JPH0819138B2 - 金属含有アルコール溶液の製造法 - Google Patents

金属含有アルコール溶液の製造法

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JPH0819138B2
JPH0819138B2 JP11330887A JP11330887A JPH0819138B2 JP H0819138 B2 JPH0819138 B2 JP H0819138B2 JP 11330887 A JP11330887 A JP 11330887A JP 11330887 A JP11330887 A JP 11330887A JP H0819138 B2 JPH0819138 B2 JP H0819138B2
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文生 内田
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、Al,In,Y,ランタン系元素、Sn,Ti,Zr,Sb,V,
NbおよびMnよりなる群から選択される1種または2種以
上の金属元素を含み、特定のアルコールアミン類を配位
子として含有する、安定で有機溶媒に可溶な金属含有ア
ルコール溶液を製造する方法に関するものである。
[従来の技術] Al,In,Y,ランタン系元素、Sn,Ti,Zr,Sb,V,NbおよびMn
等の金属を含む金属アルコキシドのうち、Sb,Nbなどの
アルコキシドは低級アルコールのアルコキシドにおいて
も液体状で得られ、またV,Ti,Zr,Alなどのアルコキシド
については、炭素数2〜3以上のアルキル基を有するア
ルコキシドを液体状で得ることができる。しかしながら
これらの金属アルコキシドは空気中の水分によってさえ
もすみやかに加水分解を受けるほど不安定であって、保
存あるいは取扱いが困難であり、また固体状で得られる
金属アルコキシドの場合でも、空気中の水分によっても
同様に加水分解を受け、さらに有機溶媒に対して難溶性
であるため工業的に利用しようとする場合様々の制約が
あった。
ところで液状で得られる金属アルコキシドあるいは有
機溶媒に溶解または希釈することのできる金属アルコキ
シドについては、該溶液を加水分解することによってア
ルコキシドを構成する金属の水酸化物、水和物あるいは
酸化物を微粉末状態で得ることができ、しかもこれらの
金属アルコキシドと反応するのは水だけであるので、生
成する微粉末中に他の金属イオンが不純物として混入す
る可能性が少なく、またハロゲン化物イオンなどの陰イ
オンが混入する可能性も少ないことから、高純度の微粉
末(以下、特記しない限り微粉末とは金属の水酸化物、
水和物または酸化物の微粉末を意味する)が得られると
いう利点がある。
従ってAl,In,Y,ランタン系元素、Sn,Ti,Zr,Sb,V,Nbお
よびMnよりなる群から選択される金属を含むアルコキシ
ドについても、溶液状でしかも空気中の水分等では加水
分解を受けない安定なものとして得ることができ、さら
にはハロゲン化物イオンの如き不純物を含まない高純度
のものとして得ることができれば、それらの金属アルコ
キシドの加水分解あるいは熱分解によって高純度の微粉
末を容易に得ることができると考えられる。そしてそれ
らの微粉末は比較的低温、短時間で焼結し得るという特
徴を有しているので、蛍光体製造分野における賦活剤と
しての微量添加材;金属材料やセラミックス表面へのコ
ーティング材;GGGなどの機能性薄膜等の薄膜分野;セラ
ミックスなどの焼結助剤的な添加剤としてあるいは金属
材料などの高温酸化防止用材料として有効に活用し得る
ものと期待される。
[発明が解決しようとする問題点] 金属アルコキシドは金属とアルコール類との直接反
応,無水金属塩化物とアルコール類との反応等により得
られており、つまり水の不存在下で製造されるのが通例
である。現在市販されている金属アルコキシドの中で工
業的に製造されているのは、B,Si,Ti,Zr及びAlのアルコ
キシドだけであり、他のアルコキシドはSb,Zn,Ga,V,Ta,
Inなどが試薬品として入手し得るのみであって工業的に
量産されるまでには至っていない。しかもSiのアルコキ
シドを除いてどの金属アルコキシドも、空気中の水分程
度で簡単に加水分解を起こすためその取扱いが非常に困
難である。
また金属アルコキシドは一般に固体状のものが多く、
しかも有機溶媒に対して不溶性乃至難溶性のものが多い
ので、こうしたこともその使用範囲を狭める原因となっ
ている。即ち固体状の金属アルコキシドをそのまま加水
分解した場合、生成物の粒子サイズが比較的大きくなる
ばかりでなく均一な粒度分布のものが得られ難く、従っ
て微細で均一な粒度分布の加水分解物を得るためには金
属アルコキシド自体を安定な液状(溶液状を含む)で得
ることが望まれるが、前述の如き従来の金属アルコキシ
ドはこうした要望を満たしていない。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであ
って、その目的は、精製可能な溶液状でしかも空気中の
水分程度では簡単に加水分解を起こすようなことがな
く、長期にわたり優れた安定性を示す、Al,In,Y,ランタ
ン系元素、Sn,Ti,Zr,Sb,V,NbおよびMnよりなる群から選
択され1種または2種以上の金属元素を含み、且つアル
コールアミン類を配位子とする金属含有アルコール溶液
を製造する方法を提供しようとするものである。
また本発明の他の目的は、上記のような金属を含む高
純度のアルコール溶液を簡単に製造することのできる方
法を提供しようとするものである。
[問題点を解決するための手段] 上記の目的を達成することのできた本発明の方法は、
Al,In,Y,ランタン系元素、Sn,Ti,Zr,Sb,V,NbおよびMnよ
りなる群から選択される1種または2種以上の金属のハ
ロゲン化物と、 下記一般式で示されるアルコールアミン類の1種または
2種以上とを、 b)R1N(CH2CH2OH)2 c)N(CH2CH2OH)3 [ただしR1,R2はCxH2x+1,xは0または1〜4の整数を表
わす] 前者/後者のモル比で1/0.5乃至1/n(nは上記金属の酸
化数を表わす)の範囲で使用し、これらを炭素数1〜4
のアルコールに溶解または懸濁させ、これに、前記金属
ハロゲン化物1モルに対して(n−1.5)〜(n+1.5)
(nは上記と同じ意味を表わす)モルのアンモニアを吹
き込んで反応させるところに要旨を有するものである。
また本発明に係わる他の構成は、前述の様にして得ら
れる反応液をイオン交換樹脂で処理し、夾雑イオンを除
去して高純度の金属含有アルコール溶液を得るところに
要旨を有するものである。
[作用] 本発明で使用される前記金属のハロゲン化物として
は、弗化物、塩化物、臭化物、沃化物があげられるが、
工業的に最も好ましいのは塩化物であるので、以下塩化
物を代表的に取り上げて説明を進める。
尚本明細書で言う塩化物とは、結晶水を含む塩化物、
酸化塩化物あるいは結晶水を含む酸化塩化物を総称する
ものであり、また少量の炭酸根を含むものであってもよ
く、これらの概念は塩化物以外のハロゲン化物について
も同様である。
本発明を実施するに当っては、Al,In,Y,ランタン系元
素、Sn,Ti,Zr,Sb,V,NbおよびMnよりなる群から選択され
る1種または2種以上の金属塩化物と、アルコールアミ
ン類の1種または2種以上とを、炭素数1〜4のアルコ
ールに溶解もしくは懸濁させ、アンモニアの存在下で反
応が行なわれる。上記金属の塩化物はアルコールに対し
て比較的溶解度が小さいが、一般的には炭素数1〜4の
アルコール1に対し0.1〜2モル、好ましくは0.2〜1
モルのアルコール溶液あるいは懸濁液として反応に供さ
れる。尚本発明者らが確認したところによると、該金属
塩化物は完全にアルコールに溶解させなければならない
訳ではなく、アルコール中に懸濁させた状態でも後のア
ンモニアの存在下での反応は十分に進行する。
該金属塩化物は従来公知の方法によって製造すること
ができる。例えばIn,Y,ランタン系元素の塩化物は、当
該金属の酸化物を塩酸に溶解した後濃縮すると、結晶水
を含む塩化物として析出する。Alの塩化物の場合、塩化
アルミニウム無水物を水に溶解するかあるいはアルミニ
ウムを塩酸に溶解して塩化アルミニウムの濃水溶液をつ
くり、さらに濃塩酸を加えて冷却しつつ、乾燥した塩化
水素ガスを吹込むと、白色結晶性の塩が析出するので、
これを減圧乾燥すると6水和物として得ることができ
る。Sn塩化物の場合はSnと塩酸との反応により、またZr
塩化物の場合は含水酸化ジルコニウムの塩酸々性水溶液
を濃縮することにより、夫々8水和物として得られる。
アンチモンと塩素を反応させて得た塩化アンチモン(II
I)と水を混合して放置すると、塩化酸化アンチモン(I
II)が得られる。V塩化物の場合、酸化バナジウム
(V)を水素で還元して得た酸化バナジウム(III)を
濃塩酸に溶解し、塩化水素を吹込むと、塩化バナジウム
(III)の6水和物が結晶として得られる。また酸化バ
ナジウム(V)と炭素質の混合物を塩素ガスと反応させ
ると、三塩化酸化バナジウムが得られ、酸化ニオブ
(V)と炭素質を混合し塩素ガスと反応させると塩化酸
化ニオブ(V)が得られる。さらにMn塩化物の場合は、
炭酸マンガンを塩酸に溶解した後濃縮すると、塩化マン
ガン(II)の4水和物が結晶として得られる。
本発明における一つの特徴は、上記のようにして調製
した金属塩化物の1種以上と、アルコールアミン類の1
種または2種以上とを、炭素数1〜4を有するアルコー
ルに溶解または懸濁させ、アンモンニアの存在下で反応
を行なうところにあり、結晶水を含む金属酸化物を使用
した場合でも、水により加水分解の可能な金属含有組成
物の製造が可能になった。またこれらの反応を行なう場
合、金属アルコキシド類にアルコールアミン類を後から
添加したのでは反応性が緩慢なものが多いため工業的製
法としては適切でなく、本発明の如く反応時にアルコー
ルアミン類を共存させることにより保存安定性,加水分
解性を自由に抑制し得る金属含有アルコール溶液を製造
することが可能となる。 ここで使用されるアルコール
アミン類は一般式 b)R1N(CH2CH2OH)2 c)N(CH2CH2OH)3 [ただしR1,R2はCxH2x+1,xは0または1〜4の整数] で表わされるものであり、この中でもR1,R2がHである
モノエタノールアミン、ジエタノールアミンあるいはト
リエタノールアミンが特に好ましい。上記3種のアルコ
ールアミン類以外のアルコールアミンを使用した場合、
最終的に得られる溶液の保存安定性が悪く、開放状態で
数時間保存するだけで加水分解を起こして、急速にゲル
化する。
アルコールアミンと金属塩化物との好ましいモル比
は、一般式MCln・mH2O(ただしMは酸化数nの金属元
素、nは金属元素の酸化数、mは結晶水のモル数)で表
わされる金属塩化物の場合、金属塩化物とアルコールア
ミンのモル比で1:0.5乃至1:nの範囲、MOCln-2あるいはM
OCln-2・mH2Oで表わされる酸化金属塩化物の場合、1:0.
5乃至1:(n−2)の範囲であり、特に好ましいのは、
一般式MCln・mH2Oで表わされる金属塩化物の場合1:1乃
至1:(n−1)の範囲、MOCln-2あるいはMOCln-2・mH2O
で表わされる金属塩化物の場合1:1乃至1:(n−3)の
範囲である。上記の好ましいモル比は、本発明で選択さ
れる前記全ての金属ハロゲン化物とアルコールアミンの
場合に共通する。
上記金属の塩化物とアルコールアミン類を上記比率で
炭素数1〜4のアルコールに溶解または懸濁させ、アン
モニアの存在下で反応を行なうと、アルコールアミン類
を配位子とする安定な金属含有アルコール溶液が得られ
る。特にアルコールアミン類の量が、一般式MCln・mH2O
で表わされる金属塩化物の場合、金属イオン1モルに対
し1乃至(n−1)モル、MOCln-2あるいはMOCln-2・mH
2Oで表わされる酸化金属塩化物の場合金属イオン1モル
に対して1乃至(n−3)モルであるとき、最も安定性
の優れた溶液を得ることができる。
上記反応自体はアンモニアガスを導入しながら反応さ
せる通常の方法が採用される。たとえば前記金属塩化物
と前記特定のアルコールアミン類のアルコール溶液ある
いは懸濁液にアンモニアガスを吹込む方法が最も一般的
である。導入するアンモニアの量は理論量よりやや過
剰、例えば一般式MCln・mH2Oで表わされる塩化物1モル
に対し(n+0.5)〜(n+1.5)モルの割合で用いるの
が好ましい。また一般式MOCln-2あるいはMOCln-2・mH2O
で表わされる酸化塩化物1モルに対し(n−1.5)〜
(n−0.5)モルの割合で用いるのが好ましい。但し、
Mは酸化数nの金属元素、mは結晶水のモル数を表わ
す。この反応は発熱反応であり、反応の進行と共に温度
が上昇し同時に塩化アンモニウムが副生する。この塩化
アンモニウムは、反応終了後冷却することによって一部
析出するので、これを濾別することによって、アルコー
ルアミン類を配位子として含む安定な金属含有アルコー
ル溶液を得ることができる。
このようにして得られる金属含有アルコール溶液は、
ゲル化等を起こすこともなく長期にわたり安定であり、
また空気中の水分によって簡単に加水分解を受けるよう
なこともない。またこの溶液は、使用したアルコール類
と相溶性のある他の有機溶剤、例えばアルコール類、ケ
トン類、芳香族炭化水素(例えばトルエン、ベンゼン、
キシレン等)、クロロホルム等により希釈することがで
きる。
ところで前述の様にして得られる金属含有アルコール
溶液中には、塩化アンモニウムを主とする塩化物イオン
が不純物として含まれているが、用途によってはかかる
塩化物イオンを除去し更に高純度のものとすることが望
まれる。塩化物イオンの除去法としては、蒸留法、再結
晶法等が一般的に考えられるが、金属アルコキシドやア
ルコールアミン類を配位子とする金属含有組成物は蒸気
圧が非常に低いため真空蒸留による精製は困難であり、
また有機溶媒を用いた再結晶法では塩化物イオンの除去
率の点で十分とは言い難い。本発明者らはこの様な処理
法を採用することなく簡単な操作で高純度の溶液を得る
方法を確立すべく更に研究検討を重ねた結果、上述のよ
うにして得られる金属含有アルコール溶液を陰イオン交
換樹脂によって処理すれば、該溶液中に存在する塩化物
イオンの量を金属元素1モルに対し1/1000モル程度以下
にまで減少させ得ることを見出した。
即ち、本発明における今一つの特徴は、前述の様にし
て得られる金属含有アルコール溶液を、イオン交換樹脂
で処理することによって不純イオンを除去し、高純度の
金属含有アルコール溶液を製造するところにある。
上記不純物除去に用いられるイオン交換樹脂として
は、得られる溶液中の主たる不純物である塩化物イオン
を捕捉し除去し得る陰イオン交換樹脂であれば任意のも
のを使用することができるが、好ましいのは未端基が である強塩基性陰イオン交換樹脂であり、特に好ましい
のは前者の未端基を有するものである。これらのイオン
交換樹脂は、アンバーライトIRA,アンバーリストA,ダイ
ヤイオンSA,PA,ダウエックスSAR等の商標名のもとに市
場で入手することができる。
イオン交換樹脂処理は、前述のようにして製造したア
ルコールアミンを配位子とする金属含有アルコール溶液
を、周知の方法で前記陰イオン交換樹脂と接触させるこ
とにより実施される。最も一般的なのは、イオン交換樹
脂を充填したカラムに、前記金属含有アルコール溶液を
通過させる方法である。純度を更に高める必要がある場
合は、この精製操作を数回繰返してもよい。
このようなイオン交換樹脂処理を行なうことにより、
溶液中の塩化物イオンは金属イオン1モルに対して1/10
00モル程度以下の如く顕著に減少し、極めて純度の高い
金属含有アルコール溶液を得ることができる。
以下実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本
発明はもとより下記の実施例によって制限を受けるもの
ではない。
[実施例] 実施例1 酸化塩化ジルコニウム(IV)ZrOCl2・8H2Oの322g(1
モル)とモノエタノールアミン、ジエタノールアミンあ
るいはトリエタノールアミンの第1表に示す量をメチル
アルコール2lに溶解または懸濁させた後、アンモニアガ
スを0.2l/分で8時間吹込んだ。反応終了後室温まで冷
却し、析出してくる塩化アンモニウムの結晶を濾別する
ことにより、ジルコニウム含有組成物(生成物)のメチ
ルアルコール溶液を得た。
この生成物の状態および保存安定性を第1表に示す。
実施例2 塩化アルミニウム・6水和物AlCl3・6H2Oの241g(1
モル)をモノエタノールアミン、ジエタノールアミンあ
るいはトリエタノールアミンの第2表に示す量をエチル
アルコール2lに溶解または懸濁させた後、アンモニアガ
スを0.2l/分で8時間吹込んだ。反応終了後室温まで冷
却し、析出してくる塩化アンモニウムの結晶と一部の未
反応物を濾別すると、アルミニウム含有組成物(生成
物)のエチルアルコール溶液が得られた。
この生成物の状態および保存安定性を第2表に示す。
実施例3 酸化エルビウムEr2O3の192g(0.5モル)を、(1+
1)塩酸1.5lに溶解した後濃縮する。冷却すると、Er2O
3換算で185gの塩化エルビウム・水和物が結晶として析
出した。この結晶と、モノエタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、あるいはトリエタノールアミンの第3表に
示す量をイソプロピルアルコール1.5lに溶解し、アンモ
ニアガスを0.2l/分で9時間吹込んだ。反応終了後室温
まで冷却し、析出する塩化アンモニウムの結晶を濾別す
ると、エルビウム含有組成物(生成物)のイソプロピル
アルコール溶液を得た。
この生成物の状態および保存安定性を第3表に示す。
比較例1 実施例3と同様にして得られた塩化エルビウム・水和
物を、アミン類を添加することなしに実施例3と同様に
反応させたところ、生成物は不安定なゲル状を呈してお
り、溶液状としては得ることができなかった。
実施例4 酸化塩化ニオブNbOCl3の215g(1モル)とモノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミンあるいはトリエタノー
ルアミンの第4表に示す量をn−ブチルアルコール2lに
溶解または懸濁させ、アンモニアガスを0.2l/分で7時
間吹込んだ。反応終了後室温まで冷却し、析出する塩化
アンモニウムの結晶を濾別すると、ニオブ含有組成物
(生成物)のn−ブチルアルコール溶液が得られた。
この生成物の状態および保存安定性を第4表に示す。
実施例5 塩化マンガンMnCl3・4H2Oの198g(1モル)とモノエ
タノールアミ、ジエタノールアミンあるいはトリエタノ
ールアミンの第5表に示す量をメチルアルコール1.5lに
溶解させ、アンモニアガスを0.2l/分で7時間吹込ん
だ。反応終了後室温まで冷却し、析出してくる塩化アン
モニウムの結晶を濾別すると、マンガン含有組成物(生
成物)メチルアルコール溶液が得られた。
この生成物の状態および保存安定性を第5表に示す。
実施例6 In2O3換算で139g(0.5モル)含有する水酸化インジウ
ムの198gを、(1+1)塩酸500mlに溶解した後濃縮す
る。1昼夜放置すると、In2O3換算で139gを含む塩化イ
ンジウム・水和物が得られた。
この塩化インジウムとモノエタノールアミン、ジエタ
ノールアミンあるいはトリエタノールアミンの第6表に
示す量をエチルアルコール1.5lに溶解させ、アンモニア
ガスを0.2l/分で9時間吹込んだ。反応終了後室温まで
冷却し、析出する塩化アンモニウムの結晶を濾別する
と、インジウム含有組成物(生成物)のエチルアルコー
ル溶液が得られた。
この生成物の状態および保存安定性を第6表に示す。
実施例7 酸化塩化バナジウムVOCl3の173g(1モル)とモノエ
タノールアミン、ジエタノールアミンあるいはトリエタ
ノールアミンの第7表に示す量をエチルアルコール2lに
溶解させ、アンモニアガスを0.2l/分で8時間吹込ん
だ。反応終了後室温まで放冷し、析出する塩化アンモニ
ウムの結晶を濾別すると、バナジウム含有組成物(生成
物)のエチルアルコール溶液が得られた。
この生成物の状態および保存安定性を第7表に示す。
比較例2 アミン類を添加しなかったほかは実施例4と全く同様
の操作を行なったところ、生成物は不安定なゲル状を呈
し、溶液として得ることはできなかった。
実施例8 実施例3(塩化エルビウム1モルに対しモノエタノー
ルアミン1モルを使用したもの)により得たエルビウム
含有組成物のイソプロピルアルコール溶液の一部(液量
500mlで塩化物イオン25000mg,Er2O3として47gを含有す
る)を、強塩基性陰イオン交換樹脂[商品名:アンバー
ライトIRA-410(オルガノ社製)]の充填された20mm
φ、950mmHのカラムに2.5ml/分の流速で通過させた。こ
れを5回繰返すことにより得られた液は、処理前に2500
0mgであった塩化物イオン含有量が7mgとなり(酸化物換
算当り0.014重量%、エルビウム1モル当り8/10000モ
ル)、不純物である塩化物イオンは大部分が除去されて
いた。
実施例9 実施例4(酸化塩化ニオブ1モルに対しトリエタノー
ルアミン2.0モルを使用したもの)により得られたニオ
ブ含有組成物のn−ブチルアルコール溶液の一部(液量
500mlで塩化物イオン29500mg,Nb2O5として40gを含有す
る)を、強塩基性陰イオン交換樹脂[商品名:アンバー
ライトIRA-410(オルガノ社製)]の充填された20mm
φ、950mmHのカラムに2.5ml/分の流速で通過させた。こ
の操作を6回繰返すことにより得られた液は、処理前に
28500mgであった塩化物イオン含有量が10mgとなり(酸
化物換算で0.025重量%、ニオブ1モル当り9/10000モ
ル)、不純物である塩化物イオンは大部分が除去され
た。
実施例10 実施例6と同様にして得た塩化インジウム・水和物の
In2O3換算139g(0.5モル)と塩化第一錫・2水和物23g
(0.1モル)及びモノエタノールアミン、ジエタノール
アミンあるいはトリエタノールアミンの第8表に示す量
をエチルアルコール1.5lに溶解または懸濁させ、アンモ
ニアガスを0.2l/分で9時間吹込んだ。反応終了後室温
まで冷却し、析出する塩化アンモニウムの結晶を濾別す
ると、インジウム−錫を含む組成物(生成物)のエチル
アルコール溶液が得られた。
この生成物の状態および保存安定性を第8表に示す。
実施例11 塩化第一錫・2水和物226g(1モル)と酸化塩化アン
チモン(III)17.3g(0.1モル)及びモノエタノールア
ミン、ジエタノールアミンあるいはトリエタノールアミ
ンの第9表に示す量をエチルアルコール3lに懸濁させ、
アンモニアガスを0.2l/分で8時間吹込んだ。反応終了
後室温まで冷却し、析出してくる塩化アンモニウムの結
晶を濾別すると、錫−アンチモンを含む組成物(生成
物)のエチルアルコール溶液が得られた。
この生成物の状態および保存安定性を第9表に示す。
実施例12 塩化イットリウム・6水和物203g(1モル)とモノエ
タノールアミン、ジエタノールアミンあるいはトリエタ
ノールアミンの第10表に示す量をメチルアルコール1.5l
に溶解し、アンモニアガスを0.2l/分で8時間吹込ん
だ。反応終了後室温まで冷却し、塩化アンモニウムの結
晶を濾別すると、イットリウム含有組成物(生成物)の
メチルアルコール溶液が得られた。
この生成物の状態および保存安定性を第10表に示す。
実施例13 三塩化チタン・6水和物262g(およそ1モル)とモノ
エタノールアミン、ジエタノールアミンあるいはトリエ
タノールアミンの第11表に示す量をエチルアルコール1.
5lに溶解し、アンモニアガスを0.2l/分で8時間吹込ん
だ。反応終了後室温まで冷却し析出する塩化アンモニウ
ムの結晶を濾別すると、チタン含有組成物(生成物)の
エチルアルコール溶液が得られた。
この生成物の状態および保存安定性を第11表に示す。
「発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、その効果を要約
すれば次の通りである。
(1)従来空気中の水分によってさえも加水分解を受け
るほど不安定であったAl,In,Y,ランタン系元素、Sn,Ti,
Zr,Sb,V,NbおよびMnよりなる群から選択される安定な金
属含有アルコール溶液を得ることが可能になった。
(2)該溶液状態の金属含有アルコール溶液をイオン交
換樹脂で処理すると、その純度を飛躍的に高めることが
できる。
(3)該金属含有アルコール溶液に水を加えて加水分解
すると、当該金属の酸化物、水酸化物、水和物等からな
る極めて純度の高い微粉末を得ることができ、蛍光体製
造分野における賦活剤としての微量添加物、ペロブスカ
イト型酸化物などのニューセラミックス分野、金属材
料、セラミックス表面へのコーティング剤、GGGなどの
機能性薄膜分野、セラミックスなどの焼結助剤的な添加
剤としてあるいは金属材料などの高温酸化防止用材料と
して極めて有効に活用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07F 9/00 Z 9155−4H 9/90 9155−4H 13/00 A 9155−4H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Al,In,Y,ランタン系元素、Sn,Ti,Zr,Sb,V,
    NbおよびMnよりなる群から選択される1種または2種以
    上の金属のハロゲン化物と、 下記一般式で示されるアルコールアミン類の1種または
    2種以上とを、 b)R1N(CH2CH2OH)2 c)N(CH2CH2OH)3 [ただしR1,R2はCxH2x+1,xは0または1〜4の整数を表
    わす] 前者/後者のモル比で1/0.5乃至1/n(nは上記金属の酸
    化数を表わす)の範囲で使用し、これらを炭素数1〜4
    のアルコールに溶解または懸濁させ、これに、前記金属
    ハロゲン化物1モルに対して(n−1.5)〜(n+1.5)
    (nは上記と同じ意味を表わす)モルのアンモニアを吹
    き込んで反応させることを特徴とする金属含有アルコー
    ル溶液の製造法。
  2. 【請求項2】金属ハロゲン化物が、結晶水を含むハロゲ
    ン化物、酸化ハロゲン化物、あるいは結晶水を含む酸化
    ハロゲン化物である特許請求の範囲第1項記載の製造
    法。
  3. 【請求項3】Al,In,Y,ランタン系元素、Sn,Ti,Zr,Sb,V,
    NbおよびMnよりなる群から選択される1種または2種以
    上の金属のハロゲン化物と、 下記一般式で示されるアルコールアミン類の1種または
    2種以上とを、 b)R1N(CH2CH2OH)2 c)N(CH2CH2OH)3 [ただしR1,R2はCxH2x+1,xは0または1〜4の整数を表
    わす] 前者/後者のモル比で1/0.5乃至1/n(nは上記金属の酸
    化数を表わす)の範囲で使用し、これらを炭素数1〜4
    のアルコールに溶解または懸濁させ、これに、前記金属
    ハロゲン化物1モルに対して(n−1.5)〜(n+1.5)
    (nは上記と同じ意味を表わす)モルのアンモニアを吹
    き込んで反応させた後、得られる溶液をイオン交換樹脂
    で処理することを特徴とする金属含有アルコール溶液の
    製造法。
  4. 【請求項4】金属のハロゲン化物が、結晶水を含むハロ
    ゲン化物、酸化ハロゲン化物、あるいは結晶水を含む酸
    化ハロゲン化物である特許請求の範囲第3項記載の製造
    法。
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