JPH05330331A - 電気自動車用空気調和装置 - Google Patents

電気自動車用空気調和装置

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JPH05330331A
JPH05330331A JP14138992A JP14138992A JPH05330331A JP H05330331 A JPH05330331 A JP H05330331A JP 14138992 A JP14138992 A JP 14138992A JP 14138992 A JP14138992 A JP 14138992A JP H05330331 A JPH05330331 A JP H05330331A
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JP
Japan
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refrigerant
water
heat
heat exchanger
vehicle
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Application number
JP14138992A
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English (en)
Inventor
Yasushi Yamanaka
康司 山中
Shigeo Numazawa
成男 沼澤
Kenichi Fujiwara
健一 藤原
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Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 夏期の夜間充電中に蓄冷しておいた冷水また
は氷を用いて冷房開始時に車室内冷房の補助を行って、
電気自動車の走行距離の低下を防止する。 【構成】 ヒートポンプの水冷媒熱交換器28内に、夏
期の夜間充電中に蓄冷しておいた保温槽54内の冷水を
供給して、水冷媒熱交換器28内に流入する冷媒を過冷
却することにより車室内の冷房を助け、さらにヒートポ
ンプの成績係数を向上させて冷媒圧縮機の省動力化を図
っているので、バッテリ4の充電量の減少を抑えて電気
自動車の走行距離の低下を防げる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車載電源の充電中に作
った冷水または氷を電気自動車への乗車時にエアコンに
よる車室内冷房の補助に使用するようにした電気自動車
用空気調和装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気自動車は、内燃機関搭載
車のようなエンジン冷却水(温水)を有していないた
め、ヒートポンプを用いて車室内の暖房、冷房を行って
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ヒートポン
プにより車室内を暖房する電気自動車においては、冷房
開始時に車室内を快適温度まで冷却する際、最も冷房能
力と大きな動力が必要となるので、冷媒圧縮機で消費す
る電力が大きく車載電源の充電量が大きく減少する。な
お、車載電源は、電気自動車の走行用モータへも電力を
供給しているので、電気自動車の走行距離の低下を招い
てしまうという課題があった。
【0004】本発明は、車載電源の充電中に蓄冷してお
いた冷水または氷を用いて車室内冷房の補助を行って、
電気自動車の走行距離の低下を防止する電気自動車用空
気調和装置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、外部電源によ
り充電される車載電源と、この車載電源によって通電さ
れると作動する電動式の冷媒圧縮機と、車室内への送風
ダクト内に配され、前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒
と車室内への送風空気とを熱交換させて車室内への送風
空気を加熱する冷媒凝縮器と、この冷媒凝縮器より流入
した冷媒を減圧する第1減圧手段と、車室外に配され、
前記第1減圧手段または前記冷媒凝縮器より流入した冷
媒と水とを熱交換させて冷媒を加熱または過冷却する水
冷媒熱交換器と、この水冷媒熱交換器より流入した冷媒
を減圧する第2減圧手段と、車室内への送風ダクト内に
配され、前記第2減圧手段より流入した冷媒と車室内へ
の送風空気とを熱交換させて車室内への送風空気を冷却
する冷媒蒸発器と、前記冷媒圧縮機と前記冷媒凝縮器と
前記第1減圧手段と前記水冷媒熱交換器を冷媒が順次循
環する第1冷媒回路と、前記冷媒圧縮機と前記冷媒凝縮
器と前記水冷媒熱交換器と前記第2減圧手段と前記冷媒
蒸発器を冷媒が順次循環する第2冷媒回路と、前記第1
冷媒回路と前記第2冷媒回路とを切り替える回路切替手
段と、前記水冷媒熱交換器内に水を循環させる水循環回
路中に設けられ、内部に流入した水を保温する保温槽
と、前記車載電源を充電する際に、前記回路切替手段を
制御して前記第1冷媒回路に切り替えると共に前記冷媒
圧縮機を作動させ、車室内を冷房する際に、前記回路切
替手段を制御して前記第2冷媒回路に切り替えると共に
前記冷媒圧縮機を作動させる制御装置とを備えた技術手
段を採用した。
【0006】
【作用】車載電源を充電する際には、回路切替手段によ
って第1冷媒回路に切り替えられ、電動式の冷媒圧縮機
が通電される。このため、冷媒圧縮機より吐出された冷
媒は、冷媒凝縮器で凝縮され、第1減圧手段を通過する
ときに減圧される。そして、第1減圧手段より水冷媒熱
交換器内に流入した冷媒は、水循環回路により供給され
る水と熱交換して水を冷却する。さらに、水冷媒熱交換
器で冷却された水は、保温槽内で蓄冷される。
【0007】そして、乗員が電気自動車への乗車して車
室内を冷房する際には、回路切替手段によって第2冷媒
回路に切り替えられ、電動式の冷媒圧縮機が通電され
る。このため、冷媒圧縮機より吐出された冷媒は、冷媒
凝縮器で凝縮され、水冷媒熱交換器内に流入する。一
方、保温槽内の冷水も水冷媒熱交換器内に流入すること
により、冷水と冷媒とが水冷媒熱交換器内で熱交換する
ため冷媒が過冷却される。そして、水冷媒熱交換器で過
冷却された冷媒は、第2減圧手段を通過するときに減圧
された後に冷媒蒸発器に送られ、冷媒蒸発器で空気を冷
却する。よって、車載電源の充電中に蓄冷した冷水を利
用して車室内の冷房を行っているので、車室内が快適温
度まで迅速に冷却される。
【0008】なお、冷媒が水の低温の熱エネルギーを利
用して車室内を冷房することにより、従来の技術のもの
と同じ冷房能力が省動力で得られるので、電動式の冷媒
圧縮機の消費する電力が軽減される。したがって、車載
電源の充電量の消耗を抑えながら車室内が冷房されるの
で、電気自動車の走行距離が長くなる。ここで、本発明
において電気自動車への乗車時とは、運転者により運転
スイッチがオンされ、アクセルペダルが踏み込まれると
直ちに走行用モータが回転することが可能な状態を言
う。
【0009】
【実施例】つぎに、本発明の電気自動車用空気調和装置
を図1ないし図7に示す一実施例に基づいて説明する。
図1は蓄熱剤冷却兼加熱装置を示した図で、図2はヒー
トポンプを示した図で、図3は電気自動車を示した図で
ある。電気自動車1は、図3に示したように、ジャンク
ションボックス2を介して外部電源としての充電器3に
より充電される車載電源としてのバッテリ4、ジャンク
ションボックス2を介してバッテリ4より電力が供給さ
れるインバータ5、このインバータ5により周波数を変
換されることにより回転数が変わる走行用モータ6、こ
の走行用モータ6により駆動されるトランスミッション
7、このトランスミッション7の出力軸8に連結するデ
ィファレンシャル機構9を搭載している。
【0010】また、電気自動車1は、車室内の空調を行
う空気調和装置10を搭載している。その空気調和装置
10は、図2に示したように、車室内に空気を送るため
の送風ダクト11、この送風ダクト11内に車室内に向
かう空気流を発生させるブロワ12、車室内を暖房、冷
房するヒートポンプ13、蓄熱剤14a(図1参照)を
冷却または加熱する蓄熱剤冷却兼加熱装置14、および
空気調和装置10を制御する制御装置15を備える。
【0011】送風ダクト11の内部には、内気導入口1
6から導入した内気(車室内空気)または外気導入口1
7から導入した外気(車室外空気)を、デフ吹出口1
8、ベント吹出口19またはフット吹出口20へ送る空
気流路21が形成されている。ブロワ12は、空気流路
21の風上側に配され、ブロワモータ22により回転駆
動される。そのブロワモータ22は、電気自動車に搭載
されたバッテリ4より電力が供給されるとブロワ12を
所定の回転数で回転させる。
【0012】ヒートポンプ13は、いわゆるアキューム
レータ式の冷凍サイクルであって、冷媒圧縮機23、第
1室内熱交換器24、第1、第2減圧装置25a、25
b、第2室内熱交換器26、室外熱交換器27、水冷媒
熱交換器28およびアキュームレータ29等を接続して
なる。また、ヒートポンプ13は、逆止弁13a〜13
d、四方弁30および電磁弁31〜36によってヒート
ポンプ13の冷媒の流れ方向を暖房運転と冷房運転とで
切り替えるようにしている。
【0013】冷媒圧縮機23は、密閉式のハウジング3
8内に収納されている。この冷媒圧縮機23は、ハウジ
ング38内に装着された電動モータ23aにより回転駆
動され、吸入側より内部に吸入した冷媒ガスを圧縮して
高温高圧の冷媒ガスを吐出側より吐出する。その電動モ
ータ23aは、バッテリ4(図3参照)より電力が供給
されると所定の回転数で冷媒圧縮機23を駆動する。
【0014】第1室内熱交換器24は、第2室内熱交換
器26の風下側の空気流路21に配され、第1減圧装置
25aと逆止弁13a、13bとの間に接続されてい
る。第1室内熱交換器24の風上側には、第1室内熱交
換器24を通過する空気量と第1室内熱交換器24を迂
回する空気量とを調節して車室内への吹出空気の温度を
調整するエアミックスドア24aが回動自在に取り付け
られている。この第1室内熱交換器24は、暖房運転時
と冷房運転時に高温の冷媒ガスと空気流路21内を流れ
る空気とを熱交換させて空気を加熱するとともに冷媒を
凝縮させる冷媒凝縮器として働く。
【0015】第1減圧装置25aは、本発明の第1減圧
手段であって、例えばキャピラリチューブ等の固定絞り
が用いられ、第1室内熱交換器24と水冷媒熱交換器2
8との間に接続されている。第2減圧装置25bは、本
発明の第2減圧手段であって、例えばキャピラリチュー
ブ等の固定絞りが用いられ、水冷媒熱交換器28と第2
室内熱交換器26との間に接続されている。
【0016】第2室内熱交換器26は、本発明の冷媒蒸
発器であって、第1室内熱交換器24の風上側の空気流
路21に配され、第2減圧装置25bと逆止弁13c、
13dとの間に接続されている。この第2室内熱交換器
26は、冷房運転時に低温低圧の霧状冷媒と空気流路2
1内を流れる空気とを熱交換させて空気を冷却するとと
もに冷媒を蒸発させる冷媒蒸発器として働く。
【0017】室外熱交換器27は、本発明の冷媒凝縮器
であって、車室外、例えば電気自動車1の走行風を受け
易い場所に設置され、四方弁30と逆止弁13b、13
dとの間に接続されている。この室外熱交換器27は、
暖房運転時に第2室内熱交換器26で蒸発した低圧の冷
媒ガスと電動ファン27aにより吹き付けられる外気と
を熱交換させて冷媒が吸熱する冷媒蒸発器として働く。
また、室外熱交換器27は、冷房運転時に高温高圧の冷
媒ガスと電動ファン27aにより吹き付けられる外気と
を熱交換させて冷媒を凝縮させる冷媒凝縮器として働
く。
【0018】水冷媒熱交換器28は、車室外に配され、
第1、第2減圧装置25a、25b間に接続されてい
る。この水冷媒熱交換器28は、乗員が電気自動車へ乗
車して暖房運転を選択した時に、第1室内熱交換器2
4、第1減圧装置25aを通って流入する低圧の霧状冷
媒と蓄熱された温水とを熱交換させて冷媒を蒸発させる
冷媒蒸発器として働く。
【0019】また、水冷媒熱交換器28は、夏期、例え
ば外気温の高い時の夜間充電中にヒートポンプ13と蓄
熱剤冷却兼加熱装置14が共に作動した際、第1室内熱
交換器24、第1減圧装置25aを通って流入する低圧
の霧状冷媒と内部に流入した水とを熱交換させて水を冷
却する冷媒蒸発器としても働く。このとき、第1室内熱
交換器24は、エアミックスドア24aが閉じられてい
るので冷媒と空気との熱交換は行わない。
【0020】さらに、水冷媒熱交換器28は、乗員が電
気自動車へ乗車して冷房運転を選択した時に、室外熱交
換器27、第1室内熱交換器24、バイパス管路31a
を通って流入した高温の液冷媒と蓄冷された冷水とを熱
交換させて冷媒を過冷却する熱交換器として働く。アキ
ュームレータ29は、冷媒圧縮機23の吸入側と四方弁
30との間に接続され、四方弁30より流入した冷媒を
液冷媒と冷媒ガスとに分離して冷媒ガスのみ冷媒圧縮機
23の吸入側に供給する。
【0021】電磁弁31〜36、四方弁30および逆止
弁13a〜13dは、本発明の回路切替手段であって、
電磁弁31は、第1減圧装置25aに並列接続されたバ
イパス管路31aに配され、通電されると開弁してバイ
パス管路31aに冷媒を循環させ、通電が停止されると
閉弁してバイパス管路31aを遮断して第1減圧装置2
5aに冷媒を循環させる。電磁弁32は、第2減圧装置
25b、第2室内熱交換器26に並列接続された冷媒管
路32aに配され、通電されると開弁して第2室内熱交
換器26による除湿または冷房が不要な場合に冷媒を迂
回させ、通電が停止されると閉弁して冷媒管路32aを
遮断する。
【0022】電磁弁33は、水冷媒熱交換器28に並列
接続されたバイパス管路33aに配され、通電されると
開弁してバイパス管路33aに冷媒を循環させ、通電が
停止されると閉弁してバイパス管路33aを遮断する。
【0023】電磁弁34、35は、冷媒管路34aに配
され、通電されると開弁して室外熱交換器27に冷媒を
循環させ、通電が停止されると閉弁して冷媒管路34a
を遮断する。電磁弁36は、室外熱交換器27に並列接
続されたバイパス管路36aに配され、通電されると開
弁してバイパス管路36aに冷媒を循環させ、通電が停
止されると閉弁してバイパス管路36aを遮断する。
【0024】なお、ヒートポンプ13の蓄冷運転(四方
弁30が図示破線位置)時に、電磁弁32、34、35
を開弁し、電磁弁31、33、36を閉弁すると、冷媒
圧縮機23の吐出側→四方弁30→室外熱交換器27→
逆止弁13b→第1室内熱交換器24→第1減圧装置2
5a→水冷媒熱交換器28→冷媒管路32a→逆止弁1
3c→四方弁30→アキュームレータ29→冷媒圧縮機
23の吸入側を冷媒が循環する第1冷媒回路(蓄冷回
路)が形成される。
【0025】また、ヒートポンプ13の冷房運転時に、
電磁弁31、34、35を開弁し、電磁弁32、33、
36を閉弁すると、冷媒圧縮機23の吐出側→四方弁3
0→室外熱交換器27→逆止弁13b→第1室内熱交換
器24→バイパス管路31a→水冷媒熱交換器28→第
2減圧装置25b→第2室内熱交換器26→逆止弁13
c→四方弁30→アキュームレータ29→冷媒圧縮機2
3の吸入側を冷媒が循環する第2冷媒回路(蓄冷冷房回
路)が形成される。
【0026】そして、ヒートポンプ13の暖房運転(四
方弁30が図示実線位置)時に、電磁弁32、36を開
弁し、電磁弁31、33〜35を閉弁すると、冷媒圧縮
機23の吐出側→四方弁30→逆止弁13a→第1室内
熱交換器24→第1減圧装置25a→水冷媒熱交換器2
8→冷媒管路32a→逆止弁13d→バイパス管路36
a→四方弁30→アキュームレータ29→冷媒圧縮機2
3の吸入側を冷媒が循環する第3冷媒回路(蓄熱暖房回
路)が形成される。
【0027】また、ヒートポンプ13の暖房運転時に、
電磁弁32〜35を開弁し、電磁弁31、36を閉弁す
ると、冷媒圧縮機23の吐出側→四方弁30→逆止弁1
3a→第1室内熱交換器24→第1減圧装置25a→バ
イパス管路33a→冷媒管路32a→逆止弁13d→室
外熱交換器27→四方弁30→アキュームレータ29→
冷媒圧縮機23の吸入側を冷媒が循環する第4冷媒回路
(通常暖房回路)が形成される。
【0028】蓄熱剤冷却兼加熱装置14は、水循環回路
42、電気ヒータ43、第1、第2廃熱回収器44、4
5、室外熱交換器46、循環ポンプ47、48、三方弁
49、50および電磁弁51、52等により構成されて
いる。水循環回路42には、内部と外部とを断熱する断
熱材53により覆われ、内部に流入した水を保温する保
温槽54が取り付けられている。また、保温槽54内に
は、ビニールチューブ等の被覆体内に入れられた複数本
の蓄熱剤14aが収納されている。蓄熱剤14aは、例
えば純粋な水が用いられる。また、断熱材53として
は、例えば発泡材、真空瓶等が用いられる。
【0029】水循環回路42は、保温槽54、三方弁4
9、水冷媒熱交換器28、三方弁50、第1、第2廃熱
回収器44、45、循環ポンプ47を環状に接続して水
冷媒熱交換器28に水(使用環境において凍結しない程
度の濃度のエチレングリコール水溶液:不凍液)を循環
させる。また、水循環回路42には、水冷媒熱交換器2
8を迂回するバイパス路55と、第1、第2廃熱回収器
44、45を迂回するバイパス路56と、室外熱交換器
46を通過する水冷却路57と、室外熱交換器46を迂
回するバイパス路58とが接続されている。電気ヒータ
43は、保温槽54内に設置されており、冬期等の外気
温の低温時にバッテリ4の充電時に充電器3からの電力
によって保温槽54内の水を加熱するもので、例えばニ
クロム線ヒータが用いられる。
【0030】第1廃熱回収器44は、車室外に配され、
三方弁50と第2廃熱回収器45との間に接続されてい
る。この第1廃熱回収器44は、電気自動車1の走行用
モータ6の外周部に水が流れ込むウォータジャケットを
備え、電気自動車1の走行用モータ6の作動に伴って生
ずる廃熱を回収し、その廃熱によって水を加熱する。第
2廃熱回収器45は、車室外に配され、第1廃熱回収器
44と循環ポンプ47との間に接続されている。この第
2廃熱回収器45は、インバータ5に組み込まれるトラ
ンジスタ等の発熱体を固定する熱伝導性に優れる板材の
外周に水が流れ込む水室を備え、インバータ5の作動に
伴って生ずる発熱体の廃熱を回収し、その廃熱によって
水を加熱する。
【0031】室外熱交換器46は、車室外、例えば電気
自動車1の走行風を受け易い場所に設置され、高温の水
と電動ファン46aにより吹き付けられる外気とを熱交
換させて水を冷却する。循環ポンプ47は、電動モータ
47aにより回転駆動され、第2廃熱回収器45と保温
槽54との間に接続され、バッテリ4より電力が供給さ
れると水を循環させる。循環ポンプ48は、電動モータ
48aにより回転駆動され、三方弁50と保温槽54と
の間に接続され、バッテリ4より電力が供給されると水
を循環させる。電動モータ47a、48aは、バッテリ
4より電力が供給されると所定の回転数で循環ポンプ4
7、48を駆動する。
【0032】三方弁49は、電磁コイル49aが通電さ
れると水冷媒熱交換器28と保温槽54とを接続する第
1位置に設定され、電磁コイル49aの通電が停止され
ると保温槽54とバイパス路55とを接続する第2位置
に設定される。三方弁50は、電磁コイル50aが通電
されると水冷媒熱交換器28と第1、第2廃熱回収器4
4、45とを接続する第1位置に設定され、電磁コイル
50aの通電が停止されるとバイパス路56と水冷媒熱
交換器28とを接続する第2位置に設定される。
【0033】なお、三方弁49が第1位置に設定され、
三方弁50が第2位置に設定されると、保温槽54→水
冷媒熱交換器28→循環ポンプ48→保温槽54を水が
循環する蓄熱水循環回路が形成される。また、三方弁4
9が第1位置に設定され、三方弁50が第1位置に設定
されると、保温槽54→水冷媒熱交換器28→第1廃熱
回収器44→第2廃熱回収器45→循環ポンプ47→保
温槽54を水が循環する廃熱水循環回路が形成される。
さらに、三方弁49が第2位置に設定されると、保温槽
54→バイパス路55→第1廃熱回収器44→第2廃熱
回収器45→循環ポンプ47→保温槽54を水が循環す
る廃熱回収回路が形成される。
【0034】電磁弁51は、通電されると開弁して水冷
却路57に水を供給し、通電が停止されると閉弁してバ
イパス路58に水を供給する。なお、電磁弁51の代わ
りにサーモスタット(感温弁)を用いても良い。電磁弁
52は、通電されると開弁して保温槽54に水を一部供
給し、通電が停止されると閉弁してバイパス路58のみ
に水を供給する。
【0035】制御装置15は、電気自動車1の制御用コ
ンピュータ60、空気調和装置10のコントロールパネ
ル61、水温センサ62、63および外気温センサ64
からの電気信号に基づいて、ブロワモータ22、電磁弁
31〜36、51、52、電動モータ23a、47a、
48a、電動ファン27a、46a、電気ヒータ43、
電磁コイル49a、50aの通電(以下オンと呼ぶ)お
よび通電の停止(以下オフと呼ぶ)を制御する。
【0036】制御用コンピュータ60は、バッテリ4の
充電時に制御装置15に充電信号を送るとともに、運転
スイッチ65のオン時、すなわち、走行用モータ6の作
動時に制御装置15に運転信号を送る。なお、走行用モ
ータ6は、運転者により運転スイッチ65がオンされ、
アクセルペダル(図示せず)が踏み込まれるとバッテリ
4より電力が供給されて回転する。
【0037】コントロールパネル61は、車室内の前面
に取り付けられ、暖房運転と冷房運転の切り替え、内外
気の切り替え、吹出口の切り替え、車室内の希望温度の
設定等の各種のコントロールスイッチ(図示せず)を有
し、各種のコントロールスイッチに応じた電気信号(例
えば暖房信号や冷房信号等)を制御装置15に送る。
【0038】水温センサ62は、保温槽54内の水の温
度を検出して、その検出した温度を電気信号に変換して
制御装置15に送る。水温センサ63は、廃熱回収後の
水の温度を検出するもので、本実施例では循環ポンプ4
7の下流側と電磁弁51の上流側との間に設置されて、
この部位の水の温度を検出して、その検出した温度を電
気信号に変換して制御装置15に送る。外気温センサ6
4は、外気温(車室外空気の温度)を検出して、その検
出した外気温を電気信号に変換して制御装置15に送
る。
【0039】つぎに、この電気自動車用空気調和装置1
0の作動を図1ないし図6に基づいて説明する。図4は
制御装置15における夏期の夜間充電時の蓄冷運転の一
例を示したフローチャートである。初めに、制御用コン
ピュータ60から充電信号を入力しているか否かを判断
する(ステップS1)。このステップS1の判断結果が
Noの場合には、リターンする。また、ステップS1の
判断結果がYesの場合には、外気温センサ64で検出
した外気温Tamが所定温度Ts1℃(例えば25℃)以上
に上昇しているか否かを判断する(ステップS2)。
【0040】このステップS2の判断結果がNoの場合
には、リターンする。また、ステップS2の判断結果が
Yesの場合には、ヒートポンプ13の冷媒圧縮機23
の電動モータ23aと室外熱交換器27の電動ファン2
7aと電磁弁32、34、35をオンし、電磁弁31、
33、36をオフし、四方弁30を冷房運転側(図示破
線側)に切り替えて蓄冷運転を行う(ステップS3)。
さらに、蓄熱剤冷却兼加熱装置14の循環ポンプ48の
電動モータ48a、三方弁49の電磁コイル49aをオ
ンし、三方弁50の電磁コイル50aをオフする蓄熱水
循環運転を行う(ステップS4)。
【0041】そのヒートポンプ13の蓄冷運転では、冷
媒圧縮機23の吐出側→四方弁30→室外熱交換器27
→逆止弁13b→第1室内熱交換器24→第1減圧装置
25a→水冷媒熱交換器28→冷媒管路32a→逆止弁
13c→四方弁30→アキュームレータ29→冷媒圧縮
機23の吸入側を冷媒が循環する。また、蓄熱剤冷却兼
加熱装置14の蓄熱水循環運転では、保温槽54→水冷
媒熱交換器28→循環ポンプ48→保温槽54を水が循
環する蓄熱水循環回路が形成される。したがって、夏期
の夜間充電時に冷媒蒸発器として働く水冷媒熱交換器2
8で冷却された例えば−10℃の冷水が保温槽54内に
流入する。
【0042】そして、水温センサ62で検出した水の温
度Tw1が所定温度Ts2℃(例えば−10℃)以下に低下
しているか否かを判断する(ステップS5)。このステ
ップS5の判断結果がNoの場合には、ステップS5の
制御を行う。また、ステップS5の判断結果がYesの
場合には、冷媒圧縮機23の電動モータ23aと室外熱
交換器27の電動ファン27aと電磁弁31〜36をオ
フしてヒートポンプ13の蓄冷運転を停止する(ステッ
プS6)。さらに、循環ポンプ48の電動モータ48
a、三方弁49の電磁コイル49aをオンし、三方弁5
0の電磁コイル50aをオフして蓄熱剤冷却兼加熱装置
14の蓄熱水循環運転を停止し(ステップS7)、その
後にリターンする。
【0043】したがって、夏期の夜間充電時には、保温
槽54内の水が例えば−10℃となるようにヒートポン
プ13により冷却され、乗車時の冷房運転時の急速冷房
のために、保温槽54内の多数の蓄熱剤14aが蓄冷さ
れる。
【0044】図5は制御装置15における電気自動車1
への乗車時のヒートポンプの蓄冷冷房運転および蓄熱剤
冷却兼加熱装置の蓄熱回収運転の一例を示したフローチ
ャートである。初めに、コントロールパネル61より冷
房信号を入力しているか否かを判断する(ステップS1
1)。このステップS11の判断結果がNoの場合に
は、ブロワモータ22と冷媒圧縮機23の電動モータ2
3aと室外熱交換器27の電動ファン27aと電磁弁3
1〜36をオフしてヒートポンプ13の蓄冷冷房運転を
終了する(ステップS12)。その後にリターンする。
また、ステップS11の判断結果がYesの場合には、
ブロワモータ22と冷媒圧縮機23の電動モータ23a
と室外熱交換器27の電動ファン27aと電磁弁34、
35をオンし、電磁弁31〜33、36をオフし、四方
弁30を冷房運転側に切り替えて蓄冷冷房運転を行う
(ステップS13)。さらに、水温センサ62で検出し
た水の温度Tw1が所定温度Ts3℃(例えば30℃)以下
に低下しているか否かを判断する(ステップS14)。
【0045】このステップS14の判断結果がNoの場
合には、循環ポンプ48の電動モータ48a、三方弁4
9の電磁コイル49a、三方弁50の電磁コイル50a
をオフして蓄熱剤冷却兼加熱装置14の蓄熱回収運転を
停止する(ステップS15)。その後にリターンする。
【0046】また、ステップS14の判断結果がYes
の場合には、蓄熱剤冷却兼加熱装置14の循環ポンプ4
8の電動モータ48a、三方弁49の電磁コイル49a
をオンし、三方弁50の電磁コイル50aをオフする蓄
熱回収運転を行う(ステップS16)。その後にリター
ンする。
【0047】そのヒートポンプ13の冷房運転では、冷
媒圧縮機23の吐出側→四方弁30→室外熱交換器27
→逆止弁13b→第1室内熱交換器24→バイパス管路
31a→水冷媒熱交換器28→第2減圧装置25b→第
2室内熱交換器26→逆止弁13c→四方弁30→アキ
ュームレータ29→冷媒圧縮機23の吸入側を冷媒が循
環する。
【0048】また、蓄熱剤冷却兼加熱装置14の蓄熱回
収運転では、保温槽54→水冷媒熱交換器28→循環ポ
ンプ48→保温槽54を水が循環する第1水回路(蓄熱
水循環回路)が形成される。よって、夏期の夜間充電時
に保温槽54内で多数の蓄熱剤14aにより蓄冷された
例えば−10℃の水が水冷媒熱交換器28内に循環す
る。
【0049】以上のように、この実施例の空気調和装置
10は、夏期の夜間充電中にヒートポンプ13により蓄
冷しておいた保温槽54内の冷水を、電気自動車1への
乗車時の冷房運転の初期に、水冷媒熱交換器28に流入
させて冷媒と熱交換させることによって、室外熱交換器
27より流入した高温の液冷媒を水冷媒熱交換器28で
過冷却して第2室内熱交換器26により車室内を冷房す
ることによって、たとえ外気温が高温であっても車室内
が急速に冷房される。
【0050】また、水冷媒熱交換器28に冷水を循環さ
せることによってヒートポンプ13の成績係数(co
p)を著しく向上することができ、従来の技術のものと
同じ冷房能力を省動力で得ることができるので、冷媒圧
縮機23の電動モータ23aの消費する電力を著しく減
少することができる。したがって、ヒートポンプ13の
運転を継続してもバッテリ4の充電量を大きく消耗させ
ることなく車室内を急速に冷房できるので、電気自動車
1の走行距離が長くなる。
【0051】図6は制御装置15における冬期の夜間充
電時の蓄熱剤冷却兼加熱装置14の蓄熱運転の一例を示
したフローチャートである。初めに、制御用コンピュー
タ60から充電信号を入力しているか否かを判断する
(ステップS21)。このステップS21の判断結果が
Noの場合には、リターンする。また、ステップS21
の判断結果がYesの場合には、外気温センサ64で検
出した外気温Tamが所定温度Ts4℃(例えば10℃)以
下に低下しているか否かを判断する(ステップS2
2)。
【0052】このステップS22の判断結果がNoの場
合には、リターンする。また、ステップS22の判断結
果がYesの場合には、電気ヒータ43をオンし(ステ
ップS23)、その後に水温センサ62で検出した水の
温度Tw1が所定温度Ts5℃(例えば90℃)以上に上昇
しているか否かを判断する(ステップS24)。
【0053】このステップS24の判断結果がNoの場
合には、ステップS24の制御を行う。また、ステップ
S24の判断結果がYesの場合には、電気ヒータ43
をオフし(ステップS25)、その後にリターンする。
【0054】したがって、冬期の夜間充電時には、保温
槽54内の水が例えば90℃となるように電気ヒータ4
3により加熱され、乗車時の暖房運転時の即効暖房のた
めに蓄熱剤14aが蓄熱される。なお、第1加熱手段で
ある電気ヒータ43として用いたニクロム線ヒータの代
わりにキュリー点が90℃のPTCヒータを用いれば上
記の制御は不要となる。
【0055】図7は制御装置15における電気自動車1
への乗車時の蓄熱剤冷却兼加熱装置14の暖房運転の一
例を示したフローチャートである。初めに、コントロー
ルパネル61より暖房信号を入力しているか否かを判断
する(ステップS31)。このステップS31の判断結
果がNoの場合には、ブロワモータ22、循環ポンプ4
7、48の電動モータ47a、48a、三方弁49、5
0の電磁コイル49a、50aをオフ(暖房運転終了)
し(ステップS32)、その後にリターンする。また、
ステップS31の判断結果がYesの場合には、水温セ
ンサ62で検出した水の温度Tw1より水温センサ63で
検出した水の温度Tw2が高いか否かを判断する(ステッ
プS33)。
【0056】このステップS33の判断結果がNoの場
合には、循環ポンプ48の電動モータ48a、三方弁4
9の電磁コイル49aをオンし、三方弁50の電磁コイ
ル50aをオフする蓄熱回収運転を行う(ステップS3
4)。その後にリターンする。この蓄熱回収運転では、
保温槽54→水冷媒熱交換器28→循環ポンプ48→保
温槽54を水が循環する第1水回路(蓄熱水循環回路)
が形成される。よって、充電時に蓄熱剤14aにより蓄
熱された保温槽54内の例えば90℃の水が水冷媒熱交
換器28内に循環する。
【0057】また、ステップS33の判断結果がYes
の場合には、循環ポンプ47の電動モータ47a、三方
弁49、50の電磁コイル49a、50a、電磁弁52
をオンし、循環ポンプ48の電動モータ48aをオフす
る廃熱回収運転を行う(ステップS35)。その後にリ
ターンする。この廃熱回収運転では、保温槽54→水冷
媒熱交換器28→第1廃熱回収器44→第2廃熱回収器
45→循環ポンプ47→保温槽54を水が循環する第2
水回路が形成される。よって、走行用モータ6およびイ
ンバータ5の廃熱により加熱された水が水冷媒熱交換器
28内に循環する。そして、保温槽54により電気自動
車1の走行パターンの変化による走行用モータ6および
インバータ5の廃熱による水の温度が平滑化される。以
上により、蓄熱回収回路および廃熱回収回路により水循
環回路42の熱が有効的に水冷媒熱交換器28に循環さ
れる。
【0058】図8は制御装置15における電気自動車1
への乗車時のヒートポンプ13の暖房運転の一例を示し
たフローチャートである。初めに、コントロールパネル
61より暖房信号を入力しているか否かを判断する(ス
テップS41)。このステップS41の判断結果がNo
の場合には、ブロワモータ22、冷媒圧縮機23の電動
モータ23a、電磁弁31〜36、室外熱交換器27の
電動ファン27aをオフしてヒートポンプ13の暖房運
転を終了し(ステップS42)、その後にリターンす
る。
【0059】また、ステップS41の判断結果がYes
の場合には、水温センサ62で検出した保温槽54内の
水の温度Tw1が外気温センサ64で検出した外気温Tam
より低下しているか否かを判断する(ステップS4
3)。
【0060】保温槽54内の水の温度Tw1が外気温Tam
以上に上昇しているときは、このステップS43の判断
結果がNoとなり、ブロワモータ22と冷媒圧縮機23
の電動モータ23aと電磁弁32、35、36をオン、
室外熱交換器27の電動ファン27aと電磁弁31、3
3、34をオフすると共に、四方弁30を暖房運転側に
切り替えて蓄熱暖房運転を行い(ステップS44)、そ
の後にリターンする。このときの冷媒の流れは、冷媒圧
縮機23の吐出側→四方弁30→逆止弁13a→第1室
内熱交換器24→第1減圧装置25a→水冷媒熱交換器
28→冷媒管路32a→逆止弁13d→室外熱交換器2
7→四方弁30→アキュームレータ29→冷媒圧縮機2
3の吸入側となる。以上により、保温槽54内の水の温
度Tw1が外気温Tam以上に上昇している間は、水循環回
路42内を循環する水から熱を回収して暖房運転を行う
ことができる。
【0061】また、保温槽54内の水の温度Tw1が外気
温Tamより低いときは、ステップS43の判断結果がY
esとなり、ブロワモータ22と冷媒圧縮機23の電動
モータ23aと室外熱交換器27の電動ファン27aと
電磁弁32、36をオンし、電磁弁31、33〜35を
オフすると共に、四方弁30を暖房運転側に切り替えて
通常暖房運転を行い(ステップS45)、その後にリタ
ーンする。このときの冷媒の流れは、冷媒圧縮機23の
吐出側→四方弁30→逆止弁13a→第1室内熱交換器
24→第1減圧装置25a→バイパス管路33a→冷媒
管路32a→逆止弁13d→室外熱交換器27→四方弁
30→アキュームレータ29→冷媒圧縮機23の吸入側
となる。
【0062】なお、室外熱交換器27が着霜した場合に
は、室外熱交換器27の除霜運転を行う。すなわち、電
磁弁32、35、36をオンし、電磁弁31、33、3
4をオフすると共に、四方弁30を冷房運転側に切り替
えて除霜運転することによって、ヒートポンプ13内の
冷媒の流れは、冷媒圧縮機23の吐出側→四方弁30→
室外熱交換器27→逆止弁13b→第1室内熱交換器2
4→第1減圧装置25a→水冷媒熱交換器28→冷媒管
路32a→逆止弁13c→四方弁30→アキュームレー
タ29→冷媒圧縮機23の吸入側となる。したがって、
室外熱交換器27内に高温の冷媒ガスが流入することに
よって室外熱交換器27の着霜が除去される。また、こ
のとき、第1室内熱交換器24は冷媒凝縮器として働く
ので、このような除霜運転時でも車室内の暖房状態が確
保される。
【0063】以上のように、この実施例の空気調和装置
10は、バッテリ4の充電中に電気ヒータ43により加
熱しておいた保温槽54内の水を、電気自動車1への乗
車時の暖房運転の初期に、水冷媒熱交換器28に流入さ
せて冷媒と熱交換させることによって、高温の熱エネル
ギーを冷媒に与えて車室内を暖房することによって、た
とえ外気温が低温であっても車室内の暖房の立ち上がり
が早くなり、車室内が即効暖房される。
【0064】また、電気自動車1への乗車時に第1、第
2廃熱回収器44、45において、その走行用モータ6
およびインバータ5の廃熱により加熱した水を、水冷媒
熱交換器28に循環させることによって、暖房側エンタ
ルピ幅と冷媒圧縮機23の仕事したエンタルピ幅との比
であるヒートポンプ13の成績係数(cop)を室外熱
交換器27を利用した時より水冷媒熱交換器28を利用
した時の方を著しく向上させることができる。
【0065】よって、従来の技術のものと同じ暖房能力
を省動力で得ることができるので、冷媒圧縮機23の電
動モータ23aの消費する電力を著しく減少することが
できる。したがって、ヒートポンプ13の運転を継続し
てもバッテリ4を大きく消耗させることなく車室内を暖
房できるので、電気自動車1の走行距離が長くなる。さ
らに、このとき、第1、第2廃熱回収器44、45と保
温槽54とを直列回路で利用しているため、電気自動車
1の走行パターンからくる廃熱量の不安定さが平滑化さ
れ暖房能力が安定する。
【0066】図9は制御装置15における電気自動車1
への乗車時の蓄熱剤冷却兼加熱装置14のオーバーヒー
ト回避運転の一例を示したフローチャートである。初め
に、制御用コンピュータ60から運転信号を入力してい
るか否かを判断する。すなわち、走行用モータ6の運転
スイッチ65がオンされているか否かを判断する(ステ
ップS51)。このステップS51の判断結果がNoの
場合には、リターンする。また、ステップS51の判断
結果がYesの場合には、水温センサ63で検出した水
の温度Tw2が所定温度Ts6℃(例えば90℃)以上に上
昇しているか否かを判断する(ステップS52)。
【0067】このステップS52の判断結果がNoの場
合には、循環ポンプ47の電動モータ47aをオンし、
電磁弁51、52、室外熱交換器46の電動ファン46
aをオフして廃熱循環運転を行い(ステップS53)、
その後にリターンする。 したがって、水温センサ63
で検出した水の温度Tw2が所定温度Ts6℃(例えば90
℃)より低下している場合は、第1廃熱回収器44→第
2廃熱回収器45→循環ポンプ47→バイパス路58→
第1廃熱回収器44を水が循環する廃熱循環回路が形成
される。よって、走行用モータ6およびインバータ5の
廃熱により水の温度が上昇する。
【0068】また、ステップS52の判断結果がYes
の場合には、循環ポンプ47の電動モータ47aをオン
し、電磁弁51、52、室外熱交換器46の電動ファン
46aをオンして廃熱放熱運転を行い(ステップS5
4)、その後にリターンする。したがって、水温センサ
63で検出した水の温度Tw2が所定温度Ts6℃(例えば
90℃)以上に上昇した場合は、第1廃熱回収器44→
第2廃熱回収器45→循環ポンプ47→電磁弁51→室
外熱交換器46→第1廃熱回収器44を水が循環する廃
熱放熱回路が形成される。よって、室外熱交換器46で
水の保有熱を放熱することにより、インバータ5、走行
用モータ6のオーバーヒートが防止できる。
【0069】〔変形例〕本実施例では、第1室内熱交換
器24を送風ダクト11内に配したが、第1室内熱交換
器24を直接車室内に設置しても良い。本実施例では、
保温槽54内に蓄熱剤14aを収納したが、保温槽54
内に蓄熱剤14aを設けなくても良い。また、蓄熱剤1
4aとして純粋な水を用いたが多他の物質を用いても良
い。本実施例では、水冷媒熱交換器28と保温槽54と
を離して設置したが、水冷媒熱交換器28を保温槽54
内に設置して、保温槽54内の水を凍結させて、氷の融
解潜熱を利用して冷媒の冷却を行うようにしても良い。
【0070】
【発明の効果】本発明は、車載電源の充電中に蓄冷して
おいた冷水を用いて車室内の冷房を補助しているので、
冷媒圧縮機の消費動力を軽減することができる。このた
め、車載電源の充電量の減少を抑えながら車室内を冷房
することができるので、電気自動車の走行距離の低下を
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用された蓄熱剤冷却兼加熱装置を示
した構成図である。
【図2】本発明に適用されたヒートポンプを示した構成
図である。
【図3】本発明に適用された電気自動車を示した構成図
である。
【図4】本発明に適用された制御装置におけるバッテリ
への充電時の蓄冷運転の一例を示したフローチャートで
ある。
【図5】本発明に適用された制御装置における電気自動
車への乗車時のヒートポンプの蓄冷冷房運転および蓄熱
剤冷却兼加熱装置の蓄熱回収運転の一例を示したフロー
チャートである。
【図6】本発明に適用された制御装置における冬期の夜
間充電時の蓄熱剤冷却兼加熱装置の蓄熱運転の一例を示
したフローチャートである。
【図7】本発明に適用された制御装置における電気自動
車への乗車時の蓄熱剤冷却兼加熱装置の暖房運転の一例
を示したフローチャートである。
【図8】本発明に適用された制御装置における電気自動
車への乗車時のヒートポンプの暖房運転の一例を示した
フローチャートである。
【図9】本発明に適用された制御装置における電気自動
車への乗車時の蓄熱剤冷却兼加熱装置のオーバーヒート
回避運転の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 電気自動車 3 充電器(外部電源) 4 バッテリ(車載電源) 13 ヒートポンプ 13a 逆止弁(回路切替手段) 13b 逆止弁(回路切替手段) 13c 逆止弁(回路切替手段) 13d 逆止弁(回路切替手段) 14 蓄熱剤冷却兼加熱装置 15 制御装置 23 冷媒圧縮機 25a 第1減圧装置(第1減圧手段) 25b 第2減圧装置(第2減圧手段) 26 第2室内熱交換器(冷媒蒸発器) 27 室外熱交換器(冷媒凝縮器) 28 水冷媒熱交換器 30 四方弁(回路切替手段) 31 電磁弁(回路切替手段) 32 電磁弁(回路切替手段) 42 水循環回路 54 保温槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 健一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)外部電源により充電される車載電
    源と、 (b)この車載電源によって通電されると作動する電動
    式の冷媒圧縮機と、 (c)車室内への送風ダクト内に配され、前記冷媒圧縮
    機より吐出された冷媒と車室内への送風空気とを熱交換
    させて車室内への送風空気を加熱する冷媒凝縮器と、 (d)この冷媒凝縮器より流入した冷媒を減圧する第1
    減圧手段と、 (e)車室外に配され、前記第1減圧手段または前記冷
    媒凝縮器より流入した冷媒と水とを熱交換させて冷媒を
    加熱または過冷却する水冷媒熱交換器と、 (f)この水冷媒熱交換器より流入した冷媒を減圧する
    第2減圧手段と、 (g)車室内への送風ダクト内に配され、前記第2減圧
    手段より流入した冷媒と車室内への送風空気とを熱交換
    させて車室内への送風空気を冷却する冷媒蒸発器と、 (h)前記冷媒圧縮機と前記冷媒凝縮器と前記第1減圧
    手段と前記水冷媒熱交換器を冷媒が順次循環する第1冷
    媒回路と、 (i)前記冷媒圧縮機と前記冷媒凝縮器と前記水冷媒熱
    交換器と前記第2減圧手段と前記冷媒蒸発器を冷媒が順
    次循環する第2冷媒回路と、 (j)前記第1冷媒回路と前記第2冷媒回路とを切り替
    える回路切替手段と、 (k)前記水冷媒熱交換器内に水を循環させる水循環回
    路中に設けられ、内部に流入した水を保温する保温槽
    と、 (l)前記車載電源を充電する際に、前記回路切替手段
    を制御して前記第1冷媒回路に切り替えると共に前記冷
    媒圧縮機を作動させ、 車室内を冷房する際に、前記回路切替手段を制御して前
    記第2冷媒回路に切り替えると共に前記冷媒圧縮機を作
    動させる制御装置とを備えた電気自動車用空気調和装
    置。
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