JPH0819305B2 - クロロスルホン化エチレン・α−オレフィン共重合体組成物 - Google Patents

クロロスルホン化エチレン・α−オレフィン共重合体組成物

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JPH0819305B2
JPH0819305B2 JP62199047A JP19904787A JPH0819305B2 JP H0819305 B2 JPH0819305 B2 JP H0819305B2 JP 62199047 A JP62199047 A JP 62199047A JP 19904787 A JP19904787 A JP 19904787A JP H0819305 B2 JPH0819305 B2 JP H0819305B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、クロロスルホン化エチレン・α−オレフィ
ン共重合体組成物に関するものである。
さらに詳しくは、加硫後の製品の耐熱性,耐寒性およ
び耐水性が優れた、クロロスルホン化エチレン・α−オ
レフィン共重合体組成物に関するものである。
本組成物は、歯付きゴムベルト,ポリVベルト等のゴ
ムベルト分野において特に有用である。
[従来の技術] クロロスルホン化ポリエチレンに代表されるクロロス
ルホン化共重合体は、同じハロゲン化ポリマーの仲間と
してクロロプレンゴムと類似した性質を有している。
しかしながら、耐熱性,耐候性,耐オゾン性の面でク
ロロプレンゴムと較べて、より優れた性質を示すため
に、より耐熱性の優れたポリマーとして位置づけられ
る。
このため、現状クロロプレンゴムの耐熱性では限界に
来ている分野において、クロロプレンゴムをクロロスル
ホン化重合体に置き換えようとする試みがなされてい
る。
たとえば、歯付きベルト,ポリVベルトに代表される
ゴムベルトである。
しかしながら、クロロスルホン化ポリエチレンはクロ
ロプレンゴムと較べ、耐寒性が劣るために、歯付きベル
トに要求される耐寒性をクリアーすることが難しい場合
がある。
このため、我々は特願61−217935において、ゴム材料
にクロロスルホン化エチレン・α−オレフィン共重合体
を用いることを特徴とする歯付きゴムベルトを提案し
た。
一方、歯付きゴムベルト分野においては前述の耐熱
性,耐寒性の他に製品の耐水性を向上させる事も重要な
技術課題である。
クロロスルホン化ポリエチレン加硫物の耐熱性と耐水
性の向上には、受酸剤としてリサージ,鉛丹等の鉛化合
物を用いる事が有効であると知られている。しかし、鉛
化合物の有害性による環境汚染を考えれば適当とは言え
ない。
我々はこのような背景から、加硫後の製品がより優れ
た耐熱性とより優れた耐寒性およびより優れた耐水性を
得るよう鋭意検討を行い、本発明をなすに至ったもので
あある。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明の目的とするところは、加硫後の製品の耐熱
性,耐寒性および耐水性がより優れたクロロスルホン化
エチレン・α−オレフィン共重合体組成物を提供するこ
とである。
本発明による組成物は、歯付きゴムベルト,ポリVベ
ルト等のゴムベルト用組成物として特に効果的である。
[問題点を解決するための手段] 即ち、本発明は ア)塩素量25〜32重量%,イオウ量0.3〜2.5重量%の
クロロスルホン化エチレン・α−オレフィン共重合体10
0重量部に対し イ)金属酸化物又は金属水酸化物1〜4重量部 ウ)エポキシ化合物3〜15重量部 エ)チウラム類0.5〜5重量部 オ)マレイミド類0.5〜5重量部 を配合してなるクロロスルホン化エチレン・α−オレフ
ィン共重合体組成物である。
[作用] 本発明において、耐熱性,耐寒性および耐水性に優れ
た加硫製品を得るには、本明細書に記される特定の物を
特定の組み合わせで用いる事が重要である。
即ち、ア),イ),ウ),エ)およびオ)は本発明を
なすに当り、必須の成分として、クロロスルホン化エチ
レン・α−オレフィン共重合体組成物に含まれなければ
ならない。
クロロスルホン化エチレン・α−オレフィン共重合体
はエチレン・α−オレフィン共重合体を原料として塩素
化およびクロロホスホン化して得られるものの総称であ
る。
エチレン・α−オレフィン共重合体にはたとえばエチ
レン・ブテン−1共重合体,エチレン・プロピレン共重
合体,エチレン・ヘキセン−1共重合体.エチレン・オ
クテン−1共重合体,エチレン・4−メチル−ペンテン
−1共重合体などがある。
エチレンとα−オレフィンの比は98/2〜60/40である
ものが望ましい。
但しA〜Bなる記号はA以上B以下であることをあら
わすものとする。
両者の比がこの範囲をはずれると、望むべき耐寒性を
得ることが難しくなる。
特に好ましくは、エチレンとブテン−1の共重合体で
かつエチレンとブテン−1の比が95/5〜70/30の範囲に
入るものである。
原料のエチレン・α−オレフィンの組成が決まれば、
これを塩素化およびクロロスルホン化して得られるクロ
ロスルホン化エチレン・α−オレフィン共重合体のエチ
レン・α−オレフィンの組成比はそのまま保持される。
一方、エチレンとブテン−1のモル比は炭素数1000ケ
当りのエチル基の数としても表わされてもよい。
即ち、エチレンとブテン−1の比が98/2〜60/40のも
のは炭素数1000ケ当りのエチレン基数が10〜200個と表
示しても良い。
クロロスルホン化エチレン・α−オレフィン共重合体
に含まれる塩素量は25〜32重量%であるものが好まし
い。
塩素量が25重量%未満のものあるいは塩素量が32重量
%を越えるものでは有用な耐寒性を得ることは難しい。
特に好ましくは28〜31重量%である。
クロロスルホン化エチレン・α−オレフィン共重合体
に含まれるイオウ量は架橋点として働く−SO2Cl基の量
を示す尺度であるが、0.3〜2.5重量%のものが好まし
い。
特に好ましくは0.5〜1.5重量%である。
クロロスルホン化エチレン・α−オレフィン共重合体
を合成する方法にはエチレン・α−オレフィン共重合体
を原料としラジカル発生剤を触媒として、塩素と亜硫酸
ガス,塩素と塩化スルフリルあるいは塩素スルフリルを
単独で反応させる方法が一般的合成法である。
反応は溶液に溶解させた均一系で行うもの、溶液に懸
濁された不均一系で行うものあるいは気相に浮遊させた
不均一系で行うものなどがある。
但し原料となるエチレン・α−オレフィン共重合体を
溶媒に溶解させて行う均一系のものが、耐熱性と耐寒性
がともに優れたクロロスルホン化エチレン・α−オレフ
ィン共重合体を得る方法としてはより優れた方法で、望
ましい。
この際、溶媒としては四塩化炭素,クロロホルム,モ
ノクロルベンゼン,テトラクロルエタン等のハロゲン化
反応に不活性な溶媒が用いられる。
このようにして得られるア)塩素量25〜32重量%,イ
オウ量0.3〜2.5重量%のクロロスルホン化エチレン・α
−オレフィン共重合体100重量部に対し、イ)金属酸化
物又は金属水酸化物1〜4重量部、ウ)エポキシ化合物
3〜15重量部、エ)チウラム類0.5〜5重量部オ)マレ
イミド類0.5〜5重量部を必須成分として添加すること
から本発明の組成物は構成される。
金属酸化物又は金属水酸化物は一般にクロロスルホン
化重合体の加硫時の受酸剤として用いられており、たと
えばマグネシア,酸化カルシウム,水酸化カルシウムな
どが挙げられる。
一方、本発明において金属酸化物又は金属水酸化物は
エポキシ化合物と協同して受酸効果を高める。
金属酸化物又は金属水酸化物は1〜4重量部添加され
るが、1重量部未満では充分な受酸効果が期待できな
い。又、4重量部を超えて添加すると充分な耐水性を得
る事が出来ない。好ましくは2〜3重量部である。
エポキシ化合物の添加は加硫製品の耐水性を向上させ
るために特に重要である。
エポキシ化合物としては、たとえば、油化シェルエポ
キシ(株)のエピコート828,825,834,807,152,154、87
1,872,190P,191P、604が挙げられる。
エポキシ化合物は3〜15重量部用いられるが、3重量
部未満では充分な耐水性が得られない。
一方、15重量部を超える事は加硫製品の耐熱性を悪化
させる。
好ましくは8〜12重量部である。
チウラム類は加硫促進剤として一般に知られており、
たとえばジペンタメチレンチウラムテトラサルファイド
(TRA),テトラメチルチウラムモノサルファイド(T
S),テトラメチルチウラムジサルファイド(TT又はTMT
D)およびテトラエチルチウラムジサルファイド(TET)
がある。
チウラム類は0.5〜5重量部が用いられるが、添加量
が少ないものでは加硫速度,加硫密度が上らず、一方添
加量が多くなると耐水性が落ちる。
このため、より好ましくは1〜3重量部である。
マレイミド類は加硫促進剤あるいは老化防止剤として
使用されるが、たとえばN,N′−m−フェニレンジマレ
イミドがある。
市販品として、バルノックPMあるいはHVA−2があ
る。
マレイミド類は0.5〜5重量部用いるが、より耐熱性
を高める目的で1〜3重量部が好ましい。
以上の金属酸化物又は金属水酸化物,エポキシ化合
物,チウラム類,マレイミド類は互いに作用し合う事に
より、クロロスルホン化エチレン・α−オレフィン共重
合体を加硫する。
この機構については、現在明らかではないが、本発明
による特定の組み合わせにおいて、前述の目的が達成出
来る事は重要である。
本発明の組成物にはア),イ),ウ),エ)および
オ)の必須の成分の他に、補強剤,充填剤,可塑剤,老
化防止剤および加工助剤等の他の通常のゴム配合剤を必
要に応じて加える事が出来る。
補強剤,充填剤としては、たとえばカーボンブラッ
ク,ホワイトカーボン、炭酸カルシウム,クレー,タル
ク,酸化チタンなどがある。
可塑剤としては各種オイル,エステル類、塩素化パラ
フィンなどがある。
老化防止剤としては、ジブチルジオチカルバミン酸ニ
ッケル(NBC),アミン系老防、フェノール系老防など
がある。
加工助剤に低分子量ポリエチレン,金属せっけんなど
がある。
なお、先にも述べた様に本発明はクロロスルホン化エ
チレン・α−オレフィン共重合体の加硫に関係する事か
ら、前述の目的を達するものである。
このため、加硫剤,加硫促進剤のように加硫に直接影
響を及ぼす薬剤を、本組成物に併用する事は慎重にしな
ければならない。
たとえば、本組成物の成分以外に他の加硫剤あるいは
加硫促進剤を併用する事は3重量部未満とすべきであ
る。
本発明による組成物はバンバリーミキサー,インター
ミックス等の密閉式混練機あるいはオープンロール等の
通常のゴム混練機械により添加,配合される。
得られた配合物は通常のゴム製品と同様にプレス加
硫,蒸気加硫,UHF加硫,空気熱加硫等により加硫されて
製品とされる。
[実施例] 次に実施例にもとづき本発明をさらに詳しく説明する
が、これらは本発明の理解を助けるための例であって本
発明はこれらの実施例により何らの制限を受けるもので
はない。
なおこれらの実施例で用いた値は以下の測定法に準拠
して得られたものである。
エチレンとブテン−1のモル比:13C−NMRによる分
析 メルトインデックス:JIS K 7210 密度:JIS K 7112 塩素,イオウ量:燃焼フラスコ法 ムーニー粘度:JIS K 6300 加硫ゴム物性:JIS K 6301 なお、本実施例で用いられたクロロスルホン化エチレ
ン・ブテン−1共重合体は以下のようにして合成された
ものである。
[実施例1,4,5および比較例1,2,4で用いたもの] エチレン91.7モル%.ブテン−1 8.3モル%の組成
からなるエチレン・ブテン−1共重合体(メルトインデ
ックス4g/10分,密度0.89g/cc)3360gを四塩化炭素に溶
解の後、ラジカル発生剤としてのα,α′−アゾビスイ
ソブチロニトリル12g助触媒としてのピリジン0.25gとと
もに塩化スルフリル5620gと反応させる。
反応の終了後、液中に残存する酸分を除いたのち、安
定剤としての2,2′−ビス(4−グリシジルオキシフェ
ニル)プロパン17gを添加した。常法によりドラムドラ
イヤーに溶液をフィードして、生成物を溶媒と分離し
た。
分析の結果、このクロロスルホン化エチレン・ブテン
−1共重合体は、30.1重量%の塩素量と1.02重量%のイ
オウ量を含むことが判った。ムーニー粘度(ML1+4,100
℃)は58であった。これをA−1と呼ぶ。
[実施例2で用いたもの] 原料となるエチレン・ブテン−1共重合体を次のよう
に変えた以外は実施例−1で用いた方法に準じて生成物
を得た。
エチレンとブテン−1の比:92.3/7.7 メルトインデックス:3g/10分 密度:0.89g/cc。
分析の結果このクロロスルホン化エチレン・ブテン−
1共重合体は30.0重量%の塩素量と0.99重量%のイオウ
量を含むことが判った。
ムーニー粘度は65であった。これをA−2と呼ぶ。
[実施例3で用いたもの] 原料となるエチレン・ブテン−1共重合体を次のよう
に変えた以外は実施例−1で用いた方法に準じて生成物
を得た。
エチレンとブテン−1の比:92.3/7.7 メルトインデックス:8g/10分 密度:0.89g/cc。
分析の結果このクロロスルホン化エチレン・ブテン−1
共重合体は30.0重量%の塩素量と1.01重量%のイオウ量
を含むことが判った。
ムーニー粘度(ML1+4,100℃)は44であった。これをA
−3と呼ぶ。
[実施例1〜6および比較例1〜4] 表−1に示す配合をオープンロールにて混練した後、
150℃×40分加硫し、加硫シートを得た。
その後、表−1に示す加硫物の物性を測定した。
なお、耐熱性の指標として、ゲーマン捩り試験を用い
た。
実施例1〜5は本発明による耐熱性,耐寒性および耐
水性が優れたクロロスルホン化エチレン・α−オレフィ
ン共重合体組成物である。
比較例1ではエポキシ化合物を用いていないために、
目的とする耐水性が得られていない。
比較例2ではマレイミド類を用いていないために、耐
熱性が劣る。
比較例3ではクロロスルホン化エチレン・α−オレフ
ィン共重合体に代わり、クロロスルホン化ポリエチレン
であるハイパロン40を用いている。
このため望むべき耐寒性が得られていない。
比較例4ではマグネシウムを8部用いており、本発明
による金属酸化物又は金属水酸化物の量を逸脱してい
る。このため、望むべき耐水性は得られていない。
これらの実施例および比較例を参照すれば本発明が加
硫後の耐熱性,耐寒性および耐水性が優れたのクロロス
ルホン化エチレン・α−オレフィン共重合体組成物を提
供するものであることは明らかである。
[発明の効果] 本発明により得られるクロロスルホン化エチレン・α
−オレフィン共重合体組成物は加硫後の製品の耐熱性,
耐寒性および耐水性が優れた特質を有する。
このため歯付きベルト,ポリVベルト等のゴムベルト
用材料として特に有用である。
一方、他の耐熱性、耐寒性および耐水性を要される分
野、たとえばシート,電線,ホース等にも適用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C08K 13/02 3:22 5:15 5:40 5:3415)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ア)塩素量25〜32重量%,イオウ量0.3〜
    2.5重量%のクロロスルホン化エチレン・α−オレフィ
    ン共重合体100重量部に対し イ)金属酸化物又は金属水酸化物1〜4重量部 ウ)エポキシ化合物3〜15重量部 エ)チウラム類0.5〜5重量部 オ)マレイミド類0.5〜5重量部 を配合してなるクロロスルホン化エチレン・α−オレフ
    ィン共重合体組成物。
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