JPH08197672A - 基材フィルム及びそれを用いた感光性写真材料 - Google Patents

基材フィルム及びそれを用いた感光性写真材料

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JPH08197672A
JPH08197672A JP1150595A JP1150595A JPH08197672A JP H08197672 A JPH08197672 A JP H08197672A JP 1150595 A JP1150595 A JP 1150595A JP 1150595 A JP1150595 A JP 1150595A JP H08197672 A JPH08197672 A JP H08197672A
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film
fluoride
thin film
alkaline earth
earth metal
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JP1150595A
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Toshinori Machida
敏則 町田
Kunihiko Ozaki
邦彦 尾崎
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 写真フィルム製版用基材フィルム、プリント
配線基板用原画フィルム等の支持体として好適に用いら
れる高寸法安定性を有する基材フィルム、更に近紫外域
での光線透過性が優れる基材フィルム及び感光性写真材
料に関する。 【構成】 ポリスチレン系フィルムの片面または両面
に、真空薄膜形成技術によって、SiOx(xは1.0
より大きく,2.0未満)及びアルカリ土類金属のフッ
化物からなる薄膜層を形成してなる基材フィルムであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真フィルム製版用基材
フィルム、プリント配線基板用原画フィルム等の支持体
として好適に用いられる高寸法安定性を有する基材フィ
ルム、更に近紫外域での光線透過性が優れる基材フィル
ムに関する。本発明は更に、その基材フィルムを用いた
感光性写真材料に関する。
【0002】
【従来の技術】写真フィルム製版用基材フィルム,プリ
ント配線基板(PCB)用原画フィルム等の支持体とし
て使用される基材フイルム(以下、単に支持体と称する
ことがある)には、相対湿度(以下、湿度と略すことが
ある)や温度の変化に対して比較的良い寸法安定性を有
するポリエチレンテレフタレートフィルムが使用されて
いる。これは写真フィルム製版用基材フィルムの場合は
湿度,温度変化により重ね合わせたフィルムに露光のず
れが生じると、シアン,マゼンタ,イエロー,墨の4色
を重ね合わせたときに画像ズレが生じるためである。ま
たプリント配線基板用原画フィルムの場合は、このフィ
ルムを露光して得られるプリント配線基板を積層する際
に湿度,温度変化により画像ずれが生じるとドリルでス
ルーホールをあける時に回路を削ってしまう等の理由の
ためである。
【0003】ポリエチレンテレフタレートフィルムは高
分子フィルムの中では湿度や温度に対して比較的寸法変
化の少ないフィルムであるが、やはりある程度の寸法変
化は避けられない。そこで、写真フィルム製版用フィル
ム,プリント配線基板用原画フィルム等は、年間を通し
て湿度を約55〜60%RH,温度を20〜27℃にか
なり細かくコントロールされた部屋で使用し、さらに使
用前にフィルムを長時間その使用環境にさらしフィルム
自体を調湿,調温することが必要である。このため作業
性がかなり悪かった。特開平5−289236号公報に
おいて、疎水性ポリエステルフィルム上にSiOx(x
は1.2〜1.8の範囲を表わす)からなるバリヤー層
を設けた支持体上に少なくとも一つの親水性像プリカー
ラー層を含む写真材料が提案されている。この写真材料
は、支持体がSiOxからなるバリヤー層を有するた
め、単なる疎水性ポリエステルフィルムを支持体として
用いるものに比べて、湿度に対する寸法変化は小さくな
る。しかし、このSiOxからなるバリヤー層は水分を
完全遮断しない為、時間が経過すると共にこのフィルム
の保管環境(湿度)を影響を受け、この疎水性ポリエス
テルフィルムは吸水/脱水による寸法変化をおこす。こ
の事から、環境変化(湿度変化)が起きてから1〜2時
間程度の短時間ではこの疎水性ポリエステルフィルム上
にSiOx(xは1.2〜1.8の範囲を表わす)から
なるバリヤー層を設けた支持体は有効であるが、1〜3
日以上の長時間になるとバリヤー層の無い疎水性ポリエ
ステルフィルムを同量程度寸法変化をおこしてしまい、
問題となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、写真
フィルム製版用基材フィルム、プリント配線基板用原画
フィルム等の分野において、特に基材フィルムとして特
に湿度変化に対して高寸法安定性を有する基材フィルム
を提供することにある。本発明の別の目的は、上記の基
材フィルムを用いた感光性写真材料を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、ポリス
チレン系フィルム(A)の片面または両面に、真空薄膜
形成技術によって、SiOx(xは1.0より大きく,
2.0未満)及びアルカリ土類金属のフッ化物からなる
薄膜層(B)を形成してなる寸法安定性を有する基材フ
ィルムによって達成することができる。本発明の目的は
更に、ポリスチレン系フィルム(A)の片面または両面
に、真空薄膜形成技術によって、SiOx(xは1.0
より大きく,2.0未満),アルカリ土類金属のフッ化
物、及びマグネシウム酸化物からなる薄膜層(B)を形
成してなる寸法安定性を有する基材フィルムによって達
成することができる。
【0006】本発明の目的は更に、上記の基材フィルム
の片側または両側に感光層(C)を積層してなる感光性
写真材料によって達成することができる。 本発明にお
いて、ポリスチレン系フィルム(A)としては、ポリス
チレン単独でも構わないが、他のプラスチック材料1種
または2種以上との共重合体でも構わない。この場合ポ
リスチレン成分は50%以上が望ましく、他のプラスチ
ック材料は限定されない。更にこれらのポリスチレン系
フィルム(A)としては、熱固定されたフィルムや二軸
延伸フィルム等が望ましい。また1度熱固定した二軸延
伸フィルムをさらに適当な条件で熱処理(アニール処
理)する事により寸法安定性をより向上させているフィ
ルムがあるが、これは特に望ましい。
【0007】このポリスチレン系フィルム(A)の表面
には何も付与されていない方が望ましいが、寸法安定
性、光線透過性を損なわなければ、あらかじめ界面活性
剤系や高分子電解質系等の有機系や導電性金属酸化物系
等の無機系の導電剤及び易接着剤が塗工されているもの
でも構わない。またポリ塩化ビニリデン等の有機バリヤ
ー層が片面または両面に付与されている物でも構わな
い。ポリスチレン系フィルム(A)の厚さは特に制限さ
れず、用途により種々であるが、50〜500μが適当
である。写真フィルム製版用基材フィルム、プリント配
線基板用原画フィルム等の支持体として使用する場合に
は75〜250μが適当である。特に100〜175μ
が適当である。
【0008】薄膜層(B)は、感光層を露光する際に使
う可視光から近紫外線の透過性がよく、ポリスチレン系
フィルムに対して特に高い水蒸気バリヤー性(すなわち
低い水蒸気透過率)を有し、温湿度に対し膨張の少な
く、かつポリスチレン系フィルム(A)と強固に密着し
ていなければならない。以下本発明の薄膜層(B)につ
いて更に詳細に説明する。薄膜層(B)を形成するアル
カリ土類金属のフッ化物の例としてはフッ化マグネシウ
ム,フッ化カルシウム,フッ化ストロンチウム,フッ化
バリウム等が挙げられる。特に、アルカリ土類金属のフ
ッ化物としてはフッ化マグネシウム,フッ化カルシウム
が優れているマグネシウム酸化物の例としては酸化マグ
ネシウム及びフォルステライトやステアタイトと呼称さ
れる酸化マグネシウムと二酸化けい素との共酸化物,酸
化マグネシウムとアルカリ土類金属のフッ化物との複合
化合物が挙げられる。
【0009】薄膜層(B)においては、SiOx(xは
1.0より大きく,2.0未満)とアルカリ土類金属の
フッ化物とが化合、又はSiOx(xは1.0より大き
く,2.0未満)にアルカリ土類金属のフッ化物とマグ
ネシウム酸化物が化合している。つまり薄膜層(B)
は、SiOx(xは1.0より大きく,2.0未満)−
アルカリ土類金属のフッ化物の化合物、又はSiOx
(xは1.0より大きく,2.0未満)−アルカリ土類
金属のフッ化物−マグネシウム酸化物の化合物からな
る。なお、本発明の薄膜層(B)においては、SiOx
(xは1.0より大きく,2.0未満)とアルカリ土類
金属のフッ化物、又はSiOx(xは1.0より大き
く,2.0未満)とアルカリ土類金属のフッ化物とマグ
ネシウム酸化物とがほとんど化合していると思われる
が、製造方法によっては、一部化合していないものが含
まれている可能性もある。
【0010】SiOxのうちのxは1.0より大きく,
2.0未満の範囲が望ましく、特にxは1.8より大き
く,2.0未満の範囲が望ましい。SiOx(xは1.
0より大きく,2.0未満)−アルカリ土類金属のフッ
化物化合物の蒸着層は寸法安定性,光線透過性共に優れ
ているが特に光線透過性に優れ、又SiOx(xは1.
0より大きく,2.0未満)−アルカリ土類金属のフッ
化物−酸化マグネシウム化合物の蒸着層も寸法安定性,
光線透過性共に優れているが特に寸法安定性に優れてい
る。薄膜層(B)を構成するSiOx(xは1.0より
大きく,2.0未満)とアルカリ土類金属のフッ化物の
組成比は、それぞれ98〜80モル%及び2〜20モル
%の範囲が望ましく、特にそれぞれ95〜90モル%及
び5〜10モル%の範囲が望ましい。またこれにマグネ
シウム酸化物を含む場合は、SiOx(xは1.0より
大きく,2.0未満)、アルカリ土類金属のフッ化物、
及びマグネシウム酸化物の組成比が、それぞれ97.5
〜80モル%:2〜19.5モル%:0.5〜18モル
%の範囲が望ましく、特に93〜88モル%:5〜10
モル%:2〜17モル%の範囲が望ましい。
【0011】ポリスチレン系フィルム上に積層される薄
膜層(B)は結果的に積層された時にSiOx(xは
1.0より大きく,2.0未満)とアルカリ土類金属の
フッ化物,又はSiOx(xは1.0より大きく,2.
0未満)とアルカリ土類金属のフッ化物及びマグネシウ
ム酸化物が化合していれば良く、積層される薄膜層
(B)の原料は金属酸化物,アルカリ土類金属のフッ化
物,金属,有機金属化合物等の無機化合物,有機化合物
の単独または混合物の何れでも構わない。特に、けい素
酸化物とアルカリ土類金属のフッ化物の混合物、または
けい素酸化物,アルカリ土類金属のフッ化物及び二酸化
けい素と酸化マグネシウムの共酸化物の混合物を原料と
し、真空蒸着等により直接ポリスチレン系フィルム上に
薄膜層(B)を形成する方法が望ましい。その原料の組
成比は、けい素酸化物とアルカリ土類金属のフッ化物の
場合、けい素酸化物:アルカリ土類金属のフッ化物=9
8〜70モル%:2〜30モル%の範囲が望ましい。特
に好ましくは、けい素酸化物:アルカリ土類金属のフッ
化物=95〜85モル%:5〜15モル%の範囲であ
る。またけい素酸化物,アルカリ土類金属のフッ化物及
び二酸化けい素と酸化マグネシウムの共酸化物の混合物
の場合は、けい素酸化物:アルカリ土類金属のフッ化
物:二酸化けい素と酸化マグネシウムの共酸化物=9
7.5〜70モル%:2〜29.5モル%:0.5〜2
8モル%の範囲が望ましい。特に好ましくは、けい素酸
化物:アルカリ土類金属のフッ化物:二酸化けい素と酸
化マグネシウムの共酸化物=95〜90モル%:4.5
〜9.5モル%:0.5〜5.5モル%の範囲である。
【0012】原料として用いるけい素酸化物の例として
は、けい素と二酸化けい素の混合物,一酸化けい素単
体、及びけい素と二酸化けい素と一酸化けい素の混合物
が挙げられる。けい素酸化物をけい素(Si)と二酸化
けい素(SiO2)の混合物として用いる場合、その時
の組成比は基本的には等モルが好ましいが、Si:Si
2=40〜60モル%:60〜40モル%の範囲なら
よい。また原料として用いるけい素酸化物が、Si、S
iO、SiO2の混合物である場合は、Si:SiO2
ほぼ等モルにすれば良く、(Si+SiO2):SiO
の比率は特に限定されない。
【0013】ポリスチレン系フィルム(A)に薄膜層
(B)を形成する真空薄膜形成技術の方式としては巻き
取り連続方式,枚葉方式どちらでもよく、また形成する
方法としては、特に制限はなく、真空蒸着,イオンプレ
ーティング,スパッタリング等のPVD方式や,プラズ
マCVD,マイクロウエーブCVDなどのCVD方式を
用いる事ができる。さらに真空蒸着の加熱方法として
は、その蒸着中にスプラッシュと呼称される蒸着飛沫が
発生しなければ又支障なく取り除ける程度少なければ特
に制限はなく、高周波誘導加熱、抵抗加熱、電子線加熱
などの従来公知の加熱方法を用いることができる。この
蒸着飛沫が多量に発生すると、飛沫が蒸着フィルム上に
異物として残り、後工程である乳剤塗工工程や露光工
程,現像工程等で問題が多く発生する。真空蒸着の蒸発
源としては一般的なルツボ方式でもかまわないが、異な
る昇華点,融点の物質が常時均一に真空蒸着できる特開
平1−252768及び特開平2−277774に示さ
れる蒸発原料を連続的に供給排出する方式が望ましい。
【0014】このけい素酸化物とアルカリ土類金属のフ
ッ化物の混合物、またはけい素酸化物,アルカリ土類金
属のフッ化物及び二酸化けい素と酸化マグネシウムの共
酸化物の混合物を原料とし真空蒸着する時の真空度は、
1×10-4torrから5×10-3torrの範囲内が
望ましい。高真空度の場合、原料の組成がそのまま薄膜
層(B)の組成に反映させることができるが、反対に低
真空度の場合は、原料の組成に比べ、薄膜層(B)の組
成は酸素原子過多(高酸化度)になる。これは蒸着中の
蒸着粒子と酸素原子の反応と考えられる。また、膜構造
的には高真空度の場合は高密度な薄膜層が得られ、反対
に低真空度の場合は低密度な膜になると推定されてい
る。上記範囲内の真空度を用い、上記組成の原料を用い
る事により、薄膜層(B)として望ましい組成比を得る
事ができる。 また上記以外の薄膜層(B)の積層方法
としては金属または有機金属化合物のような金属を含む
化合物を酸化またはフッ化させながら真空蒸着する方
法、またアルカリ土類金属のフッ化物をポリスチレン系
フィルム上に蒸着層として形成させ後工程でその蒸着層
を酸化処理する方法があげられる。酸化処理の方法とし
てはポリスチレン系フィルムの使用可能温度範囲内で処
理を行う方法なら特に限定されず、蒸着中の酸素ガス導
入法、放電処理法、酸素プラズマ法、熱酸化法等があげ
られる。
【0015】薄膜層(B)はポリスチレン系フィルム
(A)の片面に積層しても構わないが、両面に積層する
事が特に望ましい。本発明によって得られる薄膜層
(B)は、シロキサン単位及び該シロキサン単位に化合
したアルカリ土類金属のフッ化物、あるいは該シロキサ
ン単位に化合したアルカリ土類金属のフッ化物及びマグ
ネシウム酸化物からなるもと思われる。薄膜層(B)を
形成するシロキサン単位とは薄膜層が−O−Si−O−
の様に連続的にシリコン原子と酸素原子が結合している
単位を示し、該シロキサン単位に化合したアルカリ土類
金属のフッ化物とは−O−Si−O−アルカリ土類金属
−Fの様に連続的にシリコン原子と酸素原子が結合して
いる単位にアルカリ土類金属のフッ化物が結合している
状態と考えられる。又、該シロキサン単位に化合したア
ルカリ土類金属のフッ化物及びマグネシウム酸化物と
は、−O−Si−O−アルカリ土類金属−Fの様に連続
的にシリコン原子と酸素原子が結合している単位にアル
カリ土類金属のフッ化物が結合している状態と、−O−
Si−O−Mg−O−の様に連続的にシリコン原子と酸
素原子が結合している単位にマグネシウム酸化物が結合
している状態がシロキサン単位を介在し結合状態で混在
している状態と考えられる。
【0016】薄膜層(B)の厚さは使用するポリスチレ
ン系フィルム(A)に合わせて選定されるが、本発明に
おいては片面あたり50〜1800オングストロームが
望ましい。特に300〜800オングストロームが望ま
しい。また、積層される薄膜層(B)は、最終的に得ら
れる層の必要機能が得られていれば、2重積層や多重積
層でも構わない。すなわち、積層を2回以上に分けて行
ってもよく、その時異種類のアルカリ土類金属のフッ化
物を積層しても構わない。薄膜層(B)から得られる寸
法安定性の要因はほとんどが水蒸気バリヤー性を使った
防湿層としての効果であると考えられる。
【0017】本発明の感光性写真材料は、上記の本発明
の基材フィルムを支持体として、その片面または両面に
感光層(C)を積層してなるものである。 感光層
(C)としては、特に制限はないが、通常はゼラチン含
有ハロゲン化銀乳剤が主体とする感光層が使用される。
ハロゲン化銀の例としては、塩化銀,塩臭化銀,ヨウ臭
化銀,塩ヨウ臭化銀,等が挙げられる。写真乳剤に用い
られる各種添加剤、例えば化学増感剤、カブリ防止剤、
界面活性剤、保護コロイド、硬膜剤、ポリマーラテック
ス、カラーカプラー、マット剤、増感色素等については
特に制限は無く、例えばリサーチ・クロージャー誌17
6巻22〜28頁(1978年12月)の記載されたも
のを使用できる。特に特開平5−289236号公報の
請求項6に記載されているシラン化合物を含むものが好
ましい。
【0018】写真乳剤の製造方法、ポリスチレン系フィ
ルム上のドライプレーティング層に塗布する方法につい
ても特に制限はなく、上記リサーチ・クロージャー誌に
記載のものを使用できる。薄膜層(B)への感光層
(C)の付与方法は、従来公知の方法を適用することが
出来る。又この時薄膜層(B)と感光層(C)の間に接
着性などを改善する下引き層を設けても構わない。また
カールを防止するために感光層(C)の反対面にバッキ
ング層を設けても構わない。本発明の感光性写真材料に
おいては、基材フィルムの片側または両側に設けられた
感光層(C)に加えて、さらに片側に導電層(D)を設
けてもよい。感光層(C)を基材フィルムの片側に設け
た場合、導電層(D)は通常基材フィルム(A)の感光
層(C)を設けた側の反対面に設けられる。
【0019】導電層(D)の例としては、導電性金属酸
化物単独,導電性金属酸化物と絶縁性金属酸化物の混合
物または金属単独といった無機化合物や、界面活性剤系
及び高分子電解質系のような有機化合物が使用できる
が、特に制限はない。但し、金属単独を導電層(D)と
する場合、導電層自体の可視光から近赤外線の透過性が
低いため、所定の導電性が得られる範囲内で支持体にな
るべく薄く金属を付与し、感光層を露光する際に使う可
視光から近紫外線での透過性を向上させなければならな
い。導電性金属酸化物単独,導電性金属酸化物と絶縁性
金属酸化物の混合物または導電性金属単独をポリスチレ
ン系フィルム(A)に積層する方法としては、前記の薄
膜層(B)をポリスチレン系フィルム(A)に積層する
方法が適用できる。
【0020】導電性金属酸化物としては、ITO(イン
ジウム・錫・酸化物),インジウム酸化物,錫酸化物等
があげられ、絶縁性金属酸化物としてはけい素酸化物,
アルミニウム酸化物等があげられ、導電性金属として
は、アルミニウム,ニッケル等の一般的な金属があげら
れる。又界面活性剤及び高分子電解質としては特に限定
されず、従来公知のものがあげられる。それぞれの支持
体への積層方法も従来公知の方法が適用できる。ポリス
チレン系フィルム(A)上に積層される、薄膜層(B)
と導電層(D)の付与は別々に行う事もできるが、連続
巻取り方式の場合一度に両面にそれぞれの層を設けるこ
とも可能である。 本発明では、ポリスチレン系フィル
ム(A),薄膜層(B),感光層(C),導電層(D)
をC/B/A/B/Dの順に積層する事により、温度や
湿度等に対して寸法安定性があり、なおかつ静電気等の
発生による悪影響のなく又要求される近紫外域での光線
透過性が良好な基材フィルム及び感光性写真材料を提供
するものであるが、この積層順がC/B/A/B/D/
BやC/B/A/B等に変更しても構わない。また必要
により感光層(C)の外側に表面保護層を、感光層
(C),薄膜層(B),ポリスチレン系フィルム
(A),導電層(D)のそれぞれの間や外側に下引き易
接着層やハレーション防止層,バッキング層を、積層さ
れた感光性写真材料の外面に表面保護層を、単独にまた
は2種以上を併用して常法により機能層を設けてもよ
い。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。なお実施例におけ
る試験方法は以下のとおりである。 光線透過性:近紫
外域での光線透過性は、分光光度計(日本分光社製,U
−best30)を用い、リファレンスを空気とし35
0nmでの透過率を測定したものである。この350n
mという波長は一般的なプリント配線基板用原画フィル
ムをプリント配線基板に露光する時によく使用される波
長である。
【0022】寸法安定性:温湿度を変化させたときの長
さの変化は、測長器(大日本スクリーン社製,DR−8
011−CU)の測定板上に湿度が調節できる透明な恒
温恒湿槽を設け、その中で試料を入れ湿度変化させてか
ら24時間後の寸法変化を測定したものである。なおこ
の寸法変化量は値が小さいほど優れている。特に一般的
なプリント配線基板用原画フィルムをプリント配線基板
の分野では湿度に対する寸法安定性が望まれている。 薄膜層の組成分析:パーキンエルマー社のESCA P
HI−5400を使用し、表面を真空にした後、アルゴ
ンスパッタエッチングしてから測定した。組成比は各元
素のピーク面積より計算し、その結果からSiOxのx
値を計算した。また微量な有機物の付着による炭素のピ
ークについては、その組成比の計算から除外した。な
お、ESCAで得られる組成比は、atom%で示され
るが、これはモル%と一致する。 実施例1 特開平1−252768及び特開平2−277774に
記載された蒸発原料を連続的に供給排出する方式の連続
巻取り式抵抗加熱方式の真空蒸着装置を使い、厚さ10
0μの二軸延伸ポリスチレンフィルムの両面にけい素と
二酸化けい素とフッ化マグネシウムの混合物(混合比4
5モル%:45モル%:10モル%)を加熱真空蒸着し
た(厚みは両面共に約600オングストローム)。 実施例2 実施例1で用いた蒸着装置,ポリスチレンフィルムを用
い、そのポリスチレンの両面にけい素と二酸化けい素と
フッ化カルシウムの混合物(混合比48モル%:47モ
ル%:5モル%)を原料として加熱真空蒸着した(厚み
は両面とも約300オングストローム)。 実施例3 実施例1で用いた蒸着装置,ポリスチレンフィルムを用
い、そのポリスチレンの両面に一酸化けい素とフッ化バ
リウムの混合物(混合比85モル%:15モル%)を原
料として加熱真空蒸着した(厚みは両面とも約200オ
ングストローム)。 実施例4 実施例1で用いた蒸着装置,ポリスチレンフィルムを用
い、そのポリスチレンの両面に一酸化けい素とフッ化マ
グネシウムと、けい素酸化物とマグネシウム酸化物の共
酸化物(フォルステライト:SiO2・2MgO)の混
合物(混合比93モル%:5モル%:2モル%)を原料
として加熱真空蒸着した(厚みは両面とも約800オン
グストローム)。 実施例5 実施例1で用いた蒸着装置の蒸発源の加熱方式を抵抗加
熱方式から電子線加熱方式に変え、ポリスチレンフィル
ムは実施例1のものをそのまま用い、そのポリスチレン
の両面にけい素と二酸化けい素とフッ化マグネシウムと
実施例4で使用したフォルステライトの混合物(混合比
36.5モル%:36.5モル%:10モル%:17モ
ル%)を原料として加熱真空蒸着した(厚みは両面とも
約600オングストローム)。 実施例6 実施例5で用いた蒸着装置,ポリスチレンフィルムを用
い、そのポリスチレンの両面に一酸化けい素とフッ化ス
トロンチウムの混合物(混合比80モル%:20モル
%)を原料として加熱真空蒸着した(厚みは両面とも約
600オングストローム)。 比較例1 実施例1で用いたポリスチレンフィルムの光線透過率,
及び寸法安定性を測定した。結果を表2に示す。 比較例2 実施例1で用いた蒸着装置,ポリスチレンフィルムを用
い、そのポリスチレンの両面にけい素と二酸化けい素の
混合物を(混合比50モル%:50モル%)原料として
加熱真空蒸着した(厚みは両面とも約600オングスト
ローム)。 比較例3 実施例1で用いた蒸着装置,ポリスチレンフィルムを用
い、そのポリスチレンの両面にけい素と二酸化けい素
と、けい素酸化物とマグネシウム酸化物の共酸化物(フ
ォルステライト:SiO2 ・2MgO)の混合物(混合
比45モル%:45モル%:10モル%)混合物を原料
として加熱真空蒸着した(厚みは両面とも約600オン
グストローム)。 比較例4 実施例1で用いた蒸着装置,ポリスチレンフィルムを用
い、そのポリスチレンの両面にけい素と二酸化けい素と
フッ化ナトリウムの混合物(混合比45モル%:45モ
ル%:10モル%)を原料として加熱真空蒸着した(厚
みは両面共に約600オングストローム)。
【0023】実施例,比較例で得られた蒸着フィルムに
ついて実施例1と同様に両面における蒸着膜の組成,蒸
着フィルムの光線透過率,及び寸法安定性を測定した。
結果を表1に示す。 実施例7〜12 実施例1〜6で得られた蒸着フィルムについて、片方の
蒸着表面にITO(インジウム・スズ・オキサイド S
nを6重量%添加)を前述の装置と同じ装置を用いて酸
素ガス導入しながら、加熱真空蒸着を行った(厚みは約
500オングストローム)。その時の酸素ガス分圧は3
×10-4torrであった。更にITOを設けた反対面にU
SP3661584の第2欄に記載されたエポキシシラ
ン化合物No4を6重量%含有する普通の感光性ハロゲ
ン化銀ゼラチン層をバーコーターを用いて塗工した
(4.5g/m2乾燥重量)。得られた感光性写真フイ
ルムについて前記の方法で寸法安定性を測定した。結果
を表2に示す。 比較例5〜9 比較例1〜4で得られた蒸着フィルムについて、片方の
蒸着表面にITO(インジウム・スズ・オキサイド S
nを6重量%添加)を前述の装置と同じ装置を用いて酸
素ガス導入しながら、加熱真空蒸着を行った(厚みは約
500オングストローム)。その時の酸素ガス分圧は3
×10-4torrであった。更にITOを設けた反対面にU
SP3661584の第2欄に記載されたエポキシシラ
ン化合物No4を6重量%含有する普通の感光性ハロゲ
ン化銀ゼラチン層をバーコーターを用いて塗工した
(4.5g/m2乾燥重量)。得られた感光性写真フイ
ルムについて前記の方法で寸法安定性を測定した。結果
を表2に示す。
【0024】
【発明の効果】本発明の基材フィルム及び感光性写真材
料は、温度湿度,特に湿度に対して寸法安定性にすぐ
れ、又近紫外域での光線透過性に優れ、また導電層の付
与により静電気の発生を抑え、結果的に感光層の塗工時
や感光層の露光時も異物による問題を未然に防止した感
光性写真材料を得ることができる。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年2月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】
【表2】

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリスチレン系フィルム(A)の片面また
    は両面に、真空薄膜形成技術によって、SiOx(xは
    1.0より大きく,2.0未満)及びアルカリ土類金属
    のフッ化物からなる薄膜層(B)を形成してなる基材フ
    ィルム。
  2. 【請求項2】ポリスチレン系フィルム(A)の片面また
    は両面に、真空薄膜形成技術によって、SiOx(xは
    1.0より大きく,2.0未満),アルカリ土類金属の
    フッ化物及びマグネシウム酸化物からなる薄膜層(B)
    を形成してなる基材フィルム。
  3. 【請求項3】薄膜層(B)のアルカリ土類金属のフッ化
    物がフッ化マグネシウム,フッ化カルシウムから選ばれ
    る一種または二種以上である請求項1または2記載の基
    材フィルム。
  4. 【請求項4】薄膜層(B)を構成するSiOx(xは
    1.0より大きく,2.0未満)とアルカリ土類金属の
    フッ化物の組成比が、それぞれ98〜80モル%,2〜
    20モル%である請求項1,3いずれか1項に記載の基
    材フィルム。
  5. 【請求項5】薄膜層(B)を構成するSiOx(xは
    1.0より大きく,2.0未満),アルカリ土類金属の
    フッ化物,マグネシウム酸化物の組成比が、それぞれ9
    7.5〜80モル%,2〜19.5モル%,0.5〜1
    8モル%である請求項2,3いずれか1項に記載の基材
    フィルム。
  6. 【請求項6】けい素,二酸化けい素及びアルカリ土類金
    属のフッ化物の混合物を原料にし、真空薄膜形成してな
    る請求項1,3,4いずれか1項に記載の寸法安定性を
    有する基材フィルム。
  7. 【請求項7】けい素,二酸化けい素,アルカリ土類金属
    のフッ化物及び二酸化けい素と酸化マグネシウムの共酸
    化物の混合物を原料にし、真空薄膜形成してなる請求項
    2,3,5いずれか1項に記載の基材フィルム。
  8. 【請求項8】一酸化けい素及びアルカリ土類金属のフッ
    化物の混合物を原料にし、真空薄膜形成してなる請求項
    1,3,4いずれか1項に記載の寸法安定性を有する基
    材フィルム。
  9. 【請求項9】一酸化けい素,アルカリ土類金属のフッ化
    物及び二酸化けい素と酸化マグネシウムの共酸化物の混
    合物を原料にし、真空薄膜形成してなる請求項2,3,
    5いずれか1項に記載の基材フィルム。
  10. 【請求項10】ポリスチレン系フィルム(A)の片面ま
    たは両面に、シロキサン単位および該シロキサン単位に
    化合したアルカリ土類金属のフッ化物からなる真空薄膜
    形成技術を使った薄膜層(B)を形成してなる請求項1
    記載の基材フィルム。
  11. 【請求項11】ポリスチレン系フィルム(A)の片面ま
    たは両面に、シロキサン単位および該シロキサン単位に
    化合したアルカリ土類金属のフッ化物及びマグネシウム
    酸化物からなる真空薄膜形成技術を使った薄膜層(B)
    を形成してなる2いずれか1項に記載の基材フィルム。
  12. 【請求項12】請求項1ないし11いずれか1項に記載
    の基材フィルムの片側または両側に感光層(C)を積層
    してなる感光性写真材料。
  13. 【請求項13】請求項1ないし11いずれか1項に記載
    の基材フィルムの片側または両側に感光層(C)を積層
    し、さらに片側または両側に導電層(D)を積層してな
    る感光性写真材料。
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