JPH08192127A - アルミニウムドロス残灰の処理方法および硬質耐摩耗骨材用原料又は耐火物用原料の製造方法 - Google Patents

アルミニウムドロス残灰の処理方法および硬質耐摩耗骨材用原料又は耐火物用原料の製造方法

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JPH08192127A
JPH08192127A JP1836995A JP1836995A JPH08192127A JP H08192127 A JPH08192127 A JP H08192127A JP 1836995 A JP1836995 A JP 1836995A JP 1836995 A JP1836995 A JP 1836995A JP H08192127 A JPH08192127 A JP H08192127A
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aluminum
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aluminum dross
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Mitsuo Togo
光男 藤後
Hiroji Takahashi
洋児 高橋
Koji Mitamura
康二 三田村
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Mitsubishi Aluminum Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミニウムドロス残灰からアルミニウム成
分と窒素成分とを効率よく除去し得るアルミニウムドロ
ス残灰の処理方法、および当該処理方法を用いて、アル
ミニウムドロス残灰および水酸化アルミニウムから付加
価値の高い硬質耐摩耗骨材用原料又は耐火物用原料を得
るための製造方法を得る。 【構成】 アルミニウムドロス残灰に、水分を含む水酸
化アルミニウムを加えて、少なくとも700℃、好まし
くは1000℃〜1600℃の温度で加熱することによ
り、アルミニウムドロス残灰から窒素成分を除去して無
害化処理し、また当該処理方法によってα−アルミナを
主成分とする焼結体を得、次いで得られた上記焼結体を
破砕することにより硬質耐摩耗骨材用原料又は耐火物用
原料を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムドロス残
灰の処理方法、および当該処理方法によって硬質耐摩耗
骨材用原料又は耐火物用原料を得るための製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、硬質耐摩耗骨材は、道路の滑り
止め用の舗装用骨材、工場や倉庫等における硬質床用の
骨材、ダムの放水路等の表装用コンクリート骨材、ある
いは表面処理のサンドブラスト用等の研摩材といった多
種の用途に用いられており、近年その需要が大幅に増加
しつつある。このような硬質耐摩耗骨材は、例えば上記
道路の滑り止め用の舗装用骨材として使用される場合に
は、そのモース硬度が7以上であることが必須の要件と
されている。このため、従来より、上記硬質耐摩耗骨材
の原料としては、天然のエメリー原石や人工骨材を所望
の粒度に破砕したものが用いられている。ちなみに、上
記エメリー原石は、ギリシャ、アメリカ、トルコ等を主
な産地とする天然石であって、主たる成分としてコラン
ダム(Al23)および鉄スピネル(Al23・Fe
O)を含むものであり、他方上記人工骨材は、硬質磁器
素地を焼成硬化させたものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の硬質
耐摩耗骨材用原料のうち、上記エメリー原石にあって
は、その主成分であるコランダムがモース硬度が9であ
り、鉄スピネルがモース硬度が8であることから、抜群
の硬さを有するものの、天然石であるために採取量が限
られ、近年における需要の増加により今後における供給
量の不足が予測されている。また、上記人工骨材は、A
23およびSiO2 を主たる成分とする組成のもので
あるが、モース硬度が7であるSiO2 が多量(約75
重量%)を占めるものであるために、上記天然エメリー
石を用いたものよりも硬度に劣るという欠点があった。
このため、昨今、特に硬度に優れた人工の硬質耐摩耗骨
材用原料の開発が望まれている。
【0004】ところで、アルミニウムあるいはアルミニ
ウム合金(以下、単にアルミニウムと称す。)の各種加
工のうち、例えば押出成形においては、一のビレットの
押出しが完了した際に、ダイス内にその容積分のアルミ
ニウムが残存してしまう。このようにしてダイス内に残
存したアルミニウムは、苛性ソーダ(NaOH)で溶解
されて水酸化アルミニウム(Al(OH)3)とされた後
に、脱水されて約50%の水分を含む水酸化アルミニウ
ムとされた上で、廃棄されたり、あるいは凝集剤等の水
処理剤として再利用されている。また、上記アルミニウ
ム形材のアルマイト処理工程においても、陽極電解処理
の前工程として、アルミニウム形材の表面を苛性ソーダ
によって溶解する際に水酸化アルミニウムが排出され、
同様の再利用等が図られているが、いずれも経済性の観
点から、より付加価値の高い再利用法が模索されてい
る。
【0005】また、アルミニウム自体の製造工程では、
アルミニウムの溶解時にアルミニウムの酸化物、窒化物
等を含んだアルミニウムドロスが生成される。このアル
ミニウムドロスは、再度回転羽根式のしぼり機等によ
り、さらに40%程度のアルミニウム成分の回収がなさ
れて、残留金属アルミニウムを50重量%以下、一般に
は30重量%程度含むアルミニウムドロス残灰とされた
のち、産業廃棄物として廃棄処理されることが殆どであ
るが、このアルミニウムドロス残灰中に残存する窒化ア
ルミニウムが水と反応し、 AlN+3H2O → Al(OH)3 +NH3 で表わされるように、アンモニアを発生して悪臭等の公
害を生じることから、その無公害化処理ならびに再利用
が種々検討されている。
【0006】このようなアルミニウムドロス残灰の無害
化処理方法として、上記アルミニウムドロス残灰を13
00℃〜1600℃の温度範囲で加熱処理することによ
り、当該アルミニウムドロス残灰中に含まれる上記窒化
物や塩化物を効率的に除去する方法も提案されている。
ところが、上記アルミニウムドロス残灰は比較的細かい
粒子であって、金属アルミニウムを含んだ酸化物粒子と
回収できなかった金属アルミニウム粒子とによって構成
されており、上記金属アルミニウムの含有量は、上述し
たように高い場合には40%以上残存している。このた
め、上記アルミニウムドロス残灰を上述したような高い
温度範囲で加熱処理を行なうと、金属アルミニウムを含
んだ粒子が互いに溶着し、結果的に大きな粒状の焼結体
を生じようとする。そして、この固まりの表面部につい
ては、溶融金属アルミニウムが酸化され、急激に温度が
上昇して半溶融した固い緻密なアルミナ主体の焼結層で
覆われてしまう結果、上記固まりの内部においては、こ
の緻密な表面層によって、金属アルミニウムおよび窒化
アルミニウムが充分酸化されず残存してしまうととも
に、塩化物も気化されずに残存してしまうという問題点
が生じていた。
【0007】そこで、本発明者等は、このようなアルミ
ニウムドロス残灰の無害化処理およびその処理物質や上
記水酸化アルミニウムの有効利用に関して鋭意研究を重
ねた結果、図2に示すように、上記アルミニウムドロス
残灰に約50%の水分を含む水酸化アルミニウムをそれ
ぞれ条件1〜4に示す割合で加えて、これをるつぼに入
れ、電気炉内において1100℃で1時間焼成したとこ
ろ、いずれもアルミナ含有率の高い焼成体が得られるこ
とが判明した。この際に、通常焼成後のアルミニウムド
ロス残灰におけるアルミナ含有率が80〜90%である
のに対して、焼成後の水酸化アルミニウムにおけるアル
ミナ含有率は約96%と高いため、アルミニウムドロス
残灰のみを焼成処理する場合に比べて、特に水分を含む
上記水酸化アルミニウムの混合比率が高い場合に、より
アルミナ含有率の高い焼成体が得られることが判明し
た。加えて、アルミナ含有量の増加によって、これを耐
摩耗骨材に用いた場合に、明らかに硬度が増加すること
が認められた。以上の結果、通常廃棄処分される水分を
含んだ水酸化アルミニウムが良質なアルミナ源としてド
ロス残灰に添加して焼成することにより、硬質耐摩耗骨
材原料または耐火物原料となることが判明した。ちなみ
に、同図において、上表面よりの数値位置は、深さを上
記数値に等分した位置における焼成体の性状を示すもの
であり、上記水酸化アルミニウムの含有率が低い条件1
および2においては、深層部において充分に焼成が行わ
れない灰色もしくは白灰色をなしていることが判る。
【0008】そこで次に、上記アルミニウムドロス残灰
に水分を含む水酸化アルミニウムを混合して、回転炉
(ロータリーキルン)内において回転させながら600
℃〜800℃で加熱処理したところ、少なくとも700
℃以上に加熱することにより、上記水酸化アルミニウム
に含まれる水分が蒸発することによって発生した水蒸気
によって、窒化アルミニウムは、 AlN+3H2O → Al(OH)3 +NH3 で表わされるように、容易に加水分解して水酸化アルミ
ニウムとアンモニアに化学変化され、よってこのような
比較的低い加熱温度でも上記アルミニウムドロス残灰を
安定的に無害化処理することができるという知見を得る
に至った。また、発生した水蒸気によって、金属アルミ
ニウムを含んだ粒子が互に溶着することが防止され、結
果的に大きな粒状の焼結体の生成を防止できることが判
った。
【0009】加えて、このようにして得られた上記焼成
体を粉砕してX線回析により調べたところ、これらは従
来の人工骨材においても含まれている、モース硬度が9
と高く、かつアルミナのなかでも最も安定しているα−
アルミナであることが判明した。
【0010】本発明は、このようなアルミニウムドロス
残灰の処理方法、およびその生成物や上記水酸化アルミ
ニウムの有効利用に関する開発過程において得られた知
見に基づいてなされたもので、アルミニウムドロス残灰
からアルミニウム成分および窒素成分を効率よく除去し
得るアルミニウムドロス残灰の処理方法、および当該処
理方法を用いて、アルミニウムドロス残灰および水酸化
アルミニウムから付加価値の高い硬質耐摩耗骨材用原料
又は耐火物用原料を得るための製造方法を提供すること
を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るアルミニウムドロス残灰の処理方法
は、例えば50重量%以下の金属アルミニウムを含むア
ルミニウムドロス残灰に、水分を含む水酸化アルミニウ
ムを加えて、少なくとも700℃、好ましくは1000
℃〜1600℃の温度で加熱することにより上記アルミ
ニウムドロス残灰から窒素成分およびアルミニウム成分
を除去して無害化処理するものである。
【0012】また、本発明に係る硬質耐摩耗骨材用原料
又は耐火物用原料の製造方法は、上記アルミニウムドロ
ス残灰の処理方法によってα−アルミナを主成分とする
焼結体を得、次いで得られた上記焼結体を破砕すること
により硬質耐摩耗骨材用原料又は耐火物用原料を得るこ
とを特徴とするものである。
【0013】
【作用】本発明に係るアルミニウムドロス残灰の処理方
法によれば、アルミニウムドロス残灰に水分を含む水酸
化アルミニウムを加えて、少なくとも700℃、好まし
くは1000℃〜1600℃で加熱処理することによ
り、上記アルミニウムドロス残灰に含有される殆どの窒
化アルミニウムが、 AlN+3H2O → Al(OH)3 +NH3 で表わされるように、水酸化アルミニウムとアンモニア
に化学変化して窒素成分が効率よく無害化除去される。
そして、上記アルミニウムドロス残灰中の残留金属アル
ミニウムが、 2Al + 3/2・O2 → Al23 で表わされるように、酸化されてモース硬度が9である
硬質なα−アルミナになるとともに、上記水酸化アルミ
ニウムも、 2Al(OH)3 → 2Al23 + 3H2O↑ で示されるように、大部分が脱水されて同様の硬質なα
−アルミナになる。
【0014】ところで、上記アルミニウムドロス残灰を
回転炉またはキルンで焼成する場合に、装置の回転作用
で金属アルミニウムを含んだ粒子が互いに溶着し、結果
的に大きな粒状の焼結体を生じようとするが、水分を含
む水酸化アルミニウムを加えているので、回転炉または
キルンにおいて所望の回転数で回転させても、上記アル
ミニウムドロス残灰の粒子の溶着および粒状の焼結体の
生成が防止されて、上記アルミニウムドロス残灰を確実
に酸化処理することが可能となる。ここで、上記加熱温
度を少なくとも700℃とした理由は、700℃未満に
おいては、窒素成分およびアルミニウム成分の除去効果
がいまだ不十分だからである。なお、上記加熱温度が1
600℃を超えても、これによって増加する設備費用お
よび燃料の消費量に対応するような効果は得られない。
【0015】また、アルミニウムドロス残灰中の残留金
属アルミニウムが50重量%を越えると、加熱温度が1
050℃以上において上記金属アルミニウムが急激に酸
化するさいに発生する熱により、アルミニウムドロス残
灰の焼成体が焼結・固化し易くなり、この結果窒素成分
および塩素成分を含む場合には、それらが内部に密閉さ
れて除去効果が低減化するために好ましくない。
【0016】そして、以上の加熱によって得られたα−
アルミナを主体とする焼成体は、後工程において焼結焼
成のために、ボールミル等の破砕機により所定の粒度に
破砕されることにより、良質の硬質耐摩耗骨材の原料あ
るいは耐火物用の原料とされて有効利用が図られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明のアルミニウムドロス残灰の処
理方法および硬質耐摩耗骨材用原料又は耐火物用原料の
製造方法の一実施例について説明する。まず、本実施例
の方法を実施するために好適な、アルミニウムドロス残
灰の処理装置兼硬質耐摩耗骨材用原料又は耐火物用原料
の製造装置(以下、処理装置と略称する。)について説
明する。
【0018】図1において、図中符号1は処理装置を示
すもので、この処理装置1は、アルミニウムドロス残灰
Dが投入されるとともに、このアルミニウムドロス残灰
と水分を含む水酸化アルミニウムとの混合物Dを攪拌し
つつ加熱するロータリーキルン2と、未処理の上記混合
物Dが貯留されるとともに、この混合物Dを、上記ロー
タリーキルン2にその一端側から投入するドロス残灰ホ
ッパー3と、ロータリーキルン2の他端側に配設され、
その内部を加熱するバーナー4と、前記バーナー4およ
びロータリーキルン2の他端部開口部を覆って配置され
た回収ボックス5とによって概略構成されている。
【0019】上記ロータリーキルン2は、一端側が上方
となるように所定角度で傾斜して設けられており、この
傾斜と軸線回りの回転に伴って、一端側から投入された
上記混合物残灰Dを攪拌するとともに、他端側へ向けて
搬送するようになっている。また、ロータリーキルン2
の他端側には、排気ダクト6が連設されており、ロータ
リーキルン2内の気体を、後段に設けられた図示されな
い水洗設備を経て中和設備へ導くようになっている。さ
らに、前記ドロス残灰ホッパー3とロータリーキルン2
との間には必要に応じて予熱機が配置され、ロータリー
キルン2へ投入される混合物Dの予備加熱が行なわれ
る。
【0020】ついで、このように構成された処理装置1
の作用とともに本発明の一実施例について説明する。ま
ず、バーナー4に着火して、ロータリーキルン2内を所
定の温度に加熱するとともに、このロータリーキルン2
を軸回りに所定の回転速度で回転させておく。この状態
から、ドロス残灰ホッパー3よりアルミニウムドロス残
灰と水分を含む水酸化アルミニウムとの混合物Dを連続
的に投入するとともに、バーナー4を制御してロータリ
ーキルン2内の温度を、少なくとも700℃、好ましく
は1000℃〜1600℃の温度範囲に保持する。する
と、このロータリーキルン2内にその一端部から投入さ
れた上記混合物Dは、上記所定温度に加熱されつつ、ロ
ータリーキルン2の回転によって上方へ掻き上げられた
のちに落下させられる操作を繰り返し受け、ロータリー
キルン2の傾斜によって順次他端側へと送り込まれてゆ
く。
【0021】このような加熱処理の間において、混合物
Dに含まれるアルミニウムドロス残灰中の塩化物は、排
気ダクト7を経て水洗設備へ送り込まれて水洗処理が行
なわれ、除去される。そして、以上の加熱処理によりロ
ータリーキルン2の他端部まで搬送された上記混合物D
は、その大部分がαーアルミナになっており、このロー
タリーキルン2から回収ボックス6へ落とし込まれて回
収された後に所定の粒度に粉砕されて、硬質耐摩耗骨材
用原料又は耐火物用原料として利用される。
【0022】上記実施例によれば、アルミニウムドロス
残灰と水分を含む水酸化アルミニウムとの混合物Dを、
少なくとも700℃、好ましくは1000℃〜1600
℃で加熱処理することにより、上記アルミニウムドロス
残灰に含有される窒化アルミニウムが、 AlN+3H2O → Al(OH)3 +NH3 で表わされるように、水酸化アルミニウムとアンモニア
に化学変化して窒素成分を無害化除去することができ
る。
【0023】そして、上記アルミニウムドロス残灰中の
残留金属アルミニウムが、 2Al + 3/2・O2 → Al23 で表わされるように、酸化されてモース硬度が9である
硬質なα−アルミナになるとともに、上記水酸化アルミ
ニウムも、 2Al(OH)3 → 2Al23 + 3H2O↑ で示されるように、大部分が脱水されて同様の硬質なα
−アルミナになる。この際に、アルミニウムドロス残灰
に水分を含む水酸化アルミニウムを加えているので、上
記水分により粉砕したアルミニウムドロス残灰の粒子が
飛散することを防止することができ、よって上記アルミ
ニウムドロス残灰を予め細かく粉砕しておき、かつ回転
炉を所望の回転数で回転させることにより、上記アルミ
ニウムドロス残灰の粉砕粒子が固形化することを防止し
て、確実に酸化処理することができる。
【0024】このようにして得られた処理物質は、上述
したように残留金属アルミニウム等のアルミニウム成分
のほぼ全量が酸化され、モース硬度が9であるα−アル
ミナを主成分とし、かつアルミニウム成分と窒素成分が
所望の値まで無害化除去された良質な硬質物質であるた
め、よって上記アルミニウムドロス残灰の無公害化処理
を行うことができる。そして、さらにこれを破砕するこ
とにより、優れた人工の硬質耐摩耗骨材用原料または耐
火物用原料を得ることができるため、アルミニウムの製
造工程において生成される上記アルミニウムドロス残灰
およびアルミニウムの各種加工において発生する水酸化
アルミニウムの有効再利用を図ることが可能となる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るアル
ミニウムドロス残灰の処理方法は、アルミニウムドロス
残灰に水分を含む水酸化アルミニウムを加えて、少なく
とも700℃、好ましくは1000℃〜1600℃の温
度で加熱して処理しているので、上記アルミニウムドロ
ス残灰を予め細かく粉砕しても飛散することがなく、よ
って従来よりも低い加熱処理温度で、残留アルミニウム
成分を酸化処理することができるとともに、アルミニウ
ムドロス残灰に含有される窒化アルミニウムを水酸化ア
ルミニウムとアンモニアに変化させることができる。よ
って、アルミニウム成分や窒素成分を原因とする弊害の
ない、無害化された処理物質を効率的に得ることができ
るため、アルミニウムドロス残灰および水酸化アルミニ
ウムの経済的な再利用が可能となる。
【0026】また、本発明に係る硬質耐摩耗骨材用原料
又は耐火物用原料の製造方法は、上記アルミニウムドロ
ス残灰の処理方法によって、残留金属アルミニウム等の
アルミニウム成分のほぼ全量を酸化してモース硬度が9
であるα−アルミナを主成分とし、かつアルミニウム成
分と窒素成分が所望の値まで無害化除去された良質な硬
質物質を得ることができるため、これを破砕することに
より優れた人工の硬質耐摩耗骨材用原料あるいは耐火物
用原料を得ることができるため、アルミニウムの製造工
程において生成されるアルミニウムドロス残灰およびア
ルミニウムの各種加工において発生する水酸化アルミニ
ウムの付加価値の高い有効再利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための処理装置の一例
を示す概略構成図である。
【図2】本発明の方法の効果を確認するための実験例の
結果を示す表である。
【符号の説明】
1 処理装置 2 ロータリーキルン 4 バーナー D アルミニウムドロス残灰と水酸化アルミニウムとの
混合物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 35/00 C22B 7/04 A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムドロス残灰に水分を含む水
    酸化アルミニウムを加えて、少なくとも700℃以上の
    温度で加熱することにより、上記アルミニウムドロス残
    灰から窒素成分を除去し、かつ残留アルミニウムを酸化
    させることを特徴とするアルミニウムドロス残灰の処理
    方法。
  2. 【請求項2】 上記加熱を、1000℃〜1600℃の
    温度範囲で行なうことを特徴とする請求項1に記載のア
    ルミニウムドロス残灰の処理方法。
  3. 【請求項3】 上記アルミニウムドロス残灰は、50重
    量%以下の金属アルミニウムを含むことを特徴とする請
    求項1または2に記載のアルミニウムドロス残灰の処理
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のアルミ
    ニウムドロス残灰の処理方法によりα−アルミナを主成
    分とする焼結体を得、次いで得られた上記焼結体を破砕
    することにより硬質耐摩耗骨材用原料又は耐火物用原料
    を得ることを特徴とする硬質耐摩耗骨材用原料又は耐火
    物用原料の製造方法。
JP1836995A 1995-01-11 1995-01-11 アルミニウムドロス残灰の処理方法および硬質耐摩耗骨材用原料又は耐火物用原料の製造方法 Pending JPH08192127A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006503177A (ja) * 2002-07-22 2006-01-26 タイタノックス・ディベロップメント・リミテッド 分離方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006503177A (ja) * 2002-07-22 2006-01-26 タイタノックス・ディベロップメント・リミテッド 分離方法

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