JPH08195298A - ビームエネルギー安定化装置 - Google Patents
ビームエネルギー安定化装置Info
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- JPH08195298A JPH08195298A JP7019937A JP1993795A JPH08195298A JP H08195298 A JPH08195298 A JP H08195298A JP 7019937 A JP7019937 A JP 7019937A JP 1993795 A JP1993795 A JP 1993795A JP H08195298 A JPH08195298 A JP H08195298A
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- Particle Accelerators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ビ−ム制御範囲を拡げると共にビ−ム変位制
御信号がビ−ム電流の大きさに依存しないようにするこ
と。 【構成】 加速器1には直流高電圧電源2から加速電圧
Vaが印加される。加速器からのイオンビームIはエネ
ルギー分析電磁石3の磁場を通過し、ビ−ムエネルギー
の変化に伴うビ−ムの変位はスリット電極体4a,4b
で検出される。スリット電極体からのビ−ム電流に弁別
器9a,9bはステップ状に応答する。弁別器の弁別出
力Vd,Vd’に応動してスイッチ10a,10bが閉
じ、コンデンサ12に充電電流ic,−icを与える。
コンデンサの端子電圧、ビ−ム変位制御信号は直流高電
圧電源にフィードバックされ、加速電圧を増減し、ビ−
ムをスリット電極体間の中心軌道に戻す。
御信号がビ−ム電流の大きさに依存しないようにするこ
と。 【構成】 加速器1には直流高電圧電源2から加速電圧
Vaが印加される。加速器からのイオンビームIはエネ
ルギー分析電磁石3の磁場を通過し、ビ−ムエネルギー
の変化に伴うビ−ムの変位はスリット電極体4a,4b
で検出される。スリット電極体からのビ−ム電流に弁別
器9a,9bはステップ状に応答する。弁別器の弁別出
力Vd,Vd’に応動してスイッチ10a,10bが閉
じ、コンデンサ12に充電電流ic,−icを与える。
コンデンサの端子電圧、ビ−ム変位制御信号は直流高電
圧電源にフィードバックされ、加速電圧を増減し、ビ−
ムをスリット電極体間の中心軌道に戻す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スリット・フィードバ
ック(スリット・スタビライザ)方式によるビ−ムエネ
ルギー安定化装置に係り、ビ−ム制御可能範囲を広く
し、ビ−ム変位制御信号がイオンビ−ム電流の大きさに
依存しないようにすると共に、ビ−ム変位の修正動作に
ハンチングが生じないようにした安定化装置に関する。
ック(スリット・スタビライザ)方式によるビ−ムエネ
ルギー安定化装置に係り、ビ−ム制御可能範囲を広く
し、ビ−ム変位制御信号がイオンビ−ム電流の大きさに
依存しないようにすると共に、ビ−ム変位の修正動作に
ハンチングが生じないようにした安定化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、スリット・フィードバック(ス
リット・スタビライザ)方式により、ビ−ム加速電圧し
たがってビ−ムエネルギーを安定化する従来装置の基本
構成図である。加速器1には直流高電圧電源2から加速
電圧Vaが印加されており、加速器で加速されたイオン
ビームIはエネルギー分析電磁石3の磁場に導入され、
所定のエネルギーのイオンビームが分離抽出される。
リット・スタビライザ)方式により、ビ−ム加速電圧し
たがってビ−ムエネルギーを安定化する従来装置の基本
構成図である。加速器1には直流高電圧電源2から加速
電圧Vaが印加されており、加速器で加速されたイオン
ビームIはエネルギー分析電磁石3の磁場に導入され、
所定のエネルギーのイオンビームが分離抽出される。
【0003】加速器1の加速電圧Vaに応じて、イオン
ビームのエネルギーが変わり、エネルギー分析電磁石3
におけるビ−ムの軌道が変化し、ビ−ムは変位する。ビ
−ム変位は一対のスリット電極体、スリット間隔を置い
て配置された低エネルギー側スリット電極体4a、高エ
ネルギー側電極体4bで検出される。加速電圧Vaが低
いとビ−ムエネルギーが低下し、エネルギー分析電磁石
3の磁場内でビ−ムは、より曲げられて低エネルギー側
スリット電極体4aで検出される。加速電圧Vaが高い
とビ−ムは磁場内であまり曲がらず、高エネルギー側ス
リット電極体4bで検出される。
ビームのエネルギーが変わり、エネルギー分析電磁石3
におけるビ−ムの軌道が変化し、ビ−ムは変位する。ビ
−ム変位は一対のスリット電極体、スリット間隔を置い
て配置された低エネルギー側スリット電極体4a、高エ
ネルギー側電極体4bで検出される。加速電圧Vaが低
いとビ−ムエネルギーが低下し、エネルギー分析電磁石
3の磁場内でビ−ムは、より曲げられて低エネルギー側
スリット電極体4aで検出される。加速電圧Vaが高い
とビ−ムは磁場内であまり曲がらず、高エネルギー側ス
リット電極体4bで検出される。
【0004】変位ビ−ムの検出により、スリット電極体
4a,4bに流れるイオンビーム電流はバッファ増幅器
5a,5bに導入される。バッファ増幅器5aの出力
と、インバータ6によって極性を反転されたバッファ増
幅器5bの出力は、演算増幅器を用いて構成され、PI
D特性をもつ調節器7に加算入力抵抗Ra,Rbを介し
て導入される。調節器7は二つのスリット電極体4a,
4bからのイオンビーム電流の差、スリット電流iに応
答し、調節器の出力信号を直流高電圧電源2にフィード
バックして加速電圧Vaを調節することにより、ビ−ム
がスリット電極体4a,4b間の中心軌道に位置するよ
うに、ビ−ムエネルギーを安定化する。
4a,4bに流れるイオンビーム電流はバッファ増幅器
5a,5bに導入される。バッファ増幅器5aの出力
と、インバータ6によって極性を反転されたバッファ増
幅器5bの出力は、演算増幅器を用いて構成され、PI
D特性をもつ調節器7に加算入力抵抗Ra,Rbを介し
て導入される。調節器7は二つのスリット電極体4a,
4bからのイオンビーム電流の差、スリット電流iに応
答し、調節器の出力信号を直流高電圧電源2にフィード
バックして加速電圧Vaを調節することにより、ビ−ム
がスリット電極体4a,4b間の中心軌道に位置するよ
うに、ビ−ムエネルギーを安定化する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ビ−ム変位dに対する
低エネルギー側及び高エネルギー側スリット電極体4
a,4bに流れるイオンビーム電流の差であるスリット
電流iの特性を図5に示す。イオンビームのスポット径
がスリット間隔より小さいときには、特性i1のよう
に、スリット間隔部分に対応する不感帯領域から変化領
域を経て飽和領域に至る特性を示す。ビ−ムのスポット
径がスリット間隔より大きい場合にはスリット間隔部分
でも正負の変化領域を有するが、何れの場合にあっても
線形(linear)の変化領域は、スリット間隔、ビ−ムス
ポット径に依存して狭いものとなる。
低エネルギー側及び高エネルギー側スリット電極体4
a,4bに流れるイオンビーム電流の差であるスリット
電流iの特性を図5に示す。イオンビームのスポット径
がスリット間隔より小さいときには、特性i1のよう
に、スリット間隔部分に対応する不感帯領域から変化領
域を経て飽和領域に至る特性を示す。ビ−ムのスポット
径がスリット間隔より大きい場合にはスリット間隔部分
でも正負の変化領域を有するが、何れの場合にあっても
線形(linear)の変化領域は、スリット間隔、ビ−ムス
ポット径に依存して狭いものとなる。
【0006】また、搬送されるイオンビーム電流の大小
に応じてスリット電流iの特性は変わる。特性i1の場
合と同じビ−ムスポット径であってもイオンビ−ム電流
が大きくなると特性i2のように変化領域の傾斜、飽和
値が大きくなり、ビ−ム変位(=ビ−ムエネルギー)に
対するスリット電流の特性が変化する。そこで、イオン
ビーム電流の大きさに応じてフィードバック特性を調整
しなければならないことになる。
に応じてスリット電流iの特性は変わる。特性i1の場
合と同じビ−ムスポット径であってもイオンビ−ム電流
が大きくなると特性i2のように変化領域の傾斜、飽和
値が大きくなり、ビ−ム変位(=ビ−ムエネルギー)に
対するスリット電流の特性が変化する。そこで、イオン
ビーム電流の大きさに応じてフィードバック特性を調整
しなければならないことになる。
【0007】加速管1に加速電圧を印加する直流高電圧
電源2としては例えばシェンケル型整流逓倍電源が用い
られ、調節器7の出力信号に応じて整流逓倍部に給電す
る高周波発振部を制御して整流逓倍電源の出力電圧、し
たがって加速電圧Vaを制御しているが、かかる直流高
電圧電源の応答性、応答遅れによりフィードバック・ゲ
インをあまり大きくすることができない。また、この応
答遅れにより、上述のようにスリット電流特性の線形領
域が狭い場合にはビ−ム変位修正動作がハンチングしや
すくなる。
電源2としては例えばシェンケル型整流逓倍電源が用い
られ、調節器7の出力信号に応じて整流逓倍部に給電す
る高周波発振部を制御して整流逓倍電源の出力電圧、し
たがって加速電圧Vaを制御しているが、かかる直流高
電圧電源の応答性、応答遅れによりフィードバック・ゲ
インをあまり大きくすることができない。また、この応
答遅れにより、上述のようにスリット電流特性の線形領
域が狭い場合にはビ−ム変位修正動作がハンチングしや
すくなる。
【0008】本発明は、スリット・フィードバック(ス
リット・スタビライザ)方式によるビ−ムエネルギーの
安定化に関し、ビ−ム制御可能範囲を広くし、ビ−ム変
位制御信号の変化特性がイオンビ−ム電流の大きさに依
存しないようにすると共に、ビ−ム変位の修正動作にハ
ンチングが生じないようにしたビ−ムエネルギー安定化
装置の提供を目的とするものである。
リット・スタビライザ)方式によるビ−ムエネルギーの
安定化に関し、ビ−ム制御可能範囲を広くし、ビ−ム変
位制御信号の変化特性がイオンビ−ム電流の大きさに依
存しないようにすると共に、ビ−ム変位の修正動作にハ
ンチングが生じないようにしたビ−ムエネルギー安定化
装置の提供を目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、加速器から導
入されてエネルギー分析電磁石の磁場を通過したイオン
ビームの変位をスリット電極体で検出して加速器の加速
電圧を制御するビームエネルギー安定化装置において、
前記スリット電極体からのイオンビーム電流にステップ
状に応答する弁別器と、この弁別器の弁別出力に応動し
て充電されるコンデンサとを備え、このコンデンサの端
子電圧に応じて前記加速電圧を制御することを主たる特
徴とするものである。
入されてエネルギー分析電磁石の磁場を通過したイオン
ビームの変位をスリット電極体で検出して加速器の加速
電圧を制御するビームエネルギー安定化装置において、
前記スリット電極体からのイオンビーム電流にステップ
状に応答する弁別器と、この弁別器の弁別出力に応動し
て充電されるコンデンサとを備え、このコンデンサの端
子電圧に応じて前記加速電圧を制御することを主たる特
徴とするものである。
【0010】さらに本発明は、加速器から導入されてエ
ネルギー分析電磁石の磁場を通過したビームの変位をス
リット電極体で検出して加速器の加速電圧を制御するビ
ームエネルギー安定化装置において、前記スリット電極
体からのイオンビーム電流にステップ状に応答する弁別
器と、この弁別器の弁別出力に応動する第1のスイッチ
と、この第1のスイッチを介して充電電流が供給される
コンデンサと、前記弁別器の弁別出力の消滅に応動する
ワンショット・マルチバイブレータと、このマルチバイ
ブレータの出力に応動し、前記コンデンサに前記充電電
流と逆極性の制動用充電電流を供給する第2のスイッチ
とを備え、前記コンデンサの端子電圧に応じて前記加速
電圧を制御することを特徴とするものである。
ネルギー分析電磁石の磁場を通過したビームの変位をス
リット電極体で検出して加速器の加速電圧を制御するビ
ームエネルギー安定化装置において、前記スリット電極
体からのイオンビーム電流にステップ状に応答する弁別
器と、この弁別器の弁別出力に応動する第1のスイッチ
と、この第1のスイッチを介して充電電流が供給される
コンデンサと、前記弁別器の弁別出力の消滅に応動する
ワンショット・マルチバイブレータと、このマルチバイ
ブレータの出力に応動し、前記コンデンサに前記充電電
流と逆極性の制動用充電電流を供給する第2のスイッチ
とを備え、前記コンデンサの端子電圧に応じて前記加速
電圧を制御することを特徴とするものである。
【0011】
【作用】スリット電極体からのイオンビーム電流に対し
弁別器はステップ状に応答し、この弁別器の弁別出力に
応動してコンデンサを充電する。コンデンサは、イオン
ビーム電流の大小に関係なく、弁別出力の継続期間中、
充電される。このコンデンサの端子電圧、ビ−ム変位制
御信号に応動して加速管に印加する加速電圧をフィード
バック制御することにより、イオンビームを中心軌道に
戻す。
弁別器はステップ状に応答し、この弁別器の弁別出力に
応動してコンデンサを充電する。コンデンサは、イオン
ビーム電流の大小に関係なく、弁別出力の継続期間中、
充電される。このコンデンサの端子電圧、ビ−ム変位制
御信号に応動して加速管に印加する加速電圧をフィード
バック制御することにより、イオンビームを中心軌道に
戻す。
【0012】弁別器の弁別出力に応動する第1のスイッ
チを介してコンデンサには充電電流が供給される。この
コンデンサの端子電圧に応動して加速管に印加する加速
電圧をフィードバック制御することにより、イオンビー
ムを中心軌道に戻す。イオンビームの中心軌道への復帰
動作に伴い、ビ−ムがスリット電極体を外れ、弁別器の
弁別出力の消滅に応動してワンショット・マルチバイブ
レータが動作する。同マルチバイブレータの準安定状態
出力の継続期間中、第2のスイッチを介して前記コンデ
ンサに前記充電電流とは逆極性の電流が供給されること
により、イオンビームの復帰動作に制動作用を与え、ハ
ンチングの発生を防ぐ。
チを介してコンデンサには充電電流が供給される。この
コンデンサの端子電圧に応動して加速管に印加する加速
電圧をフィードバック制御することにより、イオンビー
ムを中心軌道に戻す。イオンビームの中心軌道への復帰
動作に伴い、ビ−ムがスリット電極体を外れ、弁別器の
弁別出力の消滅に応動してワンショット・マルチバイブ
レータが動作する。同マルチバイブレータの準安定状態
出力の継続期間中、第2のスイッチを介して前記コンデ
ンサに前記充電電流とは逆極性の電流が供給されること
により、イオンビームの復帰動作に制動作用を与え、ハ
ンチングの発生を防ぐ。
【0013】
【実施例】本発明の実施例について図面を参照して説明
する。図1は実施例の構成図である。加速器1は直流高
電圧電源2から加速電圧が印加されており、加速器で加
速されたイオンビームIはエネルギー分析電磁石3の磁
場に導入され、所定のエネルギーのイオンビームが分離
抽出される。加速器1の加速電圧に応じて、イオンビー
ムのエネルギーが変わり、エネルギー分析電磁石3にお
けるビ−ムの軌道が変化し、同電磁石からのビ−ムは変
位する。ビ−ム変位は一対のスリット電極体、スリット
間隔を置いて配置された低エネルギー側スリット電極体
4a、高エネルギー側電極体4bで検出される。
する。図1は実施例の構成図である。加速器1は直流高
電圧電源2から加速電圧が印加されており、加速器で加
速されたイオンビームIはエネルギー分析電磁石3の磁
場に導入され、所定のエネルギーのイオンビームが分離
抽出される。加速器1の加速電圧に応じて、イオンビー
ムのエネルギーが変わり、エネルギー分析電磁石3にお
けるビ−ムの軌道が変化し、同電磁石からのビ−ムは変
位する。ビ−ム変位は一対のスリット電極体、スリット
間隔を置いて配置された低エネルギー側スリット電極体
4a、高エネルギー側電極体4bで検出される。
【0014】変位ビ−ムの捕捉により、スリット電極体
4a,4bに流れるイオンビーム電流はバッファ増幅器
8a,8bに入力される。このバッファ増幅器の部分で
電流信号を電圧信号に変換し、各バッファ増幅器からの
イオンビーム電流信号Viは弁別器9a,9bに入力さ
れる。これら弁別器はスリット電極体4a,4bからの
イオンビーム電流に対しステップ状に応答するものであ
り、イオンビーム電流信号Viと設定値Vsとを比較
し、イオンビーム電流信号が設定値を超えると、ステッ
プ状に変化する弁別出力Vd,Vd’が発生する。この
弁別出力に応動してスイッチ10a,10bは閉成す
る。図2(a)はビ−ム変位dに対する弁別出力Vd,
Vd’の発生状況を示す説明図である。
4a,4bに流れるイオンビーム電流はバッファ増幅器
8a,8bに入力される。このバッファ増幅器の部分で
電流信号を電圧信号に変換し、各バッファ増幅器からの
イオンビーム電流信号Viは弁別器9a,9bに入力さ
れる。これら弁別器はスリット電極体4a,4bからの
イオンビーム電流に対しステップ状に応答するものであ
り、イオンビーム電流信号Viと設定値Vsとを比較
し、イオンビーム電流信号が設定値を超えると、ステッ
プ状に変化する弁別出力Vd,Vd’が発生する。この
弁別出力に応動してスイッチ10a,10bは閉成す
る。図2(a)はビ−ム変位dに対する弁別出力Vd,
Vd’の発生状況を示す説明図である。
【0015】イオンビーム電流をスリット電極体4aで
検出し、弁別器9aの弁別出力Vdに応動してスイッチ
10aが閉じると、正極性の直流電圧V+から充電抵抗
11aを介してコンデンサ12に正極性の充電電流ic
が供給される。またイオンビームが逆方向に変位し、イ
オンビ−ム電流がスリット電極体4bで検出されること
に伴いスイッチ10bが閉じると、コンデンサ12には
負極性直流電圧V-から、充電抵抗11bを介して負極
性充電電流−icが供給される。直流電圧V+,V-の電
圧値、充電抵抗11a,11bの値を選択し、コンデン
サ10を所定の充電特性で充電する。図2(b)に時間
tに対する充電電流ic,−icの変化特性の一例を示
す。
検出し、弁別器9aの弁別出力Vdに応動してスイッチ
10aが閉じると、正極性の直流電圧V+から充電抵抗
11aを介してコンデンサ12に正極性の充電電流ic
が供給される。またイオンビームが逆方向に変位し、イ
オンビ−ム電流がスリット電極体4bで検出されること
に伴いスイッチ10bが閉じると、コンデンサ12には
負極性直流電圧V-から、充電抵抗11bを介して負極
性充電電流−icが供給される。直流電圧V+,V-の電
圧値、充電抵抗11a,11bの値を選択し、コンデン
サ10を所定の充電特性で充電する。図2(b)に時間
tに対する充電電流ic,−icの変化特性の一例を示
す。
【0016】したがって、ビ−ムエネルギーが小さいこ
とによりビ−ムIが低エネルギー側スリット電極体4a
に当っているとき、弁別器9aの弁別出力Vdにより、
スイッチ10aは閉じ、コンデンサ12は直流電圧V+
から充電抵抗11aを介して充電される。これに伴い、
コンデンサ12はビ−ム電流の大小に関係なく充電さ
れ、コンデンサの端子電圧、ビ−ム変位制御信号はバッ
ファ増幅器13を介して直流高電圧電源2にフィードバ
ックされる。直流高電圧源は加速電圧を上げて、ビ−ム
エネルギーを増加させることにより、イオンビームは中
心軌道に戻される。逆にビ−ムエネルギーが大きい場
合、コンデンサ12にはスイッチ10bの閉成により負
極性の充電電流−icが供給され、コンデンサの端子電
圧の低下により、加速管1の加速電圧を下げ、ビ−ムエ
ネルギーを減少させてビ−ムを中心軌道に戻す。
とによりビ−ムIが低エネルギー側スリット電極体4a
に当っているとき、弁別器9aの弁別出力Vdにより、
スイッチ10aは閉じ、コンデンサ12は直流電圧V+
から充電抵抗11aを介して充電される。これに伴い、
コンデンサ12はビ−ム電流の大小に関係なく充電さ
れ、コンデンサの端子電圧、ビ−ム変位制御信号はバッ
ファ増幅器13を介して直流高電圧電源2にフィードバ
ックされる。直流高電圧源は加速電圧を上げて、ビ−ム
エネルギーを増加させることにより、イオンビームは中
心軌道に戻される。逆にビ−ムエネルギーが大きい場
合、コンデンサ12にはスイッチ10bの閉成により負
極性の充電電流−icが供給され、コンデンサの端子電
圧の低下により、加速管1の加速電圧を下げ、ビ−ムエ
ネルギーを減少させてビ−ムを中心軌道に戻す。
【0017】このように、ビ−ムエネルギーが変化し、
ビ−ムがスリット電極体4a,4bに当たり、イオンビ
ーム電流にステップ状に応答する弁別器9a,9bの弁
別出力に応答してコンデンサ12の端子電圧、ビ−ム変
位制御信号を変化させてビ−ムを所定の中心軌道位置に
修正復帰させる。ビ−ムがスリット電極体4a,4bに
当たっている間、コンデンサ12は充電されるから、ス
リット電極体の全長範囲に亘りコンデンサの充電に影響
を与えることができ、ビ−ム制御可能範囲が広くなる。
またコンデンサ12の充電はビ−ム電流の大きさに関係
しないから、フィードバック制御系のパラメータを一定
の状態で、ビ−ムエネルギーを安定に制御することがで
きる。
ビ−ムがスリット電極体4a,4bに当たり、イオンビ
ーム電流にステップ状に応答する弁別器9a,9bの弁
別出力に応答してコンデンサ12の端子電圧、ビ−ム変
位制御信号を変化させてビ−ムを所定の中心軌道位置に
修正復帰させる。ビ−ムがスリット電極体4a,4bに
当たっている間、コンデンサ12は充電されるから、ス
リット電極体の全長範囲に亘りコンデンサの充電に影響
を与えることができ、ビ−ム制御可能範囲が広くなる。
またコンデンサ12の充電はビ−ム電流の大きさに関係
しないから、フィードバック制御系のパラメータを一定
の状態で、ビ−ムエネルギーを安定に制御することがで
きる。
【0018】フィードバック制御系は直流高電圧源2が
発生する加速電圧が定常的にはコンデンサ12の端子電
圧に比例するように動作し、スリット電極体4a,4b
によるイオンビーム電流の検出に応答するコンデンサの
端子電圧変化量についても最適の制御特性が得られるよ
うに調節されるが、直流高電圧電源2の応答遅れにより
ビ−ム変位の修正に行き過ぎが生じ、発振、ハンチング
が生ずることがある。ハンチングの発生を防止するため
に、コンデンサ12に制動充電電流を与え、ビ−ム修正
動作に制動を与える。
発生する加速電圧が定常的にはコンデンサ12の端子電
圧に比例するように動作し、スリット電極体4a,4b
によるイオンビーム電流の検出に応答するコンデンサの
端子電圧変化量についても最適の制御特性が得られるよ
うに調節されるが、直流高電圧電源2の応答遅れにより
ビ−ム変位の修正に行き過ぎが生じ、発振、ハンチング
が生ずることがある。ハンチングの発生を防止するため
に、コンデンサ12に制動充電電流を与え、ビ−ム修正
動作に制動を与える。
【0019】ワンショット・マルチバイブレータ14
a,14bは弁別器9a,9bの弁別出力Vd,Vd’
の消滅に応動し、これらマルチバイブレータの準安定状
態出力の存在期間中、スイッチ15a,15bが閉じ、
負及び正極性の直流電圧V-,V+から充電抵抗16
a,16bを介してコンデンサ12に、スイッチ10
a,10bが閉じたときとは逆極性の制動充電電流−i
bc,ibcを与える。
a,14bは弁別器9a,9bの弁別出力Vd,Vd’
の消滅に応動し、これらマルチバイブレータの準安定状
態出力の存在期間中、スイッチ15a,15bが閉じ、
負及び正極性の直流電圧V-,V+から充電抵抗16
a,16bを介してコンデンサ12に、スイッチ10
a,10bが閉じたときとは逆極性の制動充電電流−i
bc,ibcを与える。
【0020】例えば、イオンビ−ムがスリット電極体4
a側に変位した場合、修正動作により中心軌道に戻る過
程で、ビ−ムが同電極体の端縁を外れ、弁別器9aの弁
別出力Vdが図3に示すように消滅するとき、その立ち
下がりのエッジでマルチバイブレータ14aはトリガさ
れる。このマルチバイブレータの準安定状態出力Vmに
応動し、同出力の存在期間T中、スイッチ15aが閉成
し、負極性の直流電圧V-から、スイッチ10aを介す
るときとは逆極性の制動充電電流−ibcを充電抵抗1
6aを介してコンデンサ12に与える。これによりコン
デンサ12の端子電圧は減少してビ−ムの修正に制動、
ダンピング作用が与えられることになり、直流高電圧電
源2の応答遅れを補償し、ビ−ム修正動作に発振、ハン
チングが生ずるのを防ぐことができ、これに伴いフィー
ドバックゲインを増加させることができる。
a側に変位した場合、修正動作により中心軌道に戻る過
程で、ビ−ムが同電極体の端縁を外れ、弁別器9aの弁
別出力Vdが図3に示すように消滅するとき、その立ち
下がりのエッジでマルチバイブレータ14aはトリガさ
れる。このマルチバイブレータの準安定状態出力Vmに
応動し、同出力の存在期間T中、スイッチ15aが閉成
し、負極性の直流電圧V-から、スイッチ10aを介す
るときとは逆極性の制動充電電流−ibcを充電抵抗1
6aを介してコンデンサ12に与える。これによりコン
デンサ12の端子電圧は減少してビ−ムの修正に制動、
ダンピング作用が与えられることになり、直流高電圧電
源2の応答遅れを補償し、ビ−ム修正動作に発振、ハン
チングが生ずるのを防ぐことができ、これに伴いフィー
ドバックゲインを増加させることができる。
【0021】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成した
ので、スリット電極体によるイオンビーム電流の検出期
間中、ステップ状に応答する弁別器の弁別出力に応動し
てコンデンサが充電されるから、スリット電極体の全長
に渡りコンデンサの端子電圧に影響を与えることができ
てビ−ム変位制御可能範囲が広くなると共に、コンデン
サの端子電圧、ビ−ム変位修正信号はイオンビーム電流
の大小に関係しないから、一定のフィードバックパラメ
ータのもとでビ−ムエネルギーを安定に制御することが
できる。
ので、スリット電極体によるイオンビーム電流の検出期
間中、ステップ状に応答する弁別器の弁別出力に応動し
てコンデンサが充電されるから、スリット電極体の全長
に渡りコンデンサの端子電圧に影響を与えることができ
てビ−ム変位制御可能範囲が広くなると共に、コンデン
サの端子電圧、ビ−ム変位修正信号はイオンビーム電流
の大小に関係しないから、一定のフィードバックパラメ
ータのもとでビ−ムエネルギーを安定に制御することが
できる。
【0022】また、ビ−ムの修正動作に制動、ダンピン
グ作用が与えられることにより、発振、ハンチングの発
生を防止することができ、制動、ダンピング作用のない
場合より、フィードバックゲインを増加することができ
るから、ビ−ムエネルギー安定化精度を向上させること
ができる。
グ作用が与えられることにより、発振、ハンチングの発
生を防止することができ、制動、ダンピング作用のない
場合より、フィードバックゲインを増加することができ
るから、ビ−ムエネルギー安定化精度を向上させること
ができる。
【0023】ビ−ムエネルギー3MeVのイオン加速器
に実施したところ、安定に動作していることが確認され
ている。
に実施したところ、安定に動作していることが確認され
ている。
【図1】本発明の実施例の構成図である。
【図2】弁別器の出力及びコンデンサの充電電流につい
ての説明図である。
ての説明図である。
【図3】コンデンサの制動充電電流についての説明図で
ある。
ある。
【図4】スリット・フィードバック方式によりビ−ムエ
ネルギーを安定化する従来装置の一例を示す基本構成図
である。
ネルギーを安定化する従来装置の一例を示す基本構成図
である。
【図5】図4の従来装置におけるビ−ム変位対スリット
電流の特性図である。
電流の特性図である。
1 加速管 2 直流高電圧電源 3 エネルギー分析電磁石 4a,4b スリット電極体 8a,8b バッファ増幅器 9a,9b 弁別器 10a,10b スイッチ 12 コンデンサ 13 バッファ増幅器 14a,14b ワンショット・マルチバイブレータ 15a,15b スイッチ
Claims (2)
- 【請求項1】 加速器から導入されてエネルギー分析電
磁石の磁場を通過したイオンビームの変位をスリット電
極体で検出して加速器の加速電圧を制御するビームエネ
ルギー安定化装置において、前記スリット電極体からの
イオンビーム電流にステップ状に応答する弁別器と、こ
の弁別器の弁別出力に応動して充電されるコンデンサと
を備え、このコンデンサの端子電圧に応じて前記加速電
圧を制御することを特徴とするビ−ムエネルギー安定化
装置。 - 【請求項2】 加速器から導入されてエネルギー分析電
磁石の磁場を通過したビームの変位をスリット電極体で
検出して加速器の加速電圧を制御するビームエネルギー
安定化装置において、前記スリット電極体からのイオン
ビーム電流にステップ状に応答する弁別器と、この弁別
器の弁別出力に応動する第1のスイッチと、この第1の
スイッチを介して充電電流が供給されるコンデンサと、
前記弁別器の弁別出力の消滅に応動するワンショット・
マルチバイブレータと、このマルチバイブレータの出力
に応動し、前記コンデンサに前記充電電流と逆極性の制
動用充電電流を供給する第2のスイッチとを備え、前記
コンデンサの端子電圧に応じて前記加速電圧を制御する
ことを特徴とするビ−ムエネルギー安定化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7019937A JPH08195298A (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | ビームエネルギー安定化装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7019937A JPH08195298A (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | ビームエネルギー安定化装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08195298A true JPH08195298A (ja) | 1996-07-30 |
Family
ID=12013131
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7019937A Pending JPH08195298A (ja) | 1995-01-13 | 1995-01-13 | ビームエネルギー安定化装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08195298A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998006125A1 (en) * | 1996-08-07 | 1998-02-12 | Gatan, Inc. | Automated adjustment of an energy filtering transmissiion electron microscope |
US6184524B1 (en) | 1996-08-07 | 2001-02-06 | Gatan, Inc. | Automated set up of an energy filtering transmission electron microscope |
CN112996214A (zh) * | 2021-02-19 | 2021-06-18 | 中国科学院近代物理研究所 | 一种磁场稳定性控制系统及方法 |
-
1995
- 1995-01-13 JP JP7019937A patent/JPH08195298A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998006125A1 (en) * | 1996-08-07 | 1998-02-12 | Gatan, Inc. | Automated adjustment of an energy filtering transmissiion electron microscope |
US5798524A (en) * | 1996-08-07 | 1998-08-25 | Gatan, Inc. | Automated adjustment of an energy filtering transmission electron microscope |
US6184524B1 (en) | 1996-08-07 | 2001-02-06 | Gatan, Inc. | Automated set up of an energy filtering transmission electron microscope |
CN112996214A (zh) * | 2021-02-19 | 2021-06-18 | 中国科学院近代物理研究所 | 一种磁场稳定性控制系统及方法 |
CN112996214B (zh) * | 2021-02-19 | 2023-07-21 | 中国科学院近代物理研究所 | 一种磁场稳定性控制系统及方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040330 |