JPH0819669B2 - ホース型薬液注入装置及び注入方法 - Google Patents

ホース型薬液注入装置及び注入方法

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JPH0819669B2
JPH0819669B2 JP15266893A JP15266893A JPH0819669B2 JP H0819669 B2 JPH0819669 B2 JP H0819669B2 JP 15266893 A JP15266893 A JP 15266893A JP 15266893 A JP15266893 A JP 15266893A JP H0819669 B2 JPH0819669 B2 JP H0819669B2
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彰彦 安藤
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地盤改良用薬液注入装
置に関し、特に2ショット注入方式におけるホース型薬
液注入装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、地盤改良においては薬液
注入工法が広く採用されている。その中で、1ショット
注入方式は、主剤(A液)と硬化剤(B液)を所定の配
合比により予め混合した後、1液(A+B)の状態で圧
送し注入するもので、ゲル化時間が数十分の緩結型の注
入剤に適用される。
【0003】これに対し、2ショット注入方式は、独立
した流路を用いて主剤(A液)と硬化剤(B液)とを吐
出部まで別々に圧送し、噴射直前に両液を混合し噴射す
るもので、ゲル化時間の短い瞬結型の注入剤に適用され
る。2ショット注入方式は、水の吹出し易い地盤等、条
件の悪い地盤を改良する際に主に利用される。
【0004】従来の2ショット注入方式のホース型薬液
注入装置の構造は、円柱状先端部(モニタ)の上下に2
つのパッカー(ダブルパッカー)と両パッカー間に吐出
口を有し、モニタ内部には、2種以上の薬液を該吐出口
まで別々に圧送するための多重管の薬液用流路を有する
(特公平3−48963号公報参照)。当該ホース型薬
液注入装置においては、注入装置の挿脱時には収縮状態
であるダブルパッカーを、薬液吐出時に膨張させ、予め
建込まれている外管(マンシェットチューブ)に密接さ
せることによって、薬液の先端及び基部(地上)側への
流出を防ぎ、地盤中へ薬液を効果的に噴射させることが
できる。このダブルパッカーの膨縮の制御は、基部にお
いて水等の圧力流体を圧送、解放することによって行
う。このため、上記薬液用流路の他に、パッカーを膨張
させるための圧力流体用流路を有する。
【0005】尚、近年、施工規模の大型化に伴い注入深
度が深くなる傾向があり、これに対応できる長尺(例え
ば20m以上)の注入装置の要求度が高くなってきてい
るが、長さの調節が簡単なホースをモニタ内の流路に接
続したホース型薬注入装置は、その点においても適して
いる。そして、モニタの挿脱操作においては、ホースを
もって押入れ、引上げを行い、ホースの移動距離を検出
することによってモニタの位置を制御する。ホースは連
続的なものか、もしくはジョイント等を介して連結した
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】薬液注入工法において
は、挿入されたモニタから吐出された薬液は、マンシェ
ットチューブのラバー・スリットを通って地盤中に噴射
される。しかしながら、モニタとマンシェットチューブ
間の僅かな隙間に残留する薬液が付着し硬化することに
よって、モニタがマンシェットチューブに捕捉されてし
まうことがある。特に、2ショット注入方式により瞬結
型の注入剤を使用する場合は、モニタとマンシェットチ
ューブ間で薬液が硬化し易い。その結果、次の噴射箇所
に移動するためのモニタ引上げが困難となり、更には引
上げ不可能となる事態、いわゆるジャーミングが生じ
る。
【0007】従来のダブルパッカーモニタは、モニタ全
体が一体化された構造を有し、かつモニタとホースが螺
着等により強固に接続されるかあるいは一体化されてい
る。従って上記のようなジャーミングが生じた場合、無
理に引上げようと試みれば、軟弱なホース部分が途中か
ら破損する、即ち引き裂かれることになる。連結型ホー
スの場合は、ジョイント部分が破損することも多々あ
る。その結果、モニタが回収できないのは無論のこと、
ホースの再使用も不可能になる。
【0008】次に、薬液噴射箇所へのモニタの位置決め
は、従来ホースの移動距離を検出することによって行っ
ている。ホースによってモニタを引き上げる場合、注入
装置全体の荷重、移動の際のマンシェットチューブとの
摩擦、付着物による抵抗等の力がすべてホースに負荷さ
れることになる。とりわけ長尺の場合は、その負担が大
きくなる。しかしながら、ホースは可撓性のある、例え
ばゴム製のものであるため、このような強い力で引き上
げられた場合、伸びを生じる。この伸びによって本来の
規定された寸法に狂いを生じる。ホース寸法が変われば
それに従って決められたモニタ位置もずれることにな
る。このずれは、噴射工程を繰り返す毎に大きくなって
いく。最終的には、マンシェットチューブ上の噴射口の
ない部分に向かって注入剤の噴射を行ってしまうことに
なり、地盤中に噴射されないばかりか、過圧により薬液
が基部や先端方向に流出したり、モニタとマンシェット
チューブ間に充満してジャーミングを引き起こすことに
なる。
【0009】また多重管は、基部とホース、ホースとモ
ニタ、あるいはホース間等の接続部分の構造が複雑で、
耐久性と信頼性に問題がある。また接続、清掃、補修等
の作業における効率も良くない。
【0010】本発明の目的は、上記の多重管ホース型注
入装置における種々の問題を解決し、かつ、瞬結型の薬
液を用いるのに適した装置及び方法を提供することであ
る。即ち、 イ)独立した2本の流路を用いて主剤と硬化剤とを別々
に圧送し、噴射直前に両液を混合すること、 ロ)ジャーミング時に、ホースが破損することを防ぎ、
ホースの再利用を可能にすること、 ハ)モニタをマンシェットチューブに円滑に挿脱でき、
しかも挿脱によるホースの変形を回避して、モニタ位置
を正確に決定できること、 ニ)耐久性と信頼性があり、作業性も良い簡単な構造を
実現すること、である。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明によるホース型薬液注入装置は、軸方向に
3本の流路を有するパッカーシャフトに、筒状の、第1
パッカー部、吐出部、第2パッカー部を順次嵌入して環
設し、さらに先端キャップを該パッカーシャフトの先端
に取り付けることにより、上記各部を固定し、該両パッ
カー部は、それぞれ弾性体からなり圧力流体によって膨
縮するパッカーを有し、該吐出部は、支持管と該支持管
の管壁を貫通する薬液の吐出口を有し、前記3本の流路
の内、1本は両パッカーへ連通する分岐を有し、他の2
本はそれぞれ該吐出口へ連通する分岐を有するダブルパ
ッカーモニタと、該モニタの3本の流路とそれぞれ連通
し、該モニタのヘッドに接続されるホースと、該モニタ
のヘッドに接続される少なくとも1本のワイヤロープと
からなる。
【0012】更に前記ホース型薬液注入装置において、
前記先端キャップが、シアーピンによって前記パッカー
シャフトの先端に取り付けられることを特徴とする。
【0013】更に前記ホース型薬液注入装置において、
前記ホースが、単管の3本のホースから構成されること
を特徴とする。
【0014】また、本発明によるホース型薬液注入方法
によれば、軸方向に3本の流路を有するパッカーシャフ
トに、筒状の、第1パッカー部、吐出部、第2パッカー
部を順次嵌入して環設し、さらに先端キャップを該パッ
カーシャフトの先端に取り付けることにより上記各部を
固定し、該両パッカー部に弾性体からなるパッカーを設
けて該パッカーを圧力流体によって膨縮させ、該吐出部
に支持管と該支持管の管壁を貫通する薬液の吐出口を設
け、該3本の流路の内、1本に設けた分岐を両パッカー
へ連通させ、他の2本に設けた分岐をそれぞれ該吐出口
へ連通させてダブルパッカーモニタを構成し、該モニタ
のヘッドに3本の流路とそれぞれ連通するホースを接続
し、さらに該モニタのヘッドに少なくとも1本のワイヤ
ロープを接続し、該吐出口に連通する2本の流路を用い
て、別々に瞬結型の主剤と硬化剤とを圧送し、噴射直前
に両液を混合することにより、地盤の瞬結硬化を行う。
【0015】更に本発明によるホース型薬液注入方法に
よれば、軸方向に3本の流路を有するパッカーシャフト
に、筒状の、第1パッカー部、吐出部、第2パッカー部
を順次嵌入して環設し、さらに先端キャップを該パッカ
ーシャフトの先端に取り付けることにより上記各部を固
定し、該両パッカー部に弾性体からなるパッカーを設け
て該パッカーを圧力流体によって膨縮させ、該吐出部に
支持管と該支持管の管壁を貫通する薬液の吐出口を設
け、該3本の流路の内、1本に設けた分岐を両パッカー
へ連通させ、他の2本に設けた分岐をそれぞれ該吐出口
へ連通させてダブルパッカーモニタを構成し、該モニタ
のヘッドに3本の流路とそれぞれ連通するホースを接続
し、さらに該モニタのヘッドに少なくとも1本のワイヤ
ロープを接続し、該ワイヤロープを押入れ、引き上げる
ことにより該モニタの挿脱操作を行い、該ワイヤロープ
の移動距離を測定することにより該モニタ位置を制御す
る。
【0016】更に、前記先端キャップをシアーピンによ
って前記パッカーシャフトの先端に取り付け、ジャーミ
ング時に通常の引上げ操作による前記モニタの引上げが
不可能となった場合、前記ワイヤロープをさらに引上げ
ることにより該シアーピンをせん断し、該先端キャップ
と該パッカーシャフトとの固定を外し、該ワイヤロー
プ、該パッカーシャフト、及び前記ホースを引上げ回収
する。
【0017】
【作用】本発明によれば、2種の薬液を各々独立した流
路を用いて圧送し、噴射直前に両液を混合するので、瞬
結型の注入剤を用いても、流路内等における注入剤の硬
化を防止することができる。
【0018】更に、本発明によれば、モニタは、パッカ
ーシャフトを有し、このパッカーシャフトに、筒状の、
第1パッカー部、吐出部、第2パッカー部を順次嵌入し
て環設する。さらに、パッカーシャフトの先端に先端キ
ャップを取り付けることによって、上記各部を固定し、
両パッカー部及び吐出部が抜け落ちることを防止してい
る。特に、上記のジャーミングが生じ易い長尺の場合
は、シアーピンによって先端キャップを取り付けること
が有効である。長尺孔においてジャーミングが生じた時
には、ワイヤロープを引っ張ることによって、先端キャ
ップをパッカーシャフトに取り付けているシアーピンに
非常に強いせん断力が懸かり、ピンが折れる結果、パッ
カーシャフトと両パッカー部及び吐出部との固定がはず
れ、両パッカー部及び吐出部はパッカーシャフトから抜
け落ちることが可能になる。従って、マンシェットチュ
ーブとの間の付着物により捕捉されている両パッカー部
及び吐出部を地中に残して、パッカーシャフトを3本の
ホースと共に回収することができる。このようにして回
収されたホースには、何ら損傷はなく再使用することが
できる。
【0019】また、本発明によれば、ホースには何ら力
が懸からずに挿脱操作を行うことができる。本発明で
は、モニタにワイヤロープを接続し、このワイヤロープ
を押入れ、引上げることによって全体を挿脱する。ワイ
ヤロープは、通常の挿脱操作を行うに十分な強度を有す
るのみでなく、ジャーミング時の引上げによって、先端
キャップのシアーピンを折るに十分な強度を有するもの
である。しかも通常の挿脱操作においては、押し込み力
を伝達するための剛性と適度な弾性を有するので、モニ
タをマンシェットチューブへ円滑に挿入することができ
る。このように、挿脱操作においてホースに力が懸から
ないため、ホースの変形(伸び等)や破損の恐れがな
い。
【0020】また、本発明では、モニタ位置の制御は、
ワイヤロープの移動距離を光センサ等の検知手段により
測定して行う。ホースと異なり、ワイヤロープは強い引
上げに対しても伸びを生じることがないので、非常に正
確なモニタの位置制御が実現できる。しかも噴射工程を
繰り返しても、何等問題がない。
【0021】また、本発明によれば、モニタとホースは
容易に分離でき、またモニタも先端キャップを取り外す
だけで、パッカーシャフト、パッカー部、吐出部の独立
した各部品に分解することができる。従ってそれぞれの
部品を容易に交換、清掃することができ、また再び組立
てることも容易である。
【0022】また、本発明によれば、モニタに接続され
る3本の単管のホースと、それぞれに接続される3本の
流路を有するので、接続部の構造が簡単で接続作業が容
易である。従ってホースを多重管とした場合に比べて耐
久性と信頼性に優れている。
【0023】
【実施例】以下本発明を図によって具体的に説明する。
図1、図2、及び図3は、本発明による2ショット注入
方式のホース型薬液注入装置の実施例の1つを示すもの
である。図1は平面図であり、図2は図1のA−O−B
断面図であり、図3はA−O−C断面図である。
【0024】図1に示すように、ワイヤロープ13を中
心にして3方向に、ホース12a、12b、12cが均
等にバランスよく配置されている。そして、例えばワイ
ヤロープ13を芯線として、ホース12a、12b、1
2cをその周囲にZよりまたはSよりにして巻き付ける
等の処理が施されている。
【0025】図2及び図3に示すように、注入装置10
は、モニタ11と、モニタ11に接続される3本の口金
付きホース12a、12b、12c及びワイヤロープ1
3とから構成されている。モニタ11は、パッカーシャ
フト14と、このシャフトに環設される第1パッカー部
15、吐出部16、第2パッカー部17とからなってい
る。モニタ11は、3本の流路18a、18b、18c
を貫通させたステンレス等のパッカーシャフト14に、
第1パッカー部15、吐出部16、第2パッカー部17
を順次、先端方向から挿抜自在に嵌入し、環設する。パ
ッカーシャフト14の3本の流路18a、18b、18
cの先端側は、それぞれOリング19a、19b、19
cのパッキンを備えたプラグ20a、20b、20cに
よって封止されている。第1パッカー部15、吐出部1
6、第2パッカー部17は、基端側がパッカーシャフト
14に形成された段部に当接すると共に、軸から抜け落
ちないよう、先端に先端キャップ21を取り付けること
によって段部と先端キャップ21の間に挟まれて固定さ
れる。本実施例においては、シアーピン22によって、
先端キャップ21を取り付けている。このシアーピン2
2によって先端キャップ21を取り付ける構造は、後記
するように、ジャーミング時に注入装置10のホース1
2a、12b、12cを保護、回収するために重要な役
割を果たすものである。
【0026】図4は、図2及び図3のX−X断面図であ
り、シアーピン22によって取り付けた先端キャップを
示している。
【0027】第1パッカー部15、吐出部16、第2パ
ッカー部17はそれぞれ独立した実質的に円筒形をなす
構成部品である。第1パッカー部15は、合成ゴム等の
弾性体からなる管状のパッカー31と、パッカーの両端
を固定するための固定具32a、32bと、封止のため
のOリング33a、33bとからなる。
【0028】吐出部16は、支持管41と、その中央部
の周囲に管壁を貫通するように設けた数個の吐出口42
と、段部に巻装された帯状のスリット付きチェックラバ
ー43(天然ゴム等)と、Oリング44a、44bとか
らなる。
【0029】第2パッカー部17は、第1パッカー部1
5と同じ構造であり、パッカー36、固定具37a、3
7b、Oリング38a、38bとからなる。尚、使用さ
れたリングは汎用的なものである。
【0030】パッカーシャフト14の3本の流路18
a、18b、18cの内、1本は第1及び第2パッカー
部15、17のそれぞれのパッカーに連通する2つの分
岐26、27を有し、他の2本はそれぞれ、吐出部16
の吐出口42に連通する分岐28b、28cを有す。前
者はパッカー用圧力流体のための流路であり、後者は薬
液のための流路である。圧力流体としては、例えば水が
使用され、薬液としては、例えば瞬結型の主剤と硬化剤
の組み合わせが用いられる。このように、地盤中に噴射
する直前まで2種の薬液を別々に圧送することができる
ので、薬液として瞬結型の主剤と硬化剤を組み合わせて
用いても、ホースや流路内で薬液が硬化するのを防止す
ることができる。
【0031】水が吹き出し易い地盤において、本実施例
に係る装置を用いて瞬結型の注入剤を注入することによ
り、水の吹き出しを防止することができる。また、通常
は1ショット注入方式で緩結型注入剤を用いて作業を行
い、水が吹き出した場合の緊急対策として、本実施例に
係る注入装置を利用することも有効である。更に、2本
の薬液用流路が独立して設けられているため、薬液の交
換、補充のためのロスタイム少なくすることができる。
また、必要に応じて、1本の流路のみ薬液の供給を停止
する等の調節も可能である。
【0032】モニタ11の基部側、モニタヘッド50に
は、ホース接続用のネジ穴51a、51b、51cが設
置されている。このネジ穴51a、51b、51cに、
3本のホース12a、12b、12c先端の取付けボル
ト52a、52b、52cが接続される。接続された3
本のホースはそれぞれ、パッカー用ホース12aはシャ
フトのパッカー用流路18aに連通し、薬液用ホース1
2b及び12cはシャフトの薬液用流路18b及び18
cに連通している。
【0033】また、モニタヘッド50にはホース接続用
ネジ穴51の他にワイヤロープ13接続用のロープソケ
ット53が設置され、例えばステンレス製のワイヤロー
プ13が接続される。
【0034】本実施例においては、直径40mmのマン
シェットチューブに対し、モニタ11は、直径36m
m、長さ640mm、パッカー部15、17の長さそれ
ぞれ230mmであり、ワイヤロープ13は、径4mm
で最大引張荷重900kgfである。注入装置10の全
長は、一般に長尺といわれるのもので、20m以上であ
り、特に長いものでは50mにもなる。しかしながらこ
れらの数値は、当然施工の必要に応じて任意に設定され
るものである。
【0035】図5によって、注入装置10におけるジャ
ーミング時の対処方法を説明する。噴射箇所を移動する
ためワイヤロープ13を引上げようとしたところ、ジャ
ーミングが生じモニタ11が引上げ不能になったとす
る。このとき、ワイヤロープ13をさらに強く引っ張る
とシアーピン22に非常に強いせん断力が懸かり、つい
には折れてしまう。シアーピン22が折れると図5に示
すように、マンシェットチューブに捕捉されて動かない
両パッカー部15、17と吐出部16を残し、モニタ1
1のパッカーシャフト14のみが抜けて3本のホース1
2a、12b、12cと共に回収される。シアーピン2
2の強度は、ワイヤロープ13の引張強度及び接続強度
よりも十分弱く、また通常の挿脱操作に対しては十分耐
え得る強さとなるべく選択することができる。
【0036】図6によって、本発明による注入装置を用
いた薬液注入方法を説明する。注入装置の3本のホース
とワイヤロープの基部には、リール等の巻取り装置と共
に薬液噴射制御、パッカー圧制御、モニタ位置制御のた
めの装置等が設置されている(図示せず)。先ず、従来
の方法により、予めマンシェットチューブが建込まれて
いるものとする。その中に本発明による注入装置を挿入
する。注入装置を移動させる際は、パッカー31、36
には圧力を作用させない、即ち収縮状態で行う。また注
入装置の移動はワイヤロープを押入れ、引上げることに
よって行う。
【0037】マンシェットチューブ内の所定の位置まで
挿入したならば、加圧水61をパッカー用ホース12a
に注水する。その結果、図6に示すようにパッカー3
1、36に圧力が懸かって膨張状態になり、マンシェッ
トチューブに密接する。
【0038】その後、2本の薬液用ホースに、それぞれ
薬液62b、62c(図示せず)を注入すると、薬液用
流路18b、18c(図示せず)に設けられた分岐28
b、28c(図示せず)から、薬液62b、62c(図
示せず)が別々に吐出され、両液が混合されて吐出口4
2からチェックラバー43のスリットを押開き、薬液6
2b、62c(図示せず)の混合液がモニタ11の外へ
吐出される。モニタ11とマンシェットチューブ間の空
間は両パッカー31、36により、先端及び基部側へは
遮閉されているので、混合液はマンシェットチューブの
噴射口より地盤中へ噴射される。
【0039】この位置での注入が完了したならば、ワイ
ヤロープを引上げてモニタ11を次の注入箇所に設定す
る。このときの移動距離は、ワイヤロープの移動距離を
地上において光センサ等によって検知し、それに基づい
て制御される。実施例においては、噴射箇所間の距離は
333mmとしたが、1mmの精度で制御可能である。
【0040】本発明は、1本のワイヤを中心に3本のホ
ースを等間隔で配置する構造によって実施することが、
バランス良く安定感もあることから好ましい。しかしな
がら、1本のワイヤと1本の三重管ホースで構成するこ
とも可能である。更に、薬液用ホースを二重管とするこ
とにより、1本のワイヤに対して対称的に2本のホース
を対称的に配置する構造とすることも可能である。ま
た、ワイヤを複数本配置してもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0042】先ず、2種の薬液を別々に吐出口まで圧送
する、独立した2本の薬液用流路を有し、噴射直前に2
液を混合することにより、瞬結型の注入剤を用いること
ができる。
【0043】次に、先端キャップをシアーピンによって
パッカーシャフトに取り付けることにより、ジャーミン
グが生じた時に、ワイヤロープを強く引っ張ることによ
ってピンが折れる結果、パッカーシャフトと両パッカー
部及び吐出部との固定がはずれ、両パッカー部と吐出部
を地中に残して、パッカーシャフトを2本のホースと共
に回収することができる。このようにして回収されたパ
ッカーシャフト及びホースには、何ら損傷はなく再使用
することができる。従ってこれら部品の消耗を低減し、
コストダウンすることができる。またジャーミングに対
して、即座に簡単な方法で対処することができるので時
間的損失も低減することができる。
【0044】また、モニタにワイヤロープを接続し、こ
のワイヤロープによって押入れ、引上げることにより、
マンシェットチューブ内へのモニタの円滑な挿脱操作が
可能になる。
【0045】更に、ワイヤロープを使用することによ
り、挿脱操作においてホースに力が懸からないため、ホ
ースの変形(伸び等)や破損の恐れがなく、ホースの消
耗を格段に低減することができる。
【0046】更に、ワイヤロープの移動距離に基づい
て、モニタ位置を制御することにより、ホースの場合に
おける伸びによる誤差を生じることなく、非常に正確な
モニタ位置の制御が実現できる。
【0047】更に、モニタとホースは容易に分離でき、
またモニタも先端キャップを取り外すだけで、パッカー
シャフト、パッカー部、吐出部の独立した各部品に分解
することができる。また再び組立てることも容易であ
る。従ってモニタ全体が一体化されている場合と異な
り、不良な部分のみを交換することができ、清掃も容易
である。
【0048】更に、多重管ホースを使用せず単管のホー
スを使用した場合、接続部の構造が簡単になるため破損
しにくく、接続作業も容易になる。従って二重管に比べ
て優れた耐久性と信頼性が得られる。
【0049】以上のように、本発明によって、2ショッ
ト注入方式による地盤改良において、優れたホース型薬
液注入装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による、2ショット注入方式用ホース型
薬液注入装置の平面図である。
【図2】図1のA−O−B断面図である。
【図3】図1のA−O−C断面図である。
【図4】先端キャップ部のX−X断面図である。
【図5】本発明による、ジャーミング時の対処方法を説
明する図である。
【図6】本発明による、2ショット注入方式用ホース型
薬液注入装置のパッカー作動中のA−O−B断面図であ
る。
【符合の説明】
10 注入装置 11 モニタ 12a パッカー用ホース 12b、12c 薬液用ホース 13 ワイヤロープ 14 パッカーシャフト 15 第1パッカー部 16 吐出部 17 第2パッカー部 18a パッカー用流路 18b、18c 薬液用流路 21 先端キャップ 22 シアーピン 26 第1パッカー用分岐 27 第2パッカー用分岐 28b、28c 薬液用分岐 31 第1パッカー 36 第2パッカー 42 吐出口 43 チェックラバー 52a、52b、52c ホース取付ボルト 61 加圧水 62b、62c 薬液

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軸方向に3本の流路を有するパッカーシャ
    フトに、筒状の、第1パッカー部、吐出部、第2パッカ
    ー部を順次嵌入して環設し、さらに先端キャップを該パ
    ッカーシャフトの先端に取り付けることにより、上記各
    部を固定し、 該両パッカー部は、それぞれ弾性体からなり圧力流体に
    よって膨縮するパッカーを有し、 該吐出部は、支持管と該支持管の管壁を貫通する薬液の
    吐出口を有し、 前記3本の流路の内、1本は両パッカーへ連通する分岐
    を有し、他の2本はそれぞれ該吐出口へ連通する分岐を
    有するダブルパッカーモニタと、 該モニタの3本の流路とそれぞれ連通し、該モニタのヘ
    ッドに接続されるホースと、 該モニタのヘッドに接続される少なくとも1本のワイヤ
    ロープとからなる、 ホース型薬液注入装置。
  2. 【請求項2】前記先端キャップが、シアーピンによって
    前記パッカーシャフトの先端に取り付けられることを特
    徴とする請求項1に記載のホース型薬液注入装置。
  3. 【請求項3】前記ホースが、単管の3本のホースから構
    成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のホー
    ス型薬液注入装置。
  4. 【請求項4】軸方向に3本の流路を有するパッカーシャ
    フトに、筒状の、第1パッカー部、吐出部、第2パッカ
    ー部を順次嵌入して環設し、さらに先端キャップを該パ
    ッカーシャフトの先端に取り付けることにより上記各部
    を固定し、該両パッカー部に弾性体からなるパッカーを
    設けて該パッカーを圧力流体によって膨縮させ、該吐出
    部に支持管と該支持管の管壁を貫通する薬液の吐出口を
    設け、該3本の流路の内、1本に設けた分岐を両パッカ
    ーへ連通させ、他の2本に設けた分岐をそれぞれ該吐出
    口へ連通させてダブルパッカーモニタを構成し、 該モニタのヘッドに3本の流路とそれぞれ連通するホー
    スを接続し、 さらに該モニタのヘッドに少なくとも1本のワイヤロー
    プを接続し、 該吐出口に連通する2本の流路を用いて、別々に瞬結型
    の主剤と硬化剤とを圧送し、噴射直前に両液を混合する
    ことにより、 地盤の瞬結硬化を行うことを特徴とするホース型薬液注
    入方法。
  5. 【請求項5】軸方向に3本の流路を有するパッカーシャ
    フトに、筒状の、第1パッカー部、吐出部、第2パッカ
    ー部を順次嵌入して環設し、さらに先端キャップを該パ
    ッカーシャフトの先端に取り付けることにより上記各部
    を固定し、該両パッカー部に弾性体からなるパッカーを
    設けて該パッカーを圧力流体によって膨縮させ、該吐出
    部に支持管と該支持管の管壁を貫通する薬液の吐出口を
    設け、該3本の流路の内、1本に設けた分岐を両パッカ
    ーへ連通させ、他の2本に設けた分岐をそれぞれ該吐出
    口へ連通させてダブルパッカーモニタを構成し、 該モニタのヘッドに3本の流路とそれぞれ連通するホー
    スを接続し、 さらに該モニタのヘッドに少なくとも1本のワイヤロー
    プを接続し、 該ワイヤロープを押入れ、引き上げることにより該モニ
    タの挿脱操作を行い、 該ワイヤロープの移動距離を測定することにより該モニ
    タ位置を制御することを特徴とするホース型薬液注入方
    法。
  6. 【請求項6】前記先端キャップをシアーピンによって前
    記パッカーシャフトの先端に取り付け、 ジャーミング時に通常の引上げ操作による前記モニタの
    引上げが不可能となった場合、前記ワイヤロープをさら
    に引上げることにより該シアーピンをせん断し、 該先端キャップと該パッカーシャフトとの固定を外し、 該ワイヤロープ、該パッカーシャフト、及び前記ホース
    を引上げ回収することを特徴とする請求項5に記載のホ
    ース型薬液注入方法。
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