JPH08192567A - インクジェット記録シート - Google Patents

インクジェット記録シート

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JPH08192567A
JPH08192567A JP7005894A JP589495A JPH08192567A JP H08192567 A JPH08192567 A JP H08192567A JP 7005894 A JP7005894 A JP 7005894A JP 589495 A JP589495 A JP 589495A JP H08192567 A JPH08192567 A JP H08192567A
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JP
Japan
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recording sheet
ink jet
jet recording
copolymer
ink
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JP7005894A
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English (en)
Inventor
Koji Idei
晃治 出井
Yoshihiko Hibino
良彦 日比野
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐水性、耐光性、フェザリングといった印字
特性の良好なインクジェット記録シートを提供する。 【構成】 支持体の内部又は表面の少なくとも一方に、
N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルの共重合か
ら得られる分子量が50000以上、且つビニルアミン
がモル比で20モル%以上であるポリビニルアミン共重
合物を含有し、且つ炭素数10以上の直鎖又は分岐した
飽和もしくは不飽和炭化水素の少なくとも1種を疎水基
として分子内に導入した表面サイズ剤を含有するインク
ジェット記録シート。好ましくは、ポリビニルアミン共
重合物と表面サイズ剤の量規定をするもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶性インクを用いて
記録するインクジェット記録シートに関するものであ
り、詳しくは、普通紙タイプ及び微塗工紙タイプのイン
クジェット記録シートに関するものであり、特に記録し
た画像の耐水性、耐光性に優れ、更にはフェザリング特
性に優れたインクジェット記録シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シ
ートに付着させ、画像・文字等の記録を行なうものであ
るが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融
通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字
を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々
の用途において急速に普及している。更に、多色インク
ジェット方式により形成される画像は、製版方式による
多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色
のない記録を得ることが可能である。又、作成部数が少
なくて済む用途においては、写真技術によるよりも安価
であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用
されつつある。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
記録シートとしては、通常の印刷や筆記に使われる上質
紙やコーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面か
ら努力がなされてきた。しかし、装置の高速化・高精細
化或はフルカラー化等インクジェット記録装置の性能の
向上や用途の拡大に伴い、記録シートに対してもより高
度な特性が要求されるようになった。
【0004】即ち、当該記録シートとしては、印字ドッ
トの濃度が高く色調が明るく鮮やかであること、インク
の吸収が早く印字ドットが重なった場合においてもイン
クが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横
方向への拡散が必要以上に大きくなく、且つ周辺が滑ら
かでぼやけないこと(フェザリング)等の高い画像再現
性、保存性の面からは、湿度が高い条件や印字部位が何
らかの理由により水に曝された場合にもインク染料が流
れ出さないこと(耐水性)及び印字部位が光に曝された
場合にも染料の変色や退色のないこと(耐光性)等が要
求される。
【0005】インクジェット記録シートの形態として
は、所謂、上質紙・ボンド紙等に代表せれる普通紙タイ
プと上質紙等の紙、合成紙、合成樹脂フィルム等の支持
体上にインク受理層を設けた塗工タイプに大別される。
【0006】塗工タイプには、インク受理層の塗工量が
1〜10g/m2程度の低塗工タイプ、10〜20g/m2程度
の中塗工タイプ、20g/m2以上の高塗工タイプの各イン
クジェット記録シートがある。
【0007】特に、近年に至っては、普通紙タイプが、
外見的にも取扱いとしても好ましく、望まれてきてい
る。しかし、これらのインクジェット記録シートの場
合、十分な画像の耐水性が得られていないのが現状であ
る。
【0008】染料の耐水性を改良するためにいくつかの
方法が提案されている、例えば、特開昭56−8499
2号公報ではポリカチオン高分子電解質を表面に含有さ
せる方法、特開昭55−150396号公報には水溶性
インク中の染料とキレートを生成する耐水化法が示され
ている。更に、染料の耐水性と耐光性を同時に改良する
ために、特開昭60−11389号公報には塩基性オリ
ゴマーを含有したことを特徴とするインクジェット記録
シートの例が示されている。ポリビニルアミン共重合物
を用いた例としては、特開昭64−8085号公報に
(メタ)アクリル酸モノマー単位を含まないビニルアミ
ンを用いて耐水性及び耐光性を向上させたインクジェッ
ト記録の被記録材の例が示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、普通
紙タイプのインクジェット記録シートの場合、十分な耐
水性は得られておらず、耐水性の良好なカチオン性ポリ
マーを使用すると、耐光性の悪化を招いたり、又、カラ
ーインクジェット記録とモノクロインクジェット記録に
使用されるインクの性質は大きく異なるため、両者の画
像品位(フェザリング)を両立させるのは非常に困難な
現状である。
【0010】本発明の目的は、普通紙タイプインクジェ
ット記録シートにおいて、次の課題を満足させることで
ある。 1.高湿な雰囲気もしくは水滴が付着した場合でもイン
クが滲まない耐水性。 2.光に曝された時にも変色、退色のない良好な耐光
性。 3.良好な画像品位(フェザリング)。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記に鑑
み鋭意研究した結果、記録した画像の耐水性、耐光性に
優れ、且つ画像品位(フェザリング)の良好なインクジ
ェット記録シートを発明するに至った。
【0012】即ち、本発明のインクジェット記録シート
は、支持体の内部又は表面の少なくとも一方に、N−ビ
ニルホルムアミドとアクリロニトリルの共重合物から得
られる分子量が50000以上、且つビニルアミンがモ
ル比で20モル%以上であるポリビニルアミン共重合物
を含有し、且つ炭素数10以上の直鎖又は分岐した飽和
もしくは不飽和炭化水素の少なくとも1種を疎水基とし
て分子内に導入した表面サイズ剤を含有することを特徴
とするものである。
【0013】本発明のインクジェット記録シートにおい
て、該ポリビニルアミン共重合物の含有量が乾燥固形分
で0.5〜2.0g/m2、該表面サイズ剤の含有量が乾燥
固形分で0.01〜0.10g/m2であることを特徴とす
るものである。
【0014】以下、本発明のインクジェット記録シート
について、詳細に説明する。
【0015】インクジェット記録方式に用いられる直接
染料や酸性染料を含有する水溶性インクの耐水性を向上
させる為には、染料のアニオン性部分とカチオン性物質
の反応による染料の定着と耐水化処理が有効であること
は自明のことである。又、耐光性つまり保存性という観
点からすれば、カチオン性が強い3級又は4級のカチオ
ン性物質は退色を助長させる傾向にあり、耐光性と耐水
性は相反する特性であることと、pH6〜9程度の中性
紙という範疇で紙を製造した場合には3級もしくは4級
カチオンポリマーでなければ十分なカチオン性を示さな
いので耐水性は得られなかった。又、前記した(メタ)
アクリル酸モノマー単位を含まないビニルアミンを用い
る耐水性及び耐光性改良方法でも耐水効果は不十分であ
った。
【0016】1級アミンは、中性と言われる雰囲気下で
は殆どカチオン性を提示していないと言われているが、
ポリビニルアミン共重合物はpH7以上であってもポリ
マー構造を持っているのでカチオン性を失わない。それ
故に、酸性雰囲気下で抄紙された抽出pHが6より低い
酸性紙はむろん、中性から弱アルカリ性雰囲気下で抄紙
された抽出pHが6〜9の支持体であっても水溶性染料
の耐水性が得られ、且つ耐光性が低下しないことが判明
した。
【0017】本発明で用いるN−ビニルホルムアミドと
アクリロニトリルの共重合により得られる、ポリビニル
アミン共重合物でも、ビニルアミン比率が20モル%以
下では十分な耐水性は得られないこと、分子量が小さい
場合には、ポリビニルアミン共重合物のパルプに対する
定着性が悪化し、水に曝されたときポリビニルアミン共
重合物自身が、染料と共に滲み出してしまい耐水性の点
では好ましくない。
【0018】しかしながら、本発明で用いるN−ビニル
ホルムアミドとアクリロニトリルの共重合により得られ
る、ビニルアミンが20モル%以上、分子量が5000
0以上であるポリビニルアミン共重合物を水溶性インク
の定着剤として紙の内部又は表面の少なくとも一方に含
有させることにより、酸性紙は基より及び塩基性填料を
内添又はアルカリのサイズプレス処理による中性紙を支
持体としたインクジェット記録シートに耐水性を付与で
きることが判明した。
【0019】本発明で用いるポリビニルアミン共重合物
とは、特開昭58−23809号公報、特開平1−04
0694号公報に例示される様なポリマーである。
【0020】ポリビニルアミン共重合物を合成する際の
モノマーとして、N−ビニルホルムアミド以外にはN−
ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオンアミド、N
−ビニルカルバミン酸メチル、N−ビニルカルバミン酸
エチル、N−ビニルカルバミン酸イソプロピル等を例示
できる。又、N−ビニルホルムアミドと共重合させるモ
ノマーとしては、アクリロニトリル、炭素数1〜4のア
ルコールと(メタ)アクリル酸とからなる(メタ)アク
リル酸エステル、アクリルアミド、(メタ)アクリル酸
等を例示できるが、特に好ましいものとして、アクリロ
ニトリル、アクリルアミドを例示できる。
【0021】本発明のポリビニルアミン共重合物の含有
量は、好ましくは、乾燥固形分で0.5〜2.0g/m2
あり、0.5g/m2より少ないと耐水性の効果が十分では
なく、2.0g/m2より多くてもかまわないが、それ以上
の耐水性改良の効果も非常に少ない。
【0022】現在、モノクロインクジェット記録に使用
されているインクジェット記録シートは、ほとんどが普
通紙タイプであり、耐水性が全く無く、又、カラーイン
クジェット記録に使用されているコートタイプインクジ
ェット記録シートをモノクロインクジェット記録に使用
した場合、耐水性はあるものの、紙表面でのインクの横
方向への広がりが大きく、画像品位(フェザリング)は
著しく劣るのが現状であった。
【0023】本発明者らは更に鋭意研究した結果、紙表
面でのインクの広がりを抑制し、フェザリングを改良す
るためには、疎水性の高い炭素数10以上の直鎖又は分
岐した飽和もしくは不飽和炭化水素の少なくとも1種を
疎水基として導入した表面サイズ剤を含有させることに
より、効果があることが判明し本発明に至った。
【0024】本発明の表面サイズの含有量は、好ましく
は、乾燥固形分で0.01〜0.10g/m2であり、0.
01g/m2より少ないとフェザリング改良の効果が小さ
く、0.10g/m2より多いとフェザリング改良の効果は
大きいものの、インク吸収性の悪化を招き、好ましくな
い。
【0025】本発明のインクジェット記録シートの支持
体としては、木材繊維主体の紙、又は木材繊維や合成繊
維を主体とした不織布の如きシート状物質が挙げられ、
紙の場合は内添サイズ剤の添加又は無添加、填料の含有
又は非含有で良く、サイズプレスの有無でも何等制限し
ない。
【0026】本発明の支持体に使用される木材パルプ
は、NBKP、LBKP、NBSP、LBSP、GP、
TMP、DIP等が挙げられ、必要に応じて単独或いは
併用して用いられる。又、内添サイズ剤は、酸性抄紙用
ロジンサイズ剤、中性抄紙用変性ロジンサイズ剤、AK
D、ASA、カチオンポリマー型サイズ剤等が適宜用い
られる。
【0027】又、支持体に使用される内添填料は、白色
顔料として従来公知の顔料が用いられ、単独或いは併用
できるが、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カル
シウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、
硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭
酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ
土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、
水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライ
ト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムのような白
色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アク
リル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイク
ロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂のような有機顔料
等が挙げられる。
【0028】更に、支持体の作製には、表面サイズ処理
も必要に応じて用いられ、酸化澱粉、燐酸エステル化澱
粉、自家変性澱粉、カチオン化澱粉又は各種変性澱粉、
ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、ポリア
クリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、ハイドロキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコー
ル又はそれらの誘導体等を単独或いは併用して使用する
ことができる。表面サイズ処理は、サイズプレス、ゲー
トロールコーター、ブレードメタリングサイズプレス、
ベルバパコーター、ショートドウエルコーター等に代表
される各種ブレードコーター、ロッドコーター、エアー
ナイフコーター、カーテンコーター等、各種塗工機で塗
工することが可能である。
【0029】又、本発明のポリビニルアミン共重合物及
び表面サイズ剤と併用することのできる無機顔料は、従
来公知の如何なるものも用いることができる。例えば、
軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、
タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタ
ン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、
珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸
マグネシウム、合成非晶質シリカ、水酸化アルミニウ
ム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マ
グネシウム、水酸化マグネシウム等を挙げることができ
る。
【0030】又、上記無機顔料の他にも超微粒子無機顔
料として、カチオン性コロイド粒子が挙げられる。カチ
オン性コロイド粒子とは、水中に懸濁分散してコロイド
状をなしているものであり、粒子表面が正に帯電した粒
子を指し、例えば、ベーマイト、擬ベーマイト等のアル
ミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウ
ム酸化物、或いは特公昭47−26959号公報に開示
されているようにコロイド状シリカ粒子表面をアルミナ
コーティングした粒子等が挙げられる。
【0031】本発明のポリビニルアミン共重合物及び表
面サイズ剤と併用することのできる接着剤としては、例
えば、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル、酸化澱粉、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆
蛋白、シリル変性ポリビニルアルコール等;無水マレイ
ン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタ
クリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重
合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸
エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラ
テックス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重
合体ラテックス;或いはこれらの各種重合体のカルボキ
シル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラ
テックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂
系等の水性接着剤;ポリメチルメタクリレート、ポリウ
レタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢
酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッ
ド樹脂等の合成樹脂系接着剤が挙げられ、1種以上で使
用される。
【0032】本発明において、その他の添加剤として、
顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、
離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増
白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、
耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配
合することもできる。
【0033】本発明で云うインクジェット記録用インク
とは、下記の着色剤、液媒体、その他の添加剤からなる
記録液体である。着色剤としては、直接染料、酸性染
料、塩基性染料、反応性染料或は食品用色素等の水溶性
染料が挙げられる。
【0034】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコー
ル、tert −ブチルアルコール、イソブチルアルコール
等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセ
トン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトンアル
コール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ト
リエチレングリコール、1,2,6 −ヘキサントリオール、
チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレン
グリコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレング
リコール類;グリセリン、エチレングリコールメチルエ
ーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エ
ーテル、トリエチレングリコール、モノメチルエーテル
等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げ
られる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエ
チレングリコール等の多価アルコール、トリエチレング
リコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール
モノエチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキル
エーテルが好ましい。その他の添加剤としては、例え
ば、pH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、
表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防錆剤等が
挙げられる。
【0035】本発明におけるインクジェット記録シート
は、インクジェット記録シートとしての使用に留まら
ず、記録時に液状であるインクを使用するどのような記
録シートとして用いることもできる。例えば、熱溶融性
物質、染顔料等を主成分とする熱溶融性インクを樹脂フ
ィルム、高密度紙、合成紙等の薄い支持体上に塗工した
インクシートを、その裏面より加熱し、インクを溶融さ
せて転写する熱転写記録用受像シート、熱溶融性インク
を加熱溶融して微小液滴化、飛翔記録するインクジェッ
ト記録シート、油溶性染料を溶媒に溶解したインクを用
いたインクジェット記録シート、光重合型モノマー及び
無色又は有色の染顔料を内包したマイクロカプセルを用
いた感光感圧型ドナーシートに対応する受像シート等が
挙げられる。
【0036】これらの記録シートの共通点は、記録時に
インクが液体状態である点である。液状インクは、硬
化、固化又は定着までに、記録シートのインク受理層の
深さ方向又は水平方向に対して浸透又は拡っていく。上
述した各種記録シートは、それぞれの方式に応じた吸収
性を必要とするもので、本発明のインクジェット記録シ
ートを上述した各種の記録シートとして利用しても何ら
制限しない。
【0037】更に、複写機・プリンター等に広く使用さ
れている電子写真記録方式のトナーを加熱定着する記録
シートとして、本発明におけるインクジェット記録シー
トを使用することもできる。
【0038】
【作用】本発明のインクジェット記録シートは、モノク
ロ及びカラーインクジェット記録において、効果的な特
性を発揮するものである。
【0039】本発明のインクジェット記録シートは、支
持体の内部又は表面の少なくとも一方に、N−ビニルホ
ルムアミドとアクリロニトリルの共重合から得られる分
子量が50000以上、且つビニルアミンがモル比で2
0モル%以上であるポリビニルアミン共重合物を含有す
ることにより、記録した画像の耐水性、耐光性を改良
し、更には、炭素数10以上の直鎖又は分岐した飽和も
しくは不飽和炭化水素の少なくとも1種を疎水基として
分子内に導入した表面サイズ剤を、ポリビニルアミン共
重合物と同時に含有することにより、画像品位(フェザ
リング)を改良することができた。即ち、モノクロ及び
カラーインクジェット記録の両方に共用可能な、普通視
タイプのインクジェット記録シートを得ることができ
た。
【0040】
【実施例】以下に、本発明の実施例を挙げて説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。又、実施例において示す「部」及び「%」は、特に
明示しない限り、重量部及び重量%を示す。
【0041】[調整例1]公知の方法、例えば、特開平
4−11094号公報に準拠した方法により、ポリビニ
ルアミン共重合物の合成を行った。
【0042】攪はん機、窒素導入管及び冷却管を備えた
反応装置に、N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリ
ルのモル比が45/55である原料単体を4g、脱塩水
35.9gを仕込んだ。窒素ガス気流中、攪はんしなが
ら60度に昇温した後、10重量%の2、2’−アゾビ
ス−2−アミジノプロパン・2塩酸塩水溶液0.12g
を添加した。攪はん下、60度にて3時間保持し重合物
を得た。この時のモノマー反応率は約93%であった。
更に、重合物中のホルミル基に対して当量の濃塩酸を添
加し、攪はんしつつ75度で8時間保持して重合物を加
水分解した。得られた重合物の溶液をアセトン中に添加
し、析出させ真空乾燥した重合物を脱塩水に溶解した。
このものの重量平均分子量は約8万であった。ビニルア
ミンのモル比は、分析化学便覧記載の銅−(エチレンジ
ニトロ)四酢酸による第一アミンの定量方法に従い測定
したところ約40モル%であった。
【0043】[調整例2]N−ビニルホルムアミドとア
クリロニトリルのモル比を24/76に変更した以外
は、調整例1と同一の方法により重合物を得た。このも
のの重量平均分子量は約8万、ビニルアミンのモル比は
20モル%であった。
【0044】[調整例3]N−ビニルホルムアミドとア
クリロニトリルのモル比を24/76に変更し、重合時
間を1時間とした以外は、調整例1と同一の方法により
重合物を得た。このものの重量平均分子量は約3万、ビ
ニルアミンのモル比は20モル%であった。
【0045】[調整例4]N−ビニルホルムアミドとア
クリロニトリルのモル比を12/88に変更した以外
は、調整例1と同一の方法により重合物を得た。このも
のの重量平均分子量は約7万、ビニルアミンのモル比は
約10モル%であった。
【0046】[調整例5]炭素数10の直鎖飽和脂肪酸
を3塩化リンと反応させた塩を、3級アミン触媒の存在
下で脱塩酸反応を行う公知の方法により、炭素数10の
ケテン二量体を得た。次いで、加熱溶解したカチオン化
澱粉(商品名:ケイトF、王子ナショナル社製)18
部、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム2部と炭素数1
0のケテン二量体を80部、そして固形分濃度が20%
となるように調整、75度にて融解し、高圧吐出型ホモ
ジナイザーを用いて200Kg/m2の条件にて乳化し、炭
素数10のケテン二量体からなる表面サイズ剤の乳化物
を作製した。
【0047】[調整例6]炭素数8の直鎖飽和脂肪酸を
用いた以外は、調整例5と同一の条件で、炭素数8のケ
テン二量体からなる表面」サイズ剤の乳化物を作製し
た。
【0048】[支持体の作製]濾水度380mlcsf
のLBKP70部、濾水度450mlcsfのNBKP
30部からなるパルプスラリーに、填料として軽質炭酸
カルシウム(商品名:TP−121、奥多摩工業社製)
20部、両性澱粉(商品名:Cato3210、王子ナ
ショナル社製)0.8部、硫酸バンド0.6部、アルキ
ルケテンダイマー型サイズ剤(商品名:サイズパインK
903、荒川化学社製)0.10部を添加して、長網抄
紙機で抄造乾燥し、マシンカレンダー仕上げをして、坪
量80g/m2の原紙を作製した。なお、作製した原紙のス
テキヒトサイズ度は、20秒であった。
【0049】実施例1 上記により作製した支持体に、調整例1で作製したポリ
ビニルアミン共重合物を乾燥固形分で0.5g/m2、調整
例5で作製した表面サイズ剤を乾燥固形分で0.05g/
m2となるようサイズプレス装置を用いて、塗工、乾燥
し、マシンカレンダー処理を行って、実施例1のインク
ジェト記録シートを作製した。
【0050】実施例2 実施例1のポリビニルアミン共重合物を乾燥固形分で
1.0g/m2とした以外は、実施例1と同様にして実施例
2のインクジェット記録シートを作製した。
【0051】実施例3 実施例1のポリビニルアミン共重合物を乾燥固形分で
1.5g/m2とした以外は、実施例1と同様にして実施例
3のインクジェット記録シートを作製した。
【0052】実施例4 実施例1のポリビニルアミン共重合物を乾燥固形分で
2.0g/m2とした以外は、実施例1と同様にして実施例
4のインクジェット記録シートを作製した。
【0053】実施例5 実施例1の表面サイズ剤を乾燥固形分で0.02g/m2
した以外は、実施例1と同様にして実施例5のインクジ
ェット記録シートを作製した。
【0054】実施例6 実施例1の表面サイズ剤を乾燥固形分で0.10g/m2
した以外は、実施例1と同様にして実施例6のインクジ
ェット記録シートを作製した。
【0055】実施例7 実施例3のポリビニルアミン共重合物を調整例2で作製
したポリビニルアミン共重合物に代えた以外は、実施例
3と同様にして実施例7のインクジェット記録シートを
作製した。
【0056】比較例1 実施例3の表面サイズ剤を無添加とした以外は、実施例
3と同様にして比較例1のインクジェット記録シートを
作製した。
【0057】比較例2 実施例3のポリビニルアミン共重合物を無添加とした以
外は、実施例3と同様にして比較例2のインクジェット
記録シートを作製した。
【0058】比較例3 実施例3で用いたポリビニルアミン共重合物を調整例3
のポリビニルアミン共重合物に代えた以外は、実施例3
と同様にして比較例3のインクジェット記録シートを作
製した。
【0059】比較例4 実施例3で用いたポリビニルアミン共重合物を調整例4
のポリビニルアミン共重合物に代えた以外は、実施例3
と同様にして比較例4のインクジェット記録シートを作
製した。
【0060】比較例5 実施例3で用いた表面サイズ剤を調整例6の表面サイズ
剤に代えた以外は、実施例3と同様にして比較例5のイ
ンクジェット記録シートを作製した。
【0061】比較例6 実施例3で用いたポリビニルアミン共重合物を4級アン
モニウム塩(商品名:アキュラック41、三井サイアナ
ミッド社製)に代えた以外は、実施例3と同様にして比
較例6のインクジェット記録シートを作製した。
【0062】比較例7 実施例3で用いたポリビニルアミン共重合物を2級アミ
ン塩(商品名:スミレーズレジン1001、住友化学社
製)に代えた以外は、実施例3と同様にして比較例7の
インクジェット記録シートを作製した。
【0063】上記により作製した実施例1〜7及び比較
例1〜7のインクジェット記録シートについて、カラー
インクジェットプリンター(商品名:BJC−600
J、キヤノン社製)、モノクロインクジェットプリンタ
ー(商品名:BJ−220J、キヤノン社製)で評価画
像を印字し、次に記載した評価方法によって評価し、そ
の結果を表1に示した。
【0064】[耐水性]耐水性は、カラーインクジェッ
トプリンターで印字を行い、マゼンタインクで文字及び
罫線印字した部分に、蒸留水を1滴たらし、放置乾燥
後、滲みの程度を目視で判定した。なお、評価基準とし
て、Aは特性が良好、Bは実用上問題ない範囲で良好、
Cは実用上問題あり、Dは特性が不良を示す。
【0065】[耐光性]耐光性は、カラーインクジェッ
トプリンターで印字を行い、マゼンタインクでベタ印字
した部分を、キセノンフェードメーター(商品名:WE
ATHER−OMETER Ci35、ATLAS社
製)で、照射強度0.39W/m2、ブラックパネル温度
63度の条件で24時間照射処理した。処理前後の光学
濃度を測定し、処理後の光学濃度残存率であらわした。
残存率が60%以上であれば良好であり、50%でも実
用上問題ないレベルである。
【0066】[フェザリング]フェザリングは、モノク
ロインクジェットプリンターで印字を行い、文字及び罫
線印字した部分の状態を目視で判定した。なお、評価基
準として、Aは特性が良好、Bは実用上問題ない範囲で
良好、Cは実用上問題あり、Dは特性が不良を示す。
【0067】[画像濃度]画像濃度は、モノクロインク
ジェットプリンターで印字を行い、ベタ印字部分を反射
濃度計(商品名:マクベスRD−918、マクベス社
製)を用いて測定した。数値が高いほど良好であるが、
通常1.20以上あれば実用上問題ないレベルである。
【0068】
【表1】
【0069】上記表1の実施例1〜7の結果から明らか
なように、本発明のN−ビニルホルムアミドとアクリロ
ニトリルの共重合から得られる分子量が50000以
上、且つビニルアミンがモル比で20モル%以上である
ポリビニルアミン共重合物を、好ましくは、0.5〜
2.0g/m2含有し、且つ炭素数10以上の直鎖又は分岐
した飽和もしくは不飽和炭化水素の少なくとも1種を疎
水基として分子内に導入した表面サイズ剤を、好ましく
は、0.01〜0.10g/m2含有するインクジェット記
録シートは、印字特性(耐水性、耐光性、フェザリン
グ)が向上した。
【0070】又、比較例1〜7で明らかなように、本発
明のポリビニルアミン共重合物、もしくは表面サイズ剤
のどちらか一方が欠けても、印字特性のバランスが取れ
ないこと、ポリビニルアミン共重合物の分子量が500
00未満やビニルアミンのモル比が20モル%未満で
は、十分な耐水性が得られないこと、炭素数10未満の
炭化水素を疎水基として分子内に導入した表面サイズ剤
では、十分なフェザリング改良効果がえられないこと等
がわかる。
【0071】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録シートは、
支持体の内部又は表面の少なくとも一方に、N−ビニル
ホルムアミドとアクリロニトリルの共重合物から得られ
る分子量が50000以上、且つビニルアミンがモル比
で20モル%以上であるポリビニルアミン共重合物を、
好ましくは、0.5〜2.0g/m2含有し、且つ炭素数1
0以上の直鎖又は分岐した飽和もしくは不飽和炭化水素
の少なくとも1種を疎水基として分子内に導入した表面
サイズ剤を、好ましくは、0.01〜0.10g/m2含有
することにより、優れた印字特性(耐水性、耐光性、フ
ェザリング)が得られるインクジェット記録シートであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の内部又は表面の少なくとも一方
    に、N−ビニルホルムアミドとアクリロニトリルの共重
    合から得られる分子量が50000以上、且つビニルア
    ミンがモル比で20モル%以上であるポリビニルアミン
    共重合物を含有し、且つ炭素数10以上の直鎖又は分岐
    した飽和もしくは不飽和炭化水素の少なくとも1種を疎
    水基として分子内に導入した表面サイズ剤を含有するこ
    とを特徴とするインクジェット記録シート。
  2. 【請求項2】 該ポリビニルアミン共重合物の含有量が
    乾燥固形分で0.5〜2.0g/m2、該表面サイズの含有
    量が乾燥固形分で0.01〜0.10g/m2であることを
    特徴とする請求項1記載のインクジェット記録シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083631A (ja) * 2005-09-26 2007-04-05 Nippon Paper Industries Co Ltd インクジェット記録用紙
JP4488519B2 (ja) * 2005-09-26 2010-06-23 日本製紙株式会社 インクジェット記録用紙

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