JPH0819756A - 耐候性と加工性に優れた塗装金属材料 - Google Patents

耐候性と加工性に優れた塗装金属材料

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JPH0819756A
JPH0819756A JP15497094A JP15497094A JPH0819756A JP H0819756 A JPH0819756 A JP H0819756A JP 15497094 A JP15497094 A JP 15497094A JP 15497094 A JP15497094 A JP 15497094A JP H0819756 A JPH0819756 A JP H0819756A
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Japan
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coat
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workability
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JP15497094A
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Kazuhito Imai
和仁 今井
Kenji Ikishima
健司 壱岐島
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 金属基材 (例、下地処理した亜鉛めっき鋼
板) 上に下塗、中塗、上塗の3層の塗膜を順次被覆した
塗装金属材料。顔料濃度を、中塗塗膜が1重量%以上、
30重量%未満、上塗塗膜が30〜60重量%とし、顔料を上
層に多く配合する。上塗塗膜は塗膜厚が 0.5〜5μm、
顔料の平均粒子径が0.01〜0.3 μmであることが好まし
い。 【効果】 顔料の総量を増加させずに耐候性と加工性を
いずれも改善できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、エアコン室外
機、建材のような屋外用途に適した、耐候性と加工性に
優れた塗装金属材料に関する。
【0002】
【従来の技術】塗装鋼板 (プレコート鋼板) は、ユーザ
ーでの塗装工程が省略でき、低コスト、労働環境改善に
つながることから、家電製品、建材用を中心に急速に普
及している。塗装鋼板では、ユーザーにより打ち抜き、
折り曲げ、絞りなどの加工が行われた後、そのまま製品
の外面となるため、一般に高度の加工性が要求される。
一方、建材用などの屋外用の塗装鋼板は、耐候性を重視
した設計となっている。また、エアコン室外機のように
屋外使用される家電製品の場合には、特に高い加工性と
耐候性の両立が要求される。
【0003】しかし、塗装鋼板の製造に従来から使用さ
れてきた塗料の場合、加工性と耐候性は一般に両立せ
ず、加工性に優れた塗装鋼板は、塗膜樹脂の耐候性が不
十分であり、耐候性の高いものは塗膜が硬く、加工性が
劣るという傾向を示す。例えば、アクリル樹脂系塗料の
塗膜は耐候性が良好であるが加工性が悪く、高分子量ポ
リエステル樹脂系塗料の塗膜は、加工性は良好である
が、耐候性が悪く、一般ポリエステル樹脂系塗料では両
者の中間というように、耐候性と加工性の両方を満足さ
せるのは困難であった。
【0004】従来より塗装金属材料、特に塗装鋼板は、
前処理 (りん酸塩処理などの下地処理) を施し、プライ
マー (下塗塗料) を塗装した後、トップコート (上塗塗
料)を塗装する2コート2ベークにより製造されるのが
一般的である。下塗塗膜は防錆性と密着性の確保を目的
とする薄膜であるので、耐候性は主に上塗塗膜により保
証される。耐候性を向上させるには、上塗塗膜にアクリ
ル樹脂系などの高耐候性樹脂を用いるか、酸化チタンな
どの紫外線を遮蔽する顔料の濃度を高くするなどの手段
があるが、いずれも塗装鋼板の加工性が低下する。加工
性を重視して、上塗塗膜に高加工性の樹脂を用いると、
耐候性が劣る。従来は、耐候性と加工性のバランスをと
る関係から、これらが中庸程度の上塗塗膜を使用してい
たため、双方の性能とも不満足であった。
【0005】このように従来の2コート2ベーク方式で
は、耐候性と加工性に優れた塗装鋼板は得られていな
い。特公昭63−11950 号公報および特公平2−7827号公
報には、下塗、中塗、上塗の3コート3ベーク方式を採
用することにより、耐候性と加工性を両立させることが
記載されているが、十分な性能には至っていない。ま
た、これらの公報に記載の塗装鋼板または金属材料で
は、特に中塗塗膜と上塗塗膜はいずれも特定のベース樹
脂に制限されている。従って、任意の樹脂塗料を使用し
て加工性と耐候性を共に改善することはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明の目的
は、エアコン室外機などの屋外用途に適した、高度の加
工性と耐候性を併せ持つ塗装金属材料を提供することで
ある。本発明の別の目的は、特定の樹脂に制限されるの
ではなく、任意のベース樹脂からなる塗料を用いて、上
記の加工性と耐候性に優れた塗装金属材料を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、塗膜中の
顔料が耐候性に寄与することに着目し、塗膜中の顔料分
布と耐候性との関係について鋭意検討した。その結果、
顔料総量が同一でも、相対的に塗膜表層の顔料配分を増
加させること、好ましくはさらに顔料粒子径を特定径以
下に微細化することにより、塗膜の耐候性と加工性を大
きく改良できることを知見し、本発明に到達した。
【0008】本発明の要旨は、金属基材上に下塗、中
塗、上塗の3層の塗膜を順次被覆した塗装金属材におい
て、中塗塗膜の顔料濃度が1重量%以上、30重量%未満
であり、上塗塗膜の顔料濃度が30重量%以上、60重量%
以下であることを特徴とする、塗装金属材料である。
【0009】好ましい顔料濃度は、中塗塗膜が10〜20重
量%、上塗塗膜が40〜55重量%である。また、上塗塗膜
の膜厚は 0.5〜5μmの範囲内が好ましく、上塗塗膜の
顔料の平均粒子径は0.01〜0.3 μmの範囲内であること
が好ましい。
【0010】本発明は、上記のように、塗膜中の顔料の
分布によって耐候性を改善するものであり、各塗膜のベ
ース樹脂の種類には関係なく応用できる。即ち、従来よ
り公知の一般の樹脂系塗料を使用しても、顔料を上塗塗
膜には多く、中塗塗膜には少なく傾斜配分することによ
って、耐候性を向上させることができる。
【0011】
【作用】本発明の塗装金属材料は、添付図面に図式的に
示すように、基材の金属材料上に下塗、中塗、上塗の3
層の塗膜層を有する3コート塗装のものである。従来の
通常の2コート塗装では、中塗塗膜層と上塗塗膜層とが
一体化して単一の塗膜層を構成する。図面には、例示と
して、基材が亜鉛めっき鋼板であり、塗装前処理として
下地処理を施した例を示したが、これに限定されるもの
ではない。また、図示の例では、片面のみに3コート塗
装を施しているが、用途によっては両面に3コート塗装
を施すこともできる。以下、本発明の塗装金属材料につ
いて、その各層ごとに説明する。なお、以下の説明にお
いて、%は特に指定のない限り重量%である。また、各
層における顔料の濃度は、乾燥塗膜中の濃度を意味し、
これは塗料中の全固形分に対する濃度と実質的に同一で
ある。
【0012】(1) 金属材料 被塗物(基材)である金属材料は特に限定しない。例え
ば、電気亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜
鉛系合金めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板、アル
ミニウムまたはアルミニウム合金めっき鋼板などの各種
めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、鋼線、
鋼管などが例示される。代表例は、亜鉛または亜鉛系合
金めっき鋼板である。めっき鋼板の場合のめっき付着量
は、通常の範囲内でよい。
【0013】(2) 金属材料の前処理 塗装の前処理 (下地処理) は必ずしも必要ではないが、
基材金属板と塗膜との密着性確保、耐食性向上の観点か
ら、例えばリン酸塩処理およびクロメート処理といった
慣用の化成処理を施すことが望ましい。これらの前処理
は、用いられる基材金属材料に応じて公知の方法を適用
して実施すればよい。
【0014】(3) 下塗塗膜 下塗塗膜の主な機能は、基材金属と中塗塗膜との密着性
と耐食性とを確保することである。下塗塗膜の種類は特
に限定されず、従来よりプライマーとして利用されてき
た各種の熱硬化性塗料から形成することができる。例え
ば、メラミン樹脂などの架橋剤を含有するエポキシ樹脂
系、ウレタン樹脂系、ポリエステル樹脂系塗料などが例
示される。紫外線硬化型塗料などの活性エネルギー線硬
化型塗料を使用することもできる。
【0015】下塗塗料には、一般に耐食性の確保のため
にクロム酸亜鉛、クロム酸ストロンチウム、リン酸アル
ミニウム、リン酸亜鉛、リン酸カリウムなどから選んだ
1種もしくは2種以上の防錆顔料を添加することが好ま
しい。防錆顔料の濃度は、下塗塗膜の1〜60%、特に5
〜30%の範囲内とすることが望ましい。防錆顔料を含ま
ないと、耐食性が低下することがある。防錆顔料が多す
ぎると加工性が低下する。
【0016】下塗塗料には、防錆顔料に加えて、用途に
合わせて着色顔料 (有機系および/または無機系) およ
び体質顔料 (例、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレ
ー、タルク、カオリン、ホワイトカーボンなど) から選
んだ1種もしくは2種以上の顔料をさらに含有させても
よい。その場合、加工性を確保するために、防錆顔料と
合わせた顔料の総量を60%以下、特に50%以下とするこ
とが好ましい。
【0017】下塗塗膜の乾燥塗膜厚は、望ましくは1〜
10μm、より望ましくは3〜7μmである。この塗膜厚
が1μmを下回ると耐食性が低下することがある。10μ
mを上回る下塗塗膜厚は経済的に不利である。
【0018】(4) 中塗塗膜 塗膜の耐候性は主に表層部 (即ち、上塗塗膜) が担うの
で、中塗塗膜の主眼は加工性の確保および色彩効果とな
る。従って、中塗塗料の種類は特に限定されるものでは
ないが、加工性が比較的良好な塗料、例えば、ポリエス
テル樹脂系、ウレタン樹脂系などの塗料が望ましい。架
橋剤も特には制限されないが、メラミン樹脂、イソシア
ネート化合物などが望ましい。
【0019】中塗塗膜には顔料を1%以上、30%未満の
濃度で含有させる。顔料が存在しないか、少なすぎる
と、塗装金属材料の色彩が劣化し、耐候性も不十分とな
る。中塗塗膜の顔料濃度が30%以上になると、上塗塗膜
にも30%以上の顔料を存在させるために、加工性が低下
する。中塗塗膜の顔料濃度は好ましくは5〜25%、より
好ましくは10〜20%である。
【0020】中塗塗膜に存在させる顔料は、体質顔料と
着色顔料の一方または両方でよい。体質顔料としては前
述したものが例示され、着色顔料としては、塗料用の有
機系および無機系のいずれの顔料でもよい。好適な着色
顔料としては、酸化亜鉛、酸化チタン、黄鉛 (クロム酸
鉛) 、群青、酸化クロム、カーボンブラックなどの無機
顔料、ならびに銅フタロシアニン、塩素化銅フタロシア
ニン、トルイジンレッド、キナクリドンレッド、ハンザ
イエローなどの有機顔料が例示されるが、これらに限定
されるものではない。
【0021】中塗塗膜の乾燥塗膜厚は、望ましくは5〜
20μm、より望ましくは10〜15μmである。この膜厚が
小さすぎると色彩効果が十分に得られず、20μmを超え
ると加工性が低下することがある。中塗塗膜は、一般に
3層の塗膜層中では最も厚膜となるので、顔料の粒径は
特に制限されない。
【0022】(5) 上塗塗膜 上塗塗膜は、色彩効果と耐候性を主に担う。本発明の塗
装金属材料では、上塗塗膜に30%を超える多量の顔料を
含有させることにより耐候性が確保されるので、上塗塗
料の樹脂種は特に制限されず、加工性の良好な塗料、耐
候性の良好な塗料、両者の折衷型の塗料のいずれを使用
することもできる。上塗に適した塗料の例としては、不
飽和ポリエステル樹脂系、アクリル樹脂系、エポキシ樹
脂系、ウレタン樹脂系、シリコーンエステル樹脂系、ポ
リ塩化ビニル樹脂系、フッ素樹脂系などが挙げられる。
架橋剤としては、樹脂系に応じて、メラミン樹脂、尿素
樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ブロックまたは非ブロッ
クポリイソシアネート、エポキシ化合物などを使用する
ことができる。
【0023】上塗塗料用の顔料としては、紫外線遮蔽性
の無機顔料が好ましい。好適な無機顔料の例には、酸化
チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、カオリン等が挙げ
られるが、特に酸化チタンが望ましい。必要に応じて、
塗膜の着色のために他の無機または有機着色顔料 (例、
前述したもの) の1種もしくは2種以上を加えてもよ
い。その場合、紫外線遮蔽性の顔料が全顔料の半分以
上、好ましくは70%以上を占めることが好ましい。
【0024】上塗塗膜の顔料濃度は、30%以上、60%以
下とする。顔料濃度が30%未満であると、紫外線遮蔽効
果が小さく、耐候性が低下する。一方、顔料濃度が60%
を超えると、塗膜表面が平滑性を失い、外観が悪化する
上、多孔質となって透水性が高まるため、耐食性が低下
し、加工性、特に曲げ加工性も低下する。上塗塗膜の好
ましい顔料濃度は35〜55%、より好ましくは40〜50%で
ある。上塗塗膜の乾燥塗膜厚は、望ましくは 0.3〜15μ
m、より望ましくは 0.5〜5μm、特に望ましくは 0.5
〜3μmである。この塗膜厚が小さすぎると十分な耐候
性が確保できず、大きくなりすぎると、多量の顔料が必
要となって不経済であり、加工性が低下することもあ
る。
【0025】上塗塗膜中の顔料、特に紫外線遮蔽性の無
機顔料は、平均粒子径 (一次粒子径の平均値) が0.01〜
0.3 μmの範囲内の微細な顔料とすることが好ましい。
このように粒子径が紫外線の波長範囲内に入るように微
細化すると、顔料の紫外線吸収能が高まり、紫外線遮蔽
性が高まる。塗膜厚が5μm以下では、特に平均粒子径
が0.01〜0.1 μmの顔料が望ましい。それにより、薄い
上塗塗膜層で効率よく紫外線を遮蔽することが可能とな
る。
【0026】また、このように顔料が微細になると、顔
料粒子径が可視光の波長の1/2 以下に小さくなるため、
顔料は実質的に透明になる (特に平均粒子径が0.1 μm
以下の場合) 。その場合には、塗装金属材料の色彩は、
上塗塗膜に必要に応じて添加する、より大粒径の着色顔
料および/または中塗塗膜の顔料により付与される色彩
によって確保することになる。
【0027】(6) 製造方法 本発明の塗装金属材料は、基材金属材料を、必要に応じ
て常法により下地処理した後、下塗塗料、中塗塗膜、上
塗塗膜を順に塗装し、各塗装後に焼付けを行う3コート
3ベーク方式で一般に製造することができる。いずれか
の塗膜層に常温乾燥型あるいは紫外線硬化型 (または他
の活性エネルギー線硬化型) 塗料を使用した場合には、
その後の焼付け作業は不要となる。塗装手段も特に制限
されず、ロールコーター、カーテンフローコーター、ス
プレーガン、バーコーターなどの慣用の塗装手段を利用
すればよい。焼付温度は、塗料中の樹脂や硬化剤の種類
によっても異なるが、一般に最高到達温度 180〜250
℃、0.5 〜3分程度の条件下で行われる。
【0028】本発明の塗装金属材料は、上述したように
下塗塗膜、中塗塗膜、上塗塗膜の3層構造の塗膜とし、
上塗塗膜に多量の顔料を集中的に分布させることによ
り、加工性の低下につながる顔料の総配合量の増加を行
わずに、耐候性を向上させることができる。そして、こ
の効果を、塗料中の樹脂種によらずに、即ち、特定の樹
脂種に制限することなく得ることができる点も、本発明
の特徴である。所望により、中塗塗膜をさらに2層に分
け、中塗塗膜の上層側の顔料濃度が下層側の顔料濃度よ
り高くなるようにしてもよい (4コート型) 。
【0029】本発明の塗装金属材料は、屋外での使用に
も十分に耐える耐候性と、家電製品のような比較的苛酷
な曲げ加工にも加工性とを有しているので、エアコン室
外機のような屋外で用いる家電製品に特に好適である。
もちろん、建材などの屋外用途、或いは室内用の家電製
品にも利用可能である。
【0030】
【実施例】
【0031】
【実施例1】板厚0.6 mmの溶融亜鉛めっき鋼板 (亜鉛付
着量は片面60 g/m2)の両面に、通常のリン酸亜鉛処理
(付着量0.5g/m2 片面) を施した後、下記に示す塗料お
よび焼付条件で下塗塗膜、中塗塗膜、上塗塗膜の3コー
ト3ベークを行い、白色の塗装鋼板を得た。なお、塗装
はいずれもバーコーターにより行った。各塗料中の顔料
濃度 (2種以上の場合は合計濃度) は、表1に示すとお
りであった。
【0032】下塗塗膜 樹脂:ウレタン変性ポリエステル樹脂 (UR-6000 、東洋
紡製) 架橋剤:メチル化メラミン樹脂 (サイメル327 、三井サ
イアナミッド製) 顔料:クロム酸ストロンチウム 33% 酸化チタン (平均粒子径0.20μm) 2% (計35%) 乾燥膜厚:5μm 焼付:鋼板最高到達温度 210±10℃×50秒。
【0033】中塗塗膜 樹脂:ポリエステル樹脂 (RV-300、東洋紡製) 架橋剤:メチル化メラミン樹脂 (サイメル327 、三井サ
イアナミッド製) 顔料:酸化チタン (平均粒子径0.28μm) 乾燥膜厚:表1のとおり 焼付:鋼板最高到達温度 210±10℃×50秒。
【0034】上塗塗膜 樹脂:高分子量ポリエステル樹脂 (RV-560、東洋紡製) 架橋剤:メチル化メラミン樹脂 (サイメル327 、三井サ
イアナミッド製) 顔料:酸化チタン (CR-95 、石原産業製、平均粒子径0.
28μm) 乾燥膜厚:表1のとおり 焼付:鋼板最高到達温度 230±10℃×60秒。
【0035】得られた塗装鋼板の曲げ加工性と耐候性を
下記試験方法により評価した。試験方法 (1) 加工性試験 試験片に対して 180°密着曲げによる0T折り曲げを23
℃で行い、折り曲げ部の塗膜のクラック発生の有無を10
倍ルーペで確認し、次の基準で評価した。 ◎: 全くクラックなし ○: ごくわずかなクラックあり △: 若干クラックあり ×: かなり多くのクラックあり (2) 耐候性試験 試験片をサンシャインウェザオメーターにより紫外線に
500 時間暴露した後、塗膜面の色差ΔEと光沢度保持率
G (%) を測定し、次の基準で評価した。 ◎: 0<ΔE<0.5 ; 80 <G≦100 ○: 0.5≦ΔE<1.5 ; 60 <G≦80 △: 1.5≦ΔE<2 ; 40 <G≦60 ×: 2≦ΔE ; G≦40 試験結果を、各塗膜層の乾燥塗膜厚および顔料濃度とと
もに、表1にまとめて示す。
【0036】
【表1】
【0037】表1より、本発明に従って、上塗塗膜の顔
料濃度が30〜60%、中塗塗膜の顔料濃度が1%以上、30
%未満と、上塗塗膜の顔料濃度を中塗塗膜の顔料濃度よ
りも高くすることにより、高い加工性を保持したまま塗
膜耐候性を向上させることができる。上塗塗膜の顔料濃
度が30%未満であると、耐候性が低下する。一方、上塗
塗膜の顔料濃度が60%を超えるか、中塗塗膜の顔料濃度
が30%以上となると、加工性が低下する。
【0038】従来の2コート塗装鋼板の場合には、上塗
塗膜の顔料濃度が低いと耐候性が著しく低下し、この濃
度が30%以上になると耐候性は得られるが、加工性が低
下する。例えば、実施例である試験No.1および31を、2
コートの比較例である試験No. 34と比べると、各塗膜層
を合計した顔料の総量はほぼ同じであるが、本発明に従
って上層塗膜を2層に分けて、上塗塗膜に顔料を多く配
合することにより、顔料の総量を増やさずに耐候性を改
善できることがわかる。
【0039】
【実施例2】実施例1と同様に塗装鋼板を作製したが、
上塗塗料に添加する酸化チタン顔料として平均粒子径の
異なる顔料を使用した。各塗膜層の塗膜厚および顔料濃
度ならびに上塗塗膜の顔料の平均粒子径を試験結果とと
もに表2にまとめて示す。本実施例では、耐候性試験は
紫外線への2000時間の暴露により行い、500 時間後、10
00時間後および2000時間後の結果をそれぞれ示す。
【0040】
【表2】
【0041】表2より、上塗塗膜が薄膜である時には、
顔料の粒子径を小さくすることにより、耐候性が一層改
善されることがわかる。
【0042】
【発明の効果】本発明の塗装金属材料は、下塗塗膜、中
塗塗膜、上塗塗膜の3コート3ベーク型とし、しかも上
塗塗膜に多量の顔料を集中的に分布させることにより、
従来の2コート2ベークの塗装金属材料に比べて、顔料
の総量を同じにしたまま、耐候性を向上させることがで
きる。その結果、加工性と耐候性が両立した塗装金属材
料を、特定の塗料の使用に制限されずに提供することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる塗装鋼板の1例の模式図であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属基材上に下塗、中塗、上塗の3層の
    塗膜を順次被覆した塗装金属材において、中塗塗膜の顔
    料濃度が1重量%以上、30重量%未満であり、上塗塗膜
    の顔料濃度が30重量%以上、60重量%以下であることを
    特徴とする、塗装金属材料。
  2. 【請求項2】 上塗塗膜の塗膜厚が 0.5〜5μmであ
    る、請求項1記載の塗装金属材料。
  3. 【請求項3】 上塗塗膜中の顔料の平均粒子径が0.01〜
    0.3 μmである、請求項1または2記載の塗装金属材
    料。
JP15497094A 1994-07-06 1994-07-06 耐候性と加工性に優れた塗装金属材料 Withdrawn JPH0819756A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015503022A (ja) * 2011-10-25 2015-01-29 ポスコ 溶接性、耐傷つき性、及び耐食性に優れた表面処理鋼板

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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