JPH0819116B2 - 4―置換カルボニルクマリン化合物 - Google Patents

4―置換カルボニルクマリン化合物

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JPH0819116B2
JPH0819116B2 JP2321278A JP32127890A JPH0819116B2 JP H0819116 B2 JPH0819116 B2 JP H0819116B2 JP 2321278 A JP2321278 A JP 2321278A JP 32127890 A JP32127890 A JP 32127890A JP H0819116 B2 JPH0819116 B2 JP H0819116B2
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司 大山
一彦 村山
頼明 松崎
進 笠松
啓輔 詫摩
公敏 加藤
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三井東圧化学株式会社
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な化合物である4−置換カルボニルク
マリン化合物に関する。具体的には、光硬化樹脂に用い
る新規な光増感剤を提供する4−置換カルボニルクマリ
ン化合物に関するものである。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
近年、光重合反応を用いた情報記録の分野で、従来の
フイルム原稿等を用いた紫外線による記録方法に代わ
り、コンピュータによって電子編集された原稿をそのま
ま直接レーザーを用いて出力し記録する方法が検討され
ている。しかしながら、現在、一般的に使用されている
高出力で安定なレーザー光源は、例えば、アルゴンレー
ザーのように可視領域にその出力波長を有するものが多
く、従来使用されてきた紫外線用の感光剤では、可視域
での感度が低いため使用できなかった。また、ピリリウ
ム塩またはチアピリリウム塩類等の添加で、可視部での
感度の向上は可能であるが、その感光層の経時安定性が
劣り、使用するのが困難であった。
従来、7−アルキルアミノクマリン誘導体は、4−位
が無置換の場合、400〜450nm程度の最大吸収波長を有し
ているが、一般的に用いられているレーザー光源波長は
それよりも長波長のものが多く、その理由で十分な感度
が得られない場合が少なくなかった。
例えば、7−ジエチルアミノ−3−ベンゾチアゾイル
クマリン、3,3′−カルボニルビス(7−ジエチルアミ
ノクマリン)などが、最大吸収波長は450nm前後にある
ために、アルゴンレーザーの488nmよりは30〜40nm短波
長であり、感度向上の余地を残している。又、ある範囲
内では、増感剤の樹脂中への導入率と感度の間には正の
相関関係が成立するので、その範囲内ではできるだけ多
く樹脂中に安定に溶解している方が望ましいが、これに
ついても例を挙げた2つの化合物は溶解性が不良のため
に、樹脂中への増感剤の導入率が不足し、目的の感度が
得られていないのが現状である。
また、4−位をシアノ化すれば、化合物の極大吸収波
長のより長波長側への移行(以下、単に長波長化とい
う)は可能であるが、樹脂への溶解性や保存安定性を損
なう場合が多かった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した
結果、前記一般的(I)で表される化合物を見出し、本
発明を完成した。
すなわち、本発明は一般式(I) 〔式中、R1、R2はそれぞれ同一または独立に水素原子、
アルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、ヒ
ドロキシアルキル基、アラルキル基、アリール基、アル
コキシカルボニルアルキル基を示し、互いに結合する
か、骨格内のアミノ基の置換したベンゼン核と結合して
環を形成していてもよく、R3は、水素原子、アルキル
基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハ
ロゲノアルキル基、水酸基、アルコキシ基、アルコキシ
アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子
を示し、Xは水素原子、アルキル基、シクロアルキル
基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、水酸基、アリ
ール基、アルケニル基、アリールオキシ基、アルケニル
オキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、アルコ
キシカルボニルアルコキシ基、アルキルカルボニルアル
コキシ基、あるいは次の置換基を示す。
R4OCH2 m n,R4OCH2 m n−O−R4−HN
−, (こゝで、R4、R5は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ
アルキル基、ヒドロキシアルコキシアルキル基、アルコ
キシアルキル基、シクロアルキル基を示し、n、mはそ
れぞれ1〜5の整数)を示す。Yはアルキルカルボニル
基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アリールカ
ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシ
カルボニルアルキルカルボニル基、アルコキシカルボニ
ルアルコキシカルボニル基、または次のいづれかのヘテ
ロ環基を示す。
〕で表される4−置換カルボニルクマリン化合物を提供
するものである。
この本発明の化合物は、増感剤として有用な新規のク
マリン化合物である。すなわち、クマリン骨格の4−位
へ置換カルボニル基を導入し、かつ3−位に特定の置換
基を導入したことにより、極大吸収波長の長波長化と樹
脂中への高溶解性を同時に実現したものであり、光硬化
樹脂、例えば、エチレン型不飽和結合を分子中に少なく
とも1個以上有する光重合または光架橋可能な化合物、
および光重合開始剤を用いる光硬化に適用可能なクマリ
ン化合物として極めて有用な化合物である。更に従来の
増感剤は塗布方式の違いによって感度が大きく変動して
いたが、本発明の増感剤は、いずれの方式においても安
定した感度を示し、要望を充分に満足させるものであ
る。
また、一般式(I)の該化合物は、文献にその記載が
なく、新規化合物であることを確認した。以下、本発明
を詳細に説明する。
本発明の化合物は、一般式(I) で表される構造式に明らかなように、4−位に置換カル
ボニル基を有し、3−位に特定の置換基を有することを
特徴とするクマリン化合物である。
一般式(I)において、R1およびR2は水素原子、アル
キル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、ヒドロ
キシアルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキ
シカルボニルアルキル基を示し、互いに同一であっても
異なっていてもよい。
具体的には、水素原子;メチル、エチル、n−プロピ
ル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−
ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル基等
のアルキル基;メトキシメチル、メトキシエチル、エト
キシメチル、エトキシエチル、γ−メトキシプロピル、
γ−エトキシプロピル基等のアルコキシアルキル基;ア
リル、2−ブテニル、2−ペンテニル基等のアルケニル
基;ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、2−ヒドロ
キシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキ
シブチル基等のヒドロキシアルキル基;ベンジル、フェ
ネチル基等のアラルキル基;フェニル、P−メチルフェ
ニル、m−メチルフェニル、o−メチルフェニル、2,4
−ジメチルフェニル基等のアリール基;メトキシカルボ
ニルメチル、メトキシカルボニルエチル、エトキシカル
ボニルメチル、エトキシカルボニルエチル基等のアルコ
キシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
また、R1とR2が互いに結合し、または骨格内のアミノ
基が置換しているベンゼン核と結合して、つぎの環を形
成してもよい。
(なお、これらの環において、R2、R3は一般式(I)の
場合と同じ意味を示す) また、一般式(I)において、R3は、水素原子、アル
キル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル
基、ハロゲノアルキル基、水酸基、アルコキシ基、アル
コキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲ
ン原子を示し、具体的には、水素原子;メチル、エチ
ル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル基等の
アルキル基;メトキシメチル、メトキシエチル、エトキ
シメチル、エトキシエチル基等のアルコキシアルキル
基;ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、2−ヒドロ
キシプロピル、3−ヒドロキシプロピル基等のヒドロキ
シアルキル基;クロロメチル、2−クロロエチル、ジク
ロロメチル、トリフルオロメチル基等のハロゲノアルキ
ル基;水酸基;メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、
n−ブトキシ基等のアルコキシ基;メトキシメトキシ、
メトキシエトキシ、エトキシメトキシ、エトキシエトキ
シ、n−プロポキシエトキシ基等のアルコキシアルコキ
シ基;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−
プロポキシカルボニル、iso−プロポキシカルボニル基
等のアルコキシカルボニル基;スルホン酸基;塩素原
子、フッソ原子、臭素原子等のハロゲン原子が挙げられ
る。
同様に一般式(I)において、Xは水素原子、アルキ
ル基、シクロヘキシル基、アルコキシ基、シクロアルコ
キシ基、水酸基、アリール基、アルケニル基、アリール
オキシ基、アルケニルオキシ基、アラルキル基、アラル
キルオキシ基、アルコキシカルボニルアルコキシ基、ア
ルキルカルボニルアルコキシ基、あるいは次の置換基で
あり、 R4OCH2 m n,R4OCH2 m n−O−R4−HN
−, (こゝで、R4、R5は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ
アルキル基、ヒドロキシアルコキシアルキル基、アルコ
キシアルキル基、シクロアルキル基を示し、n、mはそ
れぞれ1〜5の整数を示す) 具体的には、水素原子;メチル、エチル、n−プロピ
ル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、sec−
ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n
−ヘプチル、n−オクチル基等のアルキル基;シクロペ
ンチル、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;メト
キシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、
n−ブトキシ、iso−ブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブ
トキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ、n
−ヘプチルオキシ、n−オクチルオキシ基等のアルコキ
シ基;シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ基
等のシクロアルコキシ基;水酸基;フェニル、p−メチ
ルフェニル、m−メチルフェニル、o−メチルフェニル
基等のアリール基;2−ブテニル、2−ペンテニル基等の
アルケニル基;フエノキシ、p−メチルフエノキシ、m
−メチルフエノキシ、o−メチルフエノキシ、2,4−ジ
メチルフエノキシ、2,6−ジメチルフエノキシ、2,4,6−
トリメチルフエノキシ、4−フェニルフエノキシ基等の
アリールオキシ基;プロペノキシ、2−ブテノキシ基等
のアルケニルオキシ等;ベンジル、フェネチル基等のア
ラルキル基;ベンジルオキシ、メチルベンジルオキシ、
フェネチルオキシ基等のアラルキルオキシ基;メトキシ
カルボニルメトキシ、エトキシカルボニルメトキシ、n
−プロポキシカルボニルメトキシ、iso−プロポキシカ
ルボニルメトキシ基等のアルコキシカルボニルアルコキ
シ基;メチルカルボニルメトキシ、エチルカルボニルメ
トキシ基等のアルキルカルボニルアルコキシ;ヒドロキ
シエチル、ヒドロキシエトキシエチル、ヒドロキシエト
キシエトキシエチル、エトキシエトキシエチル、ヒドロ
キシエトキシ、ヒドロキシエトキシエトキシ、ヒドロキ
シプロポキシプロポキシ、ヒドロキシエトキシエトキシ
エトキシ基等のポリエーテル基;アミノ基;メチルアミ
ノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、n−ブチルア
ミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、n−
オクチルアミノ基等のモノアルキルアミノ基;ジメチル
アミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチル
アミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ、ジオク
チルアミノ等のジアルキルアミノ基;ヒドロキシエチル
アミノ、2−ヒドロキシプロピルアミノ、3−ヒドロキ
シプロピルアミノ基等のモノ(ヒドロキシアルキル)ア
ミノ基;ジ(ヒドロキシエチル)アミノ、ジ(2−ヒド
ロキシプロピル)アミノ、ジ(3−ヒドロキシプロピ
ル)アミノ基等のジ(ヒドロキシアルキル)アミノ基;
ヒドロキシエトキシエチルアミノ、ヒドロキシプロポキ
シエチルアミノ、ヒドロキシプロポキシプロピルアミノ
基等のモノ〔ヒドロキシアルコキシアルキル)アミノ
基;ジ(ヒドロキシエトキシエチル)アミノ、ジ(ヒド
ロキシプロポキシエチル)アミノ、ジ(ヒドロキシプロ
ポキシプロピル)アミノ基等のジ(ヒドロキシアルコキ
シアルキル)アミノ基;メトキシメチルアミノ、メトキ
シエチルアミノ、エトキシメチルアミノ、エトキシエチ
ルアミノ、プロポキシエチルアミノ等のモノ(アルコキ
シアルキル)アミノ基;ジ(メトキシメチル)アミノ、
ジ(メトキシエチル)アミノ、ジ(エトキシメチル)ア
ミノ、ジ(エトキシエチル)アミノ、ジ(プロポキシエ
チル)アミノ基等のジ(アルコキシアルキル)アミノ
基;シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ基等
のシクロアルキルアミノ基が挙げられる。
さらに、一般式(I)において、Yはアルキルカルボ
ニル基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アリー
ルカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコ
キシカルボニルアルキルカルボニル、アルコキシカルボ
ニルアルコキシカルボニル基、またはヘテロ環基を示
す。
具体的には、メチルカルボニル、エチルカルボニル、
n−プロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル基等の
アルキルカルボニル基;メトキシカルボニル、エトキシ
カルボニル、n−プロポキシカルボニル、n−ブトキシ
カルボニル基等のアルコキシカルボニル基;フエニル、
p−メチルフェニル、m−メチルフエニル、o−メチル
フェニル基等のアリール基;ベンゾイル、p−メチルベ
ンゾイル、m−メチルベンゾイル、o−メチルベンゾイ
ル基等のアリールカルボニル基;フェノキシカルボニ
ル、p−メチルフェノキシカルボニル、m−メチルフェ
ノキシカルボニル、o−メチルフェノキシカルボニル基
等のアリールオキシカルボニル基;メトキシカルボニル
メチルカルボニル、エトキシカルボニルメチルカルボニ
ル基等のアルコキシカルボニルアルキルカルボニル基;
メトキシカルボニルメトキシカルボニル、エトキシカル
ボニルメトキシカルボニル等のアルコキシカルボニルア
ルコキシカルボニル基;または下記で表されるヘテロ環
基が挙げられる。
本発明の化合物は、例えば、下記に示した反応径路で
製造することができる。
原料である4−置換アミノサリチルアルデヒド(II)
とシアノメチル置換体を、例えば、メタノール、エタノ
ール、N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略す
る)、ジメチルスルホキシドのような極性溶媒中で1:1
で混合したものに、10分の1程度の触媒量の弱塩基を加
える。弱塩基としては、例えば、ピペリジン、ピロリジ
ン、ピリジン、アニリンのようなアミン類が好ましい。
その混合物を0〜80℃で1〜12時間反応させ化合物
(III)を得る。これを5〜20倍量の1〜5重量%の希
塩酸で2〜6時間煮沸すると、化合物(IV)を得る。ま
た、シアノメチル置換体の代わりにアルコキシカルボニ
ルメチル置換体を用いて、上記の方法で反応させると、
化合物(III)を経ることなく化合物(IV)を得ること
ができる。
シアノ化は得られた化合物(IV)を「Dyes and Pigme
nts 1巻,3〜15ページ(1980年)」記載の方法に従い、D
MF中でNaCNと反応させた後に臭素によって酸化すること
によってシアノ体(V)が得られる。
シアノ体(V)から新規化合物(I)を得る方法は、
50〜80重量%の硫酸で70〜100℃に加熱して、シアノ基
を加水分解し、カルボン酸(VI)とした後に、アルコー
ル類、アミノ類、ハロゲン化アルキル類、各種トシレー
ト類、またはフェノール類等と、塩素化剤で、一旦酸ク
ロライドにした後反応させるか、もしくは酸触媒、脱水
剤存在下、または無触媒で加熱する方法があるが、シア
ノ体(V)と等モル程度の水を含んだアルコール類等の
混合物中に、濃硫酸を滴下し、50〜100℃に加熱して
も、化合物(I)を直接に得ることができる。また、カ
ルボニルに直接炭素原子を導入するには、通常の方法で
シアノ基にBrMeXのようなグリニヤール試薬を反応させ
ると得られる。
〔作用および効果〕
本発明の4−置換カルボニルクマリン化合物は新規な
化合物であり、光増感剤として新規な有用性の高い化合
物である。
従来、光重合反応を用いた情報記録の分野で、コンピ
ュータによって電子編集された原稿をそのまま直接レー
ザーを用いて出力し記録する方式では、感光層の経時安
定性が低く、また、感度が低く溶解性、保存安定性等に
問題があった。
しかし、本発明の光増感色素を含んだ感光性樹脂組成
物を塗布して得られる感光被膜は、感度およびその経時
安定性に優れており、本発明は、実用上極めて有益なも
のである。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明を詳しく説明する。
例中、部は重量部、%は重量%を示す。
実施例1 4−ジエチルアミノサルチルアルデヒド20部と2−エ
トキシカルボニルメチルベンゾチアゾール18部にピペリ
ジン1部を加え、エタノール溶媒中で室温で12時間反応
させ、濾別後、結晶をよくエタノールで洗浄、乾燥し
て、3−(ベンゾチアゾ−2−イル)−7−ジエチルア
ミノクマリン32部を得た。
この化合物10部を「Dyes and Pigments 1巻,315ペー
ジ(1980年)」記載の方法に従い、50部のDMF中で懸濁
させ、そこへ30%NaCN水溶液9部を室温で滴下し、その
まま1時間反応させた後、臭素を5部0〜10℃で滴下
し、2時間攪拌し、濾過後良く水洗し、乾燥して、3−
〔ベンゾチアゾ−2−イル〕−4−シアノ−7−ジエチ
ルアミノクマリンを得た。
さらに上記シアノ化体9部を、100部のエタノール中
で98%硫酸21.6部と80℃、3時間反応させ、放冷後300
部の水に排出して中和した。
析出した結晶を濾別後よく水洗、乾燥して、3−〔ベ
ンゾチアゾ−2−イル〕−4−エトキシカルボニル−7
−ジエチルアミノクマリン7部を得た。
融点155〜157℃ 電子スペクトル;吸収極大〔λmax〕470nm (アセトン中) 元素分析値 C H N 計算値(%) 65.40 5.21 6.64 (C23H22N2O4S) 実測値(%) 65.31 5.33 6.69 NMR スペクトル(δ/ppm):DMSO−H6中 1.19(t,6H),1.35(t,3H),3.52(q,4H), 4.55(q,2H),6.65〜8.15(m,7H), 赤外線吸収スペクトル(KBr錠);図−1に示す。
また、上記クマリン化合物5部とポリビニルピロリド
ンをバインダーポリマーとして、100部ペンタエリスリ
トールトリアクリレートを100部、重合開始剤の3,3′,
4,4′−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベ
ンゾフエノン4部、メチルセルソルブを1000部を用い
て、感光液を調製し積層銅板上にスピナーを用いて塗布
した。
次いで、キセノンランプおよびアルゴンレーザーによ
って、上記の感光層に光照射したところ、すみやかに樹
脂が硬化することが確認された。
実施例2 4−ジエチルアミノサルチルアルデヒド20部とシアノ
メチルベンゾチアゾール17.5部にピペリジン1部を加
え、N,N−ジメチルホルムアミド溶媒中で、室温で8時
間時間反応させ、濾別後、結晶をよくエタノールで洗
浄、乾燥して、3−(ベンゾチアゾ−2−イル)−7−
ジエチルアミノクマリン−2−イミン28部を得た。この
化合物を400部の2%塩酸中で8時間煮沸し、3−(ベ
ンゾチアゾ−2−イル)−7−ジエチルアミノクマリン
−2−イミン26部を得た。この化合物を実施例1と同様
の方法でシアノ化し、このシアノ化物9部を70%硫酸中
で100℃、8時間加水分解すると、3−(ベンゾチアゾ
−2−イル)−7−ジエチルアミノクマリン−4−カル
ボン酸8.5部を得た。
これを100部の脱水テトラヒドロフラン中、ジシクロ
ヘキシルカルボイミド4部と室温で1時間反応させ、そ
の後、イソプロピルアルコール4.8部を10℃、30分間で
滴下して、同温度で3時間反応させ、3−(ベンゾチア
ゾ−2−イル)−4−イソプロポキシカルボニル−7−
ジエチルアミノクマリン6.3部を得た。
融点196〜198℃ 電子スペクトル;吸収極大〔λmax〕470nm (アセトン中) 元素分析値 C H N 計算値(%) 66.06 5.50 6.42 (C24H24N2O4S) 実測値(%) 66.12 5.61 6.33 NMR スペクトル(δ/ppm):DMSO−H6中 1.19(t,6H),1.39(t,6H),3.52(q,4H), 5.45(Sep,1H),6.65〜8.15(m,7H), 赤外線吸収スペクトル(KBr錠);図−2に示す。
また、上記クマリン化合物を用い実施例1に示したも
のと同様の組成の感光液を調製して、感光層を形成しキ
セノンランプおよびアルゴンレーザーによって光照射し
たところ、すみやかに樹脂が硬化することが確認され
た。
実施例3 実施例1と同様の方法で、エステル合成の際の100部
のエタノールの代わりにジエチルグリコールを用い、3
−(ベンゾチアゾ−2−イル)−4−ヒドロキシエトキ
シエトキシカルボニル−7−ジエチルアミノクマリン5
部を得た。
融点145〜146℃ 電子スペクトル;吸収極大〔λmax〕472nm (アセトン中) 元素分析値 C H N 計算値(%) 62.24 5.39 5.81 (C25H26N2O6S) 実測値(%) 62.21 5.45 5.72 NMR スペクトル(δ/ppm):DMSO−d6中 1.18(t,6H),3.43(t,4H),3.52(q,4H), 3.76(t,2H),4.22(s,1H),4.63(t,2H), 6.65〜8.22(m,7H), 赤外線吸収スペクトル(KBr錠);図−3に示す。
実施例4〜27 実施例1の方法に準じて表1に示す化合物を合成し
た。
また、上記クマリン化合物を用い実施例1に示したも
のと同様の組成の感光液を調製して、感光層を形成しキ
セノンランプおよびアルゴンレーザーによって光照射し
たところ、すみやかに樹脂が硬化することが確認され
た。
【図面の簡単な説明】
図面は、実施例で得た本発明の化合物の赤外線吸収スペ
クトルを示し、図−1が実施例1で合成した3−(ベン
ゾチアゾ−2−イル)−4−エトキシカルボニル−7−
ジエチルアミノクマリンの赤外線吸収スペクトルを示
し、図−2が実施例2で合成した3−(ベンゾチアゾ−
2−イル)−4−イソプロポキシカルボニル−7−ジエ
チルアミノクマリンの赤外線吸収スペクトルを示し、図
−3が実施例3で合成した3−(ベンゾチアゾ−2−イ
ル)−4−ヒドロキシエトキシエトキシカルボニル−7
−ジエチルアミノクマリンの赤外線吸収スペクトルを示
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08F 2/50 NDN G03F 7/031 (72)発明者 加藤 公敏 福岡県大牟田市淨真町116番地 (56)参考文献 特開 昭63−23901(JP,A) 特開 昭64−48857(JP,A) 特開 昭64−43562(JP,A) 特開 平3−223759(JP,A) 特開 平3−200880(JP,A) 特開 平3−200785(JP,A) 米国特許4698286(US,A) 米国特許4289844(US,A) J.Photochem.,35[1], (1986)P.33−46 Dyes Pigm.,[1], (1980)P.3−15 Appl.Phys.Zett.,25 [12],(1974),P.723−725 Chem.Pharm.Bull.,32 [10],(1984),P.3926−3933 Polym.Eng.Sci.,29[14 ],(1989),P.945−949

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) 〔式中、R1、R2はそれぞれ同一または独立に水素原子、
    アルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、ヒ
    ドロキシアルキル基、アラルキル基、アリール基、アル
    コキシカルボニルアルキル基を示し、互いに結合する
    か、骨格内のアミノ基の置換したベンゼン核と結合して
    環を形成していてもよく、R3は、水素原子、アルキル
    基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハ
    ロゲノアルキル基、水酸基、アルコキシ基、アルコキシ
    アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子
    を示し、Xは水素原子、アルキル基、シクロアルキル
    基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、水酸基、アリ
    ール基、アルケニル基、アリールオキシ基、アルケニル
    オキシ基、アラルキル基、アラルキルオキシ基、アルコ
    キシカルボニルアルコキシ基、アルキルカルボニルアル
    コキシ基、あるいは次の置換基を示す。 R4OCH2 m n,R4OCH2 m n−O−,R4−HN
    −, (こゝで、R4、R5は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ
    アルキル基、ヒドロキシアルコキシアルキル基、アルコ
    キシアルキル基、シクロアルキル基を示し、n、mはそ
    れぞれ1〜5の整数を示す)。Yはアルキルカルボニル
    基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アリールカ
    ルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシ
    カルボニルアルキルカルボニル基、アルコキシカルボニ
    ルアルコキシカルボニル基、または次の何れかのヘテロ
    環基を示す。 〕で表される4−置換カルボニルクマリン化合物。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4289844A (en) 1979-06-18 1981-09-15 Eastman Kodak Company Photopolymerizable compositions featuring novel co-initiators
US4698286A (en) 1985-06-03 1987-10-06 Hercules Incorporated Plasma developable photoresist compositions containing perylene coumarin photosensitizer

Patent Citations (2)

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US4289844A (en) 1979-06-18 1981-09-15 Eastman Kodak Company Photopolymerizable compositions featuring novel co-initiators
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Non-Patent Citations (5)

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Appl.Phys.Zett.,25[12,(1974),P.723−725
Chem.Pharm.Bull.,32[10,(1984),P.3926−3933
DyesPigm.,[1,(1980)P.3−15
J.Photochem.,35[1,(1986)P.33−46
Polym.Eng.Sci.,29[14,(1989),P.945−949

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