枠への泥漿の供給を数回に分ける
ことにより成分等の異なる層が多層形成される多層構造
を作製することも可能となる。この多層構造を利用する
ことにより表面の着色が可能となり美観が重要視される
パネル等建材への適用が可能となる。また、添加剤の添
加量あるいは気孔率を連続的に変化させることもでき、
強度等の傾斜機能を持つ材料が作製できる。また、あら
かじめ鉄筋等の補強材を組み込んでおいた型枠に、泥漿
を流し込むことにより石炭灰質固化物の補強も可能であ
る。また、石炭灰質軽量固化物を通常用いられているロ
ールクラッシャ、ジョークラッシャ等で所定の粒径に粉
砕した場合には人工軽量骨材として用いることができ
る。
【0024】また、吸音板として用いるには、石炭灰質
軽量固化物の絶乾嵩比重は0.2〜0.5が好ましい。
その固化物中の気孔は平均気孔径で100〜1000μ
mであり、各気孔が連通していることが好ましい。気孔
を連通させるためには固化物の絶乾嵩比重を0.2〜
0.5にするとともに以下に示す界面活性剤を発泡剤と
ともに泥漿に添加する必要がある。界面活性剤として
は、ポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびその
塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルおよび
その塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸ジエタ
ノールアミド、アルキル硫酸エステル塩、スルホン酸
塩、石鹸、水ガラス、樹脂、サポニン等がある。また、
ポリビニルアルコール、メチルセルローズ等の気泡安定
剤を添加することが好ましい。
【0025】以上、好ましい成形法である流し込み成形
で説明したが、その他の成形方法、例えば、プレス成
形、押し出し成形等もそれぞれ通常の方法で成形するこ
とも可能である。
【0026】
【実施例】次に、本発明の第1の発明を実施例に基づき
説明する。 (実施例)石炭灰として嵩密度0.8〜1.4g/cm3
平均粒子径5〜40μmのフライアッシュ(成分: SiO
2 30〜80重量%,Al2O3 19〜35重量%,Fe2O3
15重量%以下)を使用し、石炭灰の混合比率を40重
量%〜90重量%にするとともに,カルシウム化合物と
して,酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシ
ウム、普通ポルトランドセメントの4種類を使用し,そ
の混合比率を60重量%〜10重量%とし、これらの原
料と発泡剤を混合した後、水を固形分に対して20〜1
00重量%添加して表1に示す各種石炭灰質泥漿を作製
した。発泡剤としては、アルミニウム粉末及びカルシウ
ム粉末を使用し、固形分に対して0.01〜1重量%添
加した。この泥漿を型枠に流し込んで40〜90℃の温
度で20時間湿潤状態で発泡及び養生した。なお、実施
例10、14及び15は、養生せず常温で発泡した。こ
れら固化物を120℃〜270℃の温度で20時間オー
トクレーブ養生した。
【0027】次に、表1に基づき実施例について詳細に
説明する。実施例1は、嵩密度1.2g/cm3、平均粒径
15μm、アルミニウム量がAl2O3 換算で24%の石炭
灰90重量%と普通ポルトランドセメント10重量%の
石炭灰質原料を用い、130℃でオートクレーブ養生し
た。実施例2は、嵩密度1.3g/cm3、平均粒径10μ
m、アルミニウム量がAl2O3 換算で25%の石炭灰80
重量%と酸化カルシウム20重量%の石炭灰質原料を用
い、130℃でオートクレーブ養生した。実施例3は、
嵩密度0.8g/cm3、平均粒径11μm、アルミニウム
量がAl2O3 換算で20%の石炭灰80重量%と普通ポル
トランドセメント10重量%と水酸化カルシウム10重
量%の石炭灰質原料を用い、200℃でオートクレーブ
養生した。以下表1の通りである。
【0028】こうして得られた各石炭灰質固化物(40
×40×160mm)について外観を観察するととも
に,圧縮強度、絶乾嵩比重、及び水に対する寸法安定性
を測定して,これらの結果を表1に示す。実施例1は、
外観は良好であり、絶乾嵩比重は1.00、圧縮強度は
230Kg/cm2 ,そのばらつきは26Kg/c
2,寸法安定性は0.015%であった。以下表1の
通りである。ただし,石炭灰質固化物の外観の観察では
固化物における亀裂などの損傷の有無,形態保持性の強
弱を判定し,良好なものを○印,不良なものを×印で表
示している。また,圧縮強度の測定については,直方体
上下面に直径40mmの金属板をのせ、これに圧力をか
ける方法で、その他はJIS A 1108 に従いオ
ートグラフにより行い、10個の試料の平均を圧縮強度
とし、その標準偏差をばらつきとした。寸法安定性は試
料を乾燥器に入れ60℃24時間乾燥後、デシケータで
常温まで冷却し、20℃の水中に入れ、3日間吸水させ
た。寸法を測定した後、温度20℃、相対湿度60%の
室内に靜置し、含水率が40%以下となる寸法を測定し
た。この寸法変化率(%)を示した。寸法変化率は、J
IS A5416の測定方法にしたがった。なお、軽量
固化物の比重は絶乾嵩比重をJIS A 5416に準
拠して測定した。 (比較例)石炭灰として嵩密度0.5〜1.4g/cm3
平均粒子径1〜60μmのフライアッシュ(成分: SiO
2 30〜80重量%,Al2O3 24〜40重量%,Fe2O3
15重量%以下)を使用し、石炭灰の混合比率を30重
量%〜100重量%にするとともに,カルシウム化合物
として,酸化カルシウム、普通ポルトランドセメント、
石膏の3種類を使用し、その混合比率を70重量%〜0
重量%とし、表2に示す各種石炭灰質泥漿を作製した。
その他は、実施例と同様とした。なお、比較例27はオ
ートクレーブ養生せずに蒸気養生(20時間)した。
【0029】なお、第2及び第3の発明は泥漿中の気泡
の作り方が第1の発明と異なるが、出来上がり固化物は
第1の発明の方法によりできたものと同様の構造体とな
り、その特性も同等となる。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】以上説明からも明らかなように、本発明
によると石炭灰混合比率が高く、軽量で、かつ高強度
で、強度ばらつきが小さく、水に対する寸法安定性の良
好な石炭灰質軽量固化物が得られ、パネル・ブロック・
煉瓦・吸音板等の建材、人工軽量骨材等広い分野に適用
できるため、従来から苦慮していた産業廃棄物である石
炭灰を有効に大量利用が実現でき、本発明の効果は極め
て多大である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 嵩密度が小さくとも0.8g/cm3、平均
    粒径が5〜40μmで、アルミニウム量がAl2 3
    算で多くとも35重量%の石炭灰40〜90重量%と、
    カルシウム化合物60〜10重量%とからなる原料、発
    泡剤及び水の混合物を作製し、この混合物を成形し、次
    いで、120℃以上の高温及び高圧下で水熱処理する工
    程を含むことを特徴とする石炭灰質軽量固化物の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 嵩密度が小さくとも0.8g/cm3、平均
    粒径が5〜40μmで、アルミニウム量がAl2 3
    算で多くとも35重量%の石炭灰40〜90重量%と、
    カルシウム化合物60〜10重量%とからなる原料、起
    泡剤及び水の混合物を作製し、この混合物を成形し、次
    いで、120℃以上の高温及び高圧下で水熱処理する工
    程を含むことを特徴とする石炭灰質軽量固化物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 嵩密度が小さくとも0.8g/cm3、平均
    粒径が5〜40μmで、アルミニウム量がAl2 3
    算で多くとも35重量%の石炭灰40〜90重量%と、
    カルシウム化合物60〜10重量%とからなる原料と水
    の混合物を作製し、起泡剤によってあらかじめ作ってお
    いた気泡を前記混合物に混入した後、その混合物を成形
    し、次いで、120℃以上の高温及び高圧下で水熱処理
    する工程を含むことを特徴とする石炭灰質軽量固化物の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記カルシウム化合物が、酸化カルシウ
    ム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、及びケイ酸カ
    ルシウムの少なくとも1種類以上のカルシウム化合物で
    ある請求項1〜請求項3に記載の石炭灰質軽量固化物の
    製造方法。
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JP2015145337A (ja) * 2015-04-17 2015-08-13 株式会社大協組 焼却灰を主原料とした発泡水熱固化体の製造方法

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