JPH08197937A - 車両用空気調和装置 - Google Patents

車両用空気調和装置

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JPH08197937A
JPH08197937A JP6323436A JP32343694A JPH08197937A JP H08197937 A JPH08197937 A JP H08197937A JP 6323436 A JP6323436 A JP 6323436A JP 32343694 A JP32343694 A JP 32343694A JP H08197937 A JPH08197937 A JP H08197937A
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air conditioner
vehicle
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Akira Isaji
晃 伊佐治
Naoto Hotta
直人 堀田
Yasuo Kondo
靖男 近藤
Yuji Takeo
裕治 竹尾
Shizuo Tsuchiya
静男 土屋
Eiji Takahashi
英二 高橋
Hiroshi Ishikawa
石川  浩
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/27Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies
    • Y02A30/274Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies using waste energy, e.g. from internal combustion engine

Abstract

(57)【要約】 【目的】 寒冷地でも充分な暖房能力が得られ、既成の
ヒータユニットを利用でき、簡単な組付け作業で燃焼式
ヒータ55を組み合わせることができ、且つ電気自動車
の走行用モータの排熱を車室内の暖房に活用できるよう
にする。 【構成】 冷媒圧縮機20、冷媒水熱交換器21、第1
減圧手段22、室外熱交換器23を環状に接続した冷凍
サイクル4と、冷媒水熱交換器21、温水ヒータコア5
2、排熱冷却器53、ウォータポンプ56を環状に接続
し、冷媒水熱交換器21と並列に燃焼式ヒータ55を接
続した温水サイクル5とからなる。そして、ヒートポン
プ温水暖房時に冷媒水熱交換器21にて冷媒の凝縮熱に
より昇温した温水を温水ヒータコア52に循環させて必
要な暖房能力を得るようにし、燃焼ヒータ温水暖房時に
燃焼式ヒータ55にて燃料の燃焼熱により昇温した温水
を温水ヒータコア52に循環させて寒冷地でも充分な暖
房能力を得るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばエンジン冷却
水を有しない電気自動車や空冷式内燃機関搭載車等の車
室内の空調に利用される車両用空気調和装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば電気自動車のようなエ
ンジン冷却水からの排熱を利用して車室内の暖房ができ
ない車両用空気調和装置として、特開平4−15132
4号公報に開示された技術がある。この技術は、電気自
動車の車室内へ空気を送るためのダクト内に、冷凍サイ
クルに組み込まれた第1熱交換器と第2熱交換器を設
け、冷房モード時はそれぞれを蒸発器として働かせ、ヒ
ートポンプ暖房モード時にはそれぞれを凝縮器として働
かせるように弁等により冷凍サイクル内の冷媒の流れ方
向を切り替えるようにしたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の技術
においては、ダクト内に冷凍サイクルの第1、第2熱交
換器を設けた構造をしているため、従来からの温水ヒー
タコアを備えた既成のヒータユニットを使うことができ
なかった。このため、第1、第2熱交換器を備えたエア
コンユニットを新設する必要があるので、高コストとな
るという不具合もあった。
【0004】また、従来の技術においては、ダクト内の
第1、第2熱交換器を凝縮器として働かせるヒートポン
プ暖房モード時に外気温が0℃以下に低下すると暖房能
力が極端に低下してしまう。とくに寒冷地(外気温が−
10℃〜−30℃以下に低下する地域)ではそのような
ヒートポンプ暖房では暖房能力が不足するという不具合
があった。そこで、寒冷地ではヒートポンプ暖房では能
力不足であるため、寒冷地仕様の暖房用熱源として燃焼
式ヒータを利用して温水暖房することが考えられる。
【0005】ところが、従来の技術においては、温水ヒ
ータコア、ウォータポンプおよび温水配管等の温水暖房
機器を備えた温水サイクルを電気自動車に搭載していな
いため、燃焼式ヒータを追加するために、温水暖房機器
を追加しなければならず、これらをユニット内に組み付
けることは非常に困難で高コストとなるという不具合が
あった。
【0006】また、電気自動車の走行用モータや走行用
インバータ等の車載電気機器の冷却を水冷で行っていて
も、その車載電気機器からの排熱を車室内の暖房に活用
していないため、車両全体としてトータル的にエネルギ
ーを見たときエネルギーを充分有効に利用していなかっ
た。
【0007】請求項1に記載の発明の目的は、充分な暖
房能力が得られ、且つ既成のヒータユニットを利用する
ことができる車両用空気調和装置を提供することにあ
る。また、請求項4に記載の発明の目的は、寒冷地でも
充分な暖房能力が得られ、且つ非常に簡単な組付作業で
燃焼式ヒータを組み合わせることができる車両用空気調
和装置を提供することにある。さらに、請求項6に記載
の発明の目的は、暖房能力の向上が得られ、且つ走行用
モータや走行用インバータなどの車載電気機器からの排
熱を車室内の暖房に有効活用できる車両用空気調和装置
を提供することにある。
【0008】請求項19に記載の発明の目的は、燃焼式
ヒータを冷媒圧縮機と同時運転した時の冷凍サイクルの
高圧圧力の上昇等の冷凍サイクルの不具合を解消できる
車両用空気調和装置を提供することにある。請求項20
ないし請求項22に記載の発明の目的は、暖房運転の起
動後に車室内へ吹き出す空気の吹出温度を乗員の希望に
合った温度にオーバーシュートさせることなく到達させ
ることができる車両用空気調和装置を提供することにあ
る。請求項21および請求項22に記載の発明の目的
は、車室内の急速暖房を行うことができる車両用空気調
和装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、車室内へ向かって空気を送るためのダクトと、この
ダクト内において車室内へ送風する送風機と、冷媒を圧
縮して吐出する冷媒圧縮機、この冷媒圧縮機より吐出さ
れた冷媒と温水とを熱交換させて温水を加熱する冷媒水
熱交換器、および冷媒の蒸発熱により空気を冷却する冷
媒蒸発器を有する冷凍サイクルと、前記冷媒水熱交換器
で加熱された温水を循環させるポンプ、および前記ダク
ト内に設置され、前記冷媒水熱交換器より流入した温水
により前記ダクト内を流れる空気を加熱する温水式加熱
器を有する温水サイクルとを備えた技術手段を採用し
た。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1ないし
請求項3のいずれかに記載の車両用空気調和装置に加え
て、前記温水サイクルは、燃料の燃焼熱により温水を加
熱する燃焼式ヒータを、前記温水式加熱器と直列して接
続した技術手段を採用した。請求項6に記載の発明は、
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車両用空気
調和装置に加えて、前記温水サイクルは、通電されると
発熱する走行用モータや走行用インバータなどの車載電
気機器を温水により冷却する排熱冷却器を、前記温水式
加熱器と直列して接続している。
【0011】また、前記ダクト外に設置された室外熱交
換器を、前記冷媒圧縮機より冷媒の流れ方向の下流側に
直列して接続しても良く、車室外空気と温水とを熱交換
させて温水を冷却するラジエータを、通電されると発熱
する走行用モータや走行用インバータなどの車載電気機
器を温水により冷却する排熱冷却器と直列して接続して
も良い。
【0012】さらに、前記冷媒水熱交換器と前記室外熱
交換器との間に減圧手段を接続しても良く、電気ヒータ
により温水を加熱する電気温水加熱器を、前記温水式加
熱器と直列して接続しても良く、前記ダクト内において
前記温水式加熱器の風上側に前記冷媒蒸発器を配置して
も良い。
【0013】そして、前記冷媒圧縮機の回転速度を制御
して能力制御を行う回転速度制御手段を設けても良く、
温水を前記ラジエータから迂回させるバイパス流路を設
けても良く、前記温水式加熱器に、被加熱空気を迂回さ
せる量を変化させるエアミックスダンパを設けても良
い。
【0014】また、前記冷凍サイクルに、前記ダクト外
に設置され、前記冷媒圧縮機より冷媒の流れ方向の下流
側に直列して接続された室外熱交換器、および前記冷媒
水熱交換器と前記室外熱交換器との間に接続された減圧
手段を設け、前記温水サイクルに、前記温水式加熱器と
直列して接続され、燃料の燃焼熱により温水を加熱する
燃焼式ヒータを設け、車室外空気の温度に基づいて、前
記冷媒圧縮機の運転によるヒートポンプ温水暖房と前記
燃焼式ヒータの運転による燃焼ヒータ温水暖房を使い分
けるようにしても良い。
【0015】そして、内部に温水が循環する水冷却部を
有し、発電機を回転駆動する水冷式の内燃機関を設けて
も良く、前記冷媒圧縮機として、前記発電機から電力の
供給を受けて作動する電動式の冷媒圧縮機を用いても良
く、さらに前記内燃機関の水冷却部を、前記冷媒水熱交
換器より水の流れ方向の下流側に直列接続しても良い。
【0016】また、内部に温水が循環する水冷却部を有
し、前記冷媒圧縮機を回転駆動する水冷式の内燃機関を
設けても良く、さらに前記内燃機関の水冷却部を、前記
冷媒水熱交換器より水の流れ方向の下流側に直列接続し
ても良い。そして、前記冷媒圧縮機として、駆動電源と
してのインバータにより制御される電動式の冷媒圧縮機
を用いても良く、前記インバータを温水により冷却する
排熱冷却器を、前記温水式加熱器と直列接続しても良
い。さらに、少なくとも前記冷媒圧縮機と前記冷媒水熱
交換器を含む構成部品を、一体の箱体に収納しても良
い。
【0017】そして、前記燃焼式ヒータを、前記冷媒水
熱交換器より温水の流れ方向の下流側に直列して接続
し、且つ前記温水式加熱器より温水の流れ方向の上流側
に直列して接続すると共に、その燃焼式ヒータを前記冷
媒圧縮機と同時運転しても良い。また、前記室外熱交換
器を、冷房運転時に冷媒を凝縮させる凝縮器として働か
せ、暖房運転時に冷媒を蒸発させる蒸発器として働か
せ、前記室外熱交換器内の冷媒の流れ方向を、冷房運転
時と暖房運転時とで逆方向にしても良い。
【0018】請求項19に記載の発明は、請求項17に
記載の車両用空気調和装置に加えて、前記車両用空気調
和装置は、暖房運転の起動を指示する指示手段と、車室
内の暖房状態に関する物理量を検出する物理量検出手段
と、前記指示手段にて暖房運転の起動が指示された際
に、前記燃焼式ヒータを前記冷媒圧縮機と同時運転する
ように制御し、前記物理量検出手段の検出値が所定の物
理量に達した際に前記燃焼式ヒータを単独運転するよう
に制御する暖房運転制御手段とを備えた技術手段を採用
した。
【0019】請求項20に記載の発明は、請求項1に記
載の車両用空気調和装置に加えて、前記車両用空気調和
装置は、車室内に吹き出す空気の吹出温度を所望の温度
に設定する吹出温度設定手段と、この吹出温度設定手段
にて設定された吹出温度に基づいて、目標吹出温度を決
定する目標吹出温度決定手段と、前記目標吹出温度手段
で決定した目標吹出温度に基づいて目標温水温度を決定
する目標温水温度決定手段と、前記温水式加熱器より流
出した温水の温度を検出する温水温度検出手段と、前記
目標温水温度決定手段で決定した目標温水温度と前記温
水温度検出手段で検出した温水温度との温度偏差に基づ
いて、前記冷媒水熱交換器での温水の加熱量を制御する
温水加熱量制御手段とを備えた技術手段を採用した。
【0020】請求項21に記載の発明は、請求項1に記
載の車両用空気調和装置に加えて、前記車両用空気調和
装置は、前記冷凍サイクルの高圧圧力を検出する冷媒圧
力検出手段と、前記冷凍サイクルのトラブルを防止する
ための保護冷媒圧力を決定する保護圧力決定手段と、こ
の保護圧力決定手段で決定した保護冷媒圧力より低い目
標冷媒圧力を決定する目標冷媒圧力決定手段と、前記冷
媒圧力検出手段で検出した前記冷凍サイクルの高圧圧力
と前記目標冷媒圧力決定手段で決定した目標冷媒圧力と
の圧力偏差に基づいて、前記冷媒水熱交換器での温水の
加熱量を制御する温水加熱量制御手段とを備えた技術手
段を採用した。
【0021】請求項22に記載の発明は、請求項20お
よび請求項21に記載の車両用空気調和装置に加えて、
前記温水加熱量制御手段は、前記温水温度と前記目標温
水温度との温度偏差が大きい時に、前記冷凍サイクルの
高圧圧力と前記目標冷媒圧力との圧力偏差に基づいて、
前記冷媒圧縮機の回転速度を制御すると共に、前記温水
温度と前記目標温水温度との温度偏差が小さい時に、前
記温水温度と前記目標温水温度との温度偏差に基づい
て、前記冷媒圧縮機の回転速度を制御する技術手段を採
用した。
【0022】そして、前記室外熱交換器を、冷房運転時
に冷媒を凝縮させる凝縮器として働かせ、暖房運転時に
冷媒を蒸発させる蒸発器として働かせても良く、さらに
暖房運転時に前記室外熱交換器が着霜した場合に、前記
室外熱交換器を凝縮器として働かせ前記室外熱交換器を
除霜しても良い。前記温水サイクルに、燃料の燃焼熱に
より温水を加熱する燃焼式ヒータを、前記温水式加熱器
と直列して接続し、前記燃焼式ヒータを、前記室外熱交
換器の除霜中に前記冷媒圧縮機と同時運転しても良い。
【0023】そして、前記車両用空気調和装置に、車室
外温度を検出する外気温検出手段を設け、この外気温検
出手段で検出した車室外温度に基づいて、前記冷媒圧縮
機の運転によるヒートポンプ温水暖房と前記燃焼式ヒー
タの運転による燃焼ヒータ温水暖房を使い分けて車室内
の暖房を行う暖房運転制御手段を設けても良く、さら
に、前記暖房運転制御手段に、前記外気温検出手段で検
出した車室外温度が予め定めた車室外温度以上に上昇し
た時に、前記ヒートポンプ温水暖房のみで車室内の暖房
を行わせても良い。
【0024】また、前記暖房運転制御手段に、前記燃焼
式ヒータの最低暖房能力にて前記燃焼ヒータ温水暖房に
て車室内の暖房を行っている時、車室内の暖房状況があ
る定められた暖房状態値を越えて過剰暖房状況に入った
か否かを判定する判定手段を設けても良く、さらにこの
判定手段で過剰暖房状況に入ったと判定した場合に、前
記燃焼ヒータ温水暖房を停止し、前記ヒートポンプ温水
暖房のみで車室内の暖房を行わせても良い。そして、前
記温水式加熱器に、その温水式加熱器内に流入する温水
の温度を検出する温水温度検出手段を設けても良く、さ
らに前記温水温度検出手段を、その表面全体が前記温水
式加熱器の温水通路外表面に熱的に密着しても良い。
【0025】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、冷媒圧縮機が
冷媒を圧縮して高温、高圧の冷媒を吐出する。そして、
冷媒水熱交換器に流入した高温、高圧の冷媒は、温水サ
イクルを循環する温水と熱交換して凝縮熱により温水を
加熱する。この冷媒の凝縮熱により加熱された温水は、
ポンプによりダクト内の温水式加熱器に送られる。そし
て、温水式加熱器に流入した温水は、送風機の作用によ
りダクト内を流れる空気と熱交換して空気を加熱する。
そして、温水式加熱器にて温水により加熱された空気
は、送風機の作用により車室内へ吹き出される。これに
より、ヒートポンプ温水暖房によって車室内が暖房され
る。また、温水式加熱器を備えた既成のヒータユニット
を利用できるので、低コスト化が図れる。
【0026】請求項4に記載の発明によれば、燃焼式ヒ
ータの燃焼熱により温水サイクルを循環する温水が加熱
される。この燃焼式ヒータの燃焼熱により加熱された温
水は、ポンプによりダクト内の温水式加熱器に送られ
る。そして、温水式加熱器に流入した温水は、送風機の
作用によりダクト内を流れる空気と熱交換して空気を加
熱する。そして、温水式加熱器にて温水により加熱され
た空気は、送風機の作用により車室内へ吹き出される。
これにより、燃焼ヒータ温水暖房によって車室内が充分
な暖房能力にて暖房される。また、冷媒水熱交換器、温
水式加熱器およびポンプを有する温水サイクルを車両に
搭載しているので、燃焼式ヒータを非常に簡単な組付作
業で組み合わせることができるので、低コスト化が図れ
る。
【0027】請求項6に記載の発明によれば、排熱冷却
器において走行用モータや走行用インバータなどの車載
電気機器を温水により冷却する。このとき、温水は、車
載電気機器の排熱を回収する。そして、車載電気機器の
排熱を回収した温水は、ポンプによりダクト内の温水式
加熱器に送られる。そして、温水式加熱器に流入した温
水は、送風機の作用によりダクト内を流れる空気と熱交
換して空気を加熱する。そして、温水式加熱器にて温水
により加熱された空気は、送風機の作用により車室内へ
吹き出される。これにより、ヒートポンプ温水暖房時に
車載電気機器の排熱を活用することが可能となる。
【0028】請求項19に記載の発明によれば、指示手
段により暖房運転の起動が指示された場合に、物理量検
出手段の検出値が所定の物理量に達する前は、燃焼式ヒ
ータを冷媒圧縮機と同時運転することにより、車室内が
即効暖房される。また、指示手段により暖房運転の起動
が指示された場合に、物理量検出手段の検出値が所定の
物理量に達した後は、同時運転から燃焼式ヒータの単独
運転に切り替えることにより、エネルギーの有効利用を
図ることができ、且つ冷媒圧縮機を駆動するための動力
が不要となる。
【0029】請求項20に記載の発明によれば、乗員が
吹出温度設定手段を操作することにより車室内へ吹き出
す空気の吹出温度が設定される。次に、目標吹出温度決
定手段にて、吹出温度設定手段にて設定された吹出温度
に基づいて、目標吹出温度が決定される。そして、目標
温水温度決定手段によって、その目標吹出温度と、吸込
温度検出手段にて検出された吸込温度と、温度効率決定
手段にて決定された温度効率とから目標温水温度が決定
される。次に、温水加熱量制御手段によって、その目標
温水温度と温水温度検出手段で検出した温水温度との温
度偏差に基づいて、冷媒水熱交換器での冷媒と温水との
熱交換性能を制御して、温水式加熱器内へ流入する温水
の加熱量が調整される。これにより、暖房運転の起動後
に車室内へ吹き出す空気の吹出温度が、吹出温度設定手
段で設定した乗員の希望に合った温度にオーバーシュー
トすることなく到達する。
【0030】請求項21に記載の発明によれば、保護圧
力決定手段にて、保護冷媒圧力が決定される。次に、目
標冷媒圧力決定手段にて、その保護冷媒圧力より低い目
標冷媒圧力が決定される。次に、温水加熱量制御手段に
よって、その目標冷媒圧力と冷媒圧力検出手段にて検出
した冷凍サイクルの高圧圧力との圧力偏差に基づいて、
冷媒水熱交換器での冷媒と温水との熱交換性能を制御し
て、温水式加熱器内へ流入する温水の加熱量が調整され
る。これにより、冷凍サイクルの高圧圧力の異常高圧等
のトラブルを防止するための保護冷媒圧力を越えること
なく、温水式加熱器内へ流入する温水温度の上昇率の低
い、極寒時等の車室内暖房の立ち上がり特性を改善でき
る。
【0031】請求項22に記載の発明によれば、温水温
度検出手段にて検出した温水温度と目標温水温度決定手
段にて決定した目標温水温度との温度偏差が大きい場合
には、冷凍サイクルの高圧圧力を制御対象として暖房運
転を行うことにより、車室内へ吹き出す空気の吹出温度
が、吹出温度設定手段で設定した乗員の希望に合った温
度に急速に近づき、車室内暖房の立ち上がり特性が改善
される。また、温水温度検出手段にて検出した温水温度
と目標温水温度決定手段にて決定した目標温水温度との
温度偏差が小さい場合には、温水式加熱器内へ流入する
温水温度を制御対象として暖房運転を行うことにより、
車室内へ吹き出す空気の吹出温度が、吹出温度設定手段
で設定した乗員の希望に合った温度にオーバーシュート
することなく到達する。
【0032】
【実施例】次に、この発明の車両用空気調和装置を電気
自動車用空気調和装置に適用した複数の実施例に基づい
て説明する。
【0033】〔第1実施例の構成〕図1ないし図12は
この発明の第1実施例を示したもので、図1は電気自動
車用空気調和装置を示した図である。この電気自動車用
空気調和装置1は、所謂電気自動車用マニュアルエアコ
ンまたは電気自動車用オートエアコンとして利用される
ものである。
【0034】電気自動車用空気調和装置1は、車室内へ
空気を送るためのダクト2、このダクト2内において空
気流を発生させるブロワ3、冷媒が循環する冷凍サイク
ル(ヒートポンプサイクル)4、温水が循環する温水サ
イクル5、および車載電源(バッテリ)6の電力により
作動し各空調機器をコントロールする電子制御装置(以
下ECUと呼ぶ)100等から構成されている。
【0035】ダクト2は、電気自動車の車室内の前方側
に配設されている。そのダクト2の最も風上側は、内外
気切替箱を構成する部分で、内気導入口7および外気導
入口8を有している。さらに、内気導入口7および外気
導入口8の内側には、内外気切替ダンパ9が回動自在に
取り付けられている。この内外気切替ダンパ9は、サー
ボモータ等のアクチュエータ(図示せず)により駆動さ
れる。
【0036】また、ダクト2の室内ユニット10側に
は、デフ吹出口11、センタフェイス吹出口12、サイ
ドフェイス吹出口13およびフット吹出口14が設けら
れている。さらに、それぞれの吹出口の内側にはモード
切替ダンパ15〜18が回動自在に取り付けられてい
る。それらのモード切替ダンパ15〜18は、サーボモ
ータ等のアクチュエータ(図示せず)によりそれぞれ駆
動される。
【0037】ブロワ3は、ダクト2の風上側を構成する
スクロールケーシング内に設置されている。このブロワ
3は、ブロワモータ19によって回転速度が制御される
もので、内気導入口7または外気導入口8のいずれか開
かれた導入口から車室内空気(以下内気と略す)または
車室外空気(以下外気と略す)を吸引して車室内へ送風
する。
【0038】冷凍サイクル4は、所謂アキュームレータ
サイクルであって、冷媒圧縮機20、冷媒水熱交換器2
1、第1減圧手段22、室外熱交換器23、第2減圧手
段24、冷媒蒸発器25、アキュームレータ26、冷媒
流路切替弁27、28およびこれらを接続する冷媒配管
等から構成されている。
【0039】冷媒圧縮機20は、電動式の冷媒圧縮機で
あって、吸入口より内部に吸入したガス冷媒を圧縮して
高温、高圧のガス冷媒を吐出口より吐出する圧縮部と、
この圧縮部を駆動する駆動部としての電動モータ(図示
せず)とからなる。この冷媒圧縮機20は、ECU10
0の出力信号に基づいて冷媒圧縮機20の回転速度を制
御する回転速度制御手段としてのエアコン用インバータ
30を備えている。
【0040】そして、電動モータは、エアコン用インバ
ータ30によって車載電源6から印加される電力が連続
的あるいは段階的に可変制御される。したがって、冷媒
圧縮機20は、印加電力の変化による電動モータの回転
速度の変化によって、冷媒吐出容量を変化させて冷凍サ
イクル4内を循環する冷媒の流量を調節することにより
冷媒水熱交換器21の加熱能力や冷媒蒸発器25の冷房
能力を制御する。
【0041】図2ないし図5は冷媒水熱交換器の一例を
示した図である。冷媒水熱交換器21は、冷媒圧縮機2
0の吐出口より吐出された高温、高圧のガス冷媒と温水
サイクル5内を循環する温水とを熱交換させて温水を加
熱する熱交換器である。この冷媒水熱交換器21は、ア
ルミニウム合金等の金属製で、2重ループ状の円管部3
1、および2つの直管部32、33よりなり、内側に温
水通路34、外側に複数の冷媒通路35が形成されてい
る。直管部32には、温水入口管36と冷媒出口管37
が取り付けられている。また、直管部33には、温水出
口管38と冷媒入口管39が取り付けられている。
【0042】第1減圧手段22は、キャピラリチュー
ブ、オリフィス、膨張弁等よりなり、ヒートポンプ温水
暖房モード時に内部を冷媒が流れる。この第1減圧手段
22は、内部を流れる冷媒を減圧して気液二相状態の冷
媒にする。
【0043】室外熱交換器23は、車室外、例えば電気
自動車の走行風を受け易い場所に設置されている。この
室外熱交換器23は、ヒートポンプ温水暖房モード時に
第1減圧手段22で減圧された低温、低圧の気液二相状
態の冷媒と電動ファン40により吹き付けられる外気と
を熱交換させて冷媒を蒸発させる蒸発器として働く。ま
た、室外熱交換器23は、冷房モード時に冷媒水熱交換
器21より流入した高圧の冷媒と電動ファン40により
吹き付けられる外気とを熱交換させて冷媒を凝縮させる
凝縮器として働く。
【0044】第2減圧手段24は、キャピラリチュー
ブ、オリフィス、膨張弁等よりなり、冷房モード時に内
部を冷媒が流れる。この第2減圧手段24は、内部を流
れる冷媒を減圧して気液二相状態の冷媒にする。
【0045】冷媒蒸発器25は、ダクト2の中間部を構
成するクーリングユニットケース内に設置されている。
この冷媒蒸発器25は、冷房モード時に第2減圧手段2
4で減圧された低温、低圧の気液二相状態の冷媒とブロ
ワ3の作用により通過する空気とを熱交換させて空気を
冷却すると共に冷媒を蒸発させる。
【0046】アキュームレータ26は、内部に流入した
冷媒を液冷媒とガス冷媒とに分離してガス冷媒のみ冷媒
圧縮機20に供給する気液分離器として働く。なお、気
液分離器として、レシーバを使用しても良い。このレシ
ーバの設置場所は、冷媒水熱交換器21と第1減圧手段
22との間に接続し、室外熱交換器23と第2減圧手段
24との間に接続するようにすると良い。
【0047】冷媒流路切替弁27、28は、冷凍サイク
ル4内の冷媒の流れ方向を切り替える電磁式の冷媒流路
切替手段であって、第1、第2減圧手段22、24より
冷媒を迂回させるバイパス管路41、42にそれぞれ設
けられている。冷媒流路切替弁27、28は、通電され
ると開弁し、通電が停止されると閉弁する。
【0048】温水サイクル5は、前述の冷媒水熱交換器
21、電気温水加熱器51、温水ヒータコア52、排熱
冷却器53、ラジエータ54、燃焼式ヒータ55、ウォ
ータポンプ56、温水流路切替弁57〜59およびこれ
らを接続する温水配管等から構成されている。この実施
例では、温水として不凍液(例えばエチレングリコール
水溶液)を利用している。
【0049】電気温水加熱器51は、ヒータコントロー
ラ60により通電制御される電気ヒータ61を内部に設
置した温水槽62よりなり、電気ヒータ61の発熱によ
り温水を加熱する。
【0050】温水ヒータコア52は、本発明の温水式加
熱器であって、ダクト2内において冷媒蒸発器25より
風下側に設置され、すなわち、ダクト2の吹出口切替箱
を構成するヒータユニットケース内に設置されている。
この温水ヒータコア52は、高温に加熱された温水とダ
クト2内を流れる空気とを熱交換させて空気を加熱す
る。
【0051】この温水ヒータコア52の空気の入口部お
よび出口部には、温水ヒータコア52を通過する空気量
と温水ヒータコア52を迂回する空気量とを調節して車
室内へ吹き出す吹出空気の温度を調整するためのエアミ
ックスダンパ63、64が回動自在に取り付けられてい
る。それらのエアミックスダンパ63、64は、ステッ
ピングモータやサーボモータ等のアクチュエータ(図示
せず)によりそれぞれ駆動される。
【0052】排熱冷却器53は、電気自動車の走行用モ
ータMの外周部に温水が流れ込むウォータジャケット
(図示せず)や、走行用モータMの回転速度を制御する
走行用インバータIに組み込まれるトランジスタ等の発
熱体を固定する熱伝導性に優れる板材の外周に温水が流
れ込む温水室(図示せず)を備えている。この排熱冷却
器53は、電気自動車の走行時に走行用モータMや走行
用インバータIの作動に伴って発生する排熱を回収して
温水を加熱すると共に、発熱体の過熱を防止する。な
お、排熱冷却器53内の温水の水温を検出するための水
温センサを設けて、排熱を回収した温水の水温が設定温
度以上に上昇した際にラジエータ54で温水を冷却する
ようにしても良い。
【0053】ラジエータ54は、車室外、例えば電気自
動車の走行風を受け易い場所に設置され、温水サイクル
5の温水放熱路65に接続されている。このラジエータ
54は、高温の温水と冷却ファン66により送られてい
る冷却風や走行風とを熱交換させて温水を所定温度(例
えば70℃〜85℃)以下となるように冷却する。な
お、温水サイクル5には、低温の温水がラジエータ54
にて冷却されないようにラジエータ54より温水を迂回
させるためのバイパス流路67が温水放熱路65と並列
に接続されている。
【0054】図6は燃焼式ヒータの一例を示した図であ
る。燃焼式ヒータ55は、電気自動車の車室外に搭載さ
れ、箱体状のヒータケース68、このヒータケース68
内に設けられた燃焼筒69、この燃焼筒69内へ燃料を
送る燃料パイプ70、始動時に燃料に着火するグロープ
ラグ71、燃焼空気を送風する燃焼ファン72を回転駆
動する電動モータ73等から構成されている。この燃焼
式ヒータ55は、ガソリン、灯油、軽油等の燃料を燃焼
筒69中で燃焼させ、その熱量を温水に与えるものであ
る。
【0055】ヒータケース68の下方には、燃焼空気を
吸入する吸入管74、および燃焼排気を排出する排気管
75が形成されている。また、ヒータケース68と燃焼
筒69との間には、温水が通過する温水通路76が形成
されている。さらに、ヒータケース68は、燃焼式ヒー
タ流路77から温水通路76へ温水が流入する流入ポー
ト78、および温水通路76から温水を流出する流出ポ
ート79を有している。燃料パイプ70には、図1に示
したように、燃料タンク80内の燃料を燃料ポンプ81
の作用により圧送することにより燃料が供給される。
【0056】なお、燃焼式ヒータ55は、燃料ポンプ8
1から圧送される燃料量が多いときに燃焼量が大きくな
り温水に与える熱量も大きくなり(HIGH運転)、燃
料量が少ないときに燃焼量が小さくなり温水に与える熱
量も小さくなる(LOW運転)。
【0057】図7および図8はウォータポンプの一例を
示した図である。ウォータポンプ56は、モータハウジ
ング83、このモータハウジング83内に回転自在に支
持された回転軸84、この回転軸84の先端部に取り付
けられたインペラ(羽根車)85、回転軸84を駆動す
る電動モータ86等より構成されている。モータハウジ
ング83には、温水を吸い込む吸込部87、および温水
を吐出する吐出部88が一体形成されている。また、モ
ータハウジング83の内部には、インペラ85の回転に
より温水に循環流を発生させるポンプ部89が形成され
ている。
【0058】電動モータ86は、モータケース90の内
周面に固定された界磁極としてのマグネット91、およ
びブラシ92が摺接するコンミテータ93を有するアー
マチュア94等から構成されている。なお、モータハウ
ジング83とモータケース90とは、3つのねじ95に
より締結することにより連結している。また、モータハ
ウジング83と回転軸84との間には、温水の漏れを防
止するシール材96が装着されている。
【0059】温水流路切替弁57〜59は、温水サイク
ル5内の温水の流れ方向を切り替える電磁式の温水流路
切替手段であって、温水放熱路65、バイパス流路6
7、燃焼式ヒータ流路77にそれぞれ設けられている。
温水流路切替弁57〜59は、通電されると開弁し、通
電が停止されると閉弁する。
【0060】図9は電気自動車用空気調和装置のECU
を示した図である。ECU100は、中央演算処理装置
(以下CPUと言う)101、ROM102、RAM1
03、A/D変換器104、インターフェイス105、
106等を持ち、それ自体は周知のものである。また、
ECU100は、走行用インバータIにも接続するジャ
ンクションボックスJを介して車載電源6より電力が供
給されて作動する。
【0061】ECU100は、内気温センサ111、外
気温センサ112、日射センサ113、冷媒圧力センサ
114、エバ後温度センサ115、水温センサ116、
117、吹出温センサ118および操作パネル200よ
り入力される入力信号と予めインプットされた制御プロ
グラムに基づいて、各空調機器を制御する。
【0062】すなわち、ECU100は、各センサの検
出値(検出信号)および操作パネル200の操作値(操
作信号)などの入力信号と予めインプットされた制御プ
ログラムに基づいて、内外気切替ダンパ9、モード切替
ダンパ15〜18、ブロワ3のブロワモータ19、冷媒
圧縮機20のエアコン用インバータ30、冷媒流路切替
弁27、28、電動ファン40、燃焼式ヒータ55、ウ
ォータポンプ56、温水流路切替弁57〜59、エアミ
ックスダンパ63、64、冷却ファン66および燃料ポ
ンプ81の運転状態を制御する。
【0063】内気温センサ111は、例えばサーミスタ
等の感温素子よりなり、車室内の温度(内気温)を検出
し、この検出値を内気温信号としてECU100へ出力
する内気温検出手段である。外気温センサ112は、例
えばサーミスタ等の感温素子よりなり、車室外の温度
(外気温)を検出し、この検出値を外気温信号としてE
CU100へ出力する外気温検出手段である。
【0064】日射センサ113は、車室内への日射量を
検出し、この検出値を日射量信号としてECU100へ
出力する日射量検出手段である。冷媒圧力センサ114
は、冷媒圧縮機20の吐出圧力である冷凍サイクル4の
高圧圧力(凝縮圧力)を検出し、この検出値を冷媒圧力
信号(高圧信号)としてECU100へ出力する冷媒圧
力検出手段、高圧圧力検出手段である。
【0065】エバ後温度センサ115は、例えばサーミ
スタ等の感温素子よりなり、冷媒蒸発器25の空気出口
温度を検出し、この検出値をエバ後温度信号としてEC
U100へ出力するエバ後温度検出手段、温水ヒータコ
ア(温水式加熱器)52の吸込温度検出手段である。水
温センサ116は、例えばサーミスタ等の感温素子より
なり、燃焼式ヒータ55の下流側の燃焼式ヒータ流路7
7に設置され、燃焼式ヒータ55の出口水温(温水温
度)を検出し、この検出値を温水温度信号としてECU
100へ出力する温水温度検出手段、燃焼式ヒータ出口
水温検出手段である。
【0066】水温センサ117は、例えばサーミスタ等
の感温素子よりなり、温水ヒータコア52の出口に設置
され、温水ヒータコア52の出口水温(温水温度)を検
出し、この検出値を温水温度信号としてECU100へ
出力する温水温度検出手段、加熱器出口水温検出手段で
ある。吹出温センサ118は、例えばサーミスタ等の感
温素子よりなり、ダクト2のフット吹出口14より車室
内へ吹き出す空気の吹出温度を検出し、この検出値を吹
出温度信号としてECU100へ出力する吹出温度検出
手段である。
【0067】ここで、ECU100による燃焼式ヒータ
55の制御の一例を説明する。ECU100は、燃焼式
ヒータ流路77に設置された水温センサ116が上限設
定温度(例えば80℃)以上に上昇すると、燃料ポンプ
81の駆動周波数を小さくして燃料の供給量を減少させ
ることにより燃焼式ヒータ55をLOW運転とする。
【0068】また、ECU100は、LOW運転のまま
温水の水温が上限設定温度より高い過熱温度(例えば8
5℃)以上に上昇すると、図示しない運転灯等の報知手
段を点滅させ、燃料ポンプ81の駆動を停止し、ファン
72のみ駆動して掃気(ポストパージ)を開始する。こ
のとき、ウォータポンプ56を運転して温水通路76に
温水を循環させる。そして、所定時間(例えば120秒
間)経過後に掃気を終了して燃焼式ヒータ55の全ての
機器を自動停止する。また、水温センサ116が上限設
定温度より低い下限設定温度(例えば70℃)以下に低
下すると、再び燃焼式ヒータ55の運転を再開する。
【0069】図10は操作パネルの一例を示した図であ
る。操作パネル200には、吹出方向を切り替える吹出
口モード切替スイッチ群201、電気自動車の車室内へ
吹き出す空気の吹出温度を調整する温度調整レバー20
2、内外気を切り替える内外気切替スイッチ203、吹
出風量を手動により切り替えるブロワスイッチ204、
吹出風量を自動的に切り替えるブロワオートスイッチ2
05および空調モードを切り替える空調モード切替スイ
ッチ群206が配置されている。
【0070】吹出口モード切替スイッチ群201は、モ
ード切替ダンパ15〜18を開閉制御することによっ
て、乗員の頭胸部に送風するためのフェイスモード、乗
員の頭胸部と足元の双方に送風するためのバイレベルモ
ード、乗員の足元に送風するためのフットモード、乗員
の足元と窓ガラスの双方に送風するためのフットデフモ
ード、窓ガラスに送風するためのデフモードに各々切り
替えるものであり、複数のスイッチ211〜215から
構成されている。
【0071】温度調整レバー202は、設定位置に応じ
て各空調モードにおける冷媒圧縮機20の回転速度の設
定、またはエアミックスダンパ63、64の開度設定を
行う吹出温度設定手段、温度設定手段である。温度調整
レバー202は、ストローク量に応じた複数の設定ゾー
ンに分割され、選択された空調モードと設定ゾーンに応
じて冷媒圧縮機20を駆動するエアコン用インバータ3
0の周波数を設定し回転速度制御が行われる。
【0072】内外気切替スイッチ203は、内外気切替
ダンパ9を開閉制御することによって内気導入口7から
内気を導入する内気循環モード、外気導入口8から外気
を導入する外気導入モードに切り替えるものである。空
調モード切替スイッチ群206は、電気自動車用空気調
和装置(マニュアルエアコンの場合)1の運転停止、冷
房モード、ヒートポンプ温水暖房モード、燃焼ヒータ温
水暖房モードおよび除湿モードに切り替えるものであ
り、停止スイッチ261、冷房スイッチ262、ヒート
ポンプ温水暖房スイッチ263、燃焼ヒータ温水暖房ス
イッチ264、除湿スイッチ265から構成されてい
る。
【0073】図11は操作パネルの他の例を示した図で
ある。この操作パネル200は、オートエアコンの操作
パネルであって、温度調整レバー207や各センサから
の入力信号に基づいて冷房モード、ヒートポンプ温水暖
房モード、燃焼ヒータ温水暖房モードおよび除湿モード
を自動的に切り替える。208は電気自動車用空気調和
装置(オートエアコンの場合)1の運転停止スイッチで
ある。
【0074】〔第1実施例の作用〕次に、この実施例の
電気自動車用空気調和装置1の作用を図1ないし図12
に基づいて簡単に説明する。
【0075】(冷房モード)冷房モード時には冷媒流路
切替弁27が開弁され、冷媒流路切替弁28が閉弁され
る。したがって、冷媒圧縮機20より吐出された高温、
高圧のガス冷媒は、冷媒水熱交換器21および室外熱交
換器23を通過する際に凝縮液化される。液冷媒は、第
2減圧手段24を通過する際に減圧され低温の霧状の冷
媒(気液二相状態の冷媒)となる。
【0076】低温の霧状の冷媒は、ダクト2内の冷媒蒸
発器25内に流入してブロワ3の作用により吹き付けら
れる空気と熱交換して蒸発気化した後にアキュームレー
タ26内に流入する。そして、アキュームレータ26に
て冷媒が気液分離されガス冷媒のみ冷媒圧縮機20に吸
入される。一方、冷媒蒸発器25にて冷媒の蒸発熱によ
り冷却された空気は、主にセンタフェイス吹出口12よ
り車室内へ吹き出されることにより車室内が冷房され
る。
【0077】このとき、電気自動車の走行用モータMや
走行用インバータI等の車載電気機器を冷却する必要が
ある場合は当然のこと、その必要がない時でも、温水流
路切替弁57を開弁し、温水流路切替弁58、59を閉
弁し、排熱冷却器53で車載電気機器の排熱を回収した
温水をウォータポンプ56によりラジエータ54へ循環
させることにより温水を空気により冷却する。これによ
り、冷媒水熱交換器21に入る温水はラジエータ54に
よって冷やされ、低温の温水となっており、冷媒水熱交
換器21も冷媒凝縮器として働くので冷房性能が向上す
る。なお、電気自動車が停止状態あるいは低速走行によ
りラジエータ54にて充分に温水を冷却する走行風が得
られない場合は、冷却ファン66を作動させ強制冷却す
るようにする。また、電気ヒータ61はヒータコントロ
ーラ60によりオフしておく。
【0078】そして、車室内へ吹き出す吹出空気の温度
調節は、温度調節レバー202の設定位置に応じたエア
ミックスダンパ63、64の開度調節により行うことが
できる。しかし、電気自動車の重要課題である省電力消
費の観点から、エアミックスダンパ63、64を全閉し
て全空気を温水ヒータコア52よりバイパスさせて、エ
アコン用インバータ30による冷媒圧縮機20の回転速
度制御を行うようにして、車室内へ吹き出す吹出空気の
温度を調節した方が良い。
【0079】(ヒートポンプ温水暖房モード)ヒートポ
ンプ温水暖房モード時には冷媒流路切替弁27が閉弁
し、冷媒流路切替弁28が開弁する。したがって、冷媒
圧縮機20より吐出された高温、高圧のガス冷媒は、冷
媒水熱交換器21を通過する際に温水と熱交換して凝縮
液化される。液冷媒は、第1減圧手段22を通過する際
に減圧され低温の霧状の冷媒(気液二相状態の冷媒)と
なる。
【0080】低温の霧状の冷媒は、室外熱交換器23内
に流入して電動ファン40により吹き付けられる外気と
熱交換して蒸発気化した後に開弁状態の冷媒流路切替弁
28を通ってアキュームレータ26内に流入する。そし
て、アキュームレータ26にて冷媒が気液分離されガス
冷媒のみ冷媒圧縮機20に吸入される。
【0081】一方、温水サイクル5では、温水流路切替
弁57、59が閉弁され、温水流路切替弁58が開弁さ
れる。したがって、ウォータポンプ56を運転すること
によりバイパス流路67を通って冷媒水熱交換器21内
に流入した温水は、冷媒の凝縮熱により加熱される。こ
の加熱された温水は、ダクト2内の温水ヒータコア52
内に流入してブロワ3の作用により吹き付けられる空気
と熱交換して空気が温風となる。この温風は、主にフッ
ト吹出口14より車室内へ吹き出されることにより車室
内が暖房される。
【0082】ここで、温水の水温変化と外気の温度変化
状況を図12に示した。これは、外気の送風量が200
3 /h、外気温(=温水ヒータコア52の入口空気温
度)が4.4℃、冷媒水熱交換器21の凝縮温度Tcが
47.8℃、温水サイクル5内に温水の循環量が15リ
ットル/分、車室内の熱負荷が2.3kWの時の各部温
度状況である。
【0083】水温が40.3℃の温水は、冷媒水熱交換
器21に流入して、47.8℃の高温の冷媒と熱交換し
て加熱されることにより、水温が2.2℃上昇して冷媒
水熱交換器21の出口で42.5℃の水温となる。そし
て、この42.5℃の水温の温水は、温水ヒータコア5
2に流入して、4.4℃の温度の外気と熱交換して冷却
されることにより、水温が−2.2℃下降して温水ヒー
タコア52の出口で40.3℃の水温となる。
【0084】一方、温水ヒータコア52で温水と熱交換
して温水の保有熱を奪った空気は、温度が34.3℃上
昇して38.7℃となる。これにより、フット吹出口1
4より車室内へ吹き出される吹出空気の温度は38.7
℃となり充分な車室内の暖房を行うことができる。
【0085】そして、温水ヒータコア52にて放熱した
温水は、再びウォータポンプ56に戻る。このとき、温
水サイクル5の途中に接続されている排熱冷却器53に
て走行用モータMや走行用インバータIからの排熱もヒ
ートポンプ温水暖房用の補助熱源として有効活用するこ
ともできる。
【0086】また、冷媒水熱交換器21の冷媒の凝縮熱
のみでは充分な熱量が得られない場合は、ヒータコント
ローラ60を操作して電気ヒータ61を通電することに
より電気温水加熱器51にて温水を補助加熱するように
しても良い。なお、温水流路切替弁57を閉弁している
のでラジエータ54による放熱ロスを防止できる。
【0087】そして、車室内へ吹き出す吹出空気の温度
調節は、冷房モードと同様にして、温度調整レバー20
2の設定位置に応じたエアミックスダンパ63、64の
開度調節により行うことができるが、エアミックスダン
パ63、64を全開にして全空気を温水ヒータコア52
を通過させてエアコン用インバータ30による冷媒圧縮
機20の回転速度制御を行うようにして、車室内へ吹き
出す吹出空気の温度を調節した方が良い。
【0088】(燃焼ヒータ温水暖房モード)仕向地によ
り外気温が非常に低く(例えば−10℃〜−30℃以下
の寒冷地)冷媒水熱交換器21および電気温水加熱器5
1では充分な熱量が得られない場合がある。このような
場合には、冷媒圧縮機20を駆動せず、温水流路切替弁
57、58を閉弁し、温水流路切替弁59を開弁して、
燃焼式ヒータ55により暖房に必要な熱量を温水に与え
るようにする。
【0089】ここで、燃焼式ヒータ55の作動を図1お
よび図6に基づいて簡単に説明する。燃料ポンプ81の
作用で送られてきた燃料は、燃焼筒69へ入る前に霧化
され、始動時にはグロープラグ71で燃料を着火し、運
転時には燃焼ファン72の作用により送られてきた燃焼
空気と混合して燃焼する。燃焼排気は温水通路76内を
流れる温水とより完全に熱交換するように燃焼筒69内
を経て排気管75より排出される。この燃焼排気はほぼ
完全燃焼するのでかなりクリーンなガスである。
【0090】一方、温水は、流入ポート78より温水通
路76内に入り燃焼筒69の周りを巡って加熱された後
に流出ポート79より流出して温水ヒータコア52へ供
給される。これにより、外気温が非常に低く、ヒートポ
ンプ温水暖房が行えない地域においても、かなり高温の
温水が温水ヒータコア52に循環することになるので、
充分な熱量で車室内を暖房することができる。
【0091】(除湿モード)除湿モード時には、冷房モ
ードと同様にして冷媒流路切替弁27が開弁され、冷媒
流路切替弁28が閉弁される。これにより、ブロワ3の
作用により冷媒蒸発器25に吹き付けられた空気は冷却
される。そして、空気中の水分が凝縮され冷媒蒸発器2
5のフィン等に付着することにより空気が除湿される。
【0092】なお、除湿された空気を再加熱したい場合
は、エアミックスダンパ63、64を作動させてその空
気の一部または全部を温水ヒータコア52に導き、温水
と熱交換させれば良い。このとき、温水の加熱方法は、
そのときの外気温条件により熱源である冷媒水熱交換器
21、燃焼式ヒータ55、電気ヒータ61等を使い分け
れば良い。
【0093】〔第1実施例の効果〕以上のように、電気
自動車用空気調和装置1は、冷媒水熱交換器21にて冷
媒の凝縮熱により加熱された温水を温水ヒータコア52
内に流入させてダクト2内を流れる空気を加熱するよう
にしているので、室内熱交換器を凝縮器として働かせて
車室内の暖房を行うようにした従来のヒートポンプ暖房
では暖房能力が不足していた地域(例えば外気温が0℃
以下に低下する地域)においても、充分な暖房能力を得
ることができる。また、温水ヒータコア52や吹出口切
替機構を備えた既成のヒータユニットを利用できるた
め、エアコンユニット(室内ユニット10)を新設する
必要がなくなるので、コストを低減することができる。
【0094】また、燃焼式ヒータ55の燃焼熱により加
熱された温水を温水ヒータコア52内に流入させてダク
ト2内を流れる空気を加熱するようにしているので、室
内熱交換器を凝縮器として働かせて車室内の暖房を行う
ようにした従来のヒートポンプ暖房では暖房能力が不足
していた寒冷地(例えば外気温が−10℃以下に低下す
る地域)においても、充分な暖房能力を得ることができ
る。また、温水サイクル5を備えた電気自動車用空気調
和装置1に燃焼式ヒータ55を組み合わせるだけで、燃
焼式ヒータ55の追加組付を行うことができるので、コ
ストを低減することができる。
【0095】さらに、排熱冷却器53にて走行用モータ
Mや走行用インバータI等の車載電気機器の排熱を温水
に与えて、この排熱により加熱された温水を温水ヒータ
コア52内に流入させてダクト2内を流れる空気を加熱
するようにしているため、車載電気機器の排熱を車室内
の暖房に有効に活用することができるので、車載電源6
のエネルギーを有効に利用することができる。
【0096】〔第2実施例〕図13はこの発明の第2実
施例を示したもので、電気自動車用空気調和装置を示し
た図である。この実施例では、第1実施例の冷凍サイク
ル4から第1減圧手段22、冷媒流路切替弁27、28
およびバイパス管路41、42を廃止して冷凍サイクル
4を簡略化している。また、第1実施例の温水サイクル
5から電気温水加熱器51、排熱冷却器53、ラジエー
タ54、燃焼式ヒータ55、温水流路切替弁57〜5
9、温水放熱路65および燃焼式ヒータ流路77を廃止
して温水サイクル5を簡略化している。なお、98は温
水サイクル5に取り付けられたリザーブタンクである。
【0097】なお、この実施例においても、冷媒圧縮機
20の回転速度制御、エアミックスダンパ63、64の
開度制御およびウォータポンプ56の運転状態などによ
って冷房モードおよびヒートポンプ除湿温水暖房モード
の切り替えや、冷房能力や暖房能力の能力制御を行うこ
とができる。そして、この実施例はヒートポンプ除湿温
水暖房により必要な熱量が得られる地域(例えば外気温
が0℃以上の地域)を走行する電気自動車に採用するこ
とが望ましい。
【0098】〔第3実施例〕図14はこの発明の第3実
施例を示したもので、電気自動車用空気調和装置を示し
た図である。この実施例では、第2実施例の冷凍サイク
ル4からさらに室外熱交換器23を廃止して冷凍サイク
ル4を簡略化している。逆に、第2実施例の温水サイク
ル5に排熱冷却器53およびラジエータ54を追加し
て、ヒートポンプ除湿温水暖房モード時に走行用モータ
Mや走行用インバータI等の車載電気機器の排熱を利用
している。
【0099】〔第4実施例〕図15はこの発明の第4実
施例を示したもので、電気自動車用空気調和装置を示し
た図である。この実施例では、第1実施例の温水サイク
ル5から電気温水加熱器51、排熱冷却器53、ラジエ
ータ54、燃焼式ヒータ55、温水流路切替弁57、5
9、温水放熱路65および燃焼式ヒータ流路77を廃止
して温水サイクル5を簡略化している。
【0100】なお、この実施例においても、冷媒圧縮機
20の回転速度制御、エアミックスダンパ63、64の
開度制御およびウォータポンプ56の運転状態などによ
って冷房モード、除湿モードおよびヒートポンプ温水暖
房モードの切り替えや、且つ冷房能力や暖房能力の能力
制御を行うことができる。
【0101】〔第5実施例〕図16はこの発明の第5実
施例を示したもので、電気自動車用空気調和装置を示し
た図である。この実施例は、第2実施例の温水サイクル
5に燃焼式ヒータ55を追加して、冷房モード、ヒート
ポンプ除湿温水暖房モードおよび燃焼ヒータ温水暖房モ
ードを切り替えることができる。なお、この実施例は燃
焼ヒータ温水暖房モードを選択することにより充分な熱
量を確保できるので、寒冷地(例えば外気温が−10℃
以下の地域)を走行する電気自動車、所謂寒冷地仕様の
電気自動車用空気調和装置1として採用することが可能
となる。
【0102】ここで、温水サイクル5に燃焼式ヒータ5
5を追加する一方法として、バイパス流路67と燃焼式
ヒータ流路77との分岐点、合流点にT字型接続管やY
字型接続管を予め接続しておき、燃焼式ヒータ55や燃
焼式ヒータ流路77等からなる燃焼式ヒータユニットを
簡単な組付作業により追加組付できる。したがって、こ
の実施例では、冷媒水熱交換器21と温水ヒータコア5
2を備えた温水サイクル5を搭載しているので、燃焼式
ヒータ55を非常に簡単な組付作業で冷凍サイクル4お
よび温水サイクル5等の電気自動車用空気調和装置1に
組み合わせることができる。なお、燃焼式ヒータユニッ
トを取り付けない場合にはT字型接続管やY字型接続管
の燃焼式ヒータ55側の連通口をキャップ等により塞い
でおけば良い。
【0103】〔第6実施例〕図17はこの発明の第6実
施例を示したもので、電気自動車用空気調和装置を示し
た図である。この実施例は、第3実施例の温水サイクル
5に燃焼式ヒータ55を追加して、冷房モード、ヒート
ポンプ除湿温水暖房モードおよび燃焼ヒータ温水暖房モ
ードに切り替えることができる。この実施例において
も、燃焼ヒータ温水暖房モードを選択することにより充
分な熱量を確保できる。
【0104】〔第7実施例〕図18はこの発明の第7実
施例を示したもので、電気自動車用空気調和装置を示し
た図である。この実施例では、温水サイクル5の冷媒水
熱交換器21の温水通路34の出口と温水ヒータコア5
2の入口との間に水冷式の内燃機関(エンジン)301
を直列に接続している。その内燃機関301は、発電機
302を回転駆動する駆動手段で、内部を冷却水が循環
する水冷却部303を有している。
【0105】また、発電機302は、発電した電力によ
って車載電源6の充電を行うと共に、電動式の冷媒圧縮
機20のエアコン用インバータ30等の車載電気機器に
電力の供給を行う。なお、内燃機関301と発電機30
2とは、プーリ304、305およびベルト306によ
り駆動連結されている。
【0106】この実施例では、発電機302を回転駆動
する水冷式の内燃機関301を備えているので、内燃機
関の運転に伴って発生する温水排熱をヒートポンプ温水
暖房モードによる暖房運転に有効に利用することができ
る。例えば、冷媒水熱交換器21内で高温、高圧のガス
冷媒と熱交換して加熱された温水の温度が60℃の時
に、その温水が内燃機関301の水冷却部303を通過
する際に内燃機関301の排熱を回収して加熱され、温
度が80℃程度の温水となり、この温水が温水ヒータコ
ア52に供給されることにより、ダクト2内を流れる空
気の加熱能力が飛躍的に向上する。
【0107】このように、内燃機関301の温水排熱を
利用することができるので、電気自動車用空気調和装置
1の暖房能力が向上するため、燃焼式ヒータ55を利用
しないヒートポンプ温水暖房モード時の暖房能力が向上
する。なお、燃焼式ヒータ55を利用しなくても、外気
温が非常に低い(例えば−5℃〜−20℃)の寒冷地の
ヒートポンプ温水暖房運転に対応することができる。
【0108】〔第8実施例〕図19はこの発明の第8実
施例を示したもので、電気自動車用空気調和装置を示し
た図である。この実施例の内燃機関301は、プーリ3
11、312およびベルト313を介して冷凍サイクル
4の冷媒圧縮機314を回転駆動している。なお、冷媒
圧縮機314は、周知のガソリンエンジン搭載車用の冷
媒圧縮機で電動モータを持たない安価なものである。
【0109】この実施例では、冷媒圧縮機314として
内燃機関301により駆動されるものを用いているた
め、この電気自動車用空気調和装置1を電気自動車だけ
でなく、通常の内燃機関搭載車にも使用することができ
る。
【0110】〔第9実施例〕図20はこの発明の第9実
施例を示したもので、電気自動車用空気調和装置を示し
た図である。この実施例では、温水サイクル5の冷媒水
熱交換器21の温水通路34の出口と温水ヒータコア5
2の入口との間に排熱冷却器321を直列に接続してい
る。
【0111】排熱冷却器321は、電動式の冷媒圧縮機
20の回転速度を制御するエアコン用インバータ30に
組み込まれるトランジスタ等の発熱体を固定する熱伝導
性に優れる板材の外周に温水が流れ込む温水室(図示せ
ず)を備えている。この排熱冷却器321は、エアコン
用インバータ30の作動に伴って発生する排熱を回収し
て温水を加熱すると共に、発熱体の過熱を防止する。な
お、排熱冷却器53と同様に、排熱冷却器321内の温
水の水温を検出するための水温センサを設けて、排熱を
回収した温水の水温が設定温度以上に上昇した際にラジ
エータ54で温水を冷却するようにしても良い。
【0112】この実施例では、温水サイクル5の冷媒水
熱交換器21と温水ヒータコア52との間に排熱冷却器
321を直列接続しているので、エアコン用インバータ
30に伴って発生する排熱をヒートポンプ温水暖房モー
ドによる暖房運転に有効に利用することができる。ま
た、エアコン用インバータ30を水冷としたので、エア
コン用インバータ30の冷却手段として空冷フィンを用
いたものと比較して、コンパクト化を図ることができ
る。
【0113】〔第10実施例〕図21ないし図24はこ
の発明の第10実施例を示したもので、電気自動車用空
気調和装置を示した図で、図22ないし図24は電気自
動車用空気調和装置の冷凍機器収納箱に収納された冷凍
機器を示した図である。この実施例は、電気自動車への
搭載性を考慮して電気自動車用空気調和装置1の冷凍機
器を冷凍機器収納箱331内に収納するようにしたもの
である。
【0114】この実施例の冷凍機器収納箱331は、冷
媒圧縮機20、冷媒水熱交換器21、第1、第2減圧手
段(キャピラリチューブ)22、24、アキュームレー
タ26、冷媒流路切替弁27、28等を一体的に収納し
ている。冷媒圧縮機20の吸入口は、アキュームレータ
26の出口に円管状の冷媒配管332により冷凍機器収
納箱331内で接続されている。また、冷媒圧縮機20
の吐出口は、冷媒水熱交換器21の直管部33に連結し
た冷媒入口管39の入口に円管状の冷媒配管333によ
り冷凍機器収納箱331内で接続されている。
【0115】冷媒水熱交換器21は、第1実施例でも説
明したように、2重ループ状の円管部31および2つの
直管部32、33よりなり、内側に温水通路34、外側
に複数の冷媒通路35が形成されている。そして、冷媒
水熱交換器21の直管部32に連結された冷媒出口管3
7の出口は、第1減圧手段22の入口および冷媒流路切
替弁27の入口(バイパス管路41の入口)に円管状の
冷媒配管334により冷凍機器収納箱331内で接続さ
れている。
【0116】さらに、冷媒水熱交換器21の直管部32
に連結した温水入口管36は、外部より冷凍機器収納箱
331の内部へ取り入れられており、温水サイクル5の
バイパス流路67(温水放熱路65が設けられている場
合は温水放熱路65)の出口に接続されている。また、
冷媒水熱交換器21の直管部33に連結した温水出口管
38の出口は、冷凍機器収納箱331より外部へ取り出
されて温水ヒータコア52の入口に接続されている。
【0117】第1減圧手段22の出口および冷媒流路切
替弁27の出口に連結された円管状の冷媒配管335の
出口は、冷凍機器収納箱331より外部へ取り出されて
室外熱交換器23の入口に接続されている。第2減圧手
段24の入口および冷媒流路切替弁28の入口に連結し
た円管状の冷媒配管336は、外部より冷凍機器収納箱
331の内部へ取り入れられている。この冷媒配管33
6の入口は室外熱交換器23の出口に接続され、冷媒配
管336の出口は冷凍機器収納箱331内でアキューム
レータ26の入口に接続されている。なお、第2減圧手
段24の出口は、円管状の冷媒配管337に接続され
て、冷凍機器収納箱331より外部へ取り出されて冷媒
蒸発器25の入口に接続されている。
【0118】なお、この実施例において、冷凍機器収納
箱331内にエアコン用インバータ30を収納しても良
く、また冷凍機器収納箱331内に冷媒圧縮機20およ
び冷媒水熱交換器21のみを収納しても良く。これらの
冷凍機器収納箱331内に一体的に収納する冷凍機器の
組み合わせは、冷媒圧縮機20とこの周辺機器、または
冷媒水熱交換器21とこの周辺機器というように任意で
ある。
【0119】以上のように、この実施例の電気自動車用
空気調和装置1は、冷凍サイクル4を構成する冷凍機器
のうち室外熱交換器23と冷媒蒸発器25の他の冷凍機
器を冷凍機器収納箱331内に一体的に収納しているの
で、電気自動車への搭載性を飛躍的に改善すると共に、
電気自動車のエンジンルーム等に冷凍機器収納箱331
を設置するだけで冷媒圧縮機20、冷媒水熱交換器2
1、第1、第2減圧手段22、24、アキュームレータ
26および冷媒流路切替弁27、28等の設置が終了す
ると共に、冷媒配管332〜335の取回しが不要とな
るので、電気自動車への組付作業性に優れ、製品コスト
の低減を図ることができる。
【0120】〔第11実施例〕図25はこの発明の第1
1実施例を示したもので、電気自動車用空気調和装置を
示した図である。この実施例の温水サイクル5は、冷媒
水熱交換器21の温水通路34の出口に暖房用温水流路
341および温水放熱路342を接続している。
【0121】暖房用温水流路341は、温水ヒータコア
52を通ってウォータポンプ56の入口に温水を戻す流
路で、分岐側に温水流路切替弁343が取り付けられて
いる。また、温水放熱路65は、ラジエータ54を通っ
てウォータポンプ56の入口に温水を戻す流路で、分岐
側に温水流路切替弁344が取り付けられている。な
お、温水流路切替弁343、344は、温水サイクル5
内の温水の流れ方向を切り替える電磁式の温水流路切替
手段であって、通電されると開弁し、通電が停止される
と閉弁する。そして、燃焼式ヒータ流路77、冷媒水熱
交流路345の分岐点とウォータポンプ56の出口との
間には、第1実施例で用いた排熱冷却器53が接続され
ている。
【0122】この実施例では、ヒートポンプ温水暖房モ
ード時に、温水流路切替弁343を閉じ、温水流路切替
弁344を開くことによって、排熱冷却器53を通過す
る際に車載電気機器の排熱を回収し、冷媒水熱交換器2
1を通過する際に冷媒により加熱された温水が温水ヒー
タコア52に供給され、電気自動車の車室内の暖房が行
われる。また、冷房モード時には、温水流路切替弁34
3を開き、温水流路切替弁344を閉じることによっ
て、温水ヒータコア52への温水の供給を停止し、ラジ
エータ54で温水を冷却することにより排熱冷却器53
での走行用モータMや走行用インバータI等の車載電気
機器が冷却される。なお、冷媒水熱交換器21に流入す
る温水は、ラジエータ54にて冷やされ、低温の温水と
なっており、冷媒水熱交換器21も冷媒凝縮器として働
くので冷房性能も向上する。
【0123】〔第12実施例の構成〕図26はこの発明
の第12実施例を示したもので、電気自動車用空気調和
装置を示した図である。この実施例の燃焼式ヒータ55
は、流入ポート78が冷媒水熱交換器21の温水通路3
4の出口より下流側で分岐する分岐流路401に接続さ
れている。また、燃焼式ヒータ55の流出ポート79
は、電気温水加熱器51の入口より上流側に合流する合
流流路402に接続されている。そして、温水サイクル
5には、冷媒水熱交換器21の温水通路34の出口より
流出した温水を、燃焼式ヒータ55から迂回させて電気
温水加熱器51、温水ヒータコア(温水式加熱器)52
へ供給するバイパス流路403が接続されている。
【0124】そして、分岐流路401には温水流路切替
弁59が設けられ、バイパス流路403には温水流路切
替弁58が設けられている。その温水流路切替弁58
は、バイパス流路403の開閉を行うことにより、燃焼
式ヒータ55からの温水の迂回および温水の供給を行う
電磁弁である。また、温水流路切替弁59は、分岐流路
401の開閉を行うことにより、燃焼式ヒータ55への
温水の供給および遮断を行う電磁弁である。
【0125】〔第12実施例の作用〕次に、この実施例
の電気自動車用空気調和装置1の作用を図26に基づい
て簡単に説明する。ここで、この実施例の暖房運転モー
ドは、ヒートポンプ単独運転モードと燃焼ヒータ、ヒー
トポンプ同時運転モードとからなる。
【0126】(ヒートポンプ単独運転モード)ヒートポ
ンプ単独運転モード時には、冷凍サイクル4では、冷媒
流路切替弁27が閉弁し、冷媒流路切替弁28が開弁す
る。したがって、冷媒圧縮機20の吐出口より吐出され
た冷媒は、冷媒水熱交換器21→第1減圧手段22→室
外熱交換器23→バイパス管路42→アキュームレータ
26を通って冷媒圧縮機20の吸入口に吸入される。
【0127】一方、温水サイクル5では、温水流路切替
弁57、59が閉弁され、温水流路切替弁58が開弁さ
れる。したがって、ウォータポンプ56を運転すること
によりバイパス流路67を通って冷媒水熱交換器21内
に流入した温水は、冷媒の凝縮熱により加熱される。こ
の加熱された温水は、ダクト2内の温水ヒータコア52
内に流入してブロワ3の作用により吹き付けられる空気
と熱交換して空気が温風となる。この温風は、主にフッ
ト吹出口14より車室内へ吹き出されることにより車室
内が暖房される。
【0128】(燃焼ヒータ、ヒートポンプ同時運転モー
ド)仕向地により外気温が非常に低い寒冷地(例えば−
10℃以下)で暖房の立ち上がりを向上させる必要があ
る時には、冷凍サイクル4によるヒートポンプ温水暖房
と燃焼式ヒータ55による燃焼ヒータ温水暖房とを同時
に行う必要がある。このようなときには、冷凍サイクル
4では、冷媒流路切替弁27が閉弁し、冷媒流路切替弁
28が開弁して、冷媒圧縮機20を運転することによ
り、冷媒圧縮機20の吐出口より吐出された冷媒が、冷
媒水熱交換器21→第1減圧手段22→室外熱交換器2
3→バイパス管路42→アキュームレータ26を通って
冷媒圧縮機20の吸入口に吸入される。
【0129】一方、温水サイクル5では、温水流路切替
弁57、58を閉弁し、温水流路切替弁59を開弁す
る。したがって、ウォータポンプ56を運転することに
よりバイパス流路67を通って冷媒水熱交換器21内に
流入した温水は、冷媒の凝縮熱により加熱される。この
加熱された温水は、分岐流路401を通って燃焼式ヒー
タ55内でさらに加熱され、合流流路402を通ってダ
クト2内の温水ヒータコア52内に流入してブロワ3の
作用により吹き付けられる空気と熱交換して空気が温風
となる。この温風は、主にフット吹出口14より車室内
へ吹き出されることにより車室内が即効暖房される。
【0130】ここで、冷凍サイクル4によるヒートポン
プ温水暖房と燃焼式ヒータ55による燃焼ヒータ温水暖
房とを同時に行う場合には、冷凍サイクル(ヒートポン
プ)4は高温の温水を得ようとすると、冷媒圧縮機20
の吐出圧力(=冷媒水熱交換器21の凝縮圧力)が上が
り、冷媒圧縮機20の仕事量が増大したり、液化したり
するため、自ずと上限がある。例えば、冷媒水熱交換器
21の温水通路34の出口付近で、60℃の温水を得る
ためには、フロン系冷媒のR134aのとき25kg/
cm2 G、フロン系冷媒のR22のとき38kg/cm
2 G程度に冷媒圧縮機20の吐出圧力を抑える必要があ
る。
【0131】また、冷凍サイクル4によるヒートポンプ
温水暖房では、暖房効率の点からも同一能力でより高温
の温水を得ようとするほど効率(COP)が悪化すると
いう不具合があるが、燃焼式ヒータ55にはそのような
不具合はない。但し、温水を沸騰させないように、温水
上限温度が100℃以下の温度(例えば80℃〜90
℃)に仕様範囲が限定されている。
【0132】以上のことからこの実施例のように、燃焼
ヒータ、ヒートポンプ同時運転モード時には、冷凍サイ
クル4を暖房運転することにより冷媒水熱交換器21で
例えば40℃〜50℃程度まで温水を昇温した後に、燃
焼式ヒータ55内で温水上限温度近くまでさらに昇温す
るようにすることが望ましい。なお、この実施例の温水
サイクル5から電気温水加熱器51、ラジエータ54、
温水流路切替弁57および温水放熱路65を廃止して温
水サイクル5を簡略化しても良い。また、この実施例
も、冷房モードや除湿モードを行うことができる。
【0133】〔第13実施例の構成〕図27はこの発明
の第13実施例を示したもので、電気自動車用空気調和
装置を示した図である。この実施例の冷凍サイクル4
は、第1減圧手段22を迂回するバイパス管路411、
第2減圧手段24および冷媒蒸発器25を迂回するバイ
パス管路412、室外熱交換器23とバイパス管路41
1、412とを直列接続した冷媒出入口流路413、お
よび室外熱交換器23と第1、第2減圧手段とを直列接
続する冷媒出入口流路414等を備えている。バイパス
管路411には、冷房モード時および除湿モード時に開
弁する冷媒流路切替弁(電磁弁)27が設けられ、バイ
パス管路412には、ヒートポンプ温水暖房モード時に
開弁する冷媒流路切替弁(電磁弁)28が設けられてい
る。
【0134】室外熱交換器23は、冷房モード時および
除湿モード時に、バイパス管路411、冷媒出入口流路
413を介して冷媒水熱交換器21より流入した冷媒と
電動ファン40により吹き付けられる室外空気とを熱交
換して冷媒を凝縮させる凝縮器として働く。また、室外
熱交換器23は、ヒートポンプ温水暖房モード時に、冷
媒出入口流路414を介して第1減圧手段22より流入
した冷媒と電動ファン40により吹き付けられる室外空
気とを熱交換して冷媒を蒸発させる蒸発器として働く。
【0135】〔第13実施例の作用〕次に、この実施例
の電気自動車用空気調和装置1の作用を図27に基づい
て簡単に説明する。
【0136】(冷房モード)冷房モード(冷房運転)時
には、冷凍サイクル4では、冷媒流路切替弁27が開弁
し、冷媒流路切替弁28が閉弁する。したがって、冷媒
圧縮機20の吐出口より吐出された冷媒は、冷媒水熱交
換器21→バイパス管路411→冷媒出入口流路413
→室外熱交換器23→冷媒出入口流路414→第2減圧
手段24→冷媒蒸発器25→アキュームレータ26を通
って冷媒圧縮機20の吸入口に吸入される。そして、冷
媒蒸発器25にて冷媒の蒸発熱により冷却された空気
は、主にセンタフェイス吹出口12より車室内へ吹き出
されることにより車室内が冷房される。
【0137】(除湿モード)除湿モード時には、冷房モ
ードと同様にして、冷媒流路切替弁27が開弁され、冷
媒流路切替弁28が閉弁される。これにより、ブロワ3
の作用により冷媒蒸発器25に吹き付けられた空気は冷
却される。そして、空気中の水分が凝縮され冷媒蒸発器
25のフィン等に付着することにより空気が除湿され
る。なお、除湿された空気を再加熱したい場合は、第1
実施例に示したように、エアミックスダンパ63、64
を作動させてその空気の一部または全部を温水ヒータコ
ア52に導き、温水と熱交換させれば良い。
【0138】(ヒートポンプ温水暖房モード)ヒートポ
ンプ温水暖房モード(暖房運転)時には、冷凍サイクル
4では、冷媒流路切替弁27が閉弁し、冷媒流路切替弁
28が開弁する。したがって、冷媒圧縮機20の吐出口
より吐出された冷媒は、冷媒水熱交換器21→第1減圧
手段22→冷媒出入口流路414→室外熱交換器23→
冷媒出入口流路413→バイパス管路412→アキュー
ムレータ26を通って冷媒圧縮機20の吸入口に吸入さ
れる。
【0139】一方、温水サイクル5では、温水流路切替
弁57、59が閉弁され、温水流路切替弁58が開弁さ
れる。したがって、ウォータポンプ56を運転すること
によりバイパス流路67を通って冷媒水熱交換器21内
に流入した温水は、冷媒の凝縮熱により加熱される。こ
の加熱された温水は、ダクト2内の温水ヒータコア52
内に流入してブロワ3の作用により吹き付けられる空気
と熱交換して空気が温風となる。この温風は、主にフッ
ト吹出口14より車室内へ吹き出されることにより車室
内が暖房される。
【0140】〔第13実施例の効果〕以上のように、こ
の実施例においては、冷房モード(冷房運転)時は冷媒
出入口流路413→室外熱交換器23→冷媒出入口流路
414のように冷媒が流れ、ヒートポンプ温水暖房モー
ド(暖房運転)時は冷媒出入口流路414→室外熱交換
器23→冷媒出入口流路413のように冷媒が流れるよ
うに第1、第2減圧手段22、24、冷媒流路切替弁2
7、28およびバイパス管路411、412を接続して
いる。
【0141】これにより、室外熱交換器23のガス側は
冷媒出入口流路413側となり、室外熱交換器23の液
側は冷媒出入口流路414側となる。すなわち、室外熱
交換器23を凝縮器として働かせる冷房モード(冷房運
転)時と蒸発器として働かせるヒートポンプ温水暖房モ
ード(暖房運転)時とで冷媒の流れ方向を逆向きにする
ことができる。したがって、ガス側から液側へ行くにし
たがって室外熱交換器23の冷媒通路の通路断面積を大
から小にすることができるので、冷媒の流れの圧力損失
と室外熱交換器23の熱交換性能とを矛盾なく設計する
ことができる。
【0142】〔第14実施例の構成〕図28ないし図3
0はこの発明の第14実施例を示したもので、図28は
電気自動車用空気調和装置を示した図である。この実施
例の冷凍サイクル4は、第13実施例と同一の構成のも
ので、冷媒圧縮機20、冷媒水熱交換器21、第1減圧
手段22、室外熱交換器23、第2減圧手段24、冷媒
蒸発器25、アキュームレータ26、冷媒流路切替弁2
7、28およびこれらを接続する冷媒配管等から構成さ
れている。
【0143】また、温水サイクル5は、電気温水加熱器
51、温水ヒータコア52、排熱冷却器53、ウォータ
ポンプ56、冷媒水熱交換器21、燃焼式ヒータ55、
およびこれらを環状に接続する温水配管等から構成され
ている。なお、電気温水加熱器51と排熱冷却器53の
両方とも、あるいはどちらか一方を廃止しても良い。ま
た、温水サイクル5は、第12実施例のもの(図26参
照)を用いても良い。
【0144】図29は電気自動車用空気調和装置のEC
Uを示した図である。ECU100は、本発明の暖房運
転制御手段であって、第1実施例と同一の構成のもので
ある。このECU100には、物理量検出手段としての
内気温センサ111、外気温センサ112、日射センサ
113、物理量検出手段としての冷媒圧力センサ11
4、エバ後温度センサ115、物理量検出手段としての
水温センサ116、117、物理量検出手段としての吹
出温センサ118および操作パネル200が電気的に接
続されている。
【0145】そして、ECU100は、各センサの検出
値(検出信号)および操作パネル200の操作値(操作
信号)などの入力信号と予めインプットされた制御プロ
グラム(図30参照)に基づいて、各空調機器の運転状
態を制御する。なお、操作パネル200には、少なくと
も暖房運転の実行および停止を指示する指示手段として
の暖房スイッチ209、車室内への空気の吹出温度を乗
員の希望の温度に設定する吹出温度設定手段としての吹
出温度設定スイッチ210が設置されている。
【0146】この実施例では、ECU100は、操作パ
ネル200に設けられた暖房スイッチ209がオンされ
るか、あるいは各入力値により暖房運転が指令される
と、暖房運転を開始(起動)する。このとき、エアミッ
クスダンパ63、64は全開で使用する。この暖房運転
の起動時には、冷凍サイクル4の暖房運転によるヒート
ポンプ温水暖房と燃焼式ヒータ55による燃焼ヒータ温
水暖房とを同時に行う。つまり燃焼式ヒータ55を冷媒
圧縮機20と同時運転する。
【0147】そして、暖房運転の開始後に、予め定めら
れた暖房条件に達した時には、冷凍サイクル4の運転を
停止して、燃焼式ヒータ55による燃焼ヒータ温水暖房
を単独に行う。つまり、冷媒圧縮機20の運転を停止し
て、燃焼式ヒータ55の単独運転に切り替える。
【0148】予め定められた暖房条件としては、次の条
件例が挙げられる。 1)暖房運転の開始後に、電気自動車の車室内の温度
(内気温センサ111の検出値)が所定の温度以上に上
昇した際に、同時運転から単独運転に切り替える。この
とき、所定の温度は、操作パネル200に設けた吹出温
度設定スイッチ210の操作位置に基づいて設定される
設定室温、この設定室温よりある温度だけ低い温度、あ
るいは予め決定された温度(例えば25℃)を用いれば
良い。
【0149】2)ECU100に内蔵されたタイマー
(図示せず)で暖房運転の開始からの経過時間を計っ
て、予め定められた設定時間(例えば15〜20分間)
が経過したら、同時運転から単独運転に切り替えるよう
にしても良い。 3)暖房運転の開始後に、冷凍サイクル4の高圧圧力
(冷媒圧力センサ114の検出値)が所定の圧力(例え
ば18kg/cm2 G)以上に上昇した際に、同時運転
から単独運転に切り替えるようにしても良い。
【0150】4)暖房運転の開始後に、冷媒水熱交換器
21および燃焼式ヒータ55で加熱された温水温度(水
温センサ116の検出値)が所定の温度(例えば50
℃)以上に上昇した際に、同時運転から単独運転に切り
替えるようにしても良い。 5)暖房運転の開始後に、ダクト2のフット吹出口14
より車室内へ吹き出される吹出空気の温度(吹出温セン
サ118の検出値)、あるいは温水ヒータコア52の下
流側の空気温度が所定の温度(例えば55℃)以上に上
昇した際に、同時運転から単独運転に切り替えるように
しても良い。
【0151】〔第14実施例の作用〕次に、この実施例
の電気自動車用空気調和装置1の作用を図28ないし図
30に基づいて簡単に説明する。ここで、図30はEC
U100の暖房運転時の作動の一例を示したフローチャ
ートである。
【0152】先ず、暖房運転の指示がされているか否か
を判断する。例えば暖房スイッチ209がオンされてい
るか否かを判断する(ステップS1)。このステップS
1の判断結果がNoの場合には、リターンする。また、
ステップS1の判断結果がYesの場合には、内気温セ
ンサ111の検出値(内気温)Tr、室温設定スイッチ
210で設定した設定吹出温度Tset等の各入力信号
を読み込む(ステップS2)。
【0153】次に、内気温センサ111の検出値Trが
吹出温度設定スイッチ210で設定した設定吹出温度T
set以上に上昇しているか否かを判断する(ステップ
S3)。このステップS3の判断結果がNoの場合に
は、燃焼式ヒータ55を冷媒圧縮機20と同時運転する
(ステップS4)。その後にリターンする。また、ステ
ップS3の判断結果がYesの場合には、冷媒圧縮機2
0の運転を停止して、燃焼式ヒータ55を単独運転する
(ステップS5)。その後にリターンする。
【0154】〔第14実施例の効果〕以上のように、こ
の実施例においては、燃焼式ヒータ55を冷媒圧縮機2
0と同時運転させる場合、すなわち、冷凍サイクル4の
暖房運転によるヒートポンプ温水暖房と燃焼式ヒータ5
5による燃焼ヒータ温水暖房とを同時に行う場合には、
第12実施例で述べたように、冷凍サイクル4を暖房運
転することにより冷媒水熱交換器21で例えば40℃〜
50℃程度まで温水を昇温した後に、燃焼式ヒータ55
内で温水上限温度(例えば50℃〜80℃)近くまでさ
らに昇温させるようにすることが望ましい。
【0155】ところが、そのような温水上限温度では、
たとえ温水ヒータコア52でダクト2内を通過する空気
に熱を与えたとしても、冷媒水熱交換器21に温水が流
入する前に温水温度が冷媒水熱交換器21にて冷媒との
熱交換により加熱される温度(例えば40℃〜50℃程
度)まで低下させることはエネルギー的に見て非常に無
駄である。
【0156】したがって、暖房運転を開始してからこの
実施例のように、予め定められた暖房条件が満たされた
場合に、燃焼式ヒータ55を冷媒圧縮機20と同時運転
から燃焼式ヒータ55の単独運転(燃焼ヒータ温水暖
房)に切り替えることにより、エネルギーの有効利用を
図ることができ、且つ冷媒圧縮機20を駆動するための
電力が不要となるので、経済性に優れる電気自動車用空
気調和装置1となる。
【0157】〔第15実施例の構成〕図31ないし図3
8はこの発明の第15実施例を示したもので、図31は
電気自動車用空気調和装置を示した図である。この実施
例の冷凍サイクル4と温水サイクル5は、第4実施例と
同一の構成のものである。
【0158】図32は電気自動車用空気調和装置のEC
Uを示した図である。ECU100は、本発明の暖房運
転制御手段であって、第1実施例と同一の構成のもので
ある。このECU100には、物理量検出手段としての
内気温センサ111、物理量検出手段としての外気温セ
ンサ112、物理量検出手段としての日射センサ11
3、冷媒圧力検出手段としての冷媒圧力センサ114、
吸込温度検出手段としてのエバ後温度センサ115、温
水温度検出手段としての水温センサ117、119、吹
出温度検出手段としての吹出温センサ118および操作
パネル200が電気的に接続されている。なお、エバ後
温度センサ115は、温水ヒータコア52に吸い込まれ
る空気の吸込温度を検出し、この検出値を吸込温度信号
としてECU100へ出力する。また、水温センサ11
9は、例えばサーミスタ等の感温素子よりなり、冷媒水
熱交換器21の出口(温水通路34の出口)に設置さ
れ、冷媒水熱交換器21の出口水温(温水温度)を検出
し、この検出値を温水温度信号としてECU100へ出
力する、温水温度検出手段、冷媒水熱交換器出口水温検
出手段である。
【0159】そして、ECU100は、各センサの検出
値(検出信号)および操作パネル200の操作値(操作
信号)などの入力信号と予めインプットされた制御プロ
グラム(図33ないし図35参照)に基づいて、各空調
機器の運転状態を制御する。なお、操作パネル200に
は、少なくともダクト2の各吹出口より吹き出される空
気の吹出温度を調整する温度調整レバー202、207
(図10および図11参照)が設置されている。
【0160】〔第15実施例の作用〕次に、この実施例
の電気自動車用空気調和装置1のヒートポンプ温水暖房
モード時の吹出温度制御を図31ないし図39に基づい
て簡単に説明する。ここで、図33はヒートポンプ温水
暖房モード時の吹出温度制御の一例を示したフローチャ
ートである。
【0161】先ず、操作パネル200に設けられた温度
調整レバー202、207の操作位置から設定吹出温度
Tsetを読み込む(吹出温度設定手段)。さらに、各
種温度センサの検出値によりヒートポンプ温水暖房モー
ドの実行が選択された際に、各種センサから検出値を読
み込む(ステップS11)。ここでは、エバ後温度セン
サ(吸込温度センサ)115で検出した吸込温度TE、
水温センサ117で検出した温水ヒータコア52の出口
水温(温水温度)TWなど、後で演算に必要な検出値
(物理量)を読み込む。
【0162】次に、目標吹出温度TAOを周知の方法で
決定する(目標吹出温度決定手段:ステップS12)。
目標吹出温度TAOは、マニュアルエアコンでは温度調
整レバー202、207の操作位置によって求めること
ができ、オートエアコンでは温度調整レバー202、2
07の操作位置、内気温センサ111で検出した内気温
および外気温センサ112で検出した外気温を使って演
算により求めることができる。
【0163】次に、温水ヒータコア52を通過する空気
の風量V(m3 /h)から温度効率φを決定する(温度
効率決定手段:ステップS13)。ここでは、ブロワ3
の運転状態によって求めたブロワ3の風量Vと温度効率
φとの特性図(図36参照)に基づいて温度効率φを算
出する。
【0164】次に、目標温水温度TWOを後述の方法で
決定する(目標温水温度決定手段:ステップS14)。
すなわち、エバ後温度センサ(吸込温度センサ)115
で検出した吸込温度TE、S12で決定した目標吹出温
度TAO、およびS13で決定した温度効率φから目標
温水温度TWOを下記の数1の式に基づいて算出する。
【数1】TWO=(TAO−TE)/φ+TE
【0165】次に、電気自動車用空気調和装置1の各空
調機器、特に冷凍サイクル4の各冷凍機器のトラブルを
未然に防ぐようにするため、以下のサブルーチン(図3
4のフローチャート)に基づいて空調機器の保護制御を
行う(ステップS15)。この空調機器の保護制御は、
空調機器、特に冷凍サイクル4の各冷凍機器を保護する
ため、例えば冷凍サイクル4の高圧圧力の異常上昇によ
る冷凍機器のトラブルを防止するために保護冷媒圧力が
予め決定され(保護圧力決定手段)、この予め決定され
た保護冷媒圧力に基づいて実行される。
【0166】空調機器の保護制御は、冷媒圧力センサ1
14で検出した冷凍サイクル4の高圧圧力SPを検出す
る(ステップS21)。次に、冷凍サイクル4の高圧圧
力SPが予め決定された保護冷媒圧力(例えば20kg
/cm2 G)SPH以上に上昇しているか否かを判断す
る(ステップS22)。このステップS22の判断結果
がNoの場合には、ステップS15の制御を抜ける。
【0167】また、ステップS22の判断結果がYes
の場合には、冷媒圧縮機20の運転を停止する(ステッ
プS23)。その後に、ステップS15の制御を抜け
る。これにより、冷凍サイクル4の高圧圧力が異常上昇
することを防止できるので、電気自動車用空気調和装置
1の各空調機器、特に冷凍サイクル4の各冷凍機器のト
ラブルを未然に防止することができる。
【0168】次に、以下のサブルーチン(図35のフロ
ーチャート)に基づいて冷媒圧縮機20の回転速度制御
を行う(ステップS16)。この回転速度制御では、先
ず所定の制御周期(制御タイミング:例えば4秒間)τ
が経過しているか否かを判断する(ステップS31)。
このステップS31の判断結果がNoの場合には、ステ
ップS37の制御を行う。
【0169】また、ステップS31の判断結果がYes
の場合には、図33のステップS14で決定した目標温
水温度TWO、水温センサ117で検出した温水ヒータ
コア52の出口水温(温水温度)TWとの温度偏差En
を下記の数2の式に基づいて算出する(温度偏差決定手
段:ステップS32)。
【数2】En =TWO−TW
【0170】次に、下記の数3の式に基づいて偏差変化
率Edot を算出する(温度変化率決定手段:ステップS
33)。
【数3】Edot =En −En-1 ここで、En は例えば4秒毎に更新されるため、En-1
はEn に対して4秒前の値となる。次に、ROMに記憶
された図37に示すメンバーシップ関数からCF1、C
F2を求める(ステップS34)。
【0171】次に、En およびEdot を用いて、ROM
に記憶された図37に示すメンバーシップ関数と、RO
Mに記憶された表1に示すルール表とを用いたファジー
推論に基づいて、4秒前の冷媒圧縮機20の回転速度f
n-1(rpm)に対して増減する回転速度Δf(rpm
/4sec)を求める。
【表1】
【0172】具体的には、図37(a)で求まるCF1
と図37(b)で求まるCF2とから、下記数4の式に
基づいて入力適合度CFを求め、さらにこの入力適合度
CFと表1のルール値とから、下記数5の式に基づいて
Δfを算出する(ステップS35)。
【数4】CF=CF1×CF2
【数5】Δf=Σ(CF×ルール値)/ΣCF
【0173】例えば、En =5の場合には、図37
(a)から、CF1はNB=0、NS=0、ZO≒0.
29、PS≒0.71、PB=0となる。また、Edot
=−0.2の場合には、図37(b)から、CF2はN
B=0、NS≒0.33、ZO≒0.67、PS=0、
PB=0となる。
【0174】したがって、上記数5の式の分母であるΣ
CFは、0.29×0.33+0.29×0.67+
0.71×0.33+0.71×0.67=1となる。
また、上記数5の分子であるΣ(CF×ルール値)は、
0.29×0.33×(−75)+0.29×0.67
×0+0.71×0.33×(−45)+0.71×
0.67×112≒35.56となる。よって、Δfは
Δf=35.56/1=35.56となる。
【0175】このように、En およびEdot に基づいて
Δfを決定したら、目標回転速度fn を下記数6の式に
基づいて算出する(目標温水温度決定手段、目標回転速
度決定手段:ステップS36)。
【数6】fn =(fn-1)+Δf 次に、冷媒圧縮機20の実際の回転速度が目標回転速度
fn となるようにエアコン用インバータ30を通電制御
する(温水加熱量制御手段、回転速度制御手段:ステッ
プS37)。
【0176】〔第15実施例の効果〕以上説明した冷媒
圧縮機20の回転速度制御(図33のステップS16)
を行うことによって、冷媒圧縮機20の挙動は、図38
(b)に示したようになり、その結果、水温センサ11
7で検出した温水ヒータコア52の出口水温(温水温
度)TWの挙動は、図38(a)に示したようになる。
なお、図38は、目標温水温度TWOが例えば70℃に
決定された場合についてのものであり、電気自動車用空
気調和装置1(冷凍サイクル4)を起動した時をt=0
としている。
【0177】すなわち、図38(a)に示したように、
t=0の時には、図33のステップS14で決定した目
標温水温度TWO、水温センサ117で検出した温水ヒ
ータコア52の出口水温TWとの温度偏差En が大きい
ため、Δfは大きな値として算出され、これにより、図
38(b)に示したように、冷媒圧縮機20の回転速度
は急激に上昇する。その結果、図38(a)に示したよ
うに、温水ヒータコア52の出口水温TWが目標温水温
度TWOに急激に近づこうとする。
【0178】そして、温水ヒータコア52の出口水温T
Wが目標温水温度TWOに近づいてくると、温度偏差E
n が小さくなるため、Δfは小さな値として算出され、
冷媒圧縮機20の回転速度の上昇率は徐々に小さくな
り、そのうち回転速度は下降するようになる。その結
果、温水ヒータコア52の出口水温TWは、目標温水温
度TWOをオーバーシュートすることなく、電気自動車
用空気調和装置1(冷凍サイクル4)を起動してから直
ちに目標温水温度TWOに飽和する。
【0179】水温センサ117で検出した温水ヒータコ
ア52の出口水温を、目標温水温度TWOとなるように
制御する理由は以下に述べる通りである。すなわち、温
水ヒータコア52の出口水温は、温水ヒータコア52を
通過する空気温度と相関関係がある。
【0180】したがって、図33のステップS14で決
定される目標温水温度TWOを、例えばダクト2のフッ
ト吹出口14より車室内へ吹き出す空気の吹出温度と関
連させておけば、温度調整レバー202、207等によ
り乗員が希望する吹出温度を設定するのみで、電気自動
車用空気調和装置1(冷凍サイクル4)の起動直後に車
室内へ吹き出す空気の吹出温度が乗員の希望に合った温
度に到達することになる。なお、乗員による吹出温度の
設定は、操作パネル200に設けられた温度調整レバー
202、207にて設定吹出温度Tset(=設定温
度、操作位置に対応)を設定することによりなされる。
【0181】〔第16実施例の構成〕図39ないし図4
3はこの発明の第16実施例を示したもので、図39は
電気自動車用空気調和装置のECUを示した図である。
なお、第15実施例と同一の制御機器は同番号を付し、
説明を省略する。
【0182】ここで、前述の第15実施例の吹出温度制
御方法では、電気自動車用空気調和装置1(冷凍サイク
ル4)の起動時に、図38に示したように、冷媒圧縮機
20の回転速度を上げていっても、温水ヒータコア52
の出口水温TWがなかなか上昇しない。このとき、冷凍
サイクル4の高圧圧力が上昇し、ステップS15の保護
制御によって冷凍サイクル4の運転が停止されることに
より急速暖房が行えない場合が考えられる。
【0183】この実施例のECU100は、ヒートポン
プ温水暖房モードの起動時、温水ヒータコア52の出口
水温TWが図40のAのゾーンで示した状態の時には、
吹出温度制御(冷媒圧縮機20の回転速度制御)を、冷
媒圧力(冷凍サイクル4の高圧圧力)を制御対象に行う
ようにすることで、電気自動車の車室内を急速に暖房す
ることを可能にしている。
【0184】また、冷媒圧縮機20の回転速度制御を行
って、温水ヒータコア52の出口水温が目標温水温度T
WOに近づいて、図40のBのゾーンで示した状態に達
した時には、第15実施例で述べたように、吹出温度制
御(冷媒圧縮機20の回転速度制御)を、温水ヒータコ
ア52の出口水温TWを制御対象に行うようにすること
で、電気自動車の車室内を乗員の希望する吹出温度に安
定させることを可能にしている。
【0185】〔第16実施例の作用〕次に、この実施例
の電気自動車用空気調和装置1のヒートポンプ温水暖房
モード時の吹出温度制御を図40ないし図43に基づい
て簡単に説明する。ここで、図41は冷媒圧縮機の回転
速度制御の他の例を示したフローチャートである。
【0186】先ず、所定の制御周期(制御タイミング:
例えば4秒間)τが経過しているか否かを判断する(ス
テップS41)。このステップS41の判断結果がNo
の場合には、ステップS50の制御を行う。
【0187】また、ステップS41の判断結果がYes
の場合には、図33のステップS14で決定した目標温
水温度TWO、水温センサ117で検出した温水ヒータ
コア52の出口水温TWとを用いて、下記の数7の式に
基づいて演算を行う(制御対象判定手段:ステップS4
2)。
【数7】TW<TWO−ΔTW 目標温水温度TWOが70℃で、ΔTWが10℃のとき
には、温水ヒータコア52の出口水温TWは60℃とな
る。
【0188】次に、水温センサ117で検出した温水ヒ
ータコア52の出口水温TWが(TWO−ΔTW)より
低下しているか否かを判断する(制御対象判定手段:ス
テップS43)。このステップS43の判断結果がNo
の場合には、制御対象を温水ヒータコア52の出口水温
TWとし、第15実施例の制御(図35のフローチャー
トのステップS32以下の制御)を行う。
【0189】また、ステップS43の判断結果がYes
の場合には、ヒートポンプ温水暖房モードによる暖房運
転の起動時と判断して、制御対象を冷凍サイクル4の高
圧圧力(冷媒圧力)とする。そして、図42(a)に示
したように、冷凍機器の保護制御がかかる保護冷媒圧力
がSPH(例えば20kg/cm2 G)である場合に、
その保護冷媒圧力よりも低い値を目標冷媒圧力POとす
る。その目標冷媒圧力POを以下の数8の式に基づいて
算出する(目標冷媒圧力決定手段:ステップS44)。
【数8】PO=SPH−ΔSP
【0190】このとき、保護冷媒圧力SPHが20kg
/cm2 Gで、ΔSPを5kg/cm2 Gと設定した場
合、目標冷媒圧力POは15kg/cm2 Gとなる。こ
こで、保護冷媒圧力SPHは製造業者等により予め設定
され、ROMに記憶されている(保護圧力決定手段)。
なお、保護冷媒圧力SPHの値やΔSPの値は機種毎、
または設置場所毎に変更しても良い。
【0191】次に、ステップS44で求めた目標冷媒圧
力POと冷媒圧力センサ114で検出した冷凍サイクル
4の高圧圧力SPとの圧力偏差En を以下の数9の式に
基づいて算出し(ステップS45)、以下の数10の式
に基づいて偏差変化率Edotを算出する(偏差変化率決
定手段:ステップS46)。
【数9】En =PO−SP
【数10】Edot =En −En-1 ここで、En は例えば4秒毎に更新されるため、En-1
はEn に対して4秒前の値となる。次に、ROMに記憶
された図43に示すメンバーシップ関数からCF1、C
F2を求める(ステップS47)。
【0192】次に、En およびEdot を用いて、ROM
に記憶された図43に示すメンバーシップ関数と、RO
Mに記憶された表2に示すルール表とを用いたファジー
推論に基づいて、4秒前の冷媒圧縮機20の回転速度f
n-1(rpm)に対して増減する回転速度Δf(rpm
/4sec)を求める。
【表2】
【0193】具体的には、図43(a)で求まるCF1
と図43(b)で求まるCF2とから、下記数11の式
に基づいて入力適合度CFを求め、さらにこの入力適合
度CFと表2のルール値とから、下記数12の式に基づ
いてΔfを算出する(ステップS48)。
【数11】CF=CF1×CF2
【数12】Δf=Σ(CF×ルール値)/ΣCF
【0194】例えば、En =4の場合には、図43
(a)から、CF1はNB=0、NS=0、ZO≒0.
20、PS≒0.80、PB=0となる。また、Edot
=−0.2の場合には、図43(b)から、CF2はN
B=0、NS≒0.67、ZO≒0.33、PS=0、
PB=0となる。
【0195】したがって、上記数12の式の分母である
ΣCFは、0.20×0.67+0.20×0.33+
0.80×0.67+0.80×0.33=1となる。
また、上記数12の分子であるΣ(CF×ルール値)
は、0.20×0.67×(−50)+0.20×0.
33×0+0.80×0.67×(−60)+0.80
×0.33×75≒−19.06となる。よって、Δf
はΔf=−19.06/1=−19.06となる。
【0196】このように、En およびEdot に基づいて
Δfを決定したら、目標回転速度fn を下記数13の式
に基づいて算出する(目標温水温度決定手段、目標回転
速度決定手段:ステップS49)。
【数13】fn =fn-1+Δf 次に、冷媒圧縮機20の実際の回転速度が目標回転速度
fn となるようにエアコン用インバータ30を通電制御
する(温水加熱量制御手段、回転速度制御手段:ステッ
プS50)。
【0197】〔第16実施例の効果〕以上説明した冷媒
圧縮機20の回転速度制御(図41のステップS50)
を行うことによって、冷媒圧縮機20の挙動は、図42
(b)に示したようになり、その結果、冷媒圧力センサ
114で検出した冷凍サイクル4の高圧圧力SPの挙動
は、図42(a)に示したようになる。なお、図42で
は、電気自動車用空気調和装置1(冷凍サイクル4)を
起動した時をt=0としている。
【0198】すなわち、図42(a)に示したように、
t=0の時には、図41のステップS44で求めた目標
冷媒圧力POと冷媒圧力センサ114で検出した冷凍サ
イクル4の高圧圧力SPとの圧力偏差En が大きいた
め、Δfは大きな値として算出され、これにより、図4
2(b)に示したように、冷媒圧縮機20の回転速度は
急激に上昇する。その結果、図42(a)に示したよう
に、冷凍サイクル4の高圧圧力の異常高圧等のトラブル
を防止するための保護冷媒圧力SPHを越えることな
く、冷凍サイクル4の高圧圧力SPが目標冷媒圧力PO
に急激に近づこうとする。
【0199】そして、冷凍サイクル4の高圧圧力SPが
目標冷媒圧力POに近づいてくると、圧力偏差En が小
さくなるため、Δfは小さな値として算出され、冷媒圧
縮機20の回転速度の上昇率は徐々に小さくなり、その
うち回転速度は下降するようになる。その結果、冷凍サ
イクル4の高圧圧力SPは、目標冷媒圧力POをオーバ
ーシュートすることなく、電気自動車用空気調和装置1
(冷凍サイクル4)を起動してから直ちに目標冷媒圧力
POに飽和する。
【0200】その後、水温センサ117で検出した温水
ヒータコア52の出口水温は、図40で示したAゾーン
からBゾーンへ入るため、第15実施例で述べた回転速
度制御に移行することによって、ヒートポンプ温水暖房
の起動直後に車室内へ吹き出す空気の吹出温度が乗員の
希望に合った温度に到達することになる。
【0201】したがって、真冬の朝一番に電気自動車に
乗り込む時、すなわち、極寒時の暖房起動時に、車室内
を急速暖房したいときでも、乗員が操作パネル200に
設けられた温度調整レバー202、207にて吹出温度
を好みの操作位置に設定することにより、その操作位置
に見合った温度の風が暖房開始時から車室内に吹き出さ
れる。これにより、車室内が急速に暖房されることにな
る。
【0202】なお、第15、第16実施例の吹出温度制
御は、図31の構造のヒートポンプサイクル(冷凍サイ
クル4)についての吹出温度制御であるが、上記の吹出
温度制御を第1〜第14実施例のヒートポンプサイクル
(冷凍サイクル4)についての吹出温度制御(冷媒圧縮
機20の回転速度制御)に用いても良い。すなわち、ダ
クト2内に温水ヒータコア52を設け、この温水ヒータ
コア52内に流入する温水を冷媒水熱交換器21内にて
冷媒の凝縮熱により加熱できる構造のヒートポンプサイ
クルであれば、第15、第16実施例の吹出温度制御を
応用しても良い。
【0203】〔第17実施例の構成〕図44および図4
5はこの発明の第17実施例を示したもので、図44は
電気自動車用空気調和装置を示した図で、図45は電気
自動車用空気調和装置のECUを示した図である。
【0204】ECU100は、冷房運転制御手段、暖房
運転制御手段、除霜運転制御手段であって、ヒートポン
プ温水暖房モード(暖房運転)時に、冷媒圧力センサ1
20の検出値を読み込んで、室外熱交換器23に着霜し
た霜を取り除く除霜モード(除霜運転)を行うか通常の
暖房運転を行うかの判定を行う。
【0205】冷媒圧力センサ120は、アキュームレー
タ26の入口付近の冷媒配管に取り付けられている。こ
の冷媒圧力センサ120は、冷媒圧縮機20の吸入圧力
である冷凍サイクル4の低圧圧力(蒸発圧力)を検出
し、この検出値を冷媒圧力信号(低圧信号)としてEC
U100へ出力する冷媒圧力検出手段、低圧圧力検出手
段である。
【0206】〔第17実施例の作用〕次に、この実施例
の電気自動車用空気調和装置1の作用を図44および図
45に基づいて簡単に説明する。
【0207】(ヒートポンプ温水暖房モード)ヒートポ
ンプ温水暖房モード時には、冷凍サイクルでは冷媒流路
切替弁27が閉弁し、冷媒流路切替弁28が開弁する。
したがって、冷媒圧縮機20を運転することにより、冷
媒圧縮機20の吐出口より吐出された冷媒が、冷媒水熱
交換器21→第1減圧手段22→室外熱交換器23→バ
イパス管路42→アキュームレータ26を通って冷媒圧
縮機20の吸入口に吸入される。
【0208】一方、温水サイクル5では、温水流路切替
弁58が開弁される。したがって、ウォータポンプ56
を運転することによりバイパス流路67を通って冷媒水
熱交換器21内に流入した温水は、冷媒の凝縮熱により
加熱される。この加熱された温水は、ダクト2内の温水
ヒータコア52内に流入してブロワ3の作用により吹き
付けられる空気と熱交換して空気が温風となる。この温
風は、主にフット吹出口14より車室内へ吹き出される
ことにより車室内が暖房される。
【0209】以上のような作動により車室内をヒートポ
ンプ温水暖房モードにより暖房運転していると、室外熱
交換器23に霜が付く可能性がある。ECU100は、
冷媒圧力センサ120で検出した冷凍サイクル4の低圧
圧力(蒸発圧力)を読み込み、この検出した低圧圧力が
予め決定された設定圧力(例えば1.2kg/cm2
以下に低下しているか否かを判定する。そして、冷凍サ
イクル4の低圧圧力が設定圧力より上昇している場合に
は、室外熱交換器23が着霜していないと判定して、上
記のヒートポンプ温水暖房モードによる暖房運転を継続
する。逆に、冷凍サイクル4の低圧圧力が設定圧力以下
に低下している場合には、室外熱交換器23が着霜して
いると判定して、上記のヒートポンプ温水暖房モードか
ら除霜モードに切り替える。
【0210】(除霜モード)除霜モード時には、冷凍サ
イクルでは冷媒流路切替弁27が開弁し、冷媒流路切替
弁28が閉弁する。したがって、冷媒圧縮機20を運転
することにより、冷媒圧縮機20の吐出口より吐出され
た冷媒が、冷媒水熱交換器21→バイパス管路41→室
外熱交換器23→第2減圧手段24→冷媒蒸発器25→
アキュームレータ26を通って冷媒圧縮機20の吸入口
に吸入される。
【0211】一方、温水サイクル5では、ヒートポンプ
温水暖房モードと同様に、ウォータポンプ56より吐出
された温水が、バイパス流路67→冷媒水熱交換器21
→温水ヒータコア52を通ってウォータポンプ56内に
吸い込まれる。なお、除霜モード時には、ブロワ3の作
用によりダクト2内に吸い込まれた空気は、冷媒蒸発器
25を通過する際に、冷却除湿された後に、温水ヒータ
コア52内の高温の温水と熱交換して温風となる。この
温風は、主にフット吹出口14より車室内へ吹き出され
ることにより車室内が除湿暖房される。
【0212】なお、この実施例においても、冷媒圧縮機
20の回転速度制御、エアミックスダンパ63、64の
開度制御およびウォータポンプ56の運転状態などによ
って、冷房モードや除湿モードを行うことができ、冷房
能力や暖房能力の能力制御も行うことができる。また、
室外熱交換器23の除霜を行うように指示を出す除霜ス
イッチを操作パネル200に設けても良く、室外熱交換
器23の表面温度と湿度センサの検出値に基づいて室外
熱交換器23の着霜時期を判定しても良い。
【0213】〔第17実施例の効果〕以上のように、こ
の実施例では、冷凍サイクル4の冷媒圧縮機20、温水
サイクル5のウォータポンプ56、およびブロワ3を運
転することによって、ヒートポンプ温水暖房モードによ
る暖房運転等のように室外熱交換器23を蒸発器として
使用する運転時に、室外熱交換器23に霜が付着した場
合には、室外熱交換器23を凝縮器として働かせ、さら
にウォータポンプ56を運転して温水ヒータコア52で
放熱させることで、暖房能力の低下を補いながら室外熱
交換器23の除霜を行うことができる。
【0214】〔第18実施例〕図46はこの発明の第1
8実施例を示したもので、図46は電気自動車用空気調
和装置を示した図である。この実施例では、第17実施
例の温水サイクル5の冷媒水熱交換器21より下流側と
ウォータポンプ56より上流側との間に燃焼式ヒータ5
5を接続している。
【0215】第17実施例では、除霜モードに、温水ヒ
ータコア52で放熱が行われるが、冷媒蒸発器25で冷
却除湿している分だけ車室内に冷風が吹き出す可能性が
ある。このため、除霜モード時には、燃焼式ヒータ55
と冷媒圧縮機20とを同時運転することにより冷風の吹
き出しを防止するようにしている。
【0216】(除霜モード)除霜モード時には、第17
実施例と同様にして、冷凍サイクル4では、冷媒圧縮機
20の吐出口より吐出された冷媒が、冷媒水熱交換器2
1→バイパス管路41→室外熱交換器23→第2減圧手
段24→冷媒蒸発器25→アキュームレータ26を通っ
て冷媒圧縮機20の吸入口に吸入される。また、温水サ
イクル5では、ウォータポンプ56より吐出された温水
が、燃焼式ヒータ流路77→燃焼式ヒータ55の温水通
路76→冷媒水熱交換器21→温水ヒータコア52を通
ってウォータポンプ56内に吸い込まれる。
【0217】〔第19実施例の構成〕図47ないし図5
1はこの発明の第19実施例を示したもので、図47は
電気自動車用空気調和装置を示した図で、図48は電気
自動車用空気調和装置のECUを示した図で、図49は
外気温と暖房熱負荷との関係を示したグラフである。な
お、この実施例の燃焼式ヒータ55は、HIGH運転の
時に4000kcal/hで、LOW運転の時に200
0kcal/hである。また、ブロワ3の外気取入風量
は、Hi風量(最大風量)時に300m3 /hで、Me
風量(中風量)時に200m3 /hで、Lo風量(最小
風量)時に120m3 /hである。
【0218】ここで、図49のグラフからも確認できる
ように、暖房熱負荷はブロワ3の風量外気取入風量によ
って異なり、Lo風量では100%外気導入にしても外
気温Tamが約1℃より高い時は、燃焼式ヒータ55の
最低暖房能力Qmin(=LOW運転:例えば2000
kcal/h)で、過剰暖房能力となり、エネルギーの
無駄使いとなる。
【0219】そこで、暖房能力が過剰となることを防止
する方法として、燃焼ヒータ暖房モードからヒートポン
プ温水暖房モードに切り替える方法が考えられる。その
第1制御例は、外気取入風量がLo風量でも、暖房能力
が過剰となる設定外気温を予め決めておき、これにより
高い外気温の場合には燃焼式ヒータ55の運転を停止
し、ヒートポンプ温水暖房モードによる暖房運転に切り
替えるようにする。
【0220】第2制御例は、燃焼式ヒータ55が最低暖
房能力Qminで運転されていても、操作パネル200
に設けられた温度調整レバー202、207の操作位置
に応じて決まる設定吹出温度(設定温度)Tsetを上
回って内気温センサ111で検出した内気温Trが上昇
したら、ヒートポンプ温水暖房モードのみの暖房運転に
切り替えるようにする。
【0221】第3制御例は、第15実施例で算出した目
標温水温度TWOに対して燃焼式ヒータ55の最低暖房
能力Qminでも暖房能力が過剰となって、水温センサ
117で検出した温水ヒータコア52の出口水温(実際
の温水温度)TWが目標温水温度TWOを上回ったら、
ヒートポンプ温水暖房モードによる暖房運転に切り替え
るようにする。
【0222】なお、第1〜第3制御例にて、燃焼ヒータ
温水暖房モードからヒートポンプ温水暖房モードによる
暖房運転に切り替えた時、その後に燃焼式ヒータ55の
最低暖房能力Qminを多少上回る暖房能力が必要とな
る場合が考えられる。この場合に、再び燃焼ヒータ温水
暖房モードによる暖房運転に切り替えても良いが、通常
は短時間で暖房熱負荷が変化することはないので、再び
燃焼ヒータ温水暖房モードによる暖房運転に戻すことな
く、手動操作により例えば図10の操作パネル200の
ヒートポンプ温水暖房スイッチ263を切って燃焼ヒー
タ温水暖房スイッチ264を投入するまで、ヒートポン
プ温水暖房モードによる暖房運転を継続する制御方法が
好ましい。
【0223】〔第19実施例の作用〕次に、この実施例
の電気自動車用空気調和装置1の作用を図47ないし図
51に基づいて簡単に説明する。ここで、図50はEC
U100の暖房運転時の第1、第2制御例を示したフロ
ーチャートである。
【0224】先ず、暖房運転の指示がされているか否か
を判断する。例えば暖房スイッチ209(図29参照)
がオンされているか否かを判断する(ステップS5
1)。このステップS51の判断結果がNoの場合に
は、リターンする。また、ステップS51の判断結果が
Yesの場合には、内気温センサ111の検出値(内気
温)Tr、外気温センサ112の検出値(外気温)Ta
m、温度調整レバー202、207で設定した設定吹出
温度Tset等の各入力信号を読み込む(ステップS5
2)。
【0225】次に、燃焼式ヒータ55が最低暖房能力Q
minで運転中であるか否かを判断する(ステップS5
3)。このステップS53の判断結果がNoの場合に
は、通常の温水暖房制御を行う(ステップS54)。そ
の後にリターンする。また、ステップS53の判断結果
がYesの場合には、内気温センサ111で検出した内
気温Trが温度調整レバー202、207で設定した設
定吹出温度よりも高い所定温度(Tset+α℃)以上
に上昇している(Tr≧Tset+α℃)か否かを判断
する(ステップS55)。α℃は例えば5℃である。
【0226】このステップS55の判断結果がNoの場
合には、冷媒圧縮機20を運転し、燃焼式ヒータ55の
運転を停止し、ヒートポンプ温水暖房モードで暖房運転
(ヒートポンプ単独運転)する(ステップS56)。そ
の後にリターンする。また、ステップS55の判断結果
がYesの場合には、ブロワ3の外気取入風量(例えば
120m3 /h)がLo風量であるか否かを判断する
(ステップS57)。このステップS57の判断結果が
Noの場合には、燃焼式ヒータ55および冷媒圧縮機2
0を同時運転して、燃焼ヒータ温水暖房モードとヒート
ポンプ温水暖房モードで暖房運転(燃焼ヒータ、ヒート
ポンプ同時運転)する(ステップS58)。その後にリ
ターンする。
【0227】また、ステップS57の判断結果がYes
の場合には、外気温センサ112で検出した外気温Ta
mが暖房能力が過剰となる設定外気温Tsam(例えば
1℃)以上に上昇している(Tam≧Tsam)か否か
を判断する(ステップS59)。このステップS59の
判断結果がNoの場合には、ステップS58の制御を行
う。また、ステップS59の判断結果がYesの場合に
は、ステップS56の制御を行う。なお、第1制御例と
第2制御例のいずれか一方の制御例のみを行っても良
い。
【0228】次に、図51はECU100の暖房運転時
の第3制御例を示したフローチャートである。ここで、
図33のフローチャートと同一の制御は同番号を付し、
説明を省略する。先ず、暖房運転の指示がされているか
否かを判断する。例えば暖房スイッチ209(図29参
照)がオンされているか否かを判断する(ステップS6
1)。このステップS61の判断結果がNoの場合に
は、リターンする。また、ステップS61の判断結果が
Yesの場合には、ステップS11の制御を行う。
【0229】そして、ステップS14の制御を行った後
に、燃焼式ヒータ55が最低暖房能力Qminで運転中
であるか否かを判断する(ステップS62)。このステ
ップS62の判断結果がNoの場合には、通常の温水暖
房制御を行う(ステップS63)。その後にリターンす
る。
【0230】また、ステップS62の判断結果がYes
の場合には、水温センサ117で検出した温水ヒータコ
ア52の出口水温TWがステップS14で算出した目標
温水温度より高温(TWO+β℃)以上に上昇している
(TW≧TWO+β℃)か否かを判断する(ステップS
64)。このステップS64の判断結果がNoの場合に
は、燃焼式ヒータ55および冷媒圧縮機20を同時運転
して、燃焼ヒータ温水暖房モードとヒートポンプ温水暖
房モードで暖房運転(燃焼ヒータ、ヒートポンプ同時運
転)する(ステップS65)。その後にリターンする。
【0231】また、ステップS64の判断結果がYes
の場合には、冷媒圧縮機20を運転し、燃焼式ヒータ5
5の運転を停止し、ヒートポンプ温水暖房モードで暖房
運転(ヒートポンプ単独運転)する(ステップS6
6)。その後にリターンする。なお、図50のフローチ
ャートおよび図51のフローチャート中の燃焼ヒータ、
ヒートポンプ同時運転を冷媒圧縮機20の運転を停止し
て燃焼ヒータ温水暖房(燃焼式ヒータ55の単独運転)
に変更しても良い。
【0232】〔第20実施例の構成〕図52ないし図5
6はこの発明の第20実施例を示したもので、図52は
電気自動車用空気調和装置を示した図で、図53は電気
自動車用空気調和装置のECUを示した図で、図54は
温水ヒータコアを示した図である。
【0233】この実施例の温水ヒータコア52は、2つ
のタンク521、522と、チューブ523とコルゲー
トフィン524とを複数交互に積層したコア部525
と、このコア部525の両側に配された2枚のサイドプ
レート526とから構成され、これらはろう付け等の接
合手段を用いて接合されている。
【0234】2つのタンク521、522は、黄銅等の
熱伝導性に優れた金属により所定の形状に形成されてい
る。一方のタンク521には、冷媒水熱交換器23より
温水を流入させるための円管形状の入口パイプ527、
およびウォータポンプ56へ温水を流出させるための円
管形状の出口パイプ528がろう付け等の接合手段を用
いて接合されている。
【0235】また、一方のタンク521の内部には、入
口パイプ527より温水が流入する入口室(図示せず)
と出口パイプ528へ温水を流出する出口室(図示せ
ず)とを区画する仕切り板(図示せず)が嵌め込まれて
いる。他方のタンク522は、本発明の温水通路であっ
て、内部に連通室が形成されている。
【0236】チューブ523は、黄銅等の熱伝導性に優
れた金属製で、コア部の幅方向に一定の間隔で並列さ
れ、内部を流れる温水と周囲を通過する空気とを熱交換
させて空気を加熱する熱交換部である。
【0237】なお、この実施例の他方のタンク522の
外壁には、ECU100に温水ヒータコア52内の温水
温度に応じた水温信号を送る水温センサ500が取り付
けられている。水温センサ500は、図55に示したよ
うに、熱伝導性に優れた銅等の金属内に抵抗体が封入さ
れた円柱形状のサーミスタ501、このサーミスタ50
1より取り出された2本のリード線(導電線)502、
およびサーミスタ501の外表面全体を温水ヒータコア
52の他方のタンク522の外表面に熱的に密着させる
ための円筒状の金属管503から構成されている。この
金属管503は、銅等の熱伝導性に優れた金属よりな
る。
【0238】この実施例の水温センサ500は、図55
(a)〜(d)に示したように、先ず2本のリード線5
02を接続したサーミスタ501を、平板の両端部が接
触しない程度に丸めた金属管503内に差し込んだ後
に、金属管503をかしめることにより金属管503内
にサーミスタ501を固定することにより組み付けられ
る。
【0239】そして、組み付けが終了した水温センサ5
00は、図54に示したように、一体ろう付けが終了し
た温水ヒータコア52の他方のタンク522の外壁にろ
う付けや接着剤等の接合手段を用いて接合される。な
お、温水ヒータコア52と水温センサ500とを接合す
るろう材や接着剤には、熱伝導性に優れる材料を用い
る。
【0240】したがって、この実施例の水温センサ50
0は、円柱形状のサーミスタ501が熱伝導性に優れた
金属管503により囲まれているので、温水ヒータコア
52の他方のタンク522の外壁に接合されていてもタ
ンク522内の温水温度をほぼ周囲から検出できる。す
なわち、サーミスタ501をタンク522内に埋め込ん
だ状態と同じ環境状態が得られるので、サーミスタ50
1が温水ヒータコア52の周囲の温度の影響を受けて正
しい温水温度の値を示さなくなるという従来の水温セン
サの不具合を解消することができる。
【0241】また、サーミスタ501の周囲を熱伝導性
に優れた金属管503で囲むことにより、従来の水温セ
ンサ(所謂直方体形状のサーミスタ)の片面接触だけの
ものと比較して温水温度の変化に対する応答性が優れ
る。以上から、正確な温水温度が測定でき、且つ応答性
に優れるので、図56のグラフに示したように、ECU
100の温水温度制御により目標温水温度TWOに実際
の温水温度を速やかにまた正確に近づけることができ
る。すなわち、温水温度の制御性を向上することができ
るため、ダクト2より車室内へ吹き出す空気の吹出温度
を正確にコントロールすることができるようになる。
【0242】〔第21実施例の構成〕図57はこの発明
の第21実施例を示したもので、温水ヒータコアを示し
た図である。この実施例では、水温センサ500を温水
ヒータコア52の入口パイプ527の外周面に、熱伝導
性に優れたろう材や接着剤を用いて接合されている。な
お、入口パイプ527の材料には、熱伝導性に優れる金
属材料を用いることが望ましい。
【0243】〔第22実施例の構成〕図58および図5
9はこの発明の第22実施例を示したもので、図58は
温水ヒータコアを示した図である。この実施例の水温セ
ンサ500は、円柱形状のサーミスタ501、2本のリ
ード線502、およびサーミスタ501の外周を覆う他
方のタンク522から構成されている。この他方のタン
ク522は、銅等の熱伝導性に優れた金属よりなり、図
59にも示したように、外壁にサーミスタ501の大部
分を収納する略馬蹄形状の収納穴529を有している。
【0244】この実施例の水温センサ500は、図59
(a)、(b)に示したように、サーミスタ501を、
温水ヒータコア52の他方のタンク522に形成された
収納穴529内に差し込むことにより組み付けられる。
なお、収納穴529の内壁面に、熱伝導性に優れた接着
剤をサーミスタ501を差し込む前に塗布しても良い。
また、サーミスタ501の外周面に熱伝導性に優れた接
着剤を塗布しても良い。さらに、サーミスタ501を収
納穴529内に差し込んだ後に断面円弧状の良熱伝導性
金属を被せても良い。
【0245】〔第23実施例の構成〕図60はこの発明
の第23実施例を示したもので、温水ヒータコアを示し
た図である。この実施例では、水温センサ500のサー
ミスタ501を温水ヒータコア52の他方のタンク52
2の端面に形成した丸穴形状の収納穴530内に差し込
むようにしている。これにより、サーミスタ501の全
周囲を温水が流れることになるので、温水温度の正確な
値となり、且つ応答性に非常に優れる。
【0246】なお、第22実施例と同様にして、収納穴
530の内壁面に、熱伝導性に優れた接着剤をサーミス
タ501を差し込む前に塗布しても良い。また、サーミ
スタ501の外周面に熱伝導性に優れた接着剤を塗布し
ても良い。さらに、サーミスタ501を収納穴530内
に差し込んだ後に断面円弧状の良熱伝導性金属を被せて
も良い。
【0247】〔変形例〕寒冷地仕様の暖房用熱源である
燃焼式ヒータ等に環境問題の見地から使用上の制約(例
えば外気温が規定値以下に低下しないと燃焼式ヒータを
使用してはいけないという制約)がある場合でも第1、
第3、第6実施例のエアコンシステムでは、温水の流路
を温水流路切替弁57〜59にて切り替えることにより
燃焼式ヒータ55を使用しない温水流路を形成すること
ができ、上記制約に対応することができる。
【0248】この実施例では、本発明を電気自動車用空
気調和装置に適用したが、本発明を空冷式エンジンや水
冷式エンジンを搭載した車両用空気調和装置に適用して
も良い。なお、温水としては純水や、各種金属の防食の
ための防食添加剤を添加した水溶液、ロングライフクー
ラント等を利用しても良い。
【0249】この実施例では、冷媒流路切替手段として
冷媒流路切替弁27、28を設けたが、冷媒流路切替手
段として三方弁や四方弁を設けても良い。この実施例で
は、温水流路切替手段として温水流路切替弁57〜59
を設けたが、温水流路切替手段として三方弁や四方弁を
設けても良い。
【0250】この実施例では、寒冷地仕様の暖房用熱源
として燃焼式ヒータ55を利用したが、寒冷地用の暖房
熱源として電気ヒータ61を内蔵した電気温水加熱器5
1のみを利用しても良い。また、温水の循環量をウォー
タポンプ56や流量調整弁等で調整することにより、車
室内へ吹き出す空気の吹出温度を制御しても良い。
【0251】この実施例では、排熱冷却器53を温水ヒ
ータコア52とウォータポンプ56とを接続する温水配
管に接続したが、冷媒水熱交換器21と温水ヒータコア
52とを接続する温水配管に接続しても良い。なお、こ
の場合に、車載電気機器等の暖房用の補助熱源により温
水が過熱されるときは、バイパス流路を設けても良い。
また、排熱冷却器53にて排熱を回収する車載電気機器
として冷媒圧縮機20、エアコン用インバータ30、電
動ファン40、冷却ファン66等を用いても良い。
【0252】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、ダクト内に配
された室内熱交換器を凝縮器として運転するヒートポン
プ暖房より大きな熱量を車室内へ吹き出す空気に与える
ことができるので、車室内の暖房能力を向上することが
できる。また、温水式加熱器を備えた既成のヒータユニ
ットを利用することができるので、新設する部品を少な
くすることができ、低コスト化を図ることができる。
【0253】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載
の発明のヒートポンプ温水暖房より大きな熱量を車室内
へ吹き出す空気に与えることができるので、寒冷地にお
いても充分な暖房能力を得ることができる。また、冷媒
水熱交換器、温水式加熱器およびウォータポンプを有す
る温水サイクルを車両に搭載しているので、非常に簡単
な組付作業で燃焼式ヒータを温水サイクルに組み合わせ
ることができ、低コスト化を図ることができる。
【0254】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の発明のヒートポンプ温水暖房時に、走行用モータや走
行用インバータ等の車載電気機器を補助熱源として有効
活用することができる。
【0255】請求項19に記載の発明は、物理量検出手
段の検出値が所定の物理量に達した際に、燃焼式ヒータ
を冷媒圧縮機との同時運転から燃焼式ヒータの単独運転
に切り替えるようにしているので、燃焼式ヒータを冷媒
圧縮機と長時間同時運転した時に発生する、冷凍サイク
ルの高圧圧力の上昇等の冷凍サイクルの不具合を解消す
ることができる。そして、エネルギーの有効利用を図る
ことができ、且つ冷媒圧縮機を駆動するための動力が不
要となり、経済性に優れる。
【0256】請求項20に記載の発明は、目標温水温度
と温水式加熱器より流出する温水の温度との温度偏差に
基づいて、温水式加熱器内へ流入する温水の加熱量を制
御することにより、車室内へ吹き出す空気の吹出温度
を、吹出温度設定手段で設定した乗員の希望に合った温
度にオーバーシュートさせることなく近づけることがで
きる。
【0257】請求項21に記載の発明は、目標冷媒圧力
と冷凍サイクルの高圧圧力との圧力偏差に基づいて、温
水式加熱器内へ流入する温水の加熱量を制御することに
より、冷凍サイクルの保護冷媒圧力を越えることなく、
車室内へ吹き出す空気の吹出温度を、吹出温度設定手段
で設定した乗員の希望に合った温度に急速に昇温させる
ことができる。
【0258】請求項22に記載の発明は、車室内暖房の
起動時に、目標温水温度と温水式加熱器より流出する温
水の温度との温度偏差が大きい場合に、車室内へ吹き出
す空気の吹出温度を、吹出温度設定手段で設定した乗員
の希望に合った温度に急速に昇温させる制御を行うこと
ができる。そして、車室内暖房の起動時に、目標温水温
度と温水式加熱器より流出する温水の温度との温度偏差
が小さい場合に、車室内へ吹き出す空気の吹出温度を、
吹出温度設定手段で設定した乗員の希望に合った温度に
安定させる制御を行うことができる。以上のように、目
標温水温度と温水式加熱器より流出する温水の温度との
温度偏差に基づいて制御対象を変更することにより、冷
凍サイクルの保護冷媒圧力を越えることなく、車室内の
急速暖房と吹出温度を乗員の希望温度に収束させる暖房
とを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示した構成図である。
【図2】この発明の第1実施例の冷媒水熱交換器の一例
を示した正面図である。
【図3】この発明の第1実施例の冷媒水熱交換器の一例
を示した平面図である。
【図4】この発明の第1実施例の冷媒水熱交換器の一例
を示した側面図である。
【図5】この発明の第1実施例の冷媒水熱交換器の一例
を示した断面図である。
【図6】この発明の第1実施例の燃焼式ヒータの一例を
示した断面図である。
【図7】この発明の第1実施例のウォータポンプを示し
た縦断面図である。
【図8】この発明の第1実施例のウォータポンプを示し
た横面図である。
【図9】この発明の第1実施例のECUを示したブロッ
ク図である。
【図10】この発明の第1実施例の操作パネルの一例を
示した正面図である。
【図11】この発明の第1実施例の操作パネルの他の例
を示した正面図である。
【図12】この発明の第1実施例の温水サイクルの各部
温度状況を示した図である。
【図13】この発明の第2実施例を示した構成図であ
る。
【図14】この発明の第3実施例を示した構成図であ
る。
【図15】この発明の第4実施例を示した構成図であ
る。
【図16】この発明の第5実施例を示した構成図であ
る。
【図17】この発明の第6実施例を示した構成図であ
る。
【図18】この発明の第7実施例を示した構成図であ
る。
【図19】この発明の第8実施例を示した構成図であ
る。
【図20】この発明の第9実施例を示した構成図であ
る。
【図21】この発明の第10実施例を示した構成図であ
る。
【図22】この発明の第10実施例の冷凍機器収納箱に
収納された冷凍機器を示した正面図である。
【図23】この発明の第10実施例の冷凍機器収納箱に
収納された冷凍機器を示した側面図である。
【図24】この発明の第10実施例の冷凍機器収納箱に
収納された冷凍機器を示した平面図である。
【図25】この発明の第11実施例を示した構成図であ
る。
【図26】この発明の第12実施例を示した構成図であ
る。
【図27】この発明の第13実施例を示した構成図であ
る。
【図28】この発明の第14実施例を示した構成図であ
る。
【図29】この発明の第14実施例のECUを示したブ
ロック図である。
【図30】この発明の第14実施例のECUの暖房運転
時の作動を示したフローチャートである。
【図31】この発明の第15実施例を示した構成図であ
る。
【図32】この発明の第15実施例のECUを示したブ
ロック図である。
【図33】この発明の第15実施例の吹出温度制御の一
例を示したフローチャートである。
【図34】この発明の第15実施例の空調機器の保護制
御を示したフローチャートである。
【図35】この発明の第15実施例の冷媒圧縮機の回転
速度制御を示したフローチャートである。
【図36】この発明の第15実施例のブロワの風量と温
度効率との関係を示した特性図である。
【図37】(a)、(b)はこの発明の第15実施例の
メンバーシップ関数を示した図である。
【図38】(a)はこの発明の第15実施例の温水温度
と経過時間との関係を示したグラフで、(b)はこの発
明の第15実施例の冷媒圧縮機の回転速度と経過時間と
の関係を示したグラフである。
【図39】この発明の第16実施例のECUを示したブ
ロック図である。
【図40】この発明の第16実施例の温水温度と経過時
間との関係を示したグラフである。
【図41】この発明の第16実施例の冷媒圧縮機の回転
速度制御を示したフローチャートである。
【図42】(a)はこの発明の第16実施例の冷媒圧力
と経過時間との関係を示したグラフで、(b)はこの発
明の第16実施例の冷媒圧縮機回転速度と経過時間との
関係を示したグラフである。
【図43】(a)、(b)はこの発明の第16実施例の
メンバーシップ関数を示した図である。
【図44】この発明の第17実施例を示した構成図であ
る。
【図45】この発明の第17実施例のECUを示したブ
ロック図である。
【図46】この発明の第18実施例を示した構成図であ
る。
【図47】この発明の第19実施例を示した構成図であ
る。
【図48】この発明の第19実施例のECUを示したブ
ロック図である。
【図49】この発明の第19実施例の暖房熱負荷と外気
温との関係を示したグラフである。
【図50】この発明の第19実施例の暖房運転時の第
1、第2制御例を示したフローチャートである。
【図51】この発明の第19実施例の暖房運転時の第3
制御例を示したフローチャートである。
【図52】この発明の第20実施例を示した構成図であ
る。
【図53】この発明の第20実施例のECUを示したブ
ロック図である。
【図54】この発明の第20実施例の温水ヒータコアを
示した斜視図である。
【図55】この発明の第20実施例の水温センサの組付
方法を示した行程図である。
【図56】この発明の第20実施例の温水温度と経過時
間との関係を示したグラフである。
【図57】この発明の第21実施例の温水ヒータコアを
示した斜視図である。
【図58】この発明の第22実施例の温水ヒータコアを
示した斜視図である。
【図59】この発明の第22実施例の水温センサの組付
方法を示した行程図である。
【図60】この発明の第23実施例の温水ヒータコアを
示した斜視図である。
【符号の説明】
I 走行用インバータ M 走行用モータ 1 電気自動車用空気調和装置 2 ダクト 3 ブロワ(送風機) 4 冷凍サイクル 5 温水サイクル 20 冷媒圧縮機 21 冷媒水熱交換器 22 第1減圧手段 23 室外熱交換器 24 第2減圧手段 25 冷媒蒸発器 30 エアコン用インバータ(回転速度制御手段) 51 電気温水加熱器 52 温水ヒータコア(温水式加熱器) 53 排熱冷却器 54 ラジエータ 55 燃焼式ヒータ 56 ウォータポンプ 61 電気ヒータ 67 バイパス流路 100 ECU(制御手段、冷房運転制御手段、暖房運
転制御手段、除霜運転制御手段) 111 内気温センサ(内気温検出手段) 112 外気温センサ(外気温検出手段) 114 冷媒圧力センサ(冷媒圧力検出手段) 115 エバ後温度センサ(吸込温度検出手段) 116 水温センサ(温水温度検出手段、燃焼式ヒータ
出口水温検出手段) 117 水温センサ(温水温度検出手段、加熱器出口水
温検出手段) 118 吹出温センサ(吹出温度検出手段) 119 水温センサ(温水温度検出手段、冷媒水熱交換
器出口水温検出手段) 500 水温センサ(温水温度検出手段) 501 サーミスタ 503 金属管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平6−291820 (32)優先日 平6(1994)11月25日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 竹尾 裕治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 土屋 静男 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 高橋 英二 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 石川 浩 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)車室内へ向かって空気を送るための
    ダクトと、 (b)このダクト内において車室内へ送風する送風機
    と、 (c)冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機、この冷媒圧
    縮機より吐出された冷媒と温水とを熱交換させて温水を
    加熱する冷媒水熱交換器、および冷媒の蒸発熱により空
    気を冷却する冷媒蒸発器を有する冷凍サイクルと、 (d)前記冷媒水熱交換器で加熱された温水を循環させ
    るポンプ、および前記ダクト内に設置され、前記冷媒水
    熱交換器より流入した温水により前記ダクト内を流れる
    空気を加熱する温水式加熱器を有する温水サイクルとを
    備えた車両用空気調和装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、 前記冷凍サイクルは、前記ダクト外に設置された室外熱
    交換器を、前記冷媒圧縮機より冷媒の流れ方向の下流側
    に直列して接続したことを特徴とする車両用空気調和装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2のいずれかに記載
    の車両用空気調和装置において、 前記温水サイクルは、車室外空気と温水とを熱交換させ
    て温水を冷却するラジエータを、通電されると発熱する
    走行用モータや走行用インバータなどの車載電気機器を
    温水により冷却する排熱冷却器と直列して接続したこと
    を特徴とする車両用空気調和装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の車両用空気調和装置において、 前記温水サイクルは、燃料の燃焼熱により温水を加熱す
    る燃焼式ヒータを、前記温水式加熱器と直列して接続し
    たことを特徴とする車両用空気調和装置。
  5. 【請求項5】請求項2に記載の車両用空気調和装置にお
    いて、 前記冷媒水熱交換器と前記室外熱交換器との間に減圧手
    段を接続したことを特徴とする車両用空気調和装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の車両用空気調和装置において、 前記温水サイクルは、通電されると発熱する走行用モー
    タや走行用インバータなどの車載電気機器を温水により
    冷却する排熱冷却器を、前記温水式加熱器と直列して接
    続したことを特徴とする車両用空気調和装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項6のいずれかに記載
    の車両用空気調和装置において、 前記温水サイクルは、電気ヒータにより温水を加熱する
    電気温水加熱器を、前記温水式加熱器と直列して接続し
    たことを特徴とする車両用空気調和装置。
  8. 【請求項8】請求項1ないし請求項7のいずれかに記載
    の車両用空気調和装置において、 前記冷凍サイクルは、前記ダクト内において前記温水式
    加熱器の風上側に前記冷媒蒸発器を配置したことを特徴
    とする車両用空気調和装置。
  9. 【請求項9】請求項1ないし請求項8のいずれかに記載
    の車両用空気調和装置において、 前記車両用空気調和装置は、前記冷媒圧縮機の回転速度
    を制御して能力制御を行う回転速度制御手段を備えたこ
    とを特徴とする車両用空気調和装置。
  10. 【請求項10】請求項3に記載の車両用空気調和装置に
    おいて、 前記温水サイクルは、温水を前記ラジエータから迂回さ
    せるバイパス流路を備えたことを特徴とする車両用空気
    調和装置。
  11. 【請求項11】請求項1に記載の車両用空気調和装置に
    おいて、 前記温水式加熱器は、被加熱空気を迂回させる量を変化
    させるエアミックスダンパを備えたことを特徴とする車
    両用空気調和装置。
  12. 【請求項12】請求項1に記載の車両用空気調和装置に
    おいて、 前記冷凍サイクルは、前記ダクト外に設置され、前記冷
    媒圧縮機より冷媒の流れ方向の下流側に直列して接続さ
    れた室外熱交換器、および前記冷媒水熱交換器と前記室
    外熱交換器との間に接続された減圧手段を備え、 前記温水サイクルは、前記温水式加熱器と直列して接続
    され、燃料の燃焼熱により温水を加熱する燃焼式ヒータ
    を備え、 車室外空気の温度に基づいて、前記冷媒圧縮機の運転に
    よるヒートポンプ温水暖房と前記燃焼式ヒータの運転に
    よる燃焼ヒータ温水暖房を使い分けるようにしたことを
    特徴とする車両用空気調和装置。
  13. 【請求項13】請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の車両用空気調和装置において、 内部に温水が循環する水冷却部を有し、発電機を回転駆
    動する水冷式の内燃機関を備え、 前記冷媒圧縮機は、前記発電機から電力の供給を受けて
    作動する電動式の冷媒圧縮機であって、 前記温水サイクルは、前記内燃機関の水冷却部を、前記
    冷媒水熱交換器より水の流れ方向の下流側に直列接続し
    たことを特徴とする車両用空気調和装置。
  14. 【請求項14】請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の車両用空気調和装置において、 内部に温水が循環する水冷却部を有し、前記冷媒圧縮機
    を回転駆動する水冷式の内燃機関を備え、 前記温水サイクルは、前記内燃機関の水冷却部を、前記
    冷媒水熱交換器より水の流れ方向の下流側に直列接続し
    たことを特徴とする車両用空気調和装置。
  15. 【請求項15】請求項1に記載の車両用空気調和装置に
    おいて、 前記冷媒圧縮機は、駆動電源としてのインバータにより
    制御される電動式の冷媒圧縮機であって、 前記温水サイクルは、前記インバータを温水により冷却
    する排熱冷却器を、前記温水式加熱器と直列接続したこ
    とを特徴とする車両用空気調和装置。
  16. 【請求項16】請求項1に記載の車両用空気調和装置に
    おいて、 少なくとも前記冷媒圧縮機と前記冷媒水熱交換器を含む
    構成部品は、一体の箱体に収納されていることを特徴と
    する車両用空気調和装置。
  17. 【請求項17】請求項4に記載の車両用空気調和装置に
    おいて、 前記燃焼式ヒータは、前記冷媒水熱交換器より温水の流
    れ方向の下流側に直列して接続し、且つ前記温水式加熱
    器より温水の流れ方向の上流側に直列して接続すると共
    に、前記冷媒圧縮機と同時運転されることを特徴とする
    車両用空気調和装置。
  18. 【請求項18】請求項2または請求項5に記載の車両用
    空気調和装置において、 前記室外熱交換器は、冷房運転時に冷媒を凝縮させる凝
    縮器として働き、暖房運転時に冷媒を蒸発させる蒸発器
    として働き、 前記室外熱交換器内の冷媒の流れ方向を、冷房運転時と
    暖房運転時とで逆方向にしたことを特徴とする車両用空
    気調和装置。
  19. 【請求項19】請求項17に記載の車両用空気調和装置
    において、 前記車両用空気調和装置は、暖房運転の起動を指示する
    指示手段と、 車室内の暖房状態に関する物理量を検出する物理量検出
    手段と、 前記指示手段にて暖房運転の起動が指示された際に、前
    記燃焼式ヒータを前記冷媒圧縮機と同時運転するように
    制御し、前記物理量検出手段の検出値が所定の物理量に
    達した際に前記燃焼式ヒータを単独運転するように制御
    する暖房運転制御手段とを備えたことを特徴とする車両
    用空気調和装置。
  20. 【請求項20】請求項1に記載の車両用空気調和装置に
    おいて、 前記車両用空気調和装置は、車室内に吹き出す空気の吹
    出温度を所望の温度に設定する吹出温度設定手段と、 この吹出温度設定手段にて設定された吹出温度に基づい
    て、目標吹出温度を決定する目標吹出温度決定手段と、 前記目標吹出温度決定手段で決定した目標吹出温度に基
    づいて目標温水温度を決定する目標温水温度決定手段
    と、 前記温水式加熱器より流出した温水の温度を検出する温
    水温度検出手段と、 前記目標温水温度決定手段で決定した目標温水温度と前
    記温水温度検出手段で検出した温水温度との温度偏差に
    基づいて、前記冷媒水熱交換器での温水の加熱量を制御
    する温水加熱量制御手段とを備えたことを特徴とする車
    両用空気調和装置。
  21. 【請求項21】請求項1に記載の車両用空気調和装置に
    おいて、 前記車両用空気調和装置は、前記冷凍サイクルの高圧圧
    力を検出する冷媒圧力検出手段と、 前記冷凍サイクルのトラブルを防止するための保護冷媒
    圧力を決定する保護圧力決定手段と、 この保護圧力決定手段で決定した保護冷媒圧力より低い
    目標冷媒圧力を決定する目標冷媒圧力決定手段と、 前記冷媒圧力検出手段で検出した前記冷凍サイクルの高
    圧圧力と前記目標冷媒圧力決定手段で決定した目標冷媒
    圧力との圧力偏差に基づいて、前記冷媒水熱交換器での
    温水の加熱量を制御する温水加熱量制御手段とを備えた
    ことを特徴とする車両用空気調和装置。
  22. 【請求項22】請求項20および請求項21に記載の車
    両用空気調和装置において、 前記温水加熱量制御手段は、前記温水温度と前記目標温
    水温度との温度偏差が大きい時に、前記冷凍サイクルの
    高圧圧力と前記目標冷媒圧力との圧力偏差に基づいて、
    前記冷媒圧縮機の回転速度を制御すると共に、 前記温水温度と前記目標温水温度との温度偏差が小さい
    時に、前記温水温度と前記目標温水温度との温度偏差に
    基づいて、前記冷媒圧縮機の回転速度を制御することを
    特徴とする車両用空気調和装置。
  23. 【請求項23】請求項2または請求項5に記載の車両用
    空気調和装置において、 前記室外熱交換器は、冷房運転時に冷媒を凝縮させる凝
    縮器として働き、暖房運転時に冷媒を蒸発させる蒸発器
    として働き、 暖房運転時に前記室外熱交換器が着霜した場合に、前記
    室外熱交換器を凝縮器として働かせ前記室外熱交換器を
    除霜することを特徴とする車両用空気調和装置。
  24. 【請求項24】請求項23に記載の車両用空気調和装置
    において、 前記温水サイクルは、燃料の燃焼熱により温水を加熱す
    る燃焼式ヒータを、前記温水式加熱器と直列して接続
    し、 前記燃焼式ヒータは、前記室外熱交換器の除霜中に前記
    冷媒圧縮機と同時運転されることを特徴とする車両用空
    気調和装置。
  25. 【請求項25】請求項12に記載の車両用空気調和装置
    において、 前記車両用空気調和装置は、車室外温度を検出する外気
    温検出手段を有し、この外気温検出手段で検出した車室
    外温度に基づいて、前記冷媒圧縮機の運転によるヒート
    ポンプ温水暖房と前記燃焼式ヒータの運転による燃焼ヒ
    ータ温水暖房を使い分けて車室内の暖房を行う暖房運転
    制御手段を備え、 前記暖房運転制御手段は、前記外気温検出手段で検出し
    た車室外温度が予め定めた車室外温度以上に上昇した時
    に、前記ヒートポンプ温水暖房のみで車室内の暖房を行
    うことを特徴とする車両用空気調和装置。
  26. 【請求項26】請求項25に記載の車両用空気調和装置
    において、 前記暖房運転制御手段は、前記燃焼式ヒータの最低暖房
    能力にて前記燃焼ヒータ温水暖房にて車室内の暖房を行
    っている時、車室内の暖房状況がある定められた暖房状
    態値を越えて過剰暖房状況に入ったか否かを判定する判
    定手段を有し、この判定手段で過剰暖房状況に入ったと
    判定した場合に、前記燃焼ヒータ温水暖房を停止し、前
    記ヒートポンプ温水暖房のみで車室内の暖房を行うこと
    を特徴とする車両用空気調和装置。
  27. 【請求項27】請求項1に記載の車両用空気調和装置に
    おいて、 前記温水式加熱器は、その温水式加熱器内に流入する温
    水の温度を検出する温水温度検出手段を有し、 前記温水温度検出手段は、その表面全体が前記温水式加
    熱器の温水通路外表面に熱的に密着していることを特徴
    とする車両用空気調和装置。
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