JPH08195340A - 成形偏向器のオフセット調整方法及びこれを適用した荷電ビーム描画装置 - Google Patents

成形偏向器のオフセット調整方法及びこれを適用した荷電ビーム描画装置

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JPH08195340A
JPH08195340A JP574695A JP574695A JPH08195340A JP H08195340 A JPH08195340 A JP H08195340A JP 574695 A JP574695 A JP 574695A JP 574695 A JP574695 A JP 574695A JP H08195340 A JPH08195340 A JP H08195340A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、実際の描画の際のオフセット値との
間にずれの生じないオフセット調整を行う。 【構成】第1及び第2のアパーチャ16、17を組み合
わせて成形する電子ビーム形状のタイプ「1x」「1
y」「2」〜「5」及びそのサイズa〜fに対するショ
ット数を、描画に用いるショット数の割合に比例した値
として各ビーム電流を測定し、その測定結果に基づいて
オフセットを調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子ビームの形状を第
1及び第2のアパーチャを組み合わせることにより成形
するとともに成形偏向器により偏向してパターン等を描
画する荷電ビーム描画装置に係わり、特に荷電ビーム描
画に用いる成形偏向器のオフセット調整方法及びこれを
適用した荷電ビーム描画装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は荷電ビーム描画装置の構成図であ
る。電子銃1から出射される電子ビームの進行路には、
照明レンズ2、投影レンズ3、及び対物レンズ4が配置
され、かつ電子ビームの進行路に沿ってブランキング偏
向器5、静電型成形偏向器6、及び対物偏向器7が配置
されるとともに各偏向コイル8〜12が配置されてい
る。
【0003】このうちブランキング偏向器5、静電型成
形偏向器6及び対物偏向器7は、静電偏向器制御器13
により制御動作され、又、各偏向コイル8〜12は偏向
コイル制御器14により制御動作されるものとなってい
る。
【0004】又、電子ビームの進行路上には、図8に示
す開口形状の円形アパーチャ15、第1成形アパーチャ
16、第2の成形アパーチャ17、及び円形アパーチャ
18が配置されている。
【0005】このうち第1成形アパーチャ16及び第2
の成形アパーチャ17は、これらアパーチャを組み合わ
せることにより電子ビームの形状のタイプ及びそのサイ
ズを図9に示すように変化させるものとなっている。
【0006】例えば、第2の成形アパーチャ17の長方
形部分に対して第1成形アパーチャ16のポジションを
xy軸方向に移動させることにより長方形のビーム形状
B1が形成される。この場合、第1のアパーチャ16を
y軸方向に移動させることによりタイプ1yのビーム形
状となり、x軸方向に移動させることによりタイプ1x
のビーム形状となる。そして、x軸及びY軸方向のポジ
ションに応じてビーム形状のサイズが可変する。
【0007】第2の成形アパーチャ17の四角形部分に
対して第1のアパーチャ16のポジションをy軸方向に
移動させることにより三角形の各ビーム形状B2〜B5
が形成される。この場合、第1のアパーチャ16を第2
の成形アパーチャ17の四角形の各辺別に移動させるこ
とによりタイプ「2」〜「5」のビーム形状となり、そ
のy軸方向のポジションに応じてビーム形状のサイズが
可変する。
【0008】又、電子ビームの進行路に沿って各反射電
子検出器19〜23が配置され、かつ電子ビームの結像
位置にビーム電流検出器24が配置されている。これら
反射電子検出器19〜23及びビーム電流検出器24に
は、それぞれ各電流計25〜30が接続され、その検出
電流が主制御器31に送られている。
【0009】この主制御器31は、各電流計25〜30
の検出電流に応じて偏向器制御器13及び偏向コイル制
御器14を動作制御する機能を有している。このような
構成であれば、電子銃1から出射された電子ビームは、
照明レンズ2及び円形アパーチャ15を通過し、第1の
成形アパーチャ16及び第2の成形アパーチャ17によ
り描画に必要なビーム形状に成形されるとともに静電型
成形偏向器6により偏向され、さらに円形アパーチャ1
8を通り対物レンズ7により結像される。
【0010】ここで、対物レンズ7の結像位置に試料が
配置されていれば、この試料上に所望のパターンが描画
される。ところで、このような荷電ビーム描画装置で
は、静電型成形偏向器6に対するオフセット調整が行わ
れている。
【0011】このオフセット調整は、先ず、例えば図1
0に示すように第1の成形アパーチャ16のポジション
をx軸方向に移動してタイプ1xのビーム形状の成形サ
イズa〜fを連続的に変え、その各サイズについて各1
回づつビーム電流検出器24によりビーム電流を検出す
る。
【0012】なお、この1回のビーム電流の測定には、
0.2秒〜1秒の時間を要するので、各サイズへの変更
もこの時間サイクルで変化させる。又、1回のビーム電
流測定中に、電子銃1から電子ビームは連続的に出射し
てブランキングは行われていない。
【0013】このタイプ1yのビーム形状についてのビ
ーム電流測定が終了すると、図11に示すようにビーム
サイズに対するビーム電流の関係が求められる。このビ
ームサイズとビーム電流との関係からオフセット値が求
められ、このオフセット値が許容値範囲内に入るように
偏向パラメータが調整される。
【0014】この後、主制御器31に調整された偏向パ
ラメータがセットされる。以下、同様に各タイプ「2」
〜「5」の各ビーム形状の成形サイズをそれぞれ連続的
に変え、そのときの各サイズについて各1回づつビーム
電流検出器24によりビーム電流を検出する。
【0015】そして、各タイプ「1y」「2」〜「5」
の各ビーム形状についてのビーム電流測定が終了する
と、ビームサイズに対するビーム電流の関係が求められ
る。この場合、ビームサイズとビーム電流との関係は、
ビーム形状のタイプ「1x」「1y」について図11に
示すように直線近似し、タイプ「2」〜「5」について
図12に示すように2次曲線近似となる。
【0016】このようなビームサイズとビーム電流との
関係からオフセット値が求められ、このオフセット値が
許容値範囲内に入るように偏向パラメータが調整され、
この偏向パラメータが主制御器31にセットされる。
【0017】しかしながら、電子ビームを成形すると、
例えば第1及び第2のアパーチャ16、17から電子が
反射し、その反射電子又は各アパーチャ16、17から
発生する2次電子が成形偏向器6の周辺部品にチャージ
アップし、この影響を受けて電子ビームがドリフトす
る。
【0018】この電子ビームのドリフトの量と方向は、
反射電子や2次電子の発生量やその方向に左右され、
又、反射電子や2次電子の発生量やその方向は、成形タ
イプとそのサイズによって決まる。
【0019】従って、成形偏向器のオフセット調整は、
ビーム形状の各タイプ毎に連続的にサイズを変更してビ
ーム形状を成形しているので、各アパーチャ16、17
から発生する反射電子や2次電子の発生量やその方向
は、実際のパターンを描画する場合と全く異なった状態
となっている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】このため、オフセット
調整により求めたオフセット値と実際の描画の際のオフ
セット値とにずれが生じ、目的とするサイズの描画が困
難となっている。そこで本発明は、実際の描画の際のオ
フセット値との間にずれの生じないオフセット調整がで
きる成形偏向器のオフセット調整方法を提供することを
目的とする。
【0021】又、本発明は、オフセット調整時の反射電
子や2次電子の発生量やその方向と、描画時における反
射電子や2次電子の発生量やその方向とを等しくでき
て、オフセット値にずれを生じさせないオフセット調整
ができる成形偏向器のオフセット調整方法を提供するこ
とを目的とする。
【0022】又、本発明は、実際の描画の際のオフセッ
ト値との間にずれの生じないオフセット調整の機能を備
えた荷電ビーム描画装置を提供することを目的とする。
又、本発明は、オフセット調整時の反射電子や2次電子
の発生量やその方向と、描画時における反射電子や2次
電子の発生量やその方向とを等しくできて、オフセット
値にずれを生じさせないオフセット調整の機能を備えた
荷電ビーム描画装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、電子
ビーム形状のタイプ及びサイズを少なくとも2つのアパ
ーチャを組み合わせて可変成形するとともに成形偏向器
により偏向して描画する荷電ビーム描画装置の成形偏向
器のオフセット調整方法において、各アパーチャを組み
合わせて成形する電子ビーム形状のタイプ及びサイズに
対するショット数を描画に用いるショット数の割合に比
例した値とし、かつこのショット数で電子ビーム形状の
タイプ及びサイズを変化させたときの各ビーム電流を測
定してその測定結果に基づいてオフセットを調整するよ
うにして上記目的を達成しようとする成形偏向器のオフ
セット調整方法である。
【0024】請求項2によれば、オフセット調整に際し
てビーム電流を測定する場合、ショット時間とブランキ
ング時間との割合を、描画中におけるショット時間とブ
ランキング時間との割合と同一にする。
【0025】請求項3によれば、電子ビーム形状のタイ
プ及びサイズを少なくとも2つのアパーチャを組み合わ
せて可変成形するとともに成形偏向器により偏向して描
画する荷電ビーム描画装置において、描画に用いるショ
ット数の割合に比例した値で、各アパーチャを組み合わ
せて成形する電子ビーム形状のタイプ及びサイズに対す
るショット数が記憶されたショット数メモリと、電子ビ
ーム形状のタイプ及びサイズに対応したショット数をシ
ョット数メモリから読み出し、このショット数で電子ビ
ーム形状のタイプ及びサイズを変化させたときの各ビー
ム電流を測定する電流測定手段と、この電流測定手段に
より測定されたビームタイプに対するビーム電流の測定
結果に基づいてオフセットを調整する調整手段と、を備
えて上記目的を達成しようとする荷電ビーム描画装置で
ある。
【0026】請求項4によれば、電流測定手段は、オフ
セット調整に際してビーム電流を測定する場合、ショッ
ト時間とブランキング時間との割合を、描画中における
ショット時間とブランキング時間との割合と同一にす
る。
【0027】
【作用】請求項1によれば、各アパーチャを組み合わせ
て成形する電子ビーム形状のタイプ及びサイズに対する
ショット数を描画に用いるショット数の割合に比例した
値として各ビーム電流を測定し、その測定結果に基づい
てオフセットを調整すれば、オフセット調整時の反射電
子や2次電子の発生量やその方向と、描画時における反
射電子や2次電子の発生量やその方向とが等しくなり、
実際の描画時のオフセット値に対してずれの生じないオ
フセット調整ができる。
【0028】請求項2によれば、このビーム電流を測定
する場合、ショット時間とブランキング時間との割合
を、描画中におけるショット時間とブランキング時間と
の割合と同一にすることにより、確実にオフセット調整
時の反射電子や2次電子の発生量やその方向と、描画時
における反射電子や2次電子の発生量やその方向とが等
しくなる。
【0029】請求項3によれば、電子ビーム形状のタイ
プ及びサイズに対して描画に用いるショット数の割合に
比例した値のショット数を記憶するショット数メモリか
ら、電子ビーム形状のタイプ及びサイズに対応したショ
ット数を読み出し、このショット数で電子ビーム形状の
タイプ及びサイズを変化させたときの各ビーム電流を測
定し、この測定されたビームタイプに対するビーム電流
の測定結果に基づいてオフセットを調整する。
【0030】請求項4によれば、オフセット調整に際し
てビーム電流を測定する場合、ショット時間とブランキ
ング時間との割合を、描画中におけるショット時間とブ
ランキング時間との割合と同一にする。
【0031】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。なお、図7と同一部分には同一符号を付
してその詳しい説明は省略する。この成形偏向器のオフ
セット調整方法は、荷電ビーム描画装置における第1及
び第2のアパーチャを組み合わせて成形する電子ビーム
形状のタイプ及びサイズに対するショット数を描画に用
いるショット数の割合に比例した値とし、このショット
数で電子ビーム形状のタイプ及びサイズを変化させたと
きの各ビーム電流を測定してその測定結果に基づいてオ
フセットを調整するものである。
【0032】図1はかかる成形偏向器のオフセット調整
方法を適用した荷電ビーム描画装置の構成図である。主
制御器40は、各電流計25〜30の検出電流に応じて
偏向器制御器13及び偏向コイル制御器14を動作制御
する機能、さらには次の各機能を有している。
【0033】ショット数メモリ41には、描画に用いる
ショット数の割合に比例した値で、第1及び第2のアパ
ーチャを組み合わせて成形する電子ビーム形状のタイプ
「1x」「1y」「2」〜「5」及びそのサイズに対す
るショット数が記憶されている。すなわち、各タイプ各
サイズのショット数は、実際の描画に用いるショット数
の割合に比例している。
【0034】具体的にショット数メモリ41には、図2
に示すように第1及び第2のアパーチャを組み合わせて
成形する電子ビーム形状サイズ(ショットサイズ)サイ
ズa〜fと各タイプ「1x」「1y」「2」〜「5」に
対する描画に用いるショット数の割合が記憶されてい
る。
【0035】例えば、ショットタイプ「1x」のサイズ
dのショットを描画中に使う割合は、134分の1であ
ることを示す。又、ショット数メモリ41には、図3及
び図4に示すようにオフセット調整時のショットの順番
が記憶されている。
【0036】例えば、ショット番号1〜5は、タイプ1
x、サイズbで5回ビーム電流を測定することを示して
いる。又、ショット数5は、図2に示す描画に用いるシ
ョット数の割合に比例した値である。次にショット番号
6〜10は、タイプを「1y」とし、サイズをfとして
5回ビーム電流を測定することを示している。
【0037】なお、ショット番号135〜140は、サ
イズが0である。電流測定部42は、電流測定手段を構
成するもので、電子ビーム形状のタイプ及びサイズに対
応したショット数をショット数メモリ41から読み出
し、このショット数で電子ビーム形状のタイプ及びサイ
ズを変化させたときに電子銃1を動作させ、かつこのと
きにビーム電流検出器24により検出されたビーム電
流、つまり電流計30により測定されたビーム電流を入
力してその値を一時記憶する機能を有している。なお、
電流測定手段としては、ビーム電流検出器24、電流計
30及び電流測定部42から構成されている。
【0038】又、電流測定部42は、オフセット調整に
際してビーム電流を測定する場合、ショット時間とブラ
ンキング時間との割合(duty-ratio)を、描画中におけ
るショット時間(800ns)とブランキング時間(2
00ns)との割合と同一にする機能を有している。
【0039】調整部43は、電流測定部42により測定
された各電子ビームタイプに対するビーム電流の測定結
果のグラフからオフセット値を求め、このオフセット値
を「0」とするような偏向パラメータを主制御部40に
セットする機能を有している。
【0040】なお、主制御器40は、調整部43により
求められる電子ビームタイプに対するビーム電流の測定
グラフ等を表示器44に表示する機能を有している。次
に上記の如く構成された装置の作用について説明する。
【0041】静電型成形偏向器6に対するオフセット調
整は次にようにして行われる。主制御部40の電流測定
部42は、先ず、ショット数メモリ41からショット番
号1〜5のタイプ「1x」、サイズb及びショット数5
を読み出す。
【0042】このとき電子ビーム形状は、タイプ「1
x」、サイズbなので、第1の成形アパーチャ16は、
図10に示すようにタイプ「1x」のサイズbのポジシ
ョンに移動する。
【0043】この状態に、電流測定部42は、電子銃1
からショット数5で動作させる。この場合、電流測定部
42は、ショット時間とブランキング時間との割合(du
ty-ratio)を、描画中におけるショット時間(800n
s)とブランキング時間(200ns)との割合と同一
にして電子銃1をショット数5で動作させる。
【0044】このようにショット数5で電子ビームが出
射されたとき、ビーム電流検出器24は、試料上のビー
ム電流を検出する。このビーム電流は、電流計30を通
して電流測定部42に一時記憶される。
【0045】続いて、電流測定部42は、ショット数メ
モリ41からショット番号6〜10のタイプ「1y」、
サイズf及びショット数5を読み出す。このとき電子ビ
ーム形状は、タイプ「1y」、サイズfなので、第1の
成形アパーチャ16は、図10に示すようにタイプ「1
y」のサイズfのポジションに移動する。
【0046】この状態に、電流測定部42は、電子銃1
からショット数5で、かつショット時間とブランキング
時間との割合を、描画中におけるショット時間(800
ns)とブランキング時間(200ns)との割合と同
一にして電子銃1をショット数5で動作させる。
【0047】このようにショット数5で電子ビームが出
射されたとき、ビーム電流検出器24は、試料上のビー
ム電流を検出する。このビーム電流は、電流計30を通
して電流測定部42に一時記憶される。
【0048】以下、同様に、電流測定部42は、ショッ
ト数メモリ41からショット番号11〜12、13、…
140の各タイプ、サイズ及びショット数を読み出し、
そのときの電子ビーム形状のタイプ及びサイズに第1の
成形アパーチャ16のポジションに移動し、かつそのシ
ョット数5で電子銃1からショット数5で、かつショッ
ト時間とブランキング時間との割合を、描画中における
ショット時間(800ns)とブランキング時間(20
0ns)との割合と同一にして電子銃1をショット数5
で動作させる。
【0049】このようにショット数5で電子ビームが出
射されたとき、ビーム電流検出器24は、試料上のビー
ム電流を検出する。このビーム電流は、電流計30を通
して電流測定部42に一時記憶される。
【0050】このようにしてショット番号1〜140の
ビーム電流測定が終了すると、調整部43は、電流測定
部42により測定された各電子ビームタイプに対するビ
ーム電流値を各タイプ別に平均化した測定結果のグラフ
を求める。
【0051】図5(a) は電子ビーム形状のタイプ「1
x」のビーム電流のグラフであり、同図(b) は電子ビー
ム形状のタイプ「1y」のビーム電流のグラフであっ
て、直線近似する。
【0052】又、図6(a) 〜(d) は電子ビーム形状のタ
イプ「2」〜「5」の各ビーム電流の各グラフであり、
2次曲線近似する。調整部43は、これら直線及び2次
曲線からオフセット値を求め、このオフセット値を
「0」とするような偏向パラメータを主制御部40にセ
ットする。
【0053】このように上記一実施例においては、第1
及び第2のアパーチャ16、17を組み合わせて成形す
る電子ビーム形状のタイプ「1x」「1y」「2」〜
「5」及びそのサイズa〜fに対するショット数を、描
画に用いるショット数の割合に比例した値として各ビー
ム電流を測定し、その測定結果に基づいてオフセットを
調整するので、実際の描画の際のオフセット値との間に
ずれの生じないオフセット調整ができる。
【0054】すなわち、オフセット調整時の反射電子や
2次電子の発生量やその方向と、描画時における反射電
子や2次電子の発生量やその方向とを等しくでき、実際
の描画時のオフセット値に対してずれの生じないオフセ
ット調整ができる。
【0055】又、ビーム電流を測定する場合、ショット
時間とブランキング時間との割合を、描画中におけるシ
ョット時間とブランキング時間との割合と同一にするの
で、確実にオフセット調整時の反射電子や2次電子の発
生量やその方向と、描画時における反射電子や2次電子
の発生量やその方向とを等しくできる。
【0056】従って、このようなオフセット調整機能を
備えた荷電ビーム描画装置であれば、描画時のオフセッ
トにずれが発生せずに、目的のサイズで精度高く描画が
できる。
【0057】なお、本発明は、上記一実施例に限定され
るものでなく次の通り変形してもよい。上記一実施例で
は、ビーム形状の各タイプ「1x」「1y」「2」〜
「5」ごとにサイズ数をa〜fの6個としているが、こ
のサイズ数は複数であればよい。なお、例外として、描
画で使うサイズが1種類の場合には、そのサイズの前後
のサイズを設定し、必ず複数のビーム電流値から近似直
線又は近似曲線を求めてオフセット値を決定するように
する。
【0058】又、描画のショット数の割合は、図2に示
す値に限ることはない。オフセット調整時のショットの
順番は、図2に示すショット数の割合と同一にすればよ
く、ビーム形状のタイプ及びサイズの順番は限定される
ものでない。
【0059】図5及び図6に示すように同タイブ同サイ
ズの複数のショットのビーム電流値を平均したものをグ
ラフ化したが、平均を行わず、全てのビーム電流値を用
いて近似直線、近似曲線を求めるようにしてもよい。
又、複数のビーム電流値のうち、1つだけ利用して、他
はダミーとして用いてもよい。
【0060】又、図3及び図4に示すショット番号1〜
140を何回か繰り返して、反射電子や2次電子の発生
を安定させてから調整用のビーム電流を測定するように
してもよい。又、ビーム形状の成形は、第1及び第2の
アパーチャ16、17に限らず、他のアパーチャを複数
用いて行ってもよい。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、実際の描画の際のオフ
セット値との間にずれの生じないオフセット調整ができ
る成形偏向器のオフセット調整方法を提供できる。又、
本発明によれば、オフセット調整時の反射電子や2次電
子の発生量やその方向と、描画時における反射電子や2
次電子の発生量やその方向とを等しくできて、オフセッ
ト値にずれを生じさせないオフセット調整ができる成形
偏向器のオフセット調整方法を提供できる。
【0062】又、本発明によれば、実際の描画の際のオ
フセット値との間にずれの生じないオフセット調整の機
能を備えた荷電ビーム描画装置を提供できる。又、本発
明によれば、オフセット調整時の反射電子や2次電子の
発生量やその方向と、描画時における反射電子や2次電
子の発生量やその方向とを等しくできて、オフセット値
にずれを生じさせないオフセット調整の機能を備えた荷
電ビーム描画装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる荷電ビーム描画装置の一実施例
を示す構成図。
【図2】ショット数メモリの記憶されているショット数
割合の模式図。
【図3】ショット数メモリの記憶されているショットの
順番を示す模式図。
【図4】ショット数メモリの記憶されているショットの
順番を示す模式図。
【図5】直線近似する各タイプのビームサイズに対する
ビーム電流の関係を示す図。
【図6】2次曲線近似する各タイプのビームサイズに対
するビーム電流の関係を示す図。
【図7】従来の荷電ビーム描画装置の構成図。
【図8】各アパーチャの構成図。
【図9】第1及び第2のアパーチャの組み合わせによる
ビーム形状の成形を示す図。
【図10】ビーム形状の各タイプ及び各サイズの成形を
示す図。
【図11】直線近似する各タイプのオフセット調整を示
す図。
【図12】2次曲線近似する各タイプのオフセット調整
を示す図。
【符号の説明】
1…電子銃、3…投影レンズ、4…対物レンズ、6…静
電型成形偏向器、7…対物偏向器、13…静電偏向器制
御器、14…偏向コイル制御器、16…第1成形アパー
チャ、17…第2の成形アパーチャ、19〜23…反射
電子検出器、24…ビーム電流検出器、25〜30…電
流計、40…主制御器、41…ショット数メモリ、42
…電流測定部、43…調整部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビーム形状のタイプ及びサイズを少
    なくとも2つのアパーチャを組み合わせて可変成形する
    とともに成形偏向器により偏向して描画する荷電ビーム
    描画装置の成形偏向器のオフセット調整方法において、 前記各アパーチャを組み合わせて成形する電子ビーム形
    状のタイプ及びサイズに対するショット数を前記描画に
    用いるショット数の割合に比例した値とし、かつこのシ
    ョット数で前記電子ビーム形状のタイプ及びサイズを変
    化させたときの各ビーム電流を測定してその測定結果に
    基づいてオフセットを調整する、ことを特徴とする成形
    偏向器のオフセット調整方法。
  2. 【請求項2】 オフセット調整に際してビーム電流を測
    定する場合、ショット時間とブランキング時間との割合
    を、描画中におけるショット時間とブランキング時間と
    の割合と同一にすることを特徴とする請求項1記載の成
    形偏向器のオフセット調整方法。
  3. 【請求項3】 電子ビーム形状のタイプ及びサイズを少
    なくとも2つのアパーチャを組み合わせて可変成形する
    とともに成形偏向器により偏向して描画する荷電ビーム
    描画装置において、 前記描画に用いるショット数の割合に比例した値で、前
    記各アパーチャを組み合わせて成形する電子ビーム形状
    のタイプ及びサイズに対するショット数が記憶されたシ
    ョット数メモリと、 前記電子ビーム形状のタイプ及びサイズに対応したショ
    ット数を前記ショット数メモリから読み出し、このショ
    ット数で前記電子ビーム形状のタイプ及びサイズを変化
    させたときの各ビーム電流を測定する電流測定手段と、 この電流測定手段により測定されたビームタイプに対す
    るビーム電流の測定結果に基づいてオフセットを調整す
    る調整手段と、を具備したことを特徴とする荷電ビーム
    描画装置。
  4. 【請求項4】 電流測定手段は、オフセット調整に際し
    てビーム電流を測定する場合、ショット時間とブランキ
    ング時間との割合を、描画中におけるショット時間とブ
    ランキング時間との割合と同一にすることを特徴とする
    請求項3記載の荷電ビーム描画装置。
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