JPH08192145A - 汚泥物質の浄化方法及び装置 - Google Patents

汚泥物質の浄化方法及び装置

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JPH08192145A
JPH08192145A JP642095A JP642095A JPH08192145A JP H08192145 A JPH08192145 A JP H08192145A JP 642095 A JP642095 A JP 642095A JP 642095 A JP642095 A JP 642095A JP H08192145 A JPH08192145 A JP H08192145A
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Mitsuhiro Shibazaki
光弘 柴崎
Hiroshi Yoshida
宏 吉田
Kiyoyuki Horii
清之 堀井
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 汚泥物質の拡散を防止しつつ、微細気泡によ
り汚泥物質を浮上せしめて収集することにより、汚泥物
質を除去する。 【構成】 汚泥物質が存在する水中Wの底部Bに汚泥物
質の浄化手段を設置し、前記汚泥物質の浄化手段は、頂
部に開口部5が形成された中空の管状部材から成り、開
口部5の水中側部分は管状部材の中空部分2eから水中
側に向かって徐々に曲率半径が増加する様な曲面3aで
構成されており、中空部分に高圧空気を供給し11、供
給された高圧空気が開口部曲面3aに沿って水中に噴出
して該曲面から剥離する際に微細気泡Kとなり、これが
汚泥物質に付着して当該汚泥物質を水面まで浮上させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大量の微細気泡を発生
することにより、水底に沈殿した汚泥、或いは、アオコ
等の様に水中に浮遊する物質(本明細書においては、汚
泥或いは水中浮遊物質等を総称して「汚泥物質」と記載
している)が存在する河川や湖沼等を浄化する方法及び
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】汚泥物質が存在する水中に微細気泡を噴
射し、底部に沈殿し或いは水中に浮遊している汚泥物質
に対して微細気泡が付着し、当該汚泥物質を水面まで浮
上し、水面まで浮上した汚泥物質を回収して処理或いは
除去する技術は、従来から良く知られている。そして、
従来技術においては、水中に供給された高圧気体の大き
な気泡を破砕することを繰り返して微細気泡を発生さ
せ、微細気泡が大量に混入した水として、浄化作業を行
うべき湖沼等へ供給していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、大きな気泡を
破砕して微細気泡にするためには、破砕するための乱流
発生箇所を数多く構成しなければならず、しかも多数の
乱流発生を介装した流路全体の長さも長くしなければな
らないので、配管系が非常に複雑となり、装置全体が大
型化するという問題があった。そして、配管系の複雑化
は保守作業の煩雑化、設置作業の複雑化という問題を惹
起し、装置全体の大型化は装置を設置する自由度の低
下、製造コストの高騰化という問題を惹起した。
【0004】これに加えて、微細気泡を大量に包含した
水を、浄化処理しようとする河川や湖沼に供給する際
に、底に沈殿している汚泥物質を拡散してしまい、汚染
度がかえって高くなってしまう可能性が存在する。ま
た、汚泥物質が広範囲に拡散する途中で細分化されてし
まい、回収される汚泥物質の量が減少してしまうという
問題も存在する。
【0005】本発明は上述した様な従来技術の問題点に
鑑みて提案されたもので、シンプルな構成にて効率的に
微細気泡を発生させることが出来て、しかも処理すべき
汚泥物質を拡散する無く微細気泡を付着させて浮上せし
めることが出来る様な汚泥物質の浄化方法及び装置の提
供を目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者等は種々研究・検
討の結果、流路を流れる水中に高圧空気を供給する際
に、高圧空気供給箇所に適当な曲面を形成すれば、高圧
空気は所謂「コアンダ効果」により当該曲面に沿って流
れるが、その曲面から安定した剪断応力を受けることに
よって多量の微細気泡となって流路内に混在することを
見出だした。本発明は、その様な知見に基づいて為され
たものである。
【0007】本発明の汚泥物質の浄化方法は、汚泥物質
が存在する水中の底部に汚泥物質の浄化手段を設置する
浄化手段設置工程を含み、該浄化手段は頂部に開口部が
形成された中空の管状部材から成り、該管状部材は閉鎖
平面形状を形成し、該閉鎖平面形状の内側には他の前記
管状部材が縦横に配置され、管状部材の中空部分同士が
連通すると共に前記開口部の水中側部分は管状部材の中
空部分から水中側に向かって徐々に曲率半径が増加する
様な曲面で構成されており、前記浄化手段設置工程に加
えて、前記管状部材の中空部分に高圧空気を供給する工
程と、供給された高圧空気が前記開口部の水中側部分を
構成する曲面に沿って水中に噴出して該曲面から剥離す
る際に微細気泡になる工程と、前記微細気泡が汚泥物質
に付着して当該汚泥物質を水面まで浮上させる工程と、
浮上した汚泥物質を収集する工程、とを有している。
【0008】また本発明の汚泥物質の浄化装置は、汚泥
物質が存在する水中の底部に設置され、大量の微細気泡
を発生して汚泥物質を水面に浮上せしめる汚泥物質の浄
化装置において、頂部に開口部が形成された中空の管状
部材で閉鎖平面形状を形成し、該閉鎖平面形状内側の内
側に他の管状部材を縦横に配置すると共に管状部材の中
空部分同士を連通せしめ、該開口部の水中側部分は管状
部材の中空部分から水中側に向かって徐々に曲率半径が
増加する様な曲面で構成されて、前記管状部材の中空部
分と高圧空気供給源とを連通する高圧空気供給路を備え
ており、供給された高圧空気が前記開口部の水中側部分
を構成する曲面に沿って水中に噴出して該曲面から剥離
する際に微細気泡とせしめている。
【0009】ここで「汚泥物質」なる文言は、前述した
通り、水底に沈殿した汚泥、或いは、アオコ等の様に水
中に浮遊する物質を総称するものである。
【0010】本発明の実施に際して、前記開口部として
はスリットでも良く、或いは、比較的短い間隔を隔てて
連続的に穿孔された穴でも良い。
【0011】
【作用】上述した様な構成を具備する本発明によれば、
前記流路を流れる水中に、前記環状スリットを介して供
給された高圧空気は、所謂「コアンダ効果」により、環
状のスリットの下流側部分を構成する前記曲面に沿って
流れ、適当な位置(曲面の接線が、前記流路の中心線に
対して5〜30度の傾斜角度を形成する位置)に達した
ならば、高圧空気は前記曲面から剥離する。その際に、
上述の知見で述べた様に、大量の微細気泡として水中に
混在するのである。
【0012】ここで、従来は高圧空気を包含した水を浄
化処理すべき湖沼に供給する。これに対して本発明の場
合には、高圧空気のみを供給すれば、該高圧空気が管状
部材の中空部分を介して開口部に到達すると、開口部の
水中側部分を構成する曲面から剥離する際に微細気泡と
なる。すなわち、従来技術の様に水を供給する必要が無
くなるので、設置等の労力が軽減される。
【0013】また、本発明によれば大きな気泡を繰り返
し破砕する必要は無いので、従来技術の様に、気泡破砕
のための乱流発生箇所を数多く構成する必要が無く、従
って多数の乱流発生を介装した流路も必要無い。そのた
め、配管系が非常にシンプルとなり、装置全体の小型化
が達成される。そして、配管系がシンプルであるため、
保守作業及び装置の設置作業が簡単且つ容易となり、装
置が小型化に伴い装置を設置する場所その他の自由度が
増大し、製造コストも低額に抑えられる。
【0014】さらに、本発明によれば、閉鎖平面形状を
形成する管状部材の開口部から、大量の微細気泡が発生
して水面に向かって上昇するので、微細気泡がエアカー
テンの様に機能して、汚泥物質等が拡散するのを防止す
ることが出来る。そして、当該エアカーテンは、環状部
材が形成する閉鎖平面形状と同一の平面形状を有する閉
じた領域を形成するので、その領域から外部へ汚泥物質
が拡散することが防止されるのである。
【0015】これに加えて、大量の微細気泡は汚泥物質
に付着して、その汚泥物質を浮上させる作用を奏する。
これにより、その領域内の汚泥物質が部分的に浮上し、
これを収集し除去処理することにより、汚泥物質の浄化
が達成されるのである。
【0016】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の実施例
を説明する。図1は、本発明を汚泥物質を浄化すべき湖
沼において実施した態様を示している。浄化されるべき
水中Wには汚泥物質の浄化装置10が設置され、該汚泥
物質の浄化装置10は中空の管状部材(図1では符号1
2により総括的に表現されている)と、図示しない高圧
エア源(例えば、エアコンプレッサ)に連通するエア配
管11とを有している。そして図2で示す様に、中空の
管状部材は、閉鎖平面形状を形成する部材2aと、該閉
鎖平面形状の内側で縦横に配置されている部材2b及び
2cとを含んでおり、管状部材2a、2b、2cは、そ
の中空部分同士が相互に連通する様に接続されている。
従って、図示しない高圧エア源からエア配管11を介し
て供給されたエアは、中空の管状部材2a、2b、2c
の全てに行き渡るのである。なお、部材2aにより形成
された閉鎖平面形状は、仕切りたい範囲および形状に対
応している。
【0017】管状部材2(2a、2b、2c)の断面の
一例が図3で示されている。弾性体(例えばゴム)と、
その内面の可撓性を有する非伸縮性の部材(例えば、F
RP)とで構成された部材、とにより形成された管状部
材2は、その上面6から下面7に連通する開口部5を設
けている。そして、開口部5は下面7側の部分4の方が
大面積となる様に構成されている。なお、以下の説明に
おいて、開口部5の「下流側」とは開口部5の上方を意
味し、開口部5の「上流側」とは開口部5の上方を意味
する。
【0018】開口部5の壁面には環状のスリット3が設
けられ、その環状のスリット3には、開口部5の下流に
向かって縦断面の曲率半径Rが徐々に増加する様な曲面
3aが形成されている。そして、該曲面3aの終端部の
接線と、開口部5の中心線とが為す傾斜角θが10度に
なる様に構成されている。
【0019】また前記スリット3は、管状部材2の空気
溜めとして作用する中空部分2eが開口部5に対して開
口する部分として構成されており、中空部分2eは高圧
エアの供給源であるエアコンプレッサにエア回路11で
接続されている。ここで、スリット3が開口5に開口或
いは連通している箇所における幅寸法Bは、0.3mm
に形成されている。
【0020】エアコンプレッサからの高圧エアは、エア
回路11を介して管状部材2の中空部分2eに供給され
ている。そして、中空部分2eの高圧エアは環状のスリ
ット3から噴出し、いわゆる「コアンダ効果」によって
前記曲面3aに沿って流れ、曲面3aが開口部5の上面
6に達する付近で曲面3aから剥離し、Kで示す気泡と
なって水中を上昇して行く。換言すれば、高圧エアは曲
面3aから剥離する際に微細気泡となるのである。
【0021】ここで、発明者は種々の検討及び実験の結
果として、上記の傾斜角θが5〜30度であり、スリッ
トの幅Bが0.001mm〜0.5mmで、エア圧力が
周囲の水圧より1.0〜10Kg/cm2 だけ高い場合
において、高圧エアが曲面3aから剥離する場合に微細
気泡となって水中に混在することを見出だした。そし
て、本実施例では、スリット3から上部の曲面3aに至
る形状に関する条件や、エア圧に関する条件は、全て上
述の条件(高圧エアが曲面3aから剥離する際に気泡が
微細化されるための条件)を充足している。ここで、上
記の開口部は閉鎖平面形状に沿った連続した開口部とし
ても良い。
【0022】図4は、管状部材2の別の例を示してい
る。管状部材2の頂部14に開口部であるスリット13
とスリット13に連なる曲面15とを直接設けたもの
で、管状部材2の空気溜めである中空部分2eは接続口
8を介してエア回路11により図示しないエアコンプレ
ッサに接続されている。
【0023】また、そのスリット13は中空部分2e側
の開口部から遠ざかるほど拡大する曲面15に連なり、
その断面形状は頂面14aに向かって曲率Rが増大する
よう形成され、曲面15が頂面14aに達する箇所での
接線方向と頂面14aの小平面との交角θは頂面14a
に対して5〜30度の範囲(例えば10度)に形成さ
れ、スリット13の幅Bは0.3mmに形成されてい
る。図4で示す管状部材の作用は、図3で示すものと概
略同一であるため、重複説明は省略する。
【0024】再び図1、2において、浄化処理を行うべ
き水中Wの底部Gの適当な位置に配置された汚泥物質の
浄化装置10は、図示しないエアコンプレッサからエア
回路11を介して高圧エアが供給されると、該高圧エア
は管状部材2a、2b、2cの全てに供給され、その開
口部5(図3、4参照)から多量の微細気泡を発生す
る。この微細気泡は水中Wを浮遊しているか、或いは底
部Gに沈殿している汚泥物質に付着して、該汚泥物質の
見掛け上の浮力を増加して、水面まで浮上させる。換言
すれば、水中W及び底部Gに存在する汚泥物質は、微細
気泡Kにより除去されて水面に浮上する。そして、水面
に浮上した汚泥物質を、回収船等の公知手段により収集
し、収集された汚泥物質を公知の手法(例えば、焼却処
理等)により、除去するべく処理を行えば良い。
【0025】ここで、微細気泡を発生するに際して、従
来は大量の微細気泡が混入している水を浄化処理すべき
水中に供給していたので、微細気泡発生装置には水を供
給する回路と、エアを供給する回路の2系統が必要であ
った。これに対して、上述した汚泥物質の浄化装置は高
圧エアのみを供給すれば良いので、エア回路11のみを
備えれば良い。これに関連して、湖沼の岸辺等の地上に
設置するべき設備が極めてコンパクト化されるのであ
る。
【0026】また、中空管状部材2aは閉鎖平面形状を
形成しており、その開口部5から発生する微細気泡は、
汚泥物質の付着するのみならずエアーカーテンとして機
能するので、汚泥物質は中空管状部材2aが形成する閉
鎖平面形状の範囲外に拡散することは無い。従って、汚
泥物質処理は中空管状部材2aが形成する閉鎖平面形状
の範囲でのみ行われる。そして、1箇所の汚泥物質処理
が完了したならば、図示しない公知の手段で汚泥物質の
浄化装置10を移動して、他の部分の汚泥物質の浄化処
理を行う。これにより、正確且つ効率的な汚泥物質の浄
化処理が実行されるのである。
【0027】なお、図示の実施例はあくまでも例示であ
り、本発明の技術的範囲を限定する趣旨のものではな
い。例えば、図3、4において、スリット3或いは13
に代えて、短い間隔を空けて連続的に形成された複数の
孔を形成し、該孔を穿孔した箇所が、曲面から高圧エア
が剥離する際に気泡が微細化されるための上記した条件
を具備する様に構成すれば、該孔より微細気泡が発生し
て、エアカーテンを形成することが出来る。そして、複
数の孔を形成することは、スリットを形成するよりも構
造が簡単であり、制作も容易である。
【0028】
【発明の効果】本発明の作用効果を以下に列挙する。 (1) 微細気泡による汚泥物質の浄化処理を簡単且つ
効率的に行うことが出来る。 (2) 汚泥物質を拡散させること無く、所定の範囲毎
に汚泥物質の浄化処理を行うことが出来るので、正確且
つ効率的に汚泥物質の浄化処理を実行する事ができる。 (3) 汚泥物質の浄化処理から微細気泡を発生させる
ために、高圧エアのみを供給すれば良いため、従来の技
術に比較して供給系の構造を簡単且つコンパクトにする
ことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す側面図。
【図2】図1の実施例の平面図。
【図3】図1、2の実施例の要部の拡大断面図。
【図4】図3で示すのと異なるタイプの要部の拡大断面
図。
【符号の説明】
2、2a、2b、2c・・・管状部材 3、13・・・スリット 3a、15・・・曲面 4・・・開口の下部 5・・・開口部 6・・・上面 7・・・下面 10・・・汚泥物質の浄化装置 11・・・高圧エア供給回路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚泥物質が存在する水中の底部に汚泥物
    質の浄化手段を設置する浄化手段設置工程を含み、該浄
    化手段は頂部に開口部が形成された中空の管状部材から
    成り、該管状部材は閉鎖平面形状を形成し、該閉鎖平面
    形状の内側には他の前記管状部材が縦横に配置され、管
    状部材の中空部分同士が連通すると共に前記開口部の水
    中側部分は管状部材の中空部分から水中側に向かって徐
    々に曲率半径が増加する様な曲面で構成されており、前
    記浄化手段設置工程に加えて、前記管状部材の中空部分
    に高圧空気を供給する工程と、供給された高圧空気が前
    記開口部の水中側部分を構成する曲面に沿って水中に噴
    出して該曲面から剥離する際に微細気泡になる工程と、
    前記微細気泡が汚泥物質に付着して当該汚泥物質を水面
    まで浮上させる工程と、浮上した汚泥物質を収集する工
    程、とを有することを特徴とする汚泥物質の浄化方法。
  2. 【請求項2】 汚泥物質が存在する水中の底部に設置さ
    れ、大量の微細気泡を発生して汚泥物質を水面に浮上せ
    しめる汚泥物質の浄化装置において、頂部に開口部が形
    成された中空の管状部材で閉鎖平面形状を形成し、該閉
    鎖平面形状内側の内側に他の管状部材を縦横に配置する
    と共に管状部材の中空部分同士を連通せしめ、該開口部
    の水中側部分は管状部材の中空部分から水中側に向かっ
    て徐々に曲率半径が増加する様な曲面で構成されて、前
    記管状部材の中空部分と高圧空気供給源とを連通する高
    圧空気供給路を備えており、供給された高圧空気が前記
    開口部の水中側部分を構成する曲面に沿って水中に噴出
    して該曲面から剥離する際に微細気泡となることを特徴
    とする汚泥物質の浄化装置。
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