JPH08191637A

JPH08191637A - 樹木の根こそぎ装置および根こそぎ方法

Info

Publication number: JPH08191637A
Application number: JP2128795A
Authority: JP
Inventors: Toshihiro Matsumoto; 敏博松本; Kazuhiro Ozaki; 和宏尾崎
Original assignee: MARUEI SEISAKUSHO KK
Current assignee: MARUEI SEISAKUSHO KK
Priority date: 1995-01-13
Filing date: 1995-01-13
Publication date: 1996-07-30

Abstract

(57)【要約】【目的】機械ショベルにより、ほゞ定まった位置にお
いて立木の根を一挙に堀り出すことができ、しかも、そ
のまま倒すことなく、樹木を根のついたまま搬出できる
樹木の根こそぎ装置および根こそぎ方法を提供する。【構成】機械ショベルのジッパに、立木を挿入する間
隔で並び前面が出っ張る左右一対の湾曲爪と、それを駆
動する油圧シリンダーとを設け、ジッパの掬い口を開閉
するように両湾曲爪を上端部において軸支し、さらに、
ジッパには、上面に樹木の挾み口を設けて樹木の根こそ
ぎ装置を構成した。また、機械ショベルのジッパに、前
面の掬い口を開閉する左右一対の湾曲爪を軸支する他、
樹木に挿入する挾み口を設け、湾曲爪を開いた状態にお
いて、ジッパにより根を掬いながら、湾曲爪を順次閉じ
ることによりジッパの中に根を掻き込むように包み込む
樹木の根こそぎ方法を構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、立木の根または立木
を切り倒した後の根を全体的に堀り出すための樹木の根
こそぎ装置および根こそぎ方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】森林を伐採し耕地、宅地、ゴルフ場等に
整理するときには、根を取り除く必要がある。従来、こ
のような場合には、原始的には、スコップやツルハシで
土を堀り起こしていたが、現在では、パワーショベル等
と称される機械ショベルが使われている。

【０００３】機械ショベルは、土を掘削して入れるバケ
ット状のジッパと、ジッパの柄となるジッパハンドル
と、ジッパハンドルを支えるブーム等からなり、ジッパ
が油圧シリンダーにより駆動される。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】機械ショベルを用いて
立木のまま根を堀り出す場合、ジッパの先端刃を土に差
し込み、掬い上げることになるが、そうすると、反対側
においては根が切れないために、掬い上げに多大の動力
を要するだけでなく、その際に、立木が搬出に不都合に
転倒する。これを解決するために、一方で根を切ってか
ら反対側に回って根を掬い上げると、車体の移動に時間
が掛かるという問題があり、また、このようにしても立
木の転倒を防止することはできなかった。

【０００５】そこで、一般的に、樹木を伐採してから根
を堀り起こされるが、このようにすると、倒れた樹木が
根の掘出しに邪魔になり、また、樹木の伐採とその後始
末に手数が掛かる。立木のまま堀り起こすと、その樹木
が倒れるために、この場合も同様に、他の樹木の根を掘
出す妨げになり、搬出にも手数がかかるという問題もあ
った。

【０００６】この発明は、上記のような実情に鑑みて、
機械ショベルにより、ほゞ定まった位置において立木の
根を一挙に堀り出すことができ、しかも、そのまま倒す
ことなく、樹木を根のついたまま搬出できる樹木の根こ
そぎ装置および根こそぎ方法を提供することを目的とし
た。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、機械ショベルのジッパに、立木を挿
入する間隔で並び前面が出っ張る左右一対の湾曲爪と、
それを駆動する油圧シリンダーとを設け、ジッパの掬い
口を開閉するように両湾曲爪を上端部において軸支し、
さらに、ジッパには、上面に樹木の挾み口を設けて樹木
の根こそぎ装置を構成した。

【０００８】また、この発明は、機械ショベルのジッパ
に、前面の掬い口を開閉する左右一対の湾曲爪を軸支す
る他、樹木に挿入する挾み口を設け、湾曲爪を開いた状
態において、ジッパにより根を掬いながら、湾曲爪を順
次閉じることによりジッパの中に根を掻き込むように包
み込む樹木の根こそぎ方法を構成した。

【０００９】

【作用】樹木が立ったままその根を堀り出す場合、機
械ショベルを一方に位置させておいても、ジッパと対向
して湾曲爪が土に食い込まれるために、ほゞ全周におい
て根が切られ、しかも、湾曲爪により根がジッパに掻き
込まれるようにして、ジッパと両湾曲爪により根を包み
込み、加えて、根本が挾み口により支持されるために、
樹木が倒れることがなく、根の付いたまま樹木を搬出で
きる。

【００１０】根がほゞ全周において切られるので、掬い
上げに動力が余り掛からなく、また、湾曲爪の食い込み
により、車体の浮き上がりが防止されるために、根の堀
り出しをなす能力が如何なく発揮される。

【００１１】

【実施例】次に、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。

【００１２】図面は、一実施例を示したもので、機械シ
ョベルＰに樹木の根こそぎ装置Ｓが装備される。その根
こそぎ装置Ｓは、バケット形のジッパ１に一対の湾曲爪
３，３を開閉可能に装備して構成される。なお、ショベ
ルカーには、キャタピラ走行形式のものを使用したが、
タイヤ走行形式等、その形態を問わないものとする。

【００１３】ジッパ１は、基本的にはバケット形ではあ
るが、掬い口５を前面とすると、上面に天板７を有し、
天板７の幅中央に樹木Ｗを差し込む挾み口９が設けられ
る。この挾み口９により樹木Ｗが挾まれるために、転倒
が確実に防止される。なお、この挾み口９の幅を樹木の
大小に対応し得るように調整可能にしておくこともあ
る。

【００１４】天板７には、さらに、挾み口９の左右両側
において、湾曲爪３，３の揺動を阻害しないための切欠
き１１，１１が設けられる。また、このジッパ１は、後
端部の中央において、ジッパハンドル１３に取り付けら
れ、従来のものと同様に、油圧シリンダー１５等により
ジッパ１が上下に揺動するように、リンク機構１７が設
けられている。

【００１５】湾曲爪３，３の取付けについては、ジッパ
１の上端部の左右両側にそれぞれ湾曲爪３，３を挾む一
対の支持板１８，１８を固着し、それを掬い口５に突出
させ、その突出先端で支軸１９により枢着される。そこ
で、湾曲爪３，３を開くと、樹木Ｗの根２を跨ぐ体勢を
取ることができる（図２）。この体勢によって根２の堀
り出しが開始される。

【００１６】この両湾曲爪３，３を開閉駆動するため
に、それぞれに油圧シリンダー２１，２１が装備され、
それが天板７の後端部において上下揺動可能に取り付け
られる。なお、ジッパ１の刃２３は、突出刃であって、
先端部がじぐざぐの鋸刃に形成されている。

【００１７】湾曲爪３，３は、前面壁２５と外側壁２７
とからなる断面Ｌ字形であって、土に食い込みやすくす
るために、前面が出っ張る湾曲形状に形成し、先端に行
くにつれて前後幅で細くなっており、先端の刃２９がジ
ッパ１の刃２３の内側に閉じ合う長さに形成される（図
３）。この湾曲爪３，３の形状において、前面壁２５が
土の掻き込みをなし、外側壁２７により土の食出しが防
止される。また、閉じた時には、図３に示すように、掻
き込んだ土を包み込む体勢となる。

【００１８】湾曲爪３，３には、油圧シリンダー２１，
２１の連結のために、基端にそれぞれ一対の支承片２
９，２９を突設し、ロッド３１がピン連結される。そこ
で、油圧シリンダー２１，２１のロッド３１，３１が引
っ込むと湾曲爪３，３が開き、伸びると閉じることにな
る。

【００１９】運転においては、機械ショベルＰの車体を
樹木Ｗに向かって必要に応じて前後移動させるが、横に
移動する必要はない。そして、ジッパハンドル１３や油
圧シリンダー１５により、ジッパ１の刃２３を土に食い
込ませると共に、湾曲爪３，３も同時に食い込ませるが
（図２の二点鎖線参照）、湾曲爪３，３の食込みがジッ
パ１に備えた油圧シリンダー２１，２１の力によるため
に、湾曲爪３，３の食い込みが確実となる。

【００２０】なお、根２を堀り出す際に、樹木Ｗを傷付
けないことを主な目的として、挾み口９の縁と、両湾曲
爪３，３の内側にゴムの緩衝材３０が突出される。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、次のような優れた効果がある。

【００２２】機械ショベルにより、一方向の位置におい
て立木の根を一挙に堀り出すことができるために、根の
掘出し作業能率が極めて良好である。

【００２３】掘出しが立木の根であるときに、その樹木
を倒すことがなく、ジッパと両湾曲爪で根を包み込み、
樹木を立ったまま搬出できるために、根こそぎした樹木
を現地から撤去するための積荷が非常にやりやすくな
る。

【００２４】ジッパと対向して湾曲爪が土に食い込まれ
るために、ほゞ全周において根が切られ、しかも、湾曲
爪の食い込みにより、車体の浮き上がりが防止されるた
めに、根の堀り出しの能力が確実に発揮される。

【図面の簡単な説明】

【図１】樹木の根こそぎ装置の斜視図である。

【図２】樹木の根を堀り出す始めの体勢で示す樹木の根
こそぎ装置の側面図である。

【図３】樹木の根を堀り出すために根を包み込んだ体勢
で示す側面図である。

【符号の説明】

Ｐ機械ショベルＳ根こそぎ装置Ｗ樹木１ジッパ２根３湾曲爪５掬い口９挾み口２１油圧シリンダー

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【手続補正書】

【提出日】平成７年１月２７日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１２

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１２】図面は、一実施例を示したもので、機械
ショベル（油圧式掘削機械又はパワーショベル）Ｐに樹
木の根こそぎ装置Ｓが装備される。その根こそぎ装置Ｓ
は、バケット形のジッパ１に一対の湾曲爪３，３を開閉
可能に装備して構成される。なお、ショベルカーには、
クローラー（又は履帯）走行形式のものを使用したが、
タイヤ走行形式等、その形態を問わないものとする。

【手続補正２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】機械ショベルのジッパに、立木を挿入す
る間隔で並び前面が出っ張る左右一対の湾曲爪と、それ
を駆動する油圧シリンダーとを設け、ジッパの掬い口を
開閉するように両湾曲爪を上端部において軸支し、さら
に、ジッパには、上面に樹木の挾み口を設けたことを特
徴とする樹木の根こそぎ装置。
【請求項２】機械ショベルのジッパに、前面の掬い口
を開閉する左右一対の湾曲爪を軸支する他、樹木に挿入
する挾み口を設け、湾曲爪を開いた状態において、ジッ
パにより根を掬いながら、湾曲爪を順次閉じることによ
りジッパの中に根を掻き込むように包み込むことを特徴
とする樹木の根こそぎ方法。