JPH08191206A - 積層型3dB方向性結合器 - Google Patents

積層型3dB方向性結合器

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JPH08191206A
JPH08191206A JP6336416A JP33641694A JPH08191206A JP H08191206 A JPH08191206 A JP H08191206A JP 6336416 A JP6336416 A JP 6336416A JP 33641694 A JP33641694 A JP 33641694A JP H08191206 A JPH08191206 A JP H08191206A
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line
strip line
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electrode
directional coupler
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Tsuyoshi Takeda
剛志 武田
Yoichi Tanaka
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 小型化された積層型3dB方向性結合器を提
供する。 【構成】 導体膜が形成された誘電体層2,3,4,
5,6,7を積層し、該導体膜が積層された誘電体層間
をスルーホールで接続されて、第1のストリップライン
8a,8bと第2のストリップライン9a,9bとが形
成されている積層型方向性結合器であって、前記第1の
ストリップラインは、少なくとも2層の誘電体層に形成
された導体膜をスルーホールで接続して構成されてお
り、かつ前記第1のストリップラインを構成する誘電体
層間の誘電体層上に第2のストリップライン9bを構成
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、携帯電話等に使用され
る3dB方向性結合器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の3dB方向性結合器の斜視図を図
7に示す。この従来例では、主線路及び副線路を同じ基
板上に作製した同一平面型の場合を示す。これは、裏面
に平面状の地導体52が形成された誘電体基板51の表
面に2本のストリップライン53、54が間隔Sだけ離
れて平行に配されている。これらのストリップライン5
3、54の平行な部分の長さは、それぞれ1/4波長の
長さになるように構成されている。この方向性結合器で
は、ポートP1より入力された高周波電力は、主線路で
あるストリップライン53を通り、ポートP2に出力さ
れる。このとき、主線路であるストリップライン53と
副線路であるストリップライン54との結合により、ス
トリップライン53を通る電力の半部が、ストリップラ
イン54に流れ、ポートP3に出力される。このとき、
ポートP4には出力は現れない。又、この時ポートP2
に表れる電圧V2とポートP3に表れる電圧V3の間に
は90度の位相差を持つ。次に、主線路であるストリッ
プライン53の逆方向に、つまりポートP2からポート
P1に向かって電力を流した場合、その半部の電力がポ
ートP4に現れ、ポートP3には現れない。つまり、ポ
ートP2とポートP3とには、アイソレーションがあ
り、ポートP3にはポートP2からの電力の回り込みが
ない。これが、3dB方向性結合器の基本的な動作であ
る。主線路53から副線路54への結合は、二つのスト
リップラインの平行部分の間隔Sを調節することにより
可能である。図7の従来例の説明では、主線路及び副線
路をストリップライン53、54としたが、図7の対称
な構造から明かなように、主線路及び副線路の役割を入
れ替えても、同じように方向性結合器の基本的動作を実
現できる。
【0003】図8は、従来技術の他の例であり、主線路
であるストリップライン65及び副線路であるストリッ
プライン66を積層した場合を示す。これは、裏面に平
面状の地導体64が形成された誘電体基板61の表面に
副線路であるストリップライン66が配されている。そ
の上方には主線路であるストリップライン65を形成し
た誘電体基板62が間隔Lだけ離れて平行に配されてい
る。その上には、保護用の誘電体基板63が設けられて
いる。これらの3つの基板を積層して焼成し、外部端子
を付加して完成させた方向性結合器の斜視図を図9に示
す。この場合も図7と同じような動作を実現でき、ポー
トP1より入力された高周波電力は、主線路であるスト
リップライン65を通り、ポートP2に出力される。こ
のとき、主線路であるストリップライン65と副線路で
あるストリップライン66との結合により、ストリップ
ライン65を通る電力の半部が、ストリップライン66
に流れ、ポートP3に出力される。このとき、ポートP
4には出力は現れない。そして、ポートP2とポートP
3に表れる電力の電圧が90度の位相差を持つ。ポート
P2から流れ込む電力はポートP3には表れない。ポー
トP3から流れ込む電力はポートP2には表れない。つ
まり、ポート2とポート3の2出力端子間にはアイソレ
ーションがある。主線路65から副線路66への結合
は、二つのストリップラインの平行部分の積層方向の間
隔、すなわち誘電体基板62の厚みDを調節することに
より可能である。
【0004】このように高周波電力を90度の位相差を
持たせ、2つの出力端子に半分ずつ分岐をする機能を有
する3dB方向性結合器は、マイクロ波通信の例えば携
帯電話の送信器の差動型パワーアンプの入出力用分配/
合成器に用いられる。図10にその応用例のブロック図
を示す。3dB方向性結合器71の主線路のポートP1
をプリアンプ出力端子に接続するとともに、2つの出力
端子ポートP2、P3を、それぞれ並列配置された2つ
のパワーアンプ77の入力端子に接続する。残りのポー
トP4へは電力を吸収する抵抗素子75を接続して、差
動型パワーアンプの入力用分配器71を構成する。同様
に、パワーアンプ出力用合成器72としては、3dB方
向性結合器72のポートP2及びポートP3をそれぞれ
並列アンプ77の2つの出力端子へ接続し、そしてポー
トP1をアンテナ74へ向かう線路に接続する。残りの
ポートP4へは電力を吸収する抵抗素子76を接続し
て、差動型パワーアンプの出力用合成器72を構成す
る。この時、合成器72の2つの端子P2とP3から入
力する電力は、同一周波数で、電圧位相差90度を持つ
電力である。アンプ入力用分配器71の出力端子P2と
アンプ出力用合成器72の入力端子P3を対にして接続
することで、90度位相差をもつ2つの入力端子はアン
プ出力用合成器72の出力端子P1において、同相で合
成され出力される。この3dB方向性結合器には、低損
失で、2つの出力電力の電圧位相差が90度で一定であ
る事、かつ2つの出力電力の電力差が小さい事が必要と
される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、携帯電
話器などでは、その小型化が重要な課題となっており、
前記目的に使用される方向性結合器についても、より一
層の小型化が要求されるようになっている。従来技術の
図7の例のような1/4波長の方向性結合器では、その
ストリップライン電極の長さは、例えば1GHzでは
2.5cm(比誘電率ε=9とした場合の1/4波長)
の長さを必要とし、十分な小型化が期待できない。さら
に比誘電率の大きな材料を用いて、1/4波長を短くす
る方法も考えられるが、50Ωのインピーダンスを維持
するためにはストリップライン幅が極めて細くなること
や、主線路と副線路の所望の結合を得るためにはストリ
ップラインの間隔が著しく狭くなること等、高い加工精
度が要求されるようになる。このため、量産性に乏し
く、耐電力性も悪くなるという問題があった。また、従
来技術の図8のように複数のストリップラインを縦方向
に積層した構造においては、二つの線路の結合が平面で
行われるので制御の範囲が広くなるものの、小型化とい
う点では事情は前記例となんら変わらない。小型化の一
つの方向は、1/4波長より線路長を短くする方法が考
えられるが、従来技術を用い単に線路長を短くしていっ
たのでは、広い周波数範囲で十分に高いアイソレーショ
ンを実現できないという難点があった。本発明は、上記
のことを鑑みて、小型化された積層型3dB方向性結合
器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】導体膜が形成された誘電
体層を積層し、該導体膜が積層された誘電体層間をスル
ーホールで接続されて、第1のストリップラインと第2
のストリップラインとが形成されている積層型方向性結
合器であって、前記第1のストリップラインは、少なく
とも2層の誘電体層に形成された導体膜をスルーホール
で接続して構成されており、かつ前記第1のストリップ
ラインを構成する誘電体層間の誘電体層上に第2のスト
リップラインを構成するための導体膜が形成されている
積層型3dB方向性結合器である。また本発明は、前記
第1のストリップライン及び第2のストリップライン
が、それぞれ1回以上巻回されていることものである。
また本発明は、前記第1のストリップラインの入力と出
力は、前記積層体の対向する両面に分かれて形成されて
いるものである。また本発明は、前記第1のストリップ
ラインの入力と出力は、前記積層体の中心に対して回転
対称の位置に分かれて形成されているものである。
【0007】
【作用】本発明は、導体膜が形成された誘電体層を積層
し、その導体膜を積層方向に接続して、第1のストリッ
プラインと第2のストリップラインとを形成する積層型
方向性結合器であり、かつ、第1のストリップラインを
構成する誘電体層間に第2のストリップラインを挟む構
成とするため、主線路と副線路の結合を高め、方向性結
合器として良好な特性を得ている。また本発明は、第1
のストリップライン及び第2のストリップラインが、そ
れぞれ1回以上巻回されており、これにより主線路と副
線路がコイル結合し、従来の1/4波長結合より短い線
路長で結合が可能となり、小型に形成可能となった。ま
た本発明は、第1のストリップラインの入力と出力は、
積層体の対向する両面に分かれて形成されており、また
第1のストリップラインの入力と出力は、前記積層体の
中心に対して回転対称の位置に分かれて形成されている
ことにより、図10に示すようなパワーアンプの入力分
配器としても出力合成器としても使用出来る。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を詳
細に説明する。本発明に係わる一実施例の組立構成部品
図を図1に示す。また、本発明に係わる一実施例の前記
構成部品を組み立てた積層型3dB方向性結合器1の斜
視図を図2に示す。本発明の実施例である積層型3dB
方向性結合器1は、下層の誘電体層2と、副線路用のス
トリップライン電極が形成された誘電体層3、5と、主
線路用のストリップライン電極が形成された誘電体層
4、6と、上層の誘電体層7とを積層して構成されてい
る。これらの各誘電体層は、低温焼結用のセラミックグ
リーンシートが用いられている。下層の誘電体層2の上
に、副線路用の誘電体層3が積層される。この副線路用
の誘電体層3は、セラミックグリーンシートの一面にス
トリップライン電極9aが形成されている。ストリップ
ライン電極9aの一端は誘電体層の側面まで達してお
り、積層体では外部電極Cと接続される。またストリッ
プライン電極9aの他端はスルーホール用ラウンド電極
10aが形成されている。この副線路用の誘電体層3の
上に、主線路用の誘電体層4が積層される。この主線路
用の誘電体層4は、セラミックグリーンシートの一面に
ストリップライン電極8aとスルーホール11aが形成
されている。ストリップライン電極8aの一端は誘電体
層の側面まで達しており、積層体では外部電極Aと接続
される。またストリップライン電極8aの他端はスルー
ホール用ラウンド電極10bが形成されている。この主
線路用の誘電体層4の上に、もう一つの副線路用の誘電
体層5が積層される。この副線路用の誘電体層5は、セ
ラミックグリーンシートの一面にストリップライン電極
9bとスルーホール11cが形成されている。ストリッ
プライン電極9bの一端は誘電体層の側面まで達してお
り、積層体では外部電極Dと接続される。またストリッ
プライン電極9bの他端はスルーホール11bが形成さ
れている。この副線路用の誘電体層5の上に、もう一つ
の主線路用の誘電体層6が積層される。この主線路用の
誘電体層6は、セラミックグリーンシートの一面にスト
リップライン電極8bが形成されている。ストリップラ
イン電極8bの一端は誘電体層の側面まで達しており、
積層体では外部電極Bと接続される。またストリップラ
イン電極8bの他端はスルーホール11dが形成されて
いる。この主線路用の誘電体層6の上に、上層の誘電体
層7が積層される。
【0009】主線路用の誘電体層に形成されたストリッ
プライン電極8a,8bはスルーホール用ラウンド電極
10bと、スルーホール11cと、スルーホール11d
で接続され、外部端子A(P1)と外部端子B(P2)
間で第1のストリップラインを構成している。また副線
路用の誘電体層に形成されたストリップライン電極9
a,9bはスルーホール用ラウンド電極10aと、スル
ーホール11aと、スルーホール11bで接続され、外
部端子C(P3)と外部端子D(P4)間で第2のスト
リップラインを構成している。このとき、主線路用の誘
電体層4、6の間に副線路用のストリップライン電極9
bが形成された誘電体層5が挟まれている。この各誘電
体層のグリーンシートは、各電極膜が印刷技術により形
成された後に積み重ねられ、約900℃の温度で焼成さ
れ一体化される。結果として図2に示す方向性結合器1
が完成する。各グリーンシートの側面に設けられた外部
電極A,B,C,Dは、積層体が焼成一体化された後形
成したが、焼成前に形成して一体焼成しても良い。本実
施例のセラミックグリーンシートは、比誘電率εがほぼ
8で、900℃で焼成可能な誘電体材料であり、その厚
みは90μm(焼成後:65μm)のものを用いた。各
電極は、厚さ10μmの銀電極であり、ストリップライ
ン電極の幅を0.2mmとした。積層後一体焼成して完
成したチップ型方向性結合器の外寸法は、3.2×1.
6×1.0t(mm)であった。本実施例は、外部電極
Aを主線路の入力P1、外部電極Bは主線路の出力P
2、外部電極Cを副線路の出力P3、外部電極Dは主線
路のアイソレーション出力P4となっている。この実施
例により、1.5GHz用の積層型3dB方向性結合器
を構成した。このとき、線路長は、9.6mmであり、
約1/8波長の長さで構成されている。また、この実施
例の挿入損失特性を図3に、アイソレーションを図4
に、P2とP3の位相差を図5に示す。この各特性図に
示すように、この実施例は、挿入損失が2分配損失3d
Bを含めて、4dB以下であり、低損失となっている。
またその電力差は±1dB以下であり、位相差も約88
度でフラットな特性を示している。3dB方向性結合器
として優れた特性を有している。更に、アイソレーショ
ンも十分である。
【0010】本発明に係わる別の実施例の組立構成部品
図を図6に示す。また、この実施例を組み立てた積層型
方向性結合器は、図2の斜視図と同様である。この実施
例である積層型方向性結合器は、下層の誘電体層21
と、副線路用のストリップライン電極が形成された誘電
体層22、24、26、28と、主線路用のストリップ
ライン電極が形成された誘電体層23、25、27、2
9と、上層の誘電体層30とを積層して構成されてい
る。これらの各誘電体層は、低温焼結用のセラミックグ
リーンシートが用いられている。下層の誘電体層21の
上に、副線路用の誘電体層22が積層される。この副線
路用の誘電体層22は、セラミックグリーンシートの一
面にストリップライン電極32aが形成されている。ス
トリップライン電極32aの一端は誘電体層の側面まで
達しており、積層体では外部電極Dと接続される。また
ストリップライン電極32aの他端はスルーホール用ラ
ウンド電極33aが形成されている。この副線路用の誘
電体層22の上に、主線路用の誘電体層23が積層され
る。この主線路用の誘電体層23は、セラミックグリー
ンシートの一面にストリップライン電極31aとスルー
ホール34aが形成されている。ストリップライン電極
31aの一端は誘電体層の側面まで達しており、積層体
では外部電極Bと接続される。またストリップライン電
極31aの他端はスルーホール用ラウンド電極33bが
形成されている。この主線路用の誘電体層23の上に、
次の副線路用の誘電体層24が積層される。この副線路
用の誘電体層24は、セラミックグリーンシートの一面
にストリップライン電極32bとスルーホール34cが
形成されている。ストリップライン電極32bの一端は
スルーホール34bが形成されており、他端はスルーホ
ール用ラウンド電極33cが形成されている。この副線
路用の誘電体層24の上に、次の主線路用の誘電体層2
5が積層される。この主線路用の誘電体層25は、セラ
ミックグリーンシートの一面にストリップライン電極3
1bとスルーホール34eが形成されている。ストリッ
プライン電極31bの一端はスルーホール34dが形成
されており、他端はスルーホール用ラウンド電極33d
が形成されている。この主線路用の誘電体層25の上
に、次の副線路用の誘電体層26が積層される。この副
線路用の誘電体層26は、セラミックグリーンシートの
一面にストリップライン電極32cとスルーホール34
gが形成されている。ストリップライン電極32cの一
端はスルーホール34fが形成されており、他端はスル
ーホール用ラウンド電極33eが形成されている。この
副線路用の誘電体層26の上に、次の主線路用の誘電体
層27が積層される。この主線路用の誘電体層27は、
セラミックグリーンシートの一面にストリップライン電
極31cとスルーホール34iが形成されている。スト
リップライン電極31cの一端はスルーホール34hが
形成されており、他端はスルーホール用ラウンド電極3
3fが形成されている。この主線路用の誘電体層27の
上に、最後の副線路用の誘電体層28が積層される。こ
の副線路用の誘電体層28は、セラミックグリーンシー
トの一面にストリップライン電極32dとスルーホール
34kが形成されている。ストリップライン電極32d
の一端は誘電体層の側面まで達しており、積層体では外
部電極Cと接続される。またストリップライン電極32
dの他端はスルーホール34jが形成されている。この
副線路用の誘電体層28の上に、最後の主線路用の誘電
体層29が積層される。この主線路用の誘電体層29
は、セラミックグリーンシートの一面にストリップライ
ン電極31dが形成されている。ストリップライン電極
31dの一端は誘電体層の側面まで達しており、積層体
では外部電極Aと接続される。またストリップライン電
極31dの他端はスルーホール34lが形成されてい
る。この主線路用の誘電体層29の上に、上層の誘電体
層30が積層される。
【0011】主線路用の誘電体層に形成されたストリッ
プライン電極31a、31b、31c、31dはスルー
ホール用ラウンド電極33bと、スルーホール34c
と、スルーホール34d、スルーホール用ラウンド電極
33dと、スルーホール34gと、スルーホール34
h、スルーホール用ラウンド電極33fと、スルーホー
ル34kと、スルーホール34lで接続され、外部端子
A(P1)と外部端子B(P2)間で第1のストリップ
ラインを構成している。また副線路用の誘電体層に形成
されたストリップライン電極32a、32b、32c、
32dはスルーホール用ラウンド電極33aと、スルー
ホール34aと、スルーホール34b、スルーホール用
ラウンド電極33cと、スルーホール34eと、スルー
ホール34f、スルーホール用ラウンド電極33eと、
スルーホール34iと、スルーホール34jで接続さ
れ、外部端子C(P3)と外部端子D(P4)間で第2
のストリップラインを構成している。このとき、主線路
用の誘電体層23、25、27、29の間にそれぞれ副
線路用のストリップライン電極32b、32c、32d
が形成された誘電体層24、26、28が挟まれてい
る。この各誘電体層のグリーンシートは、各電極膜が印
刷技術により形成された後に積み重ねられ、約900℃
の温度で焼成され一体化される。結果として図2に示す
方向性結合器と同様のものが完成する。各グリーンシー
トの側面に設けられた外部電極A,B,C,Dは、焼成
一体化された後形成したが、焼成前に形成して一体焼成
しても良い。本実施例のセラミックグリーンシートは、
比誘電率εがほぼ8で、900℃で焼成可能な誘電体材
料であり、その厚みは90μm(焼成後:65μm)の
ものを用いた。各電極は、厚さ10μmの銀電極であ
り、ストリップライン電極の幅を0.2mmとした。積
層後一体焼成して完成したチップ型方向性結合器の外寸
法は、3.2×1.6×1.0t(mm)であった。本
実施例は、外部電極Aを主線路の入力P1、外部電極B
は主線路の出力P2、外部電極Cを副線路の出力P3、
外部電極Dは主線路のアイソレーション出力P4となっ
ている。この実施例によって、800MHz帯用の積層
型3dB方向性結合器を構成した。このとき、線路長
は、16mmであり、約1/8波長の長さで構成されて
いる。この特性は、上記実施例と同様の特性であり、3
dB方向性結合器として優れた特性を有していた。
【0012】本発明は、図7、図8の従来技術のように
分布定数型線路を前提としたU字型のストリップライン
ではなく、図1、図6に示すように集中定数回路部品と
同じような1回以上巻いたコイル状のストリップライン
とし、第1のストリップラインを構成する誘電体層間に
第2のストリップラインを構成する誘電体層を挟むもの
である。このような構造により、本来分布定数型線路で
ある複数のストリップラインをお互いにコイル結合させ
ることにより、小型化が達成されると共に、より広い周
波数範囲で高い性能を実現できるようになった。このた
め、お互いのストリップラインは重なっていることが重
要である。本実施例では、このため、ストリップライン
電極は、外部電極への引き出し部を除いて、ほぼ同一線
上に重なるように形成されている。また、従来の1/4
波長による設計に対し、本発明では、約1/8波長の長
さのストリップラインで構成できた。また、入力端子と
出力端子を積層体の対向する側面に形成したので、マイ
クロ波の伝搬が直線的回路上に接続でき、また図10に
示すような並列に配置されたパワーアンプの回路におい
て、スムーズな配置が可能である。さらに、本発明の実
施例では、非磁性の誘電体基板について述べたが、基板
として磁性体基板を用いても、本発明の効果を実現でき
る。このように、本発明の技術を用いることにより、広
帯域で高周波特性の優れた非常に小型の積層型3dB方
向性結合器を得ることができた。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、非常に小型で、高性能
な積層型3dB方向性結合器を構成できた。これによ
り、携帯電話器用等のマイクロ波部品の小型化に極めて
有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる一実施例の分解斜視図である。
【図2】本発明に係わる一実施例の斜視図である。
【図3】本発明に係わる一実施例の挿入損失特性図であ
る。
【図4】本発明に係わる一実施例のアイソレーション特
性図である。
【図5】本発明に係わる一実施例のP2とP3の位相差
の特性図である。
【図6】本発明に係る別の実施例の分解斜視図である。
【図7】従来技術の斜視図である。
【図8】従来技術の分解斜視図である。
【図9】従来技術の斜視図である。
【図10】方向性結合器の使用例の回路ブロック図であ
る。
【符号の説明】
1 積層型方向性結合器 2、3、4、5、6、7、21、22、23、24、2
5、26、27、28、29、30 誘電体層 8a、8b、9a、9b、31a、31b、31c、3
1d、32a、32b、32c、32d ストリップラ
イン電極 10a、10b、33a、33b、33c、33d、3
3e、33f スルーホール用ラウンド電極 11a、11b、11c、11d、34a、34b、3
4c、34d、34e、34f、34g、34h、34
i、34j、34k、34l スルーホール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体膜が形成された誘電体層を積層し、
    該導体膜が積層された誘電体層間をスルーホールで接続
    されて、第1のストリップラインと第2のストリップラ
    インとが形成されている積層型方向性結合器であって、
    前記第1のストリップラインは、少なくとも2層の誘電
    体層に形成された導体膜をスルーホールで接続して構成
    されており、かつ前記第1のストリップラインを構成す
    る誘電体層間の誘電体層上に第2のストリップラインを
    構成するための導体膜が形成されていることを特徴とす
    る積層型3dB方向性結合器。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記第1のストリッ
    プライン及び第2のストリップラインは、それぞれ1回
    以上巻回されていることを特徴とする積層型3dB方向
    性結合器。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記第1のストリッ
    プラインの入力と出力は、前記積層体の対向する両面に
    分かれて形成されていることを特徴とする積層型3dB
    方向性結合器。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記第1のストリッ
    プラインの入力と出力は、前記積層体の中心に対して回
    転対称の位置に分かれて形成されていることを特徴とす
    る積層型3dB方向性結合器。
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